JP2009125957A - 記録媒体及びその製造方法、並びにインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水系インクに対する優れた塗布適正を有し、インク吸収性及び耐水性に優れる記録媒体及びその製造方法並びに画像滲み及び色間混色が防止されるインクジェット記録方法の提供。
【解決手段】原紙と、バインダーを含む第1の層と、白色顔料及び水溶性ポリビニルアセタールを含む第2の層と、が順次積層されており、前記第1の層が設けられた前記原紙の第1の層の表面におけるJIS P8140に準拠した吸水度試験による接触時間120秒間のコッブ吸水度が2.0g/m以下であって、前記第2の層の表面におけるブリストー法による接触時間0.5秒間の吸水量が2mL/m以上8mL/m以下である記録媒体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、記録媒体及びその製造方法、並びにこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット装置は、構造が簡易であり、インクジェット装置を用いて行なわれるインクジェット記録によって高画質な画像記録が可能である。インクジェット記録に用いられるインクは、インクジェットヘッドから吐出できるように、数mPa・sから30mPa・s程度の粘度に調整され、20mN/mから40mN/m程度の表面張力となるように設計されている。
インクの粘度が前記範囲内となるように、通常はインク中に質量で50%から90%のインク溶媒が含まれる。インク溶媒としては、水、有機溶媒、オイル、光重合性モノマー等が用いられるが、特に環境適性の観点から水が多用される。また、インク溶媒の乾燥により、インクジェットヘッドの吐出ノズルが目詰まりを引き起こさないように、インク溶媒としてグリセリン等の高沸点溶媒が一般に用いられている。
一方で、インク描画された記録媒体に多量のインク溶媒が存在すると、多量のインク溶媒による画像滲みや色間の混色が発生しやすい。そのため、インク溶媒を吸収する20〜30μm程度の溶媒吸収層(インク受容層)を表面に有するインクジェット専用紙200(図5参照)が記録媒体として用いられ、画像滲みや色間の混色が発生するのを抑制している。
また、インク溶媒として水を用いた水系インクの場合、記録時に水が原紙に浸透することにより、カールなどの紙変形が発生するが、図5に示すように、記録媒体が原紙21の上に溶媒吸収層22を有すると、水が原紙に浸透するのが抑制され、紙変形を抑制することができる。
特に画像濃度や画像面積率の高いグラフィカルな画像を形成しようとする場合は、記録媒体上の単位面積あたりのインク量が多くなり、溶媒吸収層がインク溶媒の原紙への浸透を抑えきれなくなる。そのため、ポリオレフィン等を用いた樹脂層で被覆された耐水紙(例えばラミネート紙)が一般に使用されている。
ところが、インクジェット技術は、オフィスプリンター、ホームプリンター等の分野での適用のみならず、近年では、商業印刷分野での応用がなされつつある。この商業印刷分野では、完全にインク溶媒の原紙への浸透をシャットアウトする写真のような表面を有するものではなく、汎用の印刷紙のような印刷の風合いが要求されている。そのため、記録媒体を構成している溶媒吸収層が20〜30μmと厚くなると、記録媒体の表面光沢、質感、こわさ(コシ)等が制限されてしまうため、商業印刷分野でのインクジェット技術の適用は、記録媒体に対する表面光沢、質感、こわさ(コシ)等の制限が許容されるポスター、帳票印刷等に留まっている。
また、記録媒体は、溶媒吸収層、耐水層を有することによりコスト高となっており、それも上記制限の一因となっている。
上記に関連する技術として、画像の耐光性を改善する目的で、インク受容層に水溶性ポリビニルアセタールを含有させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、溶剤系インク、その中でも特にグリコール系インクに対するインク乾燥性などの印字適性(塗布適正)を向上する目的で、ポリビニルアセタール樹脂を含むインク受容層を有するインクジェット記録材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−511387号公報 特開2006−62272号公報
しかしながら、特許文献1の方法ではインクジェット受像層のインクの吸収性が低いという問題があった。また、特許文献2のインクジェット記録材料は溶剤系インクを用いた際に優れた塗布適正を示すものの、水系インクを用いた場合にはインクの塗布適正に劣るという問題があった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、水系インクに対する優れた塗布適正を有し、インク吸収性及び耐水性に優れる記録媒体及びその製造方法並びに画像滲み及び色間混色が防止されるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 原紙と、バインダーを含む第1の層と、白色顔料及び水溶性ポリビニルアセタールを含む第2の層と、が順次積層されており、
前記第1の層が設けられた前記原紙の第1の層の表面におけるJIS P8140に準拠した吸水度試験による接触時間120秒間のコッブ吸水度が2.0g/m以下であって、前記第2の層の表面におけるブリストー法による接触時間0.5秒間の吸水量が2mL/m以上8mL/m以下である記録媒体である。
<2> 第1の層中の前記バインダーは、熱可塑性樹脂を含む<1>に記載の記録媒体である。
<3> 前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル系ウレタンラテックス及びアクリルシリコーン系ラテックスより選ばれる少なくとも1種である<2>に記載の記録媒体である。
<4> 前記第1の層は、白色顔料を更に含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の記録媒体である。
<5> 前記白色顔料がカオリンである<1>〜<4>のいずれか1つに記載の記録媒体である。
<6> 原紙上に、熱可塑性樹脂粒子を含む造膜液を付与し、前記熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度以上の温度領域で加熱処理することにより第1の層を形成する第1の形成工程と、
前記第1の層上に、白色顔料及び水溶性ポリビニルアセタールを含む造膜液を付与して第2の層を形成する第2の形成工程と、を有し、
<2>〜<5>のいずれか1つに記載の記録媒体を製造する記録媒体の製造方法である。
<7> 前記熱可塑性樹脂粒子が、ポリエステル系ウレタンラテックス及びアクリルシリコーン系ラテックスより選ばれる少なくとも1種である<6>に記載の記録媒体の製造方法である。
<8> <1>〜<5>のいずれか1つに記載の記録媒体にインクを付与し、所定の画像データに応じてインク描画するインク描画工程と、
インク描画された前記記録媒体におけるインク溶媒を乾燥除去する乾燥除去工程と、
を有するインクジェット記録方法である。
<9> <1>〜<5>のいずれか1つに記載の記録媒体に、酸性物質を含む処理液を供給する処理液供給工程と、
処理液が供給された前記記録媒体にインクを付与し、所定の画像データに応じてインク描画するインク描画工程と、
インク描画された前記記録媒体におけるインク溶媒を乾燥除去する乾燥除去工程と、
を有するインクジェット記録方法である。
本発明によれば、水系インクに対する優れた塗布適正を有し、インク吸収性及び耐水性に優れる記録媒体及びその製造方法並びに画像滲み及び色間混色が防止されるインクジェット記録方法が提供される。
以下、本発明の記録媒体及びその製造方法、並びにこの記録媒体を用いたインクジェット記録方法について詳細に説明する。
<記録媒体>
本発明の記録媒体は、原紙と、該原紙側から順に設けられた第1の層及び第2の層とを有してなり、必要に応じて、更に適宜選択された他の層を設けて構成することができる。本発明の記録媒体は、例えば、図1に示す記録媒体100のように、原紙としての上質紙11と、上質紙11の上に形成された第1の層としての溶媒ブロッキング層12と、溶媒ブロッキング層12の上に形成された第2の層としてのコート層13とを設けて構成される。また、記録媒体は、シート紙及びロール紙のいずれであってもよい。
(原紙)
原紙としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
原紙の原料として使用できるパルプとしては、原紙の表面平滑性、剛性及び寸法安定性(カール性)を同時にバランス良く、かつ高いレベルにまで向上させる点から、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が望ましい。また、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)や広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等を使用することもできる。
パルプの叩解には、ビータやリファイナー等を使用できる。パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」ということがある。)には、必要に応じて各種添加材、例えば、填料、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤等が添加される。
填料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等が挙げられる。
湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等が挙げられる。
定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が挙げられる。
その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
また、パルプ紙料には、必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。柔軟化剤については、例えば、新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)に記載がある。
