JP2009127060A - Production method of cold-rolled steel sheet - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、冷延鋼板の製造方法に関し、具体的には、加熱されたストリップを上下方向へ連続的に搬送しながら焼鈍する連続焼鈍炉における冷却ゾーンにおいて、ストリップに噴霧されたミストに含まれる水がストリップの表面を垂れ落ちること等に起因したストリップの幅方向への温度むらの発生を抑制することにより、例えばハイテン材からなる平坦度が良好な冷延鋼板を安定して製造する方法に関する。 The present invention relates to a method of manufacturing a cold-rolled steel sheet, and specifically, is included in mist sprayed on a strip in a cooling zone in a continuous annealing furnace that performs annealing while continuously conveying a heated strip in the vertical direction. The present invention relates to a method for stably producing a cold-rolled steel sheet having a good flatness made of, for example, a high-tensile material by suppressing the occurrence of temperature unevenness in the width direction of the strip due to water dripping down the surface of the strip. .
周知のように、特に高張力鋼板の機械特性は、ストリップを上下方向へ搬送しながら加熱、均熱及び冷却することにより連続的に焼鈍する縦型の連続焼鈍炉を用いて、加熱及び均熱した後に急速に冷却して組織制御することにより、確保される。 As is well known, the mechanical properties of high-strength steel plates, in particular, are determined by heating and soaking using a vertical continuous annealing furnace that continuously anneals by heating, soaking and cooling while conveying the strip in the vertical direction. This is ensured by rapid cooling and tissue control.
この冷却では、一般的に、ストリップの冷却媒体として気体及び水が混合されたミストもしくは、併用して水スプレーが用いられる。冷却能力を高めて充分な冷却速度で冷却するためにミストに含まれる水の量を増加すると、上下方向に搬送されるストリップの表面をつたわって流下する水(以下、本明細書では「垂れ水」という)の量が必然的に増加する。そして、この水もストリップを冷却するので、ストリップの幅方向への温度むらが発生し、これにより、製造される高張力鋼板の機械特性の部位によるバラツキや平坦度の不良が発生する。機械特性の部位によるバラツキが発生すると、この高張力鋼板を素材として例えばプレス加工を行う際に形状不良や製品の性能不足が発生し、一方、平坦度の不良が発生すると製品として出荷できないので歩留りが低下する。 In this cooling, a mist in which gas and water are mixed or a water spray is generally used in combination as a cooling medium for the strip. If the amount of water contained in the mist is increased in order to increase the cooling capacity and cool at a sufficient cooling rate, water flowing down the surface of the strip conveyed in the vertical direction (hereinafter referred to as “dripping water” in this specification). ”) Will inevitably increase. And since this water also cools the strip, temperature unevenness in the width direction of the strip occurs, thereby causing variations in the mechanical properties of the high-tensile steel sheet to be manufactured and defects in flatness. If variations occur due to mechanical properties, for example, when pressing with this high-tensile steel sheet as a raw material, shape defects or insufficient product performance may occur. On the other hand, if flatness defects occur, the product cannot be shipped as a yield. Decreases.
