ところが、上記構成では、膳板から電波を放射することで携帯電話機に情報を送信するため、膳板の近傍に携帯電話機の受信可能領域が形成される。このため、例えばアンテナから放射される電波の放射電力が大きい場合には、その遊技機で遊技している遊技者の隣や後方にいる第三者が携行する携帯電話機に混信を生じさせたり、あるいは、その者に通信の内容が傍受されるおそれがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、混信あるいは情報漏洩を防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
手段1.携帯通信端末と通信を行なうための情報送信部を有する遊技機であって、
前記情報送信部は、光、電波等の情報伝達媒体を前記遊技機前面に沿って出力することで、遊技者の前方であって前記遊技機前面の近傍に前記携帯通信端末の受信可能領域が形成されるように構成したことを特徴とする遊技機。
手段1のような構成とすれば、携帯通信端末を遊技機前面の近傍に配することで遊技機からの情報を受信することができる。また、通常は遊技機前面の近傍に携帯通信端末を配することができるのは、その遊技機で遊技している遊技者に限られるから、第三者がその遊技機の近くに携帯通信端末を配することはできない。これにより、遊技者の携行する携帯通信端末に対して情報送信部からの情報伝達媒体を受信可能としつつ、第三者が携行する携帯通信端末に対して情報伝達媒体が受信されることを防止して混信あるいは通信傍受を防止することが可能となる。
本発明でいう、「遊技者の前方」とは、遊技者が向かっている方向のことであり、遊技者が遊技のために備えられた椅子に着座した場合の、遊技者から遊技機に向かう方向をいう。
尚、本発明でいう遊技機とは、パチンコ機やスロットマシン、あるいはパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを含む。パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものなどが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
また、スロットマシンの基本構成としては、複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えたものが挙げられる。この場合、遊技媒体は、コイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものの基本構成としては、複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されたものが挙げられる。
手段2.手段1に記載のものにおいて、前記情報送信部は前記情報伝達媒体を前記遊技機前面に対して略平行となるように出力するところに特徴を有する。
このようにすれば、情報伝達媒体が遊技機前面と直交する方向に漏洩し難くなって、情報漏洩を効果的に抑止することができるとともに、遊技機内部にそれが侵入し難くなり、遊技機内部に設けられた電子回路等の電子装置にノイズが侵入することに起因する遊技機の誤動作を抑止できる好適構成となる。
ここで、例えば情報伝達媒体を電波とした場合には、放射される電波のうち最大電界強度を有する方向が遊技機前面に対して平行となるようにすればよく、また、情報伝達媒体を赤外線とした場合には、投射される赤外線の光軸が遊技機前面に対して平行となるようにすればよい。
手段3.手段1又は手段2に記載のものにおいて、前記情報送信部は遊戯領域の前方近傍が前記受信可能領域となるように前記情報伝達媒体を出力するところに特徴を有する。
手段3の構成によれば、遊技領域の前方近傍が携帯通信端末の受信可能領域とされている。通常、遊技の最中においては、常に遊技領域が遊技者の視界に入っていることから、この遊技領域の前方近傍が携帯通信端末の受信可能領域とされていれば、遊技者は情報受信可能な位置を長時間探すことなく情報受信を行なうことができ、遊技者の情報受信の際の作業負担を軽減することができるという効果が得られる。
なお、遊技領域は、例えばパチンコ機に適用した場合には、遊技球の処理領域に相当し、さらにいうと遊技盤のことである。また、スロットマシンに適用した場合には、回転リールの図柄が臨む領域に相当する。
手段4.手段1乃至3に記載のものにおいて、前記遊技機前面又は前記遊技領域には遊技に関する情報を表示する表示装置、キャラクター部又は入賞装置が備えられ、前記情報送信部は、前記表示装置、前記キャラクター部又は前記入賞装置の前方近傍が前記受信可能領域となるように前記情報伝達媒体を出力するところに特徴を有する。
手段4の構成によれば、遊技機において最も目につきやすい要素である表示装置、キャラクター部又は入賞装置の前方近傍が前記携帯通信端末の受信可能領域となるから、携帯通信端末により情報取得を行なう上で最適場所(即ち、情報取得を行なうために携帯通信端末を配する最適位置)を探すことなく即座に把握し得る構成となる。
また、上記の表示装置、キャラクター部及び入賞装置の各要素は遊技状態によって時々刻々と変化するから、遊技者に注目される要素は遊技状態によって変化するのが普通である。従って、特に、上記すべての要素を受信可能な領域としておけば、より一層容易に情報取得を行なうことができるようになる。
なお、本発明でいうキャラクター部は、各種分野におけるキャラクターを平面的又は立体的に模した構成とすることができる。具体的には、小説・漫画・映画・演劇・テレビ・或いはその他の分野において登場する人、動物、その他のもの、シンボル、またはそのイメージ等を、平面的又は立体的に模した部分として構成することができ、特に、遊技機利用者において、周知、ないし著名な人物、動物、その他のものを模した構成としたり、意匠性に優れた構成とすると、装飾性、遊技性を効果的に高めうる構成となる。
本発明において、「前方」とは、遊技機に対する遊技者側を意味し、遊技機前面と直交する方向において遊技者側を前方、それとは反対側を後方としている。
手段5.手段4に記載のものにおいて、特定の遊技状態の発生又は進行を検出するための状態検出手段と、その状態検出手段により検出された前記特定の遊技状態の発生又は進行を表す遊技情報を作成する情報作成手段とを備え、この遊技情報を前記遊技機内にて取り扱われた情報として前記情報送信部より送信するところに特徴を有する。
このように、遊技機内において作成された遊技情報を情報送信部より携帯通信端末に送信するようにすれば、その遊技情報を様々な用途に利用できる好適構成となる。そして、このような遊技情報を携帯通信端末に送信して利用するようにすると、ユーザへの利益付与、マーケティング等の面において極めて有用な情報を利用できることとなる。
手段6.手段4又は手段5に記載のものにおいて、前記情報送信部と前記携帯通信端末との間の通信状態に関する情報を生成する通信状態情報生成手段を有し、この通信状態情報生成手段により生成される情報に基づく通信状態の説明情報を前記表示装置にて表示するところに特徴を有する。
手段6の構成によれば、通信状態に関する情報が情報取得する位置の近くで表示されることとなるため、利用者は情報取得中に、表示画面と携帯通信端末を並べながら通信状態を確認できることとなり、確認が行いやすく、かつ確認漏れが生じにくい構成となる。即ち、情報通信中に、利用者が気づかないうちにエラーが生じてそのまま放置されるといったことがなく、通信異常が発生した場合には瞬時に察知できる構成となる。例えば、複数の通信状態の説明情報をROM等の通信状態情報記憶手段に画像情報として記憶しておき、その生成される通信状態に対応した説明情報をその記憶手段から読み出して表示装置に表示するようにすることができる。
なお、上記手段6の構成に以下の構成を付加してもよい。即ち、上記手段5の構成において、携帯通信端末からの赤外線、電波等の情報伝達媒体のレベルを検出する媒体レベル検出手段を設け、その信号レベル検出手段にて検出されるレベルに応じた前記通信状態の説明情報を、前記表示装置にて表示するように構成してもよい。なお、この場合、信号レベルに関する信号レベル説明情報を記憶手段(遊技機内のROM等)に記憶しておき、信号レベルが所定条件を満たした場合にその信号レベル説明情報を読み出して表示装置に表示するように構成できる。例えば、信号レベルが低い旨を示す説明情報を例えば画像情報とて記憶手段に記憶しておき、前記信号レベルが所定レベル以下の場合にその説明情報を読み出して表示装置に表示するようにすることができる。
具体的には、例えば、赤外線を情報伝達媒体とした場合には、携帯通信端末からの赤外線の強度を検出する検出手段を設けるように構成し、その赤外線強度検出手段による検出結果に基づいて、前記通信状態の説明情報を前記表示装置に表示するように構成できる。この場合には、後述する赤外線受光部を検出手段として構成するか、又は赤外線受光部とは別構成に受光素子を設け、前記赤外線受光部又は前記受光素子から出力される受光信号レベルに基づいて通信状態を判断し、この受光信号レベルが所定レベル以下の場合に、その旨を前記表示装置にて表示するように構成してもよい。
さらに、電波を情報伝達媒体とした場合には、携帯通信端末からの電波の電界強度レベルを検出する電界強度レベル検出手段を設け、その電界強度レベル検出手段にて検出されるレベルに基づいて前記通信状態の説明情報を前記表示手段にて表示するように構成できる。具体的には、検出されるレベルが所定レベル以下の場合に、その旨の情報、或いは携帯通信端末の配置改善を促す情報を前記表示装置にて表示するように構成できる。このようにすれば、情報通信中に利用者が不意に携帯通信端末を動かした場合でも、電界強度レベルが低下したことを利用者が瞬時に察知できるため、携帯通信端末の再配置を早期に行うことが可能となる。また、完全に通信不能とならないレベル低下が生じた場合にそれを報知するように構成すれば、通信不能になる前に利用者が気づくことができ、通信不能を未然に防ぐことができる。
手段7.手段4乃至手段6のいずれかに記載のものにおいて、前記遊技情報の送信準備が完了しているか否かを判断する送信準備判断手段を有し、この送信準備判断手段により前記遊技情報の送信準備の完了が判断された場合には、前記遊技情報の送信が可能である旨を前記表示装置にて報知するところに特徴を有する。
このように送信準備が完了しているか否かを判断し、完了している場合にそれを報知するようにすれば、利用者は情報を取得するタイミングを容易に知ることができ、装置の準備が整った正しいタイミングで効率的に情報を取得できることとなる。そして、手段7を更に具体化すると以下のように構成できる。即ち、手段5に記載のものにおいて、前記遊技機内に前記遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段と、この遊技情報記憶手段において前記遊技情報が記憶されているか否かを判断する記憶状態判断手段とを設け、さらに、この記憶状態判断手段にて遊技情報が記憶されていると判断された場合に遊技情報が存在する旨の報知を行う報知手段を設ける構成とすることができる。なお、この報知手段を、表示装置により構成してもよく、表示装置とは異なる手段(例えば、ランプ等)により構成してもよい。このように、送信すべき遊技情報が蓄積され、送信の準備が完了している場合にそれを遊技者に報知するようにすれば、遊技者はそれを確実に知ることができ、タイミング良く情報取得することができる。即ち、準備期間を最小限に抑えることができ、遊技に費やす時間の増大を効果的に図れることとなる。
手段8.手段4乃至手段7のいずれかに記載のものにおいて、前記携帯通信端末から送信される情報を受信可能に構成される情報受信部を備えたところに特徴を有する。
携帯通信端末から遊技機に対して情報送信が行えるように構成すれば、利用者に関する情報を外部から簡単に遊技機に取り込むことができるといった効果のみならず、遊技機、携帯通信端末、及びその携帯通信端末にネットワークを介して接続される装置(例えば遊技機製造メーカのサーバ等)において取り扱われる情報を、遊技機内に取り入れるといった斬新な情報利用形態を構築できる。
