JP2009125026A - チューブダクトサンドイッチ二重膜農業用フィルムとその使用方法及びそれを用いた農業ハウス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、被覆時には光線透過をし、保温を必要とする時は高保温性能を発揮し、不要時には空気を抜いて一重形態のフィルムとなって、既存の開閉装置を用いて開閉でき、不使用時には小さく収納し、長期間にわたって空気膜、一重被覆並を繰り返して切替え可能な二重膜フィルムを提供すること。また、その容易な使用方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の農業用二重膜フィルムは、防曇処理面が同じ方向となる形態で上下に重ねられた二枚の農業用フィルムの中間に、内面を防曇処理した適当な幅のチューブダクトを配置すると共に、該チューブダクトは前記二枚の農業用フィルムの内少なくとも一方のフィルム面に固着し、更に、二枚重ねとなっている農業用フィルムの周端辺は熱溶着または接着により部分的に密閉形態とすると共に、二枚の農業用フィルムの中間領域への空気の流入出口となる開放部分を備える形態とするものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は農業用ハウス等の農業設備に使用される被覆フィルムに関するものである。
施設園芸の広がりとともに、ハウス内の室温を高く保持する対策として以下の箇条書きした方法や資材が開発されてきた。1)農業用フィルムを多層に被覆する方法、2)空気を膨らませて夜間の保温性を高める被覆フィルム(特許文献1参照)、3)ハニカム形状断面を有す農業用フィルム(特許文献2参照)、4)チューブダクトをハウス内全面被覆し、そのチューブダクトの膨らみ接触で密閉した空気層を設ける方法(特許文献3参照)、5)アルミ蒸着や練り込みで反射機能を有すフィルムを使用して、昼間ハウス内に蓄えられた放射熱を反射して大気への放熱を小さくしてハウスの夜間保温性を高める(特許文献4参照)等、各種方法が提案されていた。
しかし、これら上記の対策には以下の欠陥があった。すなわち、ハウスの内面を多層被覆すれば保温性は高くなるが、被覆したままだと高温になりすぎ、高温障害が発生する。この対策として、自動開閉装置を用いて多層被覆したフィルムを開閉する装置が開発されたが、高コストや多層被覆フィルムやその支持支柱の影響で開時影になり光線透過が低下する。更にハウス内部の立体活用に制限が加わる欠陥があった。空気を膨らませて夜間の保温性を高める被覆フィルムでは、空気膜が膨らみすぎ膨らみ幅を常時同じに調節できないことと空気が抜けるまでの時間が長くかかりすぎ無理やり開放すると2〜4倍以上の開放負荷が生じ、タイムリーに温度調節できない欠点があった。更に、膨らみ幅を調節するために二重被覆フィルム内の空気量を適量以上は抜くようにして調節を行うと膜内空気の対流が激しくなり、この結果空気膜内よりの放熱が大きくなり、保温性を低下させる欠陥があった。農業用のハニカム形状断面を有すフィルムは空気層内の対流も少なく保温性に優れていたが、保管、流通において6から10倍以上かさばり過ぎる欠点があった。又、内張りカーテンに使用するとハウス内側面によけた時、影を増強し光線透過を低下させる欠点があった。チューブダクトどうしの膨らみで空気層を形成する方法は、保温性の向上と速やかな換気改善されたが、ハウス天井面より落下する結露がチューブダクトとチューブダクトの谷面に溜まり、換気と同時に水滴が作物に落下し、病気発生の引き金になる欠点と万一停電が起こった時、慣行の一重カーテン被覆より劣る欠陥を持っていた。反射機能を有するフィルムはかさばり面の改善はされたが、遮光率が高いため日々の開閉を必要とし、内張使用すると大気に放射する熱を反射し、夜間の保温性は高く維持できるが、被覆時ハウス内天面の室温が高くならないため、降雪時、雪が積もりやすく、雪の滑落性が悪くなりハウス倒壊の要因になる課題も発生していた。更に、日の出とともに光合成促進を図るために開放すると急に室温が低下し、作物の正常な生育を阻害する欠点があった。
