JP2009125130A - カテーテル位置確認用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 採取できた液体が少量の場合であっても検査を容易に行うことが出来る、簡単な構造の検査器具を。
【解決手段】 先端側に吸入部を備え、基端側に吸引手段接続部を備えた本体部と、本体部側面に設けられたインジケーター封入部からなり、インジケーター封入部は内部に液体との接触によって変化を起こすインジケーターを内包しており、本体内部には前記吸入部と吸引手段接続部とを連通する流路が形成され、該流路の中間部にはインジケーター封入部の内部に連通する連絡部が形成されており、前記吸入部から連絡部までの流路を吸入部側流路とし、前記吸引手段接続部側流路から連絡部までの流路を吸引手段接続部側流路とすると、インジケーター封入部と対面する連絡部の内壁には、吸入部側流路から吸引手段接続部へ液体の直接の流れを阻害する阻害部材が設けられていることを特徴とする検査器具。
【選択図】 図1

Description

本発明は、体液やその他の液体を吸引して各種検査を行う検査器具に関する。
特に医療の現場において、胃液や血液、膵液、尿などの液体を採取して検査を行う機会は多い。その際、一度採取した液体を別の容器に移し、そこで試験紙や検査試薬(以下、インジケーターと称する)と液体を接触させて反応を見るという方法が採られている。しかし、この方法では物品の準備に手間がかかるという問題がある。
液体を採取して検査を行う器具としては、特許文献1及び2に挙げられる器具が使用されている。特許文献1に記載されている器具は、先端部に判定部分を設けたスティックとそれを収納する容器からなり、スティックで検体を採取し、スティックを容器内に収めることで容器内のインジケーターと検体が接触して反応を起こし、検体の判定を行うことが出来るものである。しかし、この器具は検査する液体をスティックと接触させた後に検査具本体内にスティックを収納し、ろ過部を介して液体と判定シートと接触させて液体の検査を行う構成であるため、スティックと接触した液体が少量である場合には液体と判定シートが充分に接触せず、充分に検査を行うことが出来ない恐れがある。また、この器具はスティックと容器をセットで扱わなければならない点、またスティックと容器がともに1回限りの使用となる点で、使い捨てをするにはコストが高いという問題がある。
特許文献2に記載されている器具は例えば血糖値の測定に用いられる成分測定装置に装着される体液採取具である。しかしこの器具は成分測定装置と一体にしないと使用できないものであり、成分測定装置においては測定用の回路基板やマイクロスイッチ、電源などを備えているため、これらの電気系統にトラブルが発生した場合成分測定装置が使用不能となり、液体の測定を行うことができなくなるおそれがある。
特開平7−63750号明細書 国際公開WO2004/084727号明細書
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。つまり、採取できた液体が少量の場合であっても検査を容易に行うことが出来る、簡単な構造の検査器具を提供することを目的とする。
上記目的を解決するために、本発明は以下の構成を備える。すなわち本願第一の発明の検査器具は、液体を器具内に吸入し、器具内部に設けられたインジケーターと吸入した液体を接触させて液体を検査する検査器具で、先端側に吸入部を備え、基端側に吸引手段接続部を備えた本体部と、本体部側面に設けられたインジケーター封入部からなり、インジケーター封入部は内部に液体との接触によって変化を起こすインジケーターを内包しており、本体内部には前記吸入部と吸引手段接続部とを連通する流路が形成され、該流路の中間部にはインジケーター封入部の内部に連通する連絡部が形成されており、前記吸入部から連絡部までの流路を吸入部側流路とし、前記吸引手段接続部側流路から連絡部までの流路を吸引手段接続部側流路とすると、インジケーター封入部と対面する連絡部の内壁には、吸入部側流路から吸引手段接続部へ液体の直接の流れを阻害する阻害部材が設けられていることを特徴とする。
