JP2009122927A - エコドライブ評価装置、評価方法、コンピュータプログラム及び車両 - Google Patents

エコドライブ評価装置、評価方法、コンピュータプログラム及び車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両のドライバが本来的にエコドライブをすべき場合にそれを行っているか否かを的確に評価できるようにして、エコドライブに対するドライバの意識をより向上させる。
【解決手段】 本発明は、プローブデータを利用して、環境負荷の軽減に配慮した運転であるエコドライブを車両のドライバが行っているか否かを評価するエコドライブ評価装置8である。この装置8は、交差点の信号切り替えタイミングと車両3のプローブデータに基づいて当該車両3が信号待ちで停止したか否かを判定する判定手段8Aと、信号待ちでの停止と判定されたときに、その停止前後の車両3のプローブデータに基づいて当該車両3のドライバがエコドライブを行っているか否かを評価する評価手段8Bとを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、道路を走行する車両がエコドライブを行っているかどうかを、プローブデータを利用して評価する技術に関する。
ここで、エコドライブとは、燃料消費や排気ガス等の環境に対する負荷の軽減に配慮した運転のことをいう。また、プローブデータとは、実際に道路を走行するプローブ車両の車載装置から得られる車両に関する各種情報のことをいい、車両ID、車両位置、車両速度及び時刻等が含まれる。
昨今、環境対策のためにハイブリッド車の普及が進展しつつあるが、ガソリン自動車においても、燃料消費と排気ガスの低減を図るべく、車両が停止した場合にエンジンを停止させて(アイドリングストップ)、アイドリングによる排気ガスを抑制することが検討評価されている。
各自治体では、アイドリングストップの実施に関する条例を制定しており、都市バス等で、停止すれば自動的にアイドリングストップとなる装置が実用化されている。バスは、全体の走行時間に比して、乗客が乗り降りするための停止時間が非常に大きいため、十分に効果があるとされているが、最近では乗用車等の一般車に対しても、信号待ち等の停車中に、手動又は自動でのアイドリングストップを実施することを推奨している。
しかし、この方法を一般の乗用車等に適用する場合には、一般の乗用車等はバスのように停止時間が長くないため、停止させたエンジンを再始動する場合の燃料消費を考慮しなければならない。
この燃料消費とエンジン停止時間との関係は、一般的に図11のように表現される。同図において、t1は定常アイドリング期間、t2はアイドリングストップ期間、t3は再始動期間である。また、S1はアイドリングストップ期間で節約される燃料を示し、S2は再始動のための消費燃料を示している。
図11において、エンジン停止時間が短ければ、アイドリングによる燃料消費S1よりも、再始動による燃料消費S2の方が大きくなって、エンジン停止の意味がなくなる。従って、乗用車等にアイドリングストップを適用する場合には、車両の停止時間をできるだけ正確に予測する必要がある。
そして、最近、アイドリングストップ時間として5秒程度がアイドリングストップを効果的に実施するための限界時間であることが分かってきたため(非特許文献1)、単なる信号待ちにおいてもアイドリングストップを実施した方がよいことが証明されている。
そこで、車両が信号待ちで停止したときに、再び走行を開始するまでの停止時間を算出し、この停止時間が閾値以内の場合はエンジンを自動停止させることなく、エンジンを運転状態のまま保持する技術がある。
また、信号機の青開始時刻、発進波速度及び車両停止地点の交差点からの距離に基づいて当該車両の停止時間をより正確に予測し、その停止時間が閾値以上の場合にアイドリングストップの実行をドライバに報知したり、自動的に実行したりする技術も提案されている(特許文献1)。
ところで、ドライバ自身がエコドライブの意識を持つような指導を受けることで、燃費が約20%改善するという実験結果がある。
そこで、アイドリング状態での液体燃料の消費量に関して、エンジン暖機、右折、直進、左折待ちでのアイドリングを区別して表示するエコドライブシステムや、車両の運行データや燃料消費量に基づいて燃費を算出して出力する車両運行システムも検討されている。
また、車両センサにより車両の燃料消費量や運行状況を取得して車載装置から無線通信でプローブセンタに送信し、センタにおいてCO2等の排出量を算出し、その情報をもとにエコドライブを行うように診断コンテンツを求め、その診断結果を携帯電話等で提供するようにしたエコドライブ診断システムも検討されている。
「信号待ちアイドリングストップの有効停止時間に関する考察」(社) 自動車技術会学術講演会前刷集No.4-03,2003年5月21日 特開2007−56734号公報
上記特許文献1を含む各先行技術は、アイドリングストップをドライバに報知ないし自動的に実施する方法であったり、平均的に算出した燃料消費量や排ガスの排出量をドライバに把握させたりするだけであり、エコドライブに関するより具体的な評価対象を設定して、実際の車両の走行挙動に基づいてエコドライブの評価を行うものではない。
従って、これらの先行技術は、車両の具体的な走行に特化したエコドライブの改善方法を提供するものではない。
すなわち、平均的に算出した燃料消費量や排気ガスの排出量は、例えば、緊急時に安全のために止むを得ず急ブレーキを踏んだり急加速したりする場合や、渋滞によるのろのろ運転のようなアイドリングストップをすべきではない場合も、すべて評価対象として含まれたものとなっている。
このため、燃料消費量や排気ガスの排出量の平均値をエコドライブの評価対象にしても、本来、明らかにエコドライブすべき場所でエコドライブをしているのかどうかを把握することができず、この点で、エコドライブに対する意識の向上に余り寄与しないという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑み、車両のドライバが本来的にエコドライブをすべき場合にそれを行っているか否かを的確に評価できるようにして、エコドライブに対するドライバの意識をより向上させることができる評価装置、評価方法、コンピュータプログラム及び車両を提供することを目的とする。
