JP2009118081A - 画像信号処理装置及び画像信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロックノイズに対する抑圧度を向上させながら、信号成分の損失を少なくすることができる画像信号処理装置及び画像信号処理方法を提供する。
【解決手段】制御信号生成手段30は、輪郭検出フィルタ10からの輪郭検出信号と、ばらつき量検出手段20からの標準偏差とを用いて画質制御値Gを算出し、ブロックノイズ調整手段50に供給する。ブロックノイズ調整手段50は、画質制御値Gを所定倍したシフト値が所定範囲内の場合にはパターン値を「1」とし、その他の場合には「0」とする。ブロックノイズ調整手段50は、マッチング数を合計してブロック境界を特定し、ブロック境界で隣接する画素のエッジ変化量に応じた基準係数を特定し、これからフィルタ係数kを特定する。第1制御部60は、平滑化フィルタ40からの出力信号に対してフィルタ係数kを乗算した信号と、入力画像信号に対して「1−k」を乗算した信号とを加算した信号を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像の信号圧縮符号化・復号化に起因して発生する画像のノイズを低減するための画像信号処理装置及び画像信号処理方法に関する。
従来から、ノイズ除去回路として、フレームメモリを用いた巡回型のノイズリダクション装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このノイズリダクション装置の構成の一例を図15に示す。図15に示すノイズリダクション装置は、ゲインKを乗算する乗算器91と、1つ前のフレームの画像を取得する遅延回路92と、ゲイン(1−K)を乗算する乗算器93と、乗算器91,93の出力信号を加算する加算器94とから構成されている。そして、入力信号に対してゲインKを乗算した値と、遅延回路92において取得した前のフレームの信号に対してゲイン(1−K)を乗算した値とを加算した信号を出力信号として出力する。
また、従来のノイズ除去回路として、コアリングをシャープネス回路に応用したノイズリダクション装置がある(例えば、特許文献2参照。)。このコアリング処理部においては、周波数の広帯域に拡散した信号をホワイトノイズとして固定レベル(コアリングレベル)でカットする。このノイズリダクション装置の構成の一例を図16に示す。図16に示すノイズリダクション装置は、高周波フィルタ95及び低周波フィルタ96を備える。入力信号のうち高周波フィルタ95の成分のうち、コアリングレベル以下の成分が除去され、残りの成分に対してゲイン調整される。そして、入力信号の低周波フィルタ96を通過した信号と加算されて出力信号が生成される。
ところで、近年、従来のアナログ放送に代わるデジタル放送が開始されている。デジタル放送は、デジタル処理により画像を表示するため、従来のアナログ放送では発生しないノイズが発生することが知られている。例えば、ブロックサイズの境界が検知されるノイズ(以下、ブロックノイズという。)がある。このノイズは、画像をMPEG2方式による圧縮を行なうため、圧縮率との関係で発生する平均輝度成分の量子化エラーによるものである。
このブロックノイズは、デジタル圧縮方式で記録媒体に記録された信号が、アナログ出力として変換されてテレビ受信機に供給される場合でも同様に発生される。言い換えれば、ブロックノイズは、デジタル又はアナログのインターフェースの形態に係わらず、圧縮復号された信号に内在する。更に、ブロックノイズには、以下の2つの特徴がある。
(a)固定パターンで発生する。
(b)ブロックの境界における変化量が微小である。
ここで、(a)の特徴は、例えば8×8のブロックサイズで周期的に画面上にブロックノイズが現われることを意味する。(b)の特徴は、そのブロックサイズの境界前後での変化量が微小であり、通常はあまり検知されないが、シーンチェンジの変化等に応じて圧縮率が変化する場合にその境界レベルが変動しノイズとして検知されることがある。特に、アナログ信号接続の場合は、アナログ信号入力のばらつき等の影響を受け、ブロック境界の変化量もそのばらつき影響を受け変動する。従って、従来のノイズ除去回路では、微小レベルが必ずしも一定ではないためにアナログ系ノイズとの識別が困難であり、更に固定パターンであるために信号との識別が困難である。
特開平7−162807号公報(図3) 特開平10−200787号公報(第1頁)
ところで、特許文献1に記載のノイズリダクション装置を用いた場合、静止画におけるランダムノイズの除去性能が高い。しかし、固定パターンを有するブロックノイズには効果がない。
更に、上述のコアリングの技術を用いる場合、抑圧度を向上させるためには、これらノイズの特性からコアリングレベルを大幅に上げる必要がある。
特許文献2に記載のノイズリダクション装置では、コアリングレベルは絶対値であるため、コアリングレベル以下の信号成分も失われる。更に、同一入力信号であっても、系によりコントラスト(ゲイン)が変化している場合、コアリングにより失われる信号成分も変化するという問題が生じる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされ、ブロックノイズと信号とを識別してブロックノイズに対する抑圧度を向上させながら、信号成分の損失を少なくすることができる画像信号処理装置及び画像信号処理方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、要素画素が2次元に並べられたブロックから構成された入力画像信号を取得し、この入力画像信号の高周波数成分を平滑化した平滑化信号を生成する平滑化手段と、前記入力画像信号における輪郭成分を検出する輪郭検出手段と、前記ブロック内の各要素画素のばらつき量を算出する分散量検出手段と、前記ブロック内の中心画素について、前記輪郭成分と前記ばらつき量との比較に基づいて画質制御値を