手段9.手段8に記載のものにおいて、前記情報受信部における前記携帯通信端末からの情報の受信状態を検出する受信状態検出手段を有し、その検出された受信状態に基づいて、前記携帯通信端末からの情報の受信状態を説明する受信状態説明情報を前記表示装置にて表示するところに特徴を有する。
このようにすれば、携帯通信端末からの情報受信の状態を利用者が把握しやすくなり、通信中に配置場所がずれたりなどして、一時的に通信不能になった場合にそれを利用者に知らせることができ、配置場所の改善などを促すことができる。また、正常な受信状態である場合に、その旨を知らせるようにすれば、利用者はその状態を維持していればよく、通信中に安心感が得られることとなる。なお、この受信状態検出手段は、携帯通信端末に対して情報送信した後の所定時間内に、その携帯通信端末から応答信号が送られてくるか否かを判断する手段として構成してもよく、或いは上記手段4の関連説明と同様に、携帯通信端末から送信される情報伝達媒体のレベルを検出する構成としてもよい。
手段10.手段9に記載のものにおいて、前記携帯通信端末からの情報の受信準備が完了しているか否かを判断する受信準備判断手段を有し、この受信準備判断手段にて受信準備の完了しているものと判断された場合には、前記携帯通信端末からの情報受信が可能である旨を前記表示装置にて報知するところに特徴を有する。
このようにすれば、携帯通信端末から遊技機への情報の送信タイミングを利用者が把握できるようになり、利用者は効率的に情報送信操作を行うことができる。具体的には受信準備が完了している旨を説明する説明情報を例えば画像情報として記憶手段(例えば遊技機内のROM等)に設けておき、所定の受信条件の成立に基づいてその説明情報を読出し、表示装置に表示するようにすることができる。なお、受信条件は様々に設定できるが、例えば、大当たり終了、或いは発射スイッチOFF後所定時間経過等を条件とすることができる。
手段11.手段1乃至手段10のいずれかに記載のものにおいて、前記携帯通信端末が受信可能とされる領域に進入したことを検出する進入検出手段が設けられているところに特徴を有する。
このようにすれば、携帯通信端末が受信可能な位置にあるか否かが進入検出手段により判定でき、進入した状態にある場合にのみ通信を行うようにすれば、遊技機側は不必要な送受信処理を行うことがなくなる。なお、手段10の構成に、以下のような要件を付加してもよい。即ち、手段10に記載のものにおいて、前記進入検出手段により前記携帯通信端末の進入検出がなされたことを条件として、前記遊技機から前記遊技情報の送信を開始する送信開始手段を設けるようにしてもよい。このようにすれば、進入を検出して自動的に情報送信を開始させることが可能となるため、複雑な操作を省略しやすく、極めて使い易い構成となる。
手段12.手段11に記載のものにおいて、前記進入検出手段は前記携帯通信端末が受信可能な領域に進入したことを検出した場合には、前記表示装置にてその旨を報知するところに特徴を有する。
このようにすれば、携帯通信端末が正常位置にあるか否かを利用者が把握しやすくなり、携帯通信端末の正しい配置位置(携帯通信端末を配する適切な位置)にて効率的に情報通信を行うことができる。具体的には、進入検出がなされた旨を説明する説明情報を例えば画像情報として記憶手段(例えば遊技機内のROM等)に設けておき、前記進入検出手段による検出を条件としてその説明情報を読出し、表示装置に表示するようにすることができる。
手段13.手段4乃至手段12のいずれかに記載のものにおいて、前記携帯通信端末の操作に関する操作説明情報を記憶する操作説明情報記憶手段を有し、所定条件の成立に基づいて前記操作説明情報記憶手段より前記操作説明情報を読み出すと共に、その読み出された操作説明情報を前記表示装置にて表示するところに特徴を有する。
このようにすれば、情報送信部の近傍で操作説明情報が表示されることとなるため、利用者は携帯通信端末の操作を行う位置の間近で説明を確認することができ、操作性向上に寄与する。なお、この操作説明情報を記憶する操作説明情報記憶手段を遊技機内部に設けておき、所定条件の成立に基づいてその記憶手段から操作説明情報を読み出すようにしてもよく、このような操作説明情報記憶手段を、前記遊技機と通信ネットワークを介して接続されるサーバ等の外部装置に設けておき、前記所定条件の成立に基づいてその記憶手段から操作説明情報を読出し、前記遊技機に送信するようにしてもよい。この場合、遊技機はその操作説明情報を外部より受信して前記表示装置にて表示することとなる。なお、ここで言う所定条件は、例えば、遊技者からの操作説明情報を要求する情報入力がなされたか否かという条件とすることができ、この場合、例えば操作部から操作説明情報を要求する情報入力がなされることに基づいて、前記操作説明情報記憶手段から操作説明情報を読出し、前記表示装置に表示することとなる。
手段14.手段4乃至手段13に記載のものにおいて、前記表示装置は、遊技盤に設けられて遊技状態に応じた図柄を表示する図柄表示装置であるところに特徴を有する。
このような遊技者が最も興味を引かれる部分である図柄表示装置(例えば遊技盤の中央付近に配置されるようなもの)の近傍が携帯通信端末の受信可能な領域となるようにされていれば、遊技者は通信可能な位置を瞬時に把握することができ、遊技者が通信可能な位置を探して戸惑うようなことを効果的に防止できる。
手段15.手段1乃至手段14のいずれかに記載のものにおいて、前記遊技機と前記携帯通信端末との間の情報送信に関する操作を行うための操作部が設けられているところに特徴を有する。
このような操作部を設けることにより、遊技者が情報送受信に関与できることとなる。具体的には、手段15の操作部を、遊技機から携帯通信端末への情報送信を要求するための情報送信要求用操作部(例えば送信要求ボタン)として構成しても良く、手段13に示すような操作説明情報の表示を要求するための操作説明情報要求用操作部、或いは前記表示装置における通信状態に関する情報表示を要求する通信情報要求用操作部として構成してもよい。このようにすれば、遊技者が任意のタイミングで情報送信を要求できたり、必要となる情報の表示を要求できる構成となる。
手段16.手段1乃至手段15のいずれかに記載のものにおいて、前記情報送信部が前記遊技機前面の周縁部側に、又は遊技機から離れその周縁部側に沿った位置において遊技者側に突出して設けた支持突部に取り付けられ、反対側の周縁部に向かって前記情報伝達媒体を出力するところに特徴を有する。
手段16の構成によれば情報送信部を支持突部に設けるようにしているから、遊技盤に情報送信部を配するための特別な設計が不要とされて遊技盤設計の自由度が高くなり、遊技者の興趣を引く斬新な遊技盤を設計しやすいという利点がある。
手段17.手段16に記載のものにおいて、前記遊技機前面の周縁部側、又は遊技機から離れてその周縁部側に沿った位置において情報伝達媒体の進行を阻止する防止壁が前記支持突部と対向して、かつ、遊技者側に突出して設けられ、前記情報送信部は前記防止壁に向けて情報伝達媒体を出力するところに特徴を有する。
手段17の構成によれば、情報送信部から出力された情報伝達媒体は防止壁によりその進行が阻止されるから、情報伝達媒体が周囲に漏洩することを防止することができ、特に隣接する遊技機側に情報伝達媒体が漏洩することを防止したい場合には好都合な構成である。
また、手段16及び手段17においては、遊技機に支持突部・防止壁を設けるためのスペースが得られない場合には遊技機外部に支持突部等を配するように構成することができる。このようにすることで、支持突部等を設けるために遊技機を専用に設計する必要がないから、従来の遊技機を流用して低コスト化を図ることが可能となるという利点もある。
手段18.手段17に記載のものにおいて、前記防止壁にはさらに情報送信部が設けられ、前記支持突部に向けて情報伝達媒体を出力するようにされているとともに、この支持突部が前記防止壁に設けた情報送信部からの情報伝達媒体の進行を阻止するように構成されているところに特徴を有する。
手段18の構成によれば、情報伝達媒体が支持突部及び防止壁とから互いに逆方向に出力されるから、携帯通信端末を支持突部と防止壁との間に配するようにすれば、携帯通信端末の受信部が何処に配されていようとも、最良の受信状態とされて確実に情報伝達媒体を受け取ることができる。また、出力された情報伝達媒体はそれぞれ支持突部、防止壁により進行が阻止されるから、情報伝達媒体の漏洩を防止することができる。
手段19.手段17又は手段18に記載のものにおいて、前記支持突部及び前記防止壁は一体的に形成されているところに特徴を有する。
このようにすれば、支持突部と防止壁とを同時に遊技機前面等に取りつけることができるから、これらを個別に取りつける場合と比して取付の際の工数を削減することができる。
この場合には、支持突部及び防止壁を優弧状あるいは環状に形成することが望ましく、このようにすれば、出力された情報伝達媒体が遊技機の側方に漏洩することを一層効果的に抑止することができる。
手段20.手段16に記載のものにおいて、前記支持突部は前記遊技機前面の上側縁又は上側縁から離れその上側縁に沿った位置に設けられ、この支持突部に備えられた情報送信部から下方に向けて情報伝達媒体を出力するところに特徴を有する。
通常、遊技機は横方向に並べて配されているため、遊技機の収容効率を高めるべく、遊技機側縁部分のスペースを削減しており、これによって情報送信部を配置することが困難な場合がある。これに対して、手段18の構成では、上方から情報伝達媒体を出力する構成としているから、遊技機の横方向に情報送信部やその他の補助装置を配置する必要がなく、遊技機の収容効率向上に貢献し得る構成とされる。しかも、遊技機前面の下方には遊技球を貯留する受け皿が遊技機前面より突出して形成されているから、この受け皿を利用して出力された情報伝達媒体の進行を効果的に阻止することができるという効果も得られる。
手段21.手段16乃至手段20のいずれかに記載のものにおいて、前記携帯通信端末と情報通信を行なわないときには、前記支持突部又は前記防止壁を遊技機側に格納する格納機構が設けられているところに特徴を有する。
手段21の構成によれば、携帯通信端末と情報通信を行なわないときには、格納機構により、支持突部・防止壁が遊技機側に格納されるから、遊技状態にあるときには、従来の遊技機と同様に支持突部等の突出物がない状態となり、遊技者に違和感を抱かせることなく遊技に集中させることができる。しかも、情報通信を行なう際には、支持突部・防止壁が遊技者側に突出して、従来の遊技機と異なる形態とされることで、遊技者に対して情報通信が可能な状態であることを一目で認識させられるという効果も得られる。
手段22.手段1乃至手段21のいずれかに記載のものにおいて、前記情報送信部は情報伝達媒体としての電波を放射するアンテナから構成されているところに特徴を有する。
手段22の構成によれば、無線通信を行なう上での好適構成とされる。ここで、情報送信部としては、鋭い指向性を有するアンテナを用いることが望ましく、そうすれば、不要な電波放射(例えば、遊技機前面と直交する方向への放射成分)を抑制することができ、目的の範囲外に電波が漏洩することを効果的に防止することができる。
手段23.手段22に記載のものにおいて、前記アンテナから放射される電波の放射成分のうち、前記支持突部又は前記防止壁に向かう方向以外の方向に放射される放射成分を吸収する電波吸収体が前記アンテナの近傍に設けられているところに特徴を有する。
手段23の構成によれば、目的とする範囲外に放射される放射成分を吸収することができるから、電波を漏洩させてしまうという不具合を回避することができる。さらに、このようにすることで、電波漏洩を防止しつつ、アンテナから放射される電波の電界強度を高めることができるから、携帯通信端末の受信可能領域に外部ノイズが進入した場合であっても、携帯通信端末に混信を生じさせることがない。
手段24.手段22又は手段23に記載のものにおいて、前記支持突部又は前記防止壁には電波吸収体が備えられているところに特徴を有する。
手段24の構成によれば、受信可能領域の外に電波が漏洩することを効果的に防止することができる。また、このようにすることで、電波の放射電力を大きくすることができるから、受信可能領域におけるS/N比が向上し、ここに外部ノイズが進入したとしても携帯通信端末に混信を生じさせることを抑制できる。
