JP2009138480A - 管状体金属平板の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】主にせん断力を受ける略矩形金属平板について、金属平板のせん断座屈荷重を上げてせん断降伏荷重を確保し、降伏後必要とする大変形領域に至るまで降伏せん断耐力を安定的に維持し得るせん断耐震パネルを意図する。
【解決手段】略矩形金属平板の本補強構造1は、額縁状周辺枠材3と内部補強材4を並列に配した構造的直交異方性体となる管状体平板を示したものである。この平板が周辺部よりせん断力を受けると周辺枠材と内部補強材で囲まれた短冊状の領域でy軸方向のせん断力によって表裏金属平板2が降伏し、その後x軸方向に対しては内部補強材が寄与して大変形領域に至るまで耐力が維持される。管状体平板はせん断降伏後も前記短冊状の領域に暫く塑性化が限定され部分的に未だ弾性状態にあり、正負交番に繰り返される荷重に対し安定した履歴性状とすることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、制振ないし耐震を目的とする構造壁、間柱,境界梁,筋違の交差部位等の全て乃至一部を構成する主にせん断力を受ける略矩形金属平板について、早期のせん断座屈を回避してせん断降伏荷重を確保するとともに降伏後の大変形領域に於いてもせん断耐力が低下することなく安定して推移し、平板の塑性変形能力を高めることを意図した補強構造に関するものである。
せん断力を受ける略矩形金属平板は、せん断座屈荷重を確保できてもその後の座屈変形が成長する過程で耐力を維持し且つ正負交番に繰り返される荷重に対し安定した履歴性状とすることは難しく、このためせん断座屈荷重を相当高くする必要があって平板の幅厚比は小さくなり、結果的には多くのスティフナ−を格子状に配して平板全域を細分化することになる。
また、金属平板のせん断座屈荷重を降伏せん断荷重に対して相対的に高くするため、設計で要求されるせん断強度に対し降伏点応力度の極めて低い材料を使うことで金属平板の板厚を上げ、早期のせん断座屈を回避し降伏後の塑性変形能力を高める方法がある。この他、せん断力を受ける金属平板の耐力維持を図るため,粘弾性材料を組み込んだ壁板,壁板と建物部位との接合方法を工夫したもの等様々な提案がされている。
特開2001−146854 公開特許公報 特開2002−067217 公開特許公報 特開2003−172040 公開特許公報 特開2004−270208 公開特許公報 特開2004−278212 公開特許公報 特開2005−170898 公開特許公報
解決しようとする課題は、主にせん断力を受ける略矩形金属平板に対して平板のせん断剛性を高くしてせん断座屈荷重を上げ且つせん断降伏後の耐力の安定的な維持を図るための補強方法を提示し、薄い金属平板に対しても塑性変形能力を高めて正負交番に繰り返される荷重にも安定した履歴性状となるせん断耐震パネルとすることである。
主にせん断力を受ける略矩形金属平板として、周囲四辺に充実乃至管状矩形断面部材が構成する額縁状の枠組みを設け且つその内部に枠材と同厚の充実乃至管状矩形断面部材を配置し、前記構成部材に表裏金属平板を添接して管状体平板とすることでせん断座屈荷重を上げ、降伏直後の耐力低化を防ぎ更にその後もせん断耐力を落とすことなく安定した力学性状となることを意図する。
下記に示す数1はせん断力を受ける平板の釣合微分方程式であり、平板の剛性Dは第2式に示すように単位板幅の曲げ剛性として扱われるのが普通であるが、左辺中間項にかかる剛性は曲げ剛性のポアソン比成分を除けば基本的には第3式で示される捩り剛性でありせん断力に対し直接関与する。管状体平板として捩り剛性を高くするためには平板周辺部を固める必要があが、この対応は比較的容易でありせん断耐震パネルとして管状体平板は有力な構造体と考えられる。
