JP2009133296A - Oxygen injection type four-cycle internal combustion engine - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は空気を吸入する代りに酸素供給容器からの酸素をシリンダー内に噴射する酸素噴射式4サイクル内燃機関に関する。 The present invention relates to an oxygen injection type four-cycle internal combustion engine in which oxygen from an oxygen supply container is injected into a cylinder instead of sucking air.
一般に4サイクル内燃機関では空気を作動流体として使っている為、NOxの発生は避けられず、大気汚染の元凶となっていた。
又、4サイクルディーゼル機関では圧縮比が高い事による摩擦損失が大であり、最高燃焼温度が高い事による冷却損失も大で、これらの理由により熱効率の改善が困難であった。一方、4サイクル火花点火式内燃機関でも最高燃焼温度が高い事による冷却損失が大であり、シリンダー内に吸入される空気を絞って出力を制御する事によるポンプ損失が大で、これらの理由により熱効率の改善が困難であった。更には前記4サイクルディーゼル機関及び4サイクル火花点火式機関では圧縮比に対して膨張比を大として高膨張比化すると、有効吸入行程の減少により出力低下となり、この為、熱効率の改善が困難であった。In general, in a four-cycle internal combustion engine, air is used as a working fluid, so generation of NOx is unavoidable and has become a cause of air pollution.
Further, in a 4-cycle diesel engine, the friction loss due to the high compression ratio is large, and the cooling loss due to the high maximum combustion temperature is also large. For these reasons, it is difficult to improve the thermal efficiency. On the other hand, the four-cycle spark ignition type internal combustion engine has a large cooling loss due to the high maximum combustion temperature, and the pump loss due to the control of the output by restricting the air sucked into the cylinder is large. Improvement of thermal efficiency was difficult. Furthermore, in the 4-cycle diesel engine and the 4-cycle spark ignition engine, if the expansion ratio is increased with respect to the compression ratio and the expansion ratio is increased, the output is reduced due to a decrease in the effective intake stroke, which makes it difficult to improve the thermal efficiency. there were.
本発明の目的は空気を作動流体としない事によってNOxの発生を根源から断ち切る事であり、熱効率の改善の為に圧縮比に対し膨張比を大として高膨張比化しても、出力の低下を招かない様にすることである。更にはポンプ損失や摩擦損失を減らし、最高燃焼温度を下げて冷却損失を減らし、以って熱効率の大幅改善を図ることである。 The object of the present invention is to cut off the generation of NOx from the source by not using air as a working fluid. Even if the expansion ratio is increased with respect to the compression ratio to improve the thermal efficiency, the output is reduced. Do not invite them. Furthermore, the pump loss and friction loss are reduced, the maximum combustion temperature is lowered, the cooling loss is reduced, and the thermal efficiency is greatly improved.
本発明は上記目的を達成する為、作動流体の吸気・圧縮・膨張・排気の各行程を有し、シリンダーヘッドに既燃ガスの流通及び遮断を司どるポペット弁を備えた4サイクル内燃機関において、酸素供給容器を備え、前記酸素供給容器からの酸素を噴射する酸素噴射弁と燃料を噴射する燃料噴射弁とを備え、更にシリンダー内からポペット弁を介して排出された既燃ガスを冷却する冷却器を備えてこの冷却器により冷却された既燃ガスをポペット弁を介してシリンダー内に導入する様にし、機関の運転状態に応じてポペット弁の閉弁時期を可変動弁装置により変化させて実圧縮比を可変化する様に構成した。 In order to achieve the above object, the present invention provides a four-cycle internal combustion engine having intake, compression, expansion, and exhaust strokes of a working fluid and a poppet valve that controls the flow and shutoff of burned gas in a cylinder head. An oxygen supply container, an oxygen injection valve for injecting oxygen from the oxygen supply container and a fuel injection valve for injecting fuel, and further cooling the burned gas discharged from the cylinder through the poppet valve A combustor is provided so that the burned gas cooled by the cooler is introduced into the cylinder via the poppet valve, and the valve closing timing of the poppet valve is changed by a variable valve operating system according to the operating state of the engine. The actual compression ratio is made variable.