特開2007−112009号公報 「太陽熱パッシブ利用木材乾燥装置」 平成19年5月10日公開 特開2006−288246号公報 「ビニールハウス」 平成18年10月26日公開 実開平6−86436号公報 「環境制御機構を備えたチューブ型ハウス」 平成6年12月20日公開 特開平9−234829号公報 「施設園芸用遮光カーテン資材」 平成9年9月9日公開 実公平8−2331号公報 「膨脹式テント」 平成8年1月24日公告
この発明の課題は、上記したような従来技術の問題点を解決すること、すなわち、被覆時には光線透過をし、保温を必要とする時は高保温性能を発揮し、不要時には空気を抜いて一重形態のフィルムとなって、既存の開閉装置を用いて開閉でき、不使用時には一重カーテン並みに小さく収納し、長期間にわたって空気膜、一重被覆並を繰り返して切替え可能なチューブダクトサンドイッチ二重膜フィルムを提供すること。また、その二重膜フィルムを容易に膨張・圧縮する方法を提供することにある。
本発明の農業用二重膜フィルムは、防曇処理面が同じ方向となる形態で上下に重ねられた二枚の農業用フィルムの中間に、内面を防曇処理した適当な幅のチューブダクトを配置すると共に、該チューブダクトは前記二枚の農業用フィルムの内少なくとも一方のフィルム面に固着することにより、一体化された形状のものとした。
また、本発明の農業用二重膜フィルムは、上記構成において二枚重ねとなっている農業用フィルムの周端辺は熱溶着または接着により部分的に密閉形態とすると共に、二枚の農業用フィルムの中間領域への空気の流入出口となる開放部分を備える形態とするものとした。
本発明の農業用二重膜フィルムを膨張・圧縮させる方法は、給気と排気を実行する給排気装置に接続された給排気管をチューブダクトと連結し、前記給排気装置を駆動することによって前記チューブダクトを膨張・圧縮させ、これに農業用二重膜フィルムを追従させて空気膜形成形態と一重被覆並形態とを切替え実現させるようにした。
本発明の農業用二重膜フィルムを張った農業用ハウスは、給気と排気を実行する給排気装置に接続された給排気管を多数分岐させて配管した農業用ハウスの棟部分には上記の農業用二重膜フィルムのチューブダクトが両側壁を結ぶ方向に所定間隔で複数個、また、両側壁では上記の農業用二重膜フィルムのチューブダクトが1つだけ長手方向に延在するように上部位置に張られると共に、前記分枝管と前記チューブダクト内を連通させて取り付けるものとした。
また、本発明の農業用二重膜フィルムを張った農業用ハウスは、上記構成において農業用二重膜フィルムは棟部分も両側壁も防曇処理面がハウス内側となるように張られるものとした。
本発明の農業用二重膜フィルムは、上記のような構成を採用したことにより、従来のように二重膜内空気全体を出し入れするのではなくチューブダクト内の空気の出し入れだけで二重膜空気層の形成と一重被覆並の形態を切換えるものであるから、迅速容易に両形態を実現させることが出来る。しかも、一重被覆並形態においてはコンパクトな構造となるため、不使用時や運搬や貯蔵時など場所を取ることがなく取り扱いが容易である。さらに、チューブダクト以外は空気が流れず、チューブダクトの膨らみで上下に配した農業用フィルムとチューブダクトの密着度が高くなり、チューブダクトと農業用フィルムの隙間がなくなり、静止空気層の空間をチューブダクトで仕切っただけ作ることができる。この結果、空気の動きによる熱移動が小さくなり、保温性能の高い二重膜空気層を構成することができる。更に、上下に配した農業用フィルムに穴があいても、チューブダクトに穴があかない限り空気層形成はでき、チューブダクトは上下に配した農業用フィルムで覆われているので穴があきにくく、利用面での安全性が高い。
また、本発明の農業用二重膜フィルムは、二枚重ねとなっている農業用フィルムの周端辺は熱溶着または接着により部分的に密閉形態とすると共に、二枚の農業用フィルムの中間領域への空気の流入出口となる開放部分を備える形態としたので、二重膜空気層の空気はチューブダクトの膨らみに応じて熱溶着または接着されていない開放部分から自由に給排気される。そして、熱溶着または接着されている部分とされていない開放部分との比率を変えるこにより、チューブダクトへの追従性と保温効率性のバランスを考慮した最適設計が可能である。
