JP2009122343A - 画像形成装置 - Google Patents
画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009122343A JP2009122343A JP2007295472A JP2007295472A JP2009122343A JP 2009122343 A JP2009122343 A JP 2009122343A JP 2007295472 A JP2007295472 A JP 2007295472A JP 2007295472 A JP2007295472 A JP 2007295472A JP 2009122343 A JP2009122343 A JP 2009122343A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bias
- cleaning
- density
- image forming
- patch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Control Or Security For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】クリーニングバイアスの最適値を容易に画像形成装置の生産性を下げることなく高精度に求める。
【解決手段】画像形成装置は、複数色の画像形成を行う画像形成部4と、トナー像が転写される中間転写体を備え、トナー像の濃度測定を行う濃度検知体、中間転写体上のトナーを除去するクリーニング部材71、クリーニング部材71にクリーニングバイアスを印加するとともに、そのバイアス値が変化可能なバイアス印加部74、濃度検知体の検知結果から、バイアスの最適値を求める演算部を有し、画像形成部4は、複数のパッチPで構成される濃度測定用パターン10を形成し、バイアス印加部74は、複数のパッチPのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させ、演算部は、クリーニング後のパッチPの濃度検知結果に基づき印加バイアスの最適値を求める。
【選択図】図9
【解決手段】画像形成装置は、複数色の画像形成を行う画像形成部4と、トナー像が転写される中間転写体を備え、トナー像の濃度測定を行う濃度検知体、中間転写体上のトナーを除去するクリーニング部材71、クリーニング部材71にクリーニングバイアスを印加するとともに、そのバイアス値が変化可能なバイアス印加部74、濃度検知体の検知結果から、バイアスの最適値を求める演算部を有し、画像形成部4は、複数のパッチPで構成される濃度測定用パターン10を形成し、バイアス印加部74は、複数のパッチPのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させ、演算部は、クリーニング後のパッチPの濃度検知結果に基づき印加バイアスの最適値を求める。
【選択図】図9
Description
本発明は、中間転写体のクリーニング部材にバイアスを印加してクリーニングを行う複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置に関する。
一般に、複数色のトナーを用いてカラーの画像形成を行う画像形成装置では、形成された各色のトナー像が重畳されつつ1次転写される中間転写体が備えられることがある。この中間転写体からシートに対し一括してトナー像が2次転写され、その後、トナー像をシートに定着することで、画像形成が行われる。そして、2次転写後、中間転写体にトナーが残留していれば、次のトナー像重畳時に混入し、形成画像の品質を低下させるので、残留トナー除去のため中間転写体を清掃するクリーニング部材が設けられることがある。
又、クリーニング部材にトナーの帯電極性と逆極性のバイアスを印加して、中間転写体からクリーニング部材にトナーが移動する方向に電界を形成し、トナーを除去、回収することがある(以下、このクリーニング部材に印加されるバイアスを「クリーニングバイアス」という。)。このようなクリーニング部材にバイアスを印加する画像形成装置が特許文献1に記載されている。具体的には、特許文献1には、中間転写体(中間転写ドラム)にトナー像を転写した後の表面に付着する残留トナーを除去するクリーニング装置であって、像担持体の表面を摺擦するブラシロールが設けられ、ブラシロールにはクリーニングバイアスが印加され、その電位差に基づき、該ブラシロールが像担持体に付着した残留トナーを除去しようとするクリーニング装置が記載されている。(特許文献1:請求項1、請求項2、段落0030、図1等参照)。
特開2002−365991
ここで、原理上、クリーニングバイアスが大きければ大きいほど、強い電界を形成できるから、トナーの除去の観点から見れば、クリーニングバイアスは大きいほどよいとされる場合がある。しかし、図11に示すように、クリーニングバイアスを大きくしていくと、ある点を境に、むしろ、クリーニング部材の残留トナーの回収量の減少が確認されている。これは、大きなバイアスの影響で、帯電極性が逆転してしまうトナーが現れてくるためと考えられている(逆チャージ)。従って、クリーニングバイアスは、大きければ良いものではなく、最も残留トナーを除去、回収できる印加バイアス値(以下「最適値」という。)とする必要があるという問題がある。尚、図11は、印加バイアスと残留トナー回収率の関係の一例を示すグラフである。
しかも、最適値は、画像形成装置の設置環境における温度、湿度や、連続して画像形成を行った印刷枚数や、累計の印刷枚数等の様々な要因により、最適値が変化し得るという問題がある。言い換えると、中間転写体から最も残留トナーを除去できるクリーニングバイアスの値が変化するという問題がある。
この点を考慮し、従来、クリーニングバイアスを変化させる場合、実験データをもとに温度等の諸要因を考慮して最適値を予測し、この予測に基づくバイアス値をデータテーブル等に記憶しておき、適宜テーブルから読み出して、その時点でのバイアス値が定められていた。しかし、温度等の要因の全てを考慮した実験データの収集は困難であり、又、予測された最適なバイアス値が、機種、設置環境等によっては、必ずしも最適とはならない場合があるという問題もある。
そこで、特許文献1記載の発明をみると、クリーニング装置にケーシング、補集室等を設けてトナーを確実に回収しようとするが(特許文献:請求項1等参照)、クリーニングバイアスが最適なものでなければ、その効果を十分に発揮し得ないという問題がある。むしろ、クリーニングバイアスが最適であれば、ケーシング、補集室等の構成を設ける必要がない場合もあり得る。尚、特許文献1には、クリーニングバイアスを最適なものとするための構成は示されていない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、容易にクリーニングバイアスの最適値を画像形成装置の生産性を下げることなく、高精度に求めることを目的とする。
請求項1に係る発明は、複数色のトナー像の形成を行う画像形成部と、前記画像形成部が形成したトナー像が転写される中間転写体を備える画像形成装置において、前記中間転写体に転写された各色のトナー像の濃度を測定する濃度検知体と、前記中間転写体上のトナーを除去し、バイアスが印加されるクリーニング部材と、前記クリーニング部材にクリーニングバイアスを印加するとともに、そのバイアス値が変化可能なバイアス印加部と、前記濃度検知体の検知結果から、最もトナーを除去できるバイアスの最適値を演算により求めるための演算部と、を有し、前記画像形成部は、各色のトナー像の濃度測定を行うため、複数のパッチから構成される濃度測定用パターンを形成可能であり、前記バイアス印加部は、複数の前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させてクリーニングを行い、前記濃度検知体は、クリーニング後の前記パッチの濃度を検知し、前記演算部は、前記濃度検知体によるクリーニング後の前記パッチの検知結果に基づき印加バイアスの前記最適値を演算により求めることとした。
