JP2009118705A - 磁力回転装置及びそれを用いた電力変換システム - Google Patents

磁力回転装置及びそれを用いた電力変換システム Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の永久磁石4を周方向に沿って等間隔に配置した回転子2と、その回転子2の周囲に複数の電磁石3を周方向に沿って等間隔で配置した固定子1と、を具備し、前記電磁石3に間欠的に通電することにより、前記永久磁石と前記電磁石との間に発生する吸引力及び反発力によって前記回転子2を回転させるようにした磁力回転装置において、コギングトルクとディテントトルクとを低減して高性能化を図る。
【解決手段】 そのために永久磁石4の数と電磁石3の数とを互いに異ならせるとともに、永久磁石4の数と電磁石3の数とが、いずれも相手方の数の整数倍とならないように構成する一方、回転子2の回転によっていずれかの永久磁石4が、ある1つの電磁石3からみて予め定めた通電角度領域に侵入したときに、当該電磁石3に通電するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転可能な回転軸の円周領域に永久磁石を配置した回転体と、該回転体の永久磁石により生成される磁界に対して反発及び吸引する磁界を発生する電磁石とを備えた磁力回転装置及びそれを用いた電力変換システムに関する。
まず、この種の磁力回転装置の原理につき説明する。
図10に示すように、固定子側に電磁石、回転子側に永久磁石を配置する。このとき、電磁石は、回転軸方向からみてその磁極が内向き、すなわち回転中心側を向くように配置する一方、永久磁石はその各磁極を分割する中央の直線(以下、磁極間直線とも言う)L1が、回転子の回転面と平行になるように配置しておく。同図では、永久磁石の磁極間中心と回転子の回転中心と結んだ直線(以下基準直線とも言う)L2が、当該永久磁石の磁極間直線L1と、回転軸方向からみて斜めに交わる(交差角φ)ように構成してある。
かかる構成の下、電磁石に直流一定電流を連続通電すると、電磁石と永久磁石との反発力又は吸引力により、回転子にトルクが作用する。このときのトルクTeの、回転子の回転角度(機械角度)θに対する特性をθ−Te特性図(図11)に示す。なお、回転子の回転中心と電磁石の磁極中心とを結んだ直線L3に対して、前記基準直線が重なったときの回転子の角度を0とし、回転子が反時計回りに回る向きを正としている。
このθ−Te特性図から明らかなように、電磁石に直流一定電流を連続通電した場合に、θが0°近傍の狭い角度領域(以下、第1角度領域とも言う)で、回転子を一方向(ここでは負方向)に回そうとする比較的強いトルクTa(以下、大値狭角度トルクとも言う)が発生し、その領域の両側の広い角度領域(以下、第2、第3角度領域とも言う)において、回転子を逆方向(ここでは正方向)に回そうとする比較的小さいトルクTb、Tc(以下、小値広角度トルクとも言う)が発生する。ところで、第1角度領域と第2角度領域との境界及び第1角度領域と第3角度領域との境界でそれぞれトルクが0となる角度P1、P2が現出するが、それら角度P1、P2のうち、その角度からいずれの方向に回転させても元の位置に戻ろうとするトルクが作用する角度を安定平衡角度P1、いずれかの方向に回転させれば元の位置から遠ざかる向きのトルクが作用する角度を不安定平衡角度P2と称することとする。
なお、このθ−Te特性図において、トルクを0°〜360°に亘って積分すると0になる。また、トルクの正負は便宜上のものであって、電磁石や永久磁石の磁極や配置向きを入れ替えれば反転する。
しかして、前述した第1角度領域又は第2、第3角度領域のいずれかの角度領域に永久磁石が来たときに電磁石に通電し、それ以外で通電を停止することとすれば、回転子を正逆いずれか一方向に回転させるトルクが得られる。これが、この磁力回転装置の動作原理である。
そして本発明者は、この種の磁力回転装置において、電磁石と永久磁石をそれぞれ同じ数にして、周方向に亘って等間隔に配置した構成での特許出願をし、既に権利を取得している(特許文献1)。
特許第3897043号公報
しかしながら、この特許文献1のような構成では、各電磁石に対し永久磁石がそれぞれ同じタイミングで接近・離間することから、各電磁石への通電、非通電のタイミングを一斉に同期させて行っており、その結果、通電時と非通電時とでトルクがデジタル的にON/OFFして、大きなトルク脈動が生じる。