本発明のエコドライブ評価装置(請求項1)は、プローブデータを利用して、環境負荷の軽減に配慮した運転であるエコドライブを車両のドライバが行っているか否かを評価するエコドライブ評価装置であって、交差点の信号切り替えタイミングと前記車両のプローブデータに基づいて当該車両が信号待ちで停止したか否かを判定する判定手段と、信号待ちでの停止と判定されたときに、その停止前後の前記車両のプローブデータに基づいて当該車両のドライバがエコドライブを行っているか否かを評価する評価手段とを備えていることを特徴とする。
本発明の評価装置によれば、車両が信号待ちで停止したか否かを判定手段が判定し、信号待ちでの停止と判定されたときに、評価手段が、その停止前後の車両のプローブデータに基づいて当該車両のドライバがエコドライブを行っているか否かを評価するので、車両のドライバがエコドライブをすべき場合の代表例である信号待ちでの停止に限り、エコドライブを行っているか否かを評価することができる。
このように、本発明の評価装置では、エコドライブの評価対象が本来的な場合に限定されるため、燃料消費量や排気ガスの排気量の平均値を評価対象とする場合に比べてエコドライブの評価が的確となり、エコドライブに対するドライバの意識をより向上させることができる。
本発明の評価装置において、より具体的には、前記評価手段は、次の(1)〜(3)のうちの少なくとも1つをエコドライブの評価指標とすることができる(請求項2)。
(1) 信号が青になってからの発進時の加速度
(2) 信号待ち停止をするときの減速度
(3) 信号待ち停止中におけるエンジン停止の有無
そして、評価指標が前記(1)又は(2)である場合には、前記評価手段において、その加速度又は減速度が所定の閾値以下となる回数、距離及び時間のうち少なくとも1つに基づいてエコドライブであるか否かを評価するようにすればよい(請求項3)。
また、評価指標が前記(3)である場合には、前記評価手段において、そのエンジン停止の時間が所定の閾値以上であるときにエコドライブであると評価するようにすればよい(請求項4)。
ところで、交通量が多くて渋滞中の道路の交差点での待ち行列が長くなっている場合には、車両の走行方法が前方の車両に影響されてしまうので、このような場合に、車両の加速度、減速度又はエンジン停止の有無といった評価指標でエコドライブの評価を行うことはドライバに酷である。
そこで、前記評価手段は、渋滞でない時に取得した前記車両のプローブデータから得られた評価指標を用いてエコドライブの評価を行うようにすることが好ましい(請求項5)。
また、車両が交差点を右折又は左折する場合には、道路を横断する歩行者等を優先するためにやむを得ず停止時間が長くなる可能性があるので、このような場合に、車両のエンジン停止の有無でエコドライブの評価を行うことはドライバに酷である。
そこで、前記評価手段は、交差点を直進する前記車両のプローブデータから得られた評価指標を用いてエコドライブの評価を行うようにすることが好ましい(請求項6)。
一方、後述の実施形態でも述べるが、ある交差点での青信号開始時刻(tg)、発進波速度(v)、交差点手間での車両の停止時刻(t)と停止位置(停止線までの距離(L))が分かれば、当該車両の停止時間(T)を推定できる(後述の式(1)参照)。
そこで、前記判定手段が行う車両が信号待ち停止か否かの判定方法としては、例えば、前記交差点手前での停止前後の前記車両のプローブデータから得られた実際の停止時間と、前記交差点手前での当該車両の停止時刻とその停止位置、前記交差点の青信号開始時刻及び発進波速度とから推定される停止時間との差が所定範囲内か否かによって行うことができる(請求項7)。
この場合、駐車による停止と信号待ちによる停止を区別することができ、エコドライブの評価対象を本来的な場合に限定することができる。
なお、上記判定方法において、実際の停止時間と推定した停止時間が所定範囲内であるとは、両時間が厳密に一致する場合だけでなく、両時間が実質的に同じと見なせるある程度の時間差の範囲内である場合(例えば、2秒以内の場合)も含んでいる。
また、判定手段による信号待ち停止の判定方法は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、交差点手間での車両の停止時刻が、赤信号開始時刻や青信号開始時刻から所定の時間差範囲にあるか否かで判定するようにしてもよい。
本発明の車両(請求項8)は、前記したエコドライブ評価装置を搭載した車両であり、当該評価装置と同様の作用効果を奏する。
本発明のコンピュータプログラム(請求項9)は、上記評価装置を構成する機能実現手段(判定手段と評価手段)の各機能を実行させるためものものであり、当該評価装置と同様の作用効果を奏する。
また、本発明のエコドライブ評価方法(請求項10)は、上記評価装置が行う方法であり、当該評価装置と同様の作用効果を奏する。
以上の通り、本発明によれば、車両のドライバが本来的にエコドライブをすべき場合にそれを行っているか否かを評価できるので、エコドライブに対するドライバの意識をより向上させることができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
〔用語の定義〕
本発明の実施形態を説明するに当たり、まず、本明細書で用いる用語の定義を行う。
「エコドライブ」:車両を運転するドライバが、燃料消費や排気ガス等の環境に対する負荷の軽減に配慮した運転を行うことをいう。
「プローブデータ」:実際に道路を走行するプローブ車両の車載装置から得られる車両に関する各種情報のことをいい、車両ID、車両位置、車両時刻、車両速度及びエンジン停止の有無等がこれに含まれる。このプローブデータは、所定の時間ごと、所定の走行距離ごと、所定の加減速度ごと、所定の方位変化或いはドライバの運転操作ごとに収集され、停止時及び発進時の車両位置及び時刻等のデータが含まれる。
「信号切り替えタイミング」:交差点の信号灯色を切り替えるタイミングに関する時刻情報のことをいい、青信号開始時刻、黄信号開始時刻、赤信号開始時刻等がこれに含まれる。
「信号周期」:交通信号機の青(又は赤)開始時刻から次の青(又は赤)開始時刻までの1サイクルの時間のことをいう。サイクル長ともいう。