手段25.手段22乃至手段24のいずれかに記載のものにおいて、前記アンテナから放射される電波の放射成分のうち、最大電界強度を有する方向と略同一の方向に可視光を投射するガイド用光源が設けられているところに特徴を有する。
手段25の構成では、ガイド用光源からの可視光が、携帯通信端末のアンテナが配されている部位に照射されるようにこの携帯通信端末の配置位置を調整すれば、携帯通信端末のアンテナを容易に電波の電界強度が最大とされる位置に配することができ、確実に情報通信を行なうことが可能となる。
手段26.手段22乃至手段25のいずれかに記載のものにおいて、前記情報伝達媒体としての電波はブルートゥース規格に準じた電波であって、前記情報送信部はブルートゥース通信用のアンテナとして構成されているところに特徴を有する。
このようにすれば、遊技機と携帯通信端末との間で無線通信を行なう上での好適構成となり、スムーズに情報送信又は情報受信を行なえることとなる。そして、ブルートゥース通信により、遊技機と携帯通信端末との間で有用な情報のやり取りを手軽に行なえることとなる。このブルートゥース通信用アンテナとしては、例えば、平面アンテナを好適に使用できる。
手段27.手段1乃至手段21のいずれかに記載のものにおいて、前記情報送信部は赤外線を出力する情報送信用光源から構成され、赤外線を出力することで情報を送信するところに特徴を有する。
手段27の構成によれば、情報伝達媒体として赤外線を用いた構成としている。赤外線は直進性と指向性に優れているから、目的とする範囲外に赤外線が漏洩することを効果的に防止することができる。
手段28.手段27に記載のものにおいて、前記支持突部又は前記防止壁には赤外線吸収部材が備えられているところに特徴を有する。
このようにすれば、支持突部や防止壁における赤外線の透過や反射を抑止できるので、情報の漏洩防止に好適な構成となる。また、このようにすることで、出力する赤外線強度を高めることができるから、外部ノイズに起因する混信を防止することができる。
手段29.手段27又は手段28に記載のものにおいて、前記情報送信用光源から出力される前記赤外線の光軸と略同一の方向に可視光を投射するガイド用光源が設けられているところに特徴を有する。
赤外線を用いて通信を行なうには、情報送信用光源からの赤外線が携帯通信端末の受光部に照射されるように携帯通信端末の配置位置を調整しなければならない。しかしながら、これを短時間で一致させることは容易ではない。これに対して、手段29の構成では、出力される赤外線と同一の光軸に可視光を投光する構成としているから、ガイド用光源からの可視光が携帯通信端末の赤外線受光部に照射されるようにこの携帯通信端末を配するようにすれば、情報送信用光源からの赤外線を容易に受光部に照射させることができる。このことは、視覚を通じて携帯通信端末の配置を調整することができることを意味しており、極めてその配置位置を調整しやすい。
<第1実施形態>
以下、本発明の遊技機をパチンコ機において具体化した一実施形態につき図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態のパチンコ機1は、遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられる。パチンコ機1は、図1に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2にガラス扉枠3が取付けられている。ガラス扉枠3は、図示しない縦軸のヒンジにより前枠2に開閉可能に支持され、かつガラス3bが嵌め込まれた金属製の枠と、その枠に嵌め込まれる合成樹脂製の枠(以下「樹脂枠」という)とを備えている。
前枠2の左右両側縁部には、上下方向に延びる一対の支持壁21(請求項に記載の「支持突部」、「防止壁」に相当)が互いに真正面に対向した状態で突設されており、それぞれの支持壁21,21のうち互いに対向する面の裏側には主にマイクロ波を吸収するゴム・フェライト系材料からなる電波吸収シート22が張り付けられている。両支持壁21,21内部には、2.47GHz帯域の微弱電波を放射するブルートゥース規格のアンテナモジュール23が埋設されている。アンテナモジュール23は略板状の平面アンテナからなるアンテナ23aと、このアンテナ23aの近傍に配される電波吸収体23bとから構成されている。このアンテナ23aは情報送信部及び情報受信部として機能する。尚、アンテナ23aとしては、2.47GHz帯の電波を放射することができるアンテナであれば平面アンテナに限られない。平面アンテナの他には、例えば、アレーアンテナ、ホーンアンテナ、パッチアンテナ等のアンテナを用いることができる。
アンテナ23aは対向する支持壁21に向かってかつガラス3bに沿って電波放射をするとともに、放射された電波のうち最大電界強度を有する方向がガラス3bと平行となるように構成されている(本発明の「情報伝達媒体を遊技機前面に沿って出力する」構成、「情報伝達媒体を遊技機前面に対して略平行に出力する」構成に相当する)。また、筒状の電波吸収体23bがアンテナ23aの周囲を取り囲むように配されていることで、アンテナ23aから放射される電波の放射角度が所定の角度内に絞られている。
また、支持壁21のうち、アンテナ23aの近傍には可視光を投射するガイド用光源24が配されており、アンテナ23aから放射される電波のうち最大電界強度を有する方向と略同一の方向に可視光を投射するように配されている。
ガラス扉枠3の後方には、図2に示す遊技盤7(本発明に記載の「遊技機前面の近傍」に相当する。)が配置されている。遊技盤7は略円形の遊技領域を有し、その遊技領域には第1種始動口4、特別表示装置(以下、単に「表示装置」という)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球Bの通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。表示装置5は、例えば図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成できる。尚、遊技盤7からガラス3bに向かう方向を前方向、それとは反対の方向を後ろ方向とする。
ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球Bを発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータが駆動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。
表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球Bの第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、倒えば、右図柄列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド(以下、単に「ソレノイド」という)15により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
図2に示すように、遊技盤3には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21が設けられている。制御装置21は読出し專用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。尚、より詳細には、制御装置21は、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板と、メイン基板からの信号によって各部を制御するための表示制御基板、音量調整基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板とから構成されており、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板からサブ基板への一方向のみとなっている。
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
また、CPUの出力ポートには、外部接続端子板16が接続されている。また、外部接続端子板16は、ホールコンピュータに接続されるホールコンピュータ用の出力端子16A〜16Dと、通信ユニット30に接統される通信ユニット用の出力端子16a〜16dとを備えている。
ここで、出力端子16A及び16aは、上述した高確率モード中であることを示す「確変中信号」を出力する。また、出力端子16B及び16bは、大当りの発生中であることを示す「大当り信号」を出力する。また、出力端子16C及び16cは、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)による大当りの発生中であることを示す「確変大当り信号」を出力する。また、出力端子16D及び16cは、球発射装置によって遊技球Bの発射が行われているか否かを示す「発射スイッチ信号」を出力する。
通信ユニット30は、パチンコ機1内部に備え付けられるものであり、遊技者が所持する携帯通信端末としての携帯電話機200(図5,図6参照。これについては後述する。)との間で2.47GHz帯の微弱電波を用いた無線通信技術であるブルートゥース通信を行うための装置が備えられている。
この通信ユニット30は、図4のブロック図に示すように、ブルートゥースモジュール34と、インタフェース回路(I/F)35と、CPU36と、ROM37と、RAM38と、不揮発性メモリ39とを備えて構成されており、また、CPU36には報知ランプ26、前記アンテナ23a及びガイド用光源24が接続されている。尚、図4には、アンテナ23aは1つだけ示しているが、実際には2つ備えられている。
ブルートゥースモジュール34は、2.47GHz帯域の微弱電波のやり取りを可能とするものであり、ブルートゥース通信機能を有する携帯電話機200とブルートゥース通信を行なう。このブルートゥースモジュール34は、アンテナ23aの受信領域に携帯電話機200が入圏した際には、この携帯電話機200との間で使用周波数を確定してリンクを確立させる。そこで、CPU36は携帯電話機200との通信を確立した後に、携帯電話機200の電話番号を取得してこれを登録し、これ以後は遊技の終了まで通信対象として登録されたその携帯電話機200に対してのみ遊技情報の送受信を行なう。
インタフェース部35は、通信線を介して外部接続端子板16の通信ユニット用の出力端子16a〜dと接続され、各端子よりそれぞれ出力される「確変中信号」、「大当り信号」、「確変大当り信号」及び「発射スイッチ信号」をCPU36に入力する電子回路である。
CPU36は、通信ユニット30各部を制御するための制御装置であり、ROM37から制御プログラムを読み出して実行する。なお、このCPU36は、上記手段に示す、情報作成手段、通信状態情報生成手段、送信準備判断手段、記憶状態判断手段、受信状態検出手段、受信準備判断手段の要部として機能させることができるものである。
ROM37は、通信ユニット30各部を制御するための制御プログラムや各種のデータ等を記憶する読み出し専用の記憶媒体である。なお、このROM37は、上記手段に示す通信状態説明情報記憶手段、操作説明情報記憶手段などとして機能させることができるものである。
RAM38は、CPU36によって使用されるワーク領域、遊技状態記憶領域38a及び遊技情報送信用の送信バッファ38bを有する書き換え可能な記憶媒体である。
不揮発性メモリ39は、後述する遊技情報カウンタ39aを不揮発的に記憶するための書き込み可能な不揮発性の記憶媒体である。不揮発性メモリ39に記憶される遊技情報カウンタ39aの値は、パチンコ機1の電源遮断後も記憶保持される。
報知ランプ26は表示装置5の側方に遊技者から視認できる位置に設けられ、通信ユニット30が遊技情報の送信が可能な状態となったことを遊技者に視覚的に報知するためのランプである(図2参照)。この報知ランプ26は、送信可能な遊技情報が有る場合に点灯し、無い場合には消灯されている。また、アンテナモジュール23から遊技情報の送信が行われている間は報知ランプ26が点滅し、送信が終了すると消灯する。