本願第一の発明の検査器具においては、前記吸入部側流路及び吸引手段接続部側流路に対して垂直方向に切断した時の前記阻害部材の断面積は、吸入部側流路および/または吸引手段接続部側流路の内径よりも大きいことが望ましい。
本願第一の発明の検査器具においては、前記インジケーター封入部が本体部と着脱可能な構成であることが望ましい。このとき、前記インジケーター封入部はその上端に突出部を備えており、本体部は該流路突出部と嵌合する孔部を備えており、該流路突出部と該孔部とを嵌合させることでインジケーター封入部と前記連絡部が連通する構成であることが望ましい。また、前記連絡路が本体部側面から外方に突出しており、連絡部とインジケーター封入部とを嵌合させることで連絡部とインジケーター封入部が連通する構造であることも望ましい。
本願第二の発明の検査器具は、液体を器具内に吸入し、器具内部に設けられたインジケーターと吸入した液体を接触させて液体を検査する検査器具で、先端側に吸入部を備え基端側に吸引手段接続部を備えた本体部と、本体部側面に設けられたインジケーター封入部からなり、インジケーター封入部は内部に液体との接触によって変化を起こすインジケーターを内包しており、本体部は内部に吸入部側流路と吸引手段接続部側流路を設けており、吸入部側流路は本体部先端に設けられた先端部開口と連通して本体部の軸方向に延びる流路と、本体部側面に設けられた側面部第一開口と連通して本体部の軸方向に対して垂直に延びる流路とが交わるよう形成されており、吸引手段接続部側流路は本体部基端側に設けられた後端部開口と連通して本体部の軸方向に延びる流路と、本体部側面に設けられかつ側面部第一開口と隣接する位置に設けられた側面部第二開口と連通して本体部の軸方向に対して垂直に延びる流路とが交わるよう形成されており、インジケーター封入部と吸入部側流路は側面部第一開口を介して連通しており、またインジケーター封入部と吸引手段接続部は側面部第二開口を介して連通していることを特徴とする。
本願第二の発明においては、前記インジケーター封入部と本体部が着脱可能であることが望ましい。このとき、前記インジケーター封入部はその上端から突出し吸入部側流路と連通可能である第一突起と、同じくその上端から突出し吸引手段接続部側流路と連通可能である第二突起を備えており、第一突起と吸入部側流路とを嵌合させ、第二突起と吸引手段接続部側流路とを嵌合させることで本体部とインジケーター封入部が連結する構造であることが望ましい。また、前記吸入部側流路及び前記吸引手段接続部側流路が本体部側面から外方に突出しており、これらの流路をインジケーター封入部に嵌合させることでインジケーター封入部と本体部が連結する構造であることも望ましい。
以上の構成からなる検査器具により、吸引手段接続部にシリンジや誤接続防止用注入器などの吸引手段によって本体部内に液体を吸引した時、吸引した液体は直接吸引手段に吸引されることなく、インジケーター封入部へと流入する。そのため、液体が少量しか吸引できない場合でも液体とインジケーターを接触させやすくなり、効率良く検査を行うことが出来る。
以下、本発明の構成を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の検査器具の全体図である。本発明の検査器具は、吸入部21と吸引手段接続部22を備えた本体部2と、本体部の側面に設けられ、液体と接触したときに、液体の性質によって反応を起こすインジケーターを内包したインジケーター封入部3から構成される。本体部2の内部には吸入部側流路(以下、第一流路とする)と吸引手段接続部側流路(以下、第二流路とする)が設けられている。
図2は、本願第一の発明における検査器具の断面図である。吸入部21は、その先端に設けられた先端部開口212から液体を吸入する。吸入部21の内部にはインジケーター封入部と連通する第一流路211が設けられている。吸入部21の形状を円筒状とすると、例えばホースやカテーテルなど他の円筒状部材の内腔に吸入部21を液密に挿入しやすくなり、他の円筒状の部材を経由して液体を吸引することが出来る。よって、奥まった部位にある液体を吸引することや、触れてはいけない液体を吸引する際に有用である。また、吸入部21にテーパーをつけることも他の円筒状部材の内腔に挿入し易くなることから有用である。さらに、図1に記載されているように、吸入部21の側壁にフランジや複数の突起物からなる滑り止め214を設けることで、吸入部21を他の円筒状部材の内腔に挿入した際、滑り止め214によって該円筒状部材から本発明の検査器具が脱落しにくくなる。