図1(イ)は本発明による酸素噴射式4サイクル内燃機関の一実施例で(ここではディーゼル機関とする)、1はその本体を示し、通常は多気筒機関であり、その一断面を図1(ロ)に、図1(ロ)を上方から見て図1(ハ)にポペット弁21、25、燃料噴射弁37、酸素噴射弁38等のレイアウトを示す。酸素供給容器15(例えば350気圧程度に圧縮された酸素が充填された酸素ボンベから成る)からの酸素はプレッシャーレギュレーター16によって一定圧力に調整された後にサージタンク17に到り、更に酸素噴射弁38からシリンダー内へ噴射される。この場合、酸素噴射弁38は吸入通路32に配置しても良い。
サージタンク17には圧力センサー18が取り付けられ、酸素噴射弁38へ供給する酸素圧力を検出する手段として用いられる。シリンダーヘッドには燃料を噴射する燃料噴射弁37が備えられ、更に作動流体(既燃ガス、酸素など)の流通及び遮断を司どるポペット弁21、25が備えられている。ポペット弁21は排気用、ポペット弁25は吸気用で、各々2個づつ備えられている。この場合、ポペット弁21、25は大部分がピストン19に形成された燃焼室20の範囲内に収まる様にしてピストン19との干渉を回避するバルブリセス部を小さくする様に工夫する(図1(ニ)の様にポペット弁21′、25′が1個づつの場合は燃焼室20′は楕円形とするのが良い)。38は酸素噴射弁で、シリンダー内に酸素を噴射する。ポペット弁21はカム軸22に形成されたカム23により駆動され、ポペット弁25は同じくカム軸22に形成された図示しないカムによりロッカーアーム24を介して駆動される。燃料噴射弁37を含む燃料噴射装置としては例えばコモンレール方式(蓄圧室方式)を用いる事ができる。
排気行程(ピストン19は上昇)ではポペット弁21は開いており、シリンダー内の既燃ガスはポペット弁21、排出通路26(各気筒毎に備えられる)を介してサージタンク31の方へ流れ、少量の部分が放出通路28の方に流れる様になっている(大気中に放出)。続く吸気行程(ピストン19は下降)ではポペット弁21は閉じ、ポペット弁25が開いて連絡通路30を介してサージタンク31に導入された既燃ガスが吸入通路32(各気筒毎に備えられる)、ポペット弁25を介してシリンダー内に吸入され、圧縮行程(ピストン19は上昇)ではポペット弁21、25は閉じ、シリンダー内に閉じ込められた既燃ガスがピストン19によって圧縮され、更に圧縮行程中の適当な時期に酸素噴射弁38から酸素が噴射され(酸素噴射弁38を吸入通路32に備える場合は吸気行程中に酸素を噴射する)、上死点又はその付近の適当なクランク角度で酸素を含む燃焼室20内の圧縮された高温の気体中に燃料噴射弁37から燃料を噴射して着火・燃焼を行なわせる様にしている。この後、膨張行程に移り、ピストン19は下降により燃焼室20内の高温・高圧の燃焼ガスが膨張し、かくしてクランク軸2回転毎に1回の膨張仕事が得られる。冷却器29は排出通路26、サージタンク27からの既燃ガスが通る多数のパイプを有し、その周囲をクーラントが取り囲む構造で、この既燃ガスをクーラントとの熱交換により冷却して吸入通路32の方へ送る為のもので(クーラントや吸収した熱は最終的にラジエターから大気中に放出される)、冷却器29をバイパスするバイパス通路36及び制御弁33(冷却器29の入口部30′に備えられている)、34が備えられ、制御弁33、34の開度を各々調整する事によって吸入通路32、ポペット弁25を介してシリンダー内に吸入される既燃ガスの温度を制御する様にしている。
即ち、制御弁33、34はリンク機構等により互いに連動し合い(カムを介して連動させても良い)、制御弁33の開度を大とし、制御弁34の開度を小とする程、ポペット弁25を介してシリンダー内に吸入される既燃ガスの温度は低下する、制御弁33、34は後述する様にエンジン負荷、回転速度、冷却水温度等によってその開度が最適制御されるが、これは制御弁34を駆動する電動アクチュエーター35(モーター)によって為され、電子制御ユニット14(以後ECU14)は予め与えられた所定の特性に基づいて制御弁34の開度を演算し、電動アクチュエーター35の回転角を制御する、尚、冷却器29により冷却されると言ってもポペット弁25を介してシリンダー内に吸入される既燃ガスの温度は空気を吸入する場合に比し十分に高いから、低圧縮比化は可能であり、従って前記シリンダー内に吸入される既燃ガスの温度を制御する制御弁33、34、バイパス通路36は必要不可欠なものではない、制御弁34、33については図1(ホ)の如く1つの制御弁39により同じ効果をもたらす事ができる(構造簡単)、4は可変動弁装置としての、開弁期間は変えずにポペット弁21、25の開閉時期を変化させる公知のバルブタイミング可変装置を示し、ハウジング6とローター7とから成り、ハウジング6はプーリー5(又はスプロケット)とボルトにより結合、一体化され、ローター7はカム軸22とボルトにより結合、一体化されており、プーリー5はクランク軸2によりベルト3(又はチェーン)を介して回転比1/2に減速して駆動される。ハウジング6及びローター7により進角室8と遅角室9とが形成され、油圧制御弁10からの作動油が供給される。
油圧制御弁10は図示しない油圧ポンプから油圧が供給され、後述するECU14からの出力信号により軸方向への移動量が電磁ソレノイドにより駆動制御されるプランジャー11と、スプール弁12とバネ13とを有しており、バネ13の反発力とプランジャー11の押圧力とが均衡する位置でスプール弁12が位置決めされる様になっている。ECU14には所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサーからの信号、所定のカム角毎にカム角信号を出力するカム角センサーからの信号が入力される。ECU14はカム角センサーから出力される回転角パルスとクランク角センサーから出力されるクランク角パルスとの間の出力位相差に基づきカム位相角を検出する事ができる。ECU14はローター7の、即ちカム軸22のクランク軸2に対する位相角が目標値となる様に油圧制御弁10に制御信号を出力する。ECU14は検出したカム位相角をフィードバック信号として取り込み、その制御上の目標位相角との間の偏差に応じて油圧制御弁10の駆動デューティ比率をフィードバック制御する。油圧制御弁10はECU14から指示されるデューティ比率に応じて電磁ソレノイドを駆動して進角室8、遅角室9に対する油圧の給排を調整し、カム軸22を目標位相角まで進角又は遅角、或いは中立に保持する(任意のカム位相角に固定)。
ECU14はROM、RAM、CPU、入力ポート、出力ポート等から成るマイクロコンピューターを中心として構成され、これらは双方向性バスによって相互に接続されている。ECU14にはエンジンの運転状態の把握に必要なパラメーター用の各種センサー、例えば所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサー、所定のカム角毎にカム角信号を出力するカム角センサー、アクセル開度を検出するアクセルセンサー、エンジン冷却水温を検出する水温センサー、大気圧センサー、サージタンク17内の酸素圧力を検出する圧力センサー18、排ガス中に酸素濃度を検出するO2センサー、ノックセンサー等からの各出力信号が対応するA/Dコンバーターを介して入力ポートに送信される。尚、エンジン回転速度は前記クランク角センサーからの信号により知る事ができる。又、出力ポートは燃料噴射弁37、酸素噴射弁38、プレッシャーレギュレーター16、油圧制御弁10、電動アクチュエーター35(40)等に各々に対応する駆動回路を介して接続され、各々の制御信号を送信する。ROMには燃料噴射弁37、酸素噴射弁38の噴射量や噴射時期を決定する為の制御ルーチン等のエンジンを制御する為の制御ルーチン(図7の場合は点火プラグ53への通電時間を制御する為の制御ルーチンも)やそれらに用いられる制御値を含むマップが記憶されている。