本発明の農業用二重膜フィルムを膨張・圧縮させる方法は、給気と排気を実行する給排気装置に接続された給排気管をチューブダクトと連結し、前記給排気装置を駆動することによって前記チューブダクトを膨張・圧縮させ、これに農業用二重膜フィルムを追従させて空気膜形成形態と一重被覆並形態とを切替え実現させるようにしたものであるから、迅速且つ容易に空気膜形成形態と一重被覆並形態の切替が可能であるだけでなく、広い面積にわたりチューブダクトの膨らみに応じて均一に空気膜層の厚さを形成させることが出来る。そして、空気の給排気がチューブダクトの容量分だけでよいから、小型の給排気装置で足りる。また、このような空気膜、一重被覆並の切替え動作であるから、これを繰り返しても二重膜フィルムに負荷が掛かることがなく、長期間にわたって使用可能である。
本発明の農業用二重膜フィルムを張った農業用ハウスは、被覆時には光線透過をし、保温を必要とする時は空気膜形成形態して高保温性能を発揮するだけでなく、棟部分には上記の農業用二重膜フィルムのチューブダクトが両側壁を結ぶ方向に所定間隔で複数個配置される構成を採用したので、所定間隔毎に空気膜層が形成され、広い屋根領域であってもチューブダクトの膨らみに応じて均一に空気膜層の厚さを形成させることが出来る。チューブダクトがしぼむと上側のフィルムは自重で下降する作用が働くため、空気膜層の排気は速やかになされる。また、両側壁では上記の農業用二重膜フィルムのチューブダクトが1つだけ長手方向に延在するように上部位置に張られる構成を採用したことにより、二重膜フィルムはチューブダクトをサンドイッチにして下方に垂れ下がった形態となり、1つのチューブダクトで広い側壁面の空気膜層を簡単に調整することが出来る。そして、空気を抜いた一重形態のフィルムとなったときには慣行ハウス同様に既存の開閉装置を用いて開閉できる。更に、チューブダクト内面を防曇処理しているので、ハウス内の高湿度空気を常時送り込んでもチューブダクトの結露による光線透過低下を小さくすることができる。
また、本発明の農業用二重膜フィルムを張った農業用ハウスは、上記構成において農業用二重膜フィルムは棟部分も両側壁も防曇処理面がハウス内側となるように張られるものとしたことにより、内面に配したフィルムと被覆内面の温度格差が小さいので二重膜内面の結露が少なくなり、光線透過が高く、結露水付着の少ない内張りカーテンを作ることができる。更に、内張りフィルムの開閉による水滴落下も少なくなり、結露水落下による栽培作物の病気発生低下効果も生まれる。
本発明に係る農業用二重膜フィルムの基本構成を図1を参照しながら説明する。図中の符号1は内側フィルム、2は外側フィルム、そして3がチューブダクトである。1a,2a,3aはそれぞれのフィルム面の防曇処理層であり、内側フィルム1と外側フィルム2は防曇処理層が同じ方向にくるように重ねられている。また、チューブダクト3は内側フィルム1と外側フィルム2の少なくとも一方に熱溶着若しくは接着されて固定されている。チューブダクト3内の気体を給気または排気してチューブダクト3が適度に膨らんだ状態となれば、2つのチューブダクト3間にわたって存在する内側フィルム1と外側フィルム2の間隔はそのチューブダクト3膨らみ具合に対応した幅をとることとなる。内側フィルム1と外側フィルム2からなる二枚のフィルムの周囲は完全密封されてはおらず、空気の出入りが自由になされる形態となっているので、チューブダクト3の膨張・圧縮に対応して内側フィルム1と外側フィルム2に挟まれた空間は呼吸するような動作をして空気層を形成する。図のAはチューブダクト3内の気体をすっかり排気して圧縮した形態を、Bはチューブダクト3内に気体を給気して膨張させた形態を示している。外気との温度差を保つときには空気膜形成形態としてBに図示のように、外気との温度差を保つ必要のないときはAに図示されるような一重被覆並形態がとられる。また、不使用時や収納保管時、運搬時にもAに図示されるような一重被覆並形態とすることで、巻き取ったり折畳んだりすることができ、スペースをとることがない。
なお、本発明のチューブダクトに類似の構成として、特許文献5の「膨脹式テント」には支柱気筒、梁気筒などの示されているが、これは筒(チューブ)自体がテントの構造物としての役割を担うもので、二重膜フィルムの間にサンドイッチ形態で存在し、この二重膜フィルムの間に空気層を形成させようという本発明のチューブダクトとは技術的意義を全く異にするものというべきである。