吸引手段接続部22は、本体部2において吸入部21が備えられた部分とは反対側の端部に設けられている。吸引手段接続部22は円筒形状であり、シリンジや誤接続防止用注入器、吸引用のポンプなどの吸引手段(図示せず)と液密に接続可能な構成である。吸引手段接続部22にはインジケーター封入部3と連通する第二流路221が設けられている。吸引手段接続部22に吸引手段を接続した後に吸引手段によって吸引操作を行うと、吸引手段によって第二流路221やインジケーター封入部3、第一流路211内に陰圧が発生する。この陰圧によって、吸入部21の先端に設けられた先端部開口212より液体を検査器具1内部へ吸入することができる。この時、吸引手段としてシリンジや誤接続防止用注入器など、手動で陰圧を発生させることが出来る手段を用いれば、準備も簡単でありかつトラブルの発生も低減することができる。また、吸引手段接続部22と吸引手段を予め一体で構成すると、吸引手段を用意して接続する手間が省ける。
本体部2の内部において、第一流路211と第二流路221が連絡される部位には、本体部2の軸方向に対して垂直になるように形成され、インジケーター封入部3と連通する連絡部23が設けられている。連絡部23のインジケーター封入部と対面する内壁には、第一流路211から第二流路221への直線方向の流れを阻害する阻害部材24が第一流路221および第二流路221に対して垂直となるように設けられている。阻害部材24をこのように設けることで、吸引手段接続部22に接続された吸引手段によって吸引操作を行った際、吸入部21の先端部開口212から吸引された液体が直接吸引手段に流れることなく連絡部23へと流れ、連絡部23と連通するインジケーター封入部3内に流入させやすくなる。また、この時インジケーター封入部3を本体部2の下側に位置した状態で吸引操作を行えば、吸引された液体はインジケーター封入部3の底部に落下する。ここでインジケーター31がインジケーター封入部3の底部に位置するように設けられていれば、インジケーター封入部3内に落下した液体は確実にインジケーターと接触する。また、インジケーター封入部3を本体部2の下側に位置した状態を保っておけば、インジケーター31と接触した液体が第一流路211もしくは第二流路221に流入することはないので、吸引した液体が逆流して外部に漏出することを防ぐことが出来る。
阻害部材24の第一流路211および第二流路221に対して垂直方向の断面積は、第一流路211および第二流路221の内径の70〜90%程度であれば吸引した液体が直接吸引手段に流れにくくなるが、第一流路211および第二流路221の内径よりも大きくなるように設定することで、より吸引した液体が吸引手段に直接流れにくくなり、吸入した液体とインジケーター31をより効率良く接触させることが出来る。なお阻害部材24は、連絡部23を形成した後に連絡部23内に阻害部材24を接着・溶着することで設けてもよく、予め一体で成形してもよい。
インジケーター封入部3は、本体部2に対して着脱可能に構成されていてもよい。図3および図4は、本願第一の発明において本体部2とインジケーター封入部3を着脱可能な構成としたときの検査器具の断面図である。インジケーター封入部3を本体部2と着脱可能な構造とした場合、吸入した液体がインジケーター31と接触した後でもう一度検査を行う際、インジケーター封入部3を本体部2から取り外し、新たに未使用のインジケーター封入部3を本体部2に接続することで再び検査を行うことが出来る。このため、用具を全て替えることなく検査を繰り返し行うことが出来るので、コストの削減につながる。
インジケーター封入部3と本体部2を着脱可能な構成とした際、図3に記載されているように、連絡部23が本体部2の側面から外方に突出し、インジケーター封入部3と本体部2を連結した際にインジケーター封入部3内に突出するように形成してもよく、また図4に記載されているようにインジケーター封入部3の上端に嵌合突起35が突出し連絡部23の内部に嵌合する形状でもよい。このような構成にすることで、インジケーター封入部3と連結部23の位置を合わせやすくなり、その結果両者は連通し易くなる。
