JP2009134017A - 光学異方性フィルムの製造方法及び光学異方性フィルム - Google Patents

光学異方性フィルムの製造方法及び光学異方性フィルム Download PDF

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正幸 大矢
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泰章 奥村
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Abstract

【課題】耐屈曲性に優れた色素配向膜を有する光学異方性フィルムを提供する。
【解決手段】可撓性支持体と、前記可撓性支持体上に色素配向膜とを有する光学異方性フィルムの製造方法であって、液晶形成能を有するアゾ系色素を含むアゾ系色素含有溶液を調製し、前記アゾ系色素含有溶液を可撓性支持体上に剪断力を付与しながら展開し、乾燥して色素配向膜を形成し、前記色素配向膜を、長周期表における第4周期または第5周期に属する少なくとも1種の遷移金属のイオンを含有する架橋剤溶液と接触させる、製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アゾ系色素を含有する色素配向膜を備えた光学異方性フィルムに関する。
有機色素などの二色性色素を含有する色素配向膜は、例えば、偏光フィルム、位相差板、輝度向上フィルムなどの光学異方性フィルムへの利用が考えられている。色素配向膜の製造方法としては、例えば、良好な偏光特性を有する偏光膜を得るため、幅広い濃度、温度、pHの範囲で安定なリオトロピック液晶を形成し得る二色性色素を用い、リオトロピック液晶の二色性色素含有溶液を基材上に供給し、剪断力で液晶中の色素の超分子複合体を配向し、乾燥して色素配向膜を作製する方法が提案されている(特許文献1、2)。この液晶状態の二色性色素含有溶液中では、二色性色素は色素分子面を並行にして積み重なった超分子複合体であるスタックを形成している。このため、塗布時に二色性色素含有溶液に剪断力を付与することにより該スタックを配向させ、この配向状態を維持した状態で乾燥することにより異方性を有する色素配向膜を形成することができる。
上記の液晶形成能を有する二色性色素としては、アゾ系色素、縮合多環系色素(ペリレン系色素やオキサジン系色素)、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ナフタロシアニン系色素、キナクリドン系色素などの二色性色素が知られているが、これらの中でもアゾ系色素は液晶状態としたときに高い分子配列をとり得るため光学異方性に優れた色素配向膜を形成することができる。
しかしながら、上記のようなアゾ系色素はスルホン基などの親水性基を含んでいるため、耐水性に劣り、配向状態が乱れやすく、その結果、アゾ系色素の高い分子配列が維持できず、光学異方性が不安定になるという欠点がある。このため、色素配向膜を形成した後、色素配向膜を塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩を溶解させた水溶液と接触させることにより、アゾ系色素を架橋して固定化する方法が提案されている(特許文献3,4)。この固定化方法によれば、例えば、アゾ系色素が有するスルホン基のスルホン酸イオンと水溶液中のバリウムイオンとがイオン結合することによって隣接するアゾ系色素がアルカリ土類金属によって架橋され、それによって配向状態が固定化、すなわち水に不溶化される。
特許第3492693号公報 特許第3667637号公報 特開2005−10768号公報 特開2007−121458号公報
ところで、偏光フィルムなどの光学異方性フィルムは、液晶表示装置などに組み入れるためハンドリング時に折り曲げられる場合がある。このため、色素配向膜に曲げ応力がかかりやすい。また、上記のような色素配向膜を有する光学異方性フィルムを工業的に生産する場合、基材として高分子フィルムなどからなる長尺の可撓性支持体を用い、連続搬送される可撓性支持体上に二色性色素含有溶液を塗布し、乾燥する生産工程を利用すれば、一度に多数の光学異方性フィルムを生産できるため、生産効率を向上することができる。しかしながら、このような生産工程では、塗布、乾燥後に連続搬送される可撓性支持体が巻き取りロールに巻き取られるため、色素配向膜には巻き取りロール上で曲げ応力がかかり、色素配向膜の強度が低下しやすい。
従って、色素配向膜には一定の耐屈曲性が必要とされるが、上記のようなアゾ系色素とアルカリ土類金属との架橋によってアゾ系色素が固定化された色素配向膜においては、耐屈曲性は未だ不十分であり、色素配向膜にひび割れや剥れなどが生じやすい。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、アゾ系色素を含有する耐屈曲性に優れた色素配向膜を備える光学異方性フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、可撓性支持体と、前記可撓性支持体上に色素配向膜とを有する光学異方性フィルムの製造方法であって、
液晶形成能を有するアゾ系色素を含むアゾ系色素含有溶液を調製し、
前記アゾ系色素含有溶液を可撓性支持体上に剪断力を付与しながら展開し、乾燥して色素配向膜を形成し、
前記色素配向膜を、長周期表における第4周期または第5周期に属する少なくとも1種の遷移金属のイオンを含有する架橋剤溶液と接触させる、製造方法である。
上記製造方法によれば、アゾ系色素を含有する色素配向膜を形成した後、該色素配向膜と上記遷移金属イオンを含有する架橋剤溶液を接触させることにより遷移金属イオンを色素配向膜に導入することができる。そして、アゾ系色素は分子内に親水性基を有するため、遷移金属イオンが該親水性基と結合する。これにより、隣接するアゾ系色素が遷移金属で架橋され、アゾ系色素が固定化された色素配向膜を形成できる。
上記遷移金属イオンとしては、銅イオン、鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、銀イオン、及びイットリウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。上記遷移金属イオンであれば、架橋剤溶液と色素配向膜とを接触させることにより、色素配向膜中にこれらの遷移金属イオンを円滑に導入することができる。