RAMには上記センサーからの出力信号やCPUの演算結果が記憶されている。RAMに記憶されている各々のデーターはエンジン回転速度センサーが信号を出力する毎に最新のデータに書き換えられる。CPUはROMに記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し、燃料や酸素の噴射制御(図7の場合は点火時期制御も)等を実行する。FIG. 1 (a) shows an embodiment of an oxygen injection type four-cycle internal combustion engine according to the present invention (here, a diesel engine). Reference numeral 1 denotes a main body, which is usually a multi-cylinder engine, and shows a cross section thereof. FIG. 1 (b) shows the layout of the
A
In the exhaust stroke (the piston 19 is raised), the
That is, the
The
The ECU 14 is mainly configured by a microcomputer including a ROM, a RAM, a CPU, an input port, an output port, and the like, and these are connected to each other by a bidirectional bus. The
図2はポペット弁25、21の開閉時期変化を示す図で(クランク角で示してある)、ポペット弁25は吸気用、ポペット弁21は排気用であり、4サイクル機関であるから各々クランク軸2回転に1回の開閉動作を繰り返し、同一のバルブタイミング可変装置4により駆動されるから、位相変化は各々同一である。エンジンアイドル状態では図2(イ)の如くポペット弁25(吸気用)は上死点前10℃Aで開、下死点後62℃Aで閉として実圧縮比(ポペット25の閉時での圧縮比)を16程度とし、他方ポペット弁21(排気用)は下死点前62℃Aで開、上死点前10℃Aで閉として実膨張比(ポペット弁21の開時での膨張比)を16程度とする。一方、制御弁34は全開又はほぼ全開、制御弁33は全閉又は若干開く様に電動アクチュエーター35により制御されている。従って、シリンダー内から排出された排ガスは全部又は殆どバイパス通路36を通って(冷却器29を全く又は殆ど通らず)吸入通路32の方へ送られるから、高温に保たれたままポペット弁25を介して導入され、かつポペット弁25の閉弁時において多量にシリンダー内に閉じ込められるから、圧縮端温度(圧縮上死点における燃焼室20内のガス温度)は低圧縮比ながら十分に高まり、燃料噴射弁37から噴射された燃料を良好に着火・燃焼させる事ができる。エンジン低負荷域では燃料噴射量も多くなって排ガス温度が高まり、制御弁34の開度は小さく、制御弁33の開度が大となる様に制御されるから、吸入通路32の方へ送られる排ガスは高温ではあるが、冷却器29により冷却されて適温に保たれ、従って図2(ロ)の如くポペット弁25の閉弁時期を遅らせて実圧縮比を14程度としても(この時、ポペット弁21の開弁時期も遅角し、実膨張比は17.6位となる)低圧縮比ながら圧縮端温度は十分に高く、噴射された燃料を良好に着火・燃焼させる事ができる。
実圧縮比に対し実膨張比の方が高い為、熱効率の向上が期待できる。エンジン中・高負荷域では燃料噴射量が更に増して排ガスも一層高温となるが、制御弁34は全閉(又はほぼ全閉)、制御弁33は全開(又はほぼ全開)となる様に制御されるので、冷却器29により十分に冷却され、高温ではあるが、適温に保たれて吸入通路32の方へ送られる。この為、図2(ハ)の如くポペット弁25の閉弁時期を遅らせて実圧縮比を12程度としても(この時、ポペット弁21の開弁時期も遅角し、実膨張比は18.7位になる――これは冷却器29の入口部の排ガス温度低下につながる)低圧縮比ながら圧縮端温度は十分に高く、噴射された燃料を良好に着火・燃焼させる事ができる。実圧縮比に対し実膨張比が18.7位と高い為、熱効率向上幅が大となる。従来では実圧縮比に対し実膨張比を大とすると有効吸入行程減少の為に出力低下となるが、本発明では酸素噴射弁38から噴射される酸素量を増量し、それに見合った燃料を噴射すれば良いので、出力低下はない。本発明ではポペット弁25の閉時でシリンダー内に多量の既燃ガスが閉じ込められ、従来の様に吸入行程で冷たい空気を吸入する事もないので、低圧縮比ながら圧縮端温度は十分に高まり、エンジンアイドル状態でも低負荷域でも良好な燃焼を行なわせる事ができる。
燃料の燃焼に必要なものは酸素だけであるから、その必要分を――多少過剰気味とするが――噴射すれば良い。エンジン冷態時ではポペット弁25の開閉時期を図2(イ)の状態としても良いが、図2(ニ)の如く進めて(早めて)実圧縮比を18程度(この時、実膨張比は13.2位となる――これは排ガス温度上昇につながる)とすると、それだけ排ガス温度や圧縮端温度が高まり、エンジン暖機運転期間が短縮する(排ガス浄化用触媒コンバーター付のものではそれだけ早く活性化温度に達する)。エンジン冷態時でも負荷が増大すれば、ポペット弁25の開閉時期を遅らせて実圧縮比を下げる様に制御する事は言うまでもない。尚、図2において実圧縮比を可変化する為に、ポペット弁25(吸気用)の下死点後の閉弁時期を変化させていたが、下死点前の閉弁時期を変化させても良く、同じ効果が得られる。
例えば図2(イ)においてはポペット弁25の閉弁時期を下死点後62℃Aとして、実圧縮比を16としていたが、図3の如く下死点前62℃Aとしても同じ実圧縮比16が得られれる。図2(ロ)、(ハ)、(ニ)の場合も同様である。これは図1(イ)のバルブタイミング可変装置4では困難であるが、後に述べる立体カムを用いてこれを軸方向にスライドさせたり、図5の電磁式可変動弁装置を用いれば容易に実施できる。この方式によればポペット弁25の開弁時期をも自由に設定できる(例えば開弁時期をほぼ一定とするる)利点がある。ポペット弁21(排気用)についても同様とする事ができる。FIG. 2 is a graph showing changes in the opening / closing timing of the
Since the actual expansion ratio is higher than the actual compression ratio, an improvement in thermal efficiency can be expected. In the middle / high load range of the engine, the fuel injection amount further increases and the exhaust gas becomes even hotter, but the
Since all that is needed to burn the fuel is oxygen, it may be injected—although a little overkill—to inject it. When the engine is cold, the opening and closing timing of the
For example, in FIG. 2 (a), the closing timing of the