図4は、本願第二の発明における検査器具の断面図である。本体部2の内部には、第一流路211と第二流路221が形成されている。第一流路211は、吸入部21の先端に設けられた先端部開口212と本体部2の側面に設けられた側面部第一開口213とを連通している。また、第二流路221は、吸引手段接続部22に設けられた後端部開口222と、本体部2の側面に設けられかつ側面部第一開口213に隣接した位置に設けられた側面部第二開口223と連通している。
本願第二の発明においては、第一流路211は、先端部開口212と連通して本体部2の軸と平行な流路と、側面部第一開口213と連通して本体部2の軸と垂直となる流路が交わるよう形成されており、また第二流路221は、後端部開口222と連通して本体部2の軸と平行な流路と、側面部第二開口223と連通して本体部2の軸と垂直となる流路が交わるよう形成されている。以上のように本体部2の内部に流路を構成することで、吸引手段接続部22に接続された吸引手段によって吸引操作を行った際、吸引された液体が直接吸引手段に流れることなく連絡部23へと流れ、連絡部23と連通するインジケーター封入部3内に流入させやすくなる。この構成により、インジケーター封入部3を本体部2の下側に位置した状態で吸引操作を行えば、吸引された液体はインジケーター封入部3の底部に落下する。ここでインジケーター31がインジケーター封入部3の底部に位置するように設けられていれば、インジケーター封入部3内に落下した液体は確実にインジケーターと接触する。また、インジケーター封入部3を本体部2の下側に位置した状態を保っておけば、インジケーター31と接触した液体が第一流路211もしくは第二流路221に流入することはないので、吸引した液体が逆流して外部に漏出することを防ぐことが出来る。なお、本体部2の軸と平行な流路と本体部2の軸に対して垂直となる流路とが実質的に直角に交わるよう形成すると、本発明の検査器具をより容易に成形することが出来る。
図6および図7は、本願第二の発明において、インジケーター封入部3が本体部2に対して着脱可能に構成されている例の断面図を示したものである。インジケーター封入部3と本体部2を着脱可能とすることで、本願第一の発明と同様、用具を全て替えることなく検査を繰り返し行うことが出来るので、コストの削減を図ることが出来る。このとき、図6に記載されているようにインジケーター封入部3の上端に第一突起32、第二突起33をそれぞれ設け、第一突起32を第一流路211と、第二突起33を第二流路221とそれぞれ嵌合させることでインジケーター封入部3と本体部2が接続する構造であってもよいし、また図7に記載されているように連絡部23が本体部2の側面から外方に突出し、インジケーター封入部3と本体部2が連結した時に連絡部23がインジケーター封入部3の内部に突出するような形状でもよい。このような構成とすることで、本体部2とインジケーター封入部3を接続した際位置合わせが容易となり、第一流路211および第二流路221とインジケーター封入部3内を連通させることが容易となる。さらに図7の構成に依れば、液体をインジケーター封入部3内に吸入した後にインジケーター封入部3を本体部2の上側に位置させた場合でも液体が隙間34に溜まり易く、そのため第一流路211及び第二流路221に浸入しにくくなり、一度吸引した液体やインジケーターの成分が逆流して外部に漏出することを防ぐことが出来る。
本願第一および第二の発明のインジケーター封入部3は接触した液体の種類によって反応を示すインジケーター31を内包し、上記の構成によって第一流路211と連通し、また第二流路221と連通している。図1においては略円柱状のインジケーター封入部3が記載されているが、形状はこの限りでなく、角柱状でもよいし板状のものでもよい。インジケーター封入部3は本体部と一体に成形されていてもよく、また前記のように本体部と着脱可能であってもよい。さらに、内包されたインジケーターの変化を外部から視認できる構成であることが望ましく、この構成の例としては、インジケーター封入部の一部または全部を透明な部材で構成するものなどが考えられる。
