JP2009127901A - 空気式太陽集熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 太陽光を利用して温風を生成できることはもとより、集熱効率を高効率化できるともに、コンパクト化および組み立て作業の容易化を実現することができる空気式太陽集熱装置を提供する。
【解決手段】 太陽光透過率の優れた透過体21で上面が被覆された中空状の集熱ケース2と、この集熱ケース2内に流れる熱媒空気を遮るように傾斜して設けられ、前記熱媒空気が通過しうる微小空隙を有するシート状集熱材3とを有し、前記シート状集熱材3の下部に、前記熱媒空気が前記シート状集熱材3の裏面に沿って上昇しうる通気幅を備えた下部空隙31を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽光を利用して温風を生成する空気式の集熱技術に関し、特に、集熱効率の高効率化およびコンパクト化を実現しうる空気式太陽集熱装置に関するものである。
従来、太陽光を利用して温風を生成する空気式の集熱装置が知られている。例えば、特公平8−6971号公報には、太陽光透過率にすぐれたフィルムで外周面を被覆し、底部に断熱材層を設けてなる密閉構造の風洞内と、該風洞を透過した太陽光を受光し、かつ、風洞内を通る空気流を遮るように傾斜して設けられ、熱媒空気が通過し得る微小空隙を有するシート状集熱材とを有し、風洞内の太陽光採光面と集熱材上端部との間に風洞高さの5〜20%の空隙を設けた空気集熱式コレクターが開示されている(特許文献1)。
そして、前記特許文献1の記載によれば、前記空隙により集熱材上層部を流れる比較的低温な空気流が断熱層を形成するため、シート状集熱材からの熱放散を阻止するとともに、風洞内の空気流の速度が上層部(集熱材のない部分)と下層部(集熱材部)とで異なることで乱流が発生するため、集熱効率が向上するとされている。
特公平8−6971号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明においては、集熱効率が不十分である。すなわち、通常、集熱材によって温められた空気は、当該集熱材の裏面側に滞留する傾向にある。しかし、上記のように、集熱材の上部にだけ空隙を設けても、上層部近傍にのみ乱流を発生させるに留まり、集熱材裏面側の滞留空気を有効に活用できていないという問題がある。
一方、より大きな空気流を発生させれば、上記滞留空気を取り込めるという考え方もある。しかしながら、上記特許文献1に記載された発明を含め、従来の空気式太陽集熱装置においては、空気流を発生させるための手段としてファンを利用している。このため、上記滞留空気を取り込む程度の乱流を発生させるには、強力なファンを用いなければならず、イニシャルコストやランニングコストが高くなるという問題がある。
また、上記特許文献1において、集熱材として例示されている炭素繊維シートは、従来、直状の炭素繊維が主流である。この直状の炭素繊維シートは、厚み方向における空気透過度が低いため圧力損失が大きい。また、面方向と厚み方向との特性に差異が大きく、特に、厚み方向の熱伝導率が低いという問題もある。
さらに、空気式太陽集熱装置に関しては、一般的に、風洞(ケーシング)の容量が大きいほど、より多くの空気を流通しうるため、温風の生成能力が向上する。このため、従来、住宅の暖房用途や、木材の乾燥用途等に適用するには、必要な性能を確保するために、ケーシングを大きくせざるを得ず、装置全体の肥大化を招くという問題もある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、太陽光を利用して温風を生成できることはもとより、集熱効率を高効率化できるともに、コンパクト化および組み立て作業の容易化を実現することができる空気式太陽集熱装置を提供することを目的としている。
本発明に係る空気式太陽集熱装置の特徴は、太陽光透過率の優れた透過体で上面が被覆された中空状の集熱ケースと、この集熱ケース内に流れる熱媒空気を遮るように傾斜して設けられ、前記熱媒空気が通過しうる微小空隙を有するシート状集熱材とを有し、前記シート状集熱材の下部に、前記熱媒空気が前記シート状集熱材の裏面に沿って上昇しうる通気幅を備えた下部空隙を設ける点にある。
