本発明に係る熱交換器の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示す本発明に係る熱交換器1は、車両に搭載される空気調和システムの一部を構成するヒータコアであり、内部を流れるエンジン冷却水等の媒体(第一の媒体)Gと、外表面を流れる空気(第二の媒体)Kとの間で熱交換を行う複数のチューブ10,11,12,…(…は以下省略する)を有している。
ここで、空気Kは、図1中矢印で示す方向に沿って流れており、各チューブ10,11,12は、それぞれこの流れ方向を横切る方向に延びると共に、この流れ方向にほぼ直交する方向(図1では上下方向)に沿って所定の間隔をおいて配列されている。
なお、この熱交換器1では、空気Kの流れ方向に沿っても複数のチューブを配列しており、ここでは、上下方向に配列されたチューブ群Aを、空気Kの流れ方向に沿って2列並べている。
さらに、各チューブ10,11,12は、それぞれ長手方向の一方の端部10´,11´,12´が媒体導入管2に連通接続され、図示しない長手方向の他方の端部が媒体排出管3に連通接続されている。そして、図示しないポンプから媒体導入管2に送られた媒体Gは、各チューブ10,11,12の内部を長手方向に流れ、媒体排出管3を通って排出されるようになっている。
そして、チューブ11は、図2に示すように、平板状のアルミ板を折りたたむと共に、一方の端部が他方の端部の下側に入り込むように重ねられて形成され、断面が扁平なほぼ楕円状を呈している。
なお、チューブ11とチューブ10,12及び省略した他のチューブは、チューブ11と同一形状であり、以下、チューブ11について言及する構成及び作用はチューブ10,12及び他のチューブも同様である。
このチューブ11の上側扁平面11a及び下側扁平面11bには、それぞれ隣接する他のチューブ10,12に当接する突部21a,21bが形成されている。
上側扁平面11aに形成された突部21aは、上方に位置するチューブ10に向かって突出している。そして、この突部21aは、図3に示すように、チューブ11の長手方向に延びると共に、上方から見たときに蛇行するように延びている。また、突部21aの高さT1は、チューブ10とチューブ11との間隙幅W1のほぼ半分である(図2参照)。
さらに、この突部21aは、隣接するチューブ10に形成された突部20bと当接する位置X(図2参照)である蛇行の直線部分のほぼ中央に、嵌合凹部31aが形成されている。この嵌合凹部31aは、チューブ10の突部20bに形成された嵌合凸部30bがはまり込む大きさに形成されている(図4及び図5参照)。
一方、下側扁平面11bに形成された突部21bは、下方に位置するチューブ12に向かって突出している。そして、この突部21bは、図3に示すように、チューブ11の長手方向に延びると共に、下方から見たときに蛇行するように延びている。また、突部21bの高さT2は、チューブ11とチューブ12との間隙幅W2のほぼ半分である(図2参照)。
さらに、この突部21bは、隣接するチューブ12に形成された突部22aと当接する位置Y(図2参照)である蛇行の直線部分のほぼ中央に、嵌合凸部31bが形成されている。この嵌合凸部31bは、チューブ12の突部22aに形成された嵌合凹部32aにはまり込む大きさに形成されている(図4及び図5参照)。
そして、突部21aと突部21bとは、図3に示すように、それぞれの蛇行ピッチP1,P2が同じ大きさになっているが、位相が1/2ピッチずれるように形成されている。これにより、複数のチューブ10,11,12を重ねた際に、突部20b,21aは互いの蛇行の直線部分のほぼ中央が当接し、突部21b,22aは互いの蛇行の直線部分のほぼ中央が当接することとなる。
次に、本発明に係る熱交換器1の作用を説明する。
この熱交換器1を成形するには、まず、チューブ10,11,12をそれぞれ形成する。各チューブ10,11,12は、平板状のアルミ板を折りたたむと共に、一方の端部が他方の端部の下側に入り込むように重ねられてから両端部を接合する、いわゆるロール成形によって形成される。
ここで、チューブ形状にした際に上側扁平面11aとなる部分には、あらかじめ突部21aが突出形成され、下側扁平面11bとなる部分には、あらかじめ突部21bが突出形成されている。
次に、所定数、ここでは80本のチューブ10,11,12を、互いの扁平した面が対向する状態で上下方向に重ねあわせる。
このとき、チューブ10の突部20bとチューブ11の突部21aとが当接し、チューブ11の突部21bとチューブ12の突部22aとが当接する。