インジケーター封入部3に内包されるインジケーター31としては、液体の性質や種類によって変化を起こし、その結果液体の種類を特定できるものであればよい。例としてはpH指示薬、抗体試薬、蛍光試薬などが考えられる。インジケーターは変化する試薬をそのまま封入してもよいが、該試薬を担持体に担持させて封入する方法も考えられる。このときの担持体としては試薬を安定に担持できるものであればよく、吸水性のものであれば少量の体液でも接触した瞬間にその大部分を吸収することが出来るので、インジケーターの変化がわかりやすく好ましい。例としては紙、繊維、スポンジなどの多孔質体が挙げられるが、ごく少量の体液の接触によっても容易に変化が確認できるよう、紙体のように薄い形状であることが好ましい。
また、各種試薬を担持体に担持させてインジケーター31を構成する場合、インジケーター31は試薬担持体に試薬を担持させた後、乾燥させることが望ましい。乾燥させることでインジケーター31の吸水性能をより向上させると共に、担持させた試薬を使用するまでに安定した状態で担持できるという利点がある。乾燥の方法については常温乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などが例として挙げられるが、試薬を変質させずに試薬担持体に担持させ、なおかつ乾燥できる方法が望ましい。さらに、インジケーター封入部3が本体部2に対して着脱可能である場合、インジケーター封入部3は使用直前まで密封されていることが望ましい。インジケーターが変質する要素としては日光・温度・湿度・酸素などが考えられるので、それらから内包された部材の変質を守ることができるような、例えばアルミパックなどによってインジケーター封入部3を密封することが望ましい。
インジケーター封入部3内に封入するインジケーター31は1種類の試薬に限らず、異なる複数種類の試薬を備えることも有用である。例えば、pHの確認を行う場合は、異なる変色域を持つ複数の指示薬を1つのインジケーターに備えることによって、液体のpHを幅広く確認することが出来る。また、公知である尿検査用の試験紙のように、例えば血液に反応する試薬と蛋白に反応する試薬、糖に反応する試薬を一つのインジケーターにまとめれば、一度液体とインジケーター31とを接触させるだけで複数の検査をこなすことが出来る。
本発明の検査器具の材料としては、一般に医療用基材として用いられているものでよく、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、スチレン系やオレフィン系などの熱可塑性エラストマーなどや、これらを混合した材料が挙げられる。特にインジケーター封入部3においては、前述のように内包されたインジケーターの変化を外部から視認できる構成であることが望ましいので、透明な部材を用いることが望ましい。
本発明の検査器具を用いて液体の検査を行う例について説明する。まずはシリンジや誤接続防止用注入器、ポンプなどの吸引手段(図示せず)を吸引手段接続部22に接続する。インジケーター封入部3が本体部2に対して着脱可能であるならば、インジケーター封入部3を本体部2に接続する。以上の準備が済んだら、インジケーター封入部3を本体部2に対して下側に位置した状態で吸入部21を液体と接触させる。吸入部21が液体と接触したとき、吸引手段接続部22に接続した吸引手段によって陰圧を発生させる。すると、第一流路211、第二流路222、連絡部23がある場合には連絡部23の内腔に陰圧が発生する。この陰圧によって吸入部21と接触した液体が第一流路211内へと吸引される。吸引された液体は、本願第一の発明における阻害部材24、または本願第二の発明における第一流路211の構成によって直接吸引手段内に吸引されることなく、インジケーター封入部3に到達する。ここでインジケーター封入部3内に達した液体がインジケーター31と接触するので、このときのインジケーター31の変化を見て液体の検査を行うことが出来る。