また、本発明において、前記シート状集熱材は、屈曲した炭素繊維をシート状に成形してなる曲状炭素繊維シートであることが好ましい。
さらに、本発明において、前記集熱ケースの内壁面には、前記シート状集熱材を支持する集熱材支持棒が上下に交互に複数本並設されており、これら集熱材支持棒には、1枚の前記シート状集熱材が略波形状を形成するように張設されていることが好ましい。
また、本発明において、前記シート状集熱材は、前記透過体との間に当該透過体からの熱損失を抑制する上部空隙を設けるようにして張設されていることが好ましい。
本発明によれば、太陽光を利用して温風を生成できることはもとより、集熱効率を高効率化できるともに、コンパクト化および組み立て作業の容易化を実現することができる。
以下、本発明に係る空気式太陽集熱装置の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本第1実施形態の空気式太陽集熱装置1Aを示す斜視図であり、図2は、側面から見た断面図である。
図1および図2に示すように、本第1実施形態の空気式太陽集熱装置1Aは、主として、空気を熱媒体として太陽光から熱エネルギーを回収する集熱ケース2と、この集熱ケース2内に収容されるシート状集熱材3とを有している。
集熱ケース2は、熱媒体としての熱媒空気を流通させ、太陽光から熱エネルギーを回収するものである。本第1実施形態において、集熱ケース2は、アルミニウム合金、鉄鋼薄板、木材等から構成されており、図1および図2に示すように、中空状の略直方体形状に形成されている。また、集熱ケース2の上面には、太陽光透過率の優れた半強化ガラスや、ポリカーボネート等の透過体21が密閉状態で被覆されている。一方、集熱ケース2の底面には、発泡ウレタン、発泡スチレン、ガラスウール、木材等の断熱材22が敷設されている。
また、集熱ケース2には、図1および図2に示すように、その長手方向における下流側の側面に吸気口23が形成され、上流側の側面に排気口24が形成されている。これらにより、例えば、排気口24側で吸気ファンを駆動させると、吸気口23から熱媒空気が取り込まれ、排気口24側へと流れる空気流が形成されるようになっている。
シート状集熱材3は、太陽光を受けて集熱し、熱媒空気と熱交換させる役割を果たすものである。このシート状集熱材3は、熱媒空気が通過しうる微小空隙を有している。また、本第1実施形態において、シート状集熱材3は、屈曲した炭素繊維をシート状に成形してなる曲状炭素繊維シートから構成されている。この曲状炭素繊維シートは、石炭ピッチを原料とする屈曲した炭素繊維に、樹脂バインダを加えて漉くことでシート状に成形した後、炭化率の高い樹脂を含浸させて成形、硬化および黒鉛化処理を施したものである。
本第1実施形態で用いた曲状炭素繊維シートのSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)画像(230倍)を図3に示す。図3に示すように、曲状炭素繊維シートは、各炭素繊維がカールしており、3次元的な繊維構造によって優れた空気透過性を有している。また、炭素繊維は、優れた熱伝導率を有しており、熱交換材料として好適である。この曲状炭素繊維シートは、一般的な直状炭素繊維シートに比べて、空気透過度および厚み方向の熱伝導率が約2倍と、優れた性能を有している。
ただし、本発明に係る実施形態においては、シート状集熱材3として曲状炭素繊維シートを使用しているが、これに限られるものではなく、効果の程度の差はあるが、熱媒空気を通過させる微小空隙を有していれば直状の炭素繊維シートやその他の集熱材を使用してもよい。
また、本第1実施形態では、図1および図2に示すように、複数枚のシート状集熱材3が、集熱ケース2内に流れる熱媒空気を遮るように傾斜して設けられている。具体的には、各シート状集熱材3は、太陽光を効率的に受光しつつ熱媒空気の流れを遮るように熱媒空気の流れ方向に対して所定の角度で傾斜され、かつ、その下部には、集熱ケース2の底面との間に所定幅の下部空隙31を形成するように設けられている。