この構成によれば、クリーニングバイアスを変化させて濃度測定用パターンの複数のパッチに対しクリーニングを行い、クリーニング後のパッチの濃度検知結果を元に、印加するバイアスの最適値が求められるから、温度、湿度や印刷枚数、中間転写体の劣化状態等の画像形成装置の環境、状態を問わず、最適値を容易に求めることができる。又、トナー像の濃度較正のために形成される濃度測定用パターンを利用するから、バイアスの最適値を定めるためのパターンを別途形成する必要がなく、バイアス値の較正とトナー像の濃度較正を同時に行うことができる。従って、特別なバイアス値の較正動作は不要であり、生産性は低下しない。又、従来、実験等でデータを収拾し、そのデータから事前に最適なバイアス値の予測に基づきバイアス値を決定することがあったが、本発明によれば、そのような事前のデータ収拾を不要とすることができ、開発を容易に進めることができる。
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記バイアス印加部は、複数の前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを一定の大きさで段階的に変化させることとした。
この構成によれば、バイアス印加部によるクリーニングバイアスを段階的に変化させるので、連続的に変化させる場合よりも、変化させたクリーニングバイアス値と、検知されたクリーニング後のパッチの濃度を容易に対応させることができる。従って、最適値の演算が容易になる。
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記濃度測定用パターンのうち、複数の前記パッチは、共通の濃度で形成され、前記バイアス印加部は、濃度が共通する複数の前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させることとした。
この構成によれば、濃度測定用パターン中の濃度が共通するパッチのクリーニング時のバイアスが変えられるので、濃度が同じという共通の基準のもと、複数のバイアス値によるクリーニング後のパッチの濃度を得ることができる。従って、正確な最適値を求めることができる。
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3記載の発明において、前記濃度測定用パターンは、各色、複数の前記パッチで構成され、色ごとに1つのグループを構成し、前記グループにおける各前記パッチの濃度は、各色で共通し、前記バイアス印加部は、濃度が共通する複数の前記パッチごとに、クリーニングバイアスを変化させることとした。
この構成によれば、濃度測定用パターンは、各色で一群の複数のパッチを組み合わせて形成される場合があり、そのような濃度測定用パターンに対応し、各グループでの濃度が共通するパッチごとにクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させるから、濃度が同じという共通の基準のもと、複数のバイアス値のクリーニング後のパッチの濃度を得ることができる。従って、正確な最適値を求めることができる。
又、請求項5に係る発明は、請求項4記載の発明において、前記バイアス印加部は、各前記グループにおける、最も濃度が高い各前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させ、前記演算部は、クリーニングバイアスを変化させた各前記パッチのクリーニング後の濃度の検知結果に基づき前記最適値を演算することとした。
この構成によれば、各グループでの濃度が共通する各パッチ中、最も濃度が高いパッチのクリーニング時に、クリーニングバイアスを変化させるから、残留トナーが最も多くなると考えられる最高濃度のパッチのクリーニング後の濃度を比較することができる。従って、正確な最適値を求めることが可能となる。
又、請求項6に係る発明は、請求項4記載の発明において、前記バイアス印加部は、各前記グループのうち、濃度がそれぞれ共通する2つ以上の各前記パッチのクリーニング時に、グループごとにクリーニングバイアスを変化させ、前記演算部は、同色の2つ以上の前記パッチのクリーニング後の濃度の平均値に基づき前記最適値を演算することとした。
この構成によれば、各グループでの2つ以上の濃度がそれぞれ共通するパッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させる変化させるから、クリーニング後のパッチの濃度の平均を得ることができ、高精度に最適値を求めることができる。
又、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6に記載の発明において、前記バイアス印加部は、前記演算部により演算された前記最適値のバイアスを以後の画像形成において前記クリーニング部材に印加することとした。
この構成によれば、バイアス印加部は、通常の画像形成において、演算された最適値のバイアスを印加するから、前記中間転写体のクリーニングを確実に行うことができる。更に、中間転写体上の残留トナー量は最小となり、画像品質の向上を図ることができる。
又、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7記載の発明において、前記演算部は、前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスのうち、クリーニング後の濃度が最も低くなるバイアス値を前記最適値として求めることとした。
この構成によれば、演算部の最適値の演算の一例を示し、各バイアス値に対応するクリーニング後の濃度を比較するだけでよく、簡易に最適値を求めることができる。
又、請求項9に係る発明は、請求項1乃至7記載の発明において、前記演算部は、前記パッチのクリーニング時のバイアス値と、バイアス値ごとのクリーニング後の前記パッチの濃度から、傾きの正負の異なる2種の1次関数を求め、この2種の1次関数の交点におけるバイアス値を前記最適値として求めることとした。
この構成によれば、演算部の最適値の演算の一例を示すものであり、正確な最適値を求めることができる。
又、請求項10に係る発明は、請求項1乃至9記載の発明において、前記画像形成部による濃度測定用パターンの形成は、装置の主電源投入時、スリープモードからの復帰時、又は、所定枚数以上の画像形成を連続して行った場合に行われる濃度のキャリブレーション時に行われることとした。
この構成は、トナー像の各濃度の較正動作が行われるタイミングを具体的に示すものであり、このトナー像の各濃度の較正動作と同時にクリーニングバイアスの最適値を求めることで、2つの動作を同時進行させることができる。従って、生産性が高くなる。
又、請求項11に係る発明は、請求項10に記載の発明において、前記キャリブレーションが行われるごとには、前記バイアス印加部、前記濃度検知体、前記演算部は、前記最適値を求めるための動作を行わないこととした。
この構成によれば、クリーニングバイアスの最適値は、トナー像の濃度ほど環境や画像形成装置の影響を受けにくい場合があり、パッチが形成されるたびに最適値を求めず、複数回の濃度測定用パターン形成のうち1回程度に最適値を求めるようにすれば、最適値を求める動作を少なくすることができ、生産性を高めることができる。
