JP2009116073A - ランプ発光制御方法、バラスト回路及びプロジェクタ - Google Patents

ランプ発光制御方法、バラスト回路及びプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】ランプバルブの点灯初期において投影される映像の品位を向上させること。
【解決手段】プロジェクタ10を始動するために、ランプ14に電流が通電され、ランプ電圧検出回路15が検出するランプ電圧VLが所定値以上となったときに、バラストマイコン16は、ランプパルス同期信号をランプパルス発生回路19に出力する。そして、ランプパルス発生回路19はそのランプパルス同期信号を受けてランプパルスの印加処理を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ランプ発光制御方法、バラスト回路及びプロジェクタに係り、特に、プロジェクタの高圧放電灯の電流にランプパルスを印加する制御を行うランプ発光制御方法、バラスト回路及びプロジェクタに関する。
近年のプロジェクタの性能向上はめざましく、映像の高輝度化や高精細化、映像調整能力の向上などのために様々な技術が投入されている。たとえば、高輝度化についていえば、投光用の高圧放電灯には、超高圧仕様の高圧水銀ランプが採用されるケースが増えている。また、速い動きに対する追従や色再現性が良好なDLP(Digital Light Processing;登録商標)が採用されている。
そのような技術の一つに、ランプパルスがある。ランプパルスとは常時一定のDCランプ電流に対して、ある一定期間(例えば1〜2msec幅で周波数180Hz)だけ、そのDCランプ電流が1.2〜1.5倍程度の電流となる電流パルスをいう。
そしてランプパルスを適用した一例として、(直流)タイプの高圧水銀ランプにおいて、フリッカ抑制のためにランプパルスを使用した定電力制御がある(たとえば、特許文献1参照)。このランプパルスをDCランプ電流に印加させることにより、ランプパルスがランプ電極に作用し、高圧水銀ランプのフリッカが抑制される。
また、DLP(Digital Light Processing;登録商標)プロジェクタのようにR(Red)、G(Green)、B(Blue)、W(White)のカラーフィルタにて時分割し合成して所望の色を出力するシステムのプロジェクタでは、ランプパルスを特定のカラーフィルタに印加し、明るさモード、色味モードというように色味を改善させる技術も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2004−212890号公報 特開2006−349912号公報
ところで、上述のランプパルスの重畳処理は非常に効果的な技術であるが、以下のような課題が残っていた。つまり、一般に、ランプパルスは、ランプ電圧がある一定以上(たとえば、54V以上)になったときに印加するように制御されている。ランプ電圧の上昇時間はランプ個体差や仕様によって異なるため、ランプパルスが印加されるタイミングも高圧水銀ランプによって異なる。
その結果、ランプ電圧上昇が遅い高圧水銀ランプの場合、高圧水銀ランプが点灯し映像が出たときに、まだランプパルスが印加されておらず色味バランスのおかしな映像となってしまうことがある。さらに、その後しばらくしてランプパルスが印加されるため、その印加のタイミングで色味バランスが変化し、ユーザが違和感を抱いてしまうことがある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決することができるランプ発光制御方法、バラスト回路及びプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明のランプ発光制御方法は、プロジェクタに備わる直流タイプの高圧放電灯に通電する電流にランプパルスを印加して、前記高圧放電灯の消費電力が定電力となるように制御するランプ発光制御方法であって、前記高圧放電灯に通電が開始されてから、前記高圧放電灯に印加される電圧が所定の規定電圧まで上昇する途中であって映像投影処理前の所定の期間内に前記ランプパルスの印加を開始することを特徴とする。
前記ランプパルスの印加は、前記映像投影処理のための初期設定動作期間内に開始されるようにすることができる。
また、前記ランプパルスの印加は、前記高圧放電灯の点灯が検知されたタイミングで開始されるようにすることができる。
本発明のバラスト回路は、プロジェクタに備わる直流タイプの高圧放電灯に通電する電流に印加するランプパルスを制御するバラスト回路であって、前記高圧放電灯に通電が開始されてから、前記高圧放電灯に印加される電圧が所定の規定電圧まで上昇する途中であって映像投影処理前の所定の期間内に前記ランプパルスの印加を開始するタイミングを決定するパルス印加制御手段を有することを特徴とする。