表面サイズ処理に使用される処理液には、例えば、水溶性高分子、サイズ剤、耐水性物質、顔料、pH調整剤、染料、蛍光増白剤等が含まれていてもよい。
水溶性高分子としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
サイズ剤としては、例えば、石油樹脂エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、ロジン、高級脂肪酸塩、アルキルケテンダイマー(AKD)、エポキシ化脂肪酸アミド等が挙げられる。
耐水性物質としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテックス・エマルジョン類、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等が挙げられる。
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が挙げられる。
原紙の材料の例としては、上記した天然パルプ紙の他に、合成パルプ紙、天然パルプと合成パルプの混抄紙、更には各種の抄き合わせ紙を挙げることができる。
原紙の厚みとしては、30〜500μmが好ましく、より好ましくは50〜300μmであり、さらに好ましくは70〜200μmである。
(第1の層)
本発明の記録媒体の前記原紙の上には、第1の層が設けられる。第1の層を設けることにより、原紙へのインク溶媒の浸透が抑制される。例えば、溶媒ブロッキング層が設けられた紙として、ポリエチレン樹脂を主成分とした被膜層を原紙表面に設けたものが公知となっている。しかしながら、上述の溶剤ブロッキング層を設けて耐水性を与えた紙では、水の浸透防止効果はほぼ完全なものが得られるが、紙としての風合いについては必ずしも満足できるものではない。
第1の層は、バインダーを少なくとも含み、第1の層が設けられた原紙の、第1の層の表面におけるJIS P8140に準拠した吸水度試験による接触時間120秒間のコッブ吸水度を2.0g/m以下とする。この範囲であれば特に制限はなく、第1の層としては、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
また、第1の層は、前記バインダー以外に、必要に応じて更に架橋剤及び白色顔料等の他の成分を用いて構成することができる。
本発明における第1の層は、インク溶媒の浸透を抑え、良好な表面性状を得る点で、例えば、バインダーとして熱可塑性樹脂(好ましくはラテックス、より好ましくはポリエステル系ウレタンラテックス、アクリルシリコーン系ラテックス)を、白色顔料としてカオリンを用い、熱可塑性樹脂の質量(固形分)xとカオリンの質量yとの質量比率x/yを1以上30以下とした層、これに更に、エポキシ化合物、活性メチレン基を有する化合物、塩化シアヌル、ホルムアルデヒド、及びカルボジイミドから選択される架橋剤を用いた層などが好ましい。
−バインダー−
第1の層は、バインダーの少なくとも1種を含有する。バインダーは、分散のみならず、塗膜強度を向上させる目的で用いられる。
バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール(カルボキシ変性、イタコン酸変性、マレイン酸変性、シリカ変性及びアミノ基変性等の変性ポリビニルアルコールを含む)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビヤゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド、酢酸ビニル−ポリアクリル酸共重合体のケン化物等が挙げられる。また、スチレン・ブタジエン共重合物、酢酸ビニル共重合物、アクリロニトリル・ブタジエン共重合物、アクリル酸メチル・ブタジエン共重合物、ポリ塩化ビニリデン等の合成高分子のラテックス系のバインダーが挙げられる。
前記ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をケン化して得られるポリビニルアルコール及びその誘導体や、酢酸ビニルと共重合しうる単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物が含まれる。ここで、酢酸ビニルと共重合しうる単量体としては、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、スルホン酸マレート等のオレフィンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸ソーダ、エチレンスルホン酸ソーダ、スルホン酸ソーダ(メタ)アクリレート、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート等のオレフィンスルホン酸アルカリ塩、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩等のアミド基含有単量体、さらには、N−ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。
バインダーとしては更に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のα−オレフィンの単独重合体又はこれらの混合物等のポリオレフィン類;ポリアミドやポリイミド類;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類;等の汎用の熱可塑性重合体をはじめ、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸フェニル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;スチレン、クロルスチレン、ビニルスチレン等のスチレン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等からなる単独重合体、あるいはこれらの構成単位を含む任意の共重合体など、公知の熱可塑性樹脂やそのラテックスの中から適宜選択することができる。
中でも、水遮断性の点で、熱可塑性樹脂が好ましく、ラテックスがより好ましい。ラテックスとしては、アクリル系ラテックス、アクリルシリコーン系ラテックス、アクリルエポキシ系ラテックス、アクリルスチレン系ラテックス、アクリルウレタン系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、ポリエステル系ウレタンラテックス、及び酢酸ビニル系ラテックス等の熱可塑性樹脂のラテックスが挙げられる。
特には、インク溶媒浸透性とコックリング抑制の効果が高く経済性と製造適性を兼ね備える点で、ポリエステル系ウレタンラテックス、アクリルシリコーン系ラテックスが好ましい。
前記ラテックスの分子量としては、数平均分子量で3,000〜1,000,000が好ましく、特に5,000〜100,000程度のものがより好ましい。該分子量は、3,000以上であると第1の層の力学強度を確保でき、1,000,000以下であると分散安定性や粘度等の製造適性面で有利である。
具体的には、アクリル系ラテックスとしては、市販品も使用でき、例えば、以下のような水分散性ラテックスが利用できる。すなわち、アクリル系樹脂の例として、ダイセル化学工業(株)製の「セビアンA4635、46583、4601」など、日本ゼオン(株)製の「Nipol Lx811、814、821、820、857」等が挙げられる。特に、特開平10−264511号、特開2000−43409号、特開2000−343811号、特開2002−120452号の各公報に記載のアクリルシリコンラテックスのアクリルエマルジョン(市販品としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製のアクアブリッドシリーズ UM7760、UM7611、UM4901、アクアブリッド903、同ASi−86、ASi−89、同ASi−91、ASi−753、同4635、同4901、同MSi−04S、同AU−124、同AU−131、同AEA−61、同AEC−69、同AEC−162など)等も好適に使用することができる。
また、ポリエステル系ウレタンラテックスとしては、例えば、市販品として、大日本インキ化学工業(株)製のHYDRAN APシリーズ(例えば、HYDRAN AP−20、同AP−30、同AP−30F、同AP−40(F)、同AP−50LM、同APX−101H、同APX−110、同APX−501など)等が挙げられる。
なお、上記の熱可塑性樹脂は、上記から少なくとも1種を選択して用いるのが好ましく、1種単独で用いるのみならず、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、5〜70℃が好ましく、特に15〜50℃が好ましい。前記Tgが特に前記範囲内であると、第1の層形成用の造膜液(例えば塗布液)のカワバリ等の問題が防止される等、製造上の取扱いが容易であり、またTgが高すぎてカレンダー温度をかなり高く設定しないと所望の光沢が得られない、金属ロール表面への接着が発生し易く逆に面状が悪化する等の支障を来すこともなく、容易に高光沢性、高平面性を得ることができる。
また、熱可塑性樹脂(好ましくはラテックスの樹脂微粒子)の最低造膜温度としては、20〜60℃が好ましく、25〜50℃がより好ましい。造膜しようとしたときの造膜可能な最低造膜温度領域が特に前記範囲内であると、第1の層形成用の造膜液(例えば塗布液)のカワバリ等の問題が防止される等、製造上の取扱いが容易であり、また第2の層を形成したときの染み込みが抑えられ、形成される第2の層の塗布面状が良好になり、インク溶媒を速やかに透過するのに充分な微孔性を有する層に構成することができる。液(例えば塗布液)を付与しただけの層は必ずしも良好な光沢性を備えるものではないが、後にソフトカレンダー処理を施すことで微孔性を保有した高光沢性の層が得られる。
バインダー(好ましくは熱可塑性樹脂)の第1の層中における含有量としては、該第1の層の全固形分に対して、15〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましい。該含有量が特に前記範囲内であると、カレンダー処理を施したときに光沢性、平面性が良好であり、インク溶媒の浸透性が得られ、経時滲みの発生をより効果的に防止することができる。