算出する制御信号生成手段と、前記画質制御値を、画質制御値範囲の中間値を含む所定の基準範囲と比較することにより2値化した画素のパターン値を算出する手段と、前記パターン値のマップとブロック規定パターンとの比較により、前記ブロック規定パターンの周期的配置を検知してブロック境界を特定するブロック境界検出手段と、前記ブロック境界において隣接する画素の信号の差分値を算出する手段と、算出された差分値に応じて、前記平滑化信号と前記入力画像信号とを用いて画像出力信号を生成する画像調整手段とを備えたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像信号処理装置において、前記ブロック境界において隣接する画素の信号の差分値に基づいて基準係数を算出する係数算出手段を更に備え、前記画像調整手段は、前記入力画像信号に対して、前記基準係数を用いて重み付けした値を乗算して入力画像調整信号を生成する第1乗算器と、前記平滑化信号に基づいて生成された信号に対して、前記基準係数を乗算して平滑化調整信号を生成する第2乗算器と、前記入力画像調整信号と前記平滑化調整信号とを加算して、前記画像出力信号を生成する第1加算手段とを備えたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像信号処理装置において、前記係数算出手段は、算出した基準係数を用いて、前記ブロック境界からの画素数に応じて小さくなるフィルタ係数を算出し、前記第1乗算器は、算出した前記フィルタ係数を前記基準係数として用いて入力画像調整信号を生成し、前記第2乗算器は、算出した前記フィルタ係数を前記基準係数として用いて前記平滑化調整信号を生成することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像信号処理装置において、前記入力画像信号から高域周波数成分を抽出する高域周波数抽出手段と、高域周波数成分と画質制御値とを乗算して輪郭成分補正信号を生成する輪郭補正信号生成手段と、前記平滑化信号と前記輪郭補正信号とを加算する第2加算手段と、入力画像信号に対して、前記画質制
御値を乗算する第3乗算器と、前記第2加算手段の出力信号に対して、前記画質制御値を用いて重み付けした値を乗算する第4乗算器と、前記第3乗算器の出力信号と前記第4乗算器の出力信号とを加算して、前記平滑化信号に基づいて生成された信号として、前記第2乗算器に供給する第3加算手段とを更に備えたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、要素画素が2次元に並べられたブロックから構成された入力画像信号を取得し、この入力画像信号の高周波数成分を平滑化した平滑化信号を生成する平滑化段階と、前記入力画像信号における輪郭成分を検出する輪郭検出段階と、前記ブロック内の各要素画素のばらつき量を算出する分散量検出段階と、前記ブロック内の中心画素について、前記輪郭成分と前記ばらつき量との比較に基づいて画質制御値を算出する制御信号生成段階と、前記画質制御値を、画質制御値範囲の中間値を含む所定の基準範囲と比較することにより2値化した画素のパターン値を算出する段階と、前記パターン値のマップとブロック規定パターンとの比較により、前記ブロック規定パターンの周期的配置を検知してブロック境界を特定するブロック境界検出段階と、前記ブロック境界において隣接する画素の信号の差分値を算出する段階と、算出された差分値に応じて、前記平滑化信号と前記入力画像信号とを用いて画像出力信号を生成する画像調整段階とを備えたことを要旨とする。
(作用)
請求項1又は5に記載の発明によれば、入力画像信号における輪郭成分を検出し、ブロック内の要素画素のばらつき量を算出し、ブロック内の中心画素について、輪郭成分とばらつき量との比較に基づいて画質制御値を算出する。この画質制御値を、画質制御値範囲の中間値を含む所定の基準範囲と比較することにより2値化した画素のパターン値を算出し、パターン値のマップとブロック規定パターンとの比較により、ブロック境界を特定する。ブロック境界において隣接する画素の信号の差分値に応じて、平滑化信号と前記入力画像信号とを用いて画像出力信号を生成する。画質制御値は、ブロックに輪郭がない場合にはほぼ「0」になり、ブロックに輪郭がある場合にはほぼ「1」になるため、画質制御値が「0」と「1」との間にある場合にはノイズであることを示すパターン値を与える。更に、このパターン値のマップとブロック規定パターンとを比較してブロック境界にあるノイズ(ブロックノイズ)を特定することができる。特定したブロック境界で隣接する画素の信号の差分値に基づいて、平滑化信号の割合を自動的に変更することができる。従って、ブロックノイズと信号とを識別してブロックノイズに対応する抑圧度を向上させながら、入力画像信号に含まれている信号成分の損失を少なくすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ブロック境界において隣接する画素の信号の差分値に基づいて基準係数を算出する。画像調整手段は、入力画像信号に対して基準係数を用いて重み付けした値を乗算して入力画像調整信号を生成し、平滑化信号に基づいて生成された信号に対して基準係数を乗算して平滑化調整信号を生成し、これらを加算して画像出力信号を生成する。これにより、基準係数に基づいて平滑化信号と入力画像信号との調整を実現することができる。