「スプリット」:各現示に割り当てられる時間(青信号時間や赤信号時間等)のサイクル長に対する割合のことをいう。
「信号待ち行列」:信号待ちのために交差点の手前で停車している車両の行列のことをいう。
「交差点の渋滞」:1回の青信号時間で信号待ち行列が捌けない状況のことをいう。従って、逆に1回の青信号時間で信号待ち行列が捌ける場合は、当該交差点では「渋滞」が生じていない。
「停止波」:赤信号になると信号待ち行列が発生し、行列の長さが時間とともに増大する。この待ち行列長さを長くする伝達波のことを停止波という。
「発進波」:信号待ち行列の発生中に青信号に切り替わると、交差点に近い前方の車両から順に発進し始める。この信号待ち車両が発進する時の伝達波を発進波という。
「発進波パラメータ」:発進波を数学的に特定する際のパラメータのことをいう。例えば、後述のように、発進波遅れを車両停止位置の一変数多項式で近似する場合には、その各項の係数のことを意味する。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明のエコドライブ評価装置を有する、第一実施形態に係るプローブ情報システム1を示す全体構成図である。
図1に示すように、この情報システム1は、インフラ側であるプローブセンタ2と、道路を実際に走行する多数のプローブ車両3に搭載された車載装置4とを備えている。
なお、車載装置4は、プローブ車両3に搭載されているものであればその構造が何ら限定されるものではなく、プローブ車両3に備え付けの専用の車載端末装置であってもよいし、携帯電話機や携帯ナビゲーション装置等の携帯端末装置であってもよい。
そして、車載装置4において本発明のエコドライブ評価を行う場合(図9)には、その評価のためのコンピュータプログラムを車載端末装置や携帯端末装置にインストールすればよい。
プローブセンタ2は、インターネット等の広域通信網5に接続された通信インタフェースである通信装置6と、この通信装置6で受信したプローブデータD1に基づいて新たな交通情報D2を生成するセンタコンピュータ7とを備えている。
また、各プローブ車両3の車載装置4は、上記広域通信網5に無線で通信可能な通信インタフェースである携帯電話機等の通信装置16を備えている。従って、プローブセンタ2は、広域通信網5の通信範囲に存在するプローブ車両3の車載装置4との間で双方向通信が可能である。
各プローブ車両3の車載装置4は、所定の時間ごと、所定の走行距離ごと、所定の加減速度ごと、或いは、所定の方位変化ごとにプローブデータD1を計測し、自身の車両IDをそのデータD1に含めて広域通信網5に配信する。プローブセンタ2の通信装置6は、そのプローブデータD1を広域通信網5から常時受信している。
プローブセンタ2のセンタコンピュータ7は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有するプログラマブルなサーバコンピュータ等よりなり、センタ2側の通信装置6が受信した各プローブ車両3からのプローブデータD1を常時収集している。
センタコンピュータ7は、車両IDごとに収集したプローブデータD1に基づいて、例えば、渋滞状況、リンク旅行時間及び本発明に基づくエコドライブ評価情報等よりなる交通情報D2を推定するものであり、これらの各推定値の演算を実行するためのコンピュータプログラムを記憶装置に格納している。
そして、本実施形態では、プローブセンタ2側においてエコドライブ評価を行うようになっているので、センタコンピュータ7は、上記プログラムが実行する機能実現手段として、プローブ車両3のドライバがエコドライブを行っているか否かを評価するエコドライブ評価装置8を備えている。
上記エコドライブ評価装置8は、交差点の信号切り替えタイミングとプローブ車両3のプローブデータに基づいてプローブ車両3が信号待ちで停止したか否かを判定する判定部(判定手段)8Aと、信号待ちでの停止と判定されたときに、その停止前後のプローブ車両3のプローブデータに基づいて当該車両3のドライバがエコドライブを行っているか否かを評価する評価部(評価手段)8Bとを備えている。
なお、これら判定部8A及び評価部8Bよりなる評価装置8が行うエコドライブの評価手順については、後述する。
また、センタコンピュータ7は、上記エコドライブ評価装置8を構成するコンピュータプログラムによる演算に基づいて生成した交通情報D2を、通信装置6を通じて広域通信網5に配信し、プローブ車両3の通信装置16は、自身の車両IDに対応する交通情報D2を、広域通信網5を介して受信する。
更に、センタコンピュータ7は、プローブ車両3からのプローブデータ以外に、各交差点における信号切り替えタイミング、停止線の位置情報及び発進波速度を、記憶装置に予め記憶しているか、或いは、通信装置6を通じて交通管制センタから取得する。
〔車載装置及びプローブ車両の構成〕
図1に示すように、プローブ車両(以下、単に車両ともいう。)3は、ドライバの搭乗席(図示せず)を有する車体10と、この車体10に搭載された前記車載装置4と、車両3の各部を統合制御する電子制御装置(ECU)11と、車体10を駆動するエンジン12とを備えている。また、プローブ車両3は、車体10を制動するブレーキ装置13と、車両3の現時速度を常時検出する速度検出器14とを備えている。
ECU11は、ドライバのアクセル操作に基づくエンジン12の駆動制御や、ブレーキ操作に基づく制動制御等、車両3に対する各種の制御を行う。
また、車載装置4は、車載コンピュータ15と、このコンピュータ15の通信インタフェースに接続された前記通信装置16と、そのコンピュータ15のセンサ用インタフェースに接続されたGPSやDGPS等よりなる位置検出部17と、時刻修正機能を有する電波時計等よりなる時計装置18と、搭乗席のうちのドライバに対するヒューマンインタフェースとしてのディスプレイ19及びスピーカ装置20とを備えている。
なお、車両3の位置検出方式としては、自立航法、地図データ、GPS等を組み合わせる方式が一般的であるが、特に、交差点の手前で路側通信装置6と交信すれば、位置の補正が可能となり、交差点までは比較的精度のよい位置検出が可能となる。