Figure 2009138480
下記に示す数2は、厚さTの充実断面の平板に対して厚さtの薄板で構成される全体厚さTの管状体平板の剛性低下率をαとして示したものであるが、管状体を構成する板厚tが全体厚さTの10%で剛性は略50%低下するものの、剛性の3乗根が板厚とみると管状体平板の換算板厚は全体厚さの略80%と評価でき、管状体とすることによりせん断降伏荷重を大幅に下げ且つ見掛け上の幅厚比を小さくすることになるため、管状体平板はせん断降伏後の大変形領域に於いて安定した力学性状を確保できることになる。
Figure 2009138480
管状体平板の力学的要件を満たすための構造モデルを図1に示している。周囲四辺に充実乃至管状矩形断面部材が構成する額縁状の枠組み3を設け且つその内部に枠材と同厚の充実乃至管状矩形断面部材4を周辺枠組みの一方と平行に一本乃至複数本を層状に配し中間層を構成し、更に前記中間層の表裏両面に金属平板2を添接して管状体平板とするもので、構造的直交異方性体を構成することによりせん断降伏後の変形の増大に対しても表裏金属平板のせん断降伏荷重を維持することができる。
任意の長方形となる形状の管状体平板に対して、異方性補強構造を前提とするものの層状に配してなる内部補強材に加えて必要に応じ前記補強材と直交して前記部材を分断し乃至挿み込み充実乃至管状矩形断面部材を配置し、大きなせん断変形に対し降伏後に拡大成長する平板面外への曲げ変形を低く抑え正負交番に繰り返される荷重に対し安定した履歴性状となるようにする。
薄板で構成される管状体平板に対して、表裏金属平板に挟まれ且つ周囲四辺の枠組みと内部補強材乃至内部補強材同士の間隙部の一部乃至全域に金属体,紙質体,木質体,ゴム体,各種発泡体を充填し、表裏両面の金属平板の変形を相互に拘束することで管状体平板の形状を保ち、捩り剛性を高く維持して降伏後のせん断変形の成長にも安定した力学性状となるようにする。
図2は、捩り剛性を調べるための説明図であるが、(a)図は正方形複層金属平板1の周辺部から加わる捩り偶力MTの作用図であり、(b)図はそれを受け薄い管状体平板の表裏両面に流れるせん断応力τを示している。(c)図は900mmx900mmで周辺部に90mmx16mmの枠材3を配した平板断面図でその内部にE=3kN/cm2の発泡体5を充填した例、(d)図は枠材はそのままで表裏金属平板2の内部は空洞とする例である。
図3は、捩り偶力が加わる初期の剛性Dxyについて全体を充実断面とする平板との比で示した図である。●印の曲線は枠幅90mmの管状体平板で発泡体を充填した場合であるが、充実断面の剛性と比較して略60%の大きさであることは特記すべきことである。変形の進行に伴い徐々に低下する▼印の曲線は枠材で囲まれた管状体平板内部が空洞の場合で、低下の原因は表裏両面の金属平板が捩りに伴い平行を保てないことによる。○印で示す枠幅30mmの場合でも充実断面材の略30%の剛性を確保できるが、点線で示す周辺枠がない場合は十分な剛性は確保できない。
図4は、せん断降伏後の典型的な管状体平板1の力の流れを示したものであるが、周辺部の枠組みに作用するせん断力と釣合う主応力成分は実線で示す斜張力と点線で示す圧縮力とに分解される。降伏後のせん断変形に伴い実線の対角線方向に山・谷とする座屈波形が成長し、点線で示す斜め圧縮力により枠材3の隅角部が平板中央に引寄せられて降伏後の耐力低下の原因となるが、これを避けるための平板周辺部の額縁状枠組みは本構造の大きな特長である。本例題を含む以下の3例題は、表裏面板厚1.6mmの平板で構成される大きさ900mmx900mmで総厚T=19.2mmの管状体平板である。