このような問題の発生を防止するため、特許文献1には、ストリップの巻取温度(冷却停止温度)である350〜500℃より100℃高い温度にまでストリップの温度が低下した際に、温度が45〜60℃の水を含むミストを噴霧して冷却することにより、ストリップと水との間に形成される蒸気膜を介して熱伝達が行われる膜沸騰の持続時間を長くし、この膜沸騰から、ストリップに水が直接接触して気泡が発生することにより熱伝達が行われる核沸騰へ変移する遷移温度(クエンチ開始点温度)を低下させて遷移・核沸騰の発生を抑制することにより、ストリップの内部の温度偏差を低減して熱延鋼板を製造する発明が開示されている。
In order to prevent the occurrence of such a problem,
また、特許文献2には、ストリップに噴霧するミストの水量密度を適正に制御することにより、遷移沸騰させることなく膜沸騰のままで金属ストリップをミスト冷却する発明が開示されている。
特許文献1により開示された発明では、ストリップに与えられる冷却速度が低下し、所望の高強度を有する熱延鋼板を製造できなくなる可能性がある。また、冷却能力を高めるためにミストに含まれる水の量を増加すると、ストリップの表面における対流水が増加し、ストリップの幅方向への温度むらが急激に増加して、ストリップの平坦度の不良や機械特性の部位によるバラツキの原因となる。
In the invention disclosed in
特許文献2により開示された発明では、全体に弱冷却となり、必要な鋼板の機械的性質を得ることができない。強度を高めるためにはストリップの合金元素の含有量を高めればよいが、これでは製品のコストが嵩む。さらに、ストリップの温度が高い冷却開始直後にミストの水量密度を高めて強冷却すると、上述した垂れ水の量が増加してストリップの幅方向への温度むらが増加し、製造される鋼板の機械特性の部位によるバラツキや平坦度の不良が発生する。
In the invention disclosed in
このように、ストリップを上下方向へ連続的に通板させる縦型の連続焼鈍炉において加熱及び均熱した後にミストを噴霧することにより急冷して組織制御することにより、冷延鋼板の機械特性を確保する際に、冷却能力を高めて充分に冷却するためにミストに含まれる水の量を高めると、従来の発明では、ストリップの表面における垂れ水が増加すること等に起因してストリップの幅方向への温度むらが発生し、これにより、製造される鋼板の機械特性の変動や平坦度の不良が発生することを避けられなかった。 In this way, the mechanical properties of the cold-rolled steel sheet can be controlled by rapidly cooling and microstructure control by spraying mist after heating and soaking in a vertical continuous annealing furnace in which the strip is continuously passed in the vertical direction. If the amount of water contained in the mist is increased in order to increase the cooling capacity and sufficiently cool when securing the width of the strip in the conventional invention, the drooping water on the surface of the strip increases. It was inevitable that temperature unevenness in the direction occurred, resulting in fluctuations in mechanical properties and poor flatness of the steel sheet to be produced.
本発明は、上下方向へ向けて連続的に搬送される加熱されたストリップに、水を含むミスト又は水を噴霧することによってこのストリップを連続的に冷却して熱処理することにより冷延鋼板を製造する際に、このストリップの温度が400℃超である場合には水の温度を45℃以下とするとともに、ストリップの温度が400℃以下200℃以上である場合には水の温度を40℃以上とすることを特徴とする冷延鋼板の製造方法である。 The present invention manufactures a cold-rolled steel sheet by continuously cooling and heat-treating this strip by spraying water-containing mist or water onto a heated strip that is continuously conveyed in the vertical direction. When the strip temperature is over 400 ° C., the water temperature is 45 ° C. or lower, and when the strip temperature is 400 ° C. or lower and 200 ° C. or higher, the water temperature is 40 ° C. or higher. It is a manufacturing method of the cold-rolled steel sheet characterized by these.
この本発明に係る冷延鋼板の製造方法では、ストリップに吹き付ける水の総量を、水の噴流衝突点における平均水量密度に換算して500(L/m2)/min以下とすることが、望ましい。この本発明において「噴流衝突点」とは冷却ゾーンの開始からゾーン出口までと冷却ヘッダーの幅とにより区画される領域を意味する。 In the method for manufacturing a cold-rolled steel sheet according to the present invention, it is desirable that the total amount of water sprayed on the strip is 500 (L / m 2 ) / min or less in terms of the average water density at the water jet collision point. . In this invention, the “jet collision point” means a region defined by the cooling header from the start of the cooling zone to the zone outlet and the width of the cooling header.