上記車載コンピュータ15は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有するプログラマブルなマイコンよりなり、通信装置16によるプローブセンタ2側との双方向通信の制御処理を行う。
また、車載コンピュータ15は、所定の各機能を実行するプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムが実行する機能部として、危険走行領域での停止を促す安全運転支援部21と、信号待ちの際にアイドリングストップを促すエコドライブ支援部22とを備えている。
例えば、交通情報D2に信号切り替えパラメータが含まれている場合、車載装置4の通信装置16がそのパラメータを取得することができる。
この場合、安全運転支援部21は、これから進入しようとする下流側の交差点の危険走行領域(例えば、ジレンマゾーン)に突入するか否かを判定し、突入すると判定した場合には、その突入を回避するための情報提供や、黄信号開始時刻の情報提供をドライバに対して行う。
かかる情報提供は、危険走行領域に突入する旨の注意喚起表示をディスプレイ19に表示させたり、或いは、その旨の音声出力をスピーカ装置20から発声させたりして、ドライバに報知することによって行うことができる。なお、ディスプレイ19とスピーカ装置20の双方で、危険走行領域への突入をドライバに報知することにしてもよい。
ドライバへの情報提供の仕方としては、黄信号開始時刻を提供することが考えられる。例えば、現時刻から10秒後に黄信号に変化する場合には、「あと10秒で、次の交差点の信号が黄信号になるので注意してください。」という情報を音声で伝達する。
また、このとき予測誤差の大きさを考慮した表現でも良い。例えば、予測誤差が3秒ある場合には、「あと10秒で」を、「あと10秒ほどで」、「あと10秒±3秒で」、「あと7〜13秒ほどで」などと曖昧に表現することにしてもよい。
もっとも、安全運転支援部21による支援制御は、上記のような情報提供だけでなく、信号が赤に変わる時点で車両3が交差点内に進入していないように、ECU16にブレーキ装置18を作動させて車両3を強制的に減速させるものであってもよい。
また、交通情報D2に更に発進波速度が含まれている場合には、後述する通り、次の青信号開始時刻と発進波速度から、信号待ち行列での停止時間が予測できる。
この場合、エコドライブ支援部22は、上記停止時間が所定の閾値よりも大きい十分な停止時間か否かを判定し、その停止時間が十分である場合にアイドリングストップ支援を実施する。
上記アイドリングストップ支援は、例えばドライバに対する情報提供によって行うことができる。かかる情報提供は、アイドリングストップ(エンジン停止)を行うべき旨の注意喚起表示をディスプレイ19に表示させたり、或いは、その旨の音声出力をスピーカ装置20から発声させたりして、ドライバに報知することによって行うことができる。
なお、ディスプレイ19とスピーカ装置20の双方で、アイドリングストップをドライバに推奨してもよい。
ドライバへの情報提供の仕方としては、赤信号で信号待ちする際にアイドリングストップの効果が5秒以上の停止の時に効果がある場合には、そのように推定されたときに、アイドリングストップを推奨すればよい。また、予測誤差が3秒ある時には、停止時間が8(=5+3)秒以上予測されるときに、アイドリングストップを推奨すればよい。
もっとも、エコドライブ支援部22による支援制御は、上記のような情報提供だけでなく、ECU11によって車両3のエンジン12を強制停止させるものであってもよい。
ディスプレイ19は、ナビゲーション装置やテレビジョン装置の画像表示部を構成する車載ディスプレイや、車体10のフロントガラス面に図形を架空表示するヘッドアップディスプレイ等よりなる。また、スピーカ装置20は、搭乗席の車体10のフロントパネルやドア等に設けられたスピーカよりなる。
これらのディスプレイ19及びスピーカ装置20は、安全運転支援やエコドライブ支援の内容をドライバに報知する出力部として機能する。
〔エコドライブ評価装置の処理内容〕
図2は、前記エコドライブ評価装置8が行う処理内容を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、センタコンピュータ2の評価装置8は、自身の通信ネットワークに属する各プローブ車両3からの通信の有無を常時監視しており(ステップS1)、各プローブ車両3が蓄積しているプローブデータ(走行記録情報)、各交差点での信号切り替えタイミング、停止線の位置情報及び発進波速度を取得する(ステップS2)。
この場合、プローブ車両3からの情報取得は、少なくともプローブデータ(走行記録情報)を含んでいればよいが、各交差点での信号切り替えタイミング、停止線の位置情報及び発進波速度についても、プローブ車両3から情報取得することにしてもよい。
もっとも、各交差点での信号切り替えタイミング、停止線の位置情報及び発進波速度については、他のプローブセンタ2や交通管制センタとの通信によって取得してもよいし、センタ2自身の記憶装置に格納された蓄積情報から取得することにしてもよい。
次に、評価装置8は、プローブ車両3がこれから進入しようとする交差点の手前において、信号待ちで停止したか否かを判定するとともに(ステップS3,S4)、当該車両3がその交差点を通過済みか否か判定する(ステップS5)。
評価装置8は、上記判定の双方が肯定の場合に、エコドライブ評価のための基礎データ(加速度やエンジン停止の有無等)を収集し(ステップS6)、必要十分な量の基礎データが収集された場合に(ステップS7)、エコドライブの評価を行う(ステップS8)。
ステップS7における必要十分な量のデータは、例えば、統計処理として最低限必要と考えられる20〜40個程度あればよい。なお、何回も評価し、走行が改善されたかどうかを確認するためには、この数値を少なくする方が良いが、最近のデータを重視するように取得時間を考慮してデータに重みを付けたり、何らかの形で指数平滑したりして評価結果を算出することも可能である。
また、評価装置8は、その評価結果を、センタコンピュータ7の記憶装置に格納されたデータベースに記録するともに、データベースに記録されている他の評価結果と対比参照する(ステップS9)。そして、評価装置8は、エコドライブの評価結果とランキングなどの情報を、交通情報D2として通信装置6を介して、プローブ車両3の車載装置4に送信する。
