JP2009097100A - 空気バネ用補強繊維コード並びに空気バネ - Google Patents

空気バネ用補強繊維コード並びに空気バネ Download PDF

Info

Publication number
JP2009097100A
JP2009097100A JP2007267423A JP2007267423A JP2009097100A JP 2009097100 A JP2009097100 A JP 2009097100A JP 2007267423 A JP2007267423 A JP 2007267423A JP 2007267423 A JP2007267423 A JP 2007267423A JP 2009097100 A JP2009097100 A JP 2009097100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air spring
reinforcing fiber
spun yarn
fiber cord
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007267423A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Yanai
孝 谷内
Kenji Hamamatsu
健治 浜松
Shinichi Okajima
真一 岡嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Fibers Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Fibers Corp filed Critical Asahi Kasei Fibers Corp
Priority to JP2007267423A priority Critical patent/JP2009097100A/ja
Publication of JP2009097100A publication Critical patent/JP2009097100A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

【課題】特に耐久性に優れた、空気バネ用補強繊維コード並びに該コードで補強された空気バネを提供する。
【解決手段】繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトンで構成される繊維の紡績糸で構成された空気バネ用補強繊維コードであって、この紡績糸の平均繊維長が300〜2000mmであることを特徴とする空気バネ用補強繊維コード。
【化1】
Figure 2009097100

