JP2009114576A - ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラム - Google Patents

ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラム Download PDF

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Abstract

【課題】特に耐久性に優れた、ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラムを提供する。
【解決手段】ダイヤフラムの補強布を構成する補強繊維コードが、繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトンで構成される繊維の紡績糸で構成されており、かつ、該紡績糸の平均繊維長が300〜2000mmであることを特徴とするダイヤフラム用補強繊維コード。
Figure 2009114576

【選択図】なし

Description

本発明はダイヤフラム用補強繊維コード並びに該補強繊維コードで補強されたダイヤフラムに関するものであり、特に耐久性に優れたダイヤフラム用補強繊維コード並びに該補強繊維コードで補強されたダイヤフラムに関する。
本出願人は、先に特許文献1において、ポリケトンで構成される繊維(以下「ポリケトン繊維」という。)の紡績糸を提案しており、高強度で、優れた外観と風合を有し、工程通過性等の加工性に優れた紡績糸であり、その一例として、平均繊維長が10〜200mmの牽切紡績糸を開示している。この紡績糸の用途として、ダイヤフラム等のゴム補強材に有用としているが、ダイヤフラムの特に耐久性の向上については、何ら検討されていなかった。
特開2003−082542号公報
本発明は、特に耐久性に優れた、ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラムを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)ダイヤフラムの補強布を構成する補強繊維コードが、繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトンで構成される繊維の紡績糸で構成されており、かつ、該紡績糸の平均繊維長が300〜2000mmであることを特徴とするダイヤフラム用補強繊維コード。
Figure 2009114576
(2)紡績糸が、牽切紡績糸であることを特徴とする上記(1)記載のダイヤフラム用補強繊維コード。
(3)上記(1)又は(2)記載のダイヤフラム用補強繊維コードで補強されたことを特徴とするダイヤフラム。
本発明によれば、特に耐久性に優れた、ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラムが提供される。
本発明について以下に具体的に説明する。
本発明において、ダイヤフラムとは、相対運動を行う内外の2部分に取り付けられ、変形して相対運動に対応する膜状シールのことをいう。用途としては、自動制御機器の操作部や自動車のブレーキチェンバ等に使用される空気圧、油圧操作部用途、サンダース弁等に使用される弁の接液部用途、ポンプ用途、都市ガスやプロパンガスのメーター(計量計)等に使用される計量器用途が挙げられる。
ダイヤフラムの具体例としては、ハウジング内に狭着されたダイヤフラムに上部センタープレート及び下部センタープレートを介し、作動軸およびスプリングを設置した構造となっている。そして、ダイヤフラムによって、画成された上部室および下部室に流体を交互に流入、流出させることによって、流体の制御を行うものである。
かかるダイヤフラムは、補強布の片面又は両面にゴム層を設けた構造が主流となってきているが、本発明のダイヤフラム用補強繊維コードは、補強布の片面又は両面にゴム層を設けた構造のダイヤフラムにおいて、補強布を構成する補強繊維コードとして用いられるものであり、また該コードで補強されたダイヤフラムを提供するものである。
本発明のポリケトン繊維を構成するポリケトンは、繰り返し単位の95モル%以上、好ましくは98モル%以上、特に99.6モル%以上が、上記式(1)で示されるものである。上記ポリケトンには、5モル%未満の範囲で、上記式(1)以外の繰り返し単位、例えば、下記式(2)に示すもの等を含有していても良い。
Figure 2009114576
但し式中、Rは、エチレン以外の炭素数1〜30の有機基であり、例えば、プロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等の基であり、Rの水素原子の一部または全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基で置換されていてもよい。もちろん、Rは二種以上であってもよく、例えば、プロピレン基と1−フェニルエチレン基が混在していてもよい。