また、前記高圧放電灯の点灯を検知するランプ点灯検知手段を有し、前記パルス印加制御手段は、前記ランプ点灯検知手段において、前記高圧放電灯の点が検知されたときに、前記ランプパルスの印加を開始するようにすることができる。
本発明のプロジェクタは、請求項4又は5に記載のバラスト回路を備えることを特徴とする。
本発明のランプ発光制御方法、バラスト回路及びプロジェクタによれば、映像が投影される前にランプパルスが印加されるようにし、投影画面の映像バランスが崩れず、ユーザが違和感を抱くことを回避できるようにしたので、ランプバルブの点灯初期において投影される映像の品位を向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態では、プロジェクタの高圧放電灯である高圧水銀ランプに通電が開始された後、投影処理前の所定のタイミングで、高圧水銀ランプに通電する電流にランプパルスを印加して重畳させる。これによって、ランプパルスが重畳されることにより、投影されている映像の色味等が変化したり、フリッカが認識されてしまうことを防止するようにしている。
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ10の概略の回路構成を、主にバラスト回路50の構成に着目して模式的に示したブロック図である。プロジェクタ10はDLP方式のプロジェクタである。このプロジェクタ10は、高圧水銀ランプ(以下、単に「ランプ」という)14と、ランプ14の発光駆動を制御するバラスト回路50と、外部回路60とから構成されている。
なお、本実施形態では、主にランプ14の発光駆動に関する制御について説明する。そのため、プロジェクタ10の画像信号の出力制御機構については、公知の技術を用いているので図示及び説明を省略する。
外部回路60は、プロジェクタ10の各構成要素を統括的に制御するメインマイコン111と、バラスト回路50を介してランプ14に電力を供給するための電源回路61と、カラーホイール113と、カラーホイール回転検出センサ112とを備える。
図2は、カラーホイール113の概略構成を示した図である。図示のように、カラーホイール113は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)、W(White)の4色のカラーフィルタを備え一定の高速度で回転するように制御される。そして、ロッドレンズ115はカラーホイール113の各色のフィルタによってフィルタリングされたランプ光を取り込む。
本実施形態のようにDLP方式のプロジェクタ10では、時分割にて各色を合成して画像を作り出すため、ロッドレンズ115にて取り込む光は単一色となるように制御されている。そのため、一般的には、各色のフィルタの境界部分にロッドレンズ115があるときのランプ光は投影されない。
図1の説明に戻る。カラーホイール回転検出センサ112は、回転位置を検知して、メインマイコン111はどのような色の光がロッドレンズ115に取り込まれているか判断する。
つづいてバラスト回路50について説明する。バラスト回路50は、バラスト入力電源11、DC−DCコンバータ12、ランプ電流検出抵抗13、ランプ電圧検出回路15、バラストマイコン16、アンプ回路17、コンパレータ18、ランプパルス発生回路19、DC−DCコンバータ制御回路110を備えている。バラストマイコン16、ランプパルス発生回路19、コンパレータ18、DC−DCコンバータ制御回路110の各モジュールが協働してパルス印加制御手段として機能する。
バラスト入力電源11は、電源回路61から供給される電源電圧を所定の直流電流に変換してランプ14に供給する。
より具体的には、DC−DCコンバータ12が、バラスト入力電源11とランプ14の間の経路に設けられている。バラスト入力電源11よりDC−DCコンバータ12へたとえば約380Vの電圧が入力され、DC−DCコンバータ12はPWM(パルス幅変調)制御によって、ランプ14に供給される電力が定電力となるように制御する。また、ランプ14に供給される電流にはランプパルスが重畳される。
ランプパルスは、後述のように、外部回路60のメインマイコン111から出力されてバラストマイコン16に入力されたランプパルス同期信号に従って印加される。図3は、ランプパルスの印加タイミング(波形)をカラーフィルタとの関係を時系列に示した図である。ここでは、カラーフィルタが「W(White)」のときに、ランプパルスが印加されているが、これに限る趣旨ではなく、出力する映像に対してどのような効果を与えたいかにより変わる。