なお、図2に示す処理内容のうち、信号待ち停止の判定方法(ステップS4)と、エコドライブの評価方法(ステップS8)の詳細については、後述する。
〔車載コンピュータの処理内容〕
図3は、上記エコドライブ評価のサービスを受ける車両3の車載コンピュータ15が行う処理内容を示すフローチャートである。
図3に示すように、車載コンピュータ15は、プローブ車両3のプローブデータを常時蓄積しており(ステップS1)、そのデータが一定量に達するか或いはプローブセンタ2との通信領域に進入した場合に(ステップS2)、当該センタ2に、蓄積したプローブデータを送信する(ステップS3)。
その後、車載コンピュータ15は、プローブセンタ2から所定のエコドライブの評価結果を受信したか否かを判定し(ステップS4)、受信した場合には、その評価結果を記憶装置に記録するとともに、その評価結果をディスプレイ19やスピーカ装置20によってドライバに報知する(ステップS5)。
また、車載コンピュータ15は、エンジン停止時などによる車載装置4の終了処理の有無を判定し、その終了処理が行われるまで、当該フローチャートの処理を続行する(ステップS6)。
なお、ステップS6(車載終了処理)でエンジン停止時の場合は、エンジン停止の情報を時刻と共に記憶装置に記録してから終了処理を終了する。
〔信号待ち停止の判定方法〕
次に、図4〜図6を参照しつつ、評価装置8の判定部8Aが行う、信号待ち停止の判方法について説明する。
〔1.車両の走行挙動と発進波〕
図4は、交差点手前の信号待ち行列と車両の走行軌跡を示すグラフであり、横軸は時刻(秒)、縦軸は交差点の停止線からの距離(m)を表している。
図4において、ハッチングで示したほぼ三角形状の領域は信号待ち行列を表している。この領域の上辺は当該待ち行列に進入した車両の停止位置を表し、車両3はまず赤信号( 黄信号を含んでもよい。以下同じ。)の待ち行列の末尾に加わって停止する。
他方、三角形状の領域の下辺は、青信号になって交差点から発進する車両3の発進位置を表す。青信号になると、車両3は待ち行列の先頭から発進する。
そして、図4に示すように、上記停止位置及び発進位置は、それぞれ時間とともに上流側へ延びて行くものであり、それぞれ伝搬速度を持っている。これらの伝搬速度が前記した停止波及び発進波である。
なお、停止波と発進波の交わる時点は、待ち行列中に停止車両がなくなり、車両3が停止することなく、走行を開始した待ち行列の末尾車両に追従していくような境界時点を表す。この時点以降に交差点に進入する車両は、待ち行列を形成していた車両の走行車列に加わっていくことになる。
図4に示すように、交差点での赤信号による車両3の走行軌跡は、車両3が待ち行列に順次到達する際の停止波(これは到着交通量に依存する。)と、その後、青信号になって待ち行列内の車両3が動き出す発進波の伝搬速度(発進波速度)により関係付けられる。
すなわち、交差点での渋滞の程度、交通量の多さ、信号切り換えタイミングとの関係で、自由走行していた車両3は、信号待ち行列に加わって停止したり、信号待ち行列に加わらずにそのまま交差点を通過できたりする。図4において、車両3が赤信号の待ち行列に入って停止し、青信号になって発進波とともに動き出す場合の走行挙動が符号「a」で示され、待ち行列に出会わないでそのまま信号を通過できた車両の走行挙動が符号「b」で示されている。
〔2.停止時間の推定〕
図5は、図4に示す信号待ち行列の拡大図である。
図5に示すように、車両3の停止時刻tにおいて、車両3が信号待ちのために停止線から距離Lの位置に停止したとする。
この場合、当該車両3は、少なくとも赤信号の間はその位置に停止しているが、青信号になっても即座に発進できるものではなく、行列の前方の車両がすべて発進するまで停止し続けることになる。
その停止時間をTとすると、当該停止時間Tは、図5に示すように、現在時刻tから青信号開始時刻tgまでの時間差Δtと、当該車両3から交差点の停止線までの距離Lと、青信号開始後の発進波速度vとから、次の式(1)で得られることが分かる。
T=Δt+L/v ……(1)
上記式(1)の右辺第2項は、交差点の停止線までの距離Lを、発進波速度vで除したものであり、発進波による遅れ時間を表す。
なお、tgは厳密な青開始時刻でなくても、待ち行列先頭車両の発進時刻、すなわち、先頭車両の青信号開始時刻からの発進遅れ時間を含んでいてもよい。
一方、実際には、交差点の停止線までの距離Lが長いために、青信号であるのに信号待ちになる場合がある。
図6は、このような場合を表す信号待ち行列の拡大図である。このグラフでは、停止時刻tは、青信号開始時刻tgよりも時間的に後になっている。従って、tg<tの関係があり、現在時刻tから青信号開始時刻tg までの時間差Δtは負である。
この場合でも、前記式(1)式が成立し、当該車両の停止時間Tは当該(1)式で表される。なお、現在時刻tから青信号開始時刻tgまでの時間差Δtの絶対値は、青信号が開始してからの経過時間に等しくなる。
〔3.信号待ち停止か否かの判定〕
一方、プローブ車両3は当該車両3のプローブデータ(走行記録情報)を常時蓄積しており、このデータはプローブセンタ2の評価装置8にも送信されている。
従って、評価装置8の判定部8Aは、交差点手前での停止前後の車両3のプローブデータから、実際の停止時間Trを求め、この実際の停止時間Trと上記のように推定した停止時間Tとを比較し、これらの時間の差が所定範囲内である場合に、当該車両3が赤信号で信号待ち行列の末尾に加わって停止したと判定する。
なお、上記信号待ち停止の判定方法において、実際の停止時間Trと推定した停止時間Tとの同一性は、厳密に一致する場合だけでなく、両時間が実質的に同じと見なせるある程度の時間差の範囲内である場合(例えば、2秒以内の場合)も含んでいる。
また、特別なケースとして、交通量が閑散である場合には、プローブ車両3が交差点手前で先頭に停止することがあるが、この場合には前記式(1)におけるLがほぼゼロになる。
もっとも、判定部8Aによる信号待ち停止の判定方法は、推定した停止時間Tを用いるものに限定されるものではなく、例えば、交差点手間でのプローブ車両3の停止時刻が、赤信号開始時刻trや青信号開始時刻tgから所定の時間差範囲にあるか否かで判定するようにしてもよい。