また、第1の層には、必要に応じて、これらのバインダーの種類に応じて、適当なバインダーの架橋剤を添加してもよい。
〜コッブ吸水度〜
本発明においては、第1の層が設けられた原紙の第1の層の側からJIS P8140に準拠した吸水度試験により測定した接触時間120秒間のコッブ吸水度を2.0g/m以下とする。コッブ吸水度が2.0g/m以下であることにより、第1の層が設けられた原紙は緩浸透性を有し、インク等の液体が付与されたときの吸収を遅らせ、カールの発生の度合いを低減できる。
更には、コッブ吸水度は、1.0g/m以下であることがより好ましい。また、コッブ吸水度の下限値は0.2g/mが望ましい。
前記コッブ吸水度は、JIS P8140に準拠した吸水度試験により測定されるものであり、原紙の片面、具体的には第1の層が設けられた原紙の第1の層の表面から一定時間水が接触した場合に吸収される水の量を測定したものである。本発明においては、接触時間は120秒間である。
第1の層には、上記成分以外に、白色顔料、硬膜剤、層状無機化合物などの他の成分を用いることができる。
−白色顔料−
白色顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、リトポン、アルミナ白、酸化亜鉛、シリカ三酸化アンチモン、燐酸チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、タルク、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、等が挙げられる。
上記のうち、画像滲み及び色間混色防止の点で、カオリンが特に好ましい。カオリンとしては、例えば、白石カルシウム(株)製のカオブライト90、カオグロス、カオホワイト等を挙げることができる。
第1の層が白色顔料を含むことにより、第1の層を形成した後にカレンダー処理するときには、カレンダーへの貼りつきを防止することもできる。
白色顔料の粒子サイズとしては、2.0μm以下の粒子が体積基準で75%以上含まれることが好ましい。粒子サイズが前記範囲内であると、白色度、光沢度が良好になる。
また、白色顔料のBET法による比表面積としては100m/g未満であるのが好ましい。この範囲の比表面積を持つ白色顔料を含むと、第2の層を塗布形成する際の塗布液の染み込みが抑えられ、第2の層のインク吸収性を高めることができる。
前記BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の1つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体として窒素ガスが用いられ、吸着量を被吸着気体の圧又は容積の変化から測定する方法が一般的である。多分子吸着の等温線を表す著名なものとして、Brunauer Emmett, Tellerの式(BET式)があり、これに基づき吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
白色顔料は、1種単独で用いるほか、2種以上を混合して用いることができる。
白色顔料の第1の層中における含有量としては、白色顔料の種類や熱可塑性樹脂の種類、層厚等によって異なるが、前記バインダーの質量(固形分)に対して、通常は5〜200質量%程度が望ましい。
−硬膜剤−
本発明の第1の層は、前記バインダーを硬膜する硬膜剤を含んでもよい。硬膜剤としては、アルデヒド系化合物、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン及びその誘導体、及びハメットの置換基定数σが正である置換基に隣接するビニル基を単一分子内に二つ以上有する化合物から選択することができる。
第1の層に硬膜剤を含有することにより、第1の層形成用の造膜液を増粘させることなく、記録媒体の耐水性を向上させることができる。これより、第1の層形成用の造膜液の塗布安定性が向上し、作製された記録媒体の耐水性も向上する。
ハメットの置換基定数σが正である置換基としては、CF基(σ値:0.54)、CN基(σ値:0.66)、COCH基(σ値:0.50)、COOH基(σ値:0.45)、COOR(Rはアルキル基を表す。)基(σ値:0.45)、NO基(σ値:0.78)、OCOCH基(σ値:0.31)、SH基(σ値:0.15)、SOCH基(σ値:0.49)、SOCH基(σ値:0.72)、SONH基(σ値:0.57)、SCOCH基(σ値:0.44)、F基(σ値:0.06)、Cl基(σ値:0.23)、Br基(σ値:0.23)、I基(σ値:0.18)、IO基(σ値:0.76)、N(CH基(σ値:0.82)、S(CH基(σ値:0.90)等が挙げられる。
ハメットの置換基定数σが正である置換基に隣接するビニル基を単一分子内に二つ以上有する化合物としては、2−エチレンスルホニル−N−[2−(2−エチレンスルホニル−アセチルアミノ)−エチル]アセトアミド、ビス−2−ビニルスルホニルエチルエーテル、ビスアクリロイルイミド、N−N’−ジアクリロイルウレア、1,1−ビスビニルスルホンエタン、エチレン−ビス−アクリルアミドの他、下記構造式で表されるジアクリレート及びジメタクリレート化合物が挙げられ、この中でも2−エチレンスルホニル−N−[2−(2−エチレンスルホニル−アセチルアミノ)−エチル]アセトアミドが特に好ましい。
硬膜剤の第1の層中における含有量は、前記バインダーの固形分に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。硬膜剤の含有量が前記範囲内であると、第1の層形成用の造膜液が増粘せず、記録媒体の耐水性を向上させることができる。
−層状無機化合物−
第1の層は、さらに層状無機化合物を含有してもよい。層状無機化合物としては、膨潤性無機層状化合物が好ましく、例えば、ベントナイト、ヘクトライト、サポナイト、ビーデライト、ノントロナイト、スチブンサイト、バイデライト、モンモリナイト等の膨潤性粘度鉱物類、膨潤性合成雲母、膨潤性合成スメクタイト等が挙げられる。膨潤性無機層状化合物は、1〜1.5nmの厚さの単位結晶格子層からなる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘土鉱物よりも著しく大きいため、格子層は正荷電不足を生じ、それを補償するために層間にNa、Ca2+、Mg2+等の陽イオンを吸着している。これらの層間に介在している陽イオンは交換性陽イオンと呼ばれ、いろいろな陽イオンと交換する。特に層間の陽イオンがLi、Na等の場合、イオン半径が小さいため、層状結晶格子間の結合が弱く、水により大きく膨潤する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。ベントナイト及び膨潤性合成雲母は、この傾向が強い点で好ましい。特には、水膨潤性合成雲母が好ましい。
水膨潤性合成雲母としては、NaテトラシックマイカNaMg2.5(Si10)FNa、Liテニオライト(NaLi)Mg(Si10)FNa、又はLiヘクトライト(NaLi)/3Mg/3Li1/3Si10)F等が挙げられる。
水膨潤性合成雲母のサイズは、好ましくは、厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μmである。拡散制御のためには、厚さは薄ければ薄いほどよく、平面サイズは塗布面の平滑性及び透明性を悪化しない範囲で大きいほどよい。したがって、アスペクト比は100以上が好ましく、より好ましくは200以上、特に好ましくは500以上である。
前記水膨潤性合成雲母を用いる場合、第1の層中のバインダーの質量(固形分)xと水膨潤性合成雲母の質量yとの質量比率x/yは、1以上30以下の範囲が好ましく、5以上15以下の範囲がより好ましい。該質量比率が前記範囲内であると、酸素透過抑制、ブリスター発生の抑制に効果が大きい。
なお、第1の層には、酸化防止剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
第1の層の厚みとしては、1〜30μmの範囲が好ましく、5〜20μmの範囲がより好ましい。第1の層の厚みが前記範囲内であると、後にカレンダー処理を施したときの表面の光沢性が向上し、少量の白色顔料での白色性が得られると同時に、折り曲げ適性などの取扱い性をコート紙やアート紙と同等にすることができる。
(第2の層)
本発明の記録媒体は、原紙上の第1の層の上に更に第2の層を有する。
第2の層は、白色顔料及び水溶性ポリビニルアセタールを少なくとも含み、第2の層の表面におけるブリストー法による接触時間0.5秒間の吸水量が2mL/m以上8mL/m以下とする。この範囲であれば特に制限はなく、第2の層としては、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
また、第2の層は、必要に応じて、更に熱可塑性樹脂などの他の成分を用いて構成することができる。
本発明における第2の層は、例えば、熱可塑性樹脂を更に含む層や、白色顔料の固形質量100部当たり、固形質量10〜60部の熱可塑性樹脂を更に含む層、層表面のpHが4以下である層などが好ましい。
−白色顔料−
第2の層は、白色顔料の少なくとも1種を含有する。白色顔料を含有することにより、インク(特にインク中の顔料)を第2の層内に留めることができ、地肌白色度も高められる。
白色顔料としては、特に制限はなく、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、三水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、サチン白、タルクなど、一般に印刷用コート紙の白色顔料として利用されるものの中から選択できる。
中でも、画像滲み及び色間混色防止の点で、カオリンが特に好ましい。カオリンとしては、例えば、白石カルシウム(株)製のカオブライト90、カオグロス、カオホワイト等を挙げることができる。
