JP2009123710A - 加熱調理機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロースター部で一度に少なくとも5匹の秋刀魚が焼けるようにするとともに、焼き網と受け皿を調理庫から容易に出し入れすることができるようにする。
【解決手段】厨房家具の所定の幅と所定の奥行きに規定された天板開口部に本体が載置される誘導加熱調理器であって、本体上面のトッププレート下方に設けられた複数個の誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルに供給する電力を制御する電気電子回路基板と、誘導加熱コイルよりも下方に設けられ上部に電熱ヒータを有し、蓋と共に本体の奥行き方向に移動する皿及び網とを有する加熱調理庫とを備え、複数の誘導加熱コイルのうち少なくとも一つの誘導加熱コイルが非磁性体の被加熱体を加熱可能な誘導加熱コイルであり、電気電子回路基板に設けられ、非磁性体の被加熱体を加熱可能な誘導加熱コイルに電力を供給するインバータとを備え、加熱調理庫の幅を前記本体の幅の半分以上とした。
【選択図】 図10
【解決手段】厨房家具の所定の幅と所定の奥行きに規定された天板開口部に本体が載置される誘導加熱調理器であって、本体上面のトッププレート下方に設けられた複数個の誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルに供給する電力を制御する電気電子回路基板と、誘導加熱コイルよりも下方に設けられ上部に電熱ヒータを有し、蓋と共に本体の奥行き方向に移動する皿及び網とを有する加熱調理庫とを備え、複数の誘導加熱コイルのうち少なくとも一つの誘導加熱コイルが非磁性体の被加熱体を加熱可能な誘導加熱コイルであり、電気電子回路基板に設けられ、非磁性体の被加熱体を加熱可能な誘導加熱コイルに電力を供給するインバータとを備え、加熱調理庫の幅を前記本体の幅の半分以上とした。
【選択図】 図10
Description
本発明は、本体内に誘導加熱コイルを備え、この誘導加熱コイルの下方で本体の左右いずれか一側にロースター部を備え、ロースター部とは反対側の前面内に加熱部とロースター部の操作を行う操作部を備えた誘導加熱調理器において、前記ロースター部の改良に関するものである。
従来の誘導加熱調理器に設けられるロースター部は、加熱室内に出し入れ自在に収納される受け皿の上に焼き網を載置し、その焼き網上に魚等の被加熱物を載せ、それらを加熱室内に収納して、加熱室内の上、下又は上部に設けたヒータにより加熱して被加熱物を焼き上げるように用いられる。
そして、この種の誘導加熱調理器は、システムキッチンの上面に設けた組み込み穴から中に落とし込まれ、該組み込み穴の周縁部で支持されてシステムキッチンに設置される。
一般的に、流し台、コンロ台、調理台等が独立しそれらを並べて配置する、所謂、セクショナルキッチンに対して、複数のキャビネットが天板で一体化したシステムキッチンでは、どのメーカーの調理用加熱調理機器でも組み込めるように組込み寸法が規格化されている。前出の天板(ワークトップ)に設けられた組込み穴については、最大で幅560mm、奥行き500mmの開口部が規定されている。(「優良住宅部品認定基準 キッチンシステム(BLS KS:2003)」財団法人 ベターリビング)従って、システムキッチンへ組み込んで設置される組込型の誘導加熱調理器の寸法は、天板の開口部の寸法に規制されているので、前出のロースター部の寸法も同様に制限される。
以上の状況に対して、ロースター部を備えた誘導加熱調理器として、特許文献1及び特許文献2に示すものがある。
特許文献1及び特許文献2に示されたロースター部は、加熱室の外側両側面にレールを固定し、該レールに沿って受け皿を加熱室から出し入れし、加熱室下部で内側の左右側面に段部を設け、この段部に受け皿を直接載置して出し入れするものである。
ところで、上記特許文献1及び特許文献2等に示されているロースター部を含め、具体的には記載されていないが、従来は、一般的に4人家族を標準として必要な寸法を決めていた。
例えば、日本における秋の味覚の代表である秋刀魚を一度に4匹まで焼くことができるように、焼き網や焼き網を載置する受け皿及び受け皿を収納するロースター部の加熱室の大きさが設定されている。