上述したように、本発明によれば、画像形成装置の生産性を低下させることなく、クリーニングバイアスの最適値を高精度かつ簡易に求めることができる。又、高精度に求められた最適値のクリーニングバイアスを印加してクリーニングを行うから、形成される画像を高品質に保つことができる。
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜9を参照しつつ説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
まず、図1により本発明の第1の実施形態に係るフルカラーの画像を形成可能なプリンタ1(画像形成装置に相当)の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1の模型的正面断面図である。
本実施形態におけるプリンタ1は、外部のコンピュータであるユーザ端末100から送信される画像データに基づき、シートに画像を形成する。そのための構成として、図1に示すように、プリンタ1は、本体内に、シート供給部2、シート搬送路3、画像形成部4、中間転写部5、定着部6、クリーニング装置7、濃度センサS(濃度検知体に相当)等が備えられる。
前記シート供給部2は、中間転写部5に向けてシートを供給する。シート供給部2は、各サイズの用紙等のシートが収納されるカセット21と、シートを1枚ずつシート搬送路3に送り出すピックアップローラ22等を備える。プリンタ1は画像形成を行う場合、ピックアップローラ22が回転駆動し、シートが1枚ずつシート搬送路3に供給される。
シート搬送路3は、シート供給部2から供給されたシートを中間転写部5、定着部6等に向けて搬送し、定着後のシートを排出トレイ31に排出する。そのため、シート搬送路3には、複数の搬送ローラ対32やシートの搬送方向を案内するガイド板(不図示)等が設けられる。
画像形成部4は、形成すべき画像の画像データに基づき複数色のトナー像形成を行う。そして、画像形成部4は、形成するトナー像の色に合わせて4つの画像形成ユニット40K(ブラック)、40C(シアン)、40M(マゼンタ)、40Y(イエロー)で構成される。従って、本実施形態のプリンタ1は、フルカラーの画像形成を行うことができる。尚、各画像形成ユニット40は、使用するトナーが異なるが、基本的構成は同様であるから以下の説明では特に説明する場合を除き、K、Y、C、Mの記号は省略する。
各画像形成ユニット40は、同図中に示す矢印方向に回転可能に支持された感光体ドラム41、感光体ドラム41の周囲に配設された帯電装置42、露光装置43、現像装置44、清掃部45を備える。
感光体ドラム41は、所定の方向に回転駆動される。帯電装置42は、感光体ドラム41の上方に設けられ、感光体ドラム41の表面を所定電位に均一に帯電させる。露光装置43は、帯電装置42の側方に設けられ、ユーザ端末100から送信される画像データ等に基づき、光を各感光体ドラム41に向けて出射し、走査・露光して静電潜像を形成する。現像装置44は、感光体ドラム41の左方に設けられ、静電潜像にトナーを供給して現像(可視像化)する。現像されたトナー像は、中間転写ベルト51(中間転写体に相当)に1次転写され、清掃部45が1次転写後の感光体ドラム41表面を清掃する。
前記中間転写部5は、画像形成部4の下方に設けられ、感光体ドラム41からトナー像の1次転写を受け、又、シートに2次転写を行う部分である。そして、例えば樹脂製の中間転写ベルト51は、その上側の外周面と各感光体ドラム41が当接するように、駆動ローラ52と、従動ローラ53と4本の1次転写ローラ54に張架される。ここで、駆動ローラ52にはモータ、ギア等からなる駆動手段(不図示)が接続され、中間転写ベルト51は、図1において時計方向(矢印方向)に周回する。
又、1次転写ローラ54は、各感光体ドラム41に対向して配され、1次転写ローラ54と感光体ドラム41のニップに中間転写ベルト51が挟まれる。この1次転写ローラ54に所定の電圧がタイミングを合わせて印加されることで、画像形成部4が形成した各色のトナー像が、感光体ドラム41から中間転写ベルト51に重畳されつつ1次転写され、中間転写ベルト51上にフルカラーのトナー像が形成される。
そして、1次転写されたトナー像は、駆動ローラ52に対向して配される2次転写ローラ55によりシートに2次転写される。具体的には、2次転写ローラ55と駆動ローラ52のニップに、中間転写ベルト51が挟まれ、中間転写ベルト51と2次転写ローラ55のニップにシートとトナー像が進入した際に、2次転写ローラ55に所定の電圧が印加される。これにより、トナー像がシートに2次転写される。
定着部6は、シートに転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部6は、主として加熱ローラ61とこれに圧接する加圧ローラ62とで構成される。加熱ローラ61には、発熱源が内蔵され、トナー像が加熱ローラ61と加圧ローラ62とのニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像がシートに定着する。
そして、詳細は後述するが、本発明に関するクリーニング装置7は、駆動ローラ52と画像形成ユニット40Kの間で中間転写ベルト51に接して設けられ、2次転写後に中間転写ベルト51に残留するトナー等の除去を行う。そして、クリーニング装置7には、トナーの帯電極性と逆極性のバイアスが印加される。一方、濃度センサSは、画像形成ユニット40Yと駆動ローラ52の間で、中間転写ベルト51の外周面に対向して設けられ、中間転写ベルト51上に転写・形成されたトナー像の濃度を測定、検知する。
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1の基本的なハードウェア構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係るプリンタ1は、プリンタ1に適宜配される制御基板上に設けられる制御部8を有する。制御部8は、プリンタ1全体の動作を制御し、例えば、CPU81(演算部に相当)、記憶部82、画像処理部83、計時部84等から構成される。
前記CPU81は、中央演算処理装置であって、記憶部82のROMやHDDに格納され、RAMに展開される制御プログラムに基づきプリンタ1の各部の制御や演算を行う。又、本発明について言えば、濃度センサSの読み取り結果である出力をうけ、各色のトナーの濃度判定を行う。又、CPU81は、濃度センサSの検知結果から、クリーニング装置7のクリーニング部材71に印加する最もトナーを除去できるバイアスの最適値を求める演算を行う。
前記記憶部82は、制御プログラムや各種データを保存し、ROM、RAM、HDD等の記憶装置で構成される。ROMは、プリンタ1の制御用プログラム、制御用データを記憶し、CPU81が制御用プログラムを読み出す場合などに用いられる。RAMは、制御用プログラム等を一時的に展開する場合や、画像データを一時的に保存しておく場合などに用いられる。HDDは、大容量の記憶装置であって、制御用プログラムや制御用データ、画像データの保存や、使用者によるプリンタ1の設定情報を保存する場合などに使用される。又、記憶部82は、形成されるトナー像の濃度を測定するための濃度測定用パターン10の画像データや制御データ、制御プログラムや、濃度センサSの出力に対応する各色の濃度を認定するデータ等を記憶する。