本第1実施形態において、下部空隙31は、シート状集熱材3を通過する熱媒空気を所定量確保し、かつ、熱媒空気がシート状集熱材3の裏面に沿って上昇しうる極細の通気幅に狭められている。当該通気幅が小さ過ぎると、下部空隙31に熱媒空気がほとんど流れなくなり、空隙を設ける意味が無くなって圧損の低減が図れない。一方、当該通気幅が大き過ぎると、単に熱媒空気が集熱ケース2の底面に沿ったまま流れる傾向が強くなる。このため、シート状集熱材3を通過する熱媒空気が減少し、集熱効率が低減してしまうし、シート状集熱材3の裏面側に滞留した温かい熱媒空気を剥ぎ取れなくなる。
なお、本第1実施形態では、集熱ケース2の底面とシート状集熱材3の下端部との間に下部空隙31を形成しているが、これに限られるものではない。前述した下部空隙31の効果が得られるのであれば、例えばシート状集熱材3の下端部を集熱ケース2の底面に接触させ、当該シート状集熱材3の下端近傍に極細のスリットを形成することによって下部空隙31を構成するようにしてもよい。
また、本第1実施形態では、各シート状集熱材3の上端部と、透過体21の裏面との間にも所定幅の上部空隙32が設けられている。この上部空隙32は、透過体21を介して外部に放熱される熱損失を抑制しうる通気幅に設定されている。なぜなら、各シート状集熱材3が透過体21に接触あるいは近接していると、シート状集熱材3の面方向における熱伝導により、あるいは、周囲空気を介した自然対流や空隙を流れる強制対流に起因する熱伝達によって、透過体21の裏側に熱が移動し易くなる。このため、透過体21の温度が上昇して周囲空気への放熱量が増大し、結果として熱損失量が増えてしまうからである。
一方、上部空隙32の通気幅が大き過ぎると、空気流の多くが上部空隙32に導かれてしまい、シート状集熱材3を通過する熱媒空気が減少するため、逆に集熱効率が低下してしまうおそれがある。したがって、下部空隙31との兼ね合いを調整しながら上部空隙32を設ける必要がある。但し、各メリットとデメリットを考慮して下部空隙31のみを形成し、上部空隙32は設けなくてもよい。例えば、本空気式太陽集熱装置1Aを一般住宅等に適用する場合には、集熱ケース2の厚みを薄くするため、上部空隙32を設けず、下部空隙31のみ設けるようにしてもよい。
つぎに、以上のような構成を備えた本第1実施形態における空気式太陽集熱装置1Aの作用について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本第1実施形態の空気式太陽集熱装置1Aによって温風を生成する場合、シート状集熱材3の受光面(上面)に太陽光が照射されるように空気式太陽集熱装置1Aを設置する。これにより、太陽光が透過体21を透過して各シート状集熱材3に照射されるため、各シート状集熱材3は、太陽熱を蓄える。なお、太陽光の照射方向に対して、シート状集熱材3の受光面を略垂直に近づけるほど集熱効率が向上する。
つづいて、集熱ケース2の排気口24側で吸気ファンを駆動すると、吸気口23から熱媒空気を取り込み、排気口24側へと流れる空気流を形成する。これにより、各シート状集熱材3は、微小空隙を介して熱媒空気をゆっくりと通過させるため、熱交換が促進され熱媒空気が効果的に昇温する。また、各シート状集熱材3は、空気透過度が高いため、圧力損失を低減する。
また、本第1実施形態では、図2に示すように、適度に狭められた下部空隙31が、熱媒空気を各シート状集熱材3の裏面に沿って上昇するように誘導する。これにより、各シート状集熱材3の裏面に滞留した温かい熱媒空気が剥ぎ取られるようにして移動するため、より一層、効果的な集熱が実現される。また、下部空隙31が下面通気による熱伝達を促進し、全体の集熱効率を向上させる。さらに、下部空隙31は、各シート状集熱材3の下端部から集熱ケース2の底面への熱伝導が熱橋となってしまうのを防止する。
一方、上部空隙32は、集熱ケース2の上層部に多めの熱媒空気を誘導し断熱層を形成する。これにより、シート状集熱材3からの熱放散が阻止されるとともに、熱媒空気に乱流が発生するため、さらなる集熱効率が期待される。
以上のように、各シート状集熱材3において温められた熱媒空気は、排気口24へと流された後、住宅の換気・暖房・給湯・デシカント冷房用熱媒空気や、木材の乾燥用熱媒空気等として有効活用される。
以上のような本第1実施形態の空気式太陽集熱装置1Aによれば、
1.シート状集熱材3の裏面に滞留する温風を積極的に取り込み、集熱効率を向上することができる。
2.シート状集熱材3による圧力損失を低減し、空気流を発生させるのにかかるランニングコストを低減することができる。