また、上記製造方法において、前記アゾ系色素含有溶液として等方性溶液を用い、前記アゾ系色素含有溶液を可撓性支持体上に剪断力を付与しながら展開し、
前記展開されたアゾ系色素含有溶液に、剪断力を付与した位置から展開方向に10mm、基材の表面から高さ方向に10mm離れた位置で0.05m/秒以上の風速を有し、15〜60℃の温度を有する風をあてて乾燥して色素配向膜を形成してもよい。
等方性のアゾ系色素含有溶液に剪断力を付与して可撓性支持体上に展開し、該アゾ系色素含有溶液を極めて短時間で乾燥すれば、液晶状態にない等方性溶液を用いた場合であっても、等方性溶液中のアゾ系色素が剪断力により配向しているうちに液晶が形成されて、該アゾ系色素の配向が維持された状態で色素配向膜を形成することができる。この等方性溶液を用いて形成された色素配向膜と上記遷移金属イオンを含有する架橋剤溶液を接触させれば、これらの遷移金属イオンを色素配向膜中に導入することができる。そして、アゾ系色素は分子内に親水性基を有するため、導入された遷移金属イオンがアゾ系色素の親水性基と結合し、隣接するアゾ系色素を遷移金属によって架橋することができる。
また、本発明は、可撓性支持体と、前記可撓性支持体上に色素配向膜とを有する光学異方性フィルムであって、前記色素配向膜は、アゾ系色素と、長周期表における第4周期または第5周期に属する少なくとも1種の遷移金属(以下、単に遷移金属という場合がある)とを含有し、前記アゾ系色素が前記遷移金属によって固定化されている、光学異方性フィルムである。
上記光学異方性フィルムによれば、アゾ系色素は分子内に親水性基を有しており、該親水性基と導入された遷移金属とが結合し、それによって架橋構造を有する色素配向膜を形成することができる。そして、このような遷移金属の架橋によってアゾ系色素が固定化された色素配向膜は、アルカリ土類金属の架橋によって固定化された色素配向膜よりも耐屈曲性に優れている。
上記遷移金属としては、銅、鉄、ニッケル、コバルト、銀、及びイットリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。上記遷移金属であれば、色素配向膜中にこれらの遷移金属イオンを円滑に導入することができる。
以上のように、本発明によれば、アゾ系色素を含有する色素配向膜の耐屈曲性を向上することができる。
本実施の形態の光学異方性フィルムは、液晶形成能を有するアゾ系色素を含むアゾ系色素含有溶液を調製し、前記アゾ系色素含有溶液を可撓性支持体上に剪断力を付与しながら展開し、乾燥して色素配向膜を形成し、前記色素配向膜を、長周期表における第4周期または第5周期に属する少なくとも1種の遷移金属のイオンを含有する架橋剤溶液と接触させることにより製造される。
アゾ系色素を含有する色素配向膜を、上記のような遷移金属イオンを含有する架橋剤溶液と接触させることにより、該遷移金属イオンを色素配向膜に導入することができる。そして、アゾ系色素は分子内に親水性基を有するため、親水性基と導入された遷移金属イオンとが結合し、アゾ系色素同士が遷移金属で架橋される。この遷移金属の架橋によって色素配向膜中でアゾ系色素が固定化、すなわち不溶化される。
本実施の形態の遷移金属の架橋によってアゾ系色素が固定化された色素配向膜が、従来のアルカリ土類金属の架橋によってアゾ系色素が固定化された色素配向膜よりも耐屈曲性に優れる理由は、現在のところ必ずしも明らかではないが、遷移金属による架橋構造がアルカリ土類金属によるそれと異なるためと推測される。すなわち、従来のアルカリ土類金属によるアゾ系色素の固定化は、アゾ系色素が有するスルホン基のスルホン酸イオンにバリウムイオンなどのアルカリ土類金属イオンが結合し、それによって隣接するアゾ系色素が架橋され、固定化されると考えられている。これに対し、アゾ系色素は分子内にスルホン基以外の親水性基として、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、エーテル基などの親水性基も有するため、色素配向膜中に上記のような遷移金属イオンが導入されると、遷移金属イオンがこれらの親水性基とも結合し、それによってスタック内の並列したアゾ系色素の分子間や隣接するスタック間でアゾ系色素が架橋され、アゾ系色素が固定化されるためではないかと考えられる。
上記のアゾ系色素を固定化するために色素配向膜中に導入する遷移金属の量は、アゾ系色素の分子間隔や分子の配置、遷移金属イオンの大きさ、対イオンの種類、遷移金属イオンとアゾ系色素との相互作用などにより異なるが、一般にアゾ系色素のスルホン基の硫黄量に対してモル比で、0.005〜0.20が好ましく、0.006〜0.11がより好ましい。上記モル比が0.005以上であれば、遷移金属によってアゾ系色素を十分に架橋させることができる。一方、上記モル比が0.20以下であれば、光学異方性の低下を抑えることができる。上記アゾ系色素の硫黄に対する遷移金属のモル比は、例えば、蛍光X線分析法を用いて色素配向膜中の硫黄量に対する遷移金属の元素量を測定することにより求めることができる。なお、蛍光X線分析法を用いる場合で、色素配向膜がアゾ系色素以外に硫黄を含有する他の成分を含む場合は、検出される硫黄量から該成分の硫黄量を除去すればよい。
本実施の形態において、アゾ系色素としては、液晶形成能を有するアゾ系色素であれば特に限定されることなく使用することができる。偏光性能に優れるアゾ系色素としては、具体的には、例えば、C.I.Direct Blue67、C.I.Direct Red81、C.I.Acid Red266、ベンゾパープリン4Bなどのアゾ系色素が挙げられる。これらは、単独もしくは複数混合して用いてもよい。上記のようなアゾ系色素は、例えば、玉置敬、液晶学会誌、“クロモニック液晶の光配向”、11巻(1号)、37〜45(2007)や、関隆広監修、新規クロミック材料の設計・機能・応用、“色素配向膜の開発と応用”、44〜255(2005)に開示されている。
遷移金属イオンとしては、上記のように長周期表における第4周期または第5周期に属する少なくとも1種の遷移金属のイオンが挙げられるが、これらの中でも色素配向膜と架橋剤溶液を接触させた際に色素配向膜中に円滑に遷移金属イオンを導入でき、アゾ系色素の親水性基との結合に優れる、銅イオン、鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、銀イオン、及びイットリウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属イオンが好ましい。