前記画像処理部83は、ユーザ端末100等からの画像データに対し、各種処理を行う部分である。例えば、画像データにおける濃淡は、ディジタルの画像形成装置では、一定範囲中におけるトナーをのせるドットの多さで定まるので、この濃淡を表現するための中間調処理の画像処理を画像処理部83が行うことができる。この画像処理後の画像データに基づき、露光装置43が露光を行うことで、濃淡のある(階調を有する)画像が生成される。尚、その他の画像処理については、公知の画像処理を適用できるものとして、詳細な説明は割愛する。
前記計時部84は、いわゆるタイマであり、プリンタ1の制御に必要となる時間の計測を行う。例えば、制御部8は、中間転写ベルト51の回転速度と感光体ドラム41から濃度センサSまでの距離と計時部84の計測する時間から、濃度センサSが現在読み取っている中間転写ベルト51における位置を特定することができる。従って、制御部8は、濃度センサSの読み取り結果から、その位置に形成しようとした理想的なトナーの濃度、色と、実際に形成されたトナーの濃度、色を対比することで、濃度のズレ、誤差を求めることができる。そして、制御部8は、この誤差を無くすように、現像装置44でのトナー帯電の制御や、画像処理部83での中間調処理の微調整等の濃度補正制御を行う。
又、制御部8は、カセット21、シート搬送路3、画像形成部4、中間転写部5、定着部6等と信号線等により接続され、これらの各部の動作制御を適切に行うことで、品質の高い画像形成がなされる。
そして、制御部8は、濃度センサS、クリーニング装置7、電源装置9、I/F部85等とも接続される。濃度センサSは上述したように、中間転写ベルト51上のトナー像の濃度に合わせて電圧等を制御部8に出力する。制御部8は、濃度センサSからの出力を受けて、中間転写ベルト51上のトナー像の濃度を判定する。クリーニング装置7は、バイアスを印加して残留トナーを回収、除去するが、制御部8は、印加タイミングや印加するバイアス値の指示を行う。電源装置9は、商用電源等に接続され、適宜整流等を行って、プリンタ1内部の感光体ドラム41等の回転体を回転させるためのモータだけでなく、制御部8やクリーニング装置7に電力の供給を行う。I/F部85は、ネットワーク等を介して、プリンタ1とユーザ端末100とのデータの入出力を行う際のインターフェイスである。ここで、本発明は、クリーニング装置7のクリーニングバイアスを濃度センサSを用いつつ設定する点に特徴があるので、クリーニング装置7と濃度センサSについて、以下、詳細に説明する。
次に、図1及び図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係るクリーニング装置7を説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係るクリーニング装置7の一例を示すブロック図である。
まず、図1や図3に示すように、クリーニング装置7は、主としてクリーニング部材71、バイアス電源部72、バイアス制御部73等で形成される。
前記クリーニング部材71は、本実施形態のプリンタ1では樹脂製のブレードであり、図1において紙面垂直方向に延びた形状を有し、中間転写ベルト51の周回方向に対し、垂直な方向に中間転写ベルト51の全幅にわたり突き当てられるようにして当接する。この中間転写ベルト51とクリーニング部材71との接触により、2次転写後に中間転写ベルト51上に残留するトナー(以下、「残留トナー」という。)がこそぎ落とされる。尚、クリーニング部材71としては、例えば、ブラシローラを用いても良い。
そして、このクリーニング部材71には、残留トナーを回収しやすくするため、トナーの帯電極性と逆極性のクリーニングバイアスが印加される。即ち、クリーニング部材71の摩擦力だけでなく、静電力も用いて残留トナーの除去、回収が行われる。このクリーニングバイアス印加を行うのが、バイアス電源部72である。
バイアス電源部72は、クリーニング部材71に数〜数十μA程度の定電流を流す定電流制御により、クリーニング部材71にバイアスを印加する。尚、このクリーニング部材71に流す定電流は可変である。クリーニング部材71やこれに接する中間転写ベルト51は樹脂製であり、絶縁体と言える抵抗を有するので、クリーニング部材71には、例えば、1kV〜1.4kV程度のバイアス電圧が印加される。従って、バイアス電源部72は、商用電源に接続されるプリンタ1本体の電源装置9(図2参照)から供給される電圧の変圧を行っていることになる。
尚、本実施形態では、トナーの帯電極性は正である。従って、バイアス電源部72が印加するバイアスは負極性となる。勿論、トナーの帯電極性が負の画像形成装置では、クリーニング部材71に印加するバイアスの極性は正となる。
ここで、バイアス電源部72が印加するバイアス値や、そのON/OFFの制御をバイアス制御部73が行う。バイアス制御部73は、制御部8(図2参照)からの指示に基づき、バイアス電源部72の動作を制御する。例えば、制御部8は、クリーニングバイアスの値やバイアス印加のタイミングを指示し、バイアス制御部73は、指示通りのクリーニングバイアス値でクリーニング部材71にバイアスが印加されるようにバイアス電源部72を制御し、又、指示通りのタイミングでバイアスが印加されるようにバイアス電源部72と電源装置9の接続のスイッチングを行う。このように、バイアス制御部73とバイアス電源部72により、クリーニング部材71へのクリーニングバイアスの印加を行うバイアス印加部74を構成することができる。即ち、バイアス印加部74は、クリーニング部材71にクリーニングバイアスを印加するとともに、そのバイアス値が変化可能に構成される。
次に、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係る濃度センサSについて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る濃度センサSの一例の模型的断面図である。
濃度センサSは、中間転写ベルト51上のトナー像の濃度を検知のためのセンサである。例えば、濃度センサSは、中間転写ベルト51に対向して設けられ、トナー像転写領域の主走査方向(周回方向と垂直な方向)端部に設けられる。そして、濃度センサSには、例えば、光センサを用いることができる。図4に示すように、この光センサには、光を中間転写ベルト51に向けて照射する発光部S1(例えば、LED、半導体レーザ)と、中間転写ベルト51で反射した光を受光し、その受光量に応じて電圧(電流)を出力する受光部S2(例えばフォトトランジスタ等)を有する。
具体的に、中間転写ベルト51自体の反射光と、トナーからの反射光とでは光量が異なり、更に、トナーの濃度(検出領域におけるトナーの存在割合)によっても反射光の光量が異なるから、濃度センサSの出力から、制御部8等が中間転写ベルト51上のトナーの濃度を判定する。尚、トナーの色によって、光の吸収の度合いが異なる(例えば、ブラックは光を吸収しやすい)ので、トナーの色ごとに濃度センサSの出力と濃度の関係が定められる。
尚、この濃度センサSの読み取り結果から、トナー像の濃度の較正を行うことができる。具体的には、画像形成部4が、各色のトナー像の濃度測定を行うため、濃度測定用パターン10を形成し、その濃度測定用パターン10は、各色、各濃度の複数のパッチPが組み合わされて構成され、その各パッチPの読み取りを行うことで、実際に形成されるトナー像の濃度と、形成しようとした画像の濃度とのズレを検出することができる。そのズレを補正して、トナーの濃度の較正が行われる。
次に、図5に基づき、本発明の第1の実施形態に係るプリンタ1のクリーニング装置7の最適なバイアス値の決定の概要について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係るバイアスの最適値決定の説明図である。