3.集熱効率を高効率化でき、装置全体をコンパクト化することができる等の効果を奏する。
つぎに、本発明に係る空気式太陽集熱装置1Bの第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の構成のうち、上述した第1実施形態の構成と同等または相当する構成については同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
図4は、本第2実施形態の空気式太陽集熱装置1Bを示す斜視図であり、図5は、側面から見た断面図である。本第2実施形態の特徴は、図4および図5に示すように、複数本の集熱材支持棒4に1枚のシート状集熱材3を張設する点にある。
集熱材支持棒4は、シート状集熱材3を支持するためのものであり、小径の棒状に形成されている。各集熱材支持棒4は、集熱ケース2の横幅と略同じ長さを有し、その両端が集熱ケース2の内壁面に固定されている。また、各集熱材支持棒4は、図5に示すように、集熱ケース2内の空気流と略直交する方向に沿って、上下に交互に並設されている。
また、本第2実施形態では、図5に示すように、下方側の各集熱材支持棒4は、下部空隙31を形成する高さ位置であって、かつ、空気流方向に等間隔で固定されている。また、上方側の各集熱材支持棒4は、上部空隙32を形成する高さ位置であって、かつ、空気流方向には、下方側の各集熱材支持棒4に対して略直径分だけ下流側に固定されている。もちろんこれら集熱材支持棒4の配設位置は適宜変更可能である。
一方、シート状集熱材3は、集熱ケース2の横幅と略同幅であって、集熱ケース2の縦幅よりも長い1枚の曲状炭素繊維シートから構成されている。そして、図4および図5に示すように、シート状集熱材3は、上下の各集熱材支持棒4に順次、巻き付けられて略波形状を形成するように張設されている。
したがって、本第2実施形態の空気式太陽集熱装置1Bは、集熱ケース2内に固定された各集熱材支持棒4に、1枚のシート状集熱材3を順次巻き付けるだけで、簡単に下部空隙31および上部空隙32が形成され、その組み立て作業が容易化し、製品が低価格化する。
以上のような本第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の作用効果に加えて、空気式太陽集熱装置1Bを簡単かつ迅速に組み立てることができ、製品価格を低コスト化できるという効果を奏する。
つぎに、本発明に係る空気式太陽集熱装置の具体的な実施例について説明する。本実施例では、本第1実施形態の空気式太陽集熱装置1Aを試作し、その性能を測定する実験を行った。
まず、本実施例で用いた空気式太陽集熱装置1Aについて説明する。集熱ケース2は、アルミニウム合金製であって、寸法は980mm×1,500mm(有効集熱面積1.397m2)、厚さは70mmである。また、シート状集熱材3としては、図6に示す特性を有する曲状炭素繊維シート(大阪ガスケミカル株式会社製)を4枚使用した。集熱ケース2の底面には、厚さ15mmの発泡ウレタン保温材を敷設し、集熱ケース2の上面には透過体21として、厚さ4mmの半強化ガラスを被覆した。
集熱ケース2の内壁面には、アルミニウム合金製L字アングルを所定間隔で架設し、これに各シート状集熱材3の上端部をネジとワッシャーで締め付けて固定した。また、各シート状集熱材3の下端部は、15mm幅のアルミニウム製パンチングメタルで挟んでネジ止めし、これを集熱ケース2の内壁面の二箇所にタッピングして吊り下げ状態とした。これにより、各シート状集熱材3を空気流に交差させ、かつ、15mm幅の下部空隙31を形成した。なお、アルミニウム製パンチングメタルの受光面には、ツヤ消しブラックで塗装した。
一方、本実施例では、比較例として、下部空隙31および上部空隙32のない従来の空気式太陽集熱装置についても同様の実験を行った。比較例として用いた集熱装置を図7に示す。集熱ケースの寸法は1,000mm×2,000mmで、厚さは190mmである。シート状集熱材としては、直状炭素繊維シートを5枚使用した。集熱ケースの底面には、直状炭素繊維シートおよび断熱材を敷設し、集熱ケースの上面には、カバーガラスを被覆した。
また、比較例では、図7に示すように、集熱ケースの内部が、3つのチャンネルに分割されて熱媒空気の通路を形成している。そして、吸気口23として下部ヘッダを設けるとともに、排気口24として上部ヘッダを設け、下部ヘッダから各チャンネルを介して上部ヘッダへと流れる空気流が形成されるようになっている。