次に図4において本発明における各種実施例について説明する。先ず図4(1)はピストンを断熱構造としたもので、燃焼室20の壁面41をセラミックなどの熱伝導率の低い部材で形成し、空気層42を介してピストン本体に接続させたもので、この構造により冷却損失が減少して熱効率が向上する。シリンダーヘッド側もポペット弁21,25をセラミックなどの熱伝導率の低い部材で作って断熱構造とする事が望ましい。但し、シリンダー内壁面は潤滑の為に断熱構造とはしない。この様な断熱構造とすると、従来ではシリンダー内充填空気量が減少して出力低下となるが、本発明では酸素噴射弁38により強制的に必要量の酸素を噴射するので、出力低下はない。図4(ロ)はポペット弁25(既燃ガスを吸入する図1と同じもの)とは別系統で空気をシリンダー内に吸入する空気導入弁43を備えたもので、所定量(少量とする)の空気をシリンダー内に導入する事により酸素供給容器15の小型化を図ったものである。44はエァフローメーターで、エンジン回転速度によりシリンダー内に導入される空気量(酸素量)が知れるから、この分を差し引いて酸素噴射弁38は酸素を噴射する。
図4(ハ)、(ニ)はポペット弁25(吸気用)の役割をポペット弁21(排気用)に持たせたものに相当する実施例を示し(図4(ハ)は図4(ニ)を上方から見てポペット弁45、燃料噴射弁37、酸素噴射弁38等のレイアウトを示す図である)、ポペット弁45は下死点前の所定のクランク角度で開いて既燃ガスを排出し、下死点から上死点に到る排気行程でも、更にはこの上死点から下死点へ到る吸気行程でも開き続け、下死点後の所定のクランク角度で閉じる様になっている(但し、上死点付近ではピストンとの干渉を避ける為、ポペット弁45のリフト量は小さい――上死点付近でポペット弁45を一旦閉じても良い)。ガス流通路26′、26″は図1の排出通路26に相当し、各気筒毎に設けられ、冷却器29′も各気筒毎に設けられている。
従ってシリンダー内から排出された排ガスはガス流通路26′を通って冷却器29′に到り、ここで冷却された後にガス流通路26″を通ってサージタンク27′(各気筒に共通)に到るが、この排ガスは吸気行程中の気筒があればその気筒のガス流通路26″、冷却器29′、ガス流通路26′を通ってその気筒のシリンダー内に十分に冷却されて吸入される事になる。
燃料噴射弁37からの燃料噴射及び酸素噴射弁38からの酸素噴射は図1と同様に行なわれる。冷却器29′により冷却されてシリンダー内に吸入されると言っても、冷たい空気を吸入するよりは温度が高いから、低圧縮比ながら良好な燃焼が得られる。図4(ニ)の場合、図4(ホ)の様にガス流通路26′と26″とをバイパスするバイパス通路36′を設け、制御弁39′(各気筒毎に設ける)により冷却器29′を通る排ガス量とバイパス通路36′を通る排ガス量とを調整すれば、エンジン負荷に応じてシリンダー内に吸入されるガス温度を制御できるから、図4(ニ)よりは一層良好な燃焼を得る事ができる。尚、図4(ハ)、(ニ)、(ホ)に示す実施例では図4(ロ)と同様に空気導入弁43を備えて、酸素供給容器15の小型化を図っても良い。Next, various embodiments of the present invention will be described with reference to FIG. First, FIG. 4 (1) shows a piston with a heat insulating structure, in which the
4 (c) and 4 (d) show an embodiment corresponding to the poppet valve 21 (for exhaust) having the role of the poppet valve 25 (for intake) (FIG. 4 (c) is similar to FIG. 4 (d). ) Is a view showing the layout of the poppet valve 45, the
Accordingly, the exhaust gas discharged from the cylinder reaches the cooler 29 'through the gas flow passage 26', and after being cooled there, passes through the
Fuel injection from the
ところで本発明ではポペット弁21,25,(45)の開弁時期や閉弁時期を変化させて実圧縮比や実膨張比を可変化しているが、図1に示したものの他に多くの公知の可変動弁装置を用いる事ができる。例えば特開平8−177434号公報にはヘリカルスプラインを軸方向に移動させてカム位相角を変えるものが開示され、電磁式又は電動式にカム位相角を変えるものが特開2001−164951号公報、特開2003−278514号公報、特開2007−100681号公報に開示されている。これらはいずれも図1と同様に開弁期間は変えずにポペット弁21,25,(45)の開閉時期を変えるものである。更には立体カム(通常の平面カムを多段に並べたものも含む)を用い、これを油圧式又は電磁式アクチュエーターによりECU14からの制御信号によって軸方向にスライドさせ、位置制御する方法も考えられる(公知の技術である)。図5は電磁式可変動弁装置を示すもので、ハウジング46にはリング状に形成された電磁石48,49がポペット弁25(21)の弁軸と一体となったプランジャー47を挟んで対向した状態で配置されている。電磁石48,49の各々の中空部にはバネ50,51がプランジャー47を挟む様に取り付けられ、この為、ポペット弁25(21)はバネ50,51の力の釣り合いにより弁リフトの中間位置に静止する、電磁石48が磁励されるとプランジャー47が上方へ引き付けられ、ポペット弁25(21)は閉弁し、電磁石49が磁励されるとプランジャー47が下方へ引き付けられ、開弁する。ドライバー52はポペット弁25(21)の開閉時期を指定するECU14からの制御信号に応じて電磁石48,49に交互に励磁電流を供給する。これによりポペット弁25(21)はECU14が指示した時期に開閉駆動される。これによるとポペット弁21,25の開弁時期や閉弁時期を互いに独立的に設定できるから、自由度が増す。例えば、実膨張比を同一としたまま実圧縮比のみを変えるなどである。何よりも応答遅れがないのが大きな特長である。 By the way, in the present invention, the actual compression ratio and the actual expansion ratio are made variable by changing the valve opening timing and the valve closing timing of the
次に本発明ではポペット弁21の開弁時期を固定したままポペット弁25の閉弁時期を変え、即ち実膨張比を固定したまま実圧縮比のみを可変化しても良く、これは既に述べた立体カムを用いたり、図5の電磁式可動弁装置を用いる事により可能である。しかしながら本発明ではポペット弁21,25の開弁時期や閉弁時期を互いに独立的に設定する事がより望ましい(図1ではポペット弁25の閉弁時期により実圧縮比を設定すると、ポペット弁21の開弁時期が一義的に定まり、実膨張比も一義的に定まる)。
これも立体カムや図5の電磁式可変動弁装置により可能となるが、バルブタイミング可変装置(例えば図1のもの)を用いた実施例を図6に示す。即ち図6において図1のポペット弁21はカム軸22Aで、駆動され、図1のポペット弁25はカム軸22Bで、駆動され、ポペット弁21,25はバルブタイミング可変装置4A,4Bにより各々の開閉時期を互いに独立的に設定できる様に構成され、これにより実圧縮比、実膨張比を互いに独立的に設定する事ができ、自由度が増す。例えば実膨張比を固定したまま実圧縮比のみを変える、図2(イ)で実膨張比を17にするなどである。10A,10Bは各々のバルブタイミング可変装置4A,4Bに油圧を供給する油圧制御弁で、ECU14からの制御信号により駆動される。Next, in the present invention, the closing timing of the
