ところで、上記のような技術及び遊技方法は一般には浸透していないため、斬新な遊技態様の創出が期待できる一方、このような遊技機において遊技を行おうとした場合には、遊技者は様々な点で戸惑う可能性がある。特に、上記のような情報通信を行うインターフェースを設けたものが出回っていないため、いざ情報通信を行おうとしてもそのインターフェースの配置場所を探し出しにくい可能性がある。さらに、遊技機においては、部品配置等の制約から、大型構成とすることが難しい部品が多く、小型化が望まれる傾向にあり、上記のようなインターフェースの小型化を図ろうとした場合には、その存在がより目立ちにくくなるため上記のような問題性は一層高まる。
また、特許文献1のように、このようなインターフェースを遊技機と別体として膳板に配置するような構成とすると、膳板のスペースが大幅に減ることとなるため、見栄えが悪くなり、遊技者が膳板上のスペースを利用しにくい(例えば荷物等を置きにくい等)という懸念もあるのみならず、利用者がインターフェースを灰皿等と見間違えるなど、インターフェースと遊技機との関連性を利用者に把握させにくい構成となることは否めない。
上記のような問題に対し、遊技面に配置される図柄表示装置の近傍にインターフェース(情報通信を行う情報通信部)を配置して、情報通信の際に図柄表示装置を利用したり、インターフェースの配置位置を把握させようとすることも考えられる。この構成によれば、情報通信部の位置を遊技者に効果的に知らせることができ、かつ情報通信の際に図柄表示装置を利用しやすい構成となる。
しかしながら、多種ある遊技機の中には、情報通信の際に、遊技面に配置される図柄表示装置を用いにくいようなものや、構成上図柄表示装置の近傍に情報通信部を配置しにくいようなものもある。例えば、図柄表示装置による演出中(図柄変動中、リーチ演出中、大当り演出中等)に、情報通信に関する情報を表示するようなことが遊技興趣などの観点から困難なものもあり、特に、図柄表示装置の装飾性が極めて高いものについてはその問題が顕著であり、代替案が要望される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、遊技者が情報の取得場所を認識しやすく、かつ情報送受信操作を行いやすい構成をなし、さらには、情報通信に関する情報などを、興趣をそぐことなく遊技者に提供し得る構成をなす遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
手段1.所定の遊技を行う遊技面を備えた遊技機であって、
所定の携帯通信端末との間で情報通信を行う情報通信部と、前記遊技面の外部に配置された外部表示装置とを備え、
この外部表示装置の前方近傍、又は前記外部表示装置の周縁部の前方近傍が通信可能な領域として構成されることを特徴とする遊技機。
手段1、即ち請求項1の構成によれば、外部表示装置を設けて様々な付加価値(例えば、遊技者と遊技機との関係性の向上、あるいは図柄表示装置では行い得なかった情報の表示など)を生じさせつつも、その外部表示装置の特徴を利用して遊技者の情報通信操作の容易性を効果的に高めることが可能となる。具体的には、遊技者が注目しやすい外部表示装置の近傍に携帯通信端末を対向させさえすれば情報取得が行えることとなるため、その情報取得位置を遊技者は容易に把握でき、かつ情報取得時に携帯通信端末の位置調整を行う上での明確な目印を備えた構成となる。また、遊技面ではなく、より遊技者に近い位置に外部表示装置を設け、その近傍で情報が取得できることとなるため、情報の送受信の際に表示装置を利用しやすい装置構成となり、様々な付加価値を付与しやすい構成となる。なお、具体的には、例えば、前記外部表示装置の前方近傍に向けて、情報通信部より赤外線、電磁波、その他の情報伝達媒体を出力するように構成したり、外部表示装置の近傍を通信可能領域として構成し、その外部表示装置近傍に配置される携帯通信端末から出力される赤外線や電磁波等の情報伝達媒体を遊技機において受信するように構成してもよい。
なお、本発明でいう遊技機とは、パチンコ機やスロットマシン、あるいはパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを含む。パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものなどが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球)のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
また、スロットマシンの基本構成としては、複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えたものが挙げられる。この場合、遊技媒体は、コイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものの基本構成としては、複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されたものが挙げられる。
さらに、本発明でいう「遊技面」とは、遊技が行われる面であり、パチンコ機の場合には、遊技盤の盤面であって、かつ遊技が行われる遊技領域を意味する。また、スロットマシン、又はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものにおいては、可変表示手段における可変表示部の表示面を意味し、より具体的には回胴部材において識別情報列が備えられた面を意味する。また、本発明において、遊技面に対して遊技者側を前方向、それとは反対方向を後方向としている。例えば、パチンコ機においては、遊技盤の盤面と直交する方向において、遊技者側を前方向、それとは反対側を後方向としている。
手段2.所定の遊技を行う遊技面を備えた遊技機であって、
所定の携帯通信端末との間で情報通信を行う情報通信部と、前記遊技面の外部に配置された外部表示装置とを有し、
この外部表示装置の近傍に前記情報通信部が配置されることを特徴とする遊技機。
このように構成すれば、情報通信部が、外部表示装置に注目する遊技者の目に入り、その位置を効果的に知らしめることができる。また、外部表示装置の近傍を通信可能領域とすることのできる好適構成となり、かつ通信と関連して外部表示装置を利用しやすい構成となる。また、外部表示装置の近傍に情報通信部を配置するように構成すれば、例えば外部表示装置近傍を情報通信可能な領域として構成しようとした場合、情報通信部の近傍が通信可能領域となるため、それほど大きくないレベルの情報伝達媒体であっても通信可能となり、赤外線、電磁波等の出力レベルを効果的に抑制できる構成となるので、出力回路構成の小型化、省エネルギー等に寄与する。また、必要以上にレベルを強くしなくて良いため、漏洩の抑制にもつながる。具体的には、前記外部表示装置の表示部表面と平行な面方向に関し、その表示部周縁近傍に情報通信部を配置するように構成できる。
手段3.前記情報通信部は、前記外部表示装置の表示部前方に向けて光、電波等の情報伝達媒体が出力される構成をなすことを特徴とする手段1又は手段2に記載の遊技機。
このように構成すれば、外部表示装置の画面前方に携帯通信端末を配置しさえすれば通信が可能となるため、通信位置の目印が極めて明確となる。
手段4.前記外部表示装置の周囲近傍に向けて光、電波等の情報伝達媒体が出力される構成をなすことを特徴とする手段1ないし手段3のいずれかに記載の遊技機。
このように構成すれば、情報通信を行う位置をわかりやすく構成しつつも、通信の際に、外部表示装置を隠さずに通信が行える構成となる。例えば、外部表示装置の周囲が携帯通信端末の好適な配置位置となるため、外部表示装置にて様々な情報を表示した場合に、それを携帯通信端末と対比させつつ確認できることとなる。
手段5.前記情報通信部は、外部表示装置の表示部表面と平行方向、又は略平行方向に光、電波等の情報伝達媒体を出力するように構成されることを特徴とする手段1ないし手段4のいずれかに記載の遊技機。
このように構成すれば、遊技者の後方側に情報伝達媒体が漏洩せず、情報を不正に取得されるようなことが効果的に防止できる。また、表示部表面と平行方向において幅広く通信可能領域を確保したい場合には都合のよい構成となる。
手段6.前記外部表示装置の表示部の周縁に隣接する位置、又はその周縁から所定距離隔てた位置において、前記表示部の表面よりも前方に突出する突出部を有すると共に、この突出部において、前記表示部の表面よりも前方の位置に前記情報通信部が配置されることを特徴とする手段1ないし手段5のいずれかに記載の遊技機。
このように構成すれば、情報通信部が、外部表示装置の表示部表面よりも前方側に位置する構成となり、外部表示装置の表示部表面の前方、又は外部表示装置の周縁近傍に赤外線、電磁波等の情報伝達媒体を出力できる好適構成となる。
手段7.前記突出部における側方位置において前記情報通信部が配置されると共に、その情報通信部に対し前記外部表示装置を挟んだ反対側において、その外部表示装置の表示部表面よりも前方に突出する壁部が形成されることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
このように構成すれば、情報通信部から出力される赤外線、電磁波等の情報伝達媒体の漏洩を、外部表示装置を挟んだ反対側の壁部にて遮断できることとなるため、情報漏洩を効果的に防止することができる。
手段8.前記突出部は、前記外部表示装置の上位置又は下位置若しくは上下双方の位置に設けられていることを特徴とする手段6又は手段7に記載の遊技機。
携帯通信端末はその側部を握って取り扱うような構成のもの(即ち、細長構成のもの)が多いため、携帯通信端末においてインターフェースを設ける位置は、携帯通信端末の上部や下部に設けることが望ましい。そして、上記構成によれば、このような配置をとる携帯通信端末を対象とした場合に、遊技機から出力される情報伝達媒体が上下方向又は略上下方向に出力されて、利用者の手などに遮断されることなく携帯通信端末の所定のインターフェースに届くこととなる。なお、本発明において、上方向とは鉛直上方向を指し、下方向とは鉛直下方向を意味する。
手段9.前記外部表示装置を間に介在させて上下一対又は左右一対の少なくともいずれかとして対向して配置された突出部を有し、その一対の突出部の少なくとも一方側に前記情報通信部が配置されることを特徴とする手段6ないし手段8のいずれかに記載の遊技機。
このように構成すれば、一対に配置される突出部の間に携帯通信端末を介在させれば通信が可能となるため、その配置位置が一層わかりやすくなる。また、一方側から出力される情報伝達媒体は、他方側の突出部において遮断されるため、情報漏洩が効果的に防止されることとなる。具体的には一対の突出部の双方に情報通信部を設けるようにしてもよく、いずれか一方のみに情報通信部を配置するようにしてもよい。
また、手段6ないし手段8のいずれかに記載のものにおいて、前記外部表示装置を環状に取り囲むように前記突出部を構成してもよい。このように構成すれば、外部表示装置の前方領域に効果的に情報伝達媒体を供給でき、かつ突出部が環状に形成されるため極めて外部に漏洩しにくい構成となる。
手段10.前記外部表示装置の前方に保護部材が設けられることを特徴とする手段1ないし手段9のいずれかに記載の遊技機。
遊技機では、興奮のあまり遊技機を叩いてしまうケースが多く、表示装置のような電子機器を外部に置こうとすると衝撃による装置破壊が懸念される。しかしながら、上記構成によれば外部表示装置の前方を効果的に保護することができる。具体的には外部表示装置の表示部の前方に保護部材を配置するように構成するとよい。また、外部表示装置と情報通信部の双方の前方に保護部材を設けるように構成してもよい。
さらに具体的には、手段10に記載のものにおいて、前記表示装置の表示画面前方に配置されてなる保護用透明板にて前記保護部材を構成することができる。このように構成すれば、表示画面を視認可能としつつも表示装置を効果的に保護することができる。また、万が一透明板に破損が生じたとしても、高価な表示装置を変更する異なく、安価な透明板の変更のみで対処でき、極めて有効な構成となる。
手段11.前記外部表示装置による表示と関連した報知を行う関連報知手段を備えたことを特徴とする手段1ないし手段10のいずれかに記載の遊技機。
上記のように構成すれば、仮に外部表示装置以外に遊技者の注意を引きつけるものがあったとしても、より一層外部表示装置に意識を集中させることができ、外部表示装置の表示に注目を集めることができる。特に、パチンコ機においては、遊技演出を行う図柄表示装置に注目が集中する可能性が高く、外部表示装置への注目が薄れることも懸念される。しかしながら、上記構成によれば、ほかの部位に集中する遊技者の注目を、報知により外部表示装置に引きつけることができるため、外部表示装置にて重要な情報を表示したい場合などにおいては特に効果的となる。
具体的には、手段11に記載のものにおいて、前記外部表示装置による表示と関連した報知として、前記関連報知手段により、前記外部表示装置による表示が開始されること、又は開始されたことを報知するようにすることができる。
また、手段11に記載のものにおいて、前記外部表示装置による表示と関連した報知として、前記外部表示装置による表示が特別な表示態様に変更されること、又は変更されたことの報知を前記関連報知手段により行うことができる。
手段12.前記関連報知手段は、音声出力手段を有してなることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
このように、表示が開始される際や、特別な表示態様に変更される際に所定の音声を発するように構成すれば、仮に図柄表示装置に集中していたとしても、遊技者は外部表示装置の状態変化に気付くこととなる。具体的には、手段12に記載のものにおいて、前記外部表示装置の近傍にスピーカを配置し、このスピーカにより前記外部表示装置に関連した報知音声(表示が開始される旨の報知音声、特別な表示に変更される旨の報知音声等)を発するように構成できる。