また、突部21aの当接部分には嵌合凹部31aが形成されており、この嵌合凹部31aに突部20bの嵌合凸部30bがはまり込むので、突部21aと突部20bとは、当接する位置Xが互いにかみ合うこととなる。
一方、突部21bの当接部分には嵌合凸部31bが形成されており、この嵌合凸部31bが突部22aの嵌合凹部32aにはまり込むので、突部21bと突部22aとは、当接する位置Yが互いにかみ合うこととなる。
これにより、チューブ10とチューブ11及びチューブ11とチューブ12は、互いにずれることがなくなり、容易に位置決めすることができると共に、正確な位置規制を行うことが可能となる。
そして、このようにチューブ10,11,12を重ねて一方のチューブ群Aを形成した後に、空気Kの流れ方向の下流側に、同様に形成した他のチューブ群Aを配置する。
さらに、長手方向の一方の端部10a,11a,12a(その他図示せず)を媒体導入管2に形成された図示しないスリットにそれぞれ挿入固定し、図示しない長手方向の他方の端部を媒体排出管3に形成された図示しないスリットにそれぞれ挿入固定し、この熱交換器1を形成する。
このように形成された熱交換器1に第一の冷媒である媒体Gを流すと、この媒体Gは、媒体導入管2から各チューブ10,11,12内を長手方向に流れ、媒体排出管3に流入する。
このとき、各チューブ10,11,12は、内部を流れる媒体Gによって内圧が上昇する。
ここで、チューブ11の上側扁平面11aには、突部21aが形成されたことにより凹凸が生じており、下側扁平面11bには、突部21bが形成されたことにより凹凸が生じている。これにより、チューブ11の強度は向上し、内圧が上昇してもチューブ11の変形を抑制することができる。さらに、媒体Gの流量を増加させて熱交換効率を上げることが可能となる。
また、突部21aが隣接するチューブ10の突部20bに当接し、突部21bが隣接するチューブ12の突部22aに当接している。これにより、チューブ11を外方から抑えることができて、さらにチューブ11の変形を抑制することができる。
さらに、突部21a,20bが当接することで、チューブ10とチューブ11との間隙幅W1を適正な状態で保持でき、また、突部21b,22aが当接することで、チューブ11とチューブ12との間隙幅W2を適正な状態で保持できる。
これにより、部品点数を増加させることなく適正なチューブ間隔を保持することができ、重量増加や製造コストの上昇を防止することが可能となる。
そして、この熱交換器1に第二の媒体である空気Kが流入すると、この空気Kはチューブ11の上側扁平面11a及び下側扁平面11bのそれぞれに沿って流れ、このチューブ11内に流れる媒体Gとの間で熱交換が行われる。
このとき、上側扁平面11aに沿って流れる空気Kは、突部21aを乗り越えるように蛇行しながら流れた後に、チューブ10の突部20bをくぐるように蛇行して流れていく。また、突部21aと突部20bとが当接する位置Xでは空気Kの流れが阻害されるので、この位置Xを避けるように空気Kの流れは分流する。
一方、下側扁平面11bに沿って流れる空気Kは、突部21bをくぐるように蛇行して流れた後に、チューブ12の突部22aを乗り越えるように蛇行して流れていく。また、突部21bと突部22aとが当接する位置Yでは空気Kの流れが阻害されるので、この位置Yを避けるように空気Kの流れは分流する。
このように、突部20b,21a,21b,22aによって空気Kの流れが乱され、チューブ11の外表面に形成される温度境界層が乱れることとなる。これにより、熱交換性能の向上を図ることができる。
特に、この熱交換器1では、突部21a,21bがチューブ11の長手方向に延びると共に、蛇行しながら延びている。すなわち、突部21a,21bは、それぞれ空気Kの流れ方向に対して傾斜している。そのため、チューブ10,11,12間を流れる空気Kの流れをさらに効果的に乱すことができ、熱交換効率をより向上させることができる。
また、この突部21a,21bは、互いの蛇行ピッチP1,P2の位相が1/2ピッチずれている。そのため、チューブ11の上側扁平面11aと下側扁平面11bとにおけるそれぞれの熱交換効率を均一にすることができる。
以下、図6〜図9を用いて、上述の実施の形態とは別の形態(実施例1とする)の熱交換器1について説明する。
なお、上述の実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例1では、チューブ11は展開状態では図6に示すようになり、上方側に隣接するチューブ10に面する上側扁平面11a(図6では折返し部Oよりも右側の領域)に、空気Kの流通側に突出した上側突部群20が形成され、下方側に隣接するチューブ12に面する下側扁平面11b(図6では折返し部Oよりも左側の領域)に、空気Kの流通側に突出した下側突部群30が形成されている。