This can also be achieved by the three-dimensional cam or the electromagnetic variable valve actuating device shown in FIG. 5, but FIG. That is, in FIG. 6, the
本発明は酸素噴射式4サイクル内燃機関であり、図1ではディーゼル機関として説明したが、次に図7において火花点火機関としての説明をする。即ち、図7(イ)の1断面を図7(ロ)に、図7(ロ)を上方から見て図7(ハ)にポペット弁21,25,燃料噴射弁37,酸素噴射弁38,点火プラグ53などのレイアウトを示す。図7(イ)は図1(イ)と同一、図7(ロ)は図1(ロ)と同一で、図7と図1との違いは点火プラグ53の有無である(細かく言えば燃料噴射弁37の噴射時期(圧縮上死点よりかなり早い時期に噴射、更には吸気行程中に噴射など)や取り付け位置(吸入通路32に取り付けても良い)、燃焼室20の形状などに違いはあるが)。本発明ではポペット弁25が閉弁した時点でシリンダー内に多量の既燃ガスが内部EGRとして閉じ込められる為、図7ではエンジンアイドル状態を含む低負荷域では点火プラグ53による点火・燃焼が困難である。これに対処するには超希薄混合気でも点火・燃焼可能な水素を燃料とする事が考えられる(水素であれば空気過剰率10でも点火可能である)。但し、燃焼速度が遅い為、熱効率上は問題があるので、酸素噴射弁38から酸素をかなり過剰に噴射して燃焼を活発化させ、燃焼速度を増す様に工夫する。幸いな事に本発明ではシリンダー内から排出される排ガスは冷却器29により十分に冷却された後にポペット弁25を介してシリンダー内に吸入される為、排ガスの体積縮小が起り、シリンダー内から排出される排ガスの殆どをシリンダー内に再吸入する事ができる(この観点からは制御弁33,34,バイパス通路36は不要である)。従って、前述の様にかなり過剰の酸素を噴射しても、その殆どをシリンダー内に再吸入して回収する事ができ、酸素消費量は殆ど増えない特長がある(これは図1でも同一であり、かなり過剰の酸素を噴射して、PMの発生をなくす事ができる)。更に燃焼速度を増す手段として実圧縮比を高くする、スキッシュを強化するなどの手法がある。
図7に示す本発明では水素以外の燃料、例えばガソリンの様なものでは点火プラグ53による点火・燃焼が困難であるから、この様な場合は燃料を早期に噴射して予め混合気として形成しておき、ピストンの上昇行程によって圧縮して圧縮(自己)着火させる予混合圧縮着火燃焼法を用いる事が望ましい(過剰の酸素を噴射する必要もなくなる)。本発明では次の理由によりこの予混合圧縮着火燃焼の領域を大幅に拡大する事ができる。即ち、本発明ではポペット弁25の閉時に多量の高温既燃ガスが内部EGRとして閉じ込められること、従来の様に冷たい空気を吸入しない事によるシリンダー内ガス冷却がないこと、更には実圧縮比を自在に可変化(必要なだけ高める)できることなどから、圧縮端温度を大幅に高め、燃料の自己着火温度(ガソリンの場合では約1000°K)に到達させる事ができる。この為、エンジンアイドル時や低負荷域ではポペット弁25,21の開閉時期を図2(イ)、(ロ)の如く制御して実圧縮比を高めると共に(数値そのものは異なるが)、制御弁34を全開(又はほぼ全開)、制御弁33を全閉(又は若干開く)として、吸入通路32からシリンダー内へ吸入される既燃ガスを(殆ど)冷却しない様にし、圧縮端温度を十分に高められるから、予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる。
燃料によってはエンジンアイドル状態では予混合圧縮着火燃焼が起らない事もあるから、この場合は図2(ニ)の如く実膨張比を低く(排ガス温度が高まり、シリンダー内に吸入される既燃ガスの温度が高まる)、実圧縮比を高くして対処する、エンジン中負荷域や高負荷域ではポペット弁25,21の開閉時期を図2(ハ)の如く制御して実膨張比を高め(排気ガス温度が低下してシリンダー内に吸入される既燃ガスの温度が低下する)、実圧縮比を低くするので(10又はそれ以下、例えば7位に下げても良い――実膨張比の方は却って高まる)、圧縮端温度は適正に保たれ、従来では発生したノックを回避する事ができる。
エンジン低・中・高負荷域でも回転速度が高い程、燃料の自己着火の発現が相対的に遅れるから、ポペット弁25,21の開閉時期を制御して実圧縮比を高める様にする。制御弁34はエンジン負荷の増大に従って閉じる様に制御し(制御弁33は逆に開く様に制御)、高負荷域では全閉とする(制御弁33は全開)。エンジンの始動及び暖機がある程度進むまでは通常の火花点火燃焼とし、暖機がある程度進んだらポペット弁25,21の開閉時期を図2(ニ)の如く制御して、実膨張比を下げ(排ガス温度が高まる)、実圧縮比を高めるので、圧縮端温度は十分に高められ、予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる(もちろん制御弁34は全開、制御弁33は全閉とする)。前述の如くエンジンの始動及びある程度進むまでは通常の火花点火燃焼とするが、この場合、かなり過剰の酸素を噴射して燃焼を活発化させる手法も講ずると良い。エンジンの暖機が完了したらポペット弁25,21の開閉時期は図2(イ)、(ロ)、(ハ)の状態に戻す。
この様に本発明では圧縮端温度を自在に制御できるから、予混合圧縮着火燃焼の運転領域を大幅に拡大できるが、高負荷域ではノックの発生から限界がある。そこでこの場合は、通常の点火プラグ53による火花点火燃焼に切り換える(この時は燃焼条件も良好なので、点火プラグによる点火・燃焼に何ら問題はない)。ECU14はエンジン負荷、回転速度などの運転条件により図8を参照して予混合圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り換える様にしている。以上の予混合圧縮着火燃焼は図1の場合にも所定の運転領域において行なわせる事ができる(同様にエンジン負荷、回転速度などの運転条件により燃焼方式を切り換える)。尚、図7に示す本発明では図5,6,4で説明した各実施例を適用できる事は言うまでもない。The present invention is an oxygen injection type four-cycle internal combustion engine, which has been described as a diesel engine in FIG. 1, but will be described as a spark ignition engine in FIG. That is, one section of FIG. 7 (a) is shown in FIG. 7 (b), FIG. 7 (b) is viewed from above, and FIG. 7 (c) is a
In the present invention shown in FIG. 7, it is difficult to ignite and burn with a spark plug 53 in a fuel other than hydrogen, such as gasoline, so in such a case, fuel is injected early to form an air-fuel mixture in advance. In addition, it is desirable to use a premixed compression ignition combustion method in which compression is performed by the upward stroke of the piston and compression (self) ignition is performed (there is no need to inject excess oxygen). In the present invention, the premixed compression ignition combustion region can be greatly expanded for the following reason. That is, in the present invention, when the