本実施の形態の光学異方性フィルムを製造するにあたっては、まず、上記のアゾ系色素を溶剤に溶解してアゾ系色素含有溶液を調製する。溶剤は、水または水を主体(全溶剤中の水の含有量が50容量%以上)として含有する溶剤を用いることができる。水以外の他の溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アルコールなどの水に可溶な水溶性有機溶剤が挙げられる。
上記のアゾ系色素含有溶液は、液晶溶液、等方性溶液のいずれであってもよい。ここで、液晶溶液とは、流動性を有するとともに、光学異方性を示す溶液であることを意味し、等方性溶液とは、流動性を有するが、光学異方性のない溶液を意味する。従来、光学異方性を発現させるためにリオトロピック液晶を形成させた液晶状態の二色性色素含有溶液を用いる理由は、低濃度の等方性溶液を配向処理が施されていない基材上に塗布した場合、乾燥途上でリオトロピックネマチック液晶相が導入されても液晶相が短時間しか存在せず、剪断力を受けることによる液晶の配向が生じないためと考えられていたためであるが(例えば、特許文献1の第10頁左欄第15行〜第22行)、本発明者等の検討によれば、等方性溶液に剪断力を付与して可撓性支持体上に展開し、該展開された等方性溶液を早期に乾燥すれば、液晶状態にない等方性溶液を用いた場合であっても、等方性溶液中のアゾ系色素が剪断力により配向しているうちに液晶が形成され、異方性を有する色素配向膜を形成できることも見出された。従って、この等方性溶液を用いる製造方法によれば、従来のように高粘度を有する液晶状態のアゾ系色素含有溶液の調製が不要となり、また等方性溶液を用いても、配向処理が施された基材を用いることが不要となる。
液晶溶液が用いられる場合、溶液中のアゾ系色素の濃度は、アゾ系色素が液晶状態を形成できる濃度であれば特に限定されないが、使用されるアゾ系色素の液晶形成濃度をC質量%とすると、該液晶形成濃度C質量%よりも3質量%以上高い濃度(すなわち、C+3質量%以上)が好ましい。液晶形成濃度よりも十分に高い濃度のアゾ系色素含有溶液を用いることにより、溶液中で安定な液晶状態を形成することができる。
等方性溶液が用いられる場合、溶液中のアゾ系色素の濃度は、アゾ系色素が液晶状態を形成しない濃度であれば特に限定されないが、アゾ系色素の液晶形成濃度C質量%よりも0.2質量%以上低い濃度(すなわち、C−0.2質量%以下)が好ましい。一方、等方性溶液中のアゾ系色素の濃度が低すぎると、液晶に相転移した後、アゾ系色素が可撓性支持体上に配向固定されるまでに長時間要し、異方性が低下する傾向がある。このため、液晶形成濃度C質量%から6質量%低い濃度まで(すなわち、C−6質量%以上)が好ましい。
本実施の形態において、アゾ系色素含有溶液は、可撓性支持体に対するレベリングを向上するために濡れ性付与剤を含有してもよい。このような濡れ性付与剤としては、アセチレングリコール系化合物及びアセチレンアルコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤が好ましい。市場で入手可能なアセチレングリコール系化合物としては、日信化学工業社製のサーフィノール104E、同104H、同104Aなどの104シリーズ、サーフィノール420、同440、同465などの400シリーズ、サーフィノールSE、同SE−F、同504、同DF37、同DF58、同CT111、同CT121、同CT131、同CT136、同CT151、同TG、同GA、オルフィンE1004、同E1010、同AK−02などが挙げられる。また、市場で入手可能なアセチレンアルコール系化合物としては、日信化学工業社製のサーフィノール61、オルフィン61、同B、同Pなどが挙げられる。上記濡れ性付与剤は、アセチレン基を含み、非イオン性の低分子量化合物という点で共通した性質を有している。上記の濡れ性付与剤の量は、特に限定されるものではないが、溶液が30〜50mN/mの表面張力を有するように濡れ性付与剤をアゾ系色素含有溶液に添加することが好ましい。上記表面張力の範囲外の場合、可撓性支持体の種類によっては、色素配向膜にピンホールが生じる傾向がある。上記表面張力は、使用するアゾ系色素や溶剤の種類などにより濡れ性付与剤の添加量を適宜選択することによって調整することができる。なお、表面張力は、例えば、ウイルヘルミープレート法による表面張力計を用いて測定することができる。
また、アゾ系色素含有溶液は、樹脂を含有してもよい。このような樹脂としては、水溶性の樹脂が好ましく、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂;ヒドロキシアルキルセルロース系樹脂;ポリビニルピロリドン系樹脂;またはそれらの共重合体などが挙げられる。また、水溶性アクリルモノマーなどの放射線硬化樹脂、必要により開始剤をアゾ系色素含有溶液に添加し、色素配向膜形成後、放射線を照射して、色素配向膜を硬化してもよい。
アゾ系色素含有溶液は、例えば、アゾ系色素と、必要により濡れ性付与剤、樹脂などとを60〜95℃の水などの溶剤と混合し、撹拌して、アゾ系色素を溶解した後、室温に戻すことにより調製される。濡れ性付与剤、樹脂などのアゾ系色素含有溶液への添加は、アゾ系色素の溶解前あるいは溶解後のいずれであってもよい。
次に、上記のようにして調製されたアゾ系色素含有溶液を可撓性支持体上に塗布する。可撓性支持体としては、光学異方性フィルムの基材として利用される従来公知のフィルムを用いることができる。このようなフィルムとしては、具体的には、例えば、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレートなどのエステル系樹脂フィルム;シクロオレフィン系樹脂フィルム;ポリビニルアルコールフィルムなどが挙げられる。また、可撓性支持体は、40〜65mN/mの表面張力を有することが好ましい。上記範囲の表面張力を有する可撓性支持体を用いることにより、アゾ系色素含有溶液のレベリングをさらに向上することができる。このような表面張力を有する可撓性支持体は、例えば、UVオゾン処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理などの表面親水化処理を可撓性支持体に施すことによって得ることができる。なお、可撓性支持体の表面張力は、JIS K6768に準拠して測定することができる。