請求項3に記載の発明によれば、係数算出手段は、算出した基準係数を用いて、前記ブロック境界からの画素数に応じて小さくなるフィルタ係数を算出する。第1乗算器及び第2乗算器は、算出したフィルタ係数を基準係数として用いて、平滑化調整信号と入力画像信号を生成する。このため、ブロックノイズの大きさに応じて、かつブロック境界から遠くなるに従ってフィルタ係数が小さくなり、これにより入力画像信号の割合が大きくなるように調整が行なわれる。従って、ブロックノイズを段階的に拡散するように調整することができるので、ブロックノイズの抑圧度の向上のためにブロック境界の画素の信号を調整して、この画素に隣接する画素との間において新たなノイズの発生を抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、入力画像信号から高域周波数成分を抽出し、この高域周波数成分と画質制御値とを乗算して輪郭成分補正信号を生成し、これと平滑化信号とを加算する。入力画像信号に対して画質制御値を乗算し、第2加算手段の出力信号に対して画質制御値を用いて重み付けした値を乗算し、これらを加算して第2乗算器に供給する。平滑化信号は、高周波数成分を平滑化するため、ノイズが除去されているが、輪郭成分も失われてしまう。このため、抽出した高域周波数成分に基づく輪郭成分補正信号を平滑化信号に加算することにより、ノイズの状況に応じて加算される高域周波数成分を変更しながら平滑化調整信号を生成することができる。この平滑化調整信号を用いて画像出力信号が生成されるので、ノイズが除去され、高周波周波数成分がある平滑化信号を用いることができる。
本発明によれば、ブロックノイズと信号とを識別してブロックノイズに対する抑圧度を向上させながら、信号成分の損失を少なくすることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したノイズリダクション装置の一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のノイズリダクション装置100は、輪郭検出フィルタ10、ばらつき量検出手段20、制御信号生成手段30、平滑化フィルタ40、ブロックノイズ調整手段50及び第1制御部60を備えている。本実施形態では、輪郭検出フィルタ10が輪郭検出手段として機能し、ばらつき量検出手段20が分散量検出手段として機能する。更に、平滑化フィルタ40が平滑化手段として機能する。
このノイズリダクション装置100には、コンポーネント映像信号が入力される。この映像信号のうち、ブロック構成部によって、n行m列(n,mは正の整数)のブロックが、輪郭検出フィルタ10、ばらつき量検出手段20、平滑化フィルタ40及び第1制御部60に供給される。本実施形態では、n=m=3として、3×3のブロックで構成される要素画素の入力画像信号が各機能部に供給される。
〔ノイズリダクション装置100の構成〕
図2に示すように、輪郭検出フィルタ10は、隣接するピクセルの輝度の差分から、ブロック内のエッジ(輪郭)を検出する。本実施形態では、この輪郭検出フィルタ10は、公知のプレヴィット(Prewitt)方式のフィルタを用いる。具体的には、輪郭検出フィルタ10は、第1列、第2列及び第3列の各要素が「−1」、「0」、「1」の水平方向フィルタ11と、第1行、第2行及び第3行の各要素が「−1」、「0」、「1」の垂直方向フィルタ12とを備える。
このような輪郭検出フィルタ10において、ブロックを構成する各画素の信号が水平方向フィルタ11を通過すると、水平方向で隣接しているピクセルの輝度の差分を算出する。また、ブロックを構成する各画素の信号が垂直方向フィルタ12を通過すると、垂直方向で隣接しているピクセルの輝度の差分を算出する。
更に、輪郭検出フィルタ10は、輪郭検出信号YEの算出部13を備える。この算出部13は、水平方向フィルタ11及び垂直方向フィルタ12を通過させて得た値と、図2の(1)式とを用いて輪郭検出信号YEを生成する。輪郭検出フィルタ10は、生成した輪郭検出信号YEを制御信号生成手段30に供給する。
ばらつき量検出手段20は、ブロックを構成する画素のばらつき量(標準偏差σ)を算出する。ブロック内に輪郭がない場合には、通常はばらつき量は小さくなるため、ばらつき量が大きい場合にはノイズが発生していることになる。また、ブロック内に輪郭がある場合には、輪郭の量に応じてばらつき量が大きくなる。
本実施形態では、標準偏差σを算出する際には、平滑化フィルタ40の統計平均値Sを用いる。ばらつき量検出手段20は、図3の(2)式を用いて、ばらつき量(標準偏差σ)を算出する。ばらつき量検出手段20は、取得した入力画像信号のブロックを構成する画素の信号からばらつき量(標準偏差σ)を算出し、算出した標準偏差σを制御信号生成手段30に供給する。
制御信号生成手段30は制御信号contを出力する。この制御信号contには、輪郭検出信号YEを標準偏差σで正規化した画質制御値Gを含める。具体的には、図4に示すように、制御信号生成手段30は、比較手段31、上限設定手段32及び制御値算出手段33を備える。比較手段31は、輪郭検出フィルタ10から取得した輪郭検出信号YEと、ばらつき量検出手段20から取得した標準偏差σとを比較する。比較手段31が、輪郭検出信号YEが標準偏差σ以上であると判断した場合(「YES」の場合)、上限設定手段32が、輪郭検出信号YEの値を標準偏差σと同じ値に置換する。
制御値算出手段33は、図4の(3)式に輪郭検出信号YEと標準偏差σを代入して制御信号contの画質制御値Gを算出する。この画質制御値Gは、輪郭検出信号YEが標準偏差σ以上のときには「1」になるので、「0」〜「1」の範囲の大きさになる。更に、この画質制御値Gは、信号のレベルが変動しても、輪郭検出信号YEが標準偏差σより小さい場合には、「0」に近づき、輪郭検出信号YEが標準偏差σより大きい場合には、「1」に近づく。この制御信号生成手段30は、算出した画質制御値Gを、ブロックノイズ調整手段50及び第1制御部60に供給する。
一方、平滑化フィルタ40は、入力画像信号から平坦領域を取り出すフィルタである。この平滑化フィルタ40は、ブロック内の統計平均値Sを算出して、この統計平均値Sに応じた信号を出力信号とする。本実施形態では、9画素のメディアン値をばらつき量(標準偏差σ)を算出するための統計平均値Sとして用いる。具体的には、平滑化フィルタ40は、図3に示すように、入力画像信号から取得した3×3のブロックを構成する画素(s1〜s9)のメディアン値を算出し、このメディアン値をブロックの統計平均値Sとする。メディアン値を特定することにより、比較的大きなエッジ成分(すなわち明らかな信号成分)に対しては可能な限り高次スペクトル成分を保持することができる。平滑化フィルタ40は、算出したメディアン値の平滑化信号を、ばらつき量検出手段20及び第1制御部60に供給する。