図5に示すように、本実施形態では、まず、濃度較正の際に、中間転写ベルト51の周回方向と垂直な方向における端部付近に、濃度測定用パターン10が形成される。濃度センサSは、この濃度測定用パターン10を読み取り、制御部8等が上述した濃度のズレの補正を行う。そして、濃度センサS読み取り後のパッチPは、クリーニング装置7により中間転写ベルト51から除去、回収される。
そして、クリーニング装置7のバイアス制御部73は、この中間転写ベルト51からのパッチPの除去、回収中に、クリーニング部材71に印加するバイアスを変化させる制御を行う。即ち、バイアス印加部74は、複数のパッチPのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させてクリーニングを行う。濃度測定用パターン10のクリーニング後、中間転写ベルト51は更にもう一周、周回され(図5において中間転写ベルト51の1周分の周長をTで示す。)、濃度センサSがクリーニング後の濃度測定用パターン10(パッチP)の再度の濃度検知(読み取り)を行う。この濃度センサSの読み取り結果から、制御部8のCPU81等が演算することで、最もトナーの除去、回収できる最適なバイアス値(最適値)を求める。
具体的には、クリーニング後のパッチPを読み取り結果における最もトナーの検知濃度が低くなる時点に印加されたバイアス値が、最もトナーを除去・回収できるバイアス値であると判断される。このように、本実施形態では、クリーニング部材71へのバイアスの最適値決定に、濃度のズレを測定するため、濃度較正用の濃度測定用パターン10を用い、中間転写ベルト51の周回数を1回転増やすだけ最適値が求められるので、濃度較正と同時に、バイアスの設定も行うことができる。
そこで、図6に基づき、本発明の第1の実施形態に係る濃度測定用パターン10の詳細について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る濃度測定用パターン10の一例の拡大図である。
まず、図6に示すように、濃度測定用パターン10は、各色、各濃度のパッチPが複数段にわたって中間転写ベルト51の周回方向に並列されて構成される。言い換えると、濃度測定用パターン10は、複数のパッチPにより構成される。
そして、図6に示すように、例えば、濃度測定用パターン10は、ブラックのトナーで形成された4段のパッチPからなるグループGB、シアンのトナーで形成された4段のパッチPからなるグループGC、マゼンタのトナーで形成された4段のパッチPからなるグループGM、イエローのトナーで形成された4段のパッチPからなるグループGYの色ごとのグループGB〜GYにより構成される。尚、各グループGB〜GYの順番は入れ替え可能である。
そして、ブラックのグループGBは、上方から、濃度が100%のパッチPB100、75%のパッチPB75、50%のパッチPB50、25%のパッチPB25の4段のパッチPが重ねられて構成される。シアン、マゼンタ、イエローのグループGB、GC、GM、GYも同様に、上方から、濃度が100%のパッチPC100、PM100、PY100、75%のパッチPC75、PM75、PY75、50%のパッチPC50、PM50、PY50、25%のパッチPC25、PM25、PY25Pの4段のパッチPが重ねられて構成される。言い換えると、各色のグループGB、GC、GM、GYは、構成する各パッチPの濃度が共通する。即ち、濃度測定用パターン10のうち、複数のパッチPは、共通の濃度で形成され、複数のパッチPで構成される色ごとのグループを構成し、グループにおける各パッチPの濃度は、各色で共通している。
次に、図6乃至図8に基づき、クリーニング部材71に印加する最適なバイアス値の決定について説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る濃度測定用パターン10のクリーニング後の状態の拡大図である。図8は、本発明の第1の実施形態に係るクリーニング部材71の最適値決定を説明するためのグラフである。
本実施形態のクリーニング装置7は、印加するバイアスの最適値決定のため、濃度測定用パターン10のクリーニングの際、各パッチPのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させる。そして、そのクリーニングバイアスの変化は、特定の濃度のパッチPに着目して行うことができる。即ち、バイアス印加部74は、濃度が共通する複数のパッチPのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させる。例えば、図6における100%の濃度のパッチPであるパッチPB100、パッチPC100、パッチPM100、パッチPY100について、クリーニングの時のクリーニングバイアスを変化させる。
ここで、同じ濃度のパッチPは4つ存在するので、例えば、特定の濃度として、濃度100%のパッチPB100〜PY100に着目し、パッチPB100=10μA、パッチPC100=15μA、パッチPM100=20μA、パッチPY100=25μAのように、5μAずつ段階的に大きくなるように、各パッチPのクリーニング時のバイアス電流を変化させるようにクリーニングバイアス変化させてもよい。又、現在のバイアス値が8μAとすると、パッチPB100=7μA、パッチPC100=8μA、パッチPM=9μA、パッチPY100=10μAというように、1μAずつ段階的にクリーニングバイアスを変化させてもよい。このように、バイアス印加部74は、複数のパッチPのクリーニング時のクリーニングバイアスを一定の大きさで段階的に変化させることができる。尚、印加するバイアス電流(電圧)は、画像形成装置の機種や部材に使用する材料によって、適宜、段階的なバイアスの変化量を定める必要がある。従って、5μAや1μAごとの変化はあくまで例示である。
そして、図7に示すように、クリーニング後の濃度測定用パターン10について、クリーニング時のバイアス値を変化させた濃度100のパッチPB100〜PY100について、濃度センサSにより濃度の測定を行えば、各パッチPについて、残留トナーの濃度を検出することができる。尚、クリーニング後に、その位置がパッチPB100〜PY100であることの特定は、中間転写ドラムの周回速度と、中間転写ベルト51の周長と、計時部84による計時により特定することができる。
次に、図8に示すように、クリーニング後のPB100〜PY100の濃度を測定した結果をグラフにプロットした場合、最も、中間転写ベルト51上の残留トナーの濃度が最も少なくなるバイアス値が明らかになる(パッチPB100に対応する点をaで示し、パッチPC100に対応する点をbで示し、パッチPM100に対応する点をcで示し、パッチYに対応する点をdで示す。)。そして、例えば、クリーニング後のパッチPの濃度が最も低く、残留トナーの量が最も少ない点cにおけるバイアス値がクリーニング部材71に印加すべきバイアス値であると判断することが出来る。具体的には、制御部8のCPU81等が、各点対応するクリーニング後の濃度の比較演算を行って、容易にクリーニングバイアスの最適値を求めることができる。即ち、CPU81は、クリーニングバイアスを変化させた各パッチPのクリーニング後の濃度の検知結果に基づき最適値を演算し、CPU81は、クリーニング後の濃度が最も低くなるバイアス値を最適値として求める。
この求められたクリーニングバイアスの最適値を制御部8は、記憶部82に記憶させ、又、以後の画像形成において、求められた最適値をクリーニング部材71に印加するようにバイアス制御部73に指示を出す。このように、クリーニング部材71への最適なバイアス値の設定が行われる。