手段13.当該遊技機は遊技盤に図柄表示装置が配置されてなるパチンコ機として構成されるものであり、前記外部表示装置と前記図柄表示装置とが関連した表示を行うように構成される手段1ないし手段12のいずれかに記載の遊技機。 このような構成によれば、相乗的に演出効果を高めたり、或いは図柄表示装置にて外部表示装置に関する説明情報を表示するなど、様々な用途が考えられる。具体的には、図柄表示装置の表示を制御する図柄表示制御手段を設ける一方、外部表示装置における表示を制御する外部表示制御手段を設けるように構成できる。そして、少なくとも外部表示制御手段による制御により図柄表示装置における表示と、外部表示装置における表示とが関連するように制御を行うことができる。具体的には、メイン基板と電気的に接続されるサブ基板として表示制御基板を構成すると共にこの表示制御基板(具体的には基板に配置されるCPU)を図柄表示制御手段として機能させ、他方、外部表示装置の表示を制御する外部表示制御基板(具体的には基板に配置されるCPU)を外部表示制御手段として機能させて図柄表示制御手段と電気的に接続するようにして通信可能に構成すれば双方の連携した制御が可能となる。例えば、図柄表示装置にてある演出情報を表示するように図柄表示制御手段にて制御し、他方、外部表示手段によりその図柄表示装置にて表示される演出情報と関連した演出画像や説明画像(たとえば、図柄表示装置による演出と類似する画像や図柄表示装置による演出を説明する画像など)を表示するように外部表示制御基板にて制御するようにすればよい。また、タイミング的に連携させても良い。例えば、図柄表示装置にてある画像が現れるタイミングと同タイミング、あるいは関連した異なるタイミングで外部表示装置にてその図柄表示装置での画像と関連する画像を表示するように、図柄表示制御手段と外部表示制御手段により連携して制御するようにしてもよい。
また、手段13に記載のものを手段11又は手段12に適用して以下のように構成してもよい。
この場合、手段11又は手段12に記載のものにおいて、図柄表示装置を前記関連報知手段として構成し、この図柄表示手段による表示情報により前記外部表示装置と関連した報知(外部表示装置にて表示が開始される旨の報知や特定の表示がなされる旨の報知等)を行うようにしてもよい。この場合、遊技興趣を損なわない程度の報知情報とすると一層よい。
手段14.前記外部表示装置の近傍において、前記外部表示装置による表示と関連して変位する変位手段が設けられたことを特徴とする手段1ないし手段13のいずれかに記載の遊技機。
このように、外部表示装置の近傍に変位手段を配置するようにすれば、外部表示装置の近傍において動的変化に富む構成を実現でき、外部表示装置の有用性を一層高めることができる。
さらに、手段14に記載のものを手段11又は手段12に記載の遊技機に適用し、前記変位手段を備えた形にて関連報知手段を構成してもよい。
このように、変位手段を備えた形にて関連報知手段を構成して報知するようにすれば、仮に遊技者が図柄表示装置に集中していたとしても、変位手段の動きにより遊技者は外部表示装置に変化が生じたことを即座に察知することとなる。
手段15.前記変位手段は、前記外部表示装置の表示部の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽部材を有してなり、その遮蔽部材は、前記外部表示装置が所定の表示条件となった場合に、開放することを特徴とする手段14に記載の遊技機。
このようにすれば、遮蔽部材の開放が極めて目立つ構成となり、遊技者の注意を一層ひきつけることができ、かつ、演出性の向上にも寄与することとなる。具体的には、手段15に記載の遊技機において、前記遮蔽部材を、情報通信を行うときのみ開放するように構成できる。このようにすれば、情報通信を行うタイミングが極めて明確となり、かつ、他の部位への意識の集中を外部表示装置に向けることができる。
手段16.当該遊技機は、遊技盤に図柄表示装置が配置されてなるパチンコ機として構成されるものであり、
前記外部表示装置は、前記図柄表示装置による演出表示と並行して、遊技に関する演出情報以外の情報が表示されるように表示制御されることを特徴とする手段1ないし手段15のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、図柄表示装置による演出性を損なわず、その演出と並列して演出情報以外の情報を遊技者に伝達できる構成となり、外部表示装置を設けた意味合いが一層高まる。具体的には、「演出情報以外の情報」として、「情報通信に関する情報」や、「ホールの営業形態に関する情報」「各種広告情報」など様々な情報を表示するように構成できる。
なお、上記及び下記のいずれの手段に記載のものにおいても、外部表示装置にて情報通信に関する説明情報を表示するようにできるが、上記のように、手段16に記載のものにおいて、外部表示装置に情報通信に関する説明情報を表示するようにすると図柄表示装置にて演出性を高める一方、外部表示装置を独立して情報通信に用いることができるため、情報通信を行う上での構成上の利点が高い。なお、情報通信に関する説明情報(具体的には、遊技機と携帯通信端末との間の情報通信に関する説明)とは、情報通信に関連した何らかの説明情報であり、例えば、情報通信を行う上での、携帯通信端末や遊技機の操作に関する操作説明情報や情報通信部の位置を指し示す位置説明情報、通信状態に関する通信状態の説明情報、或いは、通信の準備状態に関する説明情報など、情報通信に関連した説明情報であれば、全てその説明情報の概念に含まれるものである。なお、前記説明情報としては、例えば文字情報、記号情報、図形情報のうちの1種、又は2種以上の情報の組合せにより構成することができ、文字情報として遊技者にわかり易く説明してもよく、矢印等の記号情報により直感的に判断できるような説明としてもよい。
また、上記の説明情報を外部表示装置にて表示するように外部表示制御手段により表示制御を行うように構成できる。情報通信に関する説明情報の画像(以下、情報通信部関連説明画像、又は単に説明画像ともいう)を表示する具体的方法としては、例えば、所定条件の成立(例えば、遊技機において通信すべき情報の蓄積がされているとの判断等)に基づいて、メイン基板やメイン基板とは別体に設けられた制御基板から表示制御を行う外部表示制御基板に対して信号(条件成立信号)を送信するようにする。この外部表示制御基板はCPUとROM等の記憶手段を備えた構成とでき、外部表示制御基板にてその信号を条件として上記のような情報通信部関連説明画像を表示(例えば外部表示制御基板に設けられたROMから説明画像のデータを読み出して説明画像を表示)するよう制御する構成とすることができる。この場合、外部表示制御基板のCPUとROMとが外部表示制御手段として機能することとなる。
手段17.当該遊技機はパチンコ機として構成されるものであり、前記外部表示装置は、前記透明板を保持し開閉可能に構成された透明板保持扉の後方に配置された部材に取付けられることを特徴とする手段1ないし手段16のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、各種回路基板や部品が多く集結する、透明板保持扉の後方の部材に情報通信部が取付けられる構成となるため、情報通信部と各種回路基板との電気的接続を行いやすい装置構成となり、電線やコネクタ、ネジ等の締結部材を効果的に削減できる装置構成となる。これ以外でも、透明板保持扉にそのような部品を取付けることが困難な場合には特に有効となる。より具体的には手段17に記載のものにおいて、外部表示装置の情報通信部の双方を前記透明板保持扉の後方に配置された部材に取付けることができる。又は、外部表示装置を前記透明板保持扉の後方に配置された部材に取付け、他方、情報通信部をそれとは異なる部材(例えば透明板保持扉等)に取付けてもよい。
さらに、手段17の遊技機において、前記透明板保持扉に開口部、切欠部等の露出部を形成し、この透明板保持扉の後方の部材に取付けられた外部表示装置をその露出部により前方に露出させるように構成できる。この場合、遊技盤における遊技領域以外の部分、或いは、透明板保持扉を保持する前枠などに情報通信部を結合手段(ネジ等の締結部材など)により取付けることができ、その取付け位置は、透明板の上下左右、斜め上方又は下方等、いずれの位置に配置してもよい。
手段18.前記外部表示装置は、前期透明板保持扉の後方において、前記透明板保持扉を保持する前枠に配置されることを特徴とする手段17に記載の遊技機。
このようにすれば、多くの回路基板が集結する前枠部に外部表示装置が配置されることとなり、電気的接続が行いやすく、コネクタ、電線などの部品数を削減できる好適構成となる。具体的には手段18に記載のものにおいて、外部表示装置と情報通信部の双方を前記前枠に配置することができる。又は、外部表示装置を前記前枠に配置し、情報通信部を別の部材(透明板保持扉)に配置するようにしてもよい。
手段19.前記外部表示装置は、前記透明板保持扉の後方において、遊技盤における遊技面の外部に取付けられることを特徴とする手段17又は手段18に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技盤において多くの回路基板が集結する遊技盤に情報通信部が取付けられて、電気的接続が行いやすく、コネクタ、電線などの部品数をを削減できる好適構成となり、さらに、遊技盤において装飾に関与しない部分を有効に利用できることとなる。
手段20.当該遊技機はパチンコ機として構成されるものであり、前記外部表示装置は、前記透明板を保持し開閉可能に構成された透明板保持扉に取付けられることを特徴とする手段1ないし手段16のいずれかに記載の遊技機。
このように構成すれば、開閉し易い透明板保持扉内に配置されるため、仮に故障等が生じたとしても容易にメンテナンスできる構成となる。なお、手段20に記載のものにおいて、外部表示装置と情報通信部の双方を透明板保持扉に取付けるように構成することができる。又は、外部表示装置を透明板保持扉に取付け、情報通信部をそれとは異なる部材(例えば、前枠等)に取付けるようにしてもよい。
また、手段17ないし手段20に記載のものにおいて、扉方形又は略方形形状をなすように透明板保持扉を構成し、この透明板保持扉の角部の近傍に前記外部表示装置が配置されるようにしてもよい。このように構成することにより、様々な部品が配置されるために装飾品等の遊技部品を配置しにくいパチンコ機前部のスペースを有効に利用することが可能となり、パチンコ機前部の効率的利用に寄与する。なお、この場合においても外部表示装置と情報通信部の双方を前記透明板保持扉の角部の近傍に配置するようにできる。又は、外部表示装置を前記透明板保持扉の角部の近傍に配置し、他方情報通信部をそれとは異なる位置に配置するようにしてもよい。
手段21.当該遊技機はパチンコ機として構成されるものであり、前記外部表示装置は、透明板を保持する透明板保持扉の外部において、その透明板保持扉が取付けられた前枠、又はその前枠の後方に配置された部材に取付けられることを特徴とする手段1ないし手段16のいずれかに記載の遊技機。
このように前枠、又は前枠の後方に配置された部材に情報通信部を配置するようにすると、透明板保持扉に外部表示装置の配置スペースを取りにくい構成のものであっても、パチンコ機の前部に配置することが可能となる。従って、例えば、透明板保持扉に、外部表示装置以外の部品を多く配置したり、透明板保持扉前面の装飾などの関係から透明板保持扉に外部表示装置を配置しにくい場合においては特に有効となる。この場合においても、外部表示装置と情報通信部の双方を前枠、又は前枠の後方に配置された部材に配置してもよく、外部表示装置のみを配置して情報通信部を別位置に配置するようにしてもよい。
なお、前枠の後方に配置された部材に情報通信部を取り付けた場合には、前枠に形成された開口部、切欠部等の露出部より情報通信部を前方に露出させることができる。また、情報通信部が取付けられる部材の前方に前枠及び透明板保持扉の双方が配置される形態とし、これら双方に形成された露出部により情報通信部を前方に露出させるように構成してもよい。
手段22.前記外部表示装置は、遊技球を収容する収容皿に取り付けられることを特徴とする手段1ないし手段21に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技をしている遊技者の視線がいきやすい収容皿に外部表示装置が配置されて、その外部表示装置への注目度が高まる構成となる。具体的には、外部表示装置を上皿部に取りつける形にて配置することができる。
手段23.前記外部表示装置は、当該遊技機における下部中央位置に配置されることを特徴とする手段1ないし手段22のいずれかに記載の遊技機。
このように遊技者からみて中央位置に外部表示装置を配置するように構成すれば、遊技者がその存在を気付きやすく、かつ利用しやすい構成となる。具体的には、複数の収容皿にて構成されるものにおいては、上皿部の下方に配置される下皿部に外部表示装置を取りつける構成とすることができる。また、収容皿が単一のもので構成される場合には、その収容皿の下方中央位置に外部表示装置を配置することができる。
手段24.当該遊技機はパチンコ機として構成されるものであり、前記情報通信部は、当該遊技機の左右方向において、発射ハンドルが配置される側とは反対側に配置されることを特徴とする手段1ないし手段23のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技球を発射する発射ハンドルを持つ側とは反対側に情報通信部が配置されるようになるため、遊技を続けつつ情報通信を行おうとした場合に、発射ハンドルを持ちつつその手とは逆の手にて通信操作が楽な姿勢で行えることとなり、遊技を中断せずとも通信を行うことができる好適構成となる。さらに述べると、例えば、当該パチンコ機を左右方向において中心部より二分割した場合に(具体的には、遊技機盤面(即ち遊技機の遊技盤面)と直交する縦方向の切断面により左右に二分した場合に)、一方側に発射ハンドルが配置され、他方側に情報通信部が配置されていれば上記手段に係る効果を達成できることとなる。具体的には例えば、遊技者から見て右側領域に発射ハンドルを配置し、左側領域に外部表示装置を配置するように構成できる。特に上記のように、図柄表示装置と独立した外部表示装置を設けるように構成した場合、遊技と並行して情報通信が行える好適構成であり、このような構成において、左側領域に配置するようにするとメリットが大きい。
手段25.当該遊技機は、複数の回胴部材を有してなるスロットマシンとして構成されるものであり、
前記回胴部材の表面が前記遊技面として構成されると共に、その遊技面の前方に前方板が配置されており、前記情報通信部は前記前方板の板面方向における外部領域に配置されることを特徴とする手段1ないし手段12のいずれかに記載の遊技機。
このようにすると、前方板の板面方向における内部領域に情報通信部が設けにくい構成のものにおいて有効となる。また、前方板を介して情報伝達媒体を出力しなくてもよく、媒体の出力レベルが低下することなく効果的に維持される構成となる。手段25に記載のものにおいて、具体的には外部表示装置と情報通信部の双方を前方板の外部領域に配置することができる。
手段26.前記スロットマシンにおいて、前記前方板における表示窓下方においてその前方板の表面よりさらに前方に突出してなる段差部が設けられており、その段差部の近傍に前記外部表示装置が配置されることを特徴とする手段25に記載の遊技機。