図1に示すブロックノイズ調整手段50は、パターン値決定手段51、ブロック境界検出手段としてのパターンマッチング手段52、前後画素差分算出手段53及び係数算出手段54を備えている。パターン値決定手段51は、パターンマッチングに用いるパターン値を特定する。具体的には、パターン値決定手段51は、図5に示すように、レベルシフタ511、パターン値比較手段512、第1パターン値特定手段513及び第2パターン値特定手段514を備えている。
レベルシフタ511は、制御信号contの画質制御値Gを、画像信号のレンジに応じた量子化数を乗算したシフト値Dを算出する。例えば、8ビットで量子化される画像信号の場合には、画質制御値Gを、255倍(「2」の8乗倍)にする。これにより、「0」〜「1」の範囲を取る画質制御値Gが、「0」〜「255」の範囲にシフトする。
パターン値比較手段512は、算出したシフト値Dが、所定の基準範囲L内であるか否かを判断する。本実施形態の基準範囲Lは、エッジ成分がないと認識される「0」の近傍の値(輪郭判断値d1より大きい値)を除き、かつエッジ成分があると認識される「255」の近傍の値(輪郭判断値d2より小さい値)を除く中間値の範囲(d1〜d2の範囲)である。
第1パターン値特定手段513は、基準範囲Lにある(パターン値比較手段512が「YES」と判断した)シフト値Dのパターン値を「1」と特定する。第2パターン値特定手段514は、基準範囲Lにない(パターン値比較手段512が「NO」と判断した)シフト値Dのパターン値を「0」と特定する。そして、パターン値決定手段51は、特定したパターン値(「1」又は「0」)を画素の位置(座標)とともに一時記憶する。パターン値決定手段51は、入力画像信号のうち最初の8×8のブロックを構成する画素のパターン値をすべて特定すると、ブロックを構成する画素のパターン値のマップをパターンマッチング手段52に供給する。
パターンマッチング手段52は、パターン値決定手段51から供給されたパターン値のマップと、予め記憶されている配列パターン(ブロック規定パターン)とのマッチングを行なって、ブロック境界位置を検出する。本実施形態では、配列パターンとして、図7に示す8×8のブロックパターンを用いる。この配列パターンは、ブロック境界に隣接する外周の画素P1(ハッチングで示す画素)のパターン値が「1」で、ブロックの中央の画素P0(無地の画素)のパターン値が「0」になっている。なお、画素P1と中央の画素P0との間に位置する画素(ドット模様で示す画素)のパターン値は、「1」又は「0」の両方を取り得るので、この画素のパターン値はマッチングに用いない。
パターンマッチング手段52は、パターン値決定手段51から供給されたパターン値のマップに対して、配列パターンを1画素ずつずらして当てはめる。具体的には、パターンマッチング手段52は、開始点のi行、j列の座標(i,j)を、「8」の整数倍+Z(Z=0,1,・・・,7)という座標に順次変換する。
そして、パターンマッチング手段52は、変換した各座標の画素のパターン値と、配列パターンのパターン値とが一致した場合には、マッチング数をカウントアップする。ここで、マッチング数とは、変換した各座標の画素のパターン値と、配列パターンのパターン値とが一致した画素の数である。そして、パターンマッチング手段52は、配置パターンをそれぞれ当てはめたときのマッチング数の合計を算出する。この結果、マッチング数の合計が1箇所に集中する行と列が出てくる。例えば、図8のように、マッチング数の合計は、行Qaで、列Qbに集中し、その前後の行[qa±]と列[qb±]のマッチング数の合計より大きく上回る。この集中した一箇所(図8の点ST)の要素行Ra及び要素列Rbに対応する位置が境界位置に相当する。
この場合、入力画像信号の有効画面の開始点を(1,1)とし、マッチング数が集中した要素行の番号をra、要素列の番号をrbとすると、境界位置は、(ra+8*n’,rb+8*m’)で示される。ここで、n’,m’は「0」以上の整数である。図8の場合では、ra=3、rb=5になっている。
そこで、パターンマッチング手段52は、マッチング数の合計の最大値を特定し、この最大値に対応する要素列の番号raと要素行の番号rbを特定する。そして、パターンマッチング手段52は、要素列の番号raと要素行の番号rbを用いて、境界位置(ra+8*n’,rb+8*m’)を算出し、ブロック境界の位置を特定する。
次に、パターンマッチング手段52は、特定したブロック境界の位置を示す検出信号を、検出ウィンドウの形で出力し、前後画素差分算出手段53に供給する。ここで、出力される検出信号は、図9に示すように、境界位置に対して前後1画素分の幅を有するパルス波形の検出信号Pである。
前後画素差分算出手段53は、ブロック境界において隣接する画素のエッジ変化量(差分値)を算出する。具体的には、前後画素差分算出手段53は、供給された検出信号Pが出力されたときの画素(ブロック境界において前後1画素)の信号を取得し、隣接する画素の差分の絶対量を算出する。前後画素差分算出手段53は、算出したエッジ変化量を係数算出手段54に供給する。
係数算出手段54は、算出したエッジ変化量と各閾値とを比較する。本実施形態では、水平方向の閾値として3つの閾値h1,h2,h3を用いる。更に、本実施形態では、垂直方向の閾値として3つの閾値v1,v2,v3を用いる。