ここで、濃度測定用パターン10を構成する各パッチPのうち、バイアス印加部74は、各グループにおける、最も濃度の高い100%のパッチPB100〜PY100の各パッチPのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させ、クリーニング後の濃度の測定を行うのは、最も高い濃度のパッチPB100〜PY100は、より低い濃度のパッチPに比べて、残留トナーの量が多くなると考えられるためであり、最も残留トナーの量が多くなりうる濃度に併せて最適なバイアス値を設定すれば、他の濃度でも十分にトナーの回収が行われると考えられるためである。
尚、トナーの濃度によっては、最も濃度の高い100%のパッチPB100〜PY100Pを基準として定めた印加バイアスの最適値が、最もトナーを回収できるバイアス値であるとは限らないこともある。例えば、温度や湿度によってトナーの流動性は異なり、又、連続して画像形成を行うと機内温度の上昇等によりトナーが中間転写ベルト51に固着しやすくなる場合がある。又、画像形成枚数の累計が多ければ、その経年変化により、バイアス電源部72の出力や中間転写ベルト51の状態、特性が若干変化してしまう場合もある。即ち、温度、湿度、印刷枚数等の要因が絡み合うと、各濃度によってバイアスの最適値が異なってくる可能性もある。
そこで、各グループGB〜GYにおいて、グループGB、GC、GM、GYの2種類以上の濃度のパッチPのクリーニング時にクリーニングバイアスを同様に変化させ、各色のパッチPのクリーニング後の濃度の平均値を求め、残留トナーの濃度が最小となるバイアス値を最適値と設定するようにしてもよい。即ち、バイアス印加部74は、各グループのうち、濃度がそれぞれ共通する2つ以上の各パッチPのクリーニング時に、グループごとにクリーニングバイアスを変化させ、CPU81は、同色の2つ以上のパッチPのクリーニング後の濃度の平均値に基づき最適値を演算する。
例えば、濃度50%のパッチPと濃度25%のパッチPの2種について、図7に示すように、グループGB〜GYごとにクリーニングバイアスを変化させクリーニングを行う。(具体的な組み合わせは、パッチPB50とパッチPB25、パッチPC50とパッチPC25、パッチPM50とパッチPM25、パッチPY25とパッチY25)。そして、クリーニング後の各パッチPの濃度を濃度センサSが検知し、CPU81等が検出された濃度の平均値をとり、そのうち最小濃度に対応するバイアス値を最適値として設定することができる。尚、各グループGB〜GYにおいて、2種以上の濃度の平均値をとってもよいし、各グループGB〜GYを構成する全てのパッチPの平均値をとってもよい。
次に、図9に基づき、本発明の第1の実施形態に係るバイアス値の最適値の演算と設定の流れについて説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係るバイアス値設定の一例を示すフローチャートである。
まず、図9におけるスタートは、形成されたトナー像の濃度較正のために、制御部8が画像形成部4等を制御して、濃度測定用パターン10を形成した時点である。尚、この較正は、プリンタ1の主電源投入時や、前回の画像形成から長時間経過した場合(例えば、スリープモード等からの復帰時)、連続して一定の画像形成を行った場合(例えば100枚)など、機外や機内の温度、湿度等、プリンタ1の画像形成環境の変動があったと認められる場合になされる。即ち、画像形成部4による濃度測定用パターン10の形成は、装置の主電源投入時、スリープモードからの復帰時、又は、所定枚数以上の画像形成を連続して行った場合等に行われる濃度のキャリブレーション時に行われる。
濃度測定用パターン10形成後、濃度のずれの補正量を確認するため、濃度センサSが濃度測定用パターン10の濃度検知を行う(ステップ♯1)。その検知後、クリーニング装置7は、クリーニングバイアスを変化させつつ濃度測定用パターン10のクリーニングを行う(ステップ♯2)。この際、クリーニングバイアスの変化は、上述したように、特定の濃度の各パッチPに対して行ってもよいし、複数の濃度の各パッチPに対して行ってもよい。
その後、中間転写ベルト51は周回を続け(ステップ♯3)、濃度センサSは、クリーニング後の各パッチPの濃度の検知を行う(ステップ♯4)。そして、制御部8(CPU81)は、クリーニング時にバイアスを変化させた各パッチPの濃度を確認し、最も残留トナーの濃度が低いパッチPを演算により求める(ステップ♯5)。そして、最も残留トナーの濃度が低い時点に印加されたバイアス値を最適値と決定する(ステップ♯6)。そして、最適値の設定が行われ、バイアス印加部74は、最適値のバイアスを以後の画像形成においてクリーニング部材71に印加する。
このようにして、本実施形態の構成によれば、クリーニングバイアスを変化させて濃度測定用パターン10の複数のパッチPに対しクリーニングを行い、そのクリーニング後のパッチPの濃度検知結果を元に、クリーニングバイアスの最適値が求められるから、温度、湿度や印刷枚数、中間転写体の劣化状態等、種々の画像形成装置の環境、状態を問わず、最適値を容易に求めることができる。又、トナー像の濃度較正のために形成される濃度測定用パターン10を利用するから、バイアスの最適値を定めるためのパターンを別途形成する必要がなく、バイアス値の較正とトナー像の濃度較正を同時に行うことができる。従って、特別なバイアス値の較正動作は不要であり、生産性は低下しない。又、従来、実験等でデータを収拾し、そのデータから事前に最適なバイアス値の予測に基づきバイアス値を決定することがあったが、本発明によれば、そのような事前のデータ収拾を不要とすることができ、開発を容易に進めることができる。
又、バイアス印加部74によるクリーニングバイアスを段階的に変化させるので、連続的に変化させる場合よりも、変化させたクリーニングバイアス値と、検知されたクリーニング後のパッチPの濃度を容易に対応させることができる。従って、最適値の演算が容易になる。又、濃度測定用パターン10中の濃度が共通するパッチPのクリーニング時のバイアスが変えられるので、濃度が同じという共通の基準のもと、複数のバイアス値によるクリーニング後のパッチPの濃度を得ることができる。従って、正確な最適値を求めることができる。
又、各グループGB、GC、GM、GYでの濃度が共通する各パッチP中、最も濃度が高いパッチPのクリーニング時に、クリーニングバイアスを変化させるから、残留トナーが最も多くなると考えられる最高濃度のパッチPのクリーニング後の濃度を比較することができる。一方、各グループGB、GC、GM、GYでの2つ以上の濃度がそれぞれ共通するパッチPのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させても、クリーニング後のパッチPの濃度の平均を得ることができ、高精度に最適値を求めることができる。
又、バイアス印加部74は、通常の画像形成において、演算された最適値のバイアスを印加するから、中間転写体のクリーニングを確実に行うことができる。更に、中間転写体上の残留トナー量は最小となり、画像品質の向上を図ることができる。又、クリーニングバイアスを変化させてクリーニングを行った各パッチPの各バイアス値に対応するクリーニング後の濃度を比較するだけで、簡易に最適値を求めることができる。
次に、図10に基づき、本発明の第2実施形態について説明する。図10は、本発明の第2実施形態に係るクリーニング部材71の最適値決定を説明するためのグラフである。
ここで、本実施形態では、2つの関数により、最適値を演算により求める点で差異がある。尚、第1の実施形態と第2の実施形態の大きな差異は、この点のみであるから、以下では、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同様に適用できるので説明を省略する。