【選択図】なし

Description

本発明は空気バネ用補強繊維コード並びに該補強繊維コードで補強された空気バネに関するものであり、特に耐久性に優れた空気バネ用補強繊維コード並びに該補強繊維コードで補強された空気バネに関する。
本出願人は、先に特許文献1において、ポリケトンで構成される繊維(以下「ポリケトン繊維」という。)の紡績糸を提案しており、高強度で、優れた外観と風合を有し、工程通過性等の加工性に優れた紡績糸であり、その一例として、平均繊維長が10〜200mmの牽切紡績糸を開示している。この紡績糸の用途として、空気バネ等のゴム補強材に有用としているが、空気バネの特に耐久性の向上については、何ら検討されていなかった。
特開2003−082542号公報
本発明は、特に耐久性に優れた、空気バネ用補強繊維コード並びに該コードで補強された空気バネを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトンで構成される繊維の紡績糸で構成された空気バネ用補強繊維コードであって、該紡績糸の平均繊維長が300〜2000mmであることを特徴とする空気バネ用補強繊維コード。
Figure 2009097100
(2)紡績糸が、牽切紡績糸であることを特徴とする上記(1)記載の空気バネ用補強繊維コード。
(3)上記(1)又は(2)記載の空気バネ用補強繊維コードで補強されたことを特徴とする空気バネ。
本発明によれば、特に耐久性に優れた、空気バネ用補強繊維コード並びに該コードで補強された空気バネが提供される。
本発明について以下に具体的に説明する。
本発明において、空気バネとしては、ベローズ形、ダイヤフラム形および複合形が挙げられ、鉄道車両や各種産業機器、自動車(乗用車、トラック、バス等)用エアサスペンション等、例えば、自動車のサスペンション、トラックのキャビンのサスペンション、座席用シートのサスペンション等に用いられるものである。
空気バネの具体例としては、トラック用では、上面板と下面板と、これらにそれぞれ上端と下端が固定されたゴム膜(ゴムベローズ)とで、空気室が画成されており、上面板の中央部に設けられた吸気孔より空気を注入し、所定の圧力に設定される。そしてピストンの上昇により空気室の内圧が高められ、空気バネとして作用するものが挙げられる。
又、アッパーブレートとピストンとの間に筒状のゴム膜の両端を取り付けて、これら三者間内に空気が給排される空気室を設けたものが挙げられる。筒状のゴム膜としては、蛇腹状のベローズを用い、アッパーブレートの一部分に空気給排用の穴が形成されており、ピストン側にはストッパゴムを設けてある。このストッパゴムは、空気バネがパンクした時に応急的に荷重を支え、車両であれば、空気バネを交換するまで走行できるようにされており、又、空気バネの補助バネとして空気バネの撓みが大きくなった時にバネとして機能を果たしつつ荷重を支えるものである。
本発明の空気バネ用補強繊維コードは、かかる空気バネの空気室を構成するゴム膜を補強するために用いられるものであり、該コードで補強されたゴム膜で空気室が構成された空気バネを提供するものである。
本発明のポリケトン繊維を構成するポリケトンは、繰り返し単位の95モル%以上、好ましくは98モル%以上、特に99.6モル%以上が、上記式(1)で示されるものである。上記ポリケトンには、5モル%未満の範囲で、上記式(1)以外の繰り返し単位、例えば、下記式(2)に示すもの等を含有していても良い。
Figure 2009097100
但し式中、Rは、エチレン以外の炭素数1〜30の有機基であり、例えば、プロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等の基であり、Rの水素原子の一部または全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基で置換されていてもよい。もちろん、Rは二種以上であってもよく、例えば、プロピレン基と1−フェニルエチレン基が混在していてもよい。
ポリケトンの固有粘度[η]は、好ましくは1dl/g以上、より好ましくは2dl/g以上、特に好ましくは4dl/g以上であり、好ましくは20dl/g以下、より好ましくは15dl/g以下、特に好ましくは10dl/g以下である。
尚、固有粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値である。
Figure 2009097100
式中のt及びTは、それぞれヘキサフルオロイソプロパノール(セントラル硝子(株)社製)及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。Cは、上記希釈溶液の濃度であり、ヘキサフルオロイソプロパノール100ml中のポリケトンの質量(g)である。
ポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含有させてもよい。
ポリケトン繊維の形態は、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、扁平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある。)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