本発明の記録媒体を後述の本発明の第1又は第2の態様に係るインクジェット記録方法に適用して画像形成する場合、すなわち、第2の層の層表面のpHを酸性側(好ましくは4以下)に調整したり、あるいは後述の酸性物質を含む処理液を用いたインク描画を行なうときには、インク描画した際の画像の滲みや混色を回避する観点から、炭酸カルシウムの含有量は、第2の層中の全顔料の5質量%以下が好ましく、1質量%以下が更に好ましく、炭酸カルシウムを含有しない場合がより好ましい。
白色顔料の第2の層中における含有量としては、第2の層の全固形分に対して、70〜96質量%が好ましく、80〜94質量%がより好ましい。
−水溶性ポリビニルアセタール−
第2の層は、水溶性ポリビニルアセタールの少なくとも1種を含有する。第2の層が水溶性ポリビニルアセタールを含むことにより、耐水性が向上する。第2の層に含まれる水溶性ポリビニルアセタールは一種単独でもよいし二種以上を併用することもできる。
本発明において水溶性ポリビニルアセタールの「水溶性」とは、25℃における水への溶解度が4%以上であることをいう。
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより製造することができる。本発明に用いられるポリビニルアセタールは水溶性を呈するものであれば特に限定されるものではない。
ポリビニルアセタールのアセタール化度は、2%以上50%以下が好ましく、4%以上40%以下がさらに好ましく、5%以上35%以下が特に好ましい。アセタール化度が2%以上であれば、本発明の記録媒体に耐水性を付与することが可能となる。また、アセタール化度が50%以下であれば、ポリビニルアセタールが水溶性を呈するようになり、ポリビニルアセタールを含む塗布液を水溶液として調製することが可能となる。
本発明においては、市販の水溶性ポリビニルアセタールを用いることもできる。市販のポリビニルアセタールとしては、例えば、積水化学工業のエスレックBシリーズ、エスレックKシリーズ等が挙げられる。
第2の層における白色顔料とポリビニルアセタールとの比率(質量基準)は2:1〜30:1が好ましく、3:1〜25:1がさらに好ましく、5:1〜20:1が特に好ましい。白色顔料とポリビニルアセタールとの比率が2:1〜30:1の範囲内であると、十分な膜強度を有する。
第2の層に含有される白色顔料の好ましい粒子サイズは、第1の層の場合と同様である。
−熱可塑性樹脂−
第2の層は、上記成分以外に、熱可塑性樹脂などの他の成分を含んでもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、例えば、既述の第1の層で挙げられたものと同様の熱可塑性樹脂を用いることができる。
〜ブリストー法による吸水量〜
本発明においては、第2の層の表面におけるブリストー法による接触時間0.5秒間の吸水量を2mL/m以上8mL/m以下とする。この吸水量が2〜8mL/mであることにより、第2の層は緩浸透性であり、インク等の液体が付与されたときの付与面での液吸収を遅らせ、カールの程度を抑制できると共に、色間滲みや混色が防止される。色間滲みや混色の防止は、後述するように、第2の層の層表面のpHを酸性(特にpH4以下)に調整するか、あるいは後述の酸性物質を含む処理液をインクと共に用いる場合に特に有効である。
第2の層における前記吸水量は、更には、前記同様の理由から、2mL/m以上4mL/m以下の範囲が好ましい。
ブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として利用されている方法であり、日本紙パルプ技術協会(J’TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細については、J.TAPPI紙 パルプ試験方法No51−87「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」(ブリストー法),紙パ技協誌41(8),57−61(1987)の記載を参照することができる。ここでは、上記に記載の試験装置(ブリストー試験機)を用いて、接触時間0.5秒に定めて測定し、測定時には、インクの表面張力に合わせてブリストー試験のヘッドボックススリット幅を調節する。また、紙の裏にインクがぬけてしまう点は計算から除外する。
〜pH〜
第2の層は、その層表面のpHを4以下に調整することが好ましく、これにより付与されたインクを凝集させ、インクの定着を向上させることができる。すなわち、例えば着色成分として顔料を含むインクの場合、第2の層に着滴した際にpH変化で顔料が凝集し、インクの経時滲み、色間混色を防止することができる。
第2の層の表面を酸性にするための化合物としては、リン酸基、ホスホン基、ホスフィン基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基あるいはその塩由来の基を有する化合物を用いることができ、リン酸基、カルボン酸基を有する化合物を用いることが好ましい。
例えば、リン酸基を有する化合物としては、リン酸、ポリリン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩があり、カルボン酸基を有する化合物としては、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物等、例えば、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等がある。
これらの化合物を第2の層形成用の造膜液に添加することにより、pHを4以下に調整することができる。添加量は、pHが4以下になるように適宜選択すればよい。
pHの測定は、日本紙パルプ技術協会(J.TAPPI紙)の定めた膜面PHの測定のうちA法(塗布法)により行なうことができ、例えば、A法に相当する、(株)共立理化学研究所製の紙面用PH測定セット「形式MPC」を使用して行なうことができる。形式MPCでは、紙面に試験液を塗り広げてその色を標準色と比較して測定される。
第2の層の厚みとしては、3〜50μmの範囲が好ましく、4〜40μmの範囲がより好ましい。第2の層の厚みが前記範囲内であると、画像滲み及び色間混色防止の点で好ましい。
(その他の層)
本発明の記録媒体には、その他の層として上記第1及び第2の層以外の他の層を設けてもよい。他の層としては、目的に応じて適宜選択することができる。
<記録媒体の製造方法>
既述の本発明の記録媒体は、原紙の上に第1の層と第2の層とを原紙側から順に積層された層構造を有するように作製されれば、その製造方法に特に制限はないが、好ましくは、原紙上に、熱可塑性樹脂粒子を含む塗布液を付与し、前記熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度以上の温度領域で加熱処理することにより第1の層を形成する第1の形成工程と、第1の層上に、白色顔料及び水溶性ポリビニルアセタールを含む造膜液を付与して第2の層を形成する第2の形成工程とを有する方法(本発明の記録媒体の製造方法)によって製造される。本発明の記録媒体の製造方法は、更に、必要に応じて適宜選択された他の工程を含んでもよい。
−第1の形成工程−
第1の形成工程では、原紙上に、熱可塑性樹脂粒子を含む造膜液(第1の層形成用造膜液)を付与し、熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度以上の温度領域で加熱処理することにより第1の層を形成する。なお、加熱処理において、圧力を加えてもよい。
原紙の詳細については、上述の通りであり、好ましい態様も同様である。
熱可塑性樹脂及びその粒子については、既述の第1の層で使用可能な熱可塑性樹脂及びそのラテックスと同様のものを挙げることができ、特に制限はない。熱可塑性樹脂粒子は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂粒子としては、平均粒径が10〜200nmのものが好ましい。ここで、熱可塑性樹脂粒子の平均粒径は、動的光散乱法(装置名:大塚電子(株)製、ELS−800)により測定される値である。
また、熱可塑性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂は、最低造膜温度(MFT)が5℃〜60℃であることが好ましい。
熱可塑性樹脂の塗布量としては、1〜30g/m2であることが好ましい。
熱可塑性樹脂粒子としては、コックリングの抑制や経時滲みの改善及び製造適性等の観点より、水分散性ラテックスの分散粒子を含むものが好ましい。水分散性ラテックスは、水に不溶ないし難溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水相の分散媒体中に分散したものである。この分散状態としては、ポリマーが分散媒体中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したもの等のいずれでもよい。このような水分散性ラテックスについては、奥田平・稲垣寛編集「合成樹脂エマルジョン」(高分子刊行会発行、1978)、杉村孝明・片岡靖男・鈴木聡一・笠原啓司編集「合成ラテックスの応用」(高分子刊行会発行、1993)、室井宗一著「合成ラテックスの化学」(高分子刊行会発行、1970)等に詳しく記載されている。
前記水分散性ラテックスとしては、具体的には、ポリエステル系ウレタンラテックス、アクリル系ラテックス、アクリルシリコーン系ラテックス、アクリルエポキシ系ラテックス、アクリルスチレン系ラテックス、アクリルウレタン系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、及び酢酸ビニル系ラテックスより選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記水分散性ラテックスの分子量としては、数平均分子量で3,000〜1,000,000が好ましく、特に5,000〜100,000程度のものがより好ましい。該分子量は、3,000以上であると第1の層の力学強度を確保でき、1,000,000以下であると分散安定性や粘度等の製造適性面で有利である。
前記水分散性ラテックスの中でも、第1の層においては、インク溶媒浸透性とコックリング抑制の効果が高く経済性と製造適性を兼備できる観点より、ポリエステル系ウレタンラテックス及びアクリルシリコーン系ラテックスより選択される1種もしくは2種以上が最も好ましい。
