JP2009136231A - 培養装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンタミネーションの発生を低減させることができるようにする。
【解決手段】培養装置は、ユーザにより指定された培養スケジュールに基づいた通常培養を実行し(S31)、滅菌スケジュールに基づいた滅菌開始指示が通知された場合(S33)、培養容器を搬送位置に移動させて培養容器を取り出させ(S34)、滅菌処理前準備を実行して滅菌処理を行える状態にしてから(S36)、滅菌処理を行う(S37)。そして、滅菌処理終了後、通常設定処理を行って培養装置を滅菌処理前と同様の状態に戻してから(S39)、再度、ユーザにより指定された培養スケジュールに基づいた通常培養を実行する(S41)。本発明は、生体試料を培養する生体試料培養装置に適用できる。
【選択図】図9
【解決手段】培養装置は、ユーザにより指定された培養スケジュールに基づいた通常培養を実行し(S31)、滅菌スケジュールに基づいた滅菌開始指示が通知された場合(S33)、培養容器を搬送位置に移動させて培養容器を取り出させ(S34)、滅菌処理前準備を実行して滅菌処理を行える状態にしてから(S36)、滅菌処理を行う(S37)。そして、滅菌処理終了後、通常設定処理を行って培養装置を滅菌処理前と同様の状態に戻してから(S39)、再度、ユーザにより指定された培養スケジュールに基づいた通常培養を実行する(S41)。本発明は、生体試料を培養する生体試料培養装置に適用できる。
【選択図】図9
Description
本発明は、培養装置に関し、コンタミネーションの発生を低減させることができるようにした培養装置に関する。
従来より、各種の細胞や微生物を培養するために恒温槽を備えた培養装置が一般に用いられている。一般に培養装置の恒温槽には、例えば、温度、湿度、二酸化炭素濃度等の環境条件を検出するセンサと、上記の各パラメータを調整するための環境調整装置とが配置されており、恒温槽の内部は所定の環境条件に調整されることとなる。
培養装置をオペレーションする上で重要な点は、その装置の各構成要件と構成要素により実現される運用上の動作シーケンスであり、この動作シーケンスにより細胞培養の効率性や安定性が大きく変わってくることは、広く知られている。
特許文献1には、細胞培養装置により行われる、継代培養の動作シーケンスについて開示されている。この細胞培養装置においては、培養手段、培地交換手段、細胞状態計測手段、細胞播種手段、および搬送手段を気密に形成された筐体に収容し、細胞状態計測手段により培養容器内の細胞があらかじめ設定した状態であることが計測されたとき、細胞播種手段によって、この細胞の状態を計測した培養器内の細胞が、細胞が播種されていない別の培地に播種される。この動作シーケンスにより、人手を介さずに、継代培養に伴う作業を1つの装置内で行っている。
特開2004−16194号公報
細胞等の培養に利用される恒温槽等は、装置内で細胞培養を実施する上で必要な構成要件を具備するものであるが、細胞培養を効率的に、また安定的に実施するためには、それらの構成要件を、適切な動作シーケンスのもとで動作させる必要がある。そうすることで、細胞培養、特に細胞の増殖において、その増殖率や細胞培養領域の占有率を予想することが可能となり、安定的かつ効率的に細胞培養を実施することが可能となる。
また、細胞培養時にはコンタミネーションによる偶発的な培養環境の悪化が発生するため、細胞培養を安定的かつ効率的に実施するには、コンタミネーションの発生を極力低減させる必要がある。
しかしながら、従来の動作シーケンスであると、恒温槽の滅菌処理が適切に実施されていないため、コンタミネーションの原因となる細菌等が増殖する恐れがあった。
例えば、上記の特許文献1では、継代培養に伴う全ての作業を、気密に形成された筐体内で外部環境と隔離した状態で行うことで、コンタミネーションの発生を抑制するようにしているが、そのような状態で作業を行ったとしても、コンタミネーションの発生を完全に防ぐことはできない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、コンタミネーションの原因である細菌等の繁殖を低減することができるようにするものである。
本発明の培養装置は、試料を入れた培養容器を内部に格納して、所定の環境条件で試料を培養する培養手段と、培養手段の滅菌を実施するあらかじめ定められた期間に、培養手段を滅菌する滅菌手段とを備えることを特徴とする。