即ち、システムキッチンに組み込まれる誘導加熱調理器本体の標準的な幅約560mm、奥行き約500mmに対して、秋刀魚一匹の重さ約180g、長さ23cm、幅4cm×4匹を標準として図11に示すように、ロースター部の調理庫の幅を240mm、奥行き360mm程度に設定し、さらに、その横に設置される制御基板部の収納部の幅を235mm程度に設定して本体内にバランス良く配置している。
しかし、上記したように秋刀魚を一度に4匹まで焼くことができるロースターにおいては、5人以上の家族がいる場合に、2回に分けて秋刀魚を焼かなければならず、家族へ一時に焼き秋刀魚を提供できず、また食事までの時間が長くかかってしまうものであった。
魚を一度に多く焼くことができる加熱調理器としては、例えば特許文献3及び特許文献4に示すものがあるが、これらはいずれもグリル付きガスコンロである。グリル庫を横方向に広げ、特許文献3には魚を横向きに並べて焼く旨の記載がある。
いずれも、本体寸法を制限される組込型誘導加熱調理器ではない。組込型誘導加熱調理器では、本体寸法が上述のとおり規定されており、さらにロースター部の横に配置される誘導加熱コイルやその他の制御対象を制御する電気電子回路基板によって内部的にも設置スペースに制限を受ける。従って、特許文献3及び特許文献4に示す技術をもってして、組込型の誘導加熱調理器に応用して一度に多量の魚を焼くことはできない。
上記したように、本体内に誘導加熱コイルを備え、この誘導加熱コイルの下方で本体の左右いずれか一側にロースター部を備えた従来の誘導加熱調理器においては、例えば、ロースター部で秋刀魚を一度に4匹までしか焼くことができず、5人以上の家族がいる場合に、2回に分けて秋刀魚を焼かなければならず、家族へ一時に同じ料理を提供できなかったり、食事までの時間が長くかかってしまうものであった。
そこで、本発明の目的は、例えば、ロースター部で一度に少なくとも5匹の秋刀魚が焼けるようにし、5人以上の家族に対して加熱調理された料理を提供することができるように、従来よりも大量の調理対象を加熱することができるロースター部を備えた組込型の誘導加熱調理器を実現するものである。
また、本発明の他の目的は、例えば、5匹の秋刀魚を載せた焼き網と受け皿を加熱室から容易に出し入れすることができるように、従来よりも大量の調理対象を搭載した状態で容易に出し入れすることができるロースター部を備えた組込型の誘導加熱調理器を実現するものである。
本発明の請求項1では、本体の上面に設けられたプレートと、該プレートの下方の左右に設けられた誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルの下方で本体の一側に設けられたロースター部と、該ロースター部とは反対側の前面に設けられた操作部と、を備えた加熱調理器において、前記ロースター部はヒータを内蔵した調理庫と、被調理物を載せる焼き網と、焼き網を載置し調理庫内に出し入れ自在に収納される受け皿と、ロースター部の前面開口部を塞ぐドアと、少なくとも5匹の秋刀魚を縦に並べて載せることができる焼き網と、焼き網を載置し調理庫に出し入れ自在に収納される受け皿とを備え、前記ロースター部の幅を前記本体の幅の半分以上とした。
また、請求項2では、本体の上面に設けられたプレートと、該プレートの下方の左右に設けられた誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルの下方で本体の一側に設けられたロースター部と、ロースター部とは反対側の前面に設けられた操作部と、を備えた加熱調理器において、前記ロースター部はヒータを内蔵した調理庫と、被調理物を載せる焼き網と、焼き網を載置し調理庫内に出し入れ自在に収納される受け皿と、ロースター部の前面開口部を塞ぐドアと、調理庫の外側左右に設けられた1対のレールと、少なくとも5匹の秋刀魚を縦に並べて載せることができる焼き網と、焼き網を載置し調理庫に出し入れ自在に収納される受け皿を備え、前記1対のレールの先端にドアと受け皿の周囲を保持する保持枠を連結する連結アームを取り付け、前記レールを前方の可動範囲の端まで引き出したとき受け皿を上方向に着脱可能とし、前記ロースター部の幅を前記本体の幅の半分以上とした。