一度液体をインジケーター31と接触させた後、そのまますぐに別の液体を吸引して検査を行いたい時は、インジケーター封入部3と本体部2が着脱可能な構成であれば、使用済みのインジケーター封入部3を本体部2から取り外し、新たに未使用のインジケーター封入部3を本体部2に接続して上記の操作を繰り返すだけで、再び検査を行うことが可能である。この時、異なる種類のインジケーター31を封入したインジケーター封入部3を多種用意することで、1つの液体に対して複数の検査を簡便に行うことが出来る。例えば尿の検査を行う際、潜血に反応するインジケーターを封入したインジケーター封入部、蛋白に反応するインジケーターを封入したインジケーター封入部、糖に反応するインジケーターを封入したインジケーター封入部をそれぞれ準備し、液体を吸引するたびにこれらのインジケーター封入部を交換して検査を行えば、多種の検査を簡便に行うことが出来る。
本発明の検査器具を用いて、体内、特に胃に挿入されたカテーテルの先端の位置を確認する例について説明する。まず、従来の方法によってカテーテル(図示せず)を胃内へと挿入する。そしてカテーテルの先端が胃に達したと判断したら、体外にあるカテーテルの端部に本発明の検査器具の吸入部21をカテーテルの端部と嵌合させ、カテーテルに本発明の検査器具を取り付ける。そして、吸引手段接続部22にはシリンジや誤接続防止用注入器、吸引用のポンプなどの吸引手段(図示せず)を接続する。この吸引手段によって吸引操作を行うことで、第二流路221、第一流路211、連絡部23がある場合には連絡部23、そしてカテーテルの内腔に陰圧を発生させることができる。そして発生した陰圧によって、カテーテルの先端付近にある液体がカテーテル内へと吸引され、第一流路211を経てインジケーター封入部3内まで吸引することができる。吸引した液体がインジケーター封入部3に達すると、液体とインジケーター31が接触し、液体の種類によってインジケーターが反応する。液体と触れた際のインジケーターの反応を見て、吸引した液体の種類を特定することができ、それによってカテーテルの先端の位置が胃の中にあるか、そうでないかを判断することができるのである。胃内容物は酸性であるため、インジケーターの変化によって吸引した液体が胃由来のものであると確認でき、その液体を吸引したカテーテルの先端部は胃の中にあると特定できる。なお、このとき用いるインジケーターとしては、例えば青色リトマス、ブロモチモールブルー、ブロモクレゾールパープル、クロロフェノールレッドなどが挙げられる。
この吸引操作を、インジケーター封入部3が本体部2の下方に位置した状態で行うことで、吸引した液体は第一流路211を通ってインジケーター封入部3内に滴下され、インジケーター31と接触する。吸引した液体はインジケーター封入部3内に溜まるので、インジケーター封入部3が本体部2の下側に位置する限り、インジケーター31と接触した液体が再び第一流路211に戻り、体内へ逆流することを防ぐことができる。また、図4に記載されているように、第一流路211及び第二流路221をインジケーター封入部3内に突出するような形で設けることにより、液体をインジケーター31と接触させた後にインジケーター封入部3が本体部2の上方に来ても液体が第一流路211の中に戻りにくく、吸入部側に液体が逆流することを防ぐことができる。インジケーター封入部3と本体部2が着脱可能な構成であれば、一度液体を吸引した後に再び液体を吸引する時は使用済みのインジケーター封入部3を本体部2から取り外し、未使用のインジケーター封入部3を本体部2に接続して上記の吸引操作を行えば、再び液体の種類の確認を行うことが出来る。
本発明の検査器具は単体でも液の採取と検査を行うことが出来るが、実施例のようにカテーテルに接続して使用することも可能である。また、吸入部に穿刺用の針を装着し、体液を採取すると同時に検査を行う、という応用方法も考えられる。
本発明の検査器具の斜視図である。 本願発明の検査器具の縦断面図である。 本願発明の検査器具における、別の実施例の縦断面図である。 本願発明の検査器具における、別の実施例の縦断面図である。 本願発明の検査器具における、別の実施例の縦断面図である。 本願発明の検査器具における、別の実施例の縦断面図である。 本願発明の検査器具における、別の実施例の縦断面図である。
符号の説明
1 検査器具
2 本体部
21 吸入部
211 吸入部側流路(第一流路)
212 先端部開口
213 側面部第一開口
214 滑り止め
22 吸引手段接続部
221 吸引手段接続部側流路(第二流路)
222 後端部開口
223 側面部第二開口
23 連絡部
24 阻害部材
3 インジケーター封入部
31 インジケーター
32 第一突起
33 第二突起