第1の層形成用造膜液の付与は、造膜可能な方法であれば特に制限はなく、例えば、塗布法、インクジェット法、浸漬法など任意の公知の方法により行なえるが、造膜後の膜面が平滑である点で、第1の層形成用造膜液を塗布液として用いた塗布法によるのが好ましい。
塗布法には、公知の塗布方法が適用可能であり、公知の塗布方法として、例えば、ブレード塗布方式、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等が挙げられる。
塗布後、塗布形成された塗膜を、熱可塑性樹脂の最低造膜温度以上の温度領域で加熱処理する。加熱処理は、塗布後の乾燥処理と兼ねて行なってもよいし、別々に行なうようにしてもよい。加熱処理は、例えば、前記最低造膜温度以上の温度のオーブン中に入れる、前記最低造膜温度以上の温度の乾燥風をあてる、等の方法により行なうことができる。
−第2の形成工程−
第2の形成工程では、前記第1の形成工程で形成された第1の層上に、白色顔料及び水溶性ポリビニルアセタールを含む造膜液(第2の層形成用造膜液)を付与し、第2の層を形成する。第1の層上に第2の層を形成すること以外は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第2の層形成用造膜液の付与は、造膜可能な方法であれば特に制限はなく、例えば、塗布法、インクジェット法、浸漬法など任意の公知の方法により行なえるが、造膜後の膜面が平滑で高い光沢性が得られる点で、第2の層形成用造膜液を塗布液として用いた塗布法によるのが好ましい。
塗布法には、公知の塗布方法が適用可能であり、公知の塗布方法として、例えば、ブレード塗布方式(ベント方式、ベベル方式)、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等が挙げられる。中でも、高速塗工が可能で、例えば層状無機化合物などの平板状顔料を用いるときにはその配向を促す等により光沢性が得られる点で、ブレード塗布方式がより好ましい。また、ブレード塗布方式は、スクレイプする瞬間に比較的大きなせん断応力が発生するため、瞬間的なニップ圧による加圧浸透によって大量の水分が紙支持体中へ移動しやすいが、溶媒の浸透をブロッキングする第1の層を備えた本発明の記録媒体には特に効果的である。
上記の工程以外に、特に制限なく他の工程を設けてもよい。他の工程としては、目的に応じて適宜選択することができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、既述の本発明の記録媒体にインクを付与し、所定の画像データに応じてインク描画するインク描画工程と、インク描画された前記記録媒体におけるインク溶媒を乾燥除去する乾燥除去工程とを設けて構成することができる。
本発明のインクジェット記録方法の例として、既述の本発明の記録媒体のうち、第2の層(第1の層上のコート層)に凝集剤(処理液)を予め含ませて層表面のpHを下げた記録媒体に対して、インク描画等を行なうインクジェット記録方式(図2参照;以下、「第1の態様に係るインクジェット記録方法」という。)と、既述の本発明の記録媒体に対して、酸性物質を含む処理液を供給した(プレコート)後にインク描画等を行なうインクジェット記録方式(図3参照;以下、「第2の態様に係るインクジェット記録方法」という。)とが挙げられる。
本発明の第1の態様に係るインクジェット記録方法は、第2の層の層表面がpH4以下に調整された本発明の記録媒体にインクを付与し、所定の画像データに応じてインク描画するインク描画工程と、インク描画された記録媒体におけるインク溶媒を乾燥除去する乾燥除去工程と、を設けて構成されたものである。
また、本発明の第2の態様に係るインクジェット記録方法は、既述の本発明の記録媒体に、酸性物質を含む処理液を供給する処理液供給工程と、処理液が供給された前記記録媒体にインクを付与し、所定の画像データに応じてインク描画するインク描画工程と、インク描画された記録媒体におけるインク溶媒を乾燥除去する乾燥除去工程と、を設けて構成されたものである。
上記の第1及び第2の態様に係るインクジェット記録方法はいずれも、必要に応じて、さらに適宜選択された他の工程を有してもよい。
−インク描画工程−
第1の態様のインク描画工程は、既述の本発明の記録媒体のうち、第2の層の層表面がpH4以下に調整された本発明の記録媒体を用い、この記録媒体の第2の層にインクを付与することにより、所定の画像データに応じてインク描画する。インク(例えば顔料インク)が第2の層に付与されると、インク着滴時のpH変化でインク(例えばインク中の顔料)が凝集し、これによりインクの滲み、色間混色が防止される。
第2の態様のインク描画工程では、第1の態様のように第2の層の層表面pHを4以下に調整せずにあるいは調整しつつ、下記の処理液供給工程で処理液が供給された記録媒体にインクを付与することにより、所定の画像データに応じてインク描画する。第2の態様では、インクを付与する前にあるいはインクの付与と同時に第2の層に供給された処理液によって第2の層の少なくとも一部が酸性状態(好ましくはpH4以下)となっており、ここに付与されたインク(例えば顔料インク)は、着滴時にpH変化を来してインク(例えばインク中の顔料)が凝集し、これによりインクの滲み、色間混色が防止される。
インク描画工程は、所定の画像データに応じてインクを付与して描画する以外には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、インクジェット方式によりインクを吐出することによってインク描画することができる。インクジェット記録方式には、特に制限はなく、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響型インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、発生した圧力を利用するサーマル型インクジェット方式、等のいずれであってもよい。なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式、が含まれる。
上記のうち、ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)が好適である。
−処理液供給工程−
第2の態様に係るインクジェット記録方法では、前記インク描画工程の前に処理液供給工程を設け、予め記録媒体の第2の層に酸性物質を含む処理液を供給する。処理液供給工程は、下記の酸性物質を含む処理液を供給する以外は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、この処理液供給工程は、必要に応じて、第1の態様に係るインクジェット記録方法に設けてもよい。
(処理液)
酸性物質を含む処理液は、酸性物質を含んで酸性側の液性を有するように調整された液体であればよく、酸性物質を水系媒体と混合した水系の処理液が好ましい。本発明における処理液のpHとしては、インクの滲みや色間混色の防止の点で、4以下であるのが好ましい。
処理液を酸性に構成するための酸性物質としては、例えば、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基あるいはその塩に由来の基を有する化合物を使用することができ、リン酸基、カルボン酸基を有する化合物がより好ましく、カルボン酸基を有する化合物が更に好ましい。
例えば、リン酸基を有する化合物としては、リン酸、ポリリン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩があり、カルボン酸基を有する化合物としては、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物等、例えば、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が、処理液に添加される。
また、上記の酸性物質としては、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくはこれらの化合物誘導体、又はこれらの塩であることが好ましい。なお、酸性物質は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
前記処理液は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤を含有してもよい。
その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
処理液の供給は、記録媒体の記録面の全体に供給してもよいし、記録面の少なくとも一部、例えば所定の画像データに応じて供給してもよい。また、処理液の供給方法には、特に制限はなく、塗布法やインクジェット法、浸漬法などが挙げられ、例えばインクジェット法により処理液を吐出して供給してもよい。
また、第2の態様に係るインクジェット記録方法では、後述する水系2液凝集インクを用いて描画してもよい。
−乾燥除去工程−
乾燥除去工程は、インク描画された前記記録媒体におけるインク溶媒を乾燥除去する。記録媒体に付与されたインクのインク溶媒を乾燥除去する以外には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
乾燥除去工程は、本発明の記録媒体においては第2層としてのコート層が緩浸透性であるので、インク溶媒(特に水)が記録媒体の表面付近に存在する状態で実施される。乾燥除去は、例えば、所定の温度の乾燥風をあてる方法、加熱及び/又は加圧されたロール対間に通す方法、等により行なえる。
−その他の工程−
本発明のインクジェット記録方法は、上記工程以外に、他の工程を設けてもよい。他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、加熱定着工程などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法には、前記乾燥除去工程の後に、例えばインクジェット記録方法で用いられるインク中に含まれるラテックス粒子を溶融定着する加熱定着工程を設けることができる。この加熱定着工程により、インクの記録媒体への定着性を高めることができる。加熱定着工程としては、上記のような溶融定着の他には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