また手段26において、前記段差部を、前方板に隣接する上面部とその上面部の下方において遊技者側に面する前面部を有するように構成し、前記上面部に外部表示装置を設けるように構成できる。
手段27.前記情報通信部は、当該スロットマシンの筐体の側壁部内側に配置されることを特徴とする手段25又は手段26に記載の遊技機。
このように構成すれば、スロットマシンにおいて、外部表示装置近傍を情報通信可能領域とすることのできる好適な構成となり、かつスロットマシンの筐体を電波遮蔽に兼用することができる。
手段28.前記外部表示装置の近傍で、前記携帯通信端末との通信に関する入力操作可能に構成される操作部が設けられることを特徴とする手段1ないし手段27のいずれかに記載の遊技機。
このように構成すれば、携帯通信端末との通信に関連する情報の表示要求行うなど、遊技を中断せずとも通信に関する様々な行為が可能となる。
例えば、手段28に記載のものにおいて、操作部から入力される要求に基づいて、通信に関する情報を読み出すとともに、その読み出された情報を前記外部表示装置にて表示するように制御する外部表示制御手段を備えるように構成できる。遊技中に遊技を中断せずとも(即ち、図柄表示装置を用いずとも)、外部表示装置を用いて通信に関する様々な情報表示が可能となり、演出の中断が望まれないような構成のものにおいては極めて効果的となる。
手段29.前記外部表示装置と、前記情報通信部は、一体的なユニット部品として構成され、このユニット部品が前記遊技機に対して着脱可能に取付けられることを特徴とする手段1ないし手段28のいずれかに記載の遊技機。
このように構成すれば、外部表示装置と情報通信部との部品管理が行いやすくなり、かつ双方の配置スペースを効果的に削減することができる。
具体的には手段29のものにおいて、具体的には樹脂等の部品本体部の内部に外部表示装置と、情報通信部を共に配置して一体的なユニット部品として構成し、遊技機に取付けることができる。
手段30.前記情報通信部は、前記遊技面の下方、又は斜め下方に配置されることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
遊技面は遊技に最も関与する部分であるため、遊技者に見やすい位置に配置されるが、上記のように構成すれば遊技面をはずした領域としつつも、情報通信部を手の届きやすい位置に配置することが可能となる。
手段31.前記情報通信部は、当該遊技機内にて扱われた情報を、前記携帯通信端末によって受信可能な信号として送信する情報送信部を有することを特徴とする手段1ないし手段30に記載の遊技機。
このようにすれば、利用者は遊技機内にて扱われた情報を携帯通信端末にて容易に取得可能となって、その情報を様々な用途に活用できることとなるため、極めて有用性の高い構成となる。そして、遊技機からの情報を活用しようとする際に、多くの利用者が通信位置を即座に判断できて手軽に通信が行えるため、このような情報活用を行う斬新な遊技形態を多数の利用者に広く浸透し得る構成となる。
手段32.特定の遊技状態の発生又は進行を検出するための状態検出手段と、 その状態検出手段により検出された前記特定の遊技状態の発生又は進行を表す遊技情報を作成する情報作成手段とを備え、
この遊技情報を、前記遊技機内にて扱われた情報として前記情報送信部より送信することを特徴とする手段31に記載の遊技機。
このように、遊技機内において作成された遊技情報を情報送信部より携帯通信端末に送信するようにすれば、その遊技情報を様々な用途に利用できる好適構成となる。そして、このような遊技情報を携帯通信端末に送信して利用するようにすると、ユーザへの利益付与、マーケティング等の面において極めて有用な情報を利用できることとなるが、ユーザが情報送信部を探すことを嫌がったり、面倒なものと考えたりすると、折角の有用情報であっても、有効に利用できなくなってしまう可能性がある。即ち、情報送信部がわかりやすく、利用しやすい位置にないとその捜索や操作等が面倒となり、利用者離れを引き起こす可能性があり、特に新規の利用者については、その位置が直感的に判明しないと利用しにくい可能性もある。これに対し、上記構成によれば、このような携帯通信を用いた遊技方法が浸透しているような場合は勿論のこと、仮に一般に浸透していないとしても遊技者が注目する位置に情報通信部が配置されるため、その情報送信部の位置が直感的にわかることとなり、また、外部表示装置を利用して遊技者の理解をサポートすることも可能となる。従って、遊技がスムーズに進行することとなるため、利用者がストレスを感じることなく通信を行えて利用者増加を効果的に図ることができ、ひいては、遊技情報と利用者情報を用いた様々なビジネス形態を創出し得ることとなる。
手段33.前記情報通信部は、前記携帯通信端末から送信される情報を受信可能に構成される情報受信部を備えたことを特徴とする手段1ないし手段32のいずれかに記載の遊技機。
このように、情報受信部を外部表示装置、又はその近傍に配置するようにすれば、携帯通信端末から遊技機側に情報を送信する場合に、その携帯通信端末の配置すべき位置を容易に把握できる好適構成となり、携帯通信端末から遊技機へ情報入力を行うような斬新な構成のものにおいて、遊技者は戸惑うことなくスムーズに端末操作を行うことができる。なお、情報送信部及び情報受信部を同一のユニット内に配置(例えば、赤外線発光素子及び赤外線受光素子を隣接配置する構成や、同一チップに発光素子及び受光素子が組み込まれた赤外線受発光チップ等)し、そのユニットを双方向通信可能な情報送受信ユニットとして構成してもよい。このようにすれば、装置の小型化、設置スペースの削減に寄与することとなる。
また、手段33に記載のものにおいて、前記情報通信部にて受信した前記携帯通信端末からの情報に基づいて、当該遊技機の状態を変更する遊技機状態変更手段を備えるようにしてもよい。このようにすれば、遊技機の状態を遊技者の操作により変更できる構成となるため、遊技者の遊技への関与度合いが一層高まり、さらに、その遊技機状態を変更する際に、携帯通信端末からの情報が送られることとなるため、この情報を利用して様々な遊技機状態を創出することが可能となる。なお、遊技機状態の変更とは、遊技盤上での表示態様、動作態様の変更のみならず、遊技機の状態が変更されればどのようなものでもよい。例えば、遊技者に特別な利益を付与するような状態変更でもよく、遊技状態を変更しないやり方でもよい。例えば、利用者から送られるデータを、後に利用するため、単に遊技機内(RAM、不揮発性メモリ、若しくはその他の記憶装置等)に記憶するだけでもよい。
なお、前記遊技機状態変更手段として、遊技機内にて発生する遊技状態を変更する遊技状態変更手段を設けるように構成できる。これにより、携帯通信端末からの情報により遊技状態が変化することとなり、利用者は自らの操作により遊技状態の変更を行える構成となる。遊技状態の変更としては、例えば、キャラクター部の態様や図柄表示装置の表示態様を変更したり、或いは、通常の遊技状態から遊技者に特別な利益を付与した遊技状態に変更する等、様々な変更方法を用いることができる。例えば、携帯通信端末から何らかの情報が入力されることをトリガとして、キャラクター部に駆動信号を送信し(例えばCPUよりソレノイド部に向けて信号送信し)、その情報入力を受信したことを遊技者に知らしめるようにしてもよい。
手段34.前記情報通信部は、ブルートゥース通信が可能なブルートゥース通信用アンテナとして構成されるものである手段1ない手段33のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技機と携帯通信端末との間で無線通信を行う上での好適構成となり、スムーズに情報送信又は情報受信を行えることとなる。そして、ブルートゥース通信により、遊技機と携帯通信端末との間で有用な情報のやり取りを手軽に行えることとなる。このブルートゥース通信用アンテナとしては、例えば、チップアンテナを好適に使用できる。なお、上記いずれの手段に記載の遊技機においても、携帯通信端末と遊技機の通信仕様としてブルートゥースによるものを用いることができる。
また、上記1ないし手段34に記載の遊技機において、前記情報通信部の近傍に、前記携帯通信端末が接近したことを検出する接近検出手段が設けるようにしてもよい。このようにすれば、携帯通信端末が通信可能な位置にあるか否かが接近検出手段により判断でき、接近状態にある場合にのみ通信を行うようにすれば、遊技機側は不必要な送受信処理を行うことがなくなる。
さらには、前記接近検出手段により前記携帯通信端末の接近検出がなされることを条件として前記遊技機から前記遊技情報の送信を開始する送信開始手段を設けるようにしてもよい。このようにすれば、接近を検出して自動的に情報送信を開始するような構成とすることができると共に、遊技者による複雑な操作を省略でき、極めて使い易い構成となる。
本発明によれば、遊技者が情報の取得場所を認識しやすく、かつ情報送受信操作を行いやすい構成をなし、さらには、情報通信に関する情報などを、興趣をそぐことなく遊技者に提供し得る構成をなす遊技機を提供することができる。
以下、本発明の遊技機をパチンコ機において具体化した一実施の形態につき図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
本実施の形態のパチンコ機1は、遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられる。このパチンコ機1は、図1に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2に透明板保持扉としてのガラス扉枠3が取付けられている。ガラス扉枠3は、図3にも示すように、上下に設けられた縦軸のヒンジ部3cにより前枠2の上側領域において、その前枠2に開閉可能に支持されている。
また、図3にて示すように、ガラス等からなる透明板81が金属製の枠82に嵌め込まれて一体的な透明板ユニット80が構成され、この透明板ユニット80がこのガラス扉枠3の裏面にて取付けられる構成をなしている。
ここでは、枠82において外向きに突出して形成された取付部82aとガラス扉枠3の裏面側に形成された取付部3dが、ネジ等の締結部材83により結合されることにより、透明板81がガラス扉枠3に組み付けられている。
さらに、本実施形態の透明板81は複数のガラス板(ここでは2枚のガラス板)を有してなる複層ガラスとして構成されており、円形形状、又は楕円等の略円形状をなしている。一方、図1に示すように、ガラス扉枠3は前方より平面視した場合にその外形が方形又は略方形形状をなすように構成されており、パチンコ機1の前部において、透明板81の斜め下方のスペース(ここではガラス扉枠3の角部近傍)に後述する外部表示装置105を備えた通信ユニット30が配置されている。
図1,図3に示すガラス扉枠3の後方には、図2に示す遊技盤7が配置されている。遊技盤7は略円形の遊技領域を有し、その遊技領域には第1種始動口4、特別表示装置(以下、単に「表示装置」という)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球の通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。表示装置5は、例えば図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成できる。
図1に戻り、ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿(以下、上受皿ともいう)2bが装着されている。また、上受け皿2bより下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿(以下、下受皿ともいい、上受け皿と総称して収容皿ともいう)2aは、前記上受け皿2bに入りきらない賞球や、上受け皿2bから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球を発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか駆動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、表示装置枠40を有するとともに、その表示装置枠40に囲まれて配置される液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。
表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球の第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、倒えば、右図柄列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド(以下、単に「ソレノイド」という)15により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
図2に示すように、遊技盤7には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球の第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球のVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球の大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21が設けられている。制御装置21は読出し專用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。尚、より詳細には、本実施形態において制御装置21は、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板と、メイン基板からの信号によって各部を制御するための表示制御基板、音量調整基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板とから構成されており、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板からサブ基板への一方向のみとなっている。
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
また、CPUの出力ポートには、外部接続端子板16が接続されている。また、外部接続端子板16は、ホールコンピュータに接続されるホールコンピュータ用の出力端子16A〜Dと、通信ユニット30に接統される通信ユニット用の出力端子16a〜dとを備えている。