図5は、額縁状周辺枠組みが平板降伏後の力学性状への影響を調べたものであり、以下の例題を含め降伏せん断応力σy及び降伏せん断歪みγyの無次元化指標で示している。周辺を囲む枠材の幅が90mmを□印,75mmを●印,50mmを○印で、その内部に並列に配された3本の補強材は幅50mmとする。周辺枠幅をある程度確保することで降伏後のせん断耐力は低下することなく維持されるが、枠幅が狭くなると降伏直後の耐力は低下する。下部に示す点線は外周部に平板から突出する150mmx16mmのフランジで囲まれた場合であり、降伏後せん断耐力を維持する直接的効果はないことが判る。
図6は、内部補強材4を一方向に並列に配して異方性体平板とする本補強構造の典型的な形を示したものである。補強材の本数及び間隔は管状体平板全体の剛性と表裏両面の金属平板2に対する座屈補剛の観点から決めることになる。この平板が周辺部よりせん断力を受けると、並列に配置された周辺枠材3と内部補強材4で囲まれた短冊状の領域でまずy軸方向のせん断力によって表裏両面の金属平板が降伏し、その後x軸方向のせん断力に対して補強材により徐々に耐力が上昇し釣合うと考えられる。
図7は、この異方性補強構造の力学的挙動を示すための解析例であり、前例と同じ管状体平板に対して内部補強材の寸法及び本数について検討したもので、補強材幅50mm3本の例を●印,幅75mm3本の例を○印,幅50mm4本の例を□印でそれぞれ図示している。直交異方性補強によれば補強材の本数や寸法が変っても影響は受け難く、表裏金属平板で決まるせん断降伏荷重が殆ど変ることはない。点線は幅25mmの補強材を縦横3本で格子状に配した平板の結果で、降伏初期から補強材強度が影響し耐力上昇している。
数3は、直交する方向で剛性の異なる所謂異方性体平板の釣合微分方程式である。釣合微分方程式左辺の各係数は第1項と第3項は曲げ剛性であり、第2項は両曲げ剛性の相乗平均で主に捩り剛性Dxyである。平板降伏後の力学性状を安定したものとする上で直交方向に異方性を強調した補強は降伏後も平板の一部に弾性領域を残すことになり、降伏後のせん断剛性の低下を極端なものとしないことでせん断降伏以降の力学的安定を図ることができる。
Figure 2009138480
図8は、降伏後せん断変形が進行した状態での表裏金属平板の力学的釣合いを示しているが、表裏両面の金属平板2は周辺枠材3及び内部補強材4との間の短冊状の領域に於いて斜張力が分散して働き、これに対し周辺枠材と内部補強材とが協働して関わっていると考えられる。直交異方性体とする補強構造は表裏面の金属平板で決まるせん断降伏荷重への内部補強材の影響を最小限とし、繰返し履歴特性に関与する面外変形の成長を制御する上で効果的な方法である。
図9は、せん断力を受ける管状体平板の面外への曲げ変形の成長を全体厚さTの比として示したものである。●印の実線は前例の50mm幅3本の補強材配置の結果であり、点線は枠材並びに補強材の間の空隙部に発泡体を充填して表裏金属平板の変形を拘束したもので、全体厚さTと比較して面外変形は低く抑えられている。○印の変形は枠材と補強材の厚さを上げた場合、□印は内部補強材を増やして間隔を狭めた場合で、せん断降伏荷重を変えることなく面外変形を更に低く抑えることができる。
図10は、主に既存建物の耐震補強用の組立て式間柱型せん断パネルで、単位パネル1を上下二面で構成する間柱の説明図である。(a)図は900mmx900mmの単位パネルで、75mmx12mmの周辺枠3と5本の30mmx12mmの補強材4で構成され且つ表裏金属平板2は厚さ0.8mmである。(b)図は900mmx900mmの単位パネル二枚で構成する2,250mmx900mmの間柱型せん断パネルで、外部補強材6のアングル2Ls-75x75x6を外面から挟み自立させ且つパネル同士及び上下の加力部位とは150mmx6mmの平板で止めている。