〜第1のインクジェット記録方法の態様例〜
前記第1のインクジェット記録方法は、例えば、下記の条件でインク描画、乾燥(水乾燥、送風乾燥)、加熱定着が行なえる。
<インク描画>
ヘッド:1,200dpi/20inch幅フルラインヘッド
吐出液滴量:0,2.0,3.5,4.0pLの4値記録
駆動周波数:30kHz(記録媒体搬送速度635mm/sec)
<乾燥(水乾燥、送風乾燥)>
風速:8〜15m/s
温度:40〜80℃
送風領域:640mm(乾燥時間1秒間)
<加熱定着>
シリコンゴムローラ(硬度50°、ニップ幅5mm)
ローラ温度:70〜90℃
圧力:0.5〜2.0MPa
〜第2のインクジェット記録方法の態様例〜
第2のインクジェット記録方法は、例えば、下記の条件でプレコート、インク描画、乾燥(水乾燥、送風乾燥)、加熱定着が行なえる。
<プレコートモジュール用処理液用ヘッド>
ヘッド:600dpi/20inch幅フルラインヘッド
吐出液滴量:0、4.0pLの2値記録
駆動周波数:15kHz(記録媒体搬送速度635mm/sec)
描画パターン:インク描画工程において、少なくとも1色以上の色インクを描画を行なう位置に予め処理液を付与するパターンを適用
<プレコートモジュール用水乾燥(送風乾燥)>
風速:8〜15m/s
温度:40〜80℃
送風領域:450mm(乾燥時間0.7秒)
<インク描画>
ヘッド:1200dpi/20inch幅フルラインヘッド
吐出液滴量:0、2.0、3.5、4.0pLの4値記録
駆動周波数:30kHz(記録媒体搬送速度635mm/sec)
<乾燥(水乾燥、送風乾燥)>
風速:8〜15m/s
温度:40〜80℃
送風領域:640mm(乾燥時間1秒間)
<加熱定着>
シリコンゴムローラ(硬度50°、ニップ幅5mm)
ローラ温度:70〜90℃
圧力:0.5〜2.0MPa
〜水系2液凝集インク〜
前記第2の態様に係るインクジェット記録方法では、処理液と、該処理液と反応して凝集するインクとからなる水系2液凝集インクを用いてもよい。
水系2液凝集インクの処理液としては、既述の処理液と同様のものを使用できる。処理液の詳細については、既述の通りである。
−インク−
水系2液凝集インクを構成するインクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン色調インク以外のレッド、グリーン、ブルー、白色インクやいわゆる印刷分野における特色インク(例えば無色)等を用いることができる。また、前記インクとしては、例えば、ラテックス粒子と、有機顔料と、分散剤と、水溶性有機溶媒とを含み、更に必要に応じて、その他の添加剤を含むものが挙げられる。
<ラテックス粒子>
ラテックス粒子としては、水系の媒質中に分散された、例えば、ノニオン性モノマー、アニオン性モノマー、カチオン性モノマーからなる化合物の重合物等の粒子が挙げられる。
前記ノニオン性モノマーとは、解離性の官能基を持たないモノマー化合物のことをいう。モノマー化合物とは広義には、化合物単独、あるいは別の化合物と重合する化合物のことを示す。モノマー化合物として、好ましくは不飽和2重結合を有するモノマー化合物である。
前記アニオン性モノマーとは、マイナスの電荷を持ちうるアニオン性基を含んでいるモノマー化合物のことをいう。アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
前記カチオン性モノマーとは、プラスの電荷を持ちうるカチオン性基を含んでいるモノマーのことをいう。カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよいが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンのカチオン性基であることがより好ましい。また、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることがさらに好ましい。
<有機顔料>
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
マゼンタ又はレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
グリーン又はシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7、米国特許4311775記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
ブラック用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
また、有機顔料の平均粒径は、透明性・色再現性の観点からは小さいほどよいが、耐光性の観点からは大きい方が好ましい。これらを両立する平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。また、有機顔料の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ有機顔料を、2種以上混合して使用してもよい。
また、有機顔料の添加量は、インクに対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
<分散剤>
前記有機顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性の分散剤でも非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
前記低分子界面活性剤型分散剤は、インクを低粘度に保ちつつ、有機顔料を水溶媒に安定に分散させる目的で、添加されるものである。低分子分散剤は、分子量2,000以下の分散剤である。また、低分子分散剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、200〜2,000がより好ましい。
前記低分子分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。また、親水性基と疎水性基は、それぞれ独立に1分子に1以上含まれていればよく、また、複数種類の親水性基、疎水性基を有していてもよい。また、親水性基と疎水性基を連結するための連結基も適宜有することができる。
前記親水性基は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはこれらを組み合わせたベタイン型等である。
アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよく、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよく、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンのカチオン性基であることがより好ましい。また、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることがさらに好ましい。
ノニオン性基は、ポリエチレンオキシドやポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
前記親水性基は、アニオン性基であることが好ましい。アニオン性基は、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることが更に好ましい。
また、低分子分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、pKaが3以上であることが好ましい。本発明における低分子分散剤のpKaはテトラヒドロフラン−水(3:2=V/V)溶液に低分子分散剤1mmol/L溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。低分子分散剤のpKaが3以上であれば、理論上、pH3程度の処理液と接したときに、アニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。この観点からも、低分子分散剤が、アニオン性基としてカルボン酸基を有していることが好ましい。
前記疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等の構造を有するが、特に、炭化水素系であることが好ましい。また、これらの疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。また疎水性基は、1本鎖状構造、又はこれ以上の鎖状構造でもよく、2本鎖状以上の構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
ポリマー分散剤のうち水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物を用いることができる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げられる。
天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子等が挙げられる。
また、合成系の水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。
ポリマー分散剤のうち非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができ、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000、更に好ましくは5,000〜40,000、特に好ましくは10,000〜40,000である。
有機顔料と分散剤との混合質量比としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
<水溶性有機溶媒>
水溶性有機溶媒は、乾燥防止や湿潤促進等の目的で用いられる。