ここで、出力端子16A及び16aは、上述した高確率モード中であることを示す「確変中信号」を出力する。また、出力端子16B及び16bは、大当りの発生中であることを示す「大当り信号」を出力する。また、出力端子16C及び16cは、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)による大当りの発生中であることを示す「確変大当り信号」を出力する。また、出力端子16D及び16cは、球発射装置によって遊技球の発射が行われているか否かを示す「発射スイッチ信号」を出力する。
通信ユニット30は、上述したようにここではガラス扉枠3の端部近傍、具体的には方形状に形成されたガラス扉枠3の角部近傍において配置され、遊技者が所持する携帯通信端末としての携帯電話機200(図5,図6参照:後述)との間で赤外線通信を行うための装置として配置されている。本実施形態において、通信ユニット30は、報知手段としての報知ランプ31と、情報送信部としての赤外線発光部33と、赤外線受光部34とを備えており、これら赤外線発光部33及び赤外線受光部34が、例えばパチンコ機1の外部に露出した形態にて配置されて情報通信部として機能するように構成されている。さらに、この情報通信部と一体的に外部表示装置105が取付けられている。
図3では、ガラス扉枠3に露出部(具体的には開口部3e)が形成されており、このガラス扉枠3の後方の部材に取付けられた赤外線受発光部33,34と外部表示装置105とをその開口部3eを介して前方に露出させる構成をなしている。即ち、ガラス扉枠3が閉塞した状態では、通信ユニット30の前部が開口部3e内に嵌り込み、これにより赤外線受発光部33,34及び外部表示装置105が前方に露出することとなる。なお、図3は、前枠2の周縁部に通信ユニット30が取付けられており、取付手段としては、ネジ等の締結部材などによる結合手段を用いている。
また、通信ユニット30は、図4のブロック図に示すように、報知ランプ31と、赤外線発光部33と、赤外線受光部34と、インタフェース回路(I/F)35と、CPU36と、ROM37と、RAM38とを備え、さらに、外部表示装置105と、その外部表示装置105の表示制御を行う外部表示制御基板105aを備えて構成されている。
報知ランプ31は、ここでは通信ユニット30が遊技情報の送信が可能な状態となったことを遊技者に視覚的に報知するためのランプとして構成されている。報知ランプ31は、送信可能な遊技情報が有る場合に点灯し、無い場合には消灯されている。また、赤外線発光部33から遊技情報の送信が行われている問は報知ランプ31が点滅し、送信が終了すると消灯する。なお、この報知ランプ31を省略し、例えば外部表示装置105などで報知することも可能である。
情報送信部としての赤外線発光部33は透明板81の外部領域に配置され、携帯電話機200に対して遊技情報等を赤外線信号として送信するための発光デバイスとして構成される。この赤外線発光部33から照出される赤外線信号は指向性を有し、この赤外線信号が透明板81の外部領域において遊技盤7の盤面とほぼ直交する方向に出力されるように構成されている。
情報受信部としての赤外線受光部34は、情報送信部と同様に透明板81の外部領域に配置され、携帯電話機200から送信される赤外線信号を受信するための受光デバイスとして構成される。尚、赤外線信号は上述したように指向性を有しているため、携帯電話機200の赤外線受光部208及び赤外線発光部209を、通信ユニット30の赤外線発光部33及び赤外線受光部34に対向させることによって、パチンコ機1と携帯電話機200とが互いに通信相手として特定される。また、赤外線発光部33から前方(遊技者側)に向かって赤外線信号が出力されるため、隣接配置されるパチンコ機同士で赤外線信号が干渉することはない。
なお、本発明において、通信方式、赤外線発光部33や受光部34のハードウェア構成等については、例えばIrDA(InfraRed Data Association)により定められた通信規格によるものを利用することができ、本実施形態では、赤外線発光部及び受光部が単一のデバイスとして構成される例を示している。なお、以下において、赤外線発光部33及び赤外線受光部34を総称して赤外線受発光部33,34とも称するものとする。
インタフェース部35は、通信線を介して外部接続端子板16の通信ユニット用の出力端子16a〜dと接続され、各端子よりそれぞれ出力される「確変中信号」、「大当り信号」、「確変大当り信号」及び「発射スイッチ信号」をCPU36に入力する電子回路である。
CPU36は、通信ユニット30各部を制御するための制御装置であり、ROM37から制御プログラムを読み出して実行する。なお、このCPU36は、上記手段に示す、情報作成手段、通信状態情報生成手段、準備判断手段、送信準備判断手段、受信準備判断手段、記憶状態判断手段、パチンコ機状態変更手段、遊技状態変更手段、関連作動手段の要部として機能させることができるものである。
ROM37は、通信ユニット30各部を制御するための制御プログラムや各種のデータ等を記憶する読み出し専用の記憶媒体である。なお、このROM37は、上記手段に示す通信状態説明情報記憶手段、操作説明情報記憶手段などとして機能させることができるものである。
RAM38は、CPU36によって使用されるワーク領域、遊技状態記憶領域38a及び遊技情報送信用の送信バッファ38bを有する書き換え可能な記憶媒体である。なお、このRAM38は遊技情報記憶手段として機能する。
不揮発性メモリ39は、後述する遊技情報カウンタ39aを不揮発的に記憶するための書き込み可能な不揮発性の記憶媒体である。不揮発性メモリ39に記憶される遊技情報カウンタ39aの値は、パチンコ機1の電源遮断後も記憶保持される。
外部表示装置105及び外部表示制御基板105aは、遊技面90(図2では破線にて概念的に例示)の外部において各種表示を行うように構成されるものであり、本実施形態では情報通信部(本実施形態では赤外線受発光部33,34)と一体的にユニット本体部30aに組み込まれている。外部表示制御基板105aは、CPUやROM、RAM等の記憶手段を備えた構成とすることができ、通信ユニット30内に設けられたCPU36からの情報を取得できるように構成されている。なお、この外部表示制御基板105aは、図2の制御装置21より情報入力されるように構成することができる。そして、外部表示制御基板105aの記憶手段(ROM等)内に所定のプログラムや画像データを設けておき、CPU36からの要求や、所定のプログラムの実行に伴って各種画像を表示するようにできる。表示する画像は、情報通信に関連する説明情報でもよく、遊技に関する情報(演出情報等)でもよいが、説明情報を表示するようにすると、情報通信を行う際に、配置位置の近傍で説明情報が確認できるようになり、極めて有用な構成となる。
また、本実施形態においては、CPU36により表示装置5を制御可能に構成されている。具体的には、表示装置5の表示制御を行う表示制御基板5b(例えば、CPU、ROM、RAM等を備えてなる基板)にCPU36からの情報が入力可能に構成されており、この表示制御基板はCPU36からの入力情報に基づいて表示装置5の表示制御が行えるように構成されている。本実施形態においては、上述したメイン基板からの情報と、通信ユニット30からの情報の双方が表示制御基板に入力可能に構成されており、メイン基板と、通信ユニットの双方の情報に基づいて表示装置5の表示制御が行えるように構成することができる。なお、表示装置5や外部表示装置105の表示制御構成は上記のような構成に限定されず、表示制御可能であれば他の構成でもよい。例えば、表示制御基板5bと外部表示制御基板105aを同一の基板を兼用してもよい。CPUや記憶手段についても、表示制御基板5bと外部制御基板105aで兼用してもよい。これら表示制御基板5b、外部制御基板105aにより、表示装置5と外部表示装置105の表示を互いに関連するように表示制御することができる。
また、図1の例では、それら赤外線発光部33、赤外線受光部の34、及び報知ランプ31の近傍において、パチンコ機1と携帯電話機200との間の情報送信に関する操作を行うための操作部が設けられる。具体的には、この操作部はパチンコ機1に対して情報送信を要求する送信要求ボタン32として構成されており、この送信要求ボタン32が押下されることがトリガとなり、パチンコ機1から携帯電話機200に対して情報送信が開始される構成となっている。この送信要求ボタン32は、通信ユニット30に対して遊技情報の送信開始を要求するための押しボタンとして構成されており、パチンコ機1からの送信準備が整った状態、即ち上述した報知ランプ31点灯中にのみ押下が受け付けられ、他の状態で送信要求ボタン32を押下しても送信は開始されないようになっている。
そして、報知ランプ31点灯中に送信要求ボタン32を押下すると、報知ランプ31が点滅を開始すると共に、赤外線発光部33より赤外線信号による遊技情報の送信が開始されるようになっている。なお、ここでは操作部をボタン構成としているが、操作レバー、タッチパネル等、遊技者が外部より操作可能な構成であればよい。また、ここでは、情報送信のトリガ入力を行うために操作部を設けているが、情報送信に関連するための情報入力操作であれば他の用途にも適用できる。例えば、表示画面において、複数の項目を選択可能に表示し、その中から、上記操作部を操作させることによりいずれかを選ばせるように構成してもよい。その一例としては、例えば、パチンコ機からの情報送信を要求するのか、或いは情報通信に関する説明情報(例えば操作説明等)を要求するのかを遊技者に選ばせるようにし、選択操作に対応する処理を実行するようにしてもよい。
さらに、図1に示される通信ユニット30において、情報通信部及びその関連部分の具体的構成を図22に示しており、図示されるように通信ユニット30は、情報通信部、即ち赤外線発光部33及び赤外線受光部34が、これらを保持するユニット本体部30aに組み込まれる形態にて設けられており、このユニット本体部30aがパチンコ機1に対して着脱可能となるように構成されている。ここでは、報知ランプ31は、LED等の発光部31aとその前方に配置された透光性を有する透光板31bを備えて構成されており、発光部31aのリードが基板46に固定されている。他方、単一のチップにて構成される赤外線受発光部33,34のリードが基板46に固定されており、この基板46の後方にてこれら発光部31a及び赤外線受発光部33,34と導通する電線部49が、コネクタ部47を介して接続されている。図22の例では、赤外線受発光部33,34の前方に上述の保護用透明板107が配置されており、ここでは保護用透明板107は送信要求ボタン32の前方が開口している。
さらに、図1及び図22の例では、赤外線受発光部33,34、及び報知ランプ31に加え、送信要求ボタン32がユニット本体部30aに組み込まれており、この送信要求ボタン32と外部接続端子板16を電気的に接続するための電線部32aがコネクタ部32bを介して接続されている。また、図22において、図示は省略しているが、電線部32a及び電線部49は、ユニット本体部30aの側方より取り出され図4にて概念的に例示される回路基板30c(図3、図22では図示略)に向けて延び、この回路基板30cとユニット本体部30aにて保持されるそれぞれの部品とが電気的に接続されている。そして、このように赤外線受発光部33,34、報知ランプ31,及び送信要求ボタン32が組み込まれたユニット本体部30aが、図3に示すようにガラス扉枠3に対してネジ等の締結部材30bにより着脱可能に取付けられ、これにより、通信ユニット30の一部又は全部を取り外しでき、交換等も容易に行えるようになっている。なお、ここに示す構成はあくまで一例であり、これら部品の組付け形態、通信ユニット30の取付け形態は様々な構成とすることができる。
さらに述べると、図22に示すように情報通信部の先端、即ち、赤外線発光部33及び赤外線受光部34の先端が、パチンコ機の前方先端縁より所定距離後方に入り込んだ位置となるように、パチンコ機1の内部に配置される。具体的には、赤外線受発光部33,34は、当該パチンコ機1の後方側に延びる形態にて当該パチンコ機1の前部に設けられた穴(ここではユニット本体部30aに形成された収容穴48)の内部に配置されており、その赤外線受発光部33,34の先端が、収容穴48の前方に設けられた開口部48aよりも所定距離後方側に入り込んだ位置に配置されている。
なお、図4のブロック図において概念的に示すようにインターフェース部35、CPU36、ROM37、RAM38、不揮発性メモリ39を備えて回路基板30cが構成されている。本実施形態において、この回路基板30cはユニット本体部30aに取付けられる形態にて配置されている。
また、図1の例では通信ユニット30の前方において、外部表示装置105や情報通信部を保護する保護部材として保護用透明板107が設けられている。この保護用透明板107は、例えば、樹脂部材やガラス部材を用いることができ、外部表示装置105や情報通信部に対する外部からの衝撃を効果的に保護している。また、このような保護用透明板107を設けない構成としても勿論よい。
また図22(a)の例では、赤外線受発光部33,34の前方に保護部材95が配置された構成を示しており、図22(b)では、情報通信部として通信アンテナたるチップアンテナ71を用い、そのチップアンテナ71の前方に保護部材が設けられた構成について例示している。この保護部材95は、情報通信部から出力される赤外光、電波等の情報伝達媒体を、情報通信部の前方位置においてこの保護部材95を通過させた場合に、その通過による情報伝達媒体のレベルの低下が、透明板において前後方向に情報伝達媒体を透過させた場合におけるその透過によるレベルの低下よりも小さくなるように構成されることが望ましい。即ち、保護部材95における後方端縁の媒体のレベルと、前方端縁における媒体のレベルの差が、透明板81を前後方向(即ち厚さ方向)に透過させた場合における媒体の低下よりも小さくなるよう構成するとよい。
図22(a)のように情報伝達用の媒体として赤外光等の光媒体が用いられた場合、情報通信部(ここでは赤外光受発光部33,34)の前方において保護部材95を横切るように通過させた場合において(ここでは、位置Pから位置Qに向かって横切るように構成される)、その通過による光量の低下が、透明板81において前後方向に光媒体を透過させた場合におけるその透過による光量の低下(即ち、透過直前における光量と透過直後の光量の差)よりも、小さくなるように構成されている。
具体的には、保護部材95の厚さを透明板の厚さより小とするように構成してもよく、保護部材95の材質を透明板の材質より透光性の高いものとすることもできる。図30では、保護部材95の形状についていくつか例示しており、図23(a)のように情報通信部前方を実質的に隙間なくカバーした場合には、上記のように、透明板81よりも薄厚のもの、或いは透明板81よりも透光性の高い材質を用いるとよい。また、透明板23が複層ガラスの場合には、単層の樹脂部材等を用いてもよい。