また、図1の例では、前枠2における下受皿2aの右側方には、パチンコ機1と携帯電話機200との間の情報送信に関する操作を行うための操作部が設けられている。具体的には、この操作部はパチンコ機1に対して情報送信を要求する送信要求ボタン27として構成されて、この送信要求ボタン27が押下されることがトリガとなり、パチンコ機1から携帯電話機200に対して情報送信が開始される構成となっている。この送信要求ボタン27は、通信ユニット30に対して遊技情報の送信開始を要求するための押しボタンとして構成されており、パチンコ機1からの送信準備が整った状態、即ち上述した報知ランプ26点灯中にのみ押下が受け付けられ、他の状態で送信要求ボタン27を押下しても送信は開始されないようになっている。
そして、報知ランプ26点灯中に送信要求ボタン27を押下すると、報知ランプ26が点滅を開始すると共に、アンテナ23aより電波が出力されるようになっている。なお、ここでは操作部をボタン構成としているが、操作レバー、タッチパネル等、遊技者が外部より操作することができる構成であればよい。また、ここでは、情報送信のトリガ入力を行うために操作部を設けているが、情報送信に関連する情報入力操作であれば他の用途にも適用できる。例えば、表示画面において、複数の項目を選択可能に表示し、その中から、上記操作部を操作させることによりいずれかを選ばせるように構成してもよい。その一例としては、例えば、パチンコ機からの情報送信を要求するのか、或いは情報通信に関する説明情報(例えば操作説明等)を要求するのかを遊技者に選ばせるようにし、選択操作に対応する処理を実行するようにしてもよい。
次に、パチンコ機1の通信ユニット30との間でブルートゥース通信を行なう携帯電話機200は周知の構成で、図5の正面図に示すように、ケース202、キー操作部204、及び液晶パネル(表示部)206から構成されている。キー操作部204は、ケース202の正面ケース部203に配設されたもので、十字キー、電源キー、ファンクションキー、オンフックキー(開始キー)、クリアキー、及び文字・数字キー(テンキー)等から構成されている。液晶パネル206は、ケース202に形成された開口部202aの内側に配置されている。
携帯電話機200の電気回路構成は、図6に示すように、液晶パネル206、ブルートゥースモジュール208、及びアンテナ部209に加えて、無線部210、音声回路212、レシーバー214、マイク216、アンテナ218、不揮発性メモリ220、制御部(マイクロコンピュータ)222、二次電池224を有する。無線部210は、制御部222により制御されて、アンテナ218を通して電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声回路212は、無線部210から制御部222を通して出力された受信信号をレシーバー214に出力するとともに、マイク216から出力された音声信号を送信信号として制御部222を通して無線部210に出力する。
レシーバー214は、音声回路212から出力された受信信号を受信音声に変換して出力し、マイク216は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声回路212に出力する。不揮発性メモリ220は、各種データや、各種のプログラムを不揮発的に記憶する。尚、通信ユニット30から遊技情報の受信を行うための遊技情報受信用プログラムは、例えば、パチンコ機メーカ等によって運営されるインターネット・ホームページ等からダウンロードして、不揮発性メモリ220に記憶される。二次電池224は、各回路に電力を供給する。制御部222は、CPU,ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータ等から構成されたもので、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インターネット処理を行う。
ブルートゥースモジュール208は、高周波回路部、ベースバンド回路部等の各種ユニットの集合体から構成されており、アンテナ部209を介して通信ユニット30とブルートゥース通信を行なうように構成されている。アンテナ部209は、例えば送受信兼用のチップアンテナから構成されており、これによって2.47GHz帯の微弱電波を出力するとともに、パチンコ機1に備えられたアンテナ23aから送信された電波を受信するようになっている。
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。図7乃至図10のフローチャートは、CPU36によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
さて、遊技者による遊技が開始されると、CPU36は、まず図7の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないときには特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているときにはステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図9のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、前記ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
前記のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図7のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、前記ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
続いて、図8のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値Rmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図7のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
図10の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを出力端子16A及び16aに出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
一方、前記ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを出力端子16A及び16aに出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これに対し、前記期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。
次に、通信ユニット30における遊技状態記憶処理ルーチンについて、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、本ルーチンは、通信ユニット30により、所定周期(例えば、1〜2msec毎)で繰り返し呼び出されて実行されるものである。また、電源投入時の初期化処理において、RAM38内の遊技状態記憶領域38の先頭アドレスがポインタAPに設定されると共に、確変連続回数カウンタLに初期値として「0」が設定される。
最初に、ステップS300において、I/F回路35より、「確変中信号」、「大当り信号」及び「確変大当り信号」の各信号状態をそれぞれ読み込む。続いて、ステップS310において、「大当り信号」がOFFからONに変化したか否かを判定する。「大当り信号」がOFFからONに変化したと判定された場合は(ステップS310:Yes)、ステップS320において、「確変大当り信号」がOFFからONに変化したか否かを判定する。「確変大当り信号」がOFFからONに変化したと判定された場合は(S320:Yes)、ステップS330において、確変大当りの発生を表す遊技状態コード"B00"を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ記憶する。続いて、ステップS340において、確変連続回数カウンタLをインクリメントし、さらに、ステップS400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリターンする。
ステップS320において、「確変大当り信号」がOFFからONに変化しなかったと判定された場合(S320:No)、ステップS350において、通常大当りの発生を表す遊技状態コード"A00"を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ記憶する、。続いて、ステップS360において、「確変中信号」がON状態であるか否かを判定する。「確変中信号」がON状態である場合は(S360:Yes)、ステップS340において、確変連続回数カウンタLをインクリメントする。そして、ステップS400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリターンする。
ステップS310において、「大当り信号」がOFFからONに変化しなかったと判定された場合は(S310:No)、ステップS370において、「確変中信号」がONからOFFへ変化したか否かを判定する。「確変中信号」がONからOFFに変化したと判定された場合(S370:Yes)、ステップS380において、確率変動遊技の連続回数(以下、確変連続回数)を表す遊技状態コード"C00"に確変連続回数カウンタLの値を加算した結果を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ記憶する。そして、ステップS390において、確変連続回数カウンタLに初期値「0」を設定し、ステップS400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリターンする。一方、ステップS370において、「確変中信号」がONからOFFに変化しなかったと判定された場合は(S370:No)、本ルーチンの処理を終了してリターンする。
尚、出力端子16a〜16d、ステップS300,S310,S320及びS370が、本発明の状態検出手段として機能するものである。また、「通常大当りの発生」、「確変大当りの発生」、及び「確率変動遊技の連続」が、本発明における「特定の遊技状態の発生」に相当するものである。
ここで、「確変中信号」、「大当り信号」及び「確変大当り信号」の具体的な出力例に基づいて、遊技状態記憶領域38aへどのように遊技状態データが記憶されるかについて図12及び図13を参照しつつ説明する。尚、図12は、「確変中信号」、「大当り信号」及び「確変大当り信号」の一出力例を時系列的に示すチャートであって、確変大当りの発生によって確率変動モードに入り、続いて、通常大当り、確変大当り、通常大当りが順に発生し、さらに通常大当りが発生することによって確率変動モードが終了する例を示している。この場合、確変連続回数は5回となる。また、図13は、遊技状態記憶領域38aのおける記憶例を模式的に示す図である。尚、これらの途中で遊技情報の送信は行われていないものとする。
まず、大当り信号[1]がONになった時、確変大当り信号[1]もONになっているので、「確変大当り発生」を表す遊技状態コード"B00"を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域38aの1番目の記憶領域へ記憶し(ステップS330)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて1となる(S340)(図13(a)参照)。
次に、大当り信号[2]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード"A00"を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域38aの2番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信号[1]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて2となる(ステップS340)(図13(b)参照)。