また、停止状態を考えると、全ての永久磁石が自身の磁束で、強磁性体を内部に有する各電磁石の対向位置に位置づけられて、非常に強い力で停止状態が維持されることとなる。このことから、例えばこの磁力回転装置を発電機として含む電力変換システムにした場合など、構成によっては、始動がスムーズにいかないなどの不具合が生じがちである。
本発明は、かかる不具合を鑑みてなされたものであって、前述した通電時に発生する脈動トルク(以下、コギングトルクとも言う)、及び非通電時(あるいは無励磁)において外部から動かそうとする力を加えた時に永久磁石と電磁石の強磁性体との間で発生する、角度変化に対して急峻な停止維持トルク(以下、ディテントトルクとも言う)を低下させることを、その主たる所期課題とするものである。
このような課題を解決するために、本発明は以下のような構成を採用している。
すなわち、本発明に係る磁力回転装置は、複数の永久磁石を円周方向に亘って等間隔に配置した回転子と、その回転子の周囲に複数の電磁石を円周方向に亘って等間隔で配置した固定子と、を具備し、前記永久磁石の各磁極を分割する中央の直線が、永久磁石の磁極間中心と回転子の回転中心と結んだ直線と、回転軸方向からみて斜めに交わるように構成するとともに、前記電磁石に間欠的に通電することにより、前記永久磁石と前記電磁石との間に発生する吸引力及び反発力によって前記回転子を回転させるようにしたものである。
そして、永久磁石の数と電磁石の数とを互いに異ならせるとともに、永久磁石の数が電磁石の数の整数倍とならないか、又は電磁石の数が永久磁石の数の整数倍にならないように構成する一方、回転子の回転によっていずれかの永久磁石が、ある1つの電磁石を基準とする予め定めた通電角度領域に侵入したときに、当該電磁石に通電するように構成している。
このようなものであれば、各電磁石の通電タイミングが順次ずれることとなるので、発生するトルクが、従来のようにON/OFFの2値のみとはならず、多値に亘ることになるので、その分だけトルク脈動、つまりコギングトルクを低減できる。また、始動前の無負荷の状態について言えば、従来のように各電磁石と各永久磁石とがそれぞれ最接近してその対向位置に強固に保持されることがなくなるので、総合したディテントトルクが小さくなる。かかる効果は、この磁力回転装置を後述する発電機として使用したときに顕著となる。発電機を小さな外力で始動させることが可能になるからである。
本発明の効果が特に顕著となる好適な実施態様としては、永久磁石の数と電磁石の数とを、それらの間に1以外の公約数が存在しないように設定しているものを挙げることができる。このようなものであれば、全ての電磁石について、各電磁石からみた永久磁石の角度がずれることになり、最大限のトルク分散が図られ、コギングトルクを最小にできるとともに、ディテントトルクの一層の低減を図ることができるようになる。
3相交流が一般的に用いられていることなどを考慮すると、電磁石の数を3としているものが、実際の使い勝手の点で好ましい。
前記通電角度領域は、当然のことながら、永久磁石との関係でトルクが発生する領域に設定する必要がある。具体的には、1つの永久磁石と1つの電磁石との関係において、前記電磁石に直流一定電流を連続通電した場合に、前記永久磁石を一方向に回転させるトルクである大値狭角度トルクを発生させる第1角度領域、又はその第1角度領域の両側に形成され、前記永久磁石を逆方向に回転させるトルクである小値広角度トルクを発生させる第2、第3角度領域、のいずれかに前記通電角度領域を設定しておくとよい。
高速回転に好適に対応できるようにするには、前記第2、第3角度領域に前記通電角度領域を設定しておくことが好ましい。第1角度領域は狭角であり、高速回転になってくると、時間幅の短いパルス電流を付与しなければならないが、電磁石のコイルに対する電流の立上がり時間と減衰時間を考慮すると、高速回転に対応させることは困難である。これに対し、第2、第3角度領域は第1角度領域に比べ広角であり、高速回転になっても通電タイミングをシンクロナイズさせることが容易にできるからである。