塗布方法としては、可撓性支持体と、塗工ジグ(例えば、塗工バー、塗工ロール、ダイヘッドなど)との接触域で、液溜りが形成される方法が好ましい。液溜りに生じるアゾ系色素含有溶液の流れによりアゾ系色素が撹拌され、均一な色素配向膜が得られやすい。このような塗布方法としては、バーコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、スロットダイコート法などが挙げられる。アゾ系色素含有溶液の塗布にあたっては、一定サイズの可撓性支持体上にアゾ系色素含有溶液を塗布する枚葉式であってもよいし、長尺の可撓性支持体を連続搬送しながらアゾ系色素含有溶液を塗布する連続式であってもよい。後者の連続式であれば、多数の光学異方性フィルムを効率的に生産することができる。
液晶溶液を用いる場合、剪断力を付与することにより可撓性支持体上に配向状態が形成されるため、乾燥条件は、特に限定されず、自然乾燥してもよいし、60℃以下で加熱乾燥してもよい。乾燥温度が60℃より高いと、配向状態に乱れが生じて、色素配向膜を架橋剤溶液と接触させた際、該欠陥部分でアゾ系色素が溶解しやすくなる。また、乾燥にあたっては、乾燥風を展開されたアゾ系色素含有溶液に吹き付けてもよい。
等方性溶液を用いる場合、上記のように配向状態を形成させるため早期にアゾ系色素含有溶液を乾燥させる必要がある。具体的には、アゾ系色素含有溶液を可撓性支持体上に剪断力を付与しながら展開し、剪断力を付与した位置から展開方向に10mm離れ、可撓性支持体の表面から高さ方向に10mm離れた位置で0.05m/秒以上の風速を有し、15〜60℃の温度を有する風をあてて乾燥することが好ましい。等方性溶液に剪断力を付与し、極めて短時間で乾燥することにより、等方性溶液中のアゾ系色素がリオトロピック液晶相となり、配向処理を施していない可撓性支持体を用いた場合でも、アゾ系色素を可撓性支持体上に配向固定することができる。乾燥風の風速が0.05m/秒未満であったり、温度が15℃未満では乾燥に長時間を要し、剪断力の付与によって形成されたアゾ系色素の配向が乱れ、色素配向膜の異方性が低下したり、欠陥部分でアゾ系色素が溶解しやすくなる傾向がある。また、乾燥までの時間が長いと、展開された溶液中で形成されたアゾ系色素のスタックの一部が組み合わさってくると考えられ、光学異方性が低下する傾向がある。乾燥風の温度が60℃より高いと、アゾ系色素が溶解されやすくなるため、剪断力を付与した位置でリオトロピック液晶相が形成され難くなるとともに、耐屈曲性が低下する傾向がある。なお、乾燥風の風速は大きいほど乾燥を短時間化できるため有利であるが、薄い可撓性支持体を用いた場合、乾燥風により可撓性支持体が変動し、色素配向膜にムラが発生しやすくなる。このため、乾燥風の風速は1.5m/秒以下が好ましく、1.0m/秒以下がより好ましい。乾燥風の風向は、特に制限はなく、可撓性支持体の上方または下方から剪断力が付与された位置に略鉛直方向に乾燥風をあててもよいが、アゾ系色素含有溶液の展開方向の上流側または下流側から、展開方向に平行あるいは対向する方向で乾燥風をあてると、乾燥が均一に進み、ムラの少ない色素配向膜が得られやすいため、好ましい。
本実施の形態において、色素配向膜の厚みは、光学異方性フィルムの種類にもよるが、例えば、偏光膜の場合、50〜1000nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。厚みが50nmより薄いとコントラスト向上効果が乏しくなる。一方、厚みが1000nmより厚いと光の透過率が乏しくなる。
次に、上記のようにして形成された色素配向膜と、遷移金属イオンを含有する架橋剤溶液を接触させる。これにより、色素配向膜中に遷移金属イオンが導入され、遷移金属イオンとアゾ系色素の親水性基とが結合してアゾ系色素同士が遷移金属で架橋され、それによってアゾ系色素が固定化された色素配向膜を形成することができる。
遷移金属イオンを含有する架橋剤溶液は、遷移金属を含有する化合物を溶剤に溶解させることにより調製することができる。遷移金属を含有する化合物としては、具体的には、例えば、硫酸銅(II)、塩化銅(II)、塩化鉄(II)、硝酸ニッケル(II)、塩化コバルト(II)、塩化イットリウム(III)、硝酸銀などの金属塩が挙げられる。これらは単独または複数混合して使用してもよい。架橋剤溶液を調製するための溶剤は、上記金属塩の溶解性に優れる水が好ましいが、金属塩の種類によって水溶性有機溶剤を含有してもよい。
架橋剤溶液中に溶解させる遷移金属を含有する化合物の濃度は、アゾ系色素や遷移金属の種類にもよるが、通常5質量%以上が好ましい。アゾ系色素は水溶性であるとともに、架橋剤溶液が水を含有する水溶液であるため、色素配向膜を架橋剤溶液と接触させた場合、遷移金属イオンの導入によるアゾ系色素の架橋と、アゾ系色素の架橋剤溶液への溶解とが競争関係となる。このため、遷移金属を含有する化合物の濃度が低濃度である場合、架橋の進行よりもアゾ系色素の架橋剤溶液への溶解が進み、色素配向膜の構造が崩れ、それによって光学異方性が低下する傾向がある。特に、色素配向膜の形成時に配向状態に崩れが生じている場合、該欠陥部分のアゾ系色素は架橋剤溶液に溶解しやすいことから、低濃度の架橋剤溶液と接触させた場合、遷移金属イオンによる架橋よりもアゾ系色素の溶解が進みやすくなる。一方、架橋剤溶液中の遷移金属を含有する化合物の濃度が高くても、遷移金属イオンが色素配向膜に導入される量は略一定であることから、高濃度の架橋剤溶液を用いても架橋による固定化向上の効果が少ないため、濃度は20質量%以下が好ましい。なお、架橋剤溶液は遷移金属イオンとともにアルカリ土類金属イオンを含有してもよい。
色素配向膜を架橋剤溶液と接触させる方法は、特に限定されるものではないが、操作が比較的容易であることから、色素配向膜を架橋剤溶液に浸漬させる方法や架橋剤溶液を色素配向膜上に塗布する方法が好ましい。浸漬による場合、浸漬時間は、色素配向膜の厚さ、架橋剤溶液の濃度にもよるが、通常1秒〜5分が好ましい。また、浸漬温度は、5〜40℃が好ましい。