Depending on the fuel, premixed compression ignition combustion may not occur in the engine idle state. In this case, the actual expansion ratio is low as shown in FIG. (The temperature of the gas is increased), and the actual compression ratio is increased. In the middle load range and high load range of the engine, the
Since the self-ignition of the fuel is relatively delayed as the rotational speed increases even in the engine low, medium and high load regions, the actual compression ratio is increased by controlling the opening and closing timing of the
As described above, the compression end temperature can be freely controlled in the present invention, so that the operation range of the premixed compression ignition combustion can be greatly expanded. However, there is a limit in the high load range from the occurrence of knock. Therefore, in this case, switching to the spark ignition combustion by the normal spark plug 53 is performed (the combustion conditions are good at this time, so there is no problem with the ignition / combustion by the spark plug). The
ところで図7においてECU14はエンジン負荷、回転速度、冷却水温等のパラメーターによりバルブタイミング可変装置4が最適制御される様に油圧制御弁10に制御信号を出力するが、エンジンの急激な過渡期においてはバルブタイミング可変装置4の制御が遅れ、即ち実圧縮比や実膨張比の制御が遅れ、予混合圧縮着火燃焼の領域において失火や燃焼未完結、更にはノックを生じる事がある。図9はこれらの不具合を未然に防ぐ為の制御ルーチンを示す。先ずステップS1では予混合圧縮着火燃焼を行なわせる運転領域か否かを判定する。これはエンジン負荷、回転速度等の運転状態を検出するパラメーターに基づき図8を参照して決定する。そして予混合圧縮着火燃焼を行なわせる運転領域であれば(YES)ステップS2へ進み、現在のカム軸22のカム位相角をを検出する。続いてステップS3に進み、この現在のカム位相角が制御上の目標値との位相差において所定値以上に遅角しているか否かを判別する。そして所定値以上に遅角していれば(YES)ステップS4に進み、失火を含む不安定燃焼回避手段として、例えば酸素噴射弁38からの酸素噴射量を通常より増量させてルーチンを抜ける。通常より増量させて酸素噴射を行なう事により燃料と酸素との酸化反応が活発化し、予混合圧縮着火燃焼における失火や燃焼未完結を未然に防ぐ事ができる。この他の不安定燃焼回避手段としては、制御弁34の開度を瞬時に大とし、制御弁33の開度を瞬時に小とする方法がある(制御弁34,33の全閉から全開までの作動角が小さくなる様に取り付け状態を工夫すれば――全閉状態の取り付けを排ガスの流れの方向にできる限り寝かせる様に取り付ける――瞬時にその開度を大とし、又は小とする事ができる)。こうするとシリンダー内へ吸入される既燃ガスの温度が高まるので、同様の効果がある。ステップS3で判定が不成立(NO)の場合はステップS5に進み、ステップS2で検出した現在のカム位相角が制御上の目標値との位相差において所定値以上に進角しているか否かを判別する。所定値以上に進角していなければ(NO)、ここでルーチンを抜ける。そして所定値以上に進角していれば(YES)ステップS6へ進み、ノック回避手段として例えば燃料噴射弁37の燃料噴射時期を遅角させてルーチンを抜ける。圧縮行程中の燃料噴射時期を遅角すると燃料の着火時期を遅らせる事ができ、燃料室内圧力ピーク位置も遅角して圧力ピークが下がり、ノックの発生を回避する事ができる。この場合、燃料噴射を2回に分けて噴射しても良い。ノック回避手段としては酸素噴射弁38の酸素噴射時期を遅角する事も考えられ(もちろん燃料の方を先に噴射する)、これにより燃料の着火時期を遅らせ、ノックを回避する事ができる。In FIG. 7, the
本発明における酸素供給容器15には予め350気圧程度に圧縮した高圧酸素を充填させておくのが一般的であるが、図10の如く酸素濃度富化装置54により空気中の酸素を濃化して圧縮機56により圧縮し、これを酸素供給容器15へ送り込む様にしても良い(5〜10気圧程度の圧力で良い)。この場合、できる限り酸素濃度を高めて窒素含有率を少なくする事が必要である。酸素濃度富化装置54は酸素透過膜55(例えばシリコン柔ゴム膜、ポリブタジエンなどを材質とする)を有し、圧力差を与えて酸素と窒素との溶解速度の差により酸素を多く透過させるものである。この他、合成ゼオライトに窒素を吸着させる窒素吸着法による酸素濃度富化装置も考えられる。
尚、本発明では酸素噴射弁38の噴射時期をポペット弁21の閉弁前とし、酸素噴射により若干のシリンダーが掃気を行っても良い。The
In the present invention, the injection timing of the