具体的には、第1の実施形態では、単に、クリーニング後の最も残留トナーの濃度が低いパッチPの印加バイアスに基づき、最適値が設定されたが、本第2の実施形態は、2つの1次関数f1、f2の交点iにから最適値を求める点で異なる。その点を図10に基き説明する。
図10に示すように、左側の2点a、bでは、バイアスが大きくなるにつれて残留トナーの濃度が低下する関係にある。一方、図10の右側の2点c、dでは、クリーニングバイアスが大きくなるにつれて残留トナーの濃度が上昇する関係にある。
そこで、CPU81等は、左側の2点a、bを通る1次関数f1と、右側の2点c、dを通る1次関数f2を演算により求める。これらの一次関数f1、f2は、y=Ax+Kで表される。
ここで、y:残留トナーの濃度
x:クリーニングバイアス電流(又は電圧)
A:2点間の傾き
K:切片
である。ここで、Aは、左側の2点a、b及び右側の2点c、dの差分Δをyとxについて求め、Δy/Δxにより容易に求められ、Kは、x=0を代入することで容易に求められる。
ここで、y:残留トナーの濃度
x:クリーニングバイアス電流(又は電圧)
A:2点間の傾き
K:切片
である。ここで、Aは、左側の2点a、b及び右側の2点c、dの差分Δをyとxについて求め、Δy/Δxにより容易に求められ、Kは、x=0を代入することで容易に求められる。
そして、求められた2つの1次関数f1、f2は、その傾きの正負が異なるので、交点iを有する。そして、図10に示すように、その交点iは、印加バイアスの最適値となると予測され、第1の実施形態よりも高精度に最適値を求められる場合がある。即ち、CPU81は、パッチPのクリーニング時のバイアス値と、バイアス値ごとのクリーニング後のパッチPの濃度から、傾きの正負の異なる2種の1次関数f1、f2を求め、この2種の1次関数の交点におけるバイアス値を最適値として演算する。
この構成によれば、正確な最適値を求めることができる。
この構成によれば、正確な最適値を求めることができる。
尚、図10に示すようなグラフとなるためには、点aから点dにかけて、次第にクリーニングバイアスを大きくしてゆくとともに、点bと点cの間に、最適値が存在する必要がある。そのためには、最適値の予測値を点bと点cの間におき、グラフの右側方向では、残留トナーの濃度が高くなるようにしなければならない。そこで、1つの方法としては、各点と各点のバイアスの変化量を十分に大きくとり、予測値として、現在のバイアス値を採用することが考えられる。
又、1つのグループGB、GC、GM、GYを構成するパッチ数を4つよりも更に多くしたり、濃度の共通するパッチを1グループにつき2つ以上としたりして、より多くの残留トナー濃度の測定結果から2つの1次関数f1、f2の交点iを求めるようにしてもよい。この場合、2つの1次関数f1、f2は、、残留トナーの濃度の立ち上がり点を境界として、最小二乗法等により近似的にCPU81等により求められることになる。
以下、他の実施形態について説明する。上記実施形態では、クリーニングバイアスの値を段階的、離散的に変化させて、最適値を求める例を示したが、例えば、濃度測定用パターン10の全体にわたって、連続的にバイアス値を変化させてクリーニングし(例えば、バイアス値を次第に大きくしてゆく)、クリーニング後の濃度測定用パターン10の読み取り結果から、最も残留トナーの濃度が低くなったクリーニングバイアスを最適値としてもよい。このようにしても高精度に最適値を求めることができる。
又、クリーニングバイアスの最適値を求める較正動作は、必ずしも濃度測定用パターン10が形成されるごとに行う必要はない。即ち、キャリブレーションが行われるごとには、バイアス印加部74、濃度センサS、CPU81は、最適値を求めるための動作を行わない。従って、最適値を求める動作を少なくして、生産性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、中間転写体の残留トナーをクリーニングバイアスが印加しつつクリーニングを行うクリーニング装置7を有する画像形成装置に利用可能である。
1 プリンタ(画像形成装置) 4 画像形成部
51 中間転写ベルト(中間転写体) 71 クリーニング部材
73 バイアス制御部(バイアス印加部74)
72 バイアス電源部(バイアス印加部74)
8 制御部 81 CPU(演算部)
10 濃度測定用パターン S 濃度センサ(濃度検知体)
GB、GC、GM、GY グループ
P パッチ(PB100〜PB25、PC100〜PC25、PM100〜PM25、PY100〜PY25)
51 中間転写ベルト(中間転写体) 71 クリーニング部材
73 バイアス制御部(バイアス印加部74)
72 バイアス電源部(バイアス印加部74)
8 制御部 81 CPU(演算部)
10 濃度測定用パターン S 濃度センサ(濃度検知体)
GB、GC、GM、GY グループ
P パッチ(PB100〜PB25、PC100〜PC25、PM100〜PM25、PY100〜PY25)
Claims (11)
- 複数色のトナー像の形成を行う画像形成部と、前記画像形成部が形成したトナー像が転写される中間転写体を備える画像形成装置において、
前記中間転写体に転写された各色のトナー像の濃度を測定する濃度検知体と、
前記中間転写体上のトナーを除去し、バイアスが印加されるクリーニング部材と、
前記クリーニング部材にクリーニングバイアスを印加するとともに、そのバイアス値が変化可能なバイアス印加部と、
前記濃度検知体の検知結果から、最もトナーを除去できるバイアスの最適値を演算により求めるための演算部と、を有し、
前記画像形成部は、各色のトナー像の濃度測定を行うため、複数のパッチから構成される濃度測定用パターンを形成可能であり、
前記バイアス印加部は、複数の前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させてクリーニングを行い、
前記濃度検知体は、クリーニング後の前記パッチの濃度を検知し、
前記演算部は、前記濃度検知体によるクリーニング後の前記パッチの検知結果に基づき印加バイアスの前記最適値を演算により求めることを特徴とする画像形成装置。 - 前記バイアス印加部は、複数の前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを一定の大きさで段階的に変化させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記濃度測定用パターンのうち、複数の前記パッチは、共通の濃度で形成され、
前記バイアス印加部は、濃度が共通する複数の前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。 - 前記濃度測定用パターンは、各色、複数の前記パッチで構成され、色ごとに1つのグループを構成し、
前記グループにおける各前記パッチの濃度は、各色で共通し、
前記バイアス印加部は、濃度が共通する複数の前記パッチごとに、クリーニングバイアスを変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記バイアス印加部は、各前記グループにおける、最も濃度が高い各前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスを変化させ、
前記演算部は、クリーニングバイアスを変化させた各前記パッチのクリーニング後の濃度の検知結果に基づき前記最適値を演算することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。 - 前記バイアス印加部は、各前記グループのうち、濃度がそれぞれ共通する2つ以上の各前記パッチのクリーニング時に、グループごとにクリーニングバイアスを変化させ、