本発明の請求項1によれば、ロースター部を備えた加熱調理器において、例えば、ロースター部で一度に少なくとも5匹の秋刀魚が焼けるようにしたので、5人以上の家族に対して加熱調理された料理を提供することができる。
また、ロースター部で、例えば、少なくとも5匹以上の秋刀魚を焼く構成を採用しても、誘導加熱コイルやロースター部の横に配置される制御基板等によって設置スペースに制限を受けることがない。
以下本発明の一実施例を図1から図3を用いて説明する。なお、本実施例では、加熱調理器を誘導加熱調理器のロースター部として組み込んだ場合について説明する。
特許文献3に見られるように、秋刀魚を横に、複数本焼くことができる奥行き寸法よりも幅寸法のほうが大きいロースター部は、ガスを燃料とするグリル付コンロにおいて存在した。
組込型の誘導加熱調理器としては、誘導加熱する二つの加熱コイル部で、磁性材料からなる調理容器、例えば鉄鍋を加熱するものの他に、最近は非磁性材料からなる調理容器、例えばアルミ鍋を加熱することができるものが望まれ、二つの加熱コイル部のうち一方の加熱コイル部で非磁性/磁性の双方の材料からなる調理容器を加熱できる誘導加熱調理器が製品化されている。
しかし、一つの加熱コイル部が非磁性/磁性の双方の材料からなる鍋を加熱できるようにするためには、加熱コイル部へ流す高周波電圧を供給するためのインバータ回路、インバータ回路に直流電流を供給する電源回路等を構成するIGBT、コンデンサ、周波数切り替えリレー、及びチョークコイル等の回路部品が、多数必要となったり、より大型の部品が必要となったりする。また、発熱量の大きな部品が増えることで冷却のための構成をより強力にしなければならない。それらの結果、回路の実装に要する容積が確実に増大する。
図13は一実施例を示す要部回路ブロック図である。図において101は交流電源、102は整流手段で交流電源101を直流化する。103は直流電源で、交流電源101の周波数を制御回路で判別し、その判別した周波数に同期して動作する力率改善機能を有するとともに、出力の直流電圧を後記する制御手段106の電圧設定信号aにより可変することができ、略安定した直流電圧を出力することができる。
104はインバータ手段で、接続した加熱コイル105と共振コンデンサ(図示せず)に高周波電流を流し、加熱コイル105の近傍に配した被加熱金属体である金属鍋(負荷)に渦電流を発生させ、そのジュール熱によって金属鍋(負荷)自体を自己発熱させて金属鍋(負荷)を電力制御する。
106は制御手段で、使用者が操作する操作部107の設定により、直流電源103に対する電圧設定信号aおよびインバータ手段104に対する駆動信号bを出力する。また、交流電源101の電圧を検出する電圧検出手段108、交流電源101の電流を検出する電流検出手段109、および、インバータ手段104の動作状態を検出するインバータ状態検出信号dを入力し、これらの入力からインバータ手段104の入力電力やインバータ手段104に接続された負荷である加熱コイル5の状態を判断し、電圧設定信号aにより直流電源103の出力電圧を可変するとともに駆動信号bによりインバータ手段104のインバータ駆動周波数の制御を行う。また、制御手段106は交流電源101の電源周波数を判定する機能を有し交流電源の周波数に同期してインバータ手段104を制御する。
これらの回路は、一部の電源回路のほかはロースター部の隣の仕切られた空間に配置される。しかし、奥行きよりも幅のほうが寸法の大きいロースター部を備えた場合、二つの誘電加熱コイル部の一方を非磁性/磁性に応じて加熱できるようにすると、回路を搭載した電子回路基板を実装するスペースは不足する。
そこで、本発明の誘導加熱調理器は、複数の誘導加熱コイルのうち少なくとも一つの誘導加熱コイルが非磁性体の被加熱体を加熱可能な誘導加熱コイルとし、非磁性体の被加熱体を加熱可能な誘導加熱コイルに電力を供給するインバータとを備え、ロースター部の皿は奥行き方向の長さより幅方向の長さのほうが短く、前記加熱調理庫の幅を本体の幅の半分以上とした。
これにより、例えば、複数の誘導加熱コイルのうち少なくとも一つの誘導加熱コイルが非磁性体の被加熱体を加熱可能な誘導加熱コイルを有し、ロースター部で縦に秋刀魚を5尾焼くことができる。