以上の如く、本発明によれば、コンタミネーションの発生を低減させることができる。特に、本発明によれば、定期的に滅菌処理を実施することにより、コンタミネーションの原因である細菌等の増殖を低減させることで、コンタミネーションの発生を事前に防止することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した培養装置の外観を示す図である。
図1の例では、培養装置1は、インキュベータ部11と、その下側に配置される架台部12から構成される。図1において、インキュベータ部11は、扉で密閉されているが、その内部では細胞を培養するのに適した環境(以下、細胞培養環境と称する)が維持されるように制御されている。例えば、インキュベータ部11の内部には、ペルチェ素子が用いられる温度調節装置等からなる温度制御機構、霧を噴出する噴霧装置等からなる湿度制御機構、外部の二酸化炭素ボンベに接続されるガス導入部等からなるガス制御機構、内部空間の細胞培養環境を検出する環境センサ等(いずれも図示せず)が設けられている。また、インキュベータ部11の内側は断熱材で覆われている。これにより、インキュベータ部11の内部空間の細胞培養環境は、例えば温度37℃、湿度90%、二酸化炭素濃度5%等に維持される。
インキュベータ部11には、開閉自在の扉が取り付けられており、その扉の表面には、培養装置1の操作に用いられる操作パネル13が設けられる。操作パネル13は、例えば、ユーザにより操作されるタッチパネルであり、その表示部に、細胞を培養するスケジュールを設定するためのスケジュール設定画面や、インキュベータ部11を滅菌するスケジュールを設定するための滅菌スケジュール画面、撮像倍率や撮像ポイント等の撮像条件を設定するための撮像条件設定画面等のGUI(Graphical User Interface)を表示する。操作パネル13は、それらの画面に対するユーザの操作に応じた操作信号を、後述する制御装置41(図2)に供給する。
なお、培養装置1には、滅菌装置2による滅菌ガス注入時に、インキュベータ部11が不用意に開放されないようにするための開閉ドアの電磁ロック機構が設けられている。
架台部12は、図1では扉が閉じている状態を図示しているが、その内部には、培養装置1の各部を制御する制御装置41(図2)や観察ユニットの一部等が収納されている。なお、観察ユニットは、図示はしないが、培養容器で培養される細胞に光を照射する照明部や、その細胞を撮像する撮像部等を有しており、かかる細胞の画像を撮像する。
また、培養装置1は、インキュベータ部11を滅菌するための滅菌装置2を取り付けられる構造を有している。すなわち、培養装置1および滅菌装置2のそれぞれは、滅菌に使用する滅菌ガスを注入するための滅菌ガス入力ポート22と、その注入した気体を外部へ安全に排出するための滅菌ガス出力ポート23とを有している。これにより、滅菌装置2より滅菌ガス入力ポート22を介して培養装置1に注入された滅菌ガスは、滅菌ガス出力ポート23を介して滅菌装置2に循環することになる。
さらに、培養装置1と滅菌装置2とは、各種の情報を送受信する通信ケーブル21を介して接続されており、培養装置1側の制御装置41(図2)は、通信ケーブル21を介して滅菌装置2の動作を制御する。つまり、滅菌装置2は、培養装置1の制御にしたがって、滅菌処理を行う。
図2は、かかる培養装置1の架台部12に収納されている、制御装置41の構成例を示すブロック図である。
図2において、制御装置41は、CPU51乃至ドライブ60から構成される。
CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、およびRAM(Random Access Memory)53は、バス54を介して相互に接続されており、また、バス54には、入出力インターフェース55も接続されている。入出力インターフェース55には、バス54の他、入力部56、出力部57、記録部58、通信部59、およびドライブ60が接続されている。
CPU51は、ROM52に記録されているプログラム、または、記録部58から入出力インターフェース55等を介してRAM53にロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。ROM52は、CPU51が実行するプログラムを記録している。また、RAM53は、CPU51が実行するプログラムや、CPU51が各種の処理を実行する上で必要となるデータ等を適宜記憶する。