本発明では空気を作動流体として使っていない為、NOxの発生は根源から断ち切られ、排出は0である。もちろん図4(ロ)の如く少量の空気を導入して酸素供給容器15の小型化を図る場合もあるが、常に多量の内部EGRが為されている為、NOxの発生は殆ど0である。又、本発明ではポペット弁25の閉弁時に多量の高温既燃ガスが内部EGRとして閉じ込められること、従来の様に冷たい空気を吸入しないことによるシリンダー内ガス冷却がないこと、更には実圧縮比を自在に可変化(必要なだけ高める)できることなどから、圧縮端温度を大幅に高める事ができる為、エンジンアイドル状態を含む低負荷域でも予混合圧縮着火燃焼を行なわせる事ができる(自己着火温度が高い燃料を使用する場合は、この領域でも図2(ニ)の如く実膨張比を低くし、実圧縮比を高くして、圧縮端温度を更に高める手法も可能である)。エンジン高負荷域では制御弁34,33を制御して冷却器29により排ガスを十分に冷却してシリンダー内に吸入させ、かつ実圧縮比も低く制御するので(実膨張比は高くなり、これは排ガス温度の低下につながる)、ノックの発生を回避し、かくして予混合圧縮着火燃焼の運転領域を大幅に拡大する事ができる。この予混合圧縮着火燃焼法は燃焼室内の各部が一斉に燃焼を開始し、燃焼室内ガス温度勾配がない急速低温燃焼であり、超希薄混合気でも確実に燃焼させる事ができる燃焼法である。従って、スロットル弁により吸気を絞って制御する必要がないから、従来の火花点火燃焼法の様なポンプ損失がなく、かつ燃焼最高温度が低く抑える事ができるから、冷却損失が少なく、以上の理由により熱効率の大幅改善が可能である。更に従来では実圧縮比に対し実膨張比を大として高膨張比化すると、有効吸入行程の減少により出力低下となるが、本発明によれば有効吸入行程の減少に拘らず酸素噴射量とこれに見合った燃料とを増量して噴射すれば良いから、出力低下はなく、思い切り高膨張比化して熱効率を更に向上させる事ができる。加えて、従来ではピストン、シリンダーヘッドなどを断熱構造とすると吸入空気量の減少により出力低下を招くが、本発明では酸素噴射量とこれに見合った燃料を増量して噴射すれば良いから、出力低下はなく(酸素噴射量を増量して酸素濃度を増しても、多量の内部EGRによりノックは発生しない)、冷却損失の低域が可能である。又、ディーゼル機関としての本発明では多量の内部EGRにより圧縮端温度を高める事ができるから、低圧縮比化により摩擦損失を減らす事ができ、以上から熱効率の飛躍的な改善が可能である。次に本発明の大きな特長として、シリンダー内から排出される既燃ガスを冷却器29により十分に冷却した後にシリンダー内に再吸入させるから、排ガスの体積縮小が起り、シリンダー内から排出される既燃ガスの殆どをシリンダー内に再吸入させる事ができる点が挙げられる。従って排ガス中の有害成分であるHC,CO,更にはディーゼル機関ではPMもあるが、これらを殆ど再吸入して再燃焼させる事ができるから、大気中に放出される有害成分は殆ど0で、これらを浄化させるべき触媒コンバーターを不要とする事ができる。更にはシリンダー内から排出される排ガスを殆どシリンダー内に再吸入できるから、過剰の酸素を噴射してもその殆どを回収する事ができ、シリンダー内酸素量を思い切り高めて酸素高過剰燃焼させても酸素消費量は増加しない。
この為、ディーゼル機関としての本発明ではPMの発生は燃焼過程でも殆どなく、火花点火機関としての本発明でもエンジンアイドル状態を含む低負荷域では内部EGRが為されているにも拘らず燃焼が活発化し、点火プラグによる点火・燃焼が良好に行なわれる(燃焼速度が大で、不整燃焼も発生しない)。この場合、酸素高過剰燃焼を行なわせるには、常時多量の酸素を噴射し続ける必要はなく、最初のサイクルで多量の酸素を噴射して酸素高過剰燃焼を行なわせ、次のサイクルからは燃料の燃焼に必要な分を(多少過剰気味とはするが)噴射すれば良いのである。水素は超希薄混合気でも点火プラグによる火花点火燃焼が可能であるが、燃焼速度が小さくなる欠点がある。しかし、本発明によれば前述の如く酸素高過剰燃焼させても酸素消費量が増加しない為、エンジンアイドル状態を含む低負荷域でこの酸素高過剰燃焼を行なわせる事により点火プラグによる点火・着火性が良好な燃焼速度の大きな燃焼を行なわせる事ができ(予混合圧縮着火燃焼に頼る事なく通常の火花点火燃焼により可能である)、ポンプ損失がない事と合わせて熱効率の大幅改善が可能である。シリンダー内から排出される排ガスを冷却器29により100℃以下に冷却すれば水分の凝縮が起るから、全部回収可能とは言わないまでもほぼ100%回収可能であり、事実上、排ガス量は0である。更に水素を酸素と同様に高圧の水素供給容器から供給する様にすると、エンジン高負荷域では実圧縮比を低くしても水素及び酸素の噴射によりシリンダー内圧力が相当高まる為、低圧縮比ながら圧縮端圧力は高く(高圧縮比の場合と同様に高い)、高膨張比化と合わせて熱効率の飛躍的改善が可能である(これはピストンの圧縮仕事を減らす事になり、水素や酸素を圧縮して供給容器内に貯蔵するに要した圧縮動力を一部回収した事になる)。以上の様に本発明は水素を燃料とする火花点火機関としても大きな潜在力を持つものである。Since air is not used as a working fluid in the present invention, the generation of NOx is cut off from the source and the discharge is zero. Of course, as shown in FIG. 4 (b), a small amount of air may be introduced to reduce the size of the
For this reason, in the present invention as a diesel engine, PM is hardly generated in the combustion process, and in the present invention as a spark ignition engine, combustion is performed despite internal EGR being performed in a low load region including an engine idle state. It is activated and ignition and combustion by the spark plug are performed well (the combustion speed is high and irregular combustion does not occur). In this case, in order to perform high oxygen excess combustion, it is not necessary to continuously inject a large amount of oxygen. In the first cycle, a large amount of oxygen is injected to perform high oxygen excess combustion. It is sufficient to inject the amount necessary for combustion (although it is somewhat excessive). Hydrogen can be ignited by spark plugs even with an ultra-lean mixture, but has the disadvantage of a low combustion rate. However, according to the present invention, as described above, oxygen consumption does not increase even when high oxygen excess combustion is performed. Therefore, by performing this high oxygen excess combustion in a low load range including an engine idle state, ignition / ignition by an ignition plug is performed. It is possible to perform combustion with good combustion speed and high combustion speed (possible by ordinary spark ignition combustion without relying on premixed compression ignition combustion), and it is possible to greatly improve thermal efficiency together with the absence of pump loss It is. If the exhaust gas discharged from the cylinder is cooled to 100 ° C. or less by the cooler 29, condensation of moisture occurs. Therefore, it is possible to recover almost 100% even if not all can be recovered. 