本実施の形態において、架橋剤溶液の接触後、色素配向膜を乾燥する場合、乾燥条件は、色素配向膜のひび割れや剥れを防止するため、自然乾燥が好ましい。また、色素配向膜を架橋剤溶液と接触させた後、乾燥前に色素配向膜を水系溶剤と接触させてもよい。色素配向膜と架橋剤溶液を接触させると、色素配向膜の表面に金属塩が析出する場合があるが、析出物を除去する前に乾燥を行うと、色素配向膜にひび割れや剥れなどが生じやすい。このため、色素配向膜を架橋剤溶液に接触させた後、乾燥前に色素配向膜を水系溶剤に接触させることにより、ひび割れや剥れを生ずることなく色素配向膜上に析出した金属塩を除去することができる。そして、この場合、架橋剤溶液との接触により色素配向膜中のアゾ系色素は固定化されているため、水系溶剤に接触させてもアゾ系色素の水系溶剤への溶出も少ない。
色素配向膜と接触させる水系溶剤は、金属塩の溶解性に優れる水が好ましいが、金属塩の種類によって水溶性有機溶剤を含有してもよい。色素配向膜と水系容剤とを接触させる方法は、特に限定されるものではないが、操作が比較的容易であることから、色素配向膜を水系溶剤に浸漬させる方法が好ましい。浸漬時間は、色素配向膜の厚さにもよるが、通常1秒〜10分が好ましい。また、浸漬温度は、5〜40℃が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下で、「部」とあるのは、「質量部」を、「%」とあるのは、「質量%」を意味する。
<実施例1>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
アゾ系色素(C.I.Direct Blue67,液晶形成濃度:約7.5質量%[25℃])15部を、80℃の水(抵抗率16MΩ・cm以上)85部に添加し、撹拌混合して、アゾ系色素を溶解させた。溶液を室温まで冷却した後、エタノール50部を溶液に添加し、沈殿を生じさせ、沈殿を回収することによりアゾ系色素の精製を行った。
上記のようにして得られたアゾ系色素15部と、濡れ性付与剤としてオルフィンE1010(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部とを、80℃の水(抵抗率16MΩ・cm以上)85部に添加し、撹拌混合して溶解させた。溶解後、室温まで溶液を自然冷却してアゾ系色素含有溶液(アゾ系色素の濃度:15%)を調製した。得られたアゾ系色素含有溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶溶液であることを確認した。また、この溶液の表面張力は、36mN/mであった。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
可撓性支持体として、コロナ処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:100μm,表面張力:60mN/m)を用いた。このフィルムを速度5m/分で連続搬送しつつ、上記で調製したアゾ系色素含有溶液を供給したインクパンからマイクログラビアロール(斜線:#250)を用いてアゾ系色素含有溶液に剪断力を付与しながらフィルム上に展開し、乾燥風の風向きが展開方向と略平行に対向するように下流側から、グラビアロールとフィルムとが接触する剪断力が付与される位置に風をあててアゾ系色素含有溶液を乾燥し、色素配向膜を形成した。乾燥風は、グラビアロールとフィルムとが接触する剪断力が付与される位置から展開方向に10mm、フィルムの表面から高さ方向に10mm離れた位置で、風速が1m/秒、温度が40℃となるように調整した。乾燥後、巻き取りロールにフィルムを巻き取り、連続式で色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
硫酸銅(II)10部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)90部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜が形成されたフィルムを、調製した架橋剤溶液に25℃で0.5分浸漬した。フィルムを架橋剤溶液から引き上げ、色素配向膜が未乾燥状態のうちに水(抵抗率:16MΩ・cm以上)に25℃で1分浸漬させた。浸漬後、25℃で自然乾燥して、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<実施例2>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例1のアゾ系色素含有溶液の調製において、濡れ性付与剤としてオルフィンE1004(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部を用いた以外は、実施例1と同様にしてアゾ系色素含有溶液を調製した。得られたアゾ系色素含有溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶溶液であることを確認した。また、この溶液の表面張力は、30mN/mであった。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
可撓性支持体として、UVオゾン処理したトリアセチルセルロースフィルム(厚さ:80μm,表面張力:60mN/m)を用いた。このフィルム上に上記で調製したアゾ系色素含有溶液を供給し、#2のワイヤーバーを速度2m/分で移動させることによってアゾ系色素含有溶液に剪断力を付与しながら展開し、25℃で自然乾燥して枚葉式で色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
塩化鉄(II)10部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)90部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<実施例3>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例1と同様にして、アゾ系色素含有溶液を調製した。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