さらに、図23(b)や(c)に示すように、情報通信部の前方をカバーしつつ一部に隙間が設けられるように保護部材95を構成してもよい。図23(b)では、保護部材95を介してその内部を前方から平面視した場合に、隙間部95aより赤外光発光部33及び赤外光受光部34が露出する構成をなしている。図23(c)では、複数の隙間部95bを備えた構成にて保護部材95が格子状に形成されている。このように保護部材95を構成することにより情報通信部への直接の衝撃を防止しつつ媒体レベルの低下が少ない好適構成を実現されることとなる。なお、ここに示す形状についてはあくまで一例であり、情報通信部が保護可能であり、かつ媒体レベル(ここでは光量)が低下しにくい構成であれば様々な構成を採用できる。なお、図23のような保護部材は、図1に示すような保護用透明板107を用いないような場合に効果的となるが、保護用透明板107を用いる場合であっても適用できる。
次に、パチンコ機1の通信ユニット30との間で赤外線通信が行われる携帯電話機200の構成について、図5及び図6を参照しつつ説明する。携帯電話機200は、図5の正面図に示すように、ケース202、キー操作部204、液晶パネル(表示部)206、赤外線受光部208、及び赤外線発光部209から構成されている。キー操作部204は、ケース202の正面ケース部203に配設されたもので、十字キー、電源キー、ファンクションキー、オンフックキー(開始キー)、クリアキー、及び文字・数字キー(テンキー)等から構成されている。液晶パネル206は、ケース202に形成された開口部202aの内側に配置されている。赤外線受光部208は、赤外線発光部209とともに、ケース202の上部202bに配置されている。
次に、携帯電話機200の電気回路構成につき図6のブロック図を参照して説明する。携帯電話機200は、液晶パネル206、赤外線受光部208、及び赤外線発光部209に加えて、無線部210、音声回路212、レシーバー214、マイク216、送受信アンテナ218、不揮発性メモリ220、制御部(マイクロコンピュータ)222及び二次電池224を有する。無線部210は、制御部222により制御されて、送受信アンテナ218を通して電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声回路212は、無線部210から制御部222を通して出力された受信信号をレシーバー214に出力するとともに、マイク216から出力された音声信号を送信信号として制御部222を通して無線部210に出力する。
レシーバー214は、音声回路212から出力された受信信号を受信音声に変換して出力し、マイク216は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声回路212に出力する。不揮発性メモリ220は、各種データや、各種のプログラムを不揮発的に記憶する。尚、通信ユニット30から遊技情報の受信を行うための遊技情報受信用プログラムは、例えば、パチンコ機メーカ等によって運営されるインターネット・ホームページ等からダウンロードして、不揮発性メモリ220に記憶される。二次電池224は、各回路に電力を供給する。制御部222は、CPU,ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータ等から構成されたもので、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インターネット処理を行う。
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。図7乃至図10のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球の入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球の入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図7の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球の第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図9のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、前記ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
前記のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図7のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、前記ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
続いて、図8のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球のVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax個よりも多くの遊技球が入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値がRmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図7のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球がVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球が大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球のVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
図10の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを出力端子16A及び16aに出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
一方、前記ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを出力端子16A及び16aに出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、遊技球が第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球がVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これに対し、前記期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。
次に、通信ユニット30における遊技状態記憶処理ルーチンについて、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、本ルーチンは、通信ユニット30により、所定周期(例えば、1〜2msec毎)で繰り返し呼び出されて実行されるものである。また、電源投入時の初期化処理において、RAM38内の遊技状態記憶領域38の先頭アドレスがポインタAPに設定されると共に、確変連続回数カウンタLに初期値として「0」が設定される。
最初に、ステップS300において、I/F回路35より、「確変中信号」、「大当り信号」及び「確変大当り信号」の各信号状態をそれぞれ読み込む。続いて、ステップS310において、「大当り信号」がOFFからONに変化したか否かを判定する。「大当り信号」がOFFからONに変化したと判定された場合は(ステップS310:Yes)、ステップS320において、「確変大当り信号」がOFFからONに変化したか否かを判定する。「確変大当り信号」がOFFからONに変化したと判定された場合は(S320:Yes)、ステップS330において、確変大当りの発生を表す遊技状態コード”B00”を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ記憶する。続いて、ステップS340において、確変連続回数カウンタLをインクリメントし、さらに、ステップS400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリターンする。
ステップS320において、「確変大当り信号」がOFFからONに変化しなかったと判定された場合(S320:No)、ステップS350において、通常大当りの発生を表す遊技状態コード”A00”を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ記憶する、。続いて、ステップS360において、「確変中信号」がON状態であるか否かを判定する。「確変中信号」がON状態である場合は(S360:Yes)、ステップS340において、確変連続回数カウンタLをインクリメントする。そして、ステップS400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリターンする。
ステップS310において、「大当り信号」がOFFからONに変化しなかったと判定された場合は(S310:No)、ステップS370において、「確変中信号」がONからOFFへ変化したか否かを判定する。「確変中信号」がONからOFFに変化したと判定された場合(S370:Yes)、ステップS380において、確率変動遊技の連続回数(以下、確変連続回数)を表す遊技状態コード”C00”に確変連続回数カウンタLの値を加算した結果を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ記憶する。そして、ステップS390において、確変連続回数カウンタLに初期値「0」を設定し、ステップS400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリターンする。一方、ステップS370において、「確変中信号」がONからOFFに変化しなかったと判定された場合は(S370:No)、本ルーチンの処理を終了してリターンする。
尚、出力端子16a〜d、ステップS300,S310,S320及びS370が、本発明の状態検出手段として機能するものである。また、「通常大当りの発生」、「確変大当りの発生」、及び「確率変動遊技の連続」が、本発明における「特定の遊技状態の発生」に相当するものである。
ここで、「確変中信号」、「大当り信号」及び「確変大当り信号」の具体的な出力例に基づいて、遊技状態記憶領域38aへどのように遊技状態データが記憶されるかについて図12及び図13を参照しつつ説明する。尚、図12は、「確変中信号」、「大当り信号」及び「確変大当り信号」の一出力例を時系列的に示すチャートであって、確変大当りの発生によって確率変動モードに入り、続いて、通常大当り、確変大当り、通常大当りが順に発生し、さらに通常大当りが発生することによって確率変動モードが終了する例を示している。この場合、確変連続回数は5回となる。また、図13は、遊技状態記憶領域38aのおける記憶例を模式的に示す図である。尚、これらの途中で遊技情報の送信は行われていないものとする。
まず、大当り信号[1]がONになった時、確変大当り信号[1]もONになっているので、「確変大当り発生」を表す遊技状態コード”B00”を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域38aの1番目の記憶領域へ記憶し(ステップS330)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて1となる(S340)(図13(a)参照)。
次に、大当り信号[2]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード”A00”を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域38aの2番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信号[1]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて2となる(ステップS340)(図13(b)参照)。
次に、大当り信号[3]がONになった時、確変大当り信号[2]もONになっているので、「確変大当り発生」を表す遊技状態コード”B00”を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域38aの3番目の記憶領域へ記憶し(ステップS330)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて2となる(S340)(図13(c)参照)。
次に、大当り信号[4]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード”A00”を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域の4番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信号[1]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて4となる(ステップS340)(図13(d)参照)。
次に、大当り信号[5]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード”A00”を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域の5番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信号[1]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタLがインクリメントされて5となる(S340)(図13(e)参照)。
次に、「確変中信号[1]」がOFFになると、「確変連続回数」を表す遊技状態コード”C00”に確変連続回数カウンタLの値「5」を加算した結果”C05”を、ポインタAPが示す遊技状態記憶領域の6番目の記憶領域へ記憶する(ステップS380)。また、確変連続回数カウンタLには初期値「0」が設定される(ステップS390)(図13(f)参照)。