乾燥防止剤としての水溶性有機溶媒は、インクジェット記録方式におけるノズルのインク噴射口において好適に用いられ、インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒が好ましい。このような乾燥防止剤の具体的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。このうち、乾燥防止剤は、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。また、上記の乾燥防止剤は単独で用いても、2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤は、インク中に、10〜50質量%含有されることが好ましい。
また、浸透促進剤としての水溶性有機溶媒は、インクを記録媒体(印刷用紙)により良く浸透させる目的で好適に用いられる。このような浸透促進剤の具体的な例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を好適に用いることができる。これらの浸透促進剤は、インク組成物中に、5〜30質量%含有されることで、充分な効果を発揮する。また、浸透促進剤は、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲内で、使用されることが好ましい。
また、水溶性有機溶媒は、上記以外にも、粘度の調整にも用いられる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶媒の具体的な例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。なお、水溶性有機溶媒は、単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
<その他の添加剤>
前記その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合は、インクに直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合は、染料分散物の調製後、分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類等があり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体等がある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を用いることができる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
表面張力調整剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。
また、表面張力調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、インクの表面張力を20〜60mN/mに調整する添加量が好ましく、20〜45mN/mに調整する添加量がより好ましく、25〜40mN/mに調整する添加量がさらに好ましい。
界面活性剤の具体的な例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等、も使用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準であり、「重合度」は「平均重合度」を表す。
(実施例1)
<インクジェット記録媒体の作製>
(第1の層形成用造膜液の調製)
カオリン(商品名:カオブライト90、白石カルシウム(株)製)100部、0.1N水酸化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)3.8部、40%ポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロンT−50、東亞合成製)1.2部、及び水48.8部を混合し、ノンバブリングニーダー(商品名:NBK−2、日本精機製作所(株)製)を用いて分散を行い、65%カオリン分散液を得た。次いで、22.5%ポリエステル系ウレタンラテックス水分散液(ガラス転移温度49℃、最低造膜温度29℃;商品名:ハイドランAP−40F、大日本インキ化学工業(株)製)100部に、水5部と得られた65%カオリン分散液6.9部と、10%エマルゲン109P(花王(株))0.8部を加え、十分に攪拌混合した後、得られた混合液の液温度を15〜25℃に保って24.0%の第1の層形成用造膜液を得た。
(第2の層形成用造膜液Aの調製)
カオリン(商品名:カオブライト90、白石カルシウム(株)製)100部と、40%ポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロンT−50、東亞合成製)1.2部とを混合し、水中に分散し、20%エスレックKW-3(積水化学工業(株)製)水溶液35部と、10%エマルゲン109P(花王(株))水溶液3.7部を添加して、最終的な固形分濃度が27%の第2の層形成用造膜液Aを調製した。
(第1の層の形成)
坪量81.4g/mの上質紙(商品名:しらおい、日本製紙製)の両面に、得られた第1の層形成用造膜液を、エクストルージョンダイコーターを用いて、片面当たりの乾燥質量が8.0g/mとなるように調整しながら片面ずつ塗布し、温度85℃、風速15m/secで1分間乾燥して、第1の層を形成した。
さらに、形成された第1の層に対して、下記に示すソフトカレンダー処理を行った。形成された第1の層の厚みは、8.4μmであった。
〜ソフトカレンダー処理〜
第1の層が紙表面に形成された上質紙に対し、金属ロールと樹脂ロールとが対をなすロール対を備えたソフトカレンダーを用いて、金属ロールの表面温度50℃、ニップ圧50kg/cmの条件で、ソフトカレンダー処理を行なった。
(第2の層の形成)
前記第1の層が形成された上質紙の両面に、前記調製された第2の層形成用造膜液Aを、エクストルージョンダイコーターを用いて、片面当たりの乾燥重量が20g/mとなるように片面ずつ塗布し、温度70℃、風速10m/secで1分間乾燥して、第2の層を形成した。さらに、形成された第2の層に対して、上述のソフトカレンダー処理を行った。形成された第2の層の厚みは20.6μmであった。
以上のようにして、本発明のインクジェット記録媒体を作製した。
(評価)
得られたインクジェット記録媒体について、下記の評価1.〜5.を行なった。評価結果は下記表1に示す。
−1.コッブ吸水度試験−
JIS P8140に準拠した吸水度試験にしたがって、第1の層が形成された上質紙の第1の層表面にてコッブ吸水度(20℃の水に120秒間接触させたときの水の浸透量(g/m))を測定した。
−2.第2の層塗設後の吸水量試験−
ブリストー法に基づき、以下のようにして測定した。
得られたインクジェット記録媒体をA6サイズにカットして得られた第2の層のサンプル片を測定盤に設置した。設置されたサンプル片に、試験液が充填されたヘッドを接触させた後、図4に示すような走査ライン(内側から外側)を自動走査して吸液特性を測定した。測定盤が回転速度(紙とインクとの接触時間)を段階的に変化させ、回転させることにより接触時間と吸液量(吸水量)との関係を得た。下記表1には、接触時間0.5秒における吸水量を示す。
−3.カール試験−
インクジェット記録媒体を裁断して50mm×5mmサイズの試験片を作成し、MD、CDそれぞれの方向に対してこの試験片に水が10g/mとなるよう塗布し、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.15−2:2000(紙−カール試験方法−第2部)に規定されるカール曲率測定法に準拠して、23℃、50%RHの環境条件で8時間放置した後のカール度を下記の基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:カール度10未満であった。
B:カール度10以上20未満であった。
C:カール度20以上30未満であった。
−4.耐水性試験−
得られたインクジェット記録媒体に水を滴下後、30秒経過した後に水をティッシュペーパーで拭き取った後のインクジェット記録媒体の層の状態を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:層の剥れは全くみられなかった。
B:層の一部が剥れた。
C:第2の層のほとんどが剥れた。
<インクの調製>
(1)シアン顔料インクCの調製
−顔料分散物の調製−
大日精化社製のシアニンブルーA−22(PB15:3)10g、下記の低分子量分散剤10.0g、グリセリン4.0g、及びイオン交換水26gを攪拌、混合して分散液を調製した。次いで、超音波照射装置(SONICS社製 Vibra−cell VC−750、テーパーマイクロチップ:φ5mm、Ampitude:30%)を用いて、前記分散液に、超音波を間欠照射(照射0.5秒、休止1.0秒)で2時間照射し、顔料を更に分散させ、20質量%顔料分散液とした。
上記の顔料分散液とは別に、以下に示す化合物を秤量し、攪拌、混合して、混合液Iを調製した。
・グリセリン ・・・5.0g
・ジエチレングリコール ・・・10.0g
・オルフィンE1010(日信化学工業製) ・・・1.0g
・イオン交換水 ・・・11.0g
この混合液Iを、攪拌した44%SBR分散液(ポリマー微粒子:アクリル酸3%、Tg(ガラス転移温度)30℃)23.0gにゆっくりと滴下して攪拌、混合し、混合液IIを調製した。
次に、この混合液IIを上記の20質量%顔料分散液にゆっくりと滴下しながら攪拌、混合して、シアン色の顔料インクC(シアンインク)100gを調製した。東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGを用いて、上記のようにして調製された顔料インクCのpHを測定したところ、pH値は8.5であった。
(2)マゼンタ顔料インクMの調製
顔料インクCの調製において、顔料インクCの調製に用いた顔料に代えて、チバ・スペシャリティーケミカルズ社のCromophtal Jet Magenta DMQ(PR−122)を用いたこと以外は、顔料インクCの調製と同様の方法でマゼンタ色の顔料インクM(マゼンダインク)を調製した。東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGにて、上記のようにして調製された顔料インクMのpHを測定したところ、pH値は8.5であった。