可撓性支持体として、コロナ処理したポリエステルフィルム(厚さ:100μm,表面張力:60mN/m)を用いた。このフィルム上に上記で調製したアゾ系色素含有溶液を供給し、#3のワイヤーバーを速度2m/分で移動させることによってアゾ系色素含有溶液に剪断力を付与しながら展開し、25℃で自然乾燥して枚葉式で色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
硝酸ニッケル(II)20部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)80部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<実施例4>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例1と同様にして、アゾ系色素含有溶液を調製した。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
上記アゾ系色素含有溶液を用い、実施例3と同様にして、色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
塩化イットリウム(III)5部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)95部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<実施例5>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
アゾ系色素(C.I.Acid RED266)15部を、80℃の水(抵抗率16MΩ・cm以上)85部に添加し、撹拌混合して、アゾ系色素を溶解させた。次に、溶液を室温まで冷却した後、エタノール50部を溶液に添加し、沈殿を生じさせ、沈殿を回収することによりアゾ系色素の精製を行った。
上記のようにして得られたアゾ系色素10部と、濡れ性付与剤としてオルフィンE1010(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部とを、80℃の水(抵抗率16MΩ・cm以上)90部に添加し、撹拌混合して溶解させた。溶解後、室温まで溶液を自然冷却してアゾ系色素含有溶液(アゾ系色素の濃度:10%)を調製した。得られたアゾ系色素含有溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶溶液であることを確認した。また、この溶液の表面張力は、40mN/mであった。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
可撓性支持体として、UVオゾン処理したポリエステルフィルム(厚さ:100μm,表面張力:55mN/m)を用いた。このフィルム上に上記で調製したアゾ系色素含有溶液を供給し、#3のワイヤーバーを速度2m/分で移動させることによってアゾ系色素含有溶液に剪断力を付与しながら展開し、ドライヤで冷風をあてて乾燥して枚葉式で色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
塩化鉄(II)3部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)97部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<実施例6>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例5と同様にして、アゾ系色素含有溶液を調製した。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
上記アゾ系色素含有溶液を用い、実施例5と同様にして、色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
硝酸銀5部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)95部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<実施例7>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例1のアゾ系色素含有溶液の調製において、アゾ系色素5部と、濡れ性付与剤としてオルフィンE1004(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部とを、80℃の水(抵抗率16MΩ・cm以上)95部に溶解させた以外は、実施例1と同様にしてアゾ系色素含有溶液を調製した(アゾ系色素の濃度:5%)。得られたアゾ系色素含有溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、等方性溶液であることを確認した。また、この溶液の表面張力は、33mN/mであった。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
可撓性支持体として、コロナ処理したポリエステルフィルム(厚さ:100μm,表面張力:60mN/m)を用いた。このフィルムを速度5m/分で連続搬送しつつ、上記で調製したアゾ系色素含有溶液を供給したインクパンからマイクログラビアロール(斜線:#250)を用いてアゾ系色素含有溶液に剪断力を付与しながらフィルム上に展開し、乾燥風の風向きが展開方向と略平行に対向するように下流側から、グラビアロールとフィルムとが接触する剪断力が付与される位置に風をあててアゾ系色素含有溶液を乾燥して、色素配向膜を形成した。乾燥風は、グラビアロールとフィルムとが接触する剪断力が付与される位置から展開方向に10mm、フィルムの表面から高さ方向に10mm離れた位置で、風速が0.5m/秒、温度が30℃となるように調整した。乾燥後、巻き取りロールにフィルムを巻き取り、連続式で色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