また、本発明では、例えばロースター部で縦に秋刀魚を5尾焼いたときに秋刀魚を網に乗せると秋刀魚の重さが1kg以上になり、従来のように単に受皿をロースター部内に設けた凸部に載置し出し入れする構成であると、引き出された受皿が手前に下がるようになる。
そこで、複数の部材からなるレール部により皿と扉とを支えることで、被被調理物の網への搭載、取り出しが容易になる。
また、ロースター部は故障時にサービスマンが出向いていって部品交換を実施することがある。部品交換を行う際に、ロースター部の背部と調理器本体の背部との間に空間を設けておくと作業が容易になる。実際にはロースター部の背部にはロースター部の排気ユニットが設けてあるが、排気ユニットの周辺に空間を設けることで、メンテナンス性が向上する。
この空間を設けた場合、誘導加熱調理器として通常運転時に必要な空間でないため、この空間に、基板に搭載された電源回路のうち、寸法の大きいチョークコイルをロースター部の背面であって本体背壁面との間の空間の上部に配置してもよい。本発明の対象となる誘導加熱調理器は、誘電加熱コイルに非常に大きな電流を流す必要があるため、直流電源回路において昇圧や降圧のために大きなチョークコイルを必要とする。このような大きなチョークコイルを他の電源回路から離れた場所、この場合はロースター部の背面に設置して、空間の有効活用を図る。
次に具体的に本発明の一実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例における誘導加熱調理器の概略斜視図であり、図2は、この誘導加熱調理器をシステムキッチンの如く厨房家具の一つであるキャビネットに組み込んだ状態の斜視図、図3は、同ロースター部の詳細を示す断面図である。
本実施例における誘導加熱調理器は、キャビネット8の上面にあけられた組み込み穴の中に誘導加熱調理器の本体1を落とし込み、該組み込み穴の周縁部で支持し、本体1をキャビネット8の上面に吊り下げるように保持される。
本体1の上面に設置された耐熱ガラス等よりなるトッププレート2の下面の左右には誘導加熱コイル3が配置され、中央部の後方にラジエントヒータ4が配置されている。
左右の誘導加熱コイル3の少なくとも一方は、アルミ鍋等の非磁性体を加熱できるもので、その下側にはロースター部5と制御基板7が横に隣接して設置されており、ロースター部5は本体1の前面から魚等の出し入れができるようになっている。
電気電子基板である制御基板7には、電源回路からの直流電圧より誘電加熱コイル3へ高周波電流を供給するインバータ回路、周波数切換えリレー回路、他が搭載されている。寸法の大きいチョークコイルを有する電源回路は別途設けられている。
また、本体1の右側と上面には操作部6が配置され、使用者はこれらの操作部6より各加熱部を操作する。なお、ロースター部5と操作部6はその配置を左と右で逆にしてもよい。
使用者は、上面の前方及び前面の右前方に設けられた操作部6により誘導加熱コイル3、ラジエントヒータ4を操作する。
以下、ロースター部5の詳細について図4から図10を用いて説明する。
ロースター部5の構成は次のようになっている。
調理庫11の内部には、焼き網13の上方から魚等の被被調理物の表側を加熱調理する上ヒータ9と、下方から裏側を加熱調理する下ヒータ10を内蔵し、焼き網13は調理庫11内に本体1の前面から出し入れ自在に収納された受け皿12に載置されている。
焼き網13は、図10に示すように、少なくとも5匹の秋刀魚24を縦に並べて載せることができるようにその横幅寸法を設け、それに合わせて受け皿12及び調理庫11もその横幅寸法を広くしており、焼き網13を載置した受け皿12が調理庫11内にスムーズに出入りできるようにしている。
具体的には、図11に示すように、従来の秋刀魚4匹を焼く調理庫の幅(240mm)に対して、少なくとも本体1の幅のほぼ半分である280mmとし、標準的な秋刀魚(成魚)一尾の長さ23cm、幅4cm、重さ約180g、が十分縦に並べられる幅にしており、さらに、標準的な秋刀魚より少し小ぶりなものでは6尾が縦に並べられるようになっている。