入力部56は、図1の操作パネル13が有する操作ボタンやタッチパネルの入力装置に接続され、操作ボタン等に対するユーザの操作に応じた操作信号を、入出力インターフェース55等を介して、CPU51に供給する。
出力部57は、図1の操作パネル13が有するタッチパネルの表示装置に接続され、CPU51の制御に従い、スケジュール設定画面等のGUIを、タッチパネルの表示装置に表示させる。
記録部58は、ハードディスクやフラッシュメモリ等により構成され、CPU51が実行するプログラムや、登録済みのスケジュール等のデータを記録する。
通信部59は、モデム、ターミナルアダプタ、その他の通信インターフェース等により構成され、インターネットや、LAN(Local Area Network)、電話回線、CATV(cable television)等を含む各種のネットワーク(図示せず)を介して通信処理を行う。例えば、通信部59を介して図示しないコンピュータが制御装置41に接続されているとき、ユーザは、そのコンピュータから、スケジュールや撮影条件等の設定を行うことができる。
ドライブ60には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等よりなるリムーバブルメディア61が適宜装着される。ドライブ60は、リムーバブルメディア61に記録されているデータを読み出し、または、所定のデータをリムーバブルメディア61に記録させる。また、CPU51が実行するプログラムが記録されたリムーバブルメディア61がドライブ60に装着されると、そのプログラムは、ドライブ60により読み出され、入出力インターフェース55を介して、記録部58に記録される。なお、CPU51が実行するプログラムは、上述したようなリムーバブルメディア61を介して記録部58にインストールされる他、通信部59を介して、ダウンロードサイトからダウンロードして記録部58にインストールすることもできる。
以上のようにして、培養装置1は構成される。
ところで、一般的に、細胞培養においては、目的に応じて、培養対象の選択と、培養条件の決定を行い、それらに基づいた培養計画を実施することになる。具体的には、図3に示すように、「培養目的」に応じて「培養細胞種」が選択され、その「培養細胞種」に対して、「培養環境」、「培養容器」、「観察条件」、および「培養設定」等の培養条件が決定される。なお、「培養環境」としては、例えば、培地、温度、湿度、血清等があり、「培養容器」としては、例えば、容器種類、容器形状、容器材質、表面処理等があり、観察条件としては、例えば、観察方法、撮影倍率、撮影周期、撮影点数等があり、「培養設定」としては、例えば、解凍時期、培地交換、継代時期、凍結時期等がある。
このようにして培養計画を作成し、細胞培養を行うことになるが、本発明においては、培養装置1内のインキュベータ部11を清浄な環境に維持するための工夫として、あらかじめインキュベータ部11の内部空間の滅菌スケジュール(滅菌期間)を設定しておき、その設定期間には培養スケジュール(培養期間)を設定できないようにすることで、インキュベータ部11の内部空間の滅菌処理を定期的に実施する。また、それとともに、滅菌処理前に培養中の細胞の安全な取出しも実現する。すなわち、本発明においては、図3の例に示すように、例えば、培養計画(1)と培養計画(2)を実施した後であって、培養計画(3)を実施する前に、培養計画(2)で培養中の細胞を入れた培養容器を取り出してから、滅菌(1)によって、インキュベータ部11の内部空間の滅菌を行う。その後、滅菌(1)が終了し、インキュベータ部11の内部空間が清浄な環境となってから、培養計画(3)が実施されることになる。
そこで、以下、かかるスケジュール機能の動作シーケンスについて、図4乃至図9を参照して説明する。
まず、図4のフローチャートを参照して、かかる動作シーケンスを実現するためのスケジュールを設定する処理(以下、スケジュール処理と称する)について説明する。
ステップS11において、制御装置41は、例えば、ユーザによる操作パネル13の操作、あるいは、培養装置1内で保持されている培養に関係する情報等に基づいて、図3に示したような、培養計画(1)、培養計画(2)、培養計画(3)、・・・等の運用スケジュールの設定を行う。これにより、培養装置1において培養される細胞や、その細胞の培養条件が設定されることとなる。