次に、大当り信号[3]がONになった時、確変大当り信号[2]もONになっているので、「確変大当り発生」を表す遊技状態コード"B00"を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域38aの3番目の記憶領域へ記憶し(ステップS330)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて2となる(S340)(図13(c)参照)。
次に、大当り信号[4]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード"A00"を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域の4番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信号[1]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて4となる(ステップS340)(図13(d)参照)。
次に、大当り信号[5]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード"A00"を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域の5番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信号[1]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて5となる(S340)(図13(e)参照)。
次に、「確変中信号[1]」がOFFになると、「確変連続回数」を表す遊技状態コード"C00"に確変連続回数カウンタLの値「5」を加算した結果"C05"を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域の6番目の記憶領域へ記憶する(ステップS380)。また、確変連続回数カウンタLには初期値「0」が設定される(ステップS390)(図13(f)参照)。
次に、通信ユニット30から携帯電話機200への遊技情報送信処理について、図14に示す遊技情報送信メインルーチンのフローチャート及び図15の遊技情報作成・送信処理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。尚、遊技情報送信メインルーチン及び遊技情報作成・送信処理ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がROM37よりこれらのルーチンを読み出して実行する。
最初に、ステップS410において、遊技状態記憶領域38aに遊技状態データが記憶されているか否かを判定する。遊技状態データが記憶されていない(すなわち、送信すべき情報がない)と判定された場合(ステップS410:No)、本ルーチンの処理を終了してリターンする。遊技状態データが記憶されていると判定された場合は(ステップS410:Yes)、ステップS420において、報知ランプ26を点灯する。なお、このステップS410及びCPU36が送信準備判断手段、記憶状態判断手段として機能することとなる。
一方、遊技者は、報知ランプ26の点灯によりパチンコ機1に送信可能な遊技情報が蓄積されていることを知ると、携帯電話機200を取り出し、ボタン204を操作することにより遊技情報受信用プログラムを起動する。すると、携帯電話機200の液晶パネル206には、図18(a)に示すように、「情報の受信準備が整いました。送信要求ボタンを押してください。」とのメッセージが表示される。そして、遊技者は、携帯電話機200を表示装置5に対向させ、かつ、接近させる。すると、ガイド用光源24からの光が携帯電話機200に照射される。
続いて、ステップS430において、送信要求ボタン27が押下されたか否かが判定される。送信要求ボタン27が押下された場合は(ステップS430:Yes)、ステップS440において、携帯電話機200との間で同期を確立した後、この携帯電話機200に対して認証要求のための信号(認証要求信号)を送信する。そして、ステップS450にて携帯電話機200からの応答信号を受信する。通信ユニット30側で認証手続きの処理が完了すると、通信ユニット30と携帯電話機200との間で、ブルートゥース通信が可能な状態となる。続いて、S460において、報知ランプ32の点滅を開始する。そして、ステップS470において、図15に示す遊技情報作成・送信処理ルーチンを実行する。
遊技情報作成・送信処理ルーチンでは、ステップS471において、ポインタBPに遊技状態記憶領域38aの先頭アドレスを設定する。続いて、ステップS472において、当該パチンコ機1を他と識別するパチンコ機識別情報としての遊技機IDが、RAM38上の送信バッファ38bの1番目の格納領域に格納される。ここで、図16(a)は、遊技情報送信用の送信バッファ38bのフォーマットを、同図(b)は遊技情報の格納例をそれぞれ示している。続いて、ステップS473において、不揮発性メモリ39より遊技情報カウンタ39aの値を読み出して送信バッファの2番目の領域に格納する。更に、ステップS474において、遊技状態記憶領域38aにおけるポインタBPが示すアドレスより、状態識別情報としての遊技状態データを読み出して、送信バッファ38bの3番目の領域に格納する。つまり、遊技情報は、"遊技機ID+遊技情報カウンタ値+遊技状態データ"というデータ構造を有する。
そして、ステップS475において、送信バッファ38bに格納された遊技情報をアンテナ23aより電波として送信する。続いて、ステップS476において携帯電話機200より応答信号を受信し、ステップS477において、不揮発性メモリ39の遊技情報カウンタの値をカウントアップするとともに、ステップS478において、ポインタBPの値を更新する。次に、ステップS479において、遊技状態記憶領域38aに記憶されたすべての遊技状態データについて遊技情報の送信が終了したか否かを判定し、終了していない場合は(ステップS479:No)、ステップS472へ戻り、終了した場合は(ステップS479:Yes)、ステップS480において送信終了信号を送信し、本ルーチンの処理を終了してメインルーチンヘリターンする。
一方、通信ユニット30から遊技情報が送信されている間、携帯電話機200の液晶パネル206には、図18(b)に示すように、「情報を受信しています」とのメッセージが表示される。尚、上記説明より明らかなように、遊技状態記憶領域38aに複数の遊技状態データが記憶蓄積されている場合は、複数の遊技情報が連続して送信されるため、一回の受信操作で複数の遊技情報を一括して受信することができる。また、通信ユニット30からの遊技情報の送信が終了して送信終了信号を受信すると(ステップS480)、携帯電話機200の液晶パネル206には、図18(c)に示すように、「情報の受信が完了しました」とのメッセージが表示され、遊技情報受信プログラムの実行を終了する。
尚、ステップS472〜S474が、本発明の情報作成手段として機能するものであり、遊技情報カウンタ39aの値が「特定の遊技状態の発生毎に設定される固有情報」に相当するものである。
遊技情報送信メインルーチン(図14)にリターンすると、ステップS480において、報知ランプ26を消灯し、ステップS490において、遊技状態記憶領域38a及び送信バッファの記憶内容を消去して、本ルーチンの処理を終了する。
一方、ステップS430において、送信要求ボタン27が押下されなかったと判定された場合(ステップS430:No)、ステップS500において、大当り遊技状態の終了か否かが判定される。尚、大当り遊技状態の終了とは、大当りの発生に伴って大入賞口6の開閉が繰り返される一連のサイクルが終了した直後であることを意味する。大当り遊技状態の終了と判定された場合(ステップS500:Yes)、遊技者に遊技情報の読み取り操作を行わせるためのメッセージを表示装置5の画面5aに表示させる。図17(a)は、この場合における画面5aのメッセージ表示例を示している。つまり、未受信の遊技情報が、大当り遊技状態終了直後においても残存している場合には、画面5aのメッセージ表示によって遊技者に遊技情報の受信操作を促し、未受信のまま放置されて、せっかくの有用な情報が受け取れないという不都合を防止するのである。また、このメッセージにおいては、「ここに携帯電話を近づけてください」といった、操作上の説明情報をも併せて表示しており、それ以外にも有益な操作説明情報(例えば、「携帯電話機の○○ボタンを押してください」等)を表示するようにできる。なお、このメッセージは記憶手段(例えばROM37)内に画像情報として記憶しておくことができる。この場合、ROM37が操作説明情報記憶手段として機能する。
大当り遊技状態の終了直後でないと判定された場合は(ステップS500:No)、ステップS510におけるメッセージ表示は行わない。次に、ステップS520において、発射スイッチ信号がオフであるか否かが判定される。ここで、発射スイッチ信号は、出力端子16dより出力される。発射スイッチ信号がオンである場合(ステップS520:No)、ステップS430へ戻る。
発射スイッチ信号がオフである場合(ステップS520:Yes)、ステップS530において、通信ユニット30に蓄積された情報が消去される旨の警告メッセージを表示装置5の画面5aに表示させる。図17(b)は、この場合における画面5aのメッセージ表示例を示している。つまり、発射スイッチ信号がオフされた場合は、遊技者が当該パチンコ機1における遊技を中止した場合であるが、この時点においても未受信の遊技情報が残存している場合には、蓄積された情報がまもなく消去される旨を警告すると共に、遊技情報を受信するための最終的な機会を遊技者に提供するものである。なお、この場合においても操作説明情報を併せて表示するようにしている。ステップS540において、送信要求ボタン27が押下されたか否かが判定され、押下された場合(ステップS540:Yes)、ステップS440以降を実行する。一方、送信要求ボタン27が押下されなかった場合(ステップS540:No)、ステップS550において、所定時間(例えば、3分間)経過したか否かが判定される。所定時間経過していない場合は(ステップS550)、ステップS540に戻って再び送信要求ボタン27の押下を判定し、所定時間経過した場合は(ステップS550:Yes)、報知ランプ26の消灯(ステップS480)及び遊技状態記憶領域38aの記憶内容の消去等を行い(ステップS490)、本ルーチンの処理を終了する。つまり、遊技球の発射を停止してから所定時間(例えば、3分間)経過した後は、遊技状態記憶領域38aの記憶内容(すなわち、蓄積された遊技状態データ)が消去されるため、遊技情報として送信することが不可能となる。従って、当該パチンコ機1の遊技者が遊技を終了して席を離れた場合等に、当該遊技者以外の者によって不正に遊技情報の受信が行われる危険性を低減することができる。
上述した遊技情報送信メインルーチンにおいて送信された遊技情報は、携帯電話機200によって受信されると、遊技機ID、遊技情報カウンタ値及び遊技状態データからなる遊技情報が、携帯電話機200に内蔵されたメモリ220に順次、記憶蓄積される。尚、図19は、携帯電話機200のメモリ220における遊技情報の記憶例を示すものである。
ここで、携帯電話機200に記憶された遊技情報は、個々の遊技状態の発生を識別可能に表している。すなわち、遊技機IDによって、全国の遊技店に設置された多数のパチンコ機の中で、どのパチンコ機における遊技情報であるかが識別される。さらに、遊技情報カウンタ値によって、当該パチンコ機1において何回目に出力された遊技情報であるかが識別される。上述したように、カウンタ値は遊技情報の送信毎にカウントアップされるので、同一の値が存在することはない。従って、"遊技機ID+遊技情報カウンタ値"のデータの並びはそれぞれ固有のものであって、同じデータが2つ存在することがないため、各パチンコ機における個々の遊技状態の発生を確実に識別することができる。さらに、遊技情報は、発生した遊技状態を識別するための遊技状態データを含んでいるので、どのような種類の遊技状態が発生したかを識別することが可能である。