調理庫11の幅を決めるに当たり考慮しなくてはてはならない構造がある。すなわち、ロースター部5の調理庫11内には受け皿12が出入りするための機構の幅と、受け皿12の縁から受け皿12上に設けられる焼き網13を位置付ける構造(図4においては受け皿12に設けられた焼き網13の幅の段差)までの距離と、被調理物が確実に乗る焼き網13上の縁からの位置、等の空間が調理庫11の幅方向で考慮が必要なものである。
これらを考慮したうえで、上述の秋刀魚5尾が縦に並べられる幅として、少なくとも本体1の幅のほぼ半分が必要となる。調理庫の幅280mmについて、上述の考慮すべき点から分かるように、寸法に余裕がある構造体となっている。この構造体を検討することで、左右で20mmづつ減らして幅約240mmとすることも可能である。同様に、網の上に載せる被調理物の重さを考慮すると、受け皿12の支持機構の強度向上を考慮し、幅320mmほどにすることも考えられる。
また、後述する受け皿12やドア14の支持機構としてレール17のように、複数の部材の組合せからなる支持機構を採用した場合、板厚やベアリングの支持構造等の構造材的要素から10mm前後の幅の修正が必要となり、所望の調理庫の幅280mmに対して270mmから290mmの幅変更があり得る。
また、調理庫11の奥行きは、幅と同様に、上ヒータ9、下ヒータ10との位置関係、ドア14と各ヒータとの関係等を考慮して、上述の秋刀魚だと十分置ける寸法を有していて、図11において示すように、360mmである。
そして、ロースター部5の横に隣接した上記制御基板7は、技術の進歩、改良によってコンパクト化され、誘導加熱コイル3の少なくとも一方をアルミ鍋等の被磁性体を加熱できるもので構成した場合においても、従来の幅(235mm)から205mmまで縮小化でき、本体1の幅560mm内に十分配置可能となっている。
受け皿12の前面には、ガラス製ののぞき窓を具備したドア14が調理庫11の前面開口部を塞ぐように設けられている。
なお、この実施例では、焼き網13の上、下に上ヒータ9、下ヒータ10を設けているが、上ヒータ9のみであってもよい。また、このヒータは、シーズヒータ等電気を熱源とするものの他に、ガスを熱源とするものであってもよい。
ドア14は、着脱可能なように連結アーム18に取り付けられており、ドア14を引き出すという1つの動作で受け皿12と焼き網13も調理庫11から引き出せるようになっている。
調理庫11の内面および受け皿12は一般的にホーロー処理されており、調理時の耐熱性や魚の塩分等による腐食から構成部材の生地を保護して耐久性を向上させ、かつガラスでコーティングされることで汚れが付きにくくし、かつ汚れが付いた場合においても少ない力でこれを取り除くことができるようにしている。また、ステンレス等の耐熱性と耐食性のある生地そのままのものもある。
加熱調理された被調理物から出てくる水や脂は、受け皿12に溜められるように構成されていて調理庫11の底面には漏れないようになっている。
また、調理中に発生する煙や水蒸気は、調理庫11の上部後方から本体1外へ通じる排気筒16を通って調理庫11外へ排気される。
図4はドア14を外したときのロースター部5を前方から見た図である。
調理庫11は、底面を除く周囲を遮熱ケース15によって覆われている。
また、調理庫11の外側の下部両側にはボールベアリングで滑動するレール17が設けられ、レール17の固定側17aは、調理庫11を本体1の底面部に保持する保持板21に固定されている。このレール17は、従来のように調理庫11の庫内両側に設け、受け皿12を直接支持して滑動させる構成が最も簡略な構成であるが、レール17自体が高温にさらされて徐々に潤滑油が揮発したり、被調理物のカスが滑動面に固着したりして、滑り性が劣化していく。また、魚に含まれる塩分や硫黄分がレール17に堆積して腐食を引き起こす可能性も考えられる。また、調理庫11へのレール17の取り付けはビスですることになり、ビス穴のわずかな隙間から調理庫11内の水や油が漏れ出す恐れもある。
そこで本発明は、レール17を調理庫11の外側下部に設けることにより、高温や汚れによる不具合を避けることができるものである。
次に、図5は調理庫11から受け皿12を引き出した状態図、図6はドアと連結アームの組み立て図であり、図7はドアを取り外した状態図、図8はドア組み立て前の斜視図、図9はドア組み立て後の斜視図、図10は受け皿部の斜視図である。