更に、係数算出手段54は、エッジ変化量の大きさに対応する基準係数dh(dv)のテーブルを備えている。本実施形態では、エッジ変化量が大きければ基準係数dh(dv)が大きくなるように設定されている。具体的には、図10に示すように、エッジ変化量が閾値h1(v1)より小さい場合には、「0」の基準係数dh(dv)が対応付けられている(領域(1))。エッジ変化量が閾値h1(v1)以上で閾値h2(v2)より小さい場合には、「1/4」の基準係数dh(dv)が対応付けられている(領域(2))。エッジ変化量が閾値h2(v2)以上で閾値h3(v3)より小さい場合には、「1/2」の基準係数dh(dv)が対応付けられている(領域(3))。エッジ変化量が閾値h3(v3)以上の場合には、「1」の基準係数dh(dv)が対応付けられている(領域(4))。
係数算出手段54は、エッジ変化量と各閾値とを比較した結果、算出されたエッジ変化量に対応する基準係数dh(dv)をテーブルから特定する。
更に、係数算出手段54は、基準係数を用いてフィルタ係数kを算出する。ここでは、ブロック境界にある第1画素に隣接する第2画素、これに隣接する第3画素というように、水平方向及び垂直方向へ広がる隣接画素に対してフィルタ係数kが小さくなるように設定する。本実施形態では、係数算出手段54は、ブロック境界からの画素の数を「n”」とした場合、「1/2」の(n”−1)乗のフィルタ係数kを算出する。具体的には、図11に示すように、係数算出手段54は、境界に位置する第1画素(「±1」の画素)に対しては、基準係数dh(dv)と同じ値をフィルタ係数kとして算出する。第1画素に隣接し第1画素よりも境界から離れた第2画素(図11の「±2」の画素)に対しては、基準係数dh(dv)の「1/2」の値をフィルタ係数kとして算出する。更に、第2画素に隣接し第2画素よりも境界から離れた第3画素(図11の「±3」の画素)に対しては、基準係数dh(dv)の「1/4」の値をフィルタ係数kとして算出する。更に、本実施形態では、それ以外の画素に対しては、「0」をフィルタ係数kとして算出する。そして、係数算出手段54は、算出した各画素のフィルタ係数kをブロックノイズ調整手段50の出力として第1制御部60に供給する。
第1制御部60は、画像調整手段として機能し、第1乗算器61、第2乗算器62及び加算器63を備えている。第1乗算器61及び第2乗算器62は、フィルタ係数kを取得する。第1乗算器61は、入力画像信号に対して「1−k」(フィルタ係数kを用いて重み付けした値)を乗算した入力画像調整信号を出力する。第2乗算器62は、平滑化フィルタ40からの出力信号に対して、フィルタ係数kを乗算した平滑化調整信号を出力する。加算器63は、第1乗算器61からの入力画像調整信号と第2乗算器62から平滑化調整信号とが供給され、これらを加算した信号を、第1制御部60の出力信号として出力す
る。この第1制御部60の出力信号が、ノイズリダクション装置100の出力信号(画像出力信号)になる。
〔ノイズリダクション装置100の動作〕
次に、このノイズリダクション装置100の処理動作について説明する。
映像信号がノイズリダクション装置100に入力された場合、輪郭検出フィルタ10、ばらつき量検出手段20、平滑化フィルタ40及び第1制御部60には、映像信号のうち3行3列のブロックが順次、供給される。
輪郭検出フィルタ10は、輪郭検出信号YEを算出して制御信号生成手段30に供給する。ばらつき量検出手段20は、標準偏差σを算出して制御信号生成手段30に供給する。制御信号生成手段30は、輪郭検出信号YEと標準偏差σとを用いて画質制御値Gを算出する。そして、この画質制御値Gを含めた制御信号contを、ブロックノイズ調整手段50に供給する。
平滑化フィルタ40は、ブロックを構成する要素画素のメディアン値を算出し、ばらつき量検出手段20と第1制御部60の第2乗算器62に供給する。この場合、平滑化フィルタ40の出力信号は、モスキートノイズやブロックノイズが抑圧されているが、輪郭成分も失われている。
ブロックノイズ調整手段50のパターン値決定手段51は、制御信号contの画質制御値Gから各画素のパターン値を特定して、パターンマッチング手段52に供給する。パターンマッチング手段52は、マッチング数を合計してブロック境界の位置を示す検出信号を出力する。前後画素差分算出手段53は、検出信号に基づいて境界位置の前後の画素の差分を算出する。係数算出手段54は、前後の画素の差分から境界に位置する各画素の基準係数dh(dv)を算出し、各画素のフィルタ係数kを算出して第1制御部60に供給する。
第1制御部60の第1乗算器61は、入力画像信号に対して「1−k」を乗算して、加算器63に供給する。第1制御部60の第2乗算器62は、平滑化フィルタ40からの出力信号に対して「k」を乗算した信号を算出して、加算器63に供給する。加算器63は、第1乗算器61からの出力と第2乗算器62からの出力とを加算して、ノイズリダクション装置100の出力信号として出力する。
発生したブロックノイズにより、ブロック境界の前後でエッジ変化量が大きい場合には、ブロックノイズ調整手段50が出力するフィルタ係数kが大きくなる。この場合、ノイズリダクション装置100は、平滑化フィルタ40からの出力信号の割合が大きく、入力画像信号の出力信号の割合が小さい合成信号を生成して出力する。
一方、ブロック境界の前後でエッジ変化量が小さい場合には、ブロックノイズ調整手段50が出力するフィルタ係数kが小さくなる。この場合、ノイズリダクション装置100は、平滑化フィルタ40からの出力信号の割合が小さく、入力画像信号の出力信号の割合が大きい合成信号を生成して出力する。