このような本発明の農業用二重膜フィルムを農業ハウスに使用する実施形態を以下に示す。図2に示したものは農業ハウスの内張カーテンに採用したものである。12は外側ハウスの構造体でこの構造体12を覆うように外側の農業用フィルムが張られるが、この図では内部構造が分かり易いように省略してある。
ここに示す例では、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム(以下、農業用ポリオレフィンフィルムと略称する。)素材で、外面フィルム1として50μm厚の、内面フィルム2として75μm厚のものを防曇処理面が各々同方向を向くように二枚重ねし、その中間に75μm厚で内面防曇処理してある折径幅40cmのチューブダクト3を、幅方向に3m間隔に並べて75μm厚で前記農業用ポリオレフィンフィルムに溶着し、外面50μm厚フィルム1と内面75μm厚フィルム2の長手方向両端を熱シール加工したチューブダクト付二重膜フィルム(図3に示す構成を参照)を製造し、間口3m奥行き10mハウス内に内張り用フレームを農業用鉄パイプで作り、そのフレームにこのチューブダクト付二重膜フィルムを被覆した。図3において斜線部分は溶着部を示してあり、その間の非溶着部から空気の流入出が可能な構造となっている。図2に戻り棟部分ではフレーム中央のてっぺんに設けた鉄パイプに二重膜フィルム1,2を固定具5で固定し、チューブダクト3が中央のてっぺんから両側壁方向に所定間隔でアーチ状に配置されている。ハウスの天井中央に40mm径の塩ビ管の給排気管4を配管し、該給排気管4より分岐したチーズジョイント4aに、二重膜フィルムに設けたチューブダクト3を取り付け、空気漏れのないように粘着テープで固定した。側面側の二重膜フィルム1,2端辺は、巻き上げ開閉器具6を付けた農業用パイプ7に固定し、必要に応じて巻き上げ可能な形態とした。前記給排気管4の端片側に給気装置8と排気装置9を取り付けた。所望の空気層厚を維持するために、好ましい実施形態として二重膜の膨らみ具合をセンサーでモニターし、この給気装置8と排気装置9を制御するシステムとすることもできる。
またハウス側面には、図4に示す形態の二重膜フィルムを採用した。幅30cmでハウス側壁の長手寸法分の長さのチューブダクト3を75μm厚の内側フィルム2に固着し、50μm厚の外側フィルム1で二重被覆すると共に、幅方向の辺部を両フィルム1,2を熱溶着し、他端の辺部は開放形態とした側面二重膜フィルムを作成してこれを用いた。熱溶着領域は図示したような全辺に限らず空気の流入出量と保温効率との関係で間歇形態とすることも設計可能である。図2に示すようにハウス内面に設けた内張り用フレームの横パイプに固定具5で熱溶着部分を固定し、側面を被覆する。棟部分のフィルムと同様チューブダクト3に給排気管4を接続し内部の気体の給排気を行わせる。
この実施態様における動作は、給気装置8を稼動させると気体(空気若しくは炭酸ガス)がチューブダクト3内に供給され、つぶされた状態にあったチューブダクト3を膨張させる。すると両側に存在する外側フィルム1と内側フィルム2の間隔はチューブダクト3の膨張と共にその厚さ分拡げる方向の力を受ける。すると、外側フィルム1と内側フィルム2間の空間は負圧状態となって、重なられた状態にある両フィルム1,2の辺部開放部分から空気を吸い込み、チューブダクト3の膨張に追随して両フィルム1,2の間隔は広くされる。結果として外側フィルム1と内側フィルム2の間には空気層が形成されることとなって、これが農業ハウスの高保温性機能を発揮する。また、高保温性機能を解除したいときは排気装置9を稼動させ、チューブダクト3内の気体を排気させる。すると膨らんでいたチューブダクト3がしぼみ始め、外側フィルム1と内側フィルム2の間隔を拡げようとする力が解除される。すると外側フィルム1と内側フィルム2は自重によって両フィルム間の間隔を狭くしようとする力が働く。このため、外側フィルム1と内側フィルム2間の空間は陽圧状態となり、空気層を形成していた空気は辺部の非溶着領域から外部へはき出される。この様にしてチューブダクト3がしぼむとそれに追従して外側フィルム1と内側フィルム2間隔が徐々に狭まり、空気層を解消し両フィルム1,2が重なって一重フィルムのような形態となる。この様にチューブダクト3内への気体の給排気によって農業用二重膜フィルム全体を追従させて空気膜形成形態と一重被覆並形態とを切替え実現させる動作となるため、従来の空気層を形成する空気算体を給排気させるものに比較して、給排気装置は小型のもので足りる上、迅速容易に両形態を実現させることが出来る。