次に、通信ユニット30から携帯電話機200への遊技情報送信処理について、図14に示す遊技情報送信メインルーチンのフローチャート及び図15の遊技情報作成・送信処理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。尚、遊技情報送信メインルーチン及び遊技情報作成・送信処理ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がROM37よりこれらのルーチンを読み出して実行する。
最初に、ステップS410において、遊技状態記憶領域38aに遊技状態データが記憶されているか否かを判定する。遊技状態データが記憶されていない(すなわち、送信すべき情報がない)と判定された場合(ステップS410:No)、本ルーチンの処理を終了してリターンする。遊技状態データが記憶されていると判定された場合は(ステップS410:Yes)、ステップS420において、報知ランプ31を点灯する。なお、このステップS410及びCPU36が送信準備判断手段、記憶状態判断手段として機能することとなる。
一方、遊技者は、報知ランプ31の点灯によりパチンコ機1に送信可能な遊技情報が蓄積されていることを知ると、携帯電話機200を取り出し、ボタン204を操作することにより遊技情報受信用プログラムを起動する。すると、携帯電話機200の液晶パネル206には、図18(a)に示すように、「情報の受信準備が整いました。送信要求ボタンを押してください。」とのメッセージが表示される。そして、図23に示すように、遊技者(ここでは遊技者400)は携帯電話機200の赤外線受光部208及び赤外線発光部209を、通信ユニット30の赤外線発光部33及び赤外線受光部34に対向させ且つ接近させる。
続いて、ステップS430において、送信要求ボタン32が押下されたか否かが判定される。送信要求ボタン32が押下された場合は(ステップS430:Yes)、ステップS440において、コネクト信号を送信し、S450において、リターン信号を受信する。これにより、通信ユニット30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態となる。続いて、S460において、報知ランプ32の点滅を開始する。そして、ステップS470において、図15に示す遊技情報作成・送信処理ルーチンを呼び出す。
遊技情報作成・送信処理ルーチンでは、ステップS471において、ポインタBPに遊技状態記憶領域38aの先頭アドレスを設定する。続いて、ステップS472において、当該パチンコ機1を他と識別するパチンコ機識別情報としての遊技機ID(パチンコ機ID)が、RAM38上の送信バッファ38bの1番目の格納領域に格納される。ここで、図16(a)は、遊技情報送信用の送信バッファ38bのフォーマットを、同図(b)は遊技情報の格納例をそれぞれ示している。続いて、ステップS473において、不揮発性メモリ39より遊技情報カウンタ39aの値を読み出して送信バッファの2番目の領域に格納する。更に、ステップS474において、遊技状態記憶領域38aにおけるポインタBPが示すアドレスより、状態識別情報としての遊技状態データを読み出して、送信バッファ38bの3番目の領域に格納する。つまり、遊技情報は、”遊技機ID+遊技情報カウンタ値+遊技状態データ”というデータ構造を有する。そして、ステップS475において、送信バッファ38bに格納された遊技情報を赤外線発光部33より赤外線信号として送信する。続いて、ステップS476において、赤外線受光部34にて携帯電話機200より確認信号を受信し、ステップS477において、不揮発性メモリ39の遊技情報カウンタの値をカウントアップするとともに、ステップS478において、ポインタBPの値を更新する。次に、ステップS479において、遊技状態記憶領域38aに記憶されたすべての遊技状態データについて遊技情報の送信が終了したか否かを判定し、終了していない場合は(ステップS479:No)、ステップS472へ戻り、終了した場合は(ステップS479:Yes)、ステップS480において送信終了信号を送信し、本ルーチンの処理を終了してメインルーチンヘリターンする。
一方、通信ユニット30から遊技情報が送信されている間、携帯電話機200の液晶パネル206には、図18(b)に示すように、「情報を受信しています」とのメッセージが表示される。尚、上記説明より明らかなように、遊技状態記憶領域38aに複数の遊技状態データが記憶蓄積されている場合は、複数の遊技情報が連続して送信されるため、一回の受信操作で複数の遊技情報を一括して受信することができる。また、通信ユニット30からの遊技情報の送信が終了して送信終了信号を受信すると(ステップS480)、携帯電話機200の液晶パネル206には、図18(c)に示すように、「情報の受信が完了しました」とのメッセージが表示され、遊技情報受信プログラムの実行を終了する。
尚、ステップS472〜S474が、本発明の情報作成手段として機能するものであり、遊技情報カウンタ39aの値が「特定の遊技状態の発生毎に設定される固有情報」に相当するものである。また、赤外線信号が、本発明の「携帯通信端末によって受信可能な信号」に相当するものである。
遊技情報送信メインルーチン(図14)にリターンすると、ステップS480において、報知ランプ31を消灯し、ステップS490において、遊技状態記憶領域38a及び送信バッファの記憶内容を消去して、本ルーチンの処理を終する。
一方、ステップS430において、送信要求ボタン32が押下されなかったと判定された場合(ステップS430:No)、ステップS500において、大当り遊技状態の終了か否かが判定される。尚、大当り遊技状態の終了とは、大当りの発生に伴って大入賞口6の開閉が繰り返される一連のサイクルが終了した直後であることを意味する。大当り遊技状態の終了と判定された場合(ステップS500:Yes)、遊技者に遊技情報の読み取り操作を行わせるためのメッセージを外部表示装置5の画面105bに表示させる。図17(a)は、この場合における画面105bのメッセージ表示例を示している。つまり、未受信の遊技情報が、大当り遊技状態終了直後においても残存している場合には、画面105bのメッセージ表示によって遊技者に遊技情報の受信操作を促し、未受信のまま放置されて他の遊技者によって遊技情報が不正に受信されることを防止するのである。また、このメッセージにおいては、「・・・携帯電話を近づけてください」といった、操作上の説明情報をも併せて表示しており、それ以外にも有益な操作説明情報(例えば、「携帯電話機の○○ボタンを押してください」「○○ソフトを起動して情報通信を行ってください」等)を表示するようにできる。ここでは、携帯電話を近づけるべき情報通信部(赤外線受発光部33,34)の位置を指示するように矢印が表示されており、外部表示装置105、操作説明情報、及びこれらを関連させて処理するCPU36が位置指示手段として機能している。なお、このメッセージは記憶手段(例えばROM37)内に画像情報として記憶しておくことができる。この場合、ROM37が操作説明情報記憶手段として機能する。
大当り遊技状態の終了直後でないと判定された場合は(ステップS500:No)、ステップS510におけるメッセージ表示は行わない。次に、ステップS520において、発射スイッチ信号がオフであるか否かが判定される。ここで、発射スイッチ信号は、出力端子16dより出力される。発射スイッチ信号がオンである場合(ステップS520:No)、ステップS430へ戻る。
発射スイッチ信号がオフである場合(ステップS520:Yes)、ステップS530において、通信ユニット30に蓄積された情報が消去される旨の警告メッセージを表示装置105の画面105bに表示させる。図17(b)は、この場合における画面105bのメッセージ表示例を示している。つまり、発射スイッチ信号がオフされた場合は、遊技者が当該パチンコ機1における遊技を中止した場合であるが、この時点においても未受信の遊技情報が残存している場合には、蓄積された情報がまもなく消去される旨を警告すると共に、遊技情報を受信するための最終的な機会を遊技者に提供するものである。なお、この場合においても図17(a)と同様の操作説明情報を併せて表示するようにしている。ステップS540において、送信要求ボタン32が押下されたか否かが判定され、押下された場合(ステップS540:Yes)、ステップS440以降を実行する。一方、送信要求ボタン32が押下されなかった場合(ステップS540:No)、ステップS550において、所定時間(例えば、3分間)経過したか否かが判定される。所定時間経過していない場合は(ステップS550)、ステップS540に戻って再び送信要求ボタン32の押下を判定し、所定時間経過した場合は(ステップS550:Yes)、報知ランプ31の消灯(ステップS480)及び遊技状態記憶領域38aの記憶内容の消去等を行い(ステップS490)、本ルーチンの処理を終了する。つまり、遊技球の発射を停止してから所定時間(例えば、3分間)経過した後は、遊技状態記憶領域38aの記憶内容(すなわち、蓄積された遊技状態データ)が消去されるため、遊技情報として送信することが不可能となる。従って、当該パチンコ機1の遊技者が遊技を終了して席を離れた場合等に、当該遊技者以外の者によって不正に遊技情報の受信が行われる危険性を低減することができる。
上述した遊技情報送信メインルーチンにおいて送信された遊技情報は、携帯電話機200によって受信されると、遊技機ID、遊技情報カウンタ値及び遊技状態データからなる遊技情報が、携帯電話機200に内蔵されたメモリ220に順次、記憶蓄積される。尚、図19は、携帯電話機200のメモリ220における遊技情報の記憶例を示すものである。
ここで、携帯電話機200に記憶された遊技情報は、個々の遊技状態の発生を識別可能に表している。すなわち、遊技機IDによって、全国の遊技店に設置された多数のパチンコ機の中で、どのパチンコ機における遊技情報であるかが識別される。さらに、遊技情報カウンタ値によって、当該パチンコ機1において何回目に出力された遊技情報であるかが識別される。上述したように、カウンタ値は遊技情報の送信毎にカウントアップされるので、同一の値が存在することはない。従って、”遊技機ID+遊技情報カウンタ値”のデータの並びはそれぞれ固有のものであって、同じデータが2つ存在することがないため、各パチンコ機における個々の遊技状態の発生を確実に識別することができる。さらに、遊技情報は、発生した遊技状態を識別するための遊技状態データを含んでいるので、どのような種類の遊技状態が発生したかを識別することが可能である。
以上詳述したことから明らかなように、本実施の形態によれば、遊技者は、自己が所持する携帯電話機200を用いて、パチンコ機1から遊技情報を受信することにより、当該パチンコ機1における遊技結果に関する情報を簡単に取得することができる。また、パチンコ機1から送信される遊技情報は、特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表している。すなわち、遊技情報がパチンコ機を識別するためのパチンコ機識別情報としての遊技機ID(パチンコ機ID)を含んでいるので、各地の遊技ホールに設置されたどの遊技機における遊技情報であるかを確実に識別することができる。さらに、遊技情報が特定の遊技状態の発生毎に設定される固有情報としての遊技情報カウン夕値を含んでいるので、別の日或いは時間帯に同一或いは異なる遊技者が受信した遊技情報と確実に識別することができる。
そして、携帯電話機200にて受信した特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表す遊技情報を利用して、遊技者に対して多様なサービスの提供が実現可能となる。
例えば、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数等の遊技成績に関して、全国レベルでのランキングを実施することが考えられる。すなわち、パチンコ機メーカに、遊技情報集計用コンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホールに設置されたパチンコ機の通信ユニットより自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を取り込む。その後、遊技者は、携帯通信端末よりパチンコ機メーカへ遊技情報及び遊技者の識別情報(遊技者名や会員番号等)を電子メールとして送信する。パチンコ機メーカの遊技情報集計用コンピュータは、遊技情報受信履歴を参照し、過去に受信済みの遊技情報と同一情報が重複して送信されたものであるか否かをチェックする。このとき、遊技情報は、上述したとおり遊技情報毎にそれぞれ固有であるため、上記チェックを確実に行うことができる。
そして、受信した遊技情報が新規な遊技情報である場合、遊技情報集計用コンピュータは、受信した遊技情報を集計して、通常大当り回数、確変大当り回数及び確変連続回数のそれぞれについてランキングを作成し、例えば、上位10番目までの遊技者名や遊技店情報と共に自社のインターネットホームページ等ヘランキング結果を掲載する。
これにより、遊技者は、ホームページに自分の成績や名前が掲載されることを励みにして、パチンコ機における遊技をより一層楽しむことができる。また、遊技ホールで遊技を楽しもうと考えている一般の人々は、ホームページに掲載されたランキング結果を参照して遊技店を選ぶ際の参考にすることができる。さらに、パチンコ機メーカは、大規模で高価なネットワーク設備を新たに構築することなく、遊技者が所持する携帯通信端末を利用して全国から遊技情報を収集し、マーケティング活動を展開する際の重要な情報源とすることが可能となる。
また、遊技成績に応じて、サービスポイントを付与するサービスを実施することが考えられる。遊技ホールがサービスポイントの付与を実施する場合には、例えば、遊技ホールのフロントに赤外線通信装置が接続されたコンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホールに設置されたパチンコ機の通信ユニットより自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を取り込む。その後、遊技者は、携帯通信端末の赤外線発光部よりフロントの赤外線通信装置へ遊技情報を送信する。フロントのコンピュータは、赤外線通信装置において受信した遊技情報に基づいて、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数を求め、それぞれの成績に応じて遊技者のサービスポイントを算出する。そして、遊技者は、サービスポイントの点数に応じて、遊技ホールより景品等を受け取ることができる。従って、遊技者は、従来の賞球数に応じた景品交換とは別の機会において景品等の獲得が可能となり、遊技に対する意欲をより一層向上させることができる。