図12には、ノイズリダクション装置100に入力される映像信号をそのまま用いて表示した参考画像を示す。図13には、この映像信号が入力されたノイズリダクション装置100から出力される画像出力信号を用いて表示した参考画像を示す。図12の画像では、図13の画像に比べて、ブロックノイズが低減していることがわかる。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、制御信号生成手段30は、輪郭検出信号YEと標準偏差σとの比に応じた画質制御値Gの制御信号contを生成し、ブロックノイズ調整手段50に供給する。ブロックノイズの場合は、図6に示すテーブル600の中で、水平方向又は垂直方向に連続する数画素とその左右上下画素との輝度変化パターンが(σ小、YE大)の領域に含まれる。σ=YEの条件で、輪郭検出信号YE及び標準偏差σを徐々に減少させるように入力画像信号のゲインを変化させていくと、信号コントラストは「0」に近づくが、信号画素間の相対的関係は変化していないため、「G=1」が保たれる。これは信号の画素間の相対的レベル比が変化しなければ、絶対値のコントラストには依存せずに目的とする輪郭成分(信号の差分)の大きさを抽出し、係数化できることを意味する。すなわち、ノイズがなくブロック内に輪郭がある場合には、「G≒1」になり、ノイズがなくブロック内に輪郭がない場合には、「G≒0」になる。そして、ノイズがある場合には、画質制御値Gは「0」と「1」の中間値になる。
ブロックノイズ調整手段50のパターン値決定手段51は、制御信号contの画質制御値Gが、「0」と「1」の中間値である基準範囲Lにある場合にはパターン値を「1」とする。パターンマッチング手段52は、配列パターンとのマッチングを行なって、ブロック境界の位置を検出する。前後画素差分算出手段53は、ブロック境界において隣接する画素のエッジ変化量を算出する。係数算出手段54は、算出したエッジ変化量に対応する基準係数dh(dv)を算出しフィルタ係数kを算出する。第1制御部60は、入力画像信号に対して「1−k」を乗算した入力画像調整信号と、平滑化フィルタ40からの出力信号に対して、「k」を乗算した平滑化調整信号とを加算した信号を、ノイズリダクション装置100の出力信号として出力する。このため、ブロック境界を特定し、ブロック境界において隣接する画素のエッジ変化量からブロックノイズの大きさを特定し、この大きさに応じて入力画像信号と平滑化調整信号との割合が自動的に変更される。従って、ノイズが大きいときには平滑化調整信号の割合が自動的に多くなるので、ブロックノイズの抑圧度を向上することができる。また、ノイズが小さいときには、入力画像信号の割合が自動的に多くなるので、入力画像信号に含まれている信号成分の損失を少なくすることができる。
(2) 本実施形態では、ブロックノイズ調整手段50のパターン値決定手段51は、制御信号contの画質制御値Gを、画像信号のレンジに応じた量子化数を乗算したシフト値Dを算出した後、算出したシフト値Dが基準範囲L内であるか否かを判断する。このため、微小レベルの画質制御値Gが、「0」〜「1」の範囲から「0」〜「255」の範囲に変換されることになる。画質制御値Gが、「0」〜「1」の範囲では、低輝度(黒)であるため、信号の判別が難しく、境界位置の検出が困難であった。「0」〜「255」の範囲に変換されることにより、ブロック境界を検出し易くできる。
(3) 本実施形態では、ブロックノイズ調整手段50の係数算出手段54は、ブロック境界からの画素の数を「n”」とした場合、「1/2」の(n”−1)乗のフィルタ係数kを算出する。このため、ブロック境界に位置する第1画素以外の画素についても調整を行なうので、ブロックノイズが大きい場合には、そのノイズをブロックの内側に拡散していくように信号を調整することができる。従って、ブロックノイズの抑圧度を向上させるためにブロック境界の画素の信号を調整したときに、調整した画素とこれに隣接する画素との間において新たなノイズの発生を抑制することができる。
(4) 本実施形態では、ばらつき量検出手段20は、統計平均値Sを算出し、これに応じた信号を出力信号とする。本実施形態では、第1制御部60は、平滑化フィルタ40からの出力信号に対して、「k」を乗算した平滑化調整信号と、入力画像調整信号とを加算した信号を出力信号として出力する。このため、平滑化フィルタ40とばらつき量検出手段20とが、同じ統計平均値Sを用いた演算を行なうことにより、整合性を良好にする
ことができる。
(5) 本実施形態では、制御信号生成手段30において、比較手段31が、輪郭検出信号YEが標準偏差σ以上であると判断した場合(「YES」の場合)、上限設定手段32が、輪郭検出信号YEの値を標準偏差σと同じ値に置換する。制御信号生成手段30の制御値算出手段33は、図4の(3)式に輪郭検出信号YEと標準偏差σを代入して制御信号contの画質制御値Gを算出する。このため、輪郭検出信号YEが標準偏差σより大きな範囲を取る場合であっても、制御信号contの画質制御値Gを「0」〜「1」の間に設定することができるので、ノイズリダクション装置100からの出力信号を、入力画像信号に応じた大きさで調整することができる。
(6) 本実施形態では、輪郭検出フィルタ10は、センタ行又はセンタ列のみ変化している場合には反応しない公知のプレヴィット方式のフィルタを用いる。ブロックノイズは、水平方向又は垂直方向に延びるエッジであるため、プレヴィット方式を用いることにより、ブロックノイズの特徴と重なる特定のパターンを輪郭として検出しにくい。従って、隣接する画素の輝度の差分が高いノイズを輪郭として検出し難いので、ブロックノイズと輪郭とをより確実に識別することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図14に基づいて説明する。本実施形態は、上記実施形態と、フィルタ係数kを乗算する調整信号の生成の方法が異なる。また、本実施形態において、上記実施形態と同様な部分については、同一の符号を用いて、その詳細な説明は省略する。
図14に示すように、本実施形態のノイズリダクション装置200は、高域周波数抽出手段としての高域周波数抽出フィルタ70、輪郭補正信号生成手段としての乗算器71、加算器72及び第2制御部80を更に備えている。高域周波数抽出フィルタ70には、入力画像信号に基づくn行m列のブロックが供給される。本実施形態では、上記実施形態と同様に、3行3列のブロックが供給される。乗算器71及び第2制御部80には、制御信号生成手段30が生成した制御信号contが供給され、乗算器71及び第2制御部80は制御信号contの画質制御値Gを取得する。