ポリケトンの固有粘度[η]は、好ましくは1dl/g以上、より好ましくは2dl/g以上、特に好ましくは4dl/g以上であり、好ましくは20dl/g以下、より好ましくは15dl/g以下、特に好ましくは10dl/g以下である。
尚、固有粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値である。
Figure 2009114576
式中のt及びTは、それぞれヘキサフルオロイソプロパノール(セントラル硝子(株)社製)及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。Cは、上記希釈溶液の濃度であり、ヘキサフルオロイソプロパノール100ml中のポリケトンの質量(g)である。
ポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含有させてもよい。
ポリケトン繊維の形態は、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、扁平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある。)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
次に、ポリケトン繊維の好ましい特性としては、引張強度は5cN/dtex以上、より好ましくは10cN/dtex以上、特に好ましくは15cN/dtex以上であり、30cN/dtex以下であり、引張伸度は3%以上、より好ましくは3.5%以上、特に好ましくは4%以上であり、15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは8%以下、特に好ましくは6%以下であり、引張弾性率は100cN/dtex以上、より好ましくは200cN/dtex以上、特に好ましくは300cN/dtex以上であり、1000cN/dtex以下である。
ポリケトン繊維の好ましい単糸繊度は、0.01〜10dtex、より好ましくは0.1〜3dtex、特に好ましくは0.5〜3dtexの範囲である。
本発明は、かかるポリケトン繊維の紡績糸を用いたダイヤフラム用補強繊維コードであって、この紡績糸の平均繊維長が300〜2000mmであることが必要であり、好ましくは350mm以上、さらに好ましくは400mm以上、特に好ましくは450mm以上であり、好ましくは1700mm以下、さらに好ましくは1500mm以下、特に好ましくは1200mm以下である。平均繊維長が300mm未満、並びに2000mm超では、本発明の目的が達成されない。
本発明では、紡績糸としては、牽切紡績糸が好ましく、特に平均繊維長をLとした時に、1.5L以上の長さの短繊維が10〜25%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、1.5L以上の長さの短繊維は12%以上、特に好ましくは15%以上であり、23%以下、特に好ましくは20%以下の割合で含有することが好ましい。
ここで、平均繊維長Lとは、ステープルダイヤグラムにおける繊維長と繊維本数を掛け合わせた数を全繊維本数で除した値であり、1.5L以上の長さの短繊維が10〜25%の割合で含有するとは、1.5L以上の長さの短繊維の繊維本数を全繊維本数で除した値が10〜25%であることを意味する。
1.5L以上の長さの短繊維の割合が10%未満並びに25%超では、耐久性が低下することがある。
さらには、0.5L以下の長さの短繊維が10%以上が好ましく、より好ましくは15%以上であり、25%以下、特に20%以下の割合で含有することが好ましく、10%未満並びに25%超では、耐久性が低下することがある。
紡績糸の総繊度は、30〜1100dtex、特に55〜800dtexの範囲が好ましい。
又、紡績糸は追撚して用いてもよく、追撚や下撚数や上撚数の撚係数(K)としては1000〜10000が好ましく、より好ましくは1500以上であり、3000以下、特に好ましくは2500以下の範囲で選定すればよい。又、常法によって、例えば、複数本を下撚し、次いで上撚により双糸や三子にしたり、又、2本以上の紡績糸を合糸し、次いで、旋回性抱合ノズルによって抱合して用いてよく、これらの組み合わせも利用できる。
ここで、撚係数(K)は、下記式で得られる値である。
撚係数(K)=追撚数×紡績糸の総繊度(dtex)1/2
本発明で用いる紡績糸は、精紡後の紡績糸に加えて、サイロスパンやサイロフィル、コアヤーン等の複合紡績糸を含むものであり、特にポリケトン繊維を芯部に配置した芯鞘構造糸(鞘部は、下記の混用する繊維として例示したものが挙げられる。)が好ましい。