より好ましくは、ある一つの電磁石について、一の永久磁石の第2角度領域と、その隣りの永久磁石の第3角度領域とが、隣接又はオーバーラップするように構成しておけばよい。このようにすれば、通電タイミングを第2角度領域と第3角度領域とに分離する必要が無くなって、パワースイッチング素子のスイッチング周波数を減少させることができるようになり、スイッチングロスを低減して装置効率を向上させることが可能になる。
かかる磁力回転装置は、発電機としても利用できる。また、これら磁力回転装置及び発電機はコアレス構造に近く、効率が非常によいため、例えば、磁力回転装置の回転子と発電機の回転子とをカップリングなどで接続し、磁力回転装置に加えられる直流電力を変換して前記発電機から交流電力として取り出すようにした高効率の電力変換システムを構成することができる。また、コアレス構造に近いことから、低価格化にも寄与できる。
以上のように構成した本発明によれば、永久磁石の数と電磁石の数とを互いに異ならせ、なおかつ、永久磁石の数が電磁石の数の整数倍とならないか、又は電磁石の数が永久磁石の数の整数倍にならないように構成しているため、コギングトルク及びディテントトルクの双方を従来に比べ低減させることができ、高効率化や低騒音化あるいは低振動化等を促進してより高性能な磁力回転装置等を得ることができるようになる。
以下、本発明の一実施形態に係る磁力回転装置100について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る磁力回転装置100は、図1〜図3に示すように、電磁石3を有する、フレーム11を兼ねた固定子1と、永久磁石4を有して前記固定子1に回転可能に支持された回転子2とを備え、電磁石3と永久磁石4との間の磁力の相互作用により、前記回転子2が回転するように構成したものである。
まず回転子2から説明する。この回転子2は、回転軸であるシャフト21と、このシャフト21が中心を貫通する支持円盤22と、支持円盤22の縁部に1周に亘って等間隔(ここでは90°の間隔で4つ)に配置した板状の永久磁石4とを備えたものである。
支持円盤22はシャフト21に固定されており、この実施形態では、図1、図2に示すように、支持円盤22を2枚平行に設けるとともに、それぞれに永久磁石4を同じ位置に配置することで、2段構成にしている。
一方、永久磁石4は、図3に示すように、板状をなしその表面側と裏面側に磁極をそれぞれ形成したもので、その磁極間直線L1(この定義につき背景技術参照のこと)が、円盤面(回転軸に垂直な面)と平行になり、なおかつ、永久磁石4の基準直線L2(定義につき背景技術参照のこと)が、当該永久磁石4の磁極間直線L1と、回転軸方向からみて斜めに交わる(交差角φ)ように、支持円盤22に固定してある。ここでの交差角φは、約30°以上約60°以下に設定してある。
固定子1は、図1、2に示すように、フレーム11と、そのフレーム11に保持された電磁石3とを有したものである。
フレーム11は、前記支持円盤22のさらに外側にそれぞれ設けた互いに平行な一対の側板12と、それら側板12間に架け渡されて当該側板12同士を固定する複数の架材13とからなるものである。前記シャフト21の各端部はこれら2つの側板12によってそれぞれ支持されている。
電磁石3は、前記永久磁石4のさらに外周に配置されたものであり、ここでは図3に示すように、周方向に120°隔てて3つが等間隔に配設されている。ここで永久磁石4の数を4、電磁石3の数を3としたのは、永久磁石4の数と電磁石3の数とを互いに異ならせるとともに、それらの間に1以外の公約数が存在しないようにするためである。
この電磁石3の構成について、より具体的に説明すると、このものは、図1、2に示すように、例えば概略U字型をなす鉄芯31にコイル32を巻いた構成をなし、コイル32に電流が流れることにより鉄芯31の両端部に夫々磁極が形成されるようにしたものである。それら各磁極の配向方向、すなわち磁束中心軸は、図3に示すように、回転軸方向からみて、回転子2の回転中心Oと当該磁極の中心を結ぶ直線(不図示)に対し、0°以上約20°以下の角度をなすように設定されている。これにより、前記角度を0°とする場合と比較して、平均電磁トルクが増大するという利点がある。また、このように永久磁石4を2段構成として、電磁石3の両磁極から発生する磁束を、ともに回転子2を回転させるために利用することにより、エネルギー変換効率の向上を図っている。