上側突部群20は、複数の上側第一突部21,…と複数の上側第二突部22,…とを有しており、複数のチューブ10,11,12を重ねた際に、チューブ11の上方側に隣接するチューブ10に形成された下側突部群(図示せず)に当接するようになっている。
そして、複数の上側第一突部21,…は、図6においてチューブ11の上側扁平面11aの長手方向左半分の領域(折返し部O側の領域)に、このチューブ11の長手方向に沿って一定間隔で配列されている。
各上側第一突部21は、チューブ11の長手方向であって、空気Kの流れ方向(矢印Kで示す方向)に対して傾斜する方向(矢印Xで示す方向)に延びている。さらに、複数の上側第一突部21,…は、それぞれ同一方向に沿って延びている。
また、各上側第一突部21は、先端部に平坦面(頂部)21aが形成されており、この平坦面21aの長手方向ほぼ中央には平坦面21aよりもへこんだ上側凹部23が形成されている。
この上側凹部23は、上側第一突部21の延在方向とほぼ直交する方向(矢印Yで示す方向)に延びる溝形状を呈しており、この上側第一突部21の延在方向上に起立すると共に、互いに対向した一対の内側面23a,23bを有している。つまり、この内側面23a,23bにより、平坦面21aは断続されている。
また、図4に示すように、この上側凹部23の底面23cの幅Wである内側面23a,23b間の距離は、後述する下側第二突部32の先端部の平坦面32aが入り込める大きさに形成されている。
そして、この上側凹部23の深さH1は、上側第一突部21高さH2よりも十分に小さくなるように形成されている。
さらに、内側面23a,23bは、それぞれ次第に離間するように、すなわち開放端に向かって拡開するように傾斜しており、この傾斜角度θ1は、後述する下側第二突部32の外側面32bの傾斜角度θ4よりも緩やかに(大きく)なっている。
複数の上側第二突部22,…は、図6においてチューブ11の上側扁平面11aの長手方向右半分の領域(端部T2側の領域)に、このチューブ11の長手方向に沿って一定間隔で配列されている。
そして、各上側第二突部22は、チューブ11の長手方向であって、空気Kの流れ方向(矢印Kで示す方向)に対して傾斜する方向(矢印Xで示す方向)に延びている。さらに、複数の上側第一突部22,…は、それぞれ同一方向に沿って延びている。
また、各上側第二突部22は、先端部に凹凸のない平坦面(頂部)22aが形成されている。
さらに、この上側第二突部22の長手方向の外側面22b,(他方図示せず)は、平坦面22aに向かって互いに近接するように傾斜している。つまり、上側第二突部22は先細り形状となっている。そして、この外側面22bの傾斜角度θ2は、後述する下側凹部33の内側面33a,33bの傾斜角度(図示せず)より急傾斜に(小さく)なっている。
一方、下側突部群30は、複数の下側第一突部31,…と複数の下側第二突部32,…とを有しており、複数のチューブ10,11,12を重ねた際に、チューブ11の下方側に隣接するチューブ12に形成された上側突部群(図示せず)に当接するようになっている。
そして、複数の下側第一突部31,…は、図6においてチューブ11の下側扁平面11bの長手方向左半分の領域(端部T1側の領域)に、このチューブ11の長手方向に沿って一定間隔で配列されている。
そして、各下側第一突部31は、チューブ11の長手方向であって、空気Kの流れ方向(矢印Yで示す方向)に対して傾斜する方向(矢印Xで示す方向)に延びている。さらに、複数の下側第一突部31,…は、それぞれ同一方向に沿って延びている。
また、各下側第一突部31は、先端部に平坦面(頂部)31aが形成されており、この平坦面31aの長手方向ほぼ中央には平坦面31aよりもへこんだ下側凹部33が形成されている。
この下側凹部33は、下側第一突部31の延在方向とほぼ直交する方向(矢印Yで示す方向)に延びる溝形状を呈しており、この下側第一突部31の延在方向上に起立すると共に、互いに対向した一対の内側面33a,33bを有している。つまり、この下側凹部33により、平坦面31aは断続されている。
また、この下側凹部33の底面23cの幅(図示せず)である内側面33a,33b間の距離は、上側第二突部22の先端部の平坦面22aが入り込める大きさに形成されている。なお、この下側凹部33の底面32cの幅は、上側凹部23の底面23cの幅Wと同じ大きさである。
そして、図8に示すように、この下側凹部33の深さH3は、下側第一突部31の高さH4よりも十分に小さくなるように形成されている。