本実施形態によれば、電波をパチンコ機1のガラス3bに沿って、かつ、その最大電界強度を有する方向がそのガラス3bに対して略平行となるように放射するとともに、電波吸収体23bにより放射される電波を所定方向に絞ることで、支持壁21に電波が照射されるようにしているから、隣接するパチンコ機1あるいは遊技者の後方に電波が漏洩し難くなり、第三者の携行する携帯電話機に混信を生じさせたり、通信が傍受されるようなことを防止することができる。
さらに、放射された電波のうち最大電界強度を有する方向がそのガラス板3に対して略平行となるようにしたことで、電波がパチンコ機1内部に侵入し難くなり、パチンコ機1内に備えられている電子回路等の電子装置にノイズが侵入することに起因するパチンコ機1の誤動作を防止することができる。
しかも、表示装置5の前方近傍を携帯電話機200の受信可能な領域に含み、この表示装置5に通信のための種々の情報を表示するように構成しているから、遊技者はパチンコ機1との通信を滞り無く行なうことができる。
また、遊技者は、自己が所持する携帯電話機200を用いて、パチンコ機1から遊技情報を受信することにより、当該パチンコ機1における遊技結果に関する情報を簡単に取得することができる。また、パチンコ機1から送信される遊技情報は、特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表している。すなわち、遊技情報がパチンコ機を識別するためのパチンコ機識別情報としての遊技機IDを含んでいるので、各地の遊技ホールに設置されたどのパチンコ機における遊技情報であるかを確実に識別することができる。さらに、遊技情報が特定の遊技状態の発生毎に設定される固有情報としての遊技情報カウン夕値を含んでいるので、別の日或いは時間帯に同一或いは異なる遊技者が受信した遊技情報と確実に識別することができる。
そして、携帯電話機200にて受信した特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表す遊技情報を利用して、遊技者に対して多様なサービスの提供が実現可能となる。
例えば、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数等の遊技成績に関して、全国レベルでのランキングを実施することが考えられる。すなわち、パチンコ機メーカに、遊技情報集計用コンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホールに設置されたパチンコ機の通信ユニットより自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を取り込む。その後、遊技者は、携帯通信端末よりパチンコ機メーカへ遊技情報及び遊技者の識別情報(遊技者名や会員番号等)を電子メールとして送信する。パチンコ機メーカの遊技情報集計用コンピュータは、遊技情報受信履歴を参照し、過去に受信済みの遊技情報と同一情報が重複して送信されたものであるか否かをチェックする。このとき、遊技情報は、上述したとおり遊技情報毎にそれぞれ固有であるため、上記チェックを確実に行うことができる。
そして、受信した遊技情報が新規な遊技情報である場合、遊技情報集計用コンピュータは、受信した遊技情報を集計して、通常大当り回数、確変大当り回数及び確変連続回数のそれぞれについてランキングを作成し、例えば、上位10番目までの遊技者名や遊技店情報と共に自社のインターネットホームページ等ヘランキング結果を掲載する。
これにより、遊技者は、ホームページに自分の成績や名前が掲載されることを励みにして、パチンコ機における遊技をより一層楽しむことができる。また、遊技ホールで遊技を楽しもうと考えている一般の人々は、ホームページに掲載されたランキング結果を参照して遊技店を選ぶ際の参考にすることができる。さらに、パチンコ機メーカは、大規模で高価なネットワーク設備を新たに構築することなく、遊技者が所持する携帯通信端末を利用して全国から遊技情報を収集し、マーケティング活動を展開する際の重要な情報源とすることが可能となる。
また、遊技成績に応じて、サービスポイントを付与するサービスを実施することが考えられる。遊技ホールがサービスポイントの付与を実施する場合には、例えば、遊技ホールのフロントにブルートゥースモジュールを備えたコンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホールに設置されたパチンコ機の通信ユニットから自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を取り込む。その後、遊技者は、ブルートゥース通信により、携帯通信端末からフロントのコンピュータへ遊技情報を送信する。フロントのコンピュータは、受信した遊技情報に基づいて、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数を求め、それぞれの成績に応じて遊技者のサービスポイントを算出する。そして、遊技者は、サービスポイントの点数に応じて、遊技ホールより景品等を受け取ることができる。従って、遊技者は、従来の賞球数に応じた景品交換とは別の機会において景品等の獲得が可能となり、遊技に対する意欲をより一層向上させることができる。
或いは、パチンコ機メーカがサービスポイントの付与を実施する場合には、例えば、パチンコ機メーカに、遊技者(会員)毎のサービスポイントを記憶管理するサービスポイント管理用コンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホールに設置されたパチンコ機の通信ユニットより自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を取り込む。その後、遊技者は、携椿通信端末よりパチンコ機メーカヘ遊技情報及び遊技者の識別情報(遊技者名や会員番号等)を電子メールとして送信する。サービスポイント管理用コンピュータは、受信した遊技情報に基づいて、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数を求め、それぞれの成績に応じて算出したサービスポイントを、当該遊技一者が過去に蓄積したサービスポイントに加算する。サービスポイントがー定の点数に到達した場合には、パチンコ機メーカから、当該遊技者に対して景品等が贈られる。従って、遊技者は、従来の遊技ホールにおける賞球数に応じた景品交換とは別の機会において、パチンコ機メーカーからも景品等の獲得が可能となり、遊技に対する意欲をより一層向上させることができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、前枠2の左右側縁部に一対の支持壁21,21を設け、これら支持壁21,21の間で電波を放射する構成としていたが、これに対して、本実施形態では、支持壁21を前枠2の上側縁部に設けてパチンコ機1前面の上部から下方に向けて電波を放射する構成としている。
図22に示すように前枠2の上側縁部には、パチンコ機1前面から突出した支持壁21が設けられている。この支持壁21内には、第1実施形態と同様にアンテナモジュール23が備えられており、アンテナ23aが下方に向かって電波を放射するように配されているとともに、このアンテナ23aの周囲を取り囲むように配された電波吸収体23bにより放射される電波は所定角度に絞られている。これによって、表示装置5の前方近傍に集中して電波が照射されるとともに、この表示装置5の前方近傍が携帯電話機200の受信可能な領域とされる。また、第1実施形態と同じくアンテナ23aの近傍にガイド用光源22が備えられて、上受け皿3aに向かって可視光を投射するように構成されている。さらに、上受け皿3aの上面には電波吸収シート22が張りつけられており、放射された電波が吸収されることでパチンコ機1下方への電波漏洩が防止されている。
本実施形態では、例えばパチンコ機1の側方に支持壁21等の情報送信に関連する部材・装置等を配置することが困難な場合に極めて有効である。通常、パチンコ機1は横方向に複数並べて配置されるため、隣接するパチンコ機1間にスペースの余裕がないことがある。従って、支持壁21等を配するとパチンコ機1の横幅寸法が増してしまい、パチンコ機1の収容効率を低下させてしまうおそれがある。これに対して、本実施形態では、前枠2の上側縁部にこれらの部材等を設け、上下方向に電波を放射する構成としているから、パチンコ機1の横幅寸法の増加を抑えつつ、携帯電話機200に情報を送信することが可能となる。
また、図23に示すように支持壁21を環状に形成すると共に、ガラス3bの周囲を取り囲むように配した構成としてもよい(本発明の「記支持突部及び前記防止壁は一体的に、かつ、環状に形成されている」構成に相当する。)。このような構成でも、上記実施形態と同様に、支持壁21にアンテナモジュール23及びガイド用光源24を備えており、これらは、例えば遊技機の上下方向において、表示装置5と略同じ高さの位置に配する。このようにすると、支持壁21のパチンコ機1前面への取り付け工数が削減されるとともに、ガラス3bの周囲が取り囲まれることで、パチンコ機側方に漏洩する電波を一層効果的に抑止することができる。
尚、支持壁21の形状は上記のような環状に限られず、優弧状に形成することもでき、さらには、U字状、コ字状等の種々の形状とすることができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、支持壁21をパチンコ機1外部に設けた構成としている。具体的には、図24に示すようにパチンコ機1上方に設けられたパチンコ島台の前側壁101に支持壁21を設け、この支持壁21に第2実施形態と同様にアンテナモジュール23及びガイド用光源を設けた構成としている。
このような構成とすれば、パチンコ機1に支持壁21を設けるためのスペースが得られない場合には好適な構成である。また、支持壁21を設けるためにパチンコ機1を専用に設計する必要がないから、従来のパチンコ機1を流用することで低コスト化を図ることができるという利点もあり、さらには、設計に制約が課されない分斬新なパチンコ機1を設計し得る好都合な構成とされる。
また、支持壁21を外部に設ける構成としては、上記構成に限られない。その他の構成としては、例えば隣接するパチンコ機1間に設けられた貸玉装置の前側壁にこの支持壁21を設けたり、あるいは、パチンコ機1間に壁面を設け、そこに支持壁21を設けるようにしても良い。さらには、一方の支持壁21をパチンコ機1の前枠2に設け、他方の支持壁21をパチンコ機1の外部に設け、両支持壁21の間で電波を照射すように構成してもよい。
<第4実施形態>
本実施形態では、図25及び図26に示すようパチンコ島台内部に支持壁21を格納する格納機構を設けた構成を示している。本実施形態はラック・ピニオン式のスライド機構110により、支持壁21をパチンコ島台内部に格納し、あるいはパチンコ島台の前側壁101から突出させ得るように構成されている。
パチンコ機1を収容するパチンコ島台には、前側壁101に設けた開口部102からパチンコ島台内部に支持壁21を収容する収容部が設けられており、ここに支持壁21が収容可能とされている。支持壁21の両端面にはその奥行き寸法よりも長いラック111が取りつけられており、このラック111に対してパチンコ島台内部に配されているピニオンギア112が噛合している。そして、ピニオンギア112の軸孔にはモータ113の回転軸が嵌め込まれ、モータ112が動作することでこのピニオンギア112が回転し、これに伴なって支持壁21が前後方向にスライドするようになっている。尚、図示はしないが、支持壁21は収容部の下部に設けられたレールに載置されて、この収容部の下部には僅かに間隙が形成されており、これによって、支持壁21がスライドする際に、アンテナモジュール23及びガイド用光源24が異物と干渉することを防止している。
また、CPU31は、携帯電話機200と通信を行なう際には、支持壁21を前側壁101から突出させ(図25参照)、逆に、携帯電話機200と通信を行なわないときには支持壁21を格納させるようにモータ113に制御信号を送出する(図26参照)。