受け皿12は、上部から下部に行くに従ってその皿内が狭まるように二段に絞り込まれ、下側段部の左右及び背面をコ字状の保持枠19によって着脱可能に保持されており、前面側の左右両端は1対のレール17b(可動側)の先端とともに連結アーム18に連結されている。
また前記保持枠19は、後方を調理庫11と接触しないように調理庫11の底面側に曲げており、この構成により、受け皿12に重い負荷が加わった場合においても、常に受け皿12を水平に保つことができる。
また、調理庫11の左右側面の下部にも前記受け皿12の段部に合わせて段部11aが形成されており、この段部11a上を受け皿12の段部が滑動するようになっており、かつ、段部11aの外側の空間内に前記レール17が位置している。
連結アーム18の上面の一側にはツメ20が設けられており、このツメ20をドア14の裏側のガラス窓枠に設けたスリット14aに挿入することによりドア14と保持枠19とレール17を連結している。
14cはスリット14aと反対側のドア14の下側に設けた押さえばね板で、ツメ20をドア14のスリット14aに挿入したのち、そのばね板14cを保持枠19に押し付け、ドア14を動かないようにロックするものである。これによって、受け皿12は、保持枠19の上に乗るように保持されている。
調理器の使用者は、ドア14の前面下部に設けた取手部14bを持って手前に水平に引き出すと、レール17の滑動によってスムーズに受け皿12が調理庫11から前方に引き出される。受け皿12をレール17の可動範囲の端まで水平のまま引き出した後は調理庫11から完全に露出し、保持枠19から上方に取り出すことができる。
そして、ドア14と受け皿12は、調理時に魚から出た脂等により汚れるため使用者が毎回洗う必要があり、そのために上記した簡単な構成で着脱できるようになっている。また、ドア14を取り外した状態でも一対のレール17に連結アーム18が保持されているため、誤ってレール17を収納してしまった場合でも連結アーム18を引き出すことで、レール17を引き出すことができる。なお、ドア14は、前記した組み立て時と反対の操作で取り外すことができる。
また、調理庫11の底面には受け皿12と接しないように小さな隙間を有する凸部22を設けている。そして、調理庫11の外側下面からこの凸部22に温度センサ23を密着させ、この温度センサ23の検知温度の動きにより、あらかじめ受け皿12に水を張って調理するロースター部の場合に、受け皿12に水が無いことを検知することができ、また受け皿12に水を入れないで調理するロースター部の場合は、受け皿12の温度が異常に上昇して受け皿12に溜まった脂が発火する危険を検知することができる。
本発明は以上の構成よりなるもので、次にそのロースター部5の動作について簡単に説明する。
使用者がドア14の取手部14bを手前に引くと、ドア14及び連結アーム18と一体のレール17、保持枠19およびこの保持枠19内に保持された受け皿12、受け皿12に載置された焼き網13が手前に引き出される。
そこで、焼網13上に図10に示すように、秋刀魚24を5匹載せ、前記と逆の操作をして保持枠19、受け皿12及び焼き網13を調理庫11内に収納し、レール17も元に戻す。
その後、操作部6を操作すると、上ヒータ9、下ヒータ10が通電を開始する。調理が開始されると、秋刀魚24から発生する脂や煙等が調理庫11の後部上部に設けられた排気筒16から外部(室内)に排出される。
調理が完了すると、再びドア14の取手部14bを手前に引いて、ドア14及び連結アーム18と一体のレール17、保持枠19およびこの保持枠19内に保持された受け皿12、受け皿12に載置された焼き網13を手前に引き出し、秋刀魚24を取り出す。
その後、前記と逆の操作をして保持枠19、受け皿12及び焼き網13を調理庫11内に収納し、レール17も元に戻す。
本発明は、以上の調理動作において、ロースター部5は少なくとも5匹の秋刀魚24を縦に並べて載せることができる焼き網13と、焼き網13を載置し調理庫11に出し入れ自在に収納される受け皿12を備えたので、ロースター部で一度に少なくとも5匹の秋刀魚を焼くことができ、5人以上の家族が一緒に食事をすることができる。また、ロースター部で少なくとも5匹以上の魚を焼く構成を採用しても、焼き網13に5匹の秋刀魚24を縦に並べて載せるようにしたので、誘導加熱コイルやロースター部の横に配置される制御基板等によって設置スペースに制限を受けることがない。