上記の基本動作は棟部分に張った農業用二重膜フィルムも側壁部に張った農業用二重膜フィルムも同様である。ただし、棟部分に張った農業用二重膜フィルムについては前述したように所定間隔(この例では3m)で配置したことにより、外側フィルム1と内側フィルム2間の空間は隣接するチューブダクト3で仕切られるため、2つのチューブダクト3の厚さに応じてその領域の空気層の形成がなされる。この構成を採用したことにより、広い棟部分全体の空気層を安定して調整することが出来る。これに対して、側壁部に張った農業用二重膜フィルムは、前述したようにチューブダクト3が1つだけ長手方向に延在するように上部位置に張られた構成を採用したものである。これは外側フィルム1と内側フィルム2がチューブダクト3を挟んで両側から重力を受けて垂下した形態であるため、長手方向に延在する1つのチューブダクト3を膨張・圧縮させることにより、両フィルムを追従させて空気膜形成形態と一重被覆並形態とを切替え実現させることが出来るものである。
図2に示した実施形態では、ハウス内の換気や放熱促進のため、一重被覆並形態とした農業用二重膜フィルムを巻き上げて開放させる機能を備えるものとしている。すなわち、棟部分に張った農業用二重膜フィルムの下辺端部は巻き取りパイプ7と結合されており、巻き取り機構6を操作することで下辺部から巻き取られて開放形態とする。また、側壁部に張った農業用二重膜フィルムについても下辺端部は巻き取りパイプ11と結合されており、巻き取り機構10を操作することで下辺部から巻き取られて開放形態とすることができる。
次に、福島県いわき市において、上記の実施態様を間口3m奥行き10mのハウスとして設置し、実験を行った結果を紹介する。密閉時は棟部分と側面のチューブダクトに気体を供給することでハウス内に二重膜空気層を作ることができ、日照の多い昼間は排気して一重被覆並形態とし、巻き上げ開放することができる。このハウス内の室温向上効果は、慣行一重被覆と比較して図5に示したグラフの通りであった。日中高温時のハウス内温度の大差はないが、夜間の低温時には約5℃の差が認められた。
実験は夕方16時フレーム天面部のに被覆後給気を行い、チューブダクトを膨らませて空気層を形成し、翌朝9時にチューブダクトの排気を行うものとした。この際、排気10秒で慣行一重ハウス並の要領でフレーム中央位置まで巻き上げ開放できることが確認できた。
最良の形態を用いれば、棟部天面に放熱する85%の熱放射を30%以上少なくし、側面より夜間進入する冷気を側面二重膜で防ぐことができるので、冬季の夜温低下防止に適し、暖房費の節約や栽培作物の生育促進に効果を発揮することが確認できた。
チューブダクトにのみ給気・排気するものであるからチューブダクトを膨らます空気量は空気層を構成する容量より少ない空気量で空気膜層を形成でき、給排気が短時間でできる。膨張時にはチューブダクトで梁を作り、二重空気膜内にチューブダクトの数だけ小さい静止空気層を作るのでより保温性の高い形状の空気膜層を作ることができる。
同幅のチューブダクトを用いると同厚の空気膜を形成でき、内張りカーテンと天面被覆フィルムとの空間に合わして空気膜を作ることができる。
チューブダクトで上下に分離して空気膜層を形成するのでチューブダクトで持ち上げることができるフィルムであれば、原料を問わず各種農業用フィルムと組み合わせて空気膜層を形成することができる。
側面も空気膜層にすればハウス内全体を空気膜層として覆うのでより高い保温成果が期待できる。チューブダクト内面に防曇処理をしたフィルムを用いるとチューブダクト内に水滴付着がなくなり、チューブダクトによる透明性低下はなくなる。