本発明により、ストリップを上下方向へ搬送しながら連続的に焼鈍する縦型の連続焼鈍炉における冷却ゾーンにおいて、ストリップに噴霧されたミストに含まれる水がストリップの表面を垂れ落ちること等に起因したストリップの幅方向への温度むらの発生を抑制することができ、これにより、例えば平坦度が良好な冷延ハイテン材を安定して製造することができる。 According to the present invention, in the cooling zone in the vertical continuous annealing furnace that continuously anneals while transporting the strip in the vertical direction, the water contained in the mist sprayed on the strip dripped down the surface of the strip. The occurrence of temperature unevenness in the width direction of the strip can be suppressed, and thereby, for example, a cold-rolled high-tensile material with good flatness can be stably manufactured.
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態で用いるストリップの縦型の連続焼鈍炉の試験装置1の構成を模式的に示す説明図である。
The best mode for carrying out the present invention will be described below in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is an explanatory view schematically showing a configuration of a
この連続焼鈍炉の試験装置1(以下、「連続焼鈍炉1」と表記する)では、巻出コイル2から巻き出された冷延鋼板のストリップ3を、水平及び下方向へ向けて順次連続的に搬送しながら、電気加熱炉4により所定の温度に静止加熱しその後均熱約2分実施する。電気加熱炉4は、長さが1.5mであって幅が500mmの鋼板を850℃に加熱して徐冷する能力を有し、加熱の温度パターンを自在に制御可能である。
In this continuous annealing furnace test apparatus 1 (hereinafter referred to as “continuous annealing
電気加熱炉4により加熱されたストリップ3は、シールロール5を通過して第1の冷却ゾーン6へ導かれる。シールロール5は、第1の冷却ゾーン6から電気加熱炉4へ向けてスプレー水が吹き上がることを防止する。
The
ストリップ3は、第1の冷却ゾーン6において、下方向へ向けて搬送されながら図示しない第1の気水ノズルから、水と気体を混合したミスト(もしくは水のみのスプレー)を噴霧されて冷却され、サポートロール7へ送られる。
In the
なお、図示していないが、第1の冷却ゾーン6とサポートロール7との間であって第1の冷却ゾーン6の直下に、水ノズルである第1の水ナイフを配置しておき、この第1の水ナイフから第1の冷却ゾーン6を通過したストリップ3の表面に向けてスプレーを行うことにより、ストリップ3の表面における垂れ水の水切りを行うことが、ストリップ3の幅方向への温度むらの発生を抑制するためには、望ましい。
Although not shown, a first water knife as a water nozzle is disposed between the
ストリップ3は、その表面に当接して同期しながら回転するサポートロール7を通過して、バタツキ及び傷の発生を防止される。そして、ストリップ3は、第2の冷却ゾーン8へ送られる。
The
ストリップ3は、第2の冷却ゾーン8において、下方向へ向けて搬送されながら図示しない第2の気水ノズルから、水と気体を混合したミストが噴霧されて冷却される。このように、この連続焼鈍炉1では、第1の冷却ゾーン6及び第2の冷却ゾーン8からなる冷却帯9により、ストリップ3の表面へ向けてミストを噴霧することにより所定の温度に冷却して熱処理を行う。このようにして、ストリップ3に所望の機械特性が付与される。
The
第2の冷却ゾーンを通過したストリップ3は、デフロール10を介して検査台11へ送られる。検査台11においてストリップ3の平坦度が、レーザー変位計でスキャンすることにより測定される。
The
なお、図示していないが、第2の冷却ゾーン8とデフロール10との間であって第2の冷却ゾーン8の直下に、水ノズルである第2の水ナイフを配置しておき、この第2の水ナイフから第2の冷却ゾーン8を通過したストリップ3の表面に向けてスプレーを行うことにより、ストリップ3の表面における垂れ水の水切りを行うことが、ストリップ3の幅方向への温度むらの発生を抑制するためには、望ましい。
Although not shown, a second water knife, which is a water nozzle, is arranged between the
さらに、この第2の水ナイフの下方に、ガスジェットノズルであるガスナイフを配置しておき、このガスナイフからストリップ3の表面に向けて水切りガスを噴射することにより垂れ水の水切りを行うことが、ストリップ3の幅方向への温度むらの発生を抑制するためには、望ましい。
Further, a gas knife that is a gas jet nozzle is arranged below the second water knife, and dripping water is drained by spraying a draining gas from the gas knife toward the surface of the