0. Furthermore, if hydrogen is supplied from a high-pressure hydrogen supply container in the same manner as oxygen, the pressure in the cylinder is considerably increased by injection of hydrogen and oxygen even if the actual compression ratio is lowered in the high engine load range. The compression end pressure is high (as high as in the case of a high compression ratio), and in combination with a high expansion ratio, it is possible to dramatically improve the thermal efficiency (this reduces the compression work of the piston and reduces hydrogen and oxygen This means that part of the compression power required to compress and store in the supply container has been recovered). As described above, the present invention has great potential as a spark ignition engine using hydrogen as a fuel.
1は機関本体、2はクランク軸、3はベルト(チェーン)、4は可変動弁装置、5はプーリー(スプロケット)、6はハウジング、7はローター、8は進角室、9は遅角室、10は油圧制御弁、11はプランジャー、12はスプール弁、13はバネ、14は電子制御ユニット、15は酸素供給容器、16はプレッシャーレギュレーター、17はサージタンク、18は圧力センサー、19はピストン、20・21′は燃焼室、21・25・21′・25′・45はポペット弁、22はカム軸、23はカム、24はロッカーアーム、26は排出通路、27・31はサージタンク、28は放出通路、29・29′は冷却器、30は連絡通路、32は吸入通路、33・34は制御弁、35・40は電動アクチュエーター、36はバイパス通路、37は燃料噴射弁、38は酸素噴射弁、39は制御弁、41は燃焼室の壁面、42は空気層、43は空気導入弁、44はエァフローメーター、46はハウジング、47はプランジャー、48・49は電磁石、50・51はバネ、52はドライバー、53は点火プラグ、54は酸素濃度富化装置、55は酸素透過膜、56は圧縮機、22A・22Bはカム軸、4A・4Bは可変動弁装置、10A・10Bは油圧制御弁、26′・26″はガス流通路、27′はサージタンク、30′は冷却器の入口部、36′はバイパス通路、39′は制御弁である。 1 is an engine body, 2 is a crankshaft, 3 is a belt (chain), 4 is a variable valve gear, 5 is a pulley (sprocket), 6 is a housing, 7 is a rotor, 8 is an advance chamber, and 9 is a retard chamber. 10 is a hydraulic control valve, 11 is a plunger, 12 is a spool valve, 13 is a spring, 14 is an electronic control unit, 15 is an oxygen supply container, 16 is a pressure regulator, 17 is a surge tank, 18 is a pressure sensor, 19 is Pistons, 20 and 21 'are combustion chambers, 21, 25, 21', 25 'and 45 are poppet valves, 22 is a camshaft, 23 is a cam, 24 is a rocker arm, 26 is a discharge passage, 27 and 31 are surge tanks , 28 is a discharge passage, 29 and 29 'are coolers, 30 is a communication passage, 32 is a suction passage, 33 and 34 are control valves, 35 and 40 are electric actuators, 36 is a bypass passage, 37 is The fuel injection valve, 38 is an oxygen injection valve, 39 is a control valve, 41 is a combustion chamber wall, 42 is an air layer, 43 is an air introduction valve, 44 is an air flow meter, 46 is a housing, 46 is a plunger, 48 · 49 is an electromagnet, 50 and 51 are springs, 52 is a driver, 53 is a spark plug, 54 is an oxygen concentration enrichment device, 55 is an oxygen permeable membrane, 56 is a compressor, 22A and 22B are camshafts, and 4A and 4B are acceptable Fluctuating valve device, 10A and 10B are hydraulic control valves, 26 'and 26 "are gas flow passages, 27' is a surge tank, 30 'is an inlet of a cooler, 36' is a bypass passage, and 39 'is a control valve. .
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019157736A (en) * | 2018-03-12 | 2019-09-19 | いすゞ自動車株式会社 | Internal combustion engine |
-
2007
- 2007-11-28 JP JP2007341729A patent/JP2009133296A/en not_active Withdrawn
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