塩化銅(II)15部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)85部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<実施例8>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例7と同様にして、アゾ系色素含有溶液を調製した。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
可撓性支持体として、コロナ処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:100μm,表面張力:60mN/m)を用いた。このフィルムを速度5m/分で連続搬送しつつ、上記で調製したアゾ系色素含有溶液を供給したインクパンからマイクログラビアロール(斜線:#250)を用いてアゾ系色素含有溶液に剪断力を付与しながらフィルム上に展開し、乾燥風の風向きが展開方向と略平行に対向するように下流側から、グラビアロールとフィルムとが接触する剪断力が付与される位置に風をあててアゾ系色素含有溶液を乾燥して、色素配向膜を形成した。乾燥風は、グラビアロールとフィルムとが接触する剪断力が付与される位置から展開方向に10mm、フィルムの表面から高さ方向に10mm離れた位置で、風速が1.5m/秒、温度が60℃となるように調整した。乾燥後、巻き取りロールにフィルムを巻き取り、連続式で色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
塩化コバルト(II)10部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)90部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<比較例1>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例1と同様にして、アゾ系色素含有溶液を調製した。
[光学異方性フィルムの作製]
上記で調製したアゾ系色素含有溶液を用い、実施例1と同様にして、色素配向膜を形成し、色素配向膜の架橋を行うことなく光学異方性フィルムを作製した。なお、光学異方性フィルムを作製後、水に浸漬させたところ、色素配向膜の溶解が観察された。
<比較例2>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例1と同様にして、アゾ系色素含有溶液を調製した。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
上記で調製したアゾ系色素含有溶液を用い、実施例1と同様にして、色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
塩化バリウム10部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)90部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<比較例3>
[アゾ系色素含有溶液の調製]
実施例1と同様にして、アゾ系色素含有溶液を調製した。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
上記で調製したアゾ系色素含有溶液を用い、実施例1と同様にして、色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
塩化亜鉛10部を水(抵抗率16MΩ・cm以上)90部に溶解し、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜を形成したフィルム及び架橋剤溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学異方性フィルムを作製した。なお、架橋後に色素配向膜を水に浸漬させても色素配向膜の溶解は観察されなかった。
<比較例4>
[ペリレン系色素含有溶液の調製]
N、N’−ビス(2-フェニルエチル)ペリレン−3,4,9,10−ビス(ジカルボキシイミド)(BASF社製PALIOGEN BLACK S0084)25部と、硫酸25部とを容器に添加した。溶液を撹拌しながらクロル硫酸60部を滴下し、混合した後、溶液を加熱し、120℃で5時間保持した。溶液を室温まで冷却した後、溶液を氷を入れたビーカに注ぎ、水酸化ナトリウムで中和を行った。中和後、溶液に塩化ナトリウムを添加して塩析して沈殿を生じさせた。
得られた沈殿20部を80℃の水(抵抗率16MΩ・cm以上)80部に添加し、溶解させた。溶液を室温まで冷却した後、30部のアセトンを溶液に添加し、生じた沈殿を回収した。上記の沈殿の溶解〜回収の処理を3回繰り返すことにより色素の精製を行った。
上記のペリレン系色素25部と、濡れ性付与剤としてオルフィンE1004(日信化学工業社製,アセチレングリコール系化合物)0.05部とを、水(抵抗率16MΩ・cm以上)75部に溶解させた以外は、実施例1と同様にしてペリレン系色素含有溶液を調製した(ペリレン系色素の濃度:25%)。得られたペリレン系色素含有溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶溶液であることを確認した。また、この溶液の表面張力は、35mN/mであった。
[光学異方性フィルムの作製]
(色素配向膜の形成)
上記のペリレン系色素含有溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、色素配向膜を形成した。
(色素配向膜の架橋)
実施例1と同様にして、架橋剤溶液を調製した。
上記の色素配向膜が形成されたフィルムを、調製した架橋剤溶液に25℃で浸漬したところ、浸漬直後から色素配向膜が架橋剤溶液に溶解し、光学異方性フィルムを作製することができなかった。
実施例及び比較例で作製した各光学異方性フィルムについて、以下の方法により、色素配向膜中の遷移金属及びアルカリ土類金属の含有量を測定した。また、各光学異方性フィルムについて、以下の耐屈曲性、光学異方性の評価を行った。表1及び2は、この結果を示す。
〔遷移金属及びアルカリ土類金属の含有量〕