電磁石3及び永久磁石4の磁極の向きについて付言しておくと、対応する二段の永久磁石4は、電磁石3の磁極と同極で対面するように、即ち、電磁石3のN極に対応する永久磁石4はN極を外方へ向けて円盤22に固定されており、電磁石3のS極に対応する永久磁石4はS極を外方へ向けて円盤22に固定されている。また、電磁石3の磁極と永久磁石4の外周側の磁極との間には所定のクリアランス(磁気ギャップ長)が形成されるように設定してある。
そして、このように電磁石3と永久磁石4を配置することにより、1つの電磁石3と1つの永久磁石4との関係において、背景技術で述べたように、幅の狭い第1角度領域では一方方向へのトルクTa(大値狭角度トルク)が発生し、その両側の幅広い第2、第3角度領域ではその逆方向のトルクTb、Tc(小値広角度トルク)が生じるように構成されている(図11参照)。
さらにこの実施形態では、図2に示すように、支持円盤22の回転角度(角度)を検出するための角度検出器5と、その角度検出器5が出力する角度情報に基づいて、電磁石3への通電制御を行う制御回路6を設けている。
角度検出器5としては、ここでは、例えばシャフト21に取り付けられて支持円盤22と同期回転するロータリエンコーダを用いているが、必要な角度情報が出力されるものであればよく、これに限られるものでないのは言うまでもない。
制御回路6は、スイッチング素子や情報処理回路を備えた電気回路である。情報処理回路はディスクリート部品で構成してもよいし、CPUなどを用いても構わない。この制御回路6は、角度検出器5からの角度情報を受信するとともに、その角度情報に基づいて、前記第2、第3角度領域に永久磁石4が存在している電磁石3を抽出し、その電磁石3に対してのみ、スイッチング素子を駆動して通電する。
次に、このように構成した磁力回転装置100の動作につき説明する。
まず、制御回路6は、角度検出器5からの角度情報に基づき、前記第2、第3角度領域に永久磁石4が存在している電磁石3を抽出する。なお、この実施形態では、第2、第3角度領域幅は約66°(それぞれが約41°、約35°であってそれらの重合幅が約10°であるから)であり、電磁石3が等間隔で3つ配設されているから、第2、第3角度領域の合計は約198°をカバーするものとなっている一方、永久磁石4は90°ごとに4つ配置されていることから、回転子2がどの角度にあろうとも、必ず、いずれかの永久磁石4がいずれかの電磁石3の第2、第3角度領域に存在することになり、電磁石3を抽出できないことはなく、必ず始動することができる。
次に、制御回路6が、その抽出された電磁石3に直流一定電流を通電する。このことにより、電磁トルクが発生し、回転子2が回転を始める。
この回転により、この永久磁石4は、当該電磁石3の第2、第3角度領域から外れると、制御回路6は、この電磁石3への通電を停止する。
その間、別の電磁石3の第2、第3角度領域に、いずれかの永久磁石4が侵入すると、その電磁石3に制御回路6が通電する。
これを繰り返すことにより、電磁トルクが途切れることなく与え続けられ、回転子2は回転を続ける。
より具体的に、上述した制御を行った場合の各電磁石3の通電タイミングを図4(a)〜(c)に示す。この図4から明らかなように、電磁石3への通電は、重なり合いながらもタイミングが順次ずれて行われる。特にこの実施形態では、第1角度領域が約24°、第2、第3角度領域が約66°であること、電磁石3が120°ごとに3つ配置されていること、永久磁石4が90°ごとに4つ配置されていることから、同図(d)に示すように、少なくともいずれか2つの電磁石3は常に励磁され、間欠的に3つ全ての電磁石3が励磁されることになる。なお、図4からわかるように、第1角度領域が30°以上60°未満になると、いずれか1つの電磁石3が励磁される期間が生じる。また第1角度領域が60°以上になると、全ての電磁石3が励磁されない期間が生じる。この関係は、電磁石3の数と永久磁石4の数によって変わる。
次に、この磁力回転装置100のトルク変動について考察する。
比較として、従来の装置、すなわち図5に示す永久磁石4と電磁石3が同数(4つ)のものを挙げる。この従来装置では、各電磁石3に各永久磁石4が同じタイミングで来去するから、各電磁石3を同じタイミングで通電することとなる(図6参照)。そうすると、全ての電磁石3のトルクが重畳するときと、全くトルクが発生しないときの2つが交互に繰り返される結果となり、トルク脈動幅、すなわちコギングトルクが非常に大きいものとなる(図6(e)参照)。