このように、本実施の形態では、上下方向へ向けて連続的に搬送される加熱されたストリップ3に、第1の冷却ゾーン6及び第2の冷却ゾーン8からなる冷却帯9を用いて、水を含むミストを噴霧することによってこのストリップ3を連続的に冷却して熱処理することにより冷延鋼板を製造する。
As described above, in the present embodiment, the
このようにしてストリップ3を連続的に熱処理することにより冷延鋼板を製造する際、ストリップ3の温度が400℃超である場合にはミストに含まれる水の温度を45℃以下とするとともに、ストリップ3の温度が400℃以下200℃以上である場合にはミストに含まれる水の温度を40℃以上とする。以下、このようにストリップ3の温度に応じて、ミストに含まれる水の温度を制限する理由を説明する。
When producing a cold-rolled steel sheet by continuously heat-treating the
図2は、固定保持されたストリップの試験片22を冷却するための試験装置20の構成を模式的に示す説明図である。
この試験装置20では、固定治具21により固定支持された試験片22(厚さ1.4mm、幅300mm、長さ300mmの高張力冷延鋼板)の表面へ600mm幅の冷却スプレーを噴霧することができる第1の気水冷却ヘッダー23及び第2の気水冷却ヘッダー24を配置し、試験片22と、第1の気水冷却ヘッダー23及び第2の気水冷却ヘッダー24との間に手動シャッター25(厚さ1.0mm、幅500mm、長さ500mmの鋼板)を配置するとともに、試験片22の表面温度を記録するための熱電対26及びレコーダー27を配置する。
FIG. 2 is an explanatory view schematically showing the configuration of the
In this
そして、第1の気水冷却ヘッダー23及び第2の気水冷却ヘッダー24から噴霧されるミストに含まれる冷却水の量、温度及び試験片22の温度を様々に変更しながら、手動シャッター25を開閉することによりミストを試験片22の表面に吹き付けて試験片22の冷却を行い、試験片22に生じる温度ムラを測定する基礎試験を行った。この基礎試験の結果より、以下に列記する事項(a)〜(c)が判明した。
Then, while changing the amount of cooling water contained in the mist sprayed from the first air-
(a)試験片22の冷却速度を増加するためにミストに含まれる水の量を増加すると、幅方向水量分布の幅方向偏差は増大し、試験片22に生じる温度むらが増加する。これは、主に試験片22の表面を流下する垂れ水による、部分的に過剰な冷却が原因であると考えられる。
(A) When the amount of water contained in the mist is increased in order to increase the cooling rate of the
図3は、図1に示す連続焼鈍炉1を用いて、800℃に加熱されたストリップ3(板厚1.1mm、幅500mm)を30m/minの搬送速度で下方へ向けて搬送しながら、冷却帯9により、冷却水の量を種々変更したミストを噴霧して300℃まで冷却した場合における、ストリップ3の幅方向に発生した温度むらに及ぼす冷却水量の影響を示すグラフである。
FIG. 3 shows a
同図にグラフで示すように、ミストに含まれる水の量を増加すると、試験片22の板幅方向に生じる温度むらは、略直線的に増加することがわかる。
As shown in the graph in the figure, it can be seen that when the amount of water contained in the mist is increased, the temperature unevenness generated in the plate width direction of the
(b)図4は、ミストの冷却能に及ぼす水の温度の影響を示すグラフである。同図にグラフで示すように、ミストに含まれる水の温度を低下させるとミストの冷却能は1℃当たり約2.5%増加することがわかる。したがって、この水の温度を60℃から20℃へと40℃低下すると、水の量を増加しなくとも、ミストの冷却能を2倍に増加することができることとなる。ミストに含まれる水の温度を低下するだけであって水の量自体は何ら増加しないので、幅方向の温度むらは増加しない。 (B) FIG. 4 is a graph showing the influence of water temperature on the cooling ability of mist. As shown in the graph in the figure, it can be seen that when the temperature of the water contained in the mist is lowered, the cooling ability of the mist increases by about 2.5% per 1 ° C. Therefore, when the temperature of this water is lowered by 40 ° C. from 60 ° C. to 20 ° C., the mist cooling capacity can be doubled without increasing the amount of water. Since only the temperature of the water contained in the mist is lowered and the amount of water itself does not increase at all, the temperature unevenness in the width direction does not increase.