また、車両3の測位精度が高ければ、車両3の車線方向の位置情報を使って判定することにしてもよい。
〔エコドライブの評価方法〕
〔1.減速度又は加速度による評価〕
プローブデータには、プローブ車両3の車両位置、車両時刻、車両速度及びエンジン停止の有無等が含まれているので、このデータに基づいて当該車両3の減速度と加速度を算出することができる。
一方、車両3が交差点の信号待ちで停止する場合、信号切り替えタイミングとの関係や交通状況により、車両3の停止の仕方が変わってくる。
例えば、始めから赤信号で停止することが分かっている場合には、緩やかに減速するであろうし、閑散時に交差点の手前で黄信号になった場合には、やや強めに減速することになる。また、車両3が発進する場合にも、先頭で停止していた場合には、やや加速が強いかもしれないが、前が詰まっている場合には加速が緩い可能性が高くなる。そこで、本実施形態では、減速度と加速度の統計的な特性によってエコドライブを評価する。
すなわち、例えば減速度としては、瞬間値ではなく、交差点の停止地点から遡って、減速を開始した地点から停止地点までの平均的な減速度を評価指標とする。或いは、停止地点から所定の時間(例えば3秒、速度により可変にしても良い。)手前の時点や、所定の距離(例えば15m、速度により可変にしても良い。)手前の地点から停止地点までの平均的な減速度を用いることができる。
また、同様に、加速度を評価指標とする場合も、停止地点から一定の速度となった地点までの加速度、或いは、停止地点から所定の時間や距離走行後までの平均的な加速度を用いることができる。
そして、本実施形態の評価部8Aは、車両3のプローブデータに含まれる減速度や加速度の統計的特性パラメータ(平均値、標準偏差又は確率等)を用いて、例えば、以下のような判定基準に基づいて、エコドライブか否かを判定する。
(判定基準1)
減速度又は加速度が所定の閾値(例えば0.3g)より小さい確率が、所定の閾値(例えば0.9)以上の場合は、エコドライブとする。この場合の確率は、車両が0.3g未満の減速度又は加速度で交差点に突入した回数を、その車両が交差点に突入した全回数で除することによって算出することができる。
また、減速度又は加速度が所定の閾値以下となる回数に基づく他の評価方法として、一定の走行期間(例えば1ヶ月など)あるいは一定の走行距離(例えば100kmなど)ごとの、減速度又は加速度の閾値を超えた回数の比率に基づいてエコドライブか否かを評価することもできる。
(判定基準2)
減速度又は加速度の平均値、標準偏差、又は平均値+a×標準偏差(例えばa=2)が、それぞれ所定の閾値(例えば0.15g,0.1g,0.2g)以内の場合は、エコドライブとする。
なお、上記判定基準において、統計的パラメータや閾値等を用いて、エコドライブの度合いを点数で採点しても良い。
この場合、減速度又は加速度が所定の回数以下となる距離に基づいてエコドライブか否かを評価することができる。
例えば、車両3が加減速を行っていたときの走行距離あるいは評価を開始した位置から停止線までの距離の累積値に対する、又は、一定の走行期間(例えば1ヶ月など)あるいは一定の走行距離(例えば100kmなど)ごとの、閾値を超えていた期間に走行した距離の累積値の比率に基づいてエコドライブか否かを評価することができる。
更に、減速度又は加速度が所定の回数以下となる時間に基づいてエコドライブか否かを評価することもできる。
例えば、車両3が加減速を行っていた時間あるいは評価を開始してから停止線を越えるまでの所要時間の累積値に対する、又は、一定の走行期間(例えば1ヶ月など)あるいは一定の走行距離(例えば100kmなど)ごとの、閾値を超えていた累積時間の比率に基づいてエコドライブか否かを評価することができる。
なお、上記に列挙した加速度又は減速度が所定の閾値以下となる「回数」、「距離」或いは「時間」に基づく各評価手法は、それらのうちのいずれか1つを採用しても良いし、それらを適宜組み合わせて採用しても良い。
〔2.エンジン停止の評価〕
前記した通り、ドライバ自身がエコドライブの意識を持つような指導を受けることで、燃費が約20%改善するという実験結果があり、また、アイドリングストップ時間としては、5秒程度がアイドリングストップを効果的に実施するための限界時間であることが分かっている。
そこで、本実施形態の評価部8Bは、信号待ちの停止時間Tが、所定の閾値(例えば10秒)以上ある場合に、エンジン停止を所定の閾値(例えば5秒)以上行っている確率に基づいて、エコドライブか否かを判定する。
以上の通り、本実施形態のプローブ情報システム1によれば、プローブセンタ2の評価装置8が、車両3が信号待ちで停止したか否かを判定し、信号待ちでの停止と判定された場合に、その停止前後の車両3のプローブデータに基づいて当該車両3のドライバがエコドライブを行っているか否かを評価するので、車両3のドライバがエコドライブをすべき場合の代表例である信号待ちでの停止に限り、エコドライブを行っているか否かを評価することができる。
このように、エコドライブの評価対象が本来的な場合に限定することができるため、燃料消費量や排気ガスの排気量の平均値を評価対象とする場合に比べてエコドライブの評価が的確となり、エコドライブに対するドライバの意識をより向上させることができる。
また、本実施形態によって、エコドライブの評価対象を信号待ち停止の場合に限定すれば、長時間かけて収集される膨大なプローブデータを演算対象とする必要がなく、処理データ量や処理時間を削減できるという利点もある。
更に、本実施形態では、エコドライブの評価対象を信号待ち停止の場合に限定することによって評価がより的確になっているので、その評価結果を、交通事業者の運転管理に役立てたり、関係行政から環境対策の認定や表彰等の優遇措置を得て事業者の環境意識をPRするのに役立てたり、各種車両関連保険(車両保険や傷害保険)の保険料割引といった保険会社からの優遇措置に役立てたりするのに利用することもできる。
また、本実施形態のプローブ情報システム1では、プローブデータを利用して車両3のエコドライブを評価するので、燃料消費量を計測するためのセンサが不要である。
〔第一実施形態の変形例〕
〔1.評価対象の限定〕