次に、ポリケトン繊維の好ましい特性としては、引張強度は5cN/dtex以上、より好ましくは10cN/dtex以上、特に好ましくは15cN/dtex以上であり、30cN/dtex以下であり、引張伸度は3%以上、より好ましくは3.5%以上、特に好ましくは4%以上であり、15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは8%以下、特に好ましくは6%以下であり、引張弾性率は100cN/dtex以上、より好ましくは200cN/dtex以上、特に好ましくは300cN/dtex以上であり、1000cN/dtex以下である。
ポリケトン繊維の好ましい単糸繊度は、0.01〜10dtex、より好ましくは0.1〜3dtex、特に好ましくは0.5〜3dtexの範囲である。
本発明は、かかるポリケトン繊維の紡績糸を用いた空気バネ用補強繊維コードであって、この紡績糸の平均繊維長が300〜2000mmであることが必要であり、好ましくは350mm以上、さらに好ましくは400mm以上、特に好ましくは450mm以上であり、好ましくは1700mm以下、さらに好ましくは1500mm以下、特に好ましくは1200mm以下である。平均繊維長が300mm未満、並びに2000mm超では、本発明の目的が達成されない。
本発明では、紡績糸としては、牽切紡績糸が好ましく、特に平均繊維長をLとした時に、1.5L以上の長さの短繊維が10〜25%の割合で有することが好ましく、より好ましくは、1.5L以上の長さの短繊維は12%以上、特に好ましくは15%以上であり、23%以下、特に好ましくは20%以下の割合で有することが好ましい。
ここで、平均繊維長Lとは、ステープルダイヤグラムにおける繊維長と繊維本数を掛け合わせた数を全繊維本数で除した値であり、1.5L以上の長さの短繊維が10〜25%の割合で有するとは、1.5L以上の長さの短繊維の繊維本数を全繊維本数で除した値が10〜25%であることを意味する。
1.5L以上の長さの短繊維の割合が10%未満並びに25%超では、耐久性が低下することがある。
さらには、0.5L以下の長さの短繊維が10%以上が好ましく、より好ましくは15%以上であり、25%以下、特に20%以下の割合で有することが好ましく、10%未満、並びに25%超では、耐久性が低下することがある。
紡績糸の総繊度は、30〜1100dtex、特に55〜800dtexの範囲が好ましい。
又、紡績糸は追撚して用いてもよく、追撚や下撚数や上撚数の撚係数(K)としては1000〜10000が好ましく、より好ましくは1500以上、3000以下、特に好ましくは2500以下の範囲で選定すればよい。又、常法によって、例えば、複数本を下撚し、次いで上撚により双糸や三子にしたり、又、2本以上の紡績糸を合糸し、次いで、旋回性抱合ノズルによって抱合して用いてよく、これらの組み合わせも利用できる。ここで撚係数(K)は、下記式で得られる値である。
撚係数(K)=追撚数×紡績糸の総繊度(dtex)1/2
本発明で用いる紡績糸は、精紡後の紡績糸に加えて、サイロスパンやサイロフィル、コアヤーン等の複合紡績糸を含むものであり、特にポリケトン繊維を芯部に配置した芯鞘構造糸(鞘部は、下記の混用する繊維として例示したものがある。)が好ましい。
又、本発明で用いる紡績糸は、ポリケトン繊維100%でもよいが、必要に応じて、好ましくは50質量%以下の範囲で、ポリケトン繊維以外の繊維、例えば、綿、羊毛等の天然繊維、レーヨン繊維、ライオセル繊維等のセルロース繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維(パラ系、メタ系)、ポリビニルアルコール繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、超高分子量ポリオレフィン繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、金属繊維等公知の各種繊維(長繊維でも短繊維でも良く、これらを組み合わせて用いても良い。)と交撚、混繊等により混用しても良い。
本発明で用いる紡績糸を製造する好適な方法としては、図1に例示したものが挙げられ、ポリケトン繊維のトウ又はマルチフィラメントAを、供給ニップローラー1の前で引き揃え重ね合わされながら、供給ニップローラー1を通過した後、シューター2の中で牽切ニップローラー3により同時に引きちぎられ、ドラフトされながら均一に牽切され短繊維束を得る。次いで、吸引性空気ノズル4で牽切ニップローラー3から引きちぎられ、さらに、旋回性抱合ノズル5によって、絡みの付与とともに短繊維の毛羽を巻き付けて結束部を付与させた後、デリベリローラー6により引き取られ、短繊維の毛羽がランダムに巻きついた糸条7となる。
又、図1に例示した工程を2系列設けて、各々、旋回性抱合ノズル5によって、絡みの付与とともに短繊維の毛羽を巻き付けて結束部を付与された後、両者を合糸し、さらに別の旋回性抱合ノズル(図示せず)によって、抱合してからデリベリローラー6により引き取ってもよい。
このようにして得られた紡績糸を、常法によって、例えば、下撚次いで上撚により双糸や三子にしたり、又、2本以上の紡績糸を合糸し、次いで、旋回性抱合ノズルによって抱合して用いてよく、これらの組み合わせも利用できる。
さらに、牽切して得られた短繊維束を、別途、常法に従って、一般的な練条、粗紡、精紡工程を通して紡績糸としてもよく、特にリング精紡糸は、よりソフト風合のものとなり好ましいものである。
又、牽切するに際しては、従前のパーロック式、ターボ式を利用してもよい。
本発明において、1.5L以上の長さの短繊維を10〜25%の割合にする方法としては、例えば、牽切時のドラフトを低く設定する方法や、供給ニップローラー1と牽切ニップローラー3の間に正多角形のミドルローラーを設ける方法などが挙げられる。
尚、この方法は、0.5L以下の長さの短繊維を10〜25%の割合にする方法としても適したものである。