空気膜内層にはハウス内の高湿度の空気が入らないので結露が少なくなり、透明持続性が増す。又空気膜内面フィルムの冷え込みが小さくなるので、二重膜への結露水の付着も低下する。特に二重膜フィルムとチューブダクトが適当に固着或いは接着してあると被覆作業が一回で済み便利である。
反射遮光フィルムと組み合わせると遮熱性能の高い、農業用フィルムとして活用できるハウス外張り二重空気膜として使用形態を図6に示す。この例は内張ではなく外側のハウス構造体に直接外張り形態で本発明に係る二重膜農業フィルムを棟部分と側壁部に張ったものである。図7はこの形態を実際に設置したハウスの外観写真である。また図8は側壁部に張った二重膜農業フィルムのハウス内写真である。チューブダクト3に給気がなされ膨張状態にあって、外側フィルム1と内側フィルム2間の空間は空気層でふくれている状態が観察できる。
どのような形態のハウスにも同厚みを有す空気膜ができ、二重被覆したフィルムに空気を送風して空気膜形成時のフィルム内の結露水による光線透過低下、空気膜の膨らみ厚のバラつき、カラスによる空気膜の穴あき及び被覆した既存の各種農業フィルムを空気膜にする課題が解決できる。
フィルムを開放する方式としては、前述した巻き上げ方式ではなく、スライド方式とすることも出来る。ワイヤーにフックを固定し、そのワイヤーをモーターで巻き取り/繰り出しして移動させ、本発明のフィルムをそのフックに係合させて移動させるという形態である。
本発明のチューブダクトサンドイッチ二重膜フィルムの基本構成図。 本発明の二重膜フィルムの内張カーテン使用形態例を示す図である。 棟部分に使用した農業用二重膜フィルムの構成を説明するである。 側壁部分に使用した農業用二重膜フィルムの構成を説明するである。 本発明のハウスと従来の一重ハウスの温度変化を比較したグラフである。 本発明の二重膜フィルムのハウス外張り使用形態例を示す図である。 二重膜フィルムをハウス外張り使用形態した例の外観写真である。 側壁部に二重膜農業フィルムを張ったハウス内の写真である。
符号の説明
1 外側フィルム 2 内側フィルム
3 チューブダクト 4 給排気管
4a チーズジョイント 5 固定具
6 開閉機構 7 巻上げパイプ
8 給気装置 9 排気装置
10 開閉機構 11 巻上げパイプ
12 ハウス構造体

Claims (6)

  1. 防曇処理面が同じ方向となる形態で上下に重ねられた二枚の農業用フィルムの中間に、内面を防曇処理した適当な幅のチューブダクトを配置すると共に、該チューブダクトは前記二枚の農業用フィルムの内少なくとも一方のフィルム面に固着することにより、一体化された形状となった農業用二重膜フィルム。
  2. 二枚重ねとなっている農業用フィルムの周端辺は熱溶着または接着により部分的に密閉形態とすると共に、二枚の農業用フィルムの中間領域への空気の流入出口となる開放部分を備える形態とした請求項1に記載の農業用二重膜フィルム。
  3. 給気と排気を実行する給排気装置に接続された給排気管をチューブダクトと連結し、前記給排気装置を駆動することによって前記チューブダクトを膨張・圧縮させ、これに農業用二重膜フィルムを追従させて空気膜形成形態と一重被覆並形態とを切替え実現させる請求項1又は2に記載の農業用二重膜フィルム使用方法。
  4. 給気と排気を実行する給排気装置に接続された給排気管を多数分岐させて配管した農業用ハウスの棟部分には農業用二重膜フィルムのチューブダクトが両側壁を結ぶ方向に所定間隔で複数個張られると共に、前記分枝管と前記チューブダクトとを連通させて取り付けた請求項1に記載の農業用二重膜フィルムを張った農業用ハウス。
  5. 給気と排気を実行する給排気装置に接続された給排気管を多数分岐させて配管した農業用ハウスの両側壁では農業用二重膜フィルムのチューブダクトが1つだけ長手方向に延在するように上部位置に張られると共に、前記分枝管と前記チューブダクトとを連通させて取り付けた請求項1に記載の農業用二重膜フィルムを張った農業用ハウス。
  6. 農業用二重膜フィルムは防曇処理面がハウス内側となるように張られた請求項4または5に記載の農業用二重膜フィルムを張った農業用ハウス。
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