実施例1〜8及び比較例2〜3で作製した各光学異方性フィルムを測定試料として用いた。色素配向膜中に含まれる各金属元素の含有量は、蛍光X線分析法(測定装置:リガク社製波長分散型蛍光X線分析装置3370E,X線源のターゲット:Rh,分光結晶:Ge[測定対象:S〜Ca]及びLiF[測定対象:Sc〜],検出器:比例計数管[測定対象:S〜Ca]及びシンチレーションカウンター[測定対象:Sc〜],電圧:50kV,電流:50mA)で、色素配向膜中の硫黄(S)に対する各元素のモル比を測定することにより求めた。定量は、いわゆるフリー定量法で行った。まず、各測定元素を含む標準試料を用いて測定対象元素重量比に対する蛍光X線強度を求めた。次に、各測定試料を用いて、測定対象元素の蛍光X線強度を求めた。そして、標準試料を用いて求めた各元素の理論X線強度に基づき、測定試料中の測定対象元素のX線強度から測定対象元素量を求め、その測定対象元素量からモル量を求めて、このモル量を硫黄のモル量に対する相対量(モル比)に換算した。この際、元素量は装置の自動分析プログラムで解析した。解析にあたって、試料厚みは無限と考えられるバルクモデルで行った。
〔耐屈曲性〕
実施例1〜8及び比較例1〜3で作製した各光学異方性フィルムを50mm×150mmの大きさに切り出した測定試料を用意した。この測定試料を、直径6.25mmの円柱状の棒に色素配向膜の形成された面が外側になるように塗布方向に巻き付けた。測定試料を棒に室温で5分間巻き付けた状態で保持した後、巻きほぐし、色素配向膜にセロテープ(登録商標)(幅:15mm,長さ:125mm)を貼り付け、色素配向膜にセロテープを接触させるため、セロテープ面を指先で擦りつけた。その後、セロテープ端をつかみ、約60度の角度で0.5〜1秒かけて色素配向膜からセロテープを剥離させた。剥離後、セロテープに付着した剥離片の大きさ及び個数を測定し、以下の基準で耐屈曲性を評価した。
○:径0.3mm以上の剥離片なし
×:径0.3mm以上の剥離片が11個以上
〔光学異方性〕
実施例1〜8及び比較例2〜3で作製した各光学異方性フィルムと、これらにおける色素配向膜の架橋を行う前の色素配向膜を形成したフィルムとを測定試料として用意した。この架橋処理前後の測定試料をそれぞれ、ヨウ素偏光板(ルケオ社製,POLAX38S)と、両者の偏光方向が直交する方向に重ね合わせた状態で白色の上質紙上に載置し、架橋処理前後における色合いの変化、色の濃度の変化を目視により観察し、以下の基準で光学異方性を評価した。
○:架橋処理前後で変化無し
△:架橋処理前後で若干の変化あり
Figure 2009134017
Figure 2009134017
上記実施例において、色素配向膜と遷移金属イオンを含有する架橋剤溶液とを接触させた後、色素配向膜を水と接触させても色素配向膜の溶解が見られなかったことや、表1に示されるように架橋処理前後で光学異方性に変化が見られなかったことから、色素配向膜に導入された遷移金属によりアゾ系色素が固定化されていることが確認された。
また、表1及び2に示すように、遷移金属イオンを含有する架橋剤溶液を用いてアゾ系色素が固定化された実施例の光学異方性フィルムは、アルカリ土類金属イオンを含有する架橋剤溶液を用いて固定化された比較例2の光学異方性フィルムに比べて耐屈曲性に優れていることが分かる。なお、色素配向膜中の遷移金属の含有量が少ないあるいは多いと、耐屈曲性は低下しないが、光学異方性が若干低下した。また、上記実施例によれば、液晶状態にない等方性溶液を用いて、異方性を有する色素配向膜を形成することができ、この色素配向膜と遷移金属イオンを含有する架橋剤溶液とを接触させることにより、耐屈曲性に優れた色素配向膜が得られることが分かる。
一方、色素配向膜と架橋剤溶液との接触を行わなかった比較例1では、アゾ系色素が固定化されないため、水との接触によりアゾ系色素が溶解した。また、二色性色素としてペリレン系色素を用いた比較例4では、色素配向膜を架橋剤溶液と接触させると、色素配向膜が全て架橋剤溶液中に溶解した。これは、ペリレン系色素は遷移金属イオンと結合性を有する親水性基を持たず、ペリレン系色素が遷移金属によって架橋されないためと考えられる。また、遷移金属イオンの代わりに2価の金属イオンである亜鉛イオンを含有する架橋剤溶液を用いた比較例3では、耐屈曲性の改善が見られなかった。これは、亜鉛は典型元素のため、アゾ系色素が充分に固定化されないためと考えられる。

Claims (5)

  1. 可撓性支持体と、前記可撓性支持体上に色素配向膜とを有する光学異方性フィルムの製造方法であって、
    液晶形成能を有するアゾ系色素を含むアゾ系色素含有溶液を調製し、
    前記アゾ系色素含有溶液を可撓性支持体上に剪断力を付与しながら展開し、乾燥して色素配向膜を形成し、
    前記色素配向膜を、長周期表における第4周期または第5周期に属する少なくとも1種の遷移金属のイオンを含有する架橋剤溶液と接触させる、製造方法。
  2. 前記架橋剤溶液は、前記遷移金属イオンとして、銅イオン、鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、銀イオン、及びイットリウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アゾ系色素含有溶液は等方性溶液であり、
    前記アゾ系色素含有溶液を可撓性支持体上に剪断力を付与しながら展開し、
    前記展開されたアゾ系色素含有溶液に、剪断力を付与した位置から展開方向に10mm、可撓性支持体の表面から高さ方向に10mm離れた位置で0.05m/秒以上の風速を有し、15〜60℃の温度を有する風をあてて乾燥して色素配向膜を形成する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 可撓性支持体と、前記可撓性支持体上に色素配向膜とを有する光学異方性フィルムであって、前記色素配向膜は、アゾ系色素と、長周期表における第4周期または第5周期に属する少なくとも1種の遷移金属とを含有し、前記アゾ系色素が前記遷移金属によって固定化されている、光学異方性フィルム。
  5. 前記色素配向膜は、前記遷移金属として、銅、鉄、ニッケル、コバルト、銀、及びイットリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項4に記載の光学異方性フィルム。
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