(3)イエロー顔料インクYの調製
顔料インクCの調製において、顔料インクCの調製に用いた顔料に代えて、チバ・スペシャリティーケミカルズ社のIrgalite Yellow GS(PY74)を用いたこと以外は、顔料インクCの調製と同様の方法でイエロー色の顔料インクY(イエローインク)を調製した。東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGにて、上記のようにして調製された顔料インクYのpHを測定したところ、pH値は8.5であった。
(4)黒顔料インクKの調製
顔料インクCの調製において、顔料インクCの調製に使用した顔料分散液に代えて、CABOT社製の分散体CAB−O−JETTM_200(カーボンブラック)を用いたこと以外は、顔料インクCの調製と同様の方法でブラック色の顔料インクK(ブラックインク)を調製した。東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGにて、上記のようにして調製された顔料インクKのpHを測定したところ、pH値は8.5であった。
<処理液の調製>
処理液は、以下の成分を混合して調製した。
・リン酸 ・・・10g
・グリセリン ・・・20g
・ジエチレングリコール ・・・10g
・オルフィンE1010(日信化学工業製) ・・・1g
・イオン交換水 ・・・59g
東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGにて、このように調製された処理液のpHを測定したところ、pH値は1.0であった。
<画像形成、並びに打滴方式及び条件>
上記シアン顔料インクC、マゼンタ顔料インクM、イエロー顔料インクY、黒顔料インクK、及び処理液を使用し、図3に示す装置を用いて下記の条件にて、4色シングルパス画像形成を実施した。このとき、グレースケール及び文字画像を形成した。
〜プレコートモジュール用処理液用ヘッド〜
ヘッド :600dpi/20inch幅ピエゾフルラインヘッド
吐出液滴量:0、4.0pLの2値記録
駆動周波数:15kHz(記録媒体搬送速度635mm/sec)
描画パターン:インク描画工程において、少なくとも1色以上の色インクを、描画を行なう位置に予め処理液を付与するパターンを適用
〜プレコートモジュール用水乾燥(送風乾燥)〜
風速:15m/s
温度:記録媒体の表面温度が60℃となるように記録媒体記録面背面から接触型平面ヒーターで加熱
送風領域:450mm(乾燥時間0.7秒)
〜インク描画〜
ヘッド:1,200dpi/20inch幅ピエゾフルラインヘッドを4色分配置
吐出液滴量:0、2.0、3.5、4.0pLの4値記録
駆動周波数:30kHz(記録媒体搬送速度635mm/sec)
〜乾燥(水乾燥、送風乾燥)〜
風速:15m/s
温度:60℃
送風領域:640mm(乾燥時間1秒間)
〜加熱定着〜
シリコンゴムローラ(硬度50°、ニップ幅5mm)
ローラ温度:90℃
圧力:0.8MPa
続いて、下記の評価5.を行なった。
−5.打滴評価−
上記で形成したグレースケール及び文字画像を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。評価結果は、下記表1に示す。
<評価基準>
A:画像滲み、色間混色が見られず、4pt以下の“鷹”文字を解像できた。
B:画像滲み、色間混色が見られず、5ptの“鷹“文字まで解像できた。
C:画像滲み、色間混色が多く見られ、実用性が低かった。
(実施例2)
実施例1において、20%エスレックKW-3(積水化学工業(株)製)水溶液を20%エスレックKW-10(積水化学工業(株)製)水溶液に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明のインクジェット記録媒体を作製し、評価した。評価結果は、下記表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、20%エスレックKW-3(積水化学工業(株)製)水溶液35部を9%エスレックKX-5(積水化学工業(株)製)水溶液78部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明のインクジェット記録媒体を作製し、評価した。評価結果は、下記表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、20%エスレックKW-3(積水化学工業(株)製)水溶液35部を7%PVA220((株)クラレ製)水溶液100部に変更した以外は実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製し、評価した。評価結果は、下記表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、20%エスレックKW-3(積水化学工業(株)製)水溶液35部をエスレックBX-L(積水化学工業(株)製)7部に変更したが、エスレックBX-Lは造膜液になじます造膜液を調製することができなかった。
(比較例3)
実施例1において、第2の層形成用造膜液の塗布量を、片面当たりの乾燥重量が10g/m2となるように変更した以外は実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製し、評価した。評価結果は、下記表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、第2の層形成用造膜液に含まれるカオリンを酸化チタン(商品名:タイペークR280、石原産業(株)製)に変更以外は実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製し、評価した。評価結果は、下記表1に示す。
(比較例5)
実施例1において、第1の層形成用造膜液の塗布量を、片面当たりの乾燥重量が4g/m2となるように変更以外は実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製し、評価した。評価結果は、下記表1に示す。
前記表1に示すように、JIS P8140に準拠した吸水度試験による接触時間120秒間のコッブ吸水度を2.0g/m以下とすると共に、第2の層のブリストー法による接触時間0.5秒間の吸水量を2〜8mL/mとした実施例では、比較例に比べてカール、画像滲み若しくは色間混色の発生の抑制又は耐水性の向上が図られていることがわかる。
本発明の記録媒体の構成例を示す概略構成図である。 本発明の記録媒体を用いた第1の態様に係るインクジェット記録方法の一例を説明するための説明図である。 本発明の記録媒体を用いた第2の態様に係るインクジェット記録方法の一例を説明するための説明図である。 ブリストー法における試験液を充填したヘッドの走査ラインを説明するための図である。 従来の記録媒体の構成を示す概略構成図である。
符号の説明
11…上質紙
12…溶媒ブロッキング層(第1の層)
13…コート層(第2の層)
21…原紙
22…溶媒吸収層
100…記録媒体

Claims (9)

  1. 原紙と、バインダーを含む第1の層と、白色顔料及び水溶性ポリビニルアセタールを含む第2の層と、が順次積層されており、
    前記第1の層が設けられた前記原紙の第1の層の表面におけるJIS P8140に準拠した吸水度試験による接触時間120秒間のコッブ吸水度が2.0g/m以下であって、前記第2の層の表面におけるブリストー法による接触時間0.5秒間の吸水量が2mL/m以上8mL/m以下である記録媒体。
  2. 第1の層中の前記バインダーは、熱可塑性樹脂を含む請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル系ウレタンラテックス及びアクリルシリコーン系ラテックスより選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の記録媒体。
  4. 前記第1の層は、白色顔料を更に含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の記録媒体。
  5. 前記白色顔料がカオリンである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の記録媒体。
  6. 原紙上に、熱可塑性樹脂粒子を含む造膜液を付与し、前記熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度以上の温度領域で加熱処理することにより第1の層を形成する第1の形成工程と、
    前記第1の層上に、白色顔料及び水溶性ポリビニルアセタールを含む造膜液を付与して第2の層を形成する第2の形成工程と、を有し、
    請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の記録媒体を製造する記録媒体の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂粒子が、ポリエステル系ウレタンラテックス及びアクリルシリコーン系ラテックスより選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載の記録媒体の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の記録媒体にインクを付与し、所定の画像データに応じてインク描画するインク描画工程と、
    インク描画された前記記録媒体におけるインク溶媒を乾燥除去する乾燥除去工程と、
    を有するインクジェット記録方法。
  9. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の記録媒体に、酸性物質を含む処理液を供給する処理液供給工程と、
    処理液が供給された前記記録媒体にインクを付与し、所定の画像データに応じてインク描画するインク描画工程と、
    インク描画された前記記録媒体におけるインク溶媒を乾燥除去する乾燥除去工程と、
    を有するインクジェット記録方法。
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