又、本発明で用いる紡績糸は、ポリケトン繊維100%でもよいが、必要に応じて、好ましくは50質量%以下の範囲で、ポリケトン繊維以外の繊維、例えば、綿、羊毛等の天然繊維、レーヨン繊維、ライオセル繊維等のセルロース繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維(パラ系、メタ系)、ポリビニルアルコール繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、超高分子量ポリオレフィン繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、金属繊維等公知の各種繊維(長繊維でも短繊維でも良く、これらを組み合わせて用いても良い。)と交撚、混繊等により混用しても良い。
本発明で用いる紡績糸を製造する好適な方法としては、図1に例示したものが挙げられ、ポリケトン繊維のトウ又はマルチフィラメントAを、供給ニップローラー1の前で引き揃え重ね合わされながら、供給ニップローラー1を通過した後、シューター2の中で牽切ニップローラー3により同時に引きちぎられ、ドラフトされながら均一に牽切され短繊維束を得る。次いで、吸引性空気ノズル4で牽切ニップローラー3から引きちぎられ、さらに、旋回性抱合ノズル5によって、絡みの付与とともに短繊維の毛羽を巻き付けて結束部を付与させた後、デリベリローラー6により引き取られ、短繊維の毛羽がランダムに巻きついた糸条7となる。
又、図1に例示した工程を2系列設けて、各々、旋回性抱合ノズル5によって、絡みの付与とともに短繊維の毛羽を巻き付けて結束部を付与された後、両者を合糸し、さらに別の旋回性抱合ノズル(図示せず)によって、抱合してからデリベリローラー6により引き取ってもよい。
このようにして得られた紡績糸を、常法によって、例えば、下撚次いで上撚により双糸や三子にしたり、又、2本以上の紡績糸を合糸し、次いで、旋回性抱合ノズルによって抱合して用いてよく、これらの組み合わせも利用できる。
さらに、牽切して得られた短繊維束を、別途、常法に従って、一般的な練条、粗紡、精紡工程を通して紡績糸としてもよく、特にリング精紡糸は、よりソフト風合のものとなり好ましいものである。
又、牽切するに際しては、従前のパーロック式、ターボ式を利用してもよい。
本発明において、1.5L以上の長さの短繊維を10〜25%の割合にする方法としては、例えば、牽切時のドラフトを低く設定する方法や、供給ニップローラー1と牽切ニップローラー3の間に正多角形のミドルローラーを設ける方法等が挙げられる。
尚、この方法は、0.5L以下の長さの短繊維を10〜25%の割合にする方法としても適したものである。
本発明のダイヤフラム用補強繊維コードは、かかるポリケトン繊維の紡績糸で構成されているものであるが、ダイヤフラム用補強繊維コードとして用いるに際しては、RFL処理されていてもよい。
RFL処理とは、レゾルシンとホルマリンとラテックスを含む混合液で処理することをいい、RFL樹脂の好ましい付着量は、繊維に対して1〜10質量%、特に2〜7質量%の範囲がよい。
好ましいホルマリン(F)とレゾルシン(R)とのモル比(F/R)は1.0〜2.2、特に好ましくは1.0〜1.9、全ラテックスの固形分質量(L)に対するレゾルシンおよびホルマリン総質量(RF)の割合(RF/L)は5〜25質量%、特に5〜17質量%が好ましく、さらに、水酸化ナトリウムおよび水酸化アンモニウムの総量とレゾルシン(R)とのモル比(NaOH+NH4OH/R)は、0.21以下が好ましい。
ラテックスの種類は、ダイヤフラムのゴム膜を構成するゴム組成物に対応したラテックスが好ましく、例えば、ゴム組成物としては、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロルスルホン化ポリエチレン(CSM)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンジエン系ゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPT)、フッ素ゴム、シリコンゴム、フロロシリコンゴム、イソプレンゴム、ノルボルネンゴム、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エチレンアクリルゴム(AEM)、水素添加アクリロニトリルゴム(HNBR)、アクリロニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(UR)等の1種又は2種以上のブレンドゴムが用いられるものであり、これらのゴム組成物に対応したラテックスが挙げられる。
又、RFL処理に先立って、エポキシやイソシアネート化合物で前処理してもよい。