(c)図5は、この基礎試験における、膜沸騰から核沸騰へ変移する遷移温度(クエンチ開始点温度)であるクエンチ開始点鋼板温度(℃)に及ぼす、冷却水の温度、水量密度(実機総水量相当で800、500、200m3/h)との関係を示すグラフである。 (C) FIG. 5 shows the cooling water temperature and water density (actual machine) which affect the quench starting point steel plate temperature (° C.), which is the transition temperature (quenching starting point temperature) for transition from film boiling to nucleate boiling in this basic test. It is a graph which shows the relationship with 800, 500, 200 m < 3 > / h) by total water quantity.
図4、5にグラフで示す結果からも理解されるように、クエンチ開始点温度及び冷却能力(冷却速度)は、水の温度及び水量密度により変化する。一般的に、冷却能(熱伝達係数)は水量密度の0.6乗に比例する。ここで、図5のグラフに示すように、実機相当500m3/hを基準として水量分布が板幅方向で実機相当で総水量の±60%程度変動(実機相当で200〜500〜800m3/h)、さらに水温30〜70℃変化したとすると、クエンチ開始点温度は約260〜400℃の範囲で変動することがわかる。すなわち、クエンチ開始点温度は水量密度の0.1〜0.2乗程度に比例しあまり変化しないが、冷却速度(正確には表面の熱伝達係数)は水量密度の0.6乗に比例するので、水量分布が板幅方向で±60%変動すると、冷却速度はすなわち58%〜133%まで変動することとなり、例えばNO.2冷却ゾーンでは目標冷却量450℃→250℃(ΔT=200℃)に対して、幅方向で(ΔT変動=116〜266℃)停止温度変動は184℃〜334℃(温度むら約150℃)が発生する。 As understood from the graphs shown in FIGS. 4 and 5, the quench start point temperature and the cooling capacity (cooling rate) vary depending on the water temperature and the water density. In general, the cooling capacity (heat transfer coefficient) is proportional to the power density of 0.6. Here, as shown in the graph of FIG. 5, actual equivalent 500 meters 3 / h water distribution total water of ± 60% about variation in actual equivalent in the plate width direction based on the (200~500~800M in actual equivalent 3 / h) Further, if the water temperature is changed by 30 to 70 ° C., it can be seen that the quench starting point temperature varies in the range of about 260 to 400 ° C. That is, the quench start point temperature is proportional to the water density of about 0.1 to 0.2 and does not change much, but the cooling rate (exactly the surface heat transfer coefficient) is proportional to the water density of 0.6. Therefore, if the water amount distribution fluctuates ± 60% in the plate width direction, the cooling rate fluctuates from 58% to 133%. In the two cooling zones, the target cooling amount is 450 ° C. → 250 ° C. (ΔT = 200 ° C.), but the stop temperature fluctuation is 184 ° C. to 334 ° C. (temperature unevenness about 150 ° C.) in the width direction (ΔT fluctuation = 116 to 266 ° C.). Occurs.