具体的な例としては、図14に示すフローチャートのS430において、送信要求ボタン27が押されて送信要求あり(S430でYes)と判断されたときには、制御信号を送出して支持壁21を前側壁101から突出させ、図15に示すフローチャートのS480の処理の終了とともに、制御信号を送出して支持壁21をパチンコ島台内に格納するようにすることができる。
尚、上記構成に限られず、例えば、パチンコ機1の側方(例えば、パチンコ機1と貸玉装置の間)に上記支持壁21,21を設け、これら支持壁21,21を格納機構によりパチンコ島内部に格納可能とする構成としても良く、さらには、パチンコ機1に支持壁21,21を設けた構成とした場合にも、パチンコ機1に格納機構をもうけ、パチンコ機1内部に支持壁21を格納可能とする構成としても良い。
このようにすれば、携帯電話機200と情報通信を行なわないときには、従来のパチンコ機1と同様の形態とされることで、遊技者に違和感を感じさせることなく遊技に集中させることができるとともに、携帯電話機200と通信を行なう際には、支持壁21が突出することで、遊技者に対して情報通信可能であることを視覚的に認識させる構成としては好適である。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について図27及び図28を参照しつつ説明する。図示した例では、ガラス扉枠3の下部(遊技盤7の外部)に外部表示装置105が設けられる構成をなしており、その表示装置105の前方近傍に情報送信部たるアンテナ23aからの電波が放射されるように構成されている。尚、本実施形態ではガラス3bが円形状のものを示しているが、形状が異なるのみで、他の構成は上記実施形態と同様である。
この外部表示装置105は、表示装置5を第1の表示装置とした場合の、第2の表示装置として構成することができ、このようにすれば、図柄表示を中断することなく情報通信に関する表示を行うことが可能となる。尚、外部表示装置105としては、LED、液晶画面等の表示装置により構成することができる。
本実施形態では、外部表示装置105を挟み込むようにして前枠2に遊技者側に突出した一対の支持壁21,21が設けられており、それぞれの支持壁21,21内に第1実施形態と同様の構成を有するアンテナモジュール23及びガイド用光源24が備えられている。そして、支持壁21,21間が電波の放射領域とされているとともに、放射される電波のうち最大電界強度を有する方向がガイド用光源24により示されることで確実かつ容易に電波を受信することができる。また、各支持壁21のうち表示装置105とは反対側の側面には電波吸収シート22が貼り付けられて、アンテナ23aから放射された電波の漏洩が防止されている。
<第6実施形態>
本実施形態では、赤外線信号によって情報通信を行なう構成を示している。まず、図29に示すように第1実施形態と同様に前枠2の左右側縁部には一対の支持壁21が設けられ、この支持壁21に情報送信部たる赤外線発光部61が配されているとともに、この赤外線発光部61の近傍には可視光を投射するガイド用光源24が配されている。また、それぞれの支持壁21のうちガラス扉枠3と反対側の側面には赤外波長の光を吸収する赤外線吸収シート25が張り付けられている。
赤外線発光部61は、それぞれ支持壁21に向かうように、かつ、その光軸がガラス3bと略平行となるよう赤外線を投射するようにその配置位置が調整されており、ガイド用光源24は赤外線発光部61により形成される光軸に沿って可視光を投射するように配置位置が調整されている。
また、赤外線発光部61の近傍には赤外線受光部62が配されており、後述する携帯電話機200の赤外線発光部225から発せられた赤外線信号を受信するようになっている。
なお、通信ユニット30の構成については、図30に示す通りであり、この通信ユニット30には、アンテナ23aに代わって赤外線発光部61及び赤外線受光部62が設けられた構成とされている。この赤外線発光部61は、携帯電話機200に対して遊技情報等を赤外線信号として送信するための発光デバイスとして構成される一方、赤外線受光部62は表示装置5の近傍(第3実施形態の場合には、表示装置105の近傍)に配されて携帯電話機200から送信される赤外線信号を受信するための受光デバイスとして構成される。
携帯電話機200には、図31に示すように、ブルートゥースモジュール208及びアンテナ部209に代わって赤外線発光部225と赤外線受光部226とが備えられており、これらは携帯電話機200のケースのうち向かって左側に配されている。赤外線発光部225はパチンコ機1に備えられた赤外線受光部62に対して赤外線信号を送信し、赤外線受光部226はパチンコ機1の赤外線発光部61からの赤外線信号を受信するようになっている。その他の構成に関しては、第1実施形態と同様である。
尚、図30には、赤外線発光部61、赤外線受光部62はそれぞれ1つづつ示しているが、実際には2つづつ備えられている。
遊技者がパチンコ機1から情報を受信する場合には、表示装置5に携帯電話機200を接近させる。すると、ガイド用光源24からの光が携帯電話機200に照射されるから、これを赤外線受発光部225,226に照射すれば良い。こうすることで、赤外線発光部61からの赤外線が赤外線受光部226に照射されて、確実に情報を受信することができる。また、携帯電話機200から情報送信する場合にも可視光を赤外線発光部225に照射することで確実に赤外線受光部62に情報を送信することができる。
尚、情報通信の手順としては、第1実施形態と概ね同じであり、図14のS440が通信ユニット30からのコネクト信号の送信、S450が携帯電話機200から出力されたリターン信号を受信するようにされており、図15においてS475が送信バッファの内容を赤外線信号として送信するところが異なっている。
赤外線は、直進性に優れているから、本実施形態のように支持壁21間でガラス3bに沿ってかつ光軸がガラス3bと略平行となるように赤外線を投射する構成とすれば、パチンコ機1前面と直交する方向に赤外線が漏洩するということが無く、確実に混信、通信傍受を防止することができるとともに、パチンコ機1内部に赤外線が侵入することを抑止することができる。その反面、赤外線発光部61から投射された赤外線を赤外線受光部226に確実に照射することが必要とされ、これを瞬時に行なうことは容易ではない。これに対して、本実施形態のようにガイド用光源22を設け、可視光を赤外線受光部226に投射するようにすれば簡単に赤外線信号を受信することができる。
尚、赤外線発光部225及び赤外線受光部226は、携帯電話機200のケースのうち向かって左側に設けた構成を示したが、これらがケースのうち、向かって右側に配されているものであってもよい。このような構成であっても、支持壁21にはそれぞれ赤外線発光部61、赤外線受光部62が設けられているから、情報の送受信に不都合が生じることはない。
また、図32に示すように、支持壁21を第2実施形態と同様に前枠2の上側縁部に設けた場合には、赤外線発光部61及び赤外線受光部62をこの支持壁21に備え、上受け皿3aに向かって赤外線信号を送信するようにすれば良い。この場合、ガイド用光源24は赤外線発光部61及び赤外線受光部62の近傍に配して、赤外線発光部61から投射される赤外線の光軸に沿って光が投射されるように配置を調整する。このような構成としたときには、遊技者が携行する携帯電話機200の赤外線受発光部225,226にガイド用光源24の可視光を照射することで容易に赤外線通信を行なうことができる。
また、第2実施形態の変形例に示したように、支持壁21を環状又は優弧状に形成しても良く、第3実施形態に示すように、支持壁21を外部に設け、その支持壁21に赤外線受発光部61,62及びガイド用光源24を備えた構成としても良い。さらには、第4実施形態のように、支持壁21をパチンコ機1側に収納可能に構成し、この支持壁21に赤外線受発光部61,62及びガイド用光源24を備えるように構成しても良い。
また、第5実施形態のように、前枠2に外部表示装置105を備え、この外部表示装置の近傍に支持壁21を遊技者側に突出して設け、この支持壁21にそれぞれ、赤外線受発光部61,62およびガイド用光源24を設けるように構成してもよい。
<第7実施形態>
上記第1実施形態では、遊技者が送信要求ボタン27を押下することにより情報送信するような構成としたが、このようなボタンを設けずに情報送信を行うようにしてもよい。即ち、上記実施例では、図14のフローチャートのステップS430に示されるように、送信要求ボタン27が押下されたか否かを判断するようにしており、送信要求ボタン27が押下された場合に、ステップS440において、認証要求信号を送信するようにしていたが、進入検出手段によって携帯電話機200が受信可能領域内に進入したことを検出する等の別の条件の成立により送信が開始されるようにしてもよい。
進入検出手段としては、例えばブルートゥース通信により、通信ユニット30からIQパケットを発信し、携帯電話機200からFHS(FrequencyHopSynchronization)パケットの返信があった場合には、携帯電話機200が受信可能領域内に進入したと判断する構成としてもよい。この場合においても、図14のフローチャートと同様の構成とすることができ、図14におけるS430の判断を、送信要求ボタン27(図1等)による押下をトリガとする代わりに、通信ユニット30が携帯電話機200からのFHS信号を受信したことをトリガとすればよい。この場合、FHS信号が受信された場合には、S430においてYesに進み、認証要求信号を携帯通信端末に向けて送信し、その送信後、携帯通信端末からの応答信号を受信して送信が開始されることとなり、通信ユニット30と携帯電話機200との間で遊技情報の送受信が行なわれる。これにより、本実施形態では、遊技者は携帯電話機200を表示装置に近づけるだけで遊技情報を受信することができる。
また、赤外線通信を行なう場合の進入検出手段としては、例えば赤外線発光部61からコネクト信号を周期的に送信しておき、受信可能領域内に携帯電話機200が進入してそのコネクト信号を受信することで返信したリターン信号を受信したことをもって携帯電話機200の進入を検出する構成であってもよい。さらには、透過型又は反射型の光電センサを利用し、受信可能領域内に携帯電話機200が進入して透過型光電センサの光軸を遮光したこと、或いは反射型光電センサの受光部に携帯電話機200で反射した光が入射したことを検出する構成であってもよい。
また、センサ手段により検知を確認した場合に、その検知した旨を表示装置5又は表示装置105において表示し、遊技者に報知するようにしてもよい。この場合、図14におけるS430とS440の間に、表示を行うステップを設けるようにすればよく、このステップでは、センサ手段による検知をトリガとして、例えばパチンコ機内の記憶手段(ROM等)に設けられた説明情報(具体的には携帯通信端末の接近を検知した旨を説明する説明情報等の画像データなど)を読出し、表示装置5あるいは表示装置105にて表示するようにすればよい。このようにすれば、利用者は、携帯通信端末が正しい位置にあるか否かを即座に、かつ理解しやすく、目に付きやすい方法にて確認できることとなり、利用者に安心感を与え得る構成となる。
尚、センサ手段を用いた構成は、第4実施形態に適用することが望ましい。このようにすることで、遊技状態には遊技に集中させ得るようにしつつ、情報通信を行なう際には、送信要求ボタン27を押すという作業負担を減らして円滑に情報通信を行なわせることができる。
さらには、上記のようなセンサ手段による検知を条件とする代わりに、情報受信部にて携帯通信端末から発せられる情報を受信したことを条件として、遊技情報の送信を開始してもよい。例えば、赤外線受光部225により携帯通信端末から出力される赤外線を受光することをトリガとして上記のような情報送信を開始するようにしてもよい。
<第8実施形態>
なお、本発明に係るいずれの実施形態においても、以下のような要件を付加することができる。即ち、情報送信部と携帯通信端末との間の通信状態に関する情報を生成する通信状態情報生成手段を有し、その生成される通信状態の情報に基づく通信状態の説明情報を表示装置にて表示するような構成とすることができる。