或いは、パチンコ機メーカがサービスポイントの付与を実施する場合には、例えば、パチンコ機メーカに、遊技者(会員)毎のサービスポイントを記憶管理するサービスポイント管理用コンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホールに設置されたパチンコ機の通信ユニットより自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を取り込む。その後、遊技者は、携椿通信端末よりパチンコ機メーカヘ遊技情報及び遊技者の識別情報(遊技者名や会員番号等)を電子メールとして送信する。サービスポイント管理用コンピュータは、受信した遊技情報に基づいて、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数を求め、それぞれの成績に応じて算出したサービスポイントを、当該遊技一者が過去に蓄積したサービスポイントに加算する。サービスポイントがー定の点数に到達した場合には、パチンコ機メーカから、当該遊技者に対して景品等が贈られる。従って、遊技者は、従来の遊技ホールにおける賞球数に応じた景品交換とは別の機会において、パチンコ機メーカーからも景品等の獲得が可能となり、遊技に対する意欲をより一層向上させることができる。
<第2実施形態>
なお、上記第1実施形態では、透明板保持扉(即ちガラス扉枠3)の後方に配置された前枠2の周縁部に通信ユニット30が取付けられる例を示したが、第2実施形態ではこれ以外の構成例について示している。図24では、ガラス扉枠3の裏面に情報通信部と外部表示装置を備えてなる通信ユニット30が取付けられた構成を示している。図24の例では、図3の構成と同様にガラス扉枠3において開口部(図示略)が形成され、その開口部を介して外部表示装置および情報通信部が前方から視認できるように、第1実施形態とほぼ同様の構成をなす通信ユニット30が、ネジ等の締結部材30dによりガラス扉枠3の裏面に取付けられている。
なお、図3や図24に示す構成はあくまで好適例であり、遊技面90の外部であればその配置位置に限定されないことは勿論である。たとえば、ガラス扉枠3内における透明板81の上下左右、斜め上方又は下方いずれでもよく、遊技盤7における遊技面90の上下左右、斜め上方または下方いずれでもよい。これらいずれの場合においても、着脱可能としてもよく、着脱不能(例えば一体的に固定等)してもよい。例えば、図24の破線部A,Bに示すように、遊技面95の斜め下方位置において、遊技盤7における遊技領域の外部などに配置するようにしてもよい。或いは破線部Cに示すように、ガラス扉枠3の外部領域において、そのガラス扉枠3が取付けられた前枠2、又はその前枠2の後方に配置された部材などに取付けるようにしてもよい。破線部Cでは、発射ハンドル17の近傍に通信ユニット30を配置するように構成したが、下皿部2aの内部又は近傍、或いは上皿部2bの内部又は近傍などに配置するように構成してもよい。
さらに、図31は、 外部表示装置105が遊技球を収容する収容皿(下皿部2a、上皿部2b等)に取り付けられる例を示している。図31において外部表示装置105は、上皿部2bに一体的に組み込まれており、上皿部2bにおける前方端縁部に配置されている。また、図32に示す外部表示装置105は、遊技機1における下部中央位置に配置されるものである。この下部中央位置は、図31に示すような例では、上皿部2bの下に配置される下皿部2aとすることができ、図32のように、収容皿が1つのみの場合には、その収容皿(ここでは上皿部2b)の下方のスペースに外部表示装置105及び情報通信部を配置するように構成できる。
<第3実施形態>
なお、上記第1及び第2実施形態では、遊技者が送信要求ボタン32を押下することにより情報送信するような構成としたが、このようなボタンを設けずに情報送信を行うようにしてもよい。即ち、上記実施例では、図14のフローチャートのステップS430に示されるように、送信要求ボタン32が押下されたか否かを判断するようにしており、送信要求ボタン32が押下された場合に、ステップS440において、コネクト信号を送信するようにしていたが、別の条件により送信が開始されるようにしてもよい。
例えば、送信要求ボタン32に代えて、携帯電話機200が通信ユニット30に接近したことを検知する接近検出手段としてセンサ手段を設け、そのセンサ手段が携帯電話機200の接近を検出したときに、通信ユニット30によって遊技情報の送信が開始されるように構成してもよい。この場合においても、図14のフローチャートと同様の構成とすることができ、図14におけるS430の判断を、送信要求ボタン32(図1等)による押下をトリガとする代わりに、センサ手段による検知をトリガとすればよい。この場合、センサ手段により検知された場合には、S430においてYesに進み、コネクト信号を携帯通信端末に向けて送信し、その送信後、携帯通信端末からのリターン信号を受信して送信が開始されることとなる。これにより、通信ユニット30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態となる。本第3実施形態によれば、遊技者は携帯電話機200を赤外線発光部33に近づけるだけで遊技情報を受信することができる。尚、センサ手段としては、種々の方式による公知の接近物検知用センサ(例えば、赤外線センサや磁気センサ等)を採用することが可能である。このセンサ手段は図示はしていないが例えば情報通信部の横位置、上下位置等に隣接させて配置することができ、図2の場合では透明板81(図1)を介して携帯電話機200の接近を検出する構成とでき、図22ないし図27の構成では外部に露出させた状態で配置し、透明板を介さずに携帯電話機200の接近を検出する構成とすることができる。
なお、センサ手段により検知を確認した場合に、その検知した旨を外部表示装置105において表示し、遊技者に報知するようにしてもよい。この場合、図14におけるS430とS440の間に、表示を行うステップを設けるようにすればよく、このステップでは、センサ手段による検知をトリガとして、例えばパチンコ機内の記憶手段(ROM等)に設けられた説明情報(具体的には携帯通信端末の接近を検知した旨を説明する説明情報等の画像データなど)を読出し、外部表示装置105にて表示するようにすればよい。このようにすれば、利用者は、携帯通信端末が正しい位置にあるか否かを即座に、かつ理解しやすく、目に付きやすい方法にて確認できることとなり、利用者に安心感を与え得る構成となる。
さらには、上記のようなセンサ手段による検知を条件とする代わりに、情報受信部にて携帯通信端末から発せられる情報を受信したことを条件として、遊技情報の送信を開始してもよい。例えば、赤外線受光部により携帯通信端末から出力される赤外光を受光することをトリガとして上記のような情報送信を開始するようにしてもよい。
<第4実施形態>
第4実施形態では、スロットマシンとして構成される遊技機を例に挙げて示している。
図25に示すように、スロットマシン300の基本構成としては、複数の識別情報からなる識別情報列308ないし310を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー306)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン307)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報(例えば識別情報308A,308B,308C)の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報(例えば、777等)であることを条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えたものが挙げられる。この場合、遊技媒体は、コイン、メダル等が代表例として挙げられる。識別情報列は回動部材330、331、332の表面に配置された絵柄等の識別情報が配列してなるものであり、この回胴部材330、331、332の表面が遊技面90として構成されている。
このようなスロットマシン300として構成される遊技機において、遊技面90の外部に配置される外部表示装置305の近傍に、上記実施形態と同様の赤外線発光部33及び赤外線発光部34を備えた通信ユニット130を設けるように構成されており、情報通信の際に外部表示装置305を利用できるような構成となっている。図25の通信ユニット130は外部表示装置305と別体に構成されているが、これらを一体的なユニットとして構成してもよい。なお、この通信ユニット130のハード構成については第1実施形態と同様とすることができる。構成について更に具体的に述べると、外部表示装置305と赤外線発光部33とが同一の筐体320の内部において、筐体320に組み込まれる形態にて配置され、情報送信部及び情報受信部、即ち赤外線発光部33及び赤外線受光部34がその筐体320の外部に露出した構成をなしている。なお、図25の例では、外部表示装置305の近傍に情報通信に関連した操作、又はそれ以外の操作を行うための操作ボタン311が複数設けられている。
また、図26に示すように、遊技面90の前方に前方板314が配置されており、情報通信部は前方板314の板面方向における外部領域に配置されており、ここでは、外部表示装置305と情報通信部の双方が前方板314の外部領域に配置されている。より具体的には、前方板314における表示窓314a,314b,314cの下方においてその前方板314の表面よりさらに前方に突出してなる段差部335が設けられており、その段差部335の近傍に外部表示装置305及び情報通信部(赤外線受発光部33,34)が配置されている。この段差部335の近傍は、前方板314に隣接する上面部336とその上面部336の下方において遊技者側に面する前面部337を有する構成をなしており、上面部336に外部表示装置305及び赤外線受発光部33,34が設けられている。
<第5実施形態>
上記実施形態においては、主に赤外光を情報伝達媒体とする例について示したが、電磁波を媒体として以下のように構成してもよい。
例えば、電波を媒体とする近距離通信技術として知られるブルートゥース通信が可能な携帯通信端末との間でブルートゥースによる無線通信を行う構成としてもよい。
より具体的には、上述した実施形態における赤外線発光部33及び赤外線受光部34に代えて、例えば、パチンコ機1内に、2.47GHz帯の約1mW以下である微弱電波のやり取りを可能とするブルートゥースモジュールを設けると共に、略垂直方向に指向性を有するアンテナモジュールをパチンコ機1内、或いはパチンコ機1近傍に設け、外部表示装置105の前方近傍に電波が出力されるように構成する。具体的には、アンテナモジュールを外部表示装置の近傍(具体的には、上記のいずれかの実施形態における赤外線発光部33の位置)に設けることができる。
そして、本変形例における動作について説明すると、まず、ブルートゥース通信が可能な携帯通信端末を所持する遊技者が、椅子に着座してアンテナモジュールの通信圏内に携帯通信端末が入圏した際には、パチンコ機1若しくはカードユニットは、ブルートゥースIDの送受等のブルートゥース規格に伴う通常の認証手続きを前記入圏した携帯通信端末との間において実施するとともに、その携帯通信端末の電話番号をブルートゥースユニットを介して非接触にて受信、入手する。その入手した携帯通信端末の電話番号データは、通信対象の情報端末として登録されるとともに、管理コンピュータに送信される。この際、何らかの理由により、近接する複数のパチンコ機1若しくはカードユニットにて同一の電話番号データが誤って入手された場合には、既に登録済みとなっている電話番号と重複が生じていないかを確認し、重複が生じている場合は電話番号の再送信を要求して通信対象の登録をやり直す。このようにして通信対象登録された携帯通信端末に対して、2.47GHz帯の微弱電波により遊技情報の送信が行われる。
また、上記のように遊技面と直交する方向に電磁波を出力するようにしてもよいが、図27に示すように、横向き、或いは縦向きに情報通信部を配置するようにしてもよい。本実施形態では、図30に示すように、アンテナ保持部25に保持されたアンテナモジュール23の一部分がアンテナ23a(図28参照)として機能しており、このアンテナ23aからは電波が外部表示装置105の表示部表面に沿って出力されるように構成されている。
本実施形態の通信ユニット30は、図28のブロック図に示すように、ブルートゥースモジュール34と、他の実施形態と同様にインタフェース回路(I/F)35、CPU36、ROM37、RAM38、不揮発性メモリ39を備えて構成されており、CPU36には報知ランプ31などに加え、前記アンテナ23a及びガイド用光源24が接続されている。尚、図28には、アンテナ23aは1つだけ示しているが、実際には2つ備えられている。
ブルートゥースモジュール34は、2.47GHz帯域の微弱電波のやり取りを可能とするものであり、ブルートゥース通信機能を有する携帯電話機200とブルートゥース通信を行なう。このブルートゥースモジュール34は、アンテナ23aの受信領域に携帯電話機200が入圏した際には、この携帯電話機200との間で使用周波数を確定してリンクを確立させる。そこで、CPU36は携帯電話機200との通信を確立した後に、携帯電話機200の電話番号を取得してこれを登録し、これ以後は遊技の終了まで通信対象として登録されたその携帯電話機200に対してのみ遊技情報の送受信を行なう。
また、パチンコ機1の通信ユニット30との間でブルートゥース通信を行なう携帯電話機200は例えば図29のブロック図にて例示されるものを利用でき、この図29の構成は図5及び図6に示すものとほぼ同様であるが、赤外線受発光部208,209の代わりにブルートゥースモジュール238、及びアンテナ部239を備えた点が異なっている。ブルートゥースモジュール238は、高周波回路部、ベースバンド回路部等の各種ユニットの集合体から構成されており、アンテナ部239を介して通信ユニット30とブルートゥース通信を行なうように構成されている。アンテナ部239は、例えば送受信兼用のチップアンテナから構成されており、これによって2.47GHz帯の微弱電波を出力するとともに、パチンコ機1に備えられたアンテナ23aから送信された電波を受信するようになっている。そして、図30(a)に示す構成では、外部表示装置105の表示画面前方に電波が出力されることとなり、この表示画面前方が情報通信可能な領域として構成されることとなる。また、図30(b)のように、外部表示装置105の周縁部が情報通信可能な領域として構成されるようにしてもよい。図30(b)では、一対のアンテナ保持部25が外部表示装置105から若干離れた位置に配置され、それらアンテナ保持部25に配置されるアンテナモジュール24より外部表示装置105の周縁部に向けて電波が出力されるように構成されている。また、図30の例では、アンテナモジュール23の内部、又はその近傍に、電波の出力方向と同方向に光を照射するガイド光源24が設けられており、正規の通信位置に携帯通信端末が配置された場合に、その携帯通信端末が照射されるように構成されている。