前記演算部は、同色の2つ以上の前記パッチのクリーニング後の濃度の平均値に基づき前記最適値を演算することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。 - 前記バイアス印加部は、前記演算部により演算された前記最適値のバイアスを以後の画像形成において前記クリーニング部材に印加することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記演算部は、前記パッチのクリーニング時のクリーニングバイアスのうち、クリーニング後の濃度が最も低くなるバイアス値を前記最適値として求めることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記演算部は、前記パッチのクリーニング時のバイアス値と、バイアス値ごとのクリーニング後の前記パッチの濃度から、傾きの正負の異なる2種の1次関数を求め、この2種の1次関数の交点におけるバイアス値を前記最適値として求めることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成部による濃度測定用パターンの形成は、装置の主電源投入時、スリープモードからの復帰時、又は、所定枚数以上の画像形成を連続して行った場合に行われる濃度のキャリブレーション時に行われることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記キャリブレーションが行われるごとには、前記バイアス印加部、前記濃度検知体、前記演算部は、前記最適値を求めるための動作を行わないことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007295472A JP2009122343A (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007295472A JP2009122343A (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009122343A true JP2009122343A (ja) | 2009-06-04 |
Family
ID=40814576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007295472A Pending JP2009122343A (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009122343A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011048049A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置 |
JP2013045085A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-03-04 | Ricoh Co Ltd | クリーニング装置及び画像形成装置 |
JP2015087677A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置 |
JP2020013092A (ja) * | 2018-07-21 | 2020-01-23 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
-
2007
- 2007-11-14 JP JP2007295472A patent/JP2009122343A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011048049A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置 |
JP2013045085A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-03-04 | Ricoh Co Ltd | クリーニング装置及び画像形成装置 |
JP2015087677A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置 |
JP2020013092A (ja) * | 2018-07-21 | 2020-01-23 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
JP7129024B2 (ja) | 2018-07-21 | 2022-09-01 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5200379B2 (ja) | 画像形成装置、制御装置およびプログラム | |
US8831449B2 (en) | Image forming apparatus capable of optimally performing density fluctuation correction | |
JP5402976B2 (ja) | 画像形成装置及び階調補正方法 | |
CN107664934B (zh) | 图像形成装置 | |
JP2008134287A (ja) | 感光体の膜厚変動検出装置、及びこれを用いた画像形成ユニット、並びに画像形成装置 | |
JP5159217B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP6097972B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2009122343A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2012133052A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2010079066A (ja) | 画像形成装置 | |
JP4997150B2 (ja) | カラー画像形成装置 | |
JP5168851B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2010107856A (ja) | 画像形成装置 | |
JP5760518B2 (ja) | 画像形成装置及び画像制御方法 | |
JP5258520B2 (ja) | 画像形成装置およびその制御方法 | |
JP2009192568A (ja) | 画像形成装置及び画像形成処理制御プログラム | |
JP5222623B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2014026170A (ja) | 画像形成装置およびクリーニング検査プログラム | |
JP2009251355A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2013125108A (ja) | 画像形成装置及び色ズレ調整方法 | |
JP2012230311A (ja) | 画像形成装置及び階調補正方法 | |
JP2010266786A (ja) | 画像形成装置 | |
JP6641809B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2008276134A (ja) | 画像形成装置 | |
JP6662734B2 (ja) | 画像形成装置、制御プログラムおよび制御方法 |