これまでは、水量を変化させることにより冷却能を制御してきたが、水量を増加すると水量分布の偏差及び垂れ水が増大してストリップ3の温度ムラが発生し易くなる。さらに、ストリップ3における水量密度が大きい場所は、部分的に温度低下してクエンチが発生し温度ムラがさらに増大する。すなわち、ストリップ3を冷却している段階で、冷却ゾーン内(特にストリップの板幅方向)にクエンチ開始点温度を挟んだ冷却領域が生成すると板幅方向の温度ムラが増大する。このため、この温度ムラの増大を防ぐためには、冷却ゾーン内にクエンチ開始点温度を生成させないことが重要である。
Until now, the cooling capacity has been controlled by changing the amount of water. However, when the amount of water is increased, the deviation of the water amount distribution and drooping water increase, and the temperature unevenness of the
ここで、水の温度を変化させることにより冷却能を制御すると、図5のグラフに示すように、水量密度は変化しないので、(水量増大時に生じる水量分布変動等に起因した)部分的な強冷却やクエンチが発生し難くなり、均一な冷却を行うことが可能になる。 Here, when the cooling capacity is controlled by changing the temperature of the water, as shown in the graph of FIG. 5, the water density does not change. Cooling and quenching are less likely to occur, and uniform cooling can be performed.
しかし、水の温度を変化させることにより冷却能を制御する場合においても、ストリップ3の温度が低下したゾーンで温度の低い水により冷却を行うと、クエンチし易いために冷却停止温度の精度が悪化する。例えば、図5のグラフに示す例では、試験片22の温度が300℃以下と低い場合に低温の水(40℃、Qw800〜500m3/h実機総水量相当(実機総水量の80%〜50%))を用いると、クエンチが発生し膜沸騰から遷移・核沸騰へ変移することにより試験片22の幅方向の温度むらが増大することがある。
However, even when the cooling capacity is controlled by changing the temperature of the water, if cooling is performed with water having a low temperature in the zone where the temperature of the
そこで、本発明では、ストリップ3の温度が高い冷却ゾーンの前半では低い温度の水を用いた冷却を行うことにより充分な強冷却を行うとともに、ストリップ3の温度が低い冷却ゾーンの後半では逆に水温を上昇させて冷却を行うことによってクエンチ開始点温度を低下してクエンチし難くし、これにより、部分的な急速冷却を生じないようにする。
Therefore, in the present invention, the first half of the cooling zone in which the temperature of the
具体的には、本実施の形態では、所定の温度に加熱及び保持されたストリップ3を連続的に通板させる連続焼鈍炉1の冷却帯9においてストリップ3に噴霧されるミストに含まれる水の温度を、
Specifically, in this embodiment, the water contained in the mist sprayed on the
(i)ストリップ3の温度が400℃超である第1の冷却ゾーン6においては、45℃以下とすることにより、ミストに含まれる水の量を増加しないので垂れ水が増加せず、温度むら無くストリップ3を充分に冷却するとともに、
(I) In the
(ii)冷却速度が急激に変化するクエンチ開始点温度の近傍、すなわちストリップ3の温度が400℃以下200℃以上である第2の冷却ゾーン8においては、40℃以上として(水量もできるだけ500L/min/m2以下にして、クエンチ点温度から停止温度までを少なくして温度ムラ増大を防止する)、クエンチ開始点をできるだけ低下させて回避して温度むらを増加させない冷却を行うこと(250℃まで冷却すると通常クエンチは発生するが、その発生温度を極力停止温度に近かづける事で温度ムラ低減可能)により、ストリップ3の幅方向の温度むらが発生することを実質的に解消でき、これにより、最終的に平坦度が良好な冷延鋼板を製造することができる。
(Ii) In the
なお、本実施の形態ではストリップ3に噴霧されるミストに含まれる水の温度を制御することとしたが、これとともに、ミストに含まれるガスの温度も制御するようにしてもよい。