また、ランプ電圧検出回路15は、ランプ電圧VLを検出し、検出したランプ電圧VL値をバラストマイコン16に入力する。
また、バラストマイコン16は、入力されたランプ電圧VLからランプ電力が定電力となるようなランプ電流基準信号(定電力ランプ電流基準信号Iref)を作成し、ランプパルス発生回路19へ出力する。さらに、バラストマイコン16にはメインマイコン111よりランプパルス同期信号が入力され、このランプパルス同期信号もランプパルス発生回路19へ出力される。
ただし、このランプパルス同期信号はランプ点灯時のランプ電圧VLが低いときについては、ランプパルスを発生させないようにランプパルス同期信号を出力しない。一般には、ランプ電圧検出回路15が検出するランプ電圧VLが所定値以上となったときに、バラストマイコン16は、ランプパルス同期信号をランプパルス発生回路19に出力する。
このランプパルス同期信号として最初に出力される信号が、ランプ14が点灯した旨を意味するランプ点灯検知信号となり、ランプ電圧検出回路15がランプ点灯検出手段として機能する。ランプ電圧VLの所定値として、たとえばランプ14の放電が、アーク放電が完全に移っていると想定されるタイミングの電圧であってもよい。一般には、ランプ電圧VLが低いときはグロー放電からアーク放電に移行しているときであるためランプ電圧VLが不安定であり、ランプパルスが印加されても実質的な効果が薄い。
ランプパルス発生回路19は、ランプパルスが印加される期間については定電力ランプ電流基準信号Irefを1.2倍から1.5倍程度に増幅し、ランプパルスが印加されない期間は1倍にて、コンパレータ18に出力する。
一方、ランプ電流はランプ電流検出抵抗13によって電圧値として検出され、アンプ回路17によって増幅される。この増幅された信号がランプ電流信号ILであり、このランプ電流信号ILとランプパルス発生回路19より出力された定電力ランプ電流基準信号Irefとがコンパレータ18で比較され、その比較結果がDC−DCコンバータ制御回路110に入力される。
DC−DCコンバータ制御回路110は、ランプ電流信号ILが定電力ランプ電流基準信号Irefより大きい場合はランプ電力が小さくなる方向に、ランプ電流信号ILが定電力ランプ電流基準信号Irefより小さい場合はランプ電力が大きくなる方向にとなるようにDC−DCコンバータ12を制御する。
以上のような構成によって、ランプ電力を定電力に制御するとともに、ランプパルスを発生させている。
以下、ランプパルスの印加タイミングについて、従来より一般例として実施されている制御と対比させながら説明する。
図4は、本実施形態における、ランプ14に通電開始されたときのランプ電圧VLの上昇とランプパルスの印加のタイミングを示す図である。図5は、一般例のランプ電圧VLの上昇とランプパルスの印加のタイミングを示す図である。図4及び図5では、ランプ電圧VLの上昇速度が速いランプAと遅いランプBについて例示している。
まず、一般例におけるランプ点灯時のランプパルス発生タイミングについて説明する。図5に示すように、ランプ電圧VLがある一定値(ランプパルス印加開始スレッシュ電圧)以上となったときにランプパルスを印加開始している。
ランプAでは、ランプ電圧VLの上昇速度が速く、ランプ電圧VLがランプパルス印加開始スレッシュ電圧に達する時間が早い。このため、ランプパルスも早く印加開始され、映像が投影されるまでにランプパルスが印加されるため、色味バランスの乱れは発生しない。
ランプBでは、ランプ電圧VLの上昇速度が遅く、ランプ電圧VLがランプパルス印加開始スレッシュ電圧に達する時間が遅い。このため、ランプパルスが印加開始される時間が遅くなる。よって、映像が投影された後にランプパルスが印加されるので、映像が投影されたときの色味とランプパルスが印加された後の色味が異なってしまう。
なお、ランプAのようにランプ電圧VLの上昇速度が速い場合には、ランプパルス印加開始スレッシュ電圧に達する時間が40秒程度である。現在市場に投入されているプロジェクタにあっては、投影開始前に外部回路60で行われる初期設定処理の必要とされる時間は、40秒を超えているため、ランプパルスの印加開始によって色味の変化は生じないが、今後、初期設定処理が短縮された場合には、ランプAの場合でも、ランプパルスの印加開始が投影開始後になってしまう懸念がある。
つづいて、図4を元に、本実施形態で提案する技術のランプ点灯時のランプパルス発生タイミングについて説明する。