ステップS12において、操作パネル13は、その表示部に表示している滅菌スケジュール設定画面に対するユーザの操作に応じて、滅菌スケジュール(滅菌期間)の設定を受け付け、設定結果を制御装置41に出力する。制御装置41は、ユーザによる滅菌スケジュールの設定結果に基づいて、滅菌処理を実施する滅菌期間を設定する。
ここで、滅菌スケジュール設定画面は、様々な表示形態により提示することが可能であるが、その1つの表示形態として、例えば、図5に示すように、スケジュール表を直接クリック等して滅菌スケジュールを指定させる形態がある。すなわち、図5の例では、滅菌スケジュール設定画面101において、ユーザの操作によって、スケジュール表102Aがポインタ102Bによりクリックされ、滅菌を行う日時が指定されることで、滅菌スケジュールの設定が行われる。図5の滅菌スケジュール設定画面101では、例えば、「2007/May/29」の「0:00」と、「12:00」とがクリックされることで(クリックに限らず、例えば「0:00」から「12:00」までをドラッグする等でもよい)、2007年5月29日の0時から12時までの間、滅菌処理が行われることになる。
また、図6に示すように、ラジオボタン102Dの選択が、図5を参照して説明した「直接指定」から「設定画面起動」に変更され、ボタン102Cがポインタ102Bによりクリックされると、図7の滅菌定期設定画面111が表示される。
滅菌定期設定画面111では、図7の例に示すように、例えば、「滅菌開始日時」、「滅菌間隔」、「次回開始予想時間」、および「滅菌パラメータ」のそれぞれを設定できる。具体的には、「滅菌開始日時」では、滅菌を開始する日時、すなわち、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」をプルダウンリストから選択することができ、例えば、2007年4月10日の午前0時等、その選択された日時に滅菌処理が開始されることになる。
また、「滅菌間隔」では、滅菌処理を行う間隔、すなわち、例えば、「1日」、「15日」、「30日」、「45日」、・・・等をプルダウンリストから選択することができ、その選択された間隔で滅菌処理が実行されることになる。例えば、滅菌間隔として、30日が設定された場合には、滅菌開始日時の2007年4月10日の午前0時から30日後、すなわち、2007年5月10日の午前0時が次の滅菌開始日時となる。つまり、この2007年5月10日の午前0時が、「次回開始予想時間」となる。
「次回開始予想時間」は、「設定変更」のラジオボタンが選択されたとき、その時間を変更可能となる。図7の滅菌定期設定画面111においては、「設定変更」のラジオボタンは選択されていないが、そのラジオボタンが選択されると、図8のようになる。すなわち、図7ではグレーアウトしていたプルダウンリストが、図8の「次回開始予想時間」では選択可能になっている。図8の「次回開始予想時間」では、次に滅菌を開始する日時、すなわち、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」をプルダウンリストから選択することができ、例えば、デフォルトで指定されている、2007年5月10日の午前0時を、他の日時に変更して、次に滅菌処理を開始する日時として設定できる。なお、「次回開始予想時間」の「設定変更」のラジオボタンが選択されていない場合には、培養装置1にあらかじめ設定されている設定情報(例えば培養する細胞の種類ごとに設定されている滅菌処理を実施する期間に関する情報)に基づいた「次回開始予想時間」が設定される。
「滅菌パラメータ」は、図8ではグレーアウトしているが、図7では「設定変更」のラジオボタンが選択されているため、そのパラメータを変更可能となる。ここで、滅菌パラメータとは、滅菌処理で行われる各処理の処理時間であって、例えば、除湿時間、滅菌時間、エアレーション時間等である。図7の「滅菌パラメータ」では、「除湿時間」、「滅菌時間」、「エアレーション時間」をプルダウンリストから選択することができ、例えば、デフォルトでそれぞれ指定されている、除湿時間10分、滅菌時間15分、エアレーション時間120分を、それぞれ他の時間に変更して、各処理の処理時間として設定できる。なお、「滅菌パラメータ」の「設定変更」のラジオボタンが選択されていない場合には、培養装置1にあらかじめ設定されている設定情報に基づいた「滅菌パラメータ」が設定される。