<第6実施形態>
なお、本発明に係るいずれの実施形態においても、以下のような要件を付加することができる。即ち、情報送信部と携帯通信端末との間の通信状態に関する情報を生成する通信状態情報生成手段を有し、その生成される通信状態の情報に基づく通信状態の説明情報を外部表示装置にて表示するような構成とすることができる。
具体的には、例えば、図14のフローチャートに示す処理において、コネクト信号を送信してから、所定時間内にリターン信号を受信したか否かを検出し、検出されない場合には通信異常である旨を説明情報として(具体的には、例えば携帯通信端末からの情報の受信状態を説明する受信状態説明情報として)表示することができ、一例を挙げると「情報が送信できません」、或いは「情報が受信できません」などのコメントを外部表示装置105に表示するようにできる。この場合、CPU36は、携帯通信端末からの情報の受信状態を検出する受信状態検出手段として機能し、さらには通信状態情報としての、通信不能信号、或いは通信不能な旨を説明する説明情報を生成する通信状態情報生成手段として機能することとなる。
また、図15の処理においても同様に通信異常を確認できる。例えば、S475において送信バッファの内容を送信した後において所定時間経過しても確認信号が受信できない場合に通信異常である旨を説明情報として表示できる。なお、通信状態の説明情報(例えば、上記のような通信異常の際の説明情報)は、予めROM37などに画像データとして記憶しておくことができ、上記のように通信異常が発生したことを条件としてこれを読み出して外部表示装置105上に表示することができる。
さらには、情報通信媒体のレベルを検出する媒体レベル検出手段と、その媒体レベル検出手段にて検出されるレベルに応じた通信状態の説明情報を、外部表示装置又は外部表示装置以外の手段にて出力するように構成してもよい。具体的には、例えば、赤外光を情報通信媒体とした場合には、赤外光レベルを検出する検出手段を設けるように構成し、その赤外光レベル検出手段による検出結果が所定レベル以下の場合にその旨を報知するようにしてもよい。この場合には、赤外線受光部を検出手段として構成するか、又は赤外線受光部とは別構成に受光素子(CCD等)を設け、その受光素子から出力される電圧レベルが所定レベル以下の場合に、「通信不能」といった説明情報や「携帯電話の位置を変えてください」といった位置変更を促す情報を上記の外部表示装置(105、305)にて表示するようにできる。或いは、第6実施形態のように、電磁波を情報伝達媒体とした場合には、電磁波の受信レベルを判断し、所定レベル以下の場合に、赤外光の例と同様の情報を表示するようにしてもよい。
<第7実施形態>
また、上記の外部表示装置(105、305)による表示と関連した報知を行う関連報知手段を備えるように構成できる。この関連報知手段は、外部表示装置による表示と関連した報知として、関連報知手段により、外部表示装置による表示が開始されること、又は開始されたことを報知するようにしたり、外部表示装置による表示が特別な表示態様に変更されること、又は変更されたことの報知するように構成できる。図31の関連報知手段は音声出力手段を有してなり、具体的には外部表示装置の近傍にスピーカを配置し、このスピーカにより外部表示装置に関連した報知音声(表示が開始される旨の報知音声、特別な表示に変更される旨の報知音声等)を発するように構成されている。
具体例な処理の流れとしては図14の処理とほぼ同様に行うことができるが、図14のS410において遊技データがあることが判明した場合、S420にてランプ点灯を行う際に、外部表示装置105にて特別な表示情報を表示すると共に、音声手段109にて特別な報知音声を発するようにすることができる。
また、外部表示装置の近傍に、変位部を有してなる変位手段を配置し、これを関連報知手段としてもよい。この変位手段は、様々な構成をとることができ、図33、図34ではその一例を示している。これら図にて示される変位手段は、外部表示装置105の表示部の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽部材113を有してなり、その遮蔽部材113は、外部表示装置105が所定の表示条件となった場合に、図34のように開放するように構成されている。具体的には、板状に構成される2枚の遮蔽部材113上下に配置されており、これら2枚の遮蔽部材113が互いに接近又は離間するように構成されている。より具体的には、例えば遮蔽部材113の両側方にガイド溝を配置するなどして両遮蔽部材113がその板面方向に変位するように構成するとともに、両遮蔽部材113にそれぞれ駆動アクチュエータとしてのソレノイドを設けるようにする。そして、ソレノイドがオフされた状態では図33に示すように閉塞状態となるように構成し、ソレノイドがオンされることに基づいて遮蔽部材113が図34に示す開放状態に変位するように構成できる。
さらには、図柄表示装置(表示装置5)を関連報知手段として構成してもよい。この場合、図柄表示手段による表示情報により外部表示装置105と関連した報知(外部表示装置にて表示が開始される旨の報知や特定の表示がなされる旨の報知等)を行うようにすることができる。例えば、外部表示装置105による表示が開始される前に「外部モニタに注目!!」などといったメッセージを表示して外部表示装置への注意を促すようにしたり、外部表示装置105により特別な表示が行われる前に、「外部モニタにて特別画像が表示されます」といった具合にメッセージを表示するようにしてもよい。なお、このような表示は、例えば演出性を損なわない程度の表示とすることができる(例えば、表示装置5の表示画面周縁部近傍にて表示等)。
なお、外部表示装置105は、図柄表示装置たる表示装置105による演出表示と並行して、遊技に関する演出情報以外の情報が表示されるように表示制御されるようになっている。即ち、外部表示装置105の表示制御は外部表示制御基板105aにてなされ、他方、表示装置5の表示制御は、表示制御基板5bにてなされるため、各表示制御がそれぞれ独立して行え、表示装置5の演出を停止させずとも、様々な情報が表示できるようになっている。この、「演出情報以外の情報」の具体例としては、「情報通信に関する情報」や、「ホールの営業形態に関する情報」「各種広告情報」など様々な情報を表示するように構成でき、これらの情報は画像情報として外部表示制御基板105a(図4)内のROMに格納しておくことができる。
なお、情報通信に関する説明情報(具体的には、遊技機と携帯通信端末との間の情報通信に関する説明)とは、情報通信に関連した何らかの説明情報であり、例えば、情報通信を行う上での、携帯通信端末や遊技機の操作に関する操作説明情報や情報通信部の位置を指し示す位置説明情報、通信状態に関する通信状態の説明情報、或いは、通信の準備状態に関する説明情報など、情報通信に関連した説明情報であれば、全て概念に含まれるものである。なお、説明情報としては、例えば文字情報、記号情報、図形情報のうちの1種、又は2種以上の情報の組合せにより構成することができ、文字情報として遊技者にわかり易く説明してもよく、矢印等の記号情報により直感的に判断できるような説明としてもよい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記の実施形態では、液晶画面を備えた構成をなす外部表示装置や図柄表示装置を例に挙げて説明したが、外部表示装置や図柄表示装置は、液晶のものに限らず、例えばLEDを配列してなる表示装置や、プラズマ・ディスプレイ(Plasma Display Panel)や、有機EL(Erectronic Luminescence)ディスプレイ等のプラズマやELを用いた表示装置など様々なものを利用できる。
(2)上記の実施形態では、通信ユニット30に報知ランプ31を設ける構成としたが、報知ランプ31を省略して、外部表示装置5の画面105b(図17等)のメッセージ表示のみにより、送信可能な遊技情報があることを報知する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、通信ユニット30が、外部接続端子板16に設けられた各出力端子16a〜dを介して大当り信号等の遊技状態を表す信号を取得する構成としたが、制御装置21との問で別途専用の通信線を設けて大当り信号等を取得する構成としてもよい。尚、本変形例における通信線は、制御装置21を構成するメイン基板からの出力専用の通信線若しくは、サブ基板との間に設けられる通信線とし、メイン基板へ不正な信号が入力されることを防止する構造とする。
(4)上記実施形態では、外部表示装置105及び通信ユニット30をパチンコ機1における透明板左下、中央部下方などに設ける例について説明したが、これらには限られず、パチンコ機1に備わる他の機能に支障を来さない範囲内でパチンコ機1のいかなる部位にこれら外部表示装置105及び通信ユニット30を配設してもよい。
(5)上記実施形態では、通信ユニット30と携帯電話機200との間で無線通信により遊技情報を伝送する構成としたが、これには限られず、有線通信により携帯電話機200へ遊技情報を送信するように構成してもよい。例えば、通信ユニット30に接続端子を備えた携帯電話ホルダを設け、その携帯電話ホルダに携帯電話機200を載置することにより、携帯電話ホルダの接続端子と携帯電話機200の接続端子とが接続されて有線通信を行うことが可能となる構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、携帯通信端末として携帯電話機200を用いた例を示したが、携帯電話機以外にPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯通信端末や、PHS(PersonalHandyphoneSystem)等の各種の携帯通信端末を利用することが可能である。
(7)上記実施形態では、遊技情報をそれぞれ固有の値とするために遊技情報カウンタ値を用いる構成としたが、これには限られない。要するに、特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表す遊技情報を作成し、携帯通信端末によって受信可能な信号として送信する構成とすればよいのである。例えば、通信ユニット30に時計を内蔵させ、個々の遊技状態の発生時点を表す時点データを、遊技情報の構成要素として用いる構成としてもよい。図20は、本変形例において遊技状態記憶領域38aにおける遊技状態データ及び時点データの記憶例を、図21は携帯電話機200によって受信された遊技情報の記憶例を示す図である。この変形例によれば、遊技状態の発生時点を表す時点データによって、重複が生じない固有情報を簡単且つ確実に作成することができる。さらに、時点データを用いることにより、どのようなタイミングで各特定の遊技状態が発生したかを、受信した遊技情報に基づいて解析することができる。
(8)上記実施形態では、通信ユニット30から遊技情報のみを携帯電話機200に対して送信する構成としたが、通信ユニット30内で特定の遊技状態の発生毎に抽選を行って、当選した場合には付加価値情報を付与して遊技情報と共に送信するように構成してもよい。
(9)上記実施形態では、遊技状態データのみをRAM38上の遊技状態記憶領域38aに記憶蓄積する構成としたが、遊技状態データに遊技機ID(即ち、パチンコ機ID)及び遊技情報カウント値が付加された送信時と同一内容の遊技情報をRAM38上に記憶蓄積する構成としてもよい。
(10)上記実施形態では、遊技状態記憶領域38aに遊技状態データが記憶蓄積されている場合にはいつでも遊技情報の送信が可能な構成としたが、特定の遊技状態の発生に伴う所定の動作終了時(大当り遊技状態の終了時等)のみに、遊技情報の送信が可能な構成としてもよい。また、遊技中止時のみに、遊技情報の送信が可能な構成としてもよい。
(11)上記実施形態では、遊技を中止してから所定時間経過後に遊技情報の送信を禁止する構成としたが、これには限られず、特定の遊技状態の発生に伴う所定の動作(例えば、大当り遊技状態等)が終了してから所定時間経過後に、遊技状態記憶領域38aに記憶蓄積された検出結果に基づく遊技情報の送信が禁止されるように構成してもよい。本変形例によれば、当該パチンコ機の遊技者以外の者によって不正に遊技情報が受信される危険性を低減することができる。
(12)上記実施形態では、遊技者を特定することなく遊技情報の送信を行う構成であったが、携帯電話機200から会員ID等の遊技者識別情報を送信させ、これを通信ユニット30において受信することにより遊技者が特定されたことを条件に遊技情報を送信するように構成してもよい。この場合、例えば、遊技者が特定された場合は、外部表示装置105の画面105bにて遊技情報を受信するための操作方法の説明を表示し、遊技者が特定されない場合には、パチンコ機メーカのインターネット・ホームページをアクセスして会員になることを勧誘する広告情報を表示するようにしてもよい。或いは、会員ID等によって遊技者が特定された場合には、遊技情報に付加価値情報を付与して送信するように構成してもよい。
(13)また、上記いずれの実施形態においても、管理コンピュータに送信された遊技者特定データ(例えば電話番号データ等)に基づいて遊技者が特定される(例えば、登録済みの会員であることが特定される)ことを条件に遊技情報を出力するようにしてもよい。また、パチンコ機1若しくはカードユニットが、特定された遊技者の氏名情報を携帯通信端末から受信して、パチンコ機1の制御装置のサブ基板の一つである表示制御基板へ入力することにより、外部表示装置105の画面105bに遊技者の氏名入りのメッセージを、例えば、「田中様、いらっしゃいませ!」のように表示するように構成してもよい。
(14)前記実施の形態では、高確率モード中に通常大当りが2回連続して発生したことに起因して低確率モードヘ遷移する構成としたが、通常大当たりが1回発生したことに起因して低確率モードヘ遷移する構成としてもよい。
(15)上記実施形態では、インターフェース(即ち情報通信部)と関連させて外部表示装置にて表示する情報として、操作説明情報や、通信状態説明情報を好適例として例示したが表示させる情報はこれに限定されず、どのような情報であっても勿論よい。特に、パチンコ機と携帯通信端末との情報通信に関連する情報であれば、インターフェースと外部表示装置が相乗的に機能し合うこととなる。
(16)上記実施形態では、赤外光や電磁波等の情報伝達媒体を遊技盤の盤面に対してほぼ直交方向に出力する例について主に示したが、これに限定されず、斜め方向、或いは遊技盤の盤面に平行な方向に出力するようにしてもよい。