本実施形態では、ランプ点灯検知信号をランプパルス印加のトリガとしている。そして、ランプ点灯検知信号はバラストマイコン16で生成されメインマイコン111に出力している。メインマイコン111は、このランプ点灯検知信号が入力された後に映像を投影するための処理(初期設定処理)を行っている。
ランプ点灯検知信号は、一般には5〜6秒あれば十分にランプ電圧検出回路15から出力され、速い場合は2〜3秒程度で出力される。したがって、ランプ点灯検知信号をランプパルス印加のトリガとせずに、予め設定した時間、たとえば6秒をランプパルス印加開始のタイミングとしてもよい。
その場合、バラストマイコン16は、バラスト入力電源11から通電開始の指示信号を出した時からの経過時間をカウントすればよい。また、ランプ14への通電開始後、15秒経過時点でランプパルスが印加された場合でかつ既に投光が開始されていると、ランプパルスの印加に伴うフリッカや色味の変化といった映像の質の変化が視認されるケースが確認されている。また、10秒以内であれば、そのような映像の質の変化は視認されなかった。したがって、ランプ14の通電開始を基準に所定時間経過後、ランプパルスの印加開始する構成の場合、15秒以内、好ましくは10秒以内にランプパルスの印加を開始すればよい。
以上のように、本実施形態によれば、ランプ14にランプパルスを印加させるトリガを、ランプ電圧ではなく、「ランプ点灯検知信号」としている。したがって、ランプ点灯検知信号が検知された時点では、プロジェクタ10からは投光されないので、ユーザはランプパルスの印加開始に伴う映像の質の変化を視認することはない。また、ランプ点灯検知信号が検知されてから所定の短期間内にランプパルスの印加開始をする場合でも、通常は、初期設定処理中で投光が開始されていないか、投光が開始されていた場合であってもランプ14の光量は小さいので映像の質の変化が視認されることがない。
なお、以上の実施形態は、あくまでも一例であり、たとえば高圧放電灯として、メタルハライドランプや高圧ナトリウムランプにも適用できる。
本実施形態に係る、プロジェクタの概略の回路構成を、主にバラスト回路50の構成に着目して模式的に示したブロック図である。 本実施形態に係る、カラーホイールの概略構成を示した図である。 本実施形態に係る、ランプパルスの印加タイミング(波形)をカラーフィルタとの関係で時系列に示した図である。 本実施形態に係る、ランプに通電開始されたときのランプ電圧VLの上昇とランプパルスの印加のタイミングを示す図である。 一般例のランプ電圧VLの上昇とランプパルスの印加のタイミングを示す図である。
符号の説明
10 プロジェクタ
11 バラスト入力電源
12 DC−DCコンバータ
13 ランプ電流検出抵抗
14 ランプ
15 ランプ電圧検出回路
16 バラストマイコン
17 アンプ回路
18 コンパレータ
19 ランプパルス発生回路
50 バラスト回路
60 外部回路
61 電源回路
110 DC−DCコンバータ制御回路
111 メインマイコン
112 カラーホイール回転検出センサ
113 カラーホイール

Claims (6)

  1. プロジェクタに備わる直流タイプの高圧放電灯に通電する電流にランプパルスを印加して、前記高圧放電灯の消費電力が定電力となるように制御するランプ発光制御方法であって、
    前記高圧放電灯に通電が開始されてから、前記高圧放電灯に印加される電圧が所定の規定電圧まで上昇する途中であって映像投影処理前の所定の期間内に前記ランプパルスの印加を開始することを特徴とするランプ発光制御方法。
  2. 前記ランプパルスの印加は、前記映像投影処理のための初期設定動作期間内に開始されることを特徴とする請求項1に記載のランプ発光制御方法。
  3. 前記ランプパルスの印加は、前記高圧放電灯の点灯が検知されたタイミングで開始されることを特徴とする請求項1に記載のランプ発光制御方法。
  4. プロジェクタに備わる直流タイプの高圧放電灯に通電する電流に印加するランプパルスを制御するバラスト回路であって、
    前記高圧放電灯に通電が開始されてから、前記高圧放電灯に印加される電圧が所定の規定電圧まで上昇する途中であって映像投影処理前の所定の期間内に前記ランプパルスの印加を開始するタイミングを決定するパルス印加制御手段を有することを特徴とするバラスト回路。
  5. 前記高圧放電灯の点灯を検知するランプ点灯検知手段を有し、
    前記パルス印加制御手段は、前記ランプ点灯検知手段において、前記高圧放電灯の点が検知されたときに、前記ランプパルスの印加を開始する
    ことを特徴とする請求項4に記載のバラスト回路。
  6. 請求項4又は5に記載のバラスト回路を備えることを特徴とするプロジェクタ。
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