RFL処理の方法としては、ポリケトン繊維の紡績糸に施してもよいし、又、ポリケトン繊維の長繊維を必要に応じて撚糸した状態でRFL処理し、次いで、カットして短繊維を得て紡績糸となすのもよい。撚数は、下記式で示される撚係数(K1)で100〜700が好ましいが、30000程度でもよい。
T1=K1/D1/2
T1=撚数(T/m)、D=RFL処理に供給する糸条の繊度(dtex)
又、ダイヤフラム用補強繊維コードや補強布となした後、RFL処理してもよい。
本発明は、かかる紡績糸をダイヤフラム用補強繊維コードとして用いるものであり、該補強繊維コードを用いて補強布となし、その片面(加圧側)又は両面にゴム層を設けることによってダイヤフラムとなすものである。
ダイヤフラムは、空気圧では100〜600kPa、油圧では500kPa〜5MPa程度で使用され、ダイヤフラムの厚みとしては、0.25〜4mm程度が一般的であるが、計量器用では、0.15〜0.25mmと薄いものも使用される。
補強布としては、一般的な編織物が利用できるが、例えば、織物では、平、綾、朱子織物、三軸又は四軸等の多軸織物等が挙げられるが、粗目の補強布、例えば、織物では、紗、絽、紗と絽を組み合わせた変則絽(ほら絽)等のからみ織物や模紗等を使用すると布目(布目の空隙率は、10〜40%程度が好ましい。)を通して、補強布の両面のゴム層が一体化させることもできる。
ゴム層を構成するゴム組成物としては、前記したものが挙げられるが、特に高温加硫するには、エチレンプロピレンジエン系ゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPT)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(AEM)、水素添加アクリロニトリルゴム(HNBR)等の耐熱ゴムの1種又は2種以上を主成分とするものが好ましい。又、エチレンプロピレンゴム(EPT)、フッ素ゴム、シリコンゴム、イソプレンゴム、NBR、ノルボルネンゴム等形状記憶性を有するゴム組成物を用いてもよく、形状記憶性を有するゴム組成物の選定は、該ゴム組成物の変態温度とダイヤフラムの使用温度とを考慮して選定すればよい。
かかるゴム組成物には、加硫剤(有機過酸化物、樹脂、アミン類)、促進剤(加硫促進剤)、補強剤としてのカーボン、酸化亜鉛、等、可塑剤としてのアロマチック系オイル、老化防止剤、離型剤、分散剤、硬化剤、粘着性調整剤、増量剤、着色剤等が必要に応じて添加される。
このようなゴム組成物よりなる未加硫ゴムをトッピングした補強布、又は、補強布と未加硫ゴムを重ね合わせた板状成形品を金型に入れプレス加硫する。さらに、深い皿形や転動形では、成形型を使用して、製品に近い形状にゴムおよび又は補強布を成形する。加硫は、両面金型、片面金型、片面ブラダ、ゴム型等を使用する。
尚、必要に応じて、補強布の片面又は両面に、接着剤をディッピング等により塗布してもよく、接着剤としては、ゴム層を構成するゴム組成物に応じて選定すればよいが、例えば、NBRの場合はメタントリイソシアネート等のイソシアネート系接着剤、フッ素ゴムの場合はアミノシラン接着剤等のシラン系接着剤が挙げられる。
尚、例えば屋外で強い紫外線を受けることによってポリケトン繊維の引張強度等の低下を抑制する目的で、繊維又は紡績糸や織物の形態で紫外線吸収剤(例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の一種又は二種以上の組み合わせがある。)及び/又は紫外線遮蔽剤(例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム等の微粒子があり、平均粒径は0.01〜0.6μmが好ましい。)を含有させることが好ましい。含有させる方法としては、例えば、繊維又は紡績糸や織物に紫外線吸収剤及び/又は紫外線遮蔽剤を含有した樹脂やフィルムを付与又は被覆する方法があり、紫外線吸収剤及び/又は紫外線遮蔽剤の含有量は、樹脂やフィルムの質量に対して0.001〜10質量%が好ましい。
本発明を実施例などに基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
本発明における測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)繊維の引張強度、引張伸度、引張弾性率
JIS−L−1013に準じて測定する。
サンプル長:20cm、引張速度:20cm/分で測定し、20回測定した時の平均値を求める。
(2)紡績糸の引張強度
撚係数5450で撚糸した糸条を測定する。
撚係数(K)=撚数×紡績糸の総繊度(dtex)1/2
(3)ダイヤフラムの耐久性テスト