なお、図5および図6は滅菌スケジュール設定画面101の構成例を説明するものであり、図7および図8は滅菌定期設定画面111の構成例を説明するものであるので、上述した各部のレイアウトや画面のアスペクト比等は、図5乃至図8に示される以外のものであってももちろんよい。
以上のようにして、滅菌スケジュールが設定される。
図4のフローチャートに戻り、ステップS13において、操作パネル13は、その表示部に表示される培養スケジュール設定画面に対するユーザの操作に応じて、培養スケジュール(培養期間)の設定を受け付け、設定結果を制御装置41に出力する。
ステップS14において、制御装置41は、ユーザにより指定された培養スケジュールで通常培養が可能であるか否かを判定する。ステップS14において、指定された培養スケジュールが、滅菌スケジュールにより設定される滅菌期間と重複していたり、あるいは、滅菌期間の前後であるために滅菌処理の影響を受ける可能性があり、通常培養が不可能であると判定された場合、処理はステップS16に進む。一方、ステップS14において、それらの条件には該当せず、通常培養が可能であると判定された場合、ステップS15において、制御装置41は、ユーザにより指定された培養スケジュールを設定する。
ステップS16において、制御装置41は、ユーザにより指定された培養スケジュールが滅菌期間と重なるか否かを判定する。ステップS16において、指定された培養スケジュールが、滅菌スケジュールにより設定される滅菌期間と重なっていないと判定された場合、ステップS18に進む。一方、ステップS16において、滅菌期間と重複していると判定された場合、ステップS17において、制御装置41は、ユーザにより指定された培養スケジュールが設定されないようにする。例えば、制御装置41は、ユーザにより指定された培養スケジュールであると滅菌期間と重なる旨のメッセージを、操作パネル13に表示する。
ステップS18において、制御装置41は、ユーザにより指定された培養スケジュールが滅菌スケジュールの前後であるか否かを判定する。ステップS18において、指定された培養スケジュールが滅菌スケジュールの前後ではないと判定された場合、処理はステップS20に進む。一方、ステップS18において、指定された培養スケジュールが滅菌スケジュールの前後であるために滅菌処理の影響を受ける可能性があると判定された場合、ステップS19において、制御装置41は、ユーザにより指定された培養スケジュールであると、滅菌スケジュールの前後となり、滅菌処理の影響を受ける可能性がある旨のメッセージを、操作パネル13に表示する。
ステップS20において、制御装置41は、操作パネル13に対するユーザの操作に基づいて、培養スケジュールの設定が終了したか否かを判定する。ステップS20において、培養スケジュールの設定が終了していないと判定された場合、上述した、ステップS13乃至ステップS20の処理が繰り返されることで、滅菌期間と、滅菌スケジュールの前後を除いた時間を埋めるように、培養スケジュールが設定される。その後、ステップS20において、培養スケジュールの設定が終了したと判定された場合、処理は、ステップS21に進む。
ステップS21において、制御装置41は、設定された滅菌スケジュールと、培養スケジュールに基づいて、基本運用計画を決定し、スケジュール処理は終了する。すなわち、例えば、図3に示すように、培養計画(1)と、培養計画(2)を実施した後に、滅菌(1)を行ってから、培養計画(3)を実施するような基本運用計画が決定される。この場合、滅菌(1)は、後述する、滅菌開始前指示や滅菌開始指示により指示される所定のタイミングにしたがって、その前後に実施される培養計画(2)および培養計画(3)とは重ならない時期に実施されることになる。
以上のようにして、滅菌スケジュールと、培養スケジュールを設定することで、例えば、図3に示した、培養計画(1)、培養計画(2)、滅菌(1)、培養計画(3)、・・・のような基本運用計画が決定される。そして、培養装置1においては、かかる基本運用計画に基づいた動作シーケンスによって、通常培養と滅菌処理が行われる。
次に、図9のフローチャートを参照して、かかる基本運用計画に基づいた動作シーケンスにより行われる処理(以下、イベント処理と称する)について説明する。