さらに、内側面33a,33bは、それぞれ次第に離間するように、すなわち開放端に向かって拡開するように傾斜しており、この傾斜角度(図示せず)は、上側第二突部22の外側面22bの傾斜角度θ2よりも緩やかに(大きく)なっている。なお、この下側凹部33の内側面33a,33bの傾斜角度は、上側凹部23の内側面23a,23bの傾斜角度θ1と同じ大きさになっている。
複数の下側第二突部32,…は、図6においてチューブ11の下側扁平面11bの長手方向右半分の領域(折返し部O側の領域)に、このチューブ11の長手方向に沿って一定間隔で配列されている。
そして、各下側第二突部32は、チューブ11の長手方向であって、空気Kの流れ方向(矢印Kで示す方向)に対して傾斜する方向(矢印Xで示す方向)に延びている。なお、複数の下側第一突部32,…は、それぞれ同一方向に沿って延びている。
また、各下側第二突部32は、先端部に凹凸のない平坦面(頂部)32aが形成されている。
さらに、この下側第二突部32の長手方向の外側面32b,32bは、平坦面32aに向かって互いに近接するように傾斜している(図8参照)。つまり、下側第二突部32は先細り形状となっている。そして、この外側面32bの傾斜角度θ4は、上側凹部23の内側面23a,23bの傾斜角度θ1より急傾斜に(小さく)なっている。なお、この傾斜角度θ4は、下側第二突部22の長手方向の外側面22bの傾斜角度θ2と同じ大きさになっている。
そして、上側第一突部21、上側第二突部22、下側第一突部31、下側第二突部32は、チューブ11の一方の端部T1側から順に短手方向に沿って一列に並んでいる。
これにより、複数の上側第一突部21,…と、複数の上側第二突部22,…と、複数の下側第一突部31,…と、複数の下側第二突部32,…とは、チューブ11の長手方向及び短手方向のそれぞれに沿って、マトリクス状に配列されることとなる(図6参照)。
そして、このチューブ11を折返し部Oから折り曲げてチューブ形状を形成すると、図7に示すように、上側扁平面11aが上方に面し、下側扁平面11bが下方に面するようになる。
このとき、上側第一突部21の下方に下側第二突部32が位置し、上側第二突部22の下方に下側第一突部31が位置する。
さらに、このとき、下側第一突部31及び下側第二突部32は、上側第一突部21及び上側第二突部22の延在方向(図7において矢印Xで示す方向)に対して、直交する方向(図7において矢印Yで示す方向)に延びた状態となる。
すわなち、互いに当接する上側突部群20と下側突部群30同士では、互いに異なる方向に沿って延びることとなる。
さらに、上側凹部23は、上側第一突部21の延在方向(矢印Xで示す方向)に対して直交する方向(矢印Yで示す方向)に延びる溝形状を呈しており、この上側凹部23に入り込む下側第二突部32の延在方向に沿うこととなる。
一方、下側凹部33は、下側第一突部の延在方向(矢印Yで示す方向)に対して直交する方向(矢印Xで示す方向)に延びる溝形状を呈した状態となっており、この下側凹部33に入り込む上側第二突部22の延在方向に沿うこととなる。これにより、上側凹部23と下側凹部33とは互いに異なる方向に沿って延びている。
次に、実施例1に係る熱交換器1の作用を説明する。
この熱交換器1において、所定数のチューブ10,11,12を、互いの扁平した面が対向する状態で上下方向に重ねあわせると、このとき、チューブ10の下側突部群(図示せず)とチューブ11の上側突部群20とが当接し、チューブ11の下側突部群30とチューブ12の上側突部群(図示せず)とが当接する。
すなわち、図9に模式的に示すように、上側第一突部21と下側第二突部32とが当接し、上側第二突部22と下側第一突部31とが当接する。
ここで、上側第一突部21に形成された上側凹部23内に、下側第二突部32の平坦面32aが入り込み、下側第一突部31に形成された下側凹部33内に、上側第二突部22の平坦面22aが入り込む。
このように、上側第一突部21と下側第二突部32とがかみ合い、上側第二突部22と下側第一突部31とがかみ合うことにより、上側突部群20と下側突部群30同士が相互にかみ合った状態になり、複数のチューブ10,11,12同士の位置ずれが発生しなくなる。そして、治具等を使用しなくても容易に位置ずれを防止して、正確な位置規制を行うことが可能となる。
また、複数のチューブ10,11,12の媒体導入管2又は媒体排出管3への接続は、一括して容易に行うことが可能となる。
さらに、上述の実施例1では、当接する上側突部群20と下側突部群30とでは、互いに異なる方向に延びると共に、上側第一突部21に形成された上側凹部23は、これに入り込む下側第二突部32の延在方向に沿って延びる溝形状を呈し、下側第一突部31に形成された下側凹部33は、これに入り込む上側第二突部22の延在方向に沿って延びる溝形状を呈している。また、上側凹部23と下側凹部33とは、それぞれ異なる方向に沿って延びている。