上記第一実施形態において、交通量が多くて渋滞中の道路の交差点での待ち行列が長くなっている場合には、車両3の走行方法が前方の車両に影響されてしまうので、このような場合に、車両の加速度、減速度又はエンジン停止の有無といった評価指標でエコドライブの評価を行うことはドライバに酷である。
このため、前記評価部8Bは、信号待ちによる停止位置が非渋滞状態時における限界待ち行列長の範囲内にある前記車両のプローブデータから得られた評価指標を用いて、エコドライブの評価を行うようにしてもよい。
ここで、限界待ち行列長とは、信号待ちが1回となる待ち行列長と信号待ちが2回となる待ち行列長の境目となる待ち行列長であり、通常は150m程度となる。この限界待ち行列長は、青時間の長さに伴って相違するので、概ね150〜230mに設定され得る。
この場合、交差点の手前から限界待ち行列長より遠い位置で停止した車両3については、単なる信号待ちではなく渋滞で停止したと判断され、エコドライブの評価対象から外されることになる。
また、車両3が交差点を右折又は左折する場合には、道路を横断する歩行者等を優先するためにやむを得ず停止時間が長くなる可能性があるので、このような場合にも、車両3のエンジン停止の有無でエコドライブの評価を行うことはドライバに酷である。
そこで、前記評価部8Bは、交差点を直進する車両3のプローブデータから得られた評価指標を用いてエコドライブの評価を行うようにしてもよい。
なお、車両3が直進であるか否かは、交差点前後での走行方位の変化が、所定の閾値(例えば10度)以下であるか否かによって判定することができる。
また、この変形例に係るエコドライブ評価の対象限定は、加速度、減速度及びエンジン停止のうちの少なくとも1つに限って行うことにしてもよい。
〔2.中域通信装置の利用〕
また、上記第一実施形態では、プローブ車両3からのプローブデータD1を、広域通信網5を介して受信するプローブセンタ2を利用しているが、例えば図7に示すように、交差点周辺の中域範囲での無線通信が可能な路側処理装置24を利用してもよい。
この中域の路側処理装置24は、例えば無線LAN等の中域無線装置よりなり、自身の中域通信領域25を走行するプローブ車両3のプローブデータD1を受信して、その車両3のエコドライブ評価を行う。
〔3.狭域通信装置の利用〕
更に、例えば図8に示すように、交差点手前の所定位置に設置した比較的狭い範囲での無線通信が可能な路側処理装置26を利用してもよい。
この狭域の路側処理装置26は、例えば、DSRC、光ビーコン及び電波ビーコン等の狭域無線でプローブ車両3と双方向通信することができ、この処理装置26の直下を走行するプローブ車両3のプローブデータD1を受信して、その車両3のエコドライブ評価を行う。
〔第二実施形態〕
図9は、本発明のエコドライブ評価装置を有する、第二実施形態に係るプローブ情報システム1を示す全体構成図である。
このプローブ情報システム1が第一実施形態(図1)のそれと異なる点は、エコドライブ評価装置8が、センタ2側ではなく車載装置4の車載コンピュータ15に設けられている点にある。
以下、第一実施形態(図1)の場合と同じ構造及び機能の部材については、説明を省略し、第一実施形態(図1)との相違点について重点的に説明する。
本実施形態(図9)では、プローブ車両3自らがエコドライブの評価を行うので、車載装置4の通信装置16が、交通情報D2として信号切り替えタイミング、停止線の位置及び発進波速度をプローブセンタ2、または路側装置(管制センタ)から受信し、これらの情報と、自身が蓄積するプローブデータを利用して、上述したエコドライブ評価を行うようになっている。
もっとも、信号切り替えタイミングについてはセンタ2側から取得する必要があるが、交差点の停止線の位置については、車両3にナビゲーション装置が搭載されている場合には、車両3で有する地図情報に登録された交差点情報と車両3の位置検出部27とから算出することもできる。
また、青信号開始後の発進波速度は、その時刻における車両、環境及び交通の特性(例えば、大型車混入率、運転者層の差異、雨の有無等の天候、朝・昼・夕方・夜の時間帯、道路特性(道路構造、カーブや坂の有無等)、渋滞による先詰まり等)によって微妙に変化し得る。
このため、上記発進波速度については、センタ2側の通信装置6からリアルタイム情報として入手した方がよいが、多少の精度を落として、平均的な定数値として車両3側で設定したものを用いてもよい。
図10は、車載コンピュータ15に搭載された評価装置8が行う処理内容を示すフローチャートである。なお、このフローチャートでは、車両3が交差点を通過するごとにエコドライブを評価するようになっている。
図10に示すように、まず、車載コンピュータ15の評価装置8は、自車両3が新たな評価対象道路に進入した場合に(ステップS1)、センタ2側の通信装置6と交信中か否かを判定し(ステップS2)、交信中である場合には、外部の通信装置16から、信号切り替えタイミング、停止線までの距離又は停止線位置、発進波速度を取得する(ステップS3)。なお、上記の通り、この場合に外部から取得すべき情報は、少なくとも信号切り替えタイミングのみで足りる。
次に、評価装置8は、自車両3が交差点を通過するか否かを判定するとともに(ステップS4)、通過してきた交差点の手前で自車両3が停止したか否かをチェックし(ステップS5)、停止があった場合には、自車両3がこれから進入しようとする交差点において信号待ちでの停止か否かを判定する(ステップS6,S7)。なお、この場合の信号待ち停止の判定方法は、第一実施形態の場合と同様である。
評価装置8は、上記判定が肯定の場合に、エコドライブ評価のための基礎データ(加速度やエンジン停止の有無等)を収集し(ステップS8)、必要十分な量の基礎データが収集された場合に(ステップS9)、エコドライブの評価を行う(ステップS10)。なお、この場合のエコドライブの評価方法も、第一実施形態の場合と同様である。
そして、評価装置8は、通信装置16を介して、エコドライブの評価結果を外部に送信する。
その後、評価装置8は、通信装置16を介して、エコドライブの評価結果をプローブデータD1に含めて、外部に送信する(ステップS11)。