34 隙間
35 嵌合突起

Claims (9)

  1. 液体を器具内に吸入し、器具内部に設けられたインジケーターと吸入した液体を接触させて液体を検査する検査器具で、
    先端側に吸入部を備え、基端側に吸引手段接続部を備えた本体部と、本体部側面に設けられたインジケーター封入部からなり、
    インジケーター封入部は内部に液体との接触によって変化を起こすインジケーターを内包しており、
    本体内部には前記吸入部と吸引手段接続部とを連通する流路が形成され、該流路の中間部にはインジケーター封入部の内部に連通する連絡部が形成されており、
    前記吸入部から連絡部までの流路を吸入部側流路とし、前記吸引手段接続部側流路から連絡部までの流路を吸引手段接続部側流路とすると、インジケーター封入部と対面する連絡部の内壁には、吸入部側流路から吸引手段接続部への液体の直接の流れを阻害する阻害部材が設けられていることを特徴とする検査器具。
  2. 前記阻害部材における、前記吸入部側流路及び吸引手段接続部側流路に対して垂直方向に切断した時の断面積は、吸入部側流路および/または吸引手段接続部側流路の内径よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の検査器具。
  3. 前記インジケーター封入部が本体部と着脱可能な構成であることを特徴とする、請求項1または2に記載の検査器具。
  4. 前記インジケーター封入部はその上端に突出部を備えており、本体部は該流路突出部と嵌合する孔部を備えており、該流路突出部と該孔部とを嵌合させることでインジケーター封入部と前記連絡部が連通する構成であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の検査器具。
  5. 前記連絡部は本体部側面から外方に突出しており、連絡部とインジケーター封入部とを嵌合させることで連絡部とインジケーター封入部が連通する構造であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の検査器具。
  6. 液体を器具内に吸入し、器具内部に設けられたインジケーターと吸入した液体を接触させて液体を検査する検査器具で、
    先端側に吸入部を備え基端側に吸引手段接続部を備えた本体部と、本体部側面に設けられたインジケーター封入部からなり、
    インジケーター封入部は内部に液体との接触によって変化を起こすインジケーターを内包しており、
    本体部は内部に吸入部側流路と吸引手段接続部側流路を設けており、
    吸入部側流路は本体部先端に設けられた先端部開口と連通して本体部の軸方向に延びる流路と、本体部側面に設けられた側面部第一開口と連通して本体部の軸方向に対して垂直に延びる流路とが交わるよう形成されており、
    吸引手段接続部側流路は本体部基端側に設けられた後端部開口と連通して本体部の軸方向に延びる流路と、本体部側面に設けられかつ側面部第一開口と隣接する位置に設けられた側面部第二開口と連通して本体部の軸方向に対して垂直に延びる流路とが交わるよう形成されており、
    インジケーター封入部と吸入部側流路は側面部第一開口を介して連通しており、またインジケーター封入部と吸引手段接続部は側面部第二開口を介して連通していることを特徴とする検査器具。
  7. 前記インジケーター封入部が着脱可能であることを特徴とする、請求項6に記載の検査器具。
  8. 前記インジケーター封入部は、その上端から突出し吸入部側流路と連通可能である第一突起と、同じくその上端から突出し吸引手段接続部側流路と連通可能である第二突起を備えており、第一突起と吸入部側流路とを嵌合させ、第二突起と吸引手段接続部側流路とを嵌合させることで本体部とインジケーター封入部が連結する構造であることを特徴とする、請求項7に記載の検査器具。
  9. 前記吸入部側流路及び前記吸引手段接続部側流路は本体部側面から外方に突出しており、これらの流路をインジケーター封入部に嵌合させることでインジケーター封入部と本体部が連結する構造であることを特徴とする、請求項8に記載の検査器具。
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