つぎに、本実施例における実験装置および実験方法について説明する。図8は、本実施例で用いた実験装置を示す全体図である。本実施例では、財団法人日本品質保証機構(JQA)における試験方法に準拠し、大型ソーラーシミュレータによる室内実験を行った。ソーラーシミュレータ(W1,200mm×L2,200m)は、その光源部に20個のキセノンランプ(8kW)を有しており、これらを調節して人工光を照射しうるようになっている。そして、ソーラーシミュレータを傾斜角度42°(エアマスAM1.5)で設置し、これと平行に向き合うように本実施例の空気式太陽集熱装置1Aを設置した。また、透過体21上の9点に日射計を配置し、各日射計で測定された強度の平均値を照射強度とした。
また、実験室では、対偶に設けた外気取入口より隣接する二階部に設けたダクトを介して外気を導入し、冷房することにより、室内気温をほぼ一定に保持した。そして、排気口24に接続されたダクトの最下流にシロッコファンを設置し、吸気口23から熱媒空気を取り入れた。シロッコファンによる通気量は、安定化電源とボルトスライダーにより調節し、整流エレメントとピトー管を組み合わせて測定した。また、吸気口23に接続されたダクトには、加熱器あるいは冷風機を設置し、ボルトスライダーで加熱量を調整することで吸気温度を調節した。
集熱ケース2の吸気口23および排気口24(以下、出入口という)には、予め較正済みのT型熱電対(φ0.32mm)をそれぞれ12箇所(半径方向に3点、円周方向に4点)設置し、出入口の熱媒空気温度を測定した。また、上記12点の他、透過体21の表面に3点(上流・中流・下流)、透過体21とシート状集熱材3間に3点、シート状集熱材3上に3点、シート状集熱材3と集熱ケース2の底面間に3点、集熱ケース2底面に3点、集熱ケース2の裏面に3点、同様の熱電対を計18点設置した。
また、各ダクトには、ガラスウール保温材付のアルミフィルム被覆ワイヤーフレキダクト(φ150mm)を使用した。一方、出入口の温度測定部には、塩化ビニール管(φ150mm)を使用し、流量測定部には、スチール管(φ100mm)を使用し、それぞれ厚さ50mmのウレタンフォーム保温筒で保温した。
なお、本実施例のように、空気を熱媒体とする場合、出入口付近の温度には、特に、半径方向の温度むらが生じる。このため、本実施例では、出入口の温度測定部に、アルミ蒸着フイルム付きの保温材で覆ったガードヒーターを設置し、温度むらを最小限に抑えた。
また、パネルの圧力損失は、上下プレナムに設置した各々静圧取出し口(φ1.5mm)を設けて測定した。さらに、周囲の外気温および相対湿度の測定は、空気式太陽集熱装置1Bの後方であって、地上面から1.4mの高さ位置に設置したアスマン通風温湿計を使用し、露場圧力も併せて測定した。
以上の実験条件において、通気量Vが100m3/hr、周囲風速Wが0m/sの場合における集熱効率ηを測定した。また、比較例の集熱装置についても同様の条件下において、集熱効率ηJを測定した。その結果を図9に示す。なお、本実施例による相関式を下記式(1)に示す。
η=−0.96Δt/I+89.9, r2=0.924 …式(1)
ただし、Δtは出入口温度の平均値と外気温との差、Iは照射強度、rは相関係数である。
図9に示すように、本実施例では、集熱効率変数Δt/Iに対する集熱効率ηの負の勾配が、比較例よりもやや大きいものの、本実験の範囲では、集熱効率ηの値が比較例を上回っており、集熱効率が向上していることが示された。集熱温度が高い、つまりΔt/Iが大きい範囲での集熱効率の向上が望ましいが、集熱温度が高いと保温性が良好なことは集熱効率の向上に有利である。本実施例は比較例と比べて、ケーシングの厚さおよび断熱材の厚さが約1/3と保温性に劣る構造であり、かつ、炭素繊維シートの厚さも1/2であるにも関わらず、上記結果が得られたことを考慮すると、本実施例は比較例に比べて極めて効率的に集熱していることが明らかであり、実用性の高いものといえる。
以上のような本実施例によれば、下部空隙31および上部空隙32のない従来の集熱装置に比べて、集熱効率が向上することが示された。また、上部空隙32のみ設けた上記特許文献1の図3と比較しても、本実施例の集熱ケース2は、厚さが約1/3、熱媒空気流方向長さが約1/4であるにも関わらず、集熱効率が向上していることがわかる。