これに対して、本磁力回転装置100によれば、図4(d)に示すように、常にいずれかの電磁石3が通電されており、トルクがどのタイミングでも消失することなく分散されるので、その分トルク脈動振幅、つまりコギングトルクが小さくなることがわかる。
また、始動前の無負荷の状態について考察すれば、この状態では、電磁石3は鉄芯31だけの磁性体と見なせるから、永久磁石4はその磁束によって、電磁石3に吸着すべく、電磁石3に最接近した位置に動こうとする。この点について、従来装置であれば、図5に示すように、全ての電磁石3に対して永久磁石4がそれぞれ近接してその対向位置に強固に保持される。したがって、この状態から例えば外力によって動かそうとすると大きなディテントトルクに打ち勝つだけの外部トルクが必要になる。
これに対し、本磁力回転装置100によれば、回転子2がどのような角度にあっても、電磁石3の全てに永久磁石4が対向することが無く、従来装置に比べれば小さな外部トルクで動かすことができる。つまりディテントトルクが小さいと言える。
かかる効果は、この磁力回転装置100を発電機として使用したときに顕著となる。従来装置に比べ、小さな力で始動できるからである。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、永久磁石の数及び電磁石の数は前記実施形態以外にも考えられる。図7にその例を示す。図7(a)は、前記実施形態同様、電磁石3の数と永久磁石4の数との間に1以外の公倍数が存在しない例を挙げている。ここでは電磁石3の数が5、永久磁石4の数が4の場合であり、前記実施形態とほぼ同様の作用効果を奏し得る。図7(b)では、電磁石3の数と永久磁石4の数との間に1以外の公倍数が存在するが、全ての電磁石3と永久磁石4とが合致して対向位置にくるということはなく、やはりコギングトルク及びディテントトルクの低減に寄与できる。
また、図8に示すように、この磁力回転装置100、100’を2つ用意し、それらのシャフト21同士をカップリングCPなどで接続するとともに、一方の磁力回転装置100に電力を与えて駆動するようにしてもよい。このことにより、他方の磁力回転装置100’は発電機として作用し、その電磁石3から電力を取り出すことができるようになり、電力変換システム1000を構築できる。電磁石3からの電力は、図示していないが、電磁石3が3つであるが故に、電磁石3の巻線を、いわゆるデルタ結線やY字結線などの簡単な配線にするだけで、特別な制御回路を利用することなく、外部に取り出すことができる。しかして、これら磁力回転装置100及び発電機100’が高効率であることから、かかる電力変換システム1000も高効率で過負荷に強く十分実用に耐えるものとなる。
前述したコギングトルク、ディテントトルクをさらに低減させるには、電磁石3間に、鉄(例えば積層ケイ素鋼板)などの(強)磁性体を1又は複数本配置することが有効である。具体的には、図9に示すように、電磁石3を中心としてその両側に互いに約10°以下の間隔で柱状の磁性体7を、回転軸と平行にしてそれぞれ複数本(2本)配置する。ここで各磁性体7によるディテントトルクは、電磁石3の鉄心によるディテントトルクより小さく設定しており、複数本配置する場合は、電磁石3に近い方を大きくすることが望ましい。
磁性体の具体的配置位置としては、前記磁性体と電磁石の磁極中心との間隔、又は隣り合う磁性体同士の間隔を、物理的に干渉しない範囲でできるだけ小さく、具体的には約10°〜20°以下に設定しているものが好ましい。このことでトルクが電磁石3から離れるほど徐々に小さくなり、より小さなトルク変動を実現できるからである。磁性体7の形状を柱状としてしかも回転軸21と平行に配置しているのは、回転軸21と垂直な面で切った磁性体7の断面積を可及的に小さくして、渦電流の発生による電力損失を極力抑えるためである。
このことにより、ディテントトルクに関して言えば、永久磁石4の吸引力が電磁石3の両脇の磁性体7にも分散するため、トルクを角度で積分した総量は変わらないものの、そのピーク値を下げることができる。また、コギングトルクに関しても同様で、磁性体7によるトルク分散作用が営まれ、脈動振幅を小さくすることができるようになる。
その他、本発明は前記実施形態等に限られるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更して構わない。