図11は、上記実施例についての数値解析結果で、□印の曲線は周辺部枠材と内部補強材がSS400鋼材の場合、●印は内部補強材のみ6063-T6アルミニウム合金材とするものであり、全てをアルミニウム合金材とする場合は○印である。管状体平板の剛性は表裏金属平板の配置に関係するために枠材や補強材の材質に関わらずせん断降伏後の耐力維持に支障はなく軽量化のため軽金属材料も選択の一つと考えられるが、点線で示す平板の面外曲げ変形の成長からみて金属材料の剛性については考慮する必要がある。
図12は、2,500mmx1,000mmの間柱型のせん断耐震パネルで、表裏両面の金属平板2は厚さ6mmで降伏点応力度σy=21kN/cm2の低降伏点鋼LY225である。管状体平板を構成する周辺部枠材3は75mmx50mmの矩形断面部材とし、4本の内部補強材4は50mmx50mmの断面で板厚3.2mmの角管部材と充実断面部材としている。(b)図は、大きな軸力を受けることを前提に並行する枠組み外部から75mmx12mmの帯状矩形平板6で挟み込んだ組立図であり、表裏金属平板を除く間柱構成部材は全てSS400の軟鋼である。
図13は前記例題の解析結果で、○印は軸力P=0,●印はの外側補強材がある軸力P=2,000kNで内部補強材を角管部材とする結果、□印は軸力P=2,000kNで内部補強材を充実断面部材とする結果である。図中点線で縦方向枠材中央の面外変形の成長を示しているが、管状体平板は全体厚さを上げて剛性を高く出来るために従来の格子状リブ補強と同様に面外変形を低く抑えられ、表裏両面の平板で決まるせん断降伏荷重を確保し且つその後の大変形領域に於いても耐力を落とすことなく安定した力学性状となる。
図14は、解析で取り上げた金属材料の機械的性質を示す引張試験結果であり、板厚差で区別した二種の鋼材は軟鋼SS400で降伏点応力度はσy=30kN/cm2,低降伏点鋼LY225の降伏点応力度はσy=21kN/cm2、両者のヤング係数はE=20,500kN/cm2として図中実線で示している。アルミニウム合金材6063-T6の降伏点応力度はσy=21kN/cm2でヤング係数はE=7,200kN/cm2として点線で示している。
本発明の管状体平板は、矩形断面部材に対してH形断面部材や箱形断面部材が存在すると同じように、充実断面の平板に対して薄い管状体を構成する平板と考えればそれほど奇異なものではない。しかもせん断力を受ける平板にあっては対応する剛性は平板の捩り剛性であるため、表裏両面の金属平板が平行を保ち管状体が崩れることなくせん断流れが保持されればよく、管状体平板はせん断耐震パネルとして製作容易な実用性の高い構造と考えられる。
本発明の管状体平板は、管状体として高い剛性を見込むことができ且つ平板のせん断降伏荷重が管状体を構成する薄板のそれであることを考えると、見掛上の幅厚比が小さい平板が極めて低い降伏点応力度の金属材料であるかのように振る舞い、せん断降伏荷重と降伏後の安定した力学挙動を確保するには最適な構造である。管状体平板は薄い金属平板で且つ材料種別に関わり無く構成することが出来るため、せん断耐震パネルの軽量化に向けた道を開くものとなろう。
管状体平板の製作については、周囲四辺を囲む額縁状の枠組みと内部補強材とに表裏金属平板を添接して管状体平板とするものであり基本的には金属接着剤で添接されるが、表裏金属平板が薄い場合には接着面にネジ止めを併用し乃至外側から補強材を重ねて剥離を防止し、又表裏金属平板が溶接可能な板厚であれば管状体平板の片側面を乃至枠材外周部を溶接とすることで、パネルダンパーとして大変形領域で正負交番に加わる地震力に対し紡錘形履歴性状とすることができる。