このプローブデータD1に含まれるエコドライブの評価結果は、センタコンピュータ8において蓄積・集計され、交通事業者の運転管理に役立てることができる。また、この評価結果は、関係行政から環境対策の認定や表彰等の優遇措置を得て事業者の環境意識をPRするのに役立てたり、各種車両関連保険(車両保険や傷害保険)の保険料割引といった保険会社からの優遇措置に役立てたりする場合にも利用することができる。
なお、上記第二実施形態では、交差点を通過する前にエコドライブの評価を行う場合を例示したが、これに代えて、ある程度プローブ情報が蓄積されたタイミング(例えば、メモリがいっぱいになった時)に纏めてエコドライブの評価を行うようにしてもよい。
上記実施形態はすべて例示であり本発明の範囲を制限するものではない。本発明の範囲は、上記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での変更が含まれる。
なお、本発明は、車両の信号待ちでの停止だけではなく、踏み切りでの停止の場合にも採用することができる。
具体的には、踏み切りの警告音が鳴っていない時間帯を交通信号機の青信号時間と置き換え、踏み切りの警告音が鳴り始めてから遮断機が下りるまでの間を黄信号時間と置き換え、更に、遮断機が下りてから警告音が鳴り終わるまでの時間帯を赤信号時間とで置き換えることにより、本発明を、踏み切り停止におけるエコドライブ評価に応用することができる。
第一実施形態に係るプローブ情報システムを示す全体構成図である。 センタコンピュータのエコドライブ評価装置が行う処理内容を示すフローチャートである。 車載コンピュータが行う処理内容を示すフローチャートである。 交差点手前の信号待ち行列と車両の走行軌跡を示すグラフである。 交差点手前の信号待ち行列と車両の停止時間との関係を拡大して示すグラフである。 交差点手前の信号待ち行列と車両の停止時間との関係を拡大して示すグラフである。 中域範囲での無線通信を行う路側処理装置を示す平面図である。 狭域範囲での無線通信を行う路側処理装置を示す平面図である。 第二実施形態に係るプローブ情報システムを示す全体構成図である。 車載コンピュータが行う処理内容を示すフローチャートである。 燃料消費量と時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 プローブ情報システム
2 プローブセンタ
3 プローブ車両
4 車載装置
5 広域通信網
6 通信装置(センタ側)
7 センタコンピュータ
8 エコドライブ評価装置
8A 判定部(判定手段)
8B 評価部(評価手段)
15 車載コンピュータ
16 通信装置(車載側)
D1 プローブデータ
D2 交通情報

Claims (10)

  1. プローブデータを利用して、環境負荷の軽減に配慮した運転であるエコドライブを車両のドライバが行っているか否かを評価するエコドライブ評価装置であって、
    交差点の信号切り替えタイミングと前記車両のプローブデータに基づいて当該車両が信号待ちで停止したか否かを判定する判定手段と、
    信号待ちでの停止と判定されたときに、その停止前後の前記車両のプローブデータに基づいて当該車両のドライバがエコドライブを行っているか否かを評価する評価手段とを備えていることを特徴とするエコドライブ評価装置。
  2. 前記評価手段は、次の(1)〜(3)のうちの少なくとも1つをエコドライブの評価指標とする請求項1に記載のエコドライブ評価装置。
    (1) 信号が青になってからの発進時の加速度
    (2) 信号待ち停止をするときの減速度
    (3) 信号待ち停止中におけるエンジン停止の有無
  3. 前記評価手段は、評価指標が前記(1)又は(2)である場合に、その加速度又は減速度が所定の閾値以下となる回数、距離及び時間のうち少なくとも1つに基づいてエコドライブであるか否かを評価する請求項2に記載のエコドライブ評価装置。
  4. 前記評価手段は、評価指標が前記(3)である場合に、そのエンジン停止の時間が所定の閾値以上であるときにエコドライブであると評価する請求項2に記載のエコドライブ評価装置。
  5. 前記評価手段は、渋滞でない時に取得した前記車両のプローブデータから得られた評価指標を用いてエコドライブの評価を行う請求項1〜4いずれか1項に記載のエコドライブ評価装置。
  6. 前記評価手段は、前記交差点を直進する前記車両のプローブデータから得られた評価指標を用いてエコドライブの評価を行う請求項1〜5のいずれか1項に記載のエコドライブ評価装置。
  7. 前記判定手段は、前記交差点手前での停止前後の前記車両のプローブデータから得られた実際の停止時間と、前記交差点手前での当該車両の停止時刻とその停止位置、前記交差点の青信号開始時刻及び発進波速度とから推定される停止時間との差が所定範囲内となる場合に、前記車両が信号待ち停止であると判定する請求項1〜6のいずれか1項に記載のエコドライブ評価装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のエコドライブ評価装置を備えている車両。
  9. 環境負荷の軽減に配慮した運転であるエコドライブを車両のドライバが行っているか否かをプローブデータに基づいて評価する評価処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    交差点の信号切り替えタイミングと前記車両のプローブデータに基づいて当該車両が信号待ちで停止したか否かを判定するステップと、
    信号待ちでの停止と判定されたときに、その停止前後の前記車両のプローブデータに基づいて当該車両のエコドライブを行っているか否かを評価するステップとを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. プローブデータを利用して、環境負荷の軽減に配慮した運転であるエコドライブを車両のドライバが行っているか否かを評価する方法であって、
    交差点の信号切り替えタイミングと前記車両のプローブデータに基づいて当該車両が信号待ちで停止したか否かを判定し、信号待ちでの停止と判定されたときに、その停止前後の前記車両のプローブデータに基づいて当該車両のエコドライブを行っているか否かを評価することを特徴とするエコドライブ評価方法。
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