ステップS31において、インキュベータ部11は、制御装置41の制御にしたがって、ユーザにより指定された培養スケジュール(例えば、図3の培養計画(1)、培養計画(2)、培養計画(3)等)に基づいた通常培養を行う。例えば、図3の培養計画(1)と培養計画(2)が終了した後、ユーザにより指定された滅菌スケジュール(例えば、図3の滅菌(1)等)に基づいて、滅菌開始前指示が制御装置41に通知される。滅菌開始前指示の通知を受けた制御装置41は、ステップS32において、滅菌開始前指示によるイベント処理を行う。例えば、制御装置41は、滅菌開始前指示が通知された場合、滅菌処理を開始する旨のメッセージを操作パネル13に表示させたり、ランプ(図示せず)を点灯させたり、スピーカ(図示せず)から警告音を出力させたり、ユーザ宛の電子メールを送信させる等して、滅菌処理開始前警告を出力する。これにより、例えば、図3の滅菌(1)が開始することになる。
制御装置41には、滅菌開始前指示が通知された後、滅菌開始指示が通知される。制御装置41は、ステップS33において、滅菌開始指示によるイベント処理を行い、ステップS34において、試料を入れた培養容器を搬出位置へ移動させる。例えば、制御装置41は、培養容器の搬出位置への移動を促す旨のメッセージを操作パネル13に表示させる等して、培養容器搬出指示を出力する。これにより、滅菌処理を開始する前に、培養容器を安全な位置に退避させることが可能となる。
制御装置41は、ステップS35において、培養容器が搬出位置に移動され、培養容器が取り出されたか否かを判定し、培養容器が取り出された場合、ステップS36において、滅菌処理前準備を行う。ここで、滅菌処理前準備としては、例えば、加湿制御機構による加湿の停止、温度制御機構による温度の設定変更、電磁ロック機構によるドアの密閉、ガス制御機構による注入ガスの停止等の処理が行われる。これにより、安全に滅菌処理を行うことが可能となる。
続いて、ステップS37において、インキュベータ部11は、制御装置41の制御にしたがって、滅菌処理を行う。具体的には、制御装置41は、通信ケーブル21を介して滅菌装置2に、滅菌ガスを出力する命令を通知する。すると、滅菌装置2は、滅菌ガス入力ポート22を介して培養装置1に滅菌ガスを出力することで、インキュベータ部11の内部空間に滅菌ガスが注入される。また注入された気体は、滅菌ガス出力ポート23を介して滅菌装置2に排出され、循環する。これにより、インキュベータ部11の内部では、滅菌処理が行われることになる。
また、このとき、制御装置41は、滅菌処理が開始した旨のメッセージを操作パネル13に表示させる等して、滅菌処理開始警告を出力する。これにより、ユーザは、インキュベータ部11で滅菌処理が行われていることを認識できる。
ステップS38において、制御装置41は、インキュベータ部11において滅菌処理が終了したか否かを判定し、滅菌処理が終了した場合、滅菌処理が終了した旨のメッセージを操作パネル13に表示させる等して、滅菌処理終了警告を出力する。
また、ステップS38において、インキュベータ部11において滅菌処理が終了したと判定された場合、ステップS39において、制御装置41は、通常設定処理を行う。ここで、通常設定処理としては、例えば、上記の滅菌処理前準備処理(ステップS36の処理)とは逆の処理が行われる。すなわち、例えば、加湿制御機構による加湿の開始、温度制御機構による温度の設定変更、電磁ロック機構によるドアの通常状態、ガス制御機構による注入ガスの復帰等の処理が行われる。これにより、インキュベータ部11の内部空間の環境は、例えば温度37℃、湿度90%、二酸化炭素濃度5%等の滅菌処理前と同様の状態に戻される。
続いて、ステップS40において、制御装置41は、通常復帰確認を行い、滅菌処理後に通常に復帰した旨のメッセージを操作パネル13に表示させる等して、通常復帰報告を出力する。これにより、例えば、図3の滅菌(1)が終了したことになる。
その後、ステップS41において、インキュベータ部11は、制御装置41の制御にしたがって、ユーザにより指定された培養スケジュールに基づいた通常培養を再開して、イベント処理は終了する。例えば、インキュベータ部11は、図3の滅菌(1)が終了したので、その次の培養計画(3)を実施する。