In the present embodiment, the temperature of the water contained in the mist sprayed on the
つまり、加熱及び均熱されたストリップ3を連続的に通板させる連続焼鈍炉1において、水及び気体を混合したミストを噴霧することによりストリップ3を冷却する冷却帯9において、(i)冷却帯9の前段から中段にかけての、ストリップ3の温度が400℃超の領域である第1の冷却ゾーン6では、ミストに含まれる水の温度を45℃以下とするとともに(ii)冷却帯9の中段から後段にかけての、ストリップ3の温度が400℃以下200℃以上である領域である第2の冷却ゾーン8では、ミストに含まれる水の温度を40℃以上とする。これにより、第1の冷却ゾーン6ではストリップ3における垂れ水に起因した、ストリップ3の幅方向の温度むらの発生を抑制しながら充分な冷却を行うことができるとともに、第2の冷却ゾーン8では膜沸騰から核沸騰へ変移することに起因した、ストリップ3の幅方向の温度むらの発生を抑制しながら冷却を行うことができる。これらが相まって、ストリップ3の幅方向の温度むらの発生を抑制できるので、平坦度が良好であって所定の機械特性を有する冷延鋼板を確実かつ安価に製造することができる。
That is, in the
このような観点からは、ストリップ3の温度が400℃超の領域である第1の冷却ゾーン6における、ミストに含まれる水の温度の下限、及び、ストリップ3の温度が400℃以下200℃以上である領域である第2の冷却ゾーン8における、ミストに含まれる水の温度の上限は、いずれも限定する必要はないが、第2の冷却ゾーン8における水の温度が高温になり過ぎると蒸気膜が発生し易くなり冷却能力が低下するので70℃以下であることが望ましい。また、第1の冷却ゾーン6における水の温度が低くなり過ぎると冷却能が上昇し急速冷却による鋼板の変形が発生し易くなるので20℃以上であることが望ましい。
From such a viewpoint, the lower limit of the temperature of the water contained in the mist in the
ミストに含まれる水の温度を上述したように制御するには、供給される水の温度を制御するために周知慣用される各種の手段を用いればよく、特定の手段には制限されない。例えば、上述した図1に示す連続焼鈍炉1における第1の冷却ゾーン6及び第2の冷却ゾーン8において、各冷却ヘッダー又は複数のヘッダーがまとまったユニット毎に、水の温度を制御するための機器(例えば熱交換器や清浄水供給系等)を追加することが例示される。
In order to control the temperature of the water contained in the mist as described above, various means commonly used for controlling the temperature of the supplied water may be used, and the specific means is not limited. For example, in the
また、本実施の形態では、第2の冷却ゾーン8における水の温度を40℃以上の適正な温度に設定する、いわば水温制御を行って冷却帯9全体の冷却能力を向上することができるので、第2の冷却ゾーン8における水の総量を一定とするか若しくは低減することができる。このため、例えばハイテン材等の高強度材の冷却を適正に(ある一定の冷却速度で低温、例えば300℃以下まで冷却する)行うことができる。具体的には、ストリップ3に噴霧するミストに含まれる水の総量は所定値以下、例えば水の噴流衝突点における平均水量密度に換算して500(L/m2)/min以下、望ましくは500(L/m2)/min以下50(L/m2)/min以上に低減することが、望ましい。
Moreover, in this Embodiment, since the temperature of the water in the
このようにして、本実施の形態によれば、冷却を適正に行うことができる分に見合って合金元素の含有量を低下させても所望の強度を確保でき、さらに冷却停止温度を低下させるので幅方向に性能バラツキがない、平坦度が良好な冷延鋼板を製造することができる。 Thus, according to the present embodiment, the desired strength can be ensured even if the content of the alloy element is reduced in proportion to the amount that can be properly cooled, and the cooling stop temperature is further reduced. A cold-rolled steel sheet with good flatness and no performance variation in the width direction can be produced.