以上のように構成した本発明によれば、永久磁石の数と電磁石の数とを互いに異ならせ、なおかつ、永久磁石の数と電磁石の数とが互いの整数倍とならないように構成しているため、コギングトルク及びディテントトルクの双方を従来に比べ低減させることができ、高効率化や低騒音化、低振動化を促進してより高性能化を図ることが可能になる。
図1は、本発明の一実施形態に係る磁力回転装置の全体を示す一部破断した斜視図である。 図2は、同実施形態に係る磁力回転装置の正面図である。 図3は、図2におけるA−A線断面図である。 図4は、同実施形態に係る磁力回転装置の通電タイミングを示すタイミングチャート及び定性的なトルク脈動を示す図である。 図5は、従来の磁力回転装置の回転軸方向からみた構成図面である。 図6は、従来の磁力回転装置の通電タイミングを示すタイミングチャート及び定性的なトルク脈動を示す図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係る磁力回転装置の回転軸方向からみた図面である。 図8は、本発明のさらに他の実施形態に係る発電機及び電力変換システムを示す正面図である。 図9は、本発明のさらに他の実施形態に係る磁力回転装置の回転軸方向からみた構成図面である。 図10は、磁力回転装置の回転原理を説明するための図である。 図11は、1つの電磁石と1つの永久磁石との関係におけるθ−Te特性図の一例である。
符号の説明
100・・・磁力回転装置
100'・・・発電機
1・・・固定子
2・・・回転子
3・・・電磁石
4・・・永久磁石
L1・・・永久磁石の各磁極を分割する中央の直線
L2・・・永久磁石の磁極間中心と回転子の回転中心と結んだ直線

Claims (7)

  1. 複数の永久磁石を周方向に沿って等間隔に配置した回転子と、その回転子の周囲に複数の電磁石を周方向に沿って等間隔で配置した固定子と、を具備し、前記永久磁石の各磁極を分割する中央の直線が、永久磁石の磁極間中心と回転子の回転中心と結んだ直線と、回転軸方向からみて斜めに交わるように構成するとともに、前記電磁石に間欠的に通電することにより、前記永久磁石と前記電磁石との間に発生する吸引力及び反発力によって前記回転子を回転させるようにしたものであって、
    永久磁石の数と電磁石の数とを互いに異ならせるとともに、永久磁石の数と電磁石の数とが互いに相手方の数の整数倍とならないように構成する一方、
    回転子の回転によっていずれかの永久磁石が、ある1つの電磁石からみて予め定めた通電角度領域に侵入したときに、当該電磁石に通電するように構成している磁力回転装置。
  2. 永久磁石の数と電磁石の数とを、それらの間に1以外の公約数が存在しないように設定している請求項1記載の磁力回転装置。
  3. 電磁石の数を3としている請求項1記載の磁力回転装置。
  4. 1つの永久磁石と1つの電磁石との関係において、
    前記電磁石に直流一定電流を連続通電した場合に、前記永久磁石を一方向に回転させるトルクである大値狭角度トルクを発生させる第1角度領域、又はその第1角度領域の両側に形成され、前記永久磁石を逆方向に回転させるトルクである小値広角度トルクを発生させる第2、第3角度領域、のいずれかにおいて通電するようにしている請求項1記載の磁力回転装置。
  5. 前記第2、第3角度領域に前記通電角度領域を設定している請求項4記載の磁力回転装置。
  6. 複数の永久磁石を周方向に沿って等間隔に配置した回転子と、その回転子の周囲に複数の電磁石を周方向に沿って等間隔で配置した固定子と、を具備し、前記永久磁石の各磁極を分割する中央の直線が、永久磁石の磁極間中心と回転子の回転中心と結んだ直線と、回転軸方向からみて斜めに交わるように構成するとともに、前記回転子の回転による永久磁石の磁束の電磁石に対する磁束鎖交数の変化によって、電磁石で電圧を発生するものであって、
    永久磁石の数と電磁石の数とを互いに異ならせるとともに、永久磁石の数が電磁石の数の整数倍とならないように構成している発電機。
  7. 請求項1記載の磁力回転装置の回転子と、請求項6記載の発電機の回転子とを接続し、前記磁力回転装置に加えられる直流電力を交流電力に変換して前記発電機から取り出すようにした電力変換システム。
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