本管状体平板の周辺枠組みと内部補強材の構成図である。 管状体平板に周辺部から加わる捩り偶力の作用図である。(実施例1) 管状体平板の捩り剛性について解析結果の説明図である。 額縁状枠組みと降伏後顕著となる斜張力の釣合い図である。(実施例2) 周辺枠組みと内部補強材の相互効果に関する解析結果の説明図である。 構造的直交異方性体となる内部補強材の構成図である。(実施例3) 直交異方性となる内部補強材に関する解析結果の説明図である。 管状体平板の張力場的応力流れを示した概念図である。(実施例4) 管状体平板の面外曲げ変形に関する解析結果の説明図である。 組立て方式の間柱型せん断耐震パネルの説明図である。(実施例5) 薄板で構成される管状体平板に関する解析結果の説明図である。 間柱型管状体平板と曲げせん断加力の説明図である。(実施例6) 表裏金属平板が低降伏点鋼である本構造の解析結果の説明図である。 本明細書中の数値解析で扱った金属素材の応力−歪み関係図である。
符号の説明
1 せん断力を受ける管状体平板
2 表裏両面を構成する金属平板
3 管状体平板の周辺枠組み
4 周辺枠組み内側の補強材
5 発泡体等の平板状充填材
6 管状体平板の外側補強材

Claims (6)

  1. 主に平板面内にせん断力を受ける略矩形金属平板として、その周囲四辺に充実乃至管状矩形断面部材が構成する額縁状の枠組みを設け更に前記周辺枠材の表裏両面に金属平板を添接して管状体平板とするもので、管状体として平板の捩り剛性を大幅に高くし、加わるせん断力に対して表裏金属平板で決まるせん断降伏荷重を確保するとともに降伏後のせん断耐力の維持を図るせん断耐震パネルの補強構造。
  2. 主に平板面内にせん断力を受ける管状体平板として、周辺部枠組み内部に枠材と同厚の充実乃至管状矩形断面部材を両側枠組みの一方と平行に一本乃至複数本を層状に配して構造的直交異方性体とし、表裏金属平板が降伏した後も内部補強材とその近傍が未だ弾性を保持して降伏直後の耐力低化を防ぎ、せん断変形の推移とともにせん断耐力を徐々に上げ安定した力学性状とする請求項1に記載のせん断耐震パネルの補強構造。
  3. 主に平板面内にせん断力を受ける任意長方形の管状体平板に対して、必要に応じて層状に配してなる内部補強材と直交して前記部材を分断し乃至挿み込み充実乃至管状矩形断面部材を配置し、せん断降伏後に拡大成長する平板面外への曲げ変形を低く抑え正負交番に繰り返される荷重に対し安定した履歴性状とする請求項1,請求項2の何れかに記載のせん断耐震パネルの補強構造。
  4. 管状体平板を構成する表裏金属平板に挟まれ且つ周囲四辺の枠組みと内部補強材乃至内部補強材同士の間隙部の一部乃至全域に金属体,紙質体,木質体,ゴム体,各種発泡体を充填し、表裏両面の金属平板が互いの変形を拘束して管状体平板としての形状を保ち、平板の捩り剛性を高く維持し降伏後安定した力学性状となるようにした請求項1,請求項2,請求項3の何れかに記載のせん断耐震パネルの補強構造。
  5. 管状体平板を構成する周囲四辺に充実乃至管状矩形断面部材を配した額縁状の枠組みは、管状体平板の捩り剛性を高くするとともにせん断降伏後の表裏金属平板に生ずる斜張力との釣合いに於いて耐力を維持し、せん断降伏直後の耐力低化を防ぎ更にせん断変形の成長にもせん断耐力を落とすことなく安定した力学性状とするため、周辺部枠材の幅は管状体平板の幅に対し3%〜15%とする補強構造。
  6. 管状体平板をせん断耐震パネルとして使用する際に、管状体平板を構成する周囲四辺の一部乃至全ての周辺部枠材及び必要に応じ内部補強材に添うように、平板表裏外面の片側乃至両側から帯状矩形平板乃至突出フランジのある帯状矩形平板を添接して補強し、降伏後の大変形領域での繰返しせん断力下に於いて安定した履歴性状となるようにした外部補強構造。
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