また、ロースター部5で少なくとも5匹以上の魚を焼くことで受け皿12に重さが加わっても、レール17に沿って受け皿12を出し入れするので、スムーズに受け皿12の出し入れをすることができるとともに、受け皿12に溜まっている水や脂がこぼれる不安を少なくすることができる。
また、調理庫11から受け皿12をスムーズに出し入れすることができ、受け皿12にたまっている加熱された水や脂が受け皿12を出し入れする時にこぼれたり、調理庫11内やキッチン床を汚してしまったり、使用者の手にかかって火傷を負わせる等の危険を最小限に抑えることができる。特に、事前に受け皿12に水をはって調理を行う方式のロースター部においては、受け皿12に溜まっている水の量が多くなるため、より効果がある。
また、受け皿12等、調理時に魚の脂等の汚れが付き、毎回洗う必要なものだけを外すことができ、清掃のしやすさを向上することができる。
さらに、ロースター部5の焼き網13を少なくとも5匹の秋刀魚24を縦に並べて載せることができるようにし、受け皿12及び調理庫11もそれに合わせたので、トッププレート2の下方の左右に備えた誘導加熱コイル3の少なくとも一方を非磁性体の被加熱物を加熱できるものを用いても、ロースター部5の横に配置される制御基板7等の設置スペースを確保することができ、誘導加熱調理器の商品価値を上げることができる。
1 本体、2 トッププレート、3 誘導加熱コイル、5 ロースター部、6 操作部、9 上ヒータ、10 下ヒータ、11 調理庫、12 受け皿、13 焼き網、14 ドア、15 遮熱ケース、16 排気筒、17 レール、18 連結アーム、19 保持枠、20 ツメ、21 保持板、22 凸部、23 温度センサ
Claims (5)
- 本体の上面に設けられたプレートと、
該プレートの下方の左右に設けられた誘導加熱コイルと、
該誘導加熱コイルの下方で本体の一側に設けられたロースター部と、
該ロースター部とは反対側の前面に設けられた操作部と、を備えた加熱調理器において、
前記ロースター部はヒータを内蔵した調理庫と、被調理物を載せる焼き網と、焼き網を載置し調理庫内に出し入れ自在に収納される受け皿と、ロースター部の前面開口部を塞ぐドアと、少なくとも5匹の秋刀魚を縦に並べて載せることができる焼き網と、焼き網を載置し調理庫に出し入れ自在に収納される受け皿とを備え、
前記ロースター部の幅を前記本体の幅の半分以上としたことを特徴とする加熱調理器。 - 本体の上面に設けられたプレートと、
該プレートの下方の左右に設けられた誘導加熱コイルと、
該誘導加熱コイルの下方で本体の一側に設けられたロースター部と、
ロースター部とは反対側の前面に設けられた操作部と、を備えた加熱調理器において、
前記ロースター部はヒータを内蔵した調理庫と、被調理物を載せる焼き網と、焼き網を載置し調理庫内に出し入れ自在に収納される受け皿と、ロースター部の前面開口部を塞ぐドアと、調理庫の外側左右に設けられた1対のレールと、少なくとも5匹の秋刀魚を縦に並べて載せることができる焼き網と、焼き網を載置し調理庫に出し入れ自在に収納される受け皿を備え、
前記1対のレールの先端にドアと受け皿の周囲を保持する保持枠を連結する連結アームを取り付け、前記レールを前方の可動範囲の端まで引き出したとき受け皿を上方向に着脱可能とし、
前記ロースター部の幅を前記本体の幅の半分以上としたことを特徴とする加熱調理器。 - 請求項1または2に記載の加熱調理器において、
前記プレートの下方の左右に備えた誘導加熱コイルは、少なくとも一方が非磁性体の被加熱物を加熱できることを特徴とする加熱調理器。 - 請求項1から3何れか一項に記載の誘導加熱調理器において、
前記電気電子回路基板の側方に配置された前記加熱調理庫は奥行き方向の長さより幅方向の長さのほうが短い誘導加熱調理器。 - 請求項2に記載の誘導加熱調理器において、
前記レール部の前記扉部と反対側の端部は、前記加熱調理庫の背壁よりも外側に位置する誘導加熱調理器。
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