具体的には、例えば、図14のフローチャートに示す処理において、認証要求信号を送信してから、所定時間内に応答信号を受信したか否かを検出し、検出されない場合には通信異常である旨を説明情報として(具体的には、例えば携帯通信端末からの情報の受信状態を説明する受信状態説明情報として)表示することができ、一例を挙げると「情報が送信できません」、或いは「情報が受信できません」などのコメントを表示装置5に表示するようにできる。この場合、CPU36は、携帯通信端末からの情報の受信状態を検出する受信状態検出手段として機能し、さらには通信状態情報としての、通信不能信号、或いは通信不能な旨を説明する説明情報を生成する通信状態情報生成手段として機能することとなる。
また、図15の処理においても同様に通信異常を確認できる。例えば、S475において送信バッファの内容を送信した後において所定時間経過しても応答信号が受信できない場合に通信異常である旨を説明情報として表示できる。なお、通信状態の説明情報(例えば、上記のような通信異常の際の説明情報)は、予めROM37などに画像データとして記憶しておくことができ、上記のように通信異常が発生したことを条件としてこれを読み出して表示装置5上に表示することができる。
さらには、情報通信媒体のレベルを検出する媒体レベル検出手段と、その媒体レベル検出手段にて検出されるレベルに応じた前記通信状態の説明情報を、前記表示装置又は表示装置以外の手段にて出力するように構成してもよい。具体的には、例えば、ブルートゥース通信を行なう場合には、電波の電界強度を検出する検出手段を設けるように構成し、その検出手段による検出結果が所定レベル以下の場合にその旨を報知するようにしても良い。この場合には、アンテナ23aを検出手段の一部として構成するか、又はアンテナ23aとは別のアンテナを設け、そのアンテナによって受信される信号レベルが所定レベル以下の場合に、「通信不能」といった説明情報や「携帯電話機の位置を変えてください」といった位置変更を促す情報を表示装置にて表示するようにすれば良い。また、情報伝達媒体を赤外線とした場合には、赤外線受光部62あるいは他の受光素子を設けて、赤外線強度を判断し、所定レベル以下の場合に、電波の例と同様の情報を表示するようにしてもよい。
<第9実施形態>
上記実施形態では表示装置の前方近傍が携帯電話機200の受信可能とされる領域に含まれるように構成していたが、例えば図33に示すようにキャラクター部50を有するパチンコ機1の場合には、このキャラクター部50の近傍が携帯電話機200の受信可能領域となるように構成したものであっても良い。このときに、表示装置5にキャラクター部50へ携帯電話機200を近づけるように指示する旨の表示をすることで、情報通信を円滑に行なうことができる。また、情報通信が可能とされたときには、キャラクター部50の動作態様等を変化させることで、遊技者に対して情報送信可能な状態であることを示すようにしても良い。さらに、入賞装置4の前方近傍が携帯電話機200の受信可能領域に含まれるように構成しても良い。
尚、上記構成に限らず表示装置5、キャラクター部50、入賞装置4の前方近傍が形態電話機200の受信可能領域とされるように構成しても良く、いずれか2つの要素が受信可能領域とされるように構成しても良い。
<第10実施形態>
第8実施形態では、スロットマシンとして構成される遊技機を例に挙げて示す。
図34に示すように、スロットマシン300の基本構成としては、複数の識別情報からなる識別情報列308ないし310を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー306)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン307)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報(例えば識別情報308A,308B,308C)の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報(例えば、777等)であることを条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えたものが挙げられる。この場合、遊技媒体は、コイン、メダル等が代表例として挙げられる。
このようなスロットマシン300として構成される遊技機において、壁面301下部にはアンテナモジュール23が配されて、この壁面301と対向する壁面31に向かって電波を放射するように構成されている。また、アンテナモジュール23から放射される電波のうち電界強度が最大となる方向と同一の方向に可視光を投射するガイド用光源22が配されている。さらに、対向する壁面301には電波吸収シート22が張りつけられて、アンテナモジュール23から発せられた電波を吸収し、隣接するスロットマシンへ漏洩しないように構成されている。なお、図34の例では、表示装置305の近傍に情報通信に関連した操作、又はそれ以外の操作を行うための操作ボタン311が複数設けられている。また、両壁面301にアンテナモジュール23を備えて両方向から電波を放射するように構成するものであっても良い。
また、図33の例においては、アンテナモジュール23に代わって赤外線発光部61を備えるとともに、表示装置305の近傍に赤外線受光部62を備え、赤外線信号により情報通信を行なうように構成してもよく、さらに、壁面301には電波吸収シート22に代わって赤外線吸収シート24を張りつけて、隣接するスロット機に赤外線が漏洩することを防止するように構成してもよい。
さらには、識別情報列(308ないし310)の下部前方に表示装置305を配置するようにしたが、回転リール308〜310が臨む面の前方近傍、識別情報の横位置(例えば、破線枠Y位置等)にこれら表示装置305を配置するようにしても良く、識別情報の上位置(例えば破線枠X位置等)にこれらを配置するようにしてもよい。尚、表示装置305をこれらの位置に配したときには、適宜支持壁21を設けて、表示装置前方近傍を電波あるいは赤外線の照射範囲とするとともに、電波あるいは赤外線が外部に漏洩しないような構成とする。
また、上記スロットマシン300では、上記第3実施形態にて説明した構成と同様にスロットマシン300の外部において表示装置及び情報送信部、情報受信部を設けるようにしてもよい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記の実施形態では、液晶画面を備えた構成をなす表示装置を例に挙げて説明したが、情報送信部の近傍に配置される表示装置は、液晶のものに限らず、例えばLEDを配列してなる表示装置や、プラズマ・ディスプレイ(PlasmaDisplayPanel)や、有機EL(ErectronicLuminescence)ディスプレイ等のプラズマやELを用いた表示装置など様々なものを利用できる。
(2)上記の実施形態では、通信ユニット30に報知ランプ26を設ける構成としたが、報知ランプ26を省略して、表示装置5の画面5aのメッセージ表示のみにより、送信可能な遊技情報があることを報知する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、通信ユニット30が、外部接続端子板16に設けられた各出力端子16a〜16dを介して大当り信号等の遊技状態を表す信号を取得する構成としたが、制御装置21との問で別途専用の通信線を設けて大当り信号等を取得する構成としてもよい。尚、本変形例における通信線は、制御装置21を構成するメイン基板からの出力専用の通信線若しくは、サブ基板との間に設けられる通信線とし、メイン基板へ不正な信号が入力されることを防止する構造とする。
(4)上記実施形態では、表示装置5及び通信ユニット30をパチンコ機1における遊技盤中央、遊技盤の上方、スロットマシン300の中心部に設ける例について説明したが、これらには限られず、パチンコ機1、或いはスロットマシン300に備わる他の機能に支障を来さない範囲内でパチンコ機1やスロットマシン300のいかなる部位にこれら表示装置5及び通信ユニット30を配設してもよい。
(5)上記実施形態では、携帯通信端末として携帯電話機200を用いた例を示したが、携帯電話機以外にPDA(PersonalDigitalAssistant)等の各種の携帯通信端末を利用することが可能である。
(6)上記実施形態では、遊技情報をそれぞれ固有の値とするために遊技情報カウンタ値を用いる構成としたが、これには限られない。要するに、特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表す遊技情報を作成し、携帯通信端末によって受信可能な信号として送信する構成とすればよいのである。例えば、通信ユニット30に時計を内蔵させ、個々の遊技状態の発生時点を表す時点データを、遊技情報の構成要素として用いる構成としてもよい。図20は、本変形例において遊技状態記憶領域38aにおける遊技状態データ及び時点データの記憶例を、図21は携帯電話機200によって受信された遊技情報の記憶例を示す図である。この変形例によれば、遊技状態の発生時点を表す時点データによって、重複が生じない固有情報を簡単且つ確実に作成することができる。さらに、時点データを用いることにより、どのようなタイミングで各特定の遊技状態が発生したかを、受信した遊技情報に基づいて解析することができる。
(7)上記実施形態では、通信ユニット30から遊技情報のみを携帯電話機200に対して送信する構成としたが、通信ユニット30内で特定の遊技状態の発生毎に抽選を行って、当選した場合には付加価値情報を付与して遊技情報と共に送信するように構成してもよい。
(8)上記実施形態では、遊技状態データのみをRAM38上の遊技状態記憶領域38aに記憶蓄積する構成としたが、遊技状態データに遊技機ID及び遊技情報カウント値が付加された送信時と同一内容の遊技情報をRAM38上に記憶蓄積する構成としてもよい。
(9)上記実施形態では、遊技状態記憶領域38aに遊技状態データが記憶蓄積されている場合にはいつでも遊技情報の送信が可能な構成としたが、特定の遊技状態の発生に伴う所定の動作終了時(大当り遊技状態の終了時等)のみに、遊技情報の送信が可能な構成としてもよい。また、遊技中止時のみに、遊技情報の送信が可能な構成としてもよい。
(10)上記実施形態では、遊技を中止してから所定時間経過後に遊技情報の送信を禁止する構成としたが、これには限られず、特定の遊技状態の発生に伴う所定の動作(例えば、大当り遊技状態等)が終了してから所定時間経過後に、遊技状態記憶領域38aに記憶蓄積された検出結果に基づく遊技情報の送信が禁止されるように構成してもよい。本変形例によれば、当該パチンコ機の遊技者以外の者によって不正に遊技情報が受信される危険性を低減することができる。
(11)前記実施の形態では、高確率モード中に通常大当りが2回連続して発生したことに起因して低確率モードヘ遷移する構成としたが、通常大当たりが1回発生したことに起因して低確率モードヘ遷移する構成としてもよい。
(12)上記実施形態ではアンテナ23aを送受信に兼用する構成としたが、送受信の専用アンテナを備えた構成としてもよい。
(13)上記実施形態では、支持壁21にアンテナモジュール23あるいは赤外線発光部61を備え、下方向に情報伝達媒体を出力する構成としていたが、上受け皿3aにこれらの情報送信部を備え、支持壁21に向かって情報伝達媒体を出力する構成としても良い。この場合には、支持壁21に電波吸収シート22あるいは赤外線吸収シート24等の情報伝達媒体の漏洩を防止する手段を講ずるようにするとよい。
(14)上記実施形態では、ブルートゥースによる電波通信を例示したが、これ以外の規格による無線通信技術を利用してもよい。
(15)上記実施形態では携帯電話機200にブルートゥースモジュールや赤外線通信用の装置を内蔵させることで、パチンコ機1・スロットマシン300と情報通信を行なう構成を示していたが、これ以外の携帯通信端末を用いて情報通信を行なうようにしても良く、例えばPHS(PersonalHandyphoneSystem)に上記の装置を内蔵して、パチンコ機1・スロットマシン300と情報通信を行なうようにしても良い。