本発明の空気バネ用補強繊維コードは、かかるポリケトン繊維の紡績糸で構成されているものであるが、空気バネ用補強繊維コードとして用いるに際しては、RFL処理されていてもよい。
RFL処理とは、レゾルシンとホルマリンとラテックスを含む混合液で処理することをいい、RFL樹脂の好ましい付着量は、繊維に対して1〜10質量%、特に2〜7質量%の範囲がよい。
好ましいホルマリン(F)とレゾルシン(R)とのモル比(F/R)は1.0〜2.2、特に好ましくは1.0〜1.9、全ラテックスの固形分質量(L)に対するレゾルシンおよびホルマリン総質量(RF)の割合(RF/L)は5〜25質量%、特に5〜17質量%が好ましく、さらに、水酸化ナトリウムおよび水酸化アンモニウムの総量とレゾルシン(R)とのモル比(NaOH+NH4OH/R)は、0.21以下が好ましい。
ラテックスの種類は、空気バネのゴム膜を構成するゴム組成物に対応したラテックスが好ましく、例えば、ゴム組成物としては、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロルスルホン化ポリエチレン(CSM)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンジエン系ゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エチレンアクリルゴム(AEM)、水素添加アクリロニトリルゴム(HNBR)、アクリロニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(UR)等の1種又は2種以上のブレンドゴムが用いられるものであり、これらのゴム組成物に対応したラテックスが挙げられる。
又、RFL処理に先立って、エポキシやイソシアネート化合物で前処理してもよい。
RFL処理の方法としては、ポリケトン繊維の紡績糸に施してもよいし、又、ポリケトン繊維の長繊維を必要に応じて撚糸した状態でRFL処理し、次いで、カットして短繊維を得て紡績糸となすのもよい。撚数は、下記式で示される撚係数(K1)で100〜700が好ましいが、30000程度でもよい。
T1=K1/D1/2
T1=撚数(T/m)、D=RFL処理に供給する糸条の繊度(dtex)
又、空気バネ用補強繊維コードや空気バネの繊維コード織物となした後、RFL処理してもよい。
本発明は、かかる紡績糸を空気バネ用補強繊維コードとして用いるものであり、空気バネ用補強繊維コードの総繊度は、トラック、バス、鉄道用空気バネでは、1500〜5500dtex、乗用車用空気バネでは、300〜1600、特に400〜1500dtexの範囲が好ましい。
補強繊維コードおよび補強繊維コード層は、本発明の空気バネ用補強繊維コード100%で構成するのが好ましいが、必要に応じて、50質量%以下の範囲で、他の補強繊維コード(上記した本発明の紡績糸に混用する繊維で構成された補強繊維コード)と混用してもよく、例えば、混用する各補強繊維コードを下撚し、次いで、これらの下撚糸を上撚する方法があり、下撚数と上撚数の比は0.5〜1.5が好ましく、特に0.8〜1.2が好ましい。又、補強繊維コード層の経糸において、1〜数本交互に混用してもよい。
通常、空気バネの空気室を構成するゴム膜は、多数本の補強繊維コードをゴム膜本体の周方向に対して傾斜させ、互いに平行に配列してなる補強繊維コード層(繊維コード織物)で補強されており、補強繊維コード層は、2枚積層されており、1枚目と2枚目は補強繊維コード方向が左右対称に傾斜して配置されているものである。
従って、本発明の空気バネ用補強繊維コードは、一方向に対して所定の角度で並列配置される。この補強繊維コードの打ち込み本数は、トラック、バス、鉄道用空気バネでは、40〜80本/5cm、乗用車用空気バネでは、90〜150本/5cmの範囲が好ましい。
ゴム膜を構成するゴム組成物としては、前記したものが挙げられるが、特に高温加硫するには、エチレンプロピレンジエン系ゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(AEM)、水素添加アクリロニトリルゴム(HNBR)等の耐熱ゴムの1種又は2種以上を主成分とするものが好ましい。
かかるゴム組成物には、加硫剤(有機過酸化物、樹脂、アミン類)、促進剤(加硫促進剤)、補強剤としてのカーボン、酸化亜鉛、等、可塑剤としてのアロマチック系オイル、老化防止剤、離型剤、分散剤、硬化剤、粘着性調整剤、増量剤、着色剤等が必要に応じて添加される。
このようなゴム組成物よりなる未加硫ゴム間に、本発明の空気バネ用補強繊維コードを介在させ、常法に従い、加硫成形することによりゴム膜を製造することができる。
ゴム膜の厚さは、トラック、バス用空気バネでは4〜7mm、鉄道用空気バネでは5〜12mm、乗用車用空気バネでは、2〜3mmの範囲が好ましい。
ゴム膜の製法としては、本発明の空気バネ用補強繊維コードを用いて、通常は、経糸に用いてすだれ織物を作製する。すだれ織物の緯糸は、本発明の空気バネ用補強繊維コードを用いてもよいが、上記した本発明の紡績糸に混用する繊維、例えば、ナイロン繊維や、必要に応じて50〜200%程度の高伸度の繊維等を用いてもよい。
補強繊維コードの太さは、トラック、バス、鉄道用空気バネでは、0.5〜1.2mm程度、乗用車用空気バネでは、0.2〜0.4mm程度である。得られた織物(通常は、RFL処理された織物。)2枚を用い、各々CR系、NR/SBR系等の接着ゴムを両面コートし、コーティング反2枚をすだれ織物の経糸方向が所定の交叉角度で交叉するように、経糸方向が左右対称となるように積層し、さらに、この積層シートの両面にCR系、NR/SBR系等のカバーゴムを積層して所定条件下で加熱加硫する。接着ゴムの厚みは、トラック、バス、鉄道用空気バネでは、0.25〜0.35mm程度、乗用車用空気バネでは、0.2〜0.25mm程度であり、カバーゴムの厚みは、トラック、バス、鉄道用空気バネでは、2〜4mm程度、乗用車用空気バネでは、0.6〜0.8mm程度である。