以上のようにして、培養装置1においては、滅菌スケジュールおよび培養スケジュールにより決定された基本運用計画に基づいた動作シーケンスによって、通常培養と滅菌処理が実施される。従来はコンタミネーションが発生してから滅菌処理を行っていたため、その時点では既に細胞は使いものにならなくなっていたが、本発明では、滅菌処理をスケジュール管理して滅菌処理を定期的に行うことで、コンタミネーションが発生する前に滅菌を行うことができる。その結果、細菌等の増殖を低減させ、コンタミネーションの発生を低減させることが可能となる。
また、従来の培養装置であって、インキュベータ、顕微鏡、またはクリーンベンチ等、細胞培養に必要な構成要件や構成要素が分離して構成されているシステムにおいては、人を介して動作シーケンスが実施されており、本発明のような、設定されたスケジュールに基づいて定期的に滅菌処理を実施するものとは、全く異なるものである。
なお、本実施の形態においては、培養装置1と滅菌装置2をそれぞれ別の装置として説明したが、それらを1つの培養装置1であると、捉えることも可能である。すなわち、滅菌装置2は、培養装置1の内部に設けられた滅菌部であるとして、その滅菌部からの滅菌ガスによってインキュベータ部11を滅菌するようにしてもよい。
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 培養装置, 2 滅菌装置, 11 インキュベータ部, 12 架台部, 13 操作パネル, 21 通信ケーブル, 22 滅菌ガス入力ポート, 23 滅菌ガス出力ポート, 41 制御装置, 51 CPU, 52 ROM, 53 RAM, 56 入力部, 57 出力部, 58 記録部, 59 通信部, 60 ドライブ, 61 リムーバブルメディア
Claims (4)
- 試料を入れた培養容器を内部に格納して、所定の環境条件で前記試料を培養する培養手段と、
前記培養手段の滅菌を実施するあらかじめ定められた期間に、前記培養手段の内部空間を滅菌する滅菌手段と
を備えることを特徴とする培養装置。 - ユーザの操作に応じて、前記培養手段の滅菌期間を設定する設定手段をさらに備え、
前記滅菌手段は、設定された滅菌期間に、前記培養手段の内部空間を滅菌する
ことを特徴とする請求項1に記載の培養装置。 - 前記設定手段は、前記ユーザの操作に応じて、前記培養手段の滅菌期間と、前記試料の培養期間とが重ならないように、前記試料の培養期間を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の培養装置。 - 前記滅菌手段による滅菌処理が開始される前に、前記培養容器の前記培養手段の外部への移動を指示する指示手段をさらに備え、
前記滅菌手段は、前記培養容器が前記培養手段の外部に移動された後に、前記培養手段の滅菌処理を開始する
ことを特徴とする請求項1に記載の培養装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007318015A JP2009136231A (ja) | 2007-12-10 | 2007-12-10 | 培養装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007318015A JP2009136231A (ja) | 2007-12-10 | 2007-12-10 | 培養装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009136231A true JP2009136231A (ja) | 2009-06-25 |
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ID=40867558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007318015A Withdrawn JP2009136231A (ja) | 2007-12-10 | 2007-12-10 | 培養装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009136231A (ja) |
-
2007
- 2007-12-10 JP JP2007318015A patent/JP2009136231A/ja not_active Withdrawn
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