さらに、本発明を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
図1に示す連続焼鈍炉1と同様の構成を有する、実製造用の連続焼鈍炉を用いて、ハイテン材からなるストリップ3の熱処理を行って、引張強度が980MPaの冷延鋼板を製造した。試験結果を、試験条件とともに表1にまとめて示す。
Furthermore, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
Using a continuous annealing furnace for actual production having the same configuration as the
表1における従来例1は、第1の冷却ゾーン6、第2の冷却ゾーン8ともに水量100%とし、水温55℃とした。また、冷延鋼板の強度を確保するために、合金元素を添加した材料を母材として用いた。従来例1では、垂れ水の量が多く、ストリップ3の幅方向の温度むらが55℃であり、その結果、平坦度の不良(耳波)が発生した。
In Conventional Example 1 in Table 1, the amount of water was 100% in both the
表1における従来例2は、第1の冷却ゾーン6の水量を85%とするとともに第2の冷却ゾーン8の水量を70%とした。また、水温を従来例1よりも少し下げて50℃とした。従来例2では、垂れ水の量は減少し、ストリップ3の幅方向の温度むらは30℃に減少し、平坦度の不良は減少した。しかし、冷却が不十分で冷却停止温度が270℃と、目標とする250℃よりも高かったために、水冷による強度上昇効果が不十分であり、合金元素を若干添加必要があった。
In Conventional Example 2 in Table 1, the amount of water in the
これに対し、本発明例1では、第1の冷却ゾーン6の水量を70%とするとともに第2の冷却ゾーン8の水量を70%とした。また、水温を44℃とした。本発明例1では、水量は一定以下(従来例2に比べ低減、第1の冷却ゾーン6は85%→70%と水量低減、第2の冷却ゾーン8は水量一定)であっても冷却停止温度は目標の250℃まで低下し、十分な強度上昇が可能となった。また、母材の合金元素の含有量を高める必要がなくなり、製造コストを低減できる。
In contrast, in Example 1 of the present invention, the amount of water in the
さらに、本発明例2では、本発明例1に対して第1の冷却ゾーン6の水温を36℃に低下した。本発明例2によると、冷却能力に余裕ができるために搬送速度を従来並みの90m/minに上昇することができ、生産性も向上し、非常に有利である。
Furthermore, in Invention Example 2, the water temperature in the
すなわち、本発明例1、2では、第1の冷却ゾーン6ではストリップ3の温度が400℃以上であるので水温を45℃以下として冷却能力を稼いで充分に冷却し、第2の冷却ゾーン8では板温度が400〜200℃と、形状を崩し易いクエンチ開始点近傍となるので、水温を40℃以上と高く設定することによりクエンチ開始点を極力回避して温度むらを増加させない冷却を行う。
That is, in Examples 1 and 2 of the present invention, the temperature of the
これにより、ストリップ3の幅方向の温度むらが半減し、停止温度を250℃まで低下できたので、合金元素の含有量が少ない安価な母材をベースとして材質のバラツキがない、平坦度が良好な冷延鋼板を製造することができるようになった。
As a result, the temperature unevenness in the width direction of the
表1における比較例は、第2の冷却ゾーンにおける水の温度が37℃と、本発明で規定する範囲を下回るものであるが、板幅方向の温度むらが83℃と大きくなり、耳波が発生して、冷延鋼板の平坦度が不芳であった。 In the comparative example in Table 1, the temperature of water in the second cooling zone is 37 ° C., which is lower than the range specified in the present invention, but the temperature unevenness in the plate width direction is as large as 83 ° C. Occurred and the flatness of the cold-rolled steel sheet was unsatisfactory.
このように、本発明例1、2によれば、従来例1、2に比較し、合金元素の含有量が少ない安価な母材を使用しても所望の高強度の冷延鋼板を製造することができ、さらに生産性も高位に確保できることから、幅方向の機械特性のバラツキが少なく、かつ平坦度が良好な冷延鋼板を安価に製造することができた。 Thus, according to Invention Examples 1 and 2, compared to Conventional Examples 1 and 2, a desired high-strength cold-rolled steel sheet is produced even when an inexpensive base material having a low alloy element content is used. In addition, since the productivity can be secured at a high level, a cold-rolled steel sheet with little variation in the mechanical properties in the width direction and good flatness can be produced at low cost.
1 連続焼鈍炉の試験装置
2 巻出コイル
3 ストリップ
4 電気加熱炉
5 シールロール
6 第1の冷却ゾーン
7 サポートロール
8 第2の冷却ゾーン
9 冷却帯
10 デフロール
11 検査台
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