尚、例えば屋外で強い紫外線を受けることによってポリケトン繊維の引張強度等の低下を抑制する目的で、繊維又は紡績糸や織物の形態で紫外線吸収剤(例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の一種又は二種以上の組み合わせがある。)及び/又は紫外線遮蔽剤(例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム等の微粒子があり、平均粒径は0.01〜0.6μmが好ましい。)を含有させることが好ましい。含有させる方法としては、例えば、繊維又は紡績糸や織物に紫外線吸収剤及び/又は紫外線遮蔽剤を含有した樹脂やフィルムを付与又は被覆する方法があり、紫外線吸収材及び/又は紫外線遮蔽剤の含有量は、樹脂やフィルムの質量に対して0.001〜10質量%が好ましい。
本発明を実施例などに基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
本発明における測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)繊維の引張強度、引張伸度、引張弾性率
JIS−L−1013に準じて測定する。
サンプル長:20cm、引張速度:20cm/分で測定し、20回測定した時の平均値を求める。
(2)紡績糸の引張強度
撚係数5450で撚糸した糸条を測定する。
撚係数(K)=撚数×紡績糸の総繊度(dtex)1/2
(3)ゴム膜の耐久性テスト(トラック、バス、鉄道用)
JIS−D−4101(空気バネ用ゴムベローズ試験方法)に基づいて測定した。
<測定条件>
内圧(MPa) ;0.7
ストローク(mm) ;±80
速度(回転数rpm);60
温度 ;常温
(4)トラック、バス、鉄道用空気バネのゴム膜の作製
実施例で得られた紡績糸3本を、各々Z方向に40回/10cmの下撚を施し、合糸してS方向に40回/10cmの上撚を施して補強繊維コードを得る。この補強繊維コードをRFL処理した後、すだれ織物の経糸に用い(打ち込み本数55本/5cm)、緯糸には300dtexのナイロン6繊維を用いて(打ち込み本数4本/5cm)、すだれ織物を作製する。
得られたすだれ織物2枚を用い、各々0.3mmのNR/SBR系接着ゴムを両面コートし、コーティング反2枚をすだれ織物の経糸方向が所定の交叉角度で交叉するように、経糸方向が左右対称となるように積層し、さらに、この積層シートの両面に各々2.5mmのNR/SBR系カバーゴムを積層して155℃、1.5MPaの条件で20分加硫してゴム膜を作製する。
[実施例1]
図1に示す装置を用いて、1670dtex/1250fのポリケトン繊維マルチフィラメント糸(旭化成せんい(株)社製;商標サイバロン;引張強度18cN/dtex、引張伸度5%、引張弾性率350cN/dtex)を、供給ニップローラー1とシューター2と牽切ニップローラー3との間(牽切長120cm)で、約3.3倍(牽切時のドラフト)で300m/分の速度で引きちぎり短繊維束を得、引き続いて、吸引性空気ノズル4と旋回性抱合ノズル5に通して、絡みの付与とともに短繊維の毛羽を巻き付けて結束部が付与された500dtexの紡績糸を得た。
得られた紡績糸の強度13.6cN/dtex、平均繊維長(L)450mm、1.5L以上並びに0.5L以下の割合は16〜18%であった。
得られた紡績糸を用いて補強繊維コードを得、該補強繊維コードを用いたゴム膜の耐久性テストの結果は、200万回以上と優れたものであった。
[実施例2〜4、比較例1〜2]
実施例1において、牽切長を変化させて、平均繊維長(L)が変化した短繊維束を得、実施例1と同様にして紡績糸を得た。次いで、得られた紡績糸を用いて補強繊維コードを得、該補強繊維コードを用いたゴム膜の耐久性テストの結果は、平均繊維長(L)が300mmのもの(実施例2)は、紡績糸の強度13.6cN/dtex、180万回であり、平均繊維長(L)が1200mmのもの(実施例3)は、紡績糸強度13.8cN/dtex、200万回以上であり、平均繊維長(L)が2000mmのもの(実施例4)は、紡績糸強度13.8cN/dtex、190万回と優れたものであった。
平均繊維長(L)が250mmのもの(比較例1)は、紡績糸強度13.4cN/dtex、110万回と実施例に対比して劣ったものであった。又、平均繊維長(L)が2200mmのもの(比較例2)は、紡績糸強度13.8cN/dtex、150万回と実施例に対比して劣ったものであった。
[実施例5]
実施例1で得られた短繊維束を、常法に従い、リング精紡して得られたリング紡績糸は、強度13.5cN/dtexであった。得られた紡績糸を用いて実施例1と同様にして得られた補強繊維コードを得た。該補強繊維コードを用いたゴム膜の耐久性テストの結果は、200万回以上と実施例1と同様に優れたものであった。
本発明は、特に耐久性に優れた、空気バネ用補強繊維コード並びに該コードで補強された空気バネを提供するものである。
本発明の紡績糸を製造する方法の一例を示す側面図である。
符号の説明
A:トウ又はマルチフィラメント
1:供給ニップローラー
2:シューター
3:牽切ニップローラー
4:吸引性空気ノズル
5:旋回性抱合ノズル
6:デリベリローラー
7:糸条