これにより、上側凹部23に入り込んだ下側第二突部32のずれ方向は、この上側凹部23の延在方向(図7において矢印Yで示す方向)にのみ沿ったものとなり、下側凹部33に入り込んだ上側第二突部22のずれ方向は、この下側凹部33の延在方向(図7において矢印Xで示す方向)にのみ沿ったものとなる。
このように、上側凹部23によって規制できるずれ方向と、下側凹部33によって規制できるずれ方向とが異なり、この上下凹部23,33によって上側第二突部22及び下側第二突部32のずれ方向を補完しあうこととなる。
そのため、複数のチューブ10,11,12をさらにずれにくくすることができ、媒体導入管2等への接続を一括してさらに容易に行うことが可能となる。
さらに、上述の実施例1では、上側凹部23の内側面23a,23bの傾斜角度θ1は、下側第二突部32の外側面32b,32bの傾斜角度θ4と異なっており、ここではθ1よりもθ4が急斜面(小さく)になっている。
これにより、図9(b)に示すように、上側凹部23内に下側第二突部32が入り込んだ際に、上側凹部23の底面23cと、下側第二突部32の頂部である平坦面32aとの間に間隙が生じることとなる。
そのため、この上側凹部23の底面23cと、下側第二突部32の平坦面32aとの間にも空気Kを流通させることができ、この空気Kの流路抵抗を低減して熱交換効率を向上させることが可能となる。
なお、下側凹部33の内側面33a,33bの図示しない傾斜角度は、上側凹部23の内側面23a,23bの傾斜角度θ1と同じ大きさであり、上側第二突部22の外側面22b,(他方図示せず)の傾斜角度θ2は、下側第二突部32の外側面32b,32bの傾斜角度θ4と同じ大きさである。
そのため、下側凹部33内に上側第二突部22が入り込んだ際に、下側凹部33の底面33cと、下側第二突部32の頂部である平坦面32aとの間に間隙が生じることとなる。
そのため、この上側凹部23の底面23cと、下側第二突部32の平坦面32aとの間にも空気Kを流通させることができ、この空気Kの流路抵抗を低減して熱交換効率を向上させることが可能となる。
さらに、上述の実施例1では、上側突部群20の複数の上側第一突部21,…と複数の上側第二突部22,…とがそれぞれ同方向に傾斜し、下側突部群30の複数の下側第一突部31,…と複数の下側第二突部32,…とがそれぞれ同方向に傾斜している。
そのため、各突部21,22,31,32を多数形成することができ、上下扁平面11a,11bの強度を向上させることができて、チューブ11の内圧が上昇してもこのチューブ11の変形をさらに効果的に抑制することができる。
以上、この発明にかかる実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等はこの発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態では、突部21a,21bは、チューブ11の長手方向に蛇行した状態で延びているが、これに限らない。
この突部40aは、図10に示すように、チューブ40の長手方向に破断突部40b,…が複数並ぶと共に、各破断突部40bをそれぞれ空気Kの流れ方向に対して、隣接するもの同士が異なる方向に延びるように形成されている。つまり、この突部40aは、ハの字状に複数形成されている。
この場合、突部40aがチューブ40の長手方向に連続していないので、空気K流路抵抗を低減することができる。
さらに、図11に示す突起41aように、チューブ41の長手方向に蛇行して延びると共に、直線部分の一部を断続して間隙Sをあけてもよい。
これにより、空気Kがこの間隙Sを通って流れることが可能となり、流路抵抗を低減することができる。
また、上述の実施の形態では、チューブ11の上側扁平面11aと下側扁平面11bとのそれぞれに突起21a,21bを形成しているが、これに限らない。上下の扁平面のいずれか一方のみに突起を形成し、この突起の先端が隣接するチューブの扁平面に当接するようにしてもよい。
この場合であっても、突起が隣接するチューブに当接することで、チューブの膨張を抑えて、変形の発生を抑制することが可能となると共に、適正なチューブ間隔を保持することが可能となる。
さらに、上述の実施の形態の熱交換器1はヒータコアであるが、冷えた冷媒をチューブの内部に流し、その外表面に接触する空気との間で熱交換を行って空気を冷やす蒸発器であってもよいし、自動車エンジン等の冷却液を冷やすためのラジエータや、オイルを冷やすためのオイルクーラであってもよい。