高域周波数抽出フィルタ70は、高域周波数に相当する成分のうち、輪郭成分の中核的な周波数のみを抽出する。高域周波数抽出フィルタ70は、入力画像信号から所定の範囲の周波数成分を乗算器71に供給する。乗算器71は、高域周波数抽出フィルタ70からの出力信号に対して、制御信号contの画質制御値Gを乗算した輪郭成分補正信号を出力する。加算器72は、第2加算手段として機能し、平滑化フィルタ40からの平滑化信号と、乗算器71からの輪郭成分補正信号とを加算する。この加算器72の出力信号が第2制御部80に供給される。従って、この加算器72からの出力信号は、画質制御値Gに応じて輪郭成分の信号強度を制御し、これを平滑化信号に重畳した信号になる。
第2制御部80は、第3乗算器81、第4乗算器82及び、第3加算手段としての加算器83を備えている。第3乗算器81及び第4乗算器82は、制御信号生成手段30が生成した制御信号contが供給されて、画質制御値Gを取得する。第3乗算器81は、入力画像信号に対して画質制御値Gを乗算した信号を出力する。第4乗算器82は、加算器72からの出力信号に対して、「1−G」(画質制御値を用いて重み付けした値)を乗算した信号を出力する。加算器83には、第3乗算器81からの信号と第4乗算器82から信号とが供給され、これら信号を加算した信号を、第2制御部80の出力信号として出力する。この第2制御部80の出力信号が、第1制御部60の第2乗算器62に供給される。
本実施形態においては、上記第1実施形態における(1)〜(6)と同様な効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(7) 本実施形態では、制御信号生成手段30は、生成した制御信号contの画質制御値Gは、乗算器71及び第2制御部80に供給する。第2制御部80は、ノイズの状況に応じて変化する画質制御値Gに基づいて、第3乗算器81からの信号と第4乗算器82から信号とを加算する割合を変化させて、第1制御部60に供給する。第1制御部60は、フィルタ係数kに基づいて、第2制御部80からの出力信号に基づく平滑化調整信号と入力画像信号に基づく入力画像調整信号とを加算する割合を変化させた信号を、ノイズリダクション装置200の出力信号(画像出力信号)として出力する。このため、ブロック境界におけるノイズは、ブロック境界に位置する画素のエッジ変化量だけでなく、ノイズの状況に応じて変化する画質制御値Gからの調整が行なわれる。従って、より的確な信号を用いて画像を表示することができる。
(8) 本実施形態では、加算器72は、高域周波数抽出フィルタ70からの出力信号に対して画質制御値Gを乗算し、これを平滑化フィルタ40に加算して平滑化調整信号を生成する。平滑化フィルタ40は、ノイズはないが輪郭も損失している出力信号を出力する。このため、高域周波数成分に画質制御値Gを乗算した値を平滑化信号に加算することにより、ノイズの状況に応じて高域周波数成分を加えて生成される信号を第2制御部80に供給し、この信号に応じた出力を行なうことができる。
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、3つの閾値とエッジ変化量とを比較して基準係数dh(dv)を決定した。これに限らず、基準係数の算出方法は、他の方法であってもよい。例えば、エッジ変化量を変数とする基準係数の算出式に、算出したエッジ変化量を代入して基準係数を算出してもよい。
○ 上記実施形態においては、係数算出手段54は、ブロック境界からの画素の数を「n”」とした場合、「1/2」の(n”−1)乗のフィルタ係数kを算出する。これに限らず、ブロック境界からの画素数が大きくなるに従って、フィルタ係数kが小さくなるように設定されれば、他の算出方法を用いてもよい。更に、上記実施形態では、ブロック境界から画素が4つ以上離散した場合にはフィルタ係数kを「0」とした。フィルタ係数kを「0」とする画素数もこれに限られない。例えば、基準係数の大きさによってフィルタ係数kを「0」とする画素数を変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、平滑化フィルタ40を用いたが、モスキートノイズやブロックノイズのない信号の平坦領域だけを取り出すことができれば、これに限られない。例えば、カットオフの低い単純なローパスフィルタを採用することも可能である。また、本実施形態においては、9画素のメディアン値を、標準偏差を算出するための統計平均値Sとして用いたが、簡易手法によって統計平均値Sを求めてもよい。例えば、図3における3×3のブロックを構成する画素のうち、5つの画素(図3の入力画像信号の画素s1,s3,s5,s7,s9)のメディアン値と、残りの4つの画素(s2,s4,s6,s8)の平均値とを加算した値の半分の値を統計平均値Sとして用いてもよい。
○ 上記実施形態において、ばらつき量検出手段20は、平滑化フィルタ40の出力を用いて算出した。これに限らず、ばらつき量検出手段20は、ブロックの全画素の平均値として、単純な9画素の加算平均を用いてもよい。
○ 上記実施形態においては、制御信号生成手段30は、ばらつき量検出手段20が算出した標準偏差σを用いて、制御信号contの画質制御値Gを算出した。これに限らず、制御信号生成手段30は、標準偏差σに限られず、ばらつき量を示す値であれば、他のもの
であってもよい。例えば、標準偏差σの2乗の値である分散を用いて、制御信号contの値Gを算出してもよい。