なお、本発明に係る空気式太陽集熱装置1A,1Bは、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、シート状集熱材3の枚数や傾斜角度は、特に限定されるものではなく、使用用途などに応じて、適宜増減するようにしてもよい。
また、集熱材支持棒4を取り付ける方法としては、例えば、図10に示すように、集熱材支持棒4の両端に差し込み接着される取付用キャップ41を使用してもよい。この取付用キャップ41は、アルミニウム合金等の金属製薄板や、耐熱性のプラスチック材料から形成されている。また、取付用キャップ41には、基端部側に向けてテーパ状に拡径された係止部42が形成されている。この係止部42は、コイルバネ等からなるスプリング43を係止しうるようになっている。
一方、集熱ケース2は、軽量化および防錆機能を考慮して、アルミニウム合金製の薄板から構成されている。そして、集熱ケース2の内壁面には、集熱材支持棒4を取り付ける高さ位置に、互いに対向する一対の挿入穴25が形成されている。この挿入穴25は、取付用キャップ41を嵌入しうる穴径を有している。
以上の構成において、集熱材支持棒4を集熱ケース2に取り付ける場合、まず、係止部42と集熱ケース2の内壁面との間にスプリング43を狭持させるように取付用キャップ41を挿入穴25に差し込む。そして、スプリング43を圧縮した状態で、集熱材支持棒4の他端を他方の挿入穴25に差し込む。これにより、スプリング43が、他方側の取付用キャップ41を集熱ケース2の内壁面側に付勢し、係止部42を係止させるため、簡単かつ確実に集熱材支持棒4が取り付けられる。
本発明に係る空気式太陽集熱装置の第1実施形態を示す斜視図である。 本第1実施形態の空気式太陽集熱装置を示す断面図である。 本第1実施形態におけるシート状集熱材のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)画像である。 本発明に係る空気式太陽集熱装置の第2実施形態を示す斜視図である。 本第2実施形態の空気式太陽集熱装置を示す断面図である。 本実施例で使用した曲状炭素繊維シートの特性を示す表である。 本実施例において、比較例として用いた集熱装置を示す斜視図である。 本実施例における実験装置を示す全体図である。 本実施例の実験結果を示すグラフである。 集熱材支持棒の取り付け方法の一例を示す図である。
符号の説明
1A 空気式太陽集熱装置(第1実施形態)
1B 空気式太陽集熱装置(第2実施形態)
2 集熱ケース
3 シート状集熱材
4 集熱材支持棒
21 透過体
22 断熱材
23 吸気口
24 排気口
25 挿入穴
31 下部空隙
32 上部空隙
41 取付用キャップ
42 係止部
43 スプリング

Claims (4)

  1. 太陽光透過率の優れた透過体で上面が被覆された中空状の集熱ケースと、
    この集熱ケース内に流れる熱媒空気を遮るように傾斜して設けられ、前記熱媒空気が通過しうる微小空隙を有するシート状集熱材とを有し、
    前記シート状集熱材の下部に、前記熱媒空気が前記シート状集熱材の裏面に沿って上昇しうる通気幅を備えた下部空隙を設けることを特徴とする空気式太陽集熱装置。
  2. 請求項1において、
    前記シート状集熱材は、屈曲した炭素繊維をシート状に成形してなる曲状炭素繊維シートであることを特徴とする空気式太陽集熱装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記集熱ケースの内壁面には、前記シート状集熱材を支持する集熱材支持棒が上下に交互に複数本並設されており、これら集熱材支持棒には、1枚の前記シート状集熱材が略波形状を形成するように張設されていることを特徴とする空気式太陽集熱装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、前記シート状集熱材は、前記透過体との間に当該透過体からの熱損失を抑制する上部空隙を設けるようにして張設されていることを特徴とする空気式太陽集熱装置。
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