ハウジング内に狭着されたダイヤフラムに上部センタープレート及び下部センタープレートを介し、作動軸およびスプリングを設置した構造で、ダイヤフラムによって、画成された上部室および下部室に流体を交互に流入、流出させることによって、流体の制御を行う圧力応動装置を用いて、ダイヤフラムが破壊されるまでの回数を測定した。上部室および下部室に交互に0.1MPaの圧力を負荷し、温度100℃で、30回/分の速度で測定した。
(4)ダイヤフラムの作製
実施例で得られた紡績糸3本を、各々Z方向に40回/10cmの下撚を施し、合糸してS方向に40回/10cmの上撚を施して補強繊維コードを得る。
この補強繊維コードをRFL処理した後、平織物の経糸及び緯糸に用い(経糸及び緯糸の打ち込み本数55本/5cm)、補強布を作製する。
得られた補強布に、合成有機シリコーンをメタノールで1質量%に希釈した接着剤溶液をディッピングにより塗布した。
次いで、0.3mmに予備成形した未加硫フロロシリコンゴムと積層して170℃、15MPaの条件で加硫してダイヤフラムを作製する。
[実施例1]
図1に示す装置を用いて、1670dtex/1250fのポリケトン繊維マルチフィラメント糸(旭化成せんい(株)社製;商標サイバロン;引張強度18cN/dtex、引張伸度5%、引張弾性率350cN/dtex)を、供給ニップローラー1とシューター2と牽切ニップローラー3との間(牽切長120cm)で、約3.3倍(牽切時のドラフト)で300m/分の速度で引きちぎり短繊維束を得、引き続いて、吸引性空気ノズル4と旋回性抱合ノズル5に通して、絡みの付与とともに短繊維の毛羽を巻き付けて結束部が付与された500dtexの紡績糸を得た。
得られた紡績糸の強度13.6cN/dtex、平均繊維長(L)450mm、1.5L以上並びに0.5L以下の割合は16〜18%であった。
得られた紡績糸を用いて補強繊維コードを得、該補強繊維コードを用いたダイヤフラムの耐久性テストの結果は、200万回以上と優れたものであった。
[実施例2〜4、比較例1〜2]
実施例1において、牽切長を変化させて、平均繊維長(L)が変化した短繊維束を得、実施例1と同様にして紡績糸を得た。次いで、得られた紡績糸を用いて補強繊維コードを得、該補強繊維コードを用いたダイヤフラムの耐久性テストの結果は、平均繊維長(L)が300mmのもの(実施例2)は、紡績糸の強度13.6cN/dtex、180万回、平均繊維長(L)が1200mmのもの(実施例3)は、紡績糸強度13.8cN/dtex、200万回以上、平均繊維長(L)が2000mmのもの(実施例4)は、紡績糸強度13.8cN/dtex、190万回と優れたものであった。
平均繊維長(L)が250mmのもの(比較例1)は、紡績糸強度13.4cN/dtex、110万回と実施例対比に劣ったものであった。又、平均繊維長(L)が2200mmのもの(比較例2)は、紡績糸強度13.8cN/dtex、150万回と実施例に対比して劣ったものであった。
[実施例5]
実施例1で得られた短繊維束を、常法に従い、リング精紡して得られたリング紡績糸は、強度13.5cN/dtexであった。得られた紡績糸を用いて実施例1と同様にして得られた補強繊維コードを得た。該補強繊維コードを用いたダイヤフラムの耐久性テストの結果は、200万回以上と実施例1と同様に優れたものであった。
本発明は、特に耐久性に優れた、ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラムを提供するものである。
本発明の牽切紡績糸を製造する方法の一例を示す装置の側面図である。
符号の説明
A:トウ又はマルチフィラメント
1:供給ニップローラー
2:シューター
3:牽切ニップローラー
4:吸引性空気ノズル
5:旋回性抱合ノズル
6:デリベリローラー
7:糸条

Claims (3)

  1. ダイヤフラムの補強布を構成する補強繊維コードが、繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトンで構成される繊維の紡績糸で構成されており、かつ、該紡績糸の平均繊維長が300〜2000mmであることを特徴とするダイヤフラム用補強繊維コード。
    Figure 2009114576
  2. 紡績糸が、牽切紡績糸であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム用補強繊維コード。
  3. 請求項1又は2に記載のダイヤフラム用補強繊維コードで補強されたことを特徴とするダイヤフラム。
JP2007287973A 2007-11-06 2007-11-06 ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラム Withdrawn JP2009114576A (ja)

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