第1実施形態のノイズリダクション装置の構成を説明するブロック図。 輪郭検出フィルタの構成を説明するための処理ブロック図。 ばらつき量検出手段の構成を説明する処理ブロック図。 制御信号生成手段の構成を説明する処理ブロック図。 パターン値決定手段の構成を説明する処理ブロック図。 輪郭検出信号及び標準偏差の大きさに応じた信号を説明するための説明図。 ブロック内のパターン値の分布を説明する説明図。 ブロック境界を特定する方法を説明するための説明図。 ブロック境界で隣接する画素のエッジ変化量を説明するための説明図。 エッジ変化量と基準係数との関係を説明する説明図。 画素とフィルタ係数との関係を説明するための説明図。 入力画像信号に基づいて表示を行なった画像を説明する説明図。 画像出力信号に基づいて表示を行なった画像を説明する説明図。 第2実施形態のノイズリダクション装置の構成を説明するブロック図。 従来技術におけるノイズリダクション装置の構成を説明する説明図。 従来技術におけるノイズリダクション装置の構成を説明する説明図。
符号の説明
dh,dv…基準係数、G…画質制御値、k…フィルタ係数、L…基準範囲、P0,P1…画素、10…輪郭検出手段としての輪郭検出フィルタ、20…分散量検出手段としてのばらつき量検出手段、30…制御信号生成手段、40…平滑化手段としての平滑化フィルタ、50…ブロックノイズ調整手段、51…パターン決定手段、52…ブロック境界検出手段としてのパターンマッチング手段、53…前後画素差分算出手段、54…係数算出手段、60…画像調整手段としての第1制御部、61…第1乗算器、62…第2乗算器、63…第1加算手段としての加算器、70…高域周波数抽出手段としての高域周波数抽出フィルタ、71…輪郭補正信号生成手段としての乗算器、72…第2加算手段としての加算器、80…第2制御部、81…第3乗算器、82…第4乗算器、83…第3加算手段としての加算器、100,200…画像信号処理装置としてのノイズリダクション装置。

Claims (5)

  1. 要素画素が2次元に並べられたブロックから構成された入力画像信号を取得し、この入力画像信号の高周波数成分を平滑化した平滑化信号を生成する平滑化手段と、
    前記入力画像信号における輪郭成分を検出する輪郭検出手段と、
    前記ブロック内の各要素画素のばらつき量を算出する分散量検出手段と、
    前記ブロック内の中心画素について、前記輪郭成分と前記ばらつき量との比較に基づいて画質制御値を算出する制御信号生成手段と、
    前記画質制御値を、画質制御値範囲の中間値を含む所定の基準範囲と比較することにより2値化した画素のパターン値を算出する手段と、
    前記パターン値のマップとブロック規定パターンとの比較により、前記ブロック規定パターンの周期的配置を検知してブロック境界を特定するブロック境界検出手段と、
    前記ブロック境界において隣接する画素の信号の差分値を算出する手段と、
    算出された差分値に応じて、前記平滑化信号と前記入力画像信号とを用いて画像出力信号を生成する画像調整手段と
    を備えたことを特徴とする画像信号処理装置。
  2. 前記ブロック境界において隣接する画素の信号の差分値に基づいて基準係数を算出する係数算出手段を更に備え、
    前記画像調整手段は、
    前記入力画像信号に対して、前記基準係数を用いて重み付けした値を乗算して入力画像調整信号を生成する第1乗算器と、
    前記平滑化信号に基づいて生成された信号に対して、前記基準係数を乗算して平滑化調整信号を生成する第2乗算器と、
    前記入力画像調整信号と前記平滑化調整信号とを加算して、前記画像出力信号を生成する第1加算手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。
  3. 前記係数算出手段は、算出した基準係数を用いて、前記ブロック境界からの画素数に応じて小さくなるフィルタ係数を算出し、
    前記第1乗算器は、算出した前記フィルタ係数を前記基準係数として用いて入力画像調整信号を生成し、
    前記第2乗算器は、算出した前記フィルタ係数を前記基準係数として用いて前記平滑化調整信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像信号処理装置。
  4. 前記入力画像信号から高域周波数成分を抽出する高域周波数抽出手段と、
    高域周波数成分と画質制御値とを乗算して輪郭成分補正信号を生成する輪郭補正信号生成手段と、
    前記平滑化信号と前記輪郭補正信号とを加算する第2加算手段と、
    入力画像信号に対して、前記画質制御値を乗算する第3乗算器と、
    前記第2加算手段の出力信号に対して、前記画質制御値を用いて重み付けした値を乗算する第4乗算器と、
    前記第3乗算器の出力信号と前記第4乗算器の出力信号とを加算して、前記平滑化信号に基づいて生成された信号として、前記第2乗算器に供給する第3加算手段とを更に備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像信号処理装置。
  5. 要素画素が2次元に並べられたブロックから構成された入力画像信号を取得し、この入力画像信号の高周波数成分を平滑化した平滑化信号を生成する平滑化段階と、
    前記入力画像信号における輪郭成分を検出する輪郭検出段階と、
    前記ブロック内の各要素画素のばらつき量を算出する分散量検出段階と、
    前記ブロック内の中心画素について、前記輪郭成分と前記ばらつき量との比較に基づいて画質制御値を算出する制御信号生成段階と、
    前記画質制御値を、画質制御値範囲の中間値を含む所定の基準範囲と比較することにより2値化した画素のパターン値を算出する段階と、
    前記パターン値のマップとブロック規定パターンとの比較により、前記ブロック規定パターンの周期的配置を検知してブロック境界を特定するブロック境界検出段階と、
    前記ブロック境界において隣接する画素の信号の差分値を算出する段階と、
    算出された差分値に応じて、前記平滑化信号と前記入力画像信号とを用いて画像出力信号を生成する画像調整段階と
    を備えたことを特徴とする画像信号処理方法。
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