Claims (3)

  1. 繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトンで構成される繊維の紡績糸で構成された空気バネ用補強繊維コードであって、該紡績糸の平均繊維長が300〜2000mmであることを特徴とする空気バネ用補強繊維コード。
    Figure 2009097100
  2. 紡績糸が、牽切紡績糸であることを特徴とする請求項1に記載の空気バネ用補強繊維コード。
  3. 請求項1又は2に記載の空気バネ用補強繊維コードで補強されたことを特徴とする空気バネ。
JP2007267423A 2007-10-15 2007-10-15 空気バネ用補強繊維コード並びに空気バネ Withdrawn JP2009097100A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007267423A JP2009097100A (ja) 2007-10-15 2007-10-15 空気バネ用補強繊維コード並びに空気バネ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007267423A JP2009097100A (ja) 2007-10-15 2007-10-15 空気バネ用補強繊維コード並びに空気バネ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009097100A true JP2009097100A (ja) 2009-05-07

Family

ID=40700373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007267423A Withdrawn JP2009097100A (ja) 2007-10-15 2007-10-15 空気バネ用補強繊維コード並びに空気バネ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009097100A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020521065A (ja) * 2017-05-19 2020-07-16 グスタフ・エルンストマイアー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト 蛇腹用の支持材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020521065A (ja) * 2017-05-19 2020-07-16 グスタフ・エルンストマイアー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト 蛇腹用の支持材
JP7142032B2 (ja) 2017-05-19 2022-09-26 グスタフ・エルンストマイアー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト 蛇腹用の支持材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1918609A1 (en) Fibrous reinforcement for air suspension and air suspension
EP2588515B1 (de) Artikel, insbesondere schlauch, insbesondere wiederum ladeluftschlauch, mit einem eingebetteten festigkeitsträger auf der basis eines polyoxadiazols
EP2439319B1 (en) Poly(ethyleneterephthalate) tire-cord, their preparation method and tire comprising the same
KR101403201B1 (ko) 아라미드 섬유 코드 및 그 제조방법
WO2010011086A2 (en) Poly(ethyleneterephthalate) tire cord, and tire comprising the same
CN109844194A (zh) 合股捻绳及其制造方法以及传动带及其使用方法
JP7128218B2 (ja) 軽量化されたゴム補強材の製造方法
US6855423B2 (en) Wrapped cord
EP2761068A2 (en) Method for manufacturing poly(ethyleneterephthalate) drawn fiber, poly(ethyleneterephthalate) drawn fiber and tire-cord
WO2012132975A1 (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維及びその製造方法
KR20060126101A (ko) 하이브리드 타이어 코오드 및 이의 제조방법
JP4502589B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009097100A (ja) 空気バネ用補強繊維コード並びに空気バネ
JP2007154385A (ja) ゴム補強用複合コード及び繊維強化ゴム材料
JP2009155761A (ja) 空気バネ用補強繊維コード並びに該コードで補強された空気バネ
JP2008190092A (ja) 補強用嵩高糸
JP2009102766A (ja) 伝動ベルト心線用補強繊維コード並びに該コードで補強された伝動ベルト
JP2009114576A (ja) ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラム
KR20210004876A (ko) 타이어 코드용 원사 및 타이어 코드
KR20100000767A (ko) 타이어 카카스용 합사 pbo 섬유코드
JP2009144298A (ja) ホース用補強繊維コード並びに該コードで補強されたホース
KR101312798B1 (ko) 타이어 코드지 및 그 제조방법
JP2009167575A (ja) ダイヤフラム用補強繊維コード並びに該コードで補強されたダイヤフラム
JP2009084725A (ja) 伝動ベルト用補強繊維コード並びに伝動ベルト
KR102505299B1 (ko) 타이어 코드, 그 제조방법 및 이를 포함하는 타이어

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110104