JP2009114382A - 紫外線硬化型粘着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(メタ)アクリル系重合体(A成分)、重合性不飽和基を有するカルボン酸及びそのオリゴマーのうちの少なくとも1種(B成分)、光重合開始剤(D成分)及び溶剤(E成分)を構成成分として含み、前記A成分は、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜−55℃、重量平均分子量(Mw)が100,000〜1,000,000の範囲内のものであり、前記A成分及び前記B成分の総量を100質量部とした場合に、前記A成分を50〜99質量部、前記B成分を1〜49質量部、前記D成分を0.5〜30質量部、前記E成分を100〜900質量部を含有する紫外線硬化型粘着剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明の第1の実施形態は、(メタ)アクリル系重合体(A成分)、重合性不飽和基を有するカルボン酸及びそのオリゴマーのうちの少なくとも1種(B成分)、光重合開始剤(D成分)及び溶剤(E成分)を構成成分として含む紫外線硬化型粘着剤組成物である。以下、成分毎に説明する。
「(メタ)アクリル系重合体」とは、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位(以下、「単量体X由来の繰り返し単位」を単に「X単位」と記す場合がある。)を含む重合体である。なお、本明細書において「主鎖」というときは、(メタ)アクリル系重合体において最も炭素数の多い炭素鎖を意味するものとする。
A成分は、前記(メタ)アクリル系単量体の中でも、(メタ)アクリル酸エステル類由来の繰り返し単位を含むものが好ましく、エチルアクリレート、ブチルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレート由来の繰り返し単位を含むものがより好ましく、エチルアクリレート又はブチルアクリレート由来の繰り返し単位を含むものが更に好ましく、エチルアクリレート由来の繰り返し単位を含むものが特に好ましい。これらの繰り返し単位を含ませることによって、良好な粘着特性を発揮させることが可能となるからである。
また、A成分は、反応性官能基が修飾された反応性重合体であってもよい。例えば、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に(メタ)アクリロイル骨格を含む(メタ)アクリロイル系官能基及びアルコキシシリル骨格を含むアルコキシシリル系官能基のうちの少なくとも一種を有する変性(メタ)アクリル系重合体を用いることが好ましい。
A成分は、その重量平均分子量(Mw)が100,000〜1,000,000の範囲内のものである。重量平均分子量をこの範囲内とすることによって、溶媒との混和性が良好となり組成物の調製が容易となる他、粘着剤とした際に被着体への糊残りが少なく、被着体を汚染し難いという好ましい効果が発揮される。重量平均分子量が100,000未満であると、粘着剤とした際に被着体への糊残りが増加し、被着体を汚染する傾向があるため好ましくない。一方、1,000,000を超えると、溶媒との混和性が不良となる傾向があるため好ましくない。
(1)GPC測定装置;高速GPC装置HLC−8820(商品名、東ソー社製)、
(2)カラム;TSK−GELシリーズ(商品名、東ソー社製)、
(3)移動相;THF、
(4)流量;1ml/min.、
(5)カラム温度;40℃、
(6)検出器;RI、UV、
(7)換算;ポリスチレン。
A成分は、そのガラス転移温度(Tg)が0℃〜−55℃の範囲内のものである。ガラス転移温度をこの範囲内とすることによって、粘着剤とした際に適度な粘着性能が発現される。ガラス転移温度が0℃を超えると、粘着剤とした際に粘着強度が低下したり、溶媒との混和性の低下に伴って塗工性が低下したりする傾向があるため好ましくない。一方、−55℃未満であると、粘着剤とした際に被着体への糊残りが増加し、被着体を汚染する傾向があるため好ましくない。これらの効果をより確実に得るためには、ガラス転移温度が0℃〜−50℃の範囲内であるものが好ましく、0℃〜−40℃の範囲内であるものが更に好ましい。
1/TgP=r1/TgM1+r2/TgM2… +rn/TgMn :(1)
(但し、TgP:重合体Pのガラス転移温度(K)、TgM1:単量体M1の単独重合体のガラス転移温度(K)、TgM2:単量体M2の単独重合体のガラス転移温度(K)、TgM3:単量体Mnの単独重合体のガラス転移温度(K)、r1:重合体Pにおける単量体M1単位の質量分率、r2:重合体Pにおける単量体M2単位の質量分率、rn:重合体Pにおける単量体Mn単位の質量分率)
A成分の含有量は、A成分の重合体の構造、被着体の種類、要求される粘着特性等によっても異なるが、A成分及びB成分の総量を100質量部とした場合に、50〜99質量部とすることが必要である。含有量が50質量部未満であると、粘着力が低下する傾向があるため好ましくない。一方、99質量部を超えると、凝集力不足により粘着層の耐久性が低下する傾向があるため好ましくない。
第1の実施形態の組成物は、重合性不飽和基を有するカルボン酸及びそのオリゴマーのうちの少なくとも1種(B成分)を含む。B成分を含有させることにより、粘着物性の発現に養生が不要となり(無養生性)、耐熱・耐湿熱条件下においても粘着特性が低下し難い粘着組成物を得ることができる。
本発明の組成物は、光重合開始剤(D成分)を構成成分として含有する。光重合開始剤とは、重合系に添加しておくと、光照射によって重合反応を惹起する作用を有する添加剤を意味する。即ち、D成分は紫外線の照射を契機としてB成分の重合反応を惹起し、B成分に由来する重合体やA成分とB成分の架橋物の形成に寄与する。このような性質により、硬化された被膜を形成させることができる。
本発明の組成物は、溶剤(E成分)を構成成分として含有する。E成分を含有させることにより、塗工性を向上させることができ、塗工の際にムラが発生し易い等の不具合を効果的に防止することができる。
本発明の組成物は、前記構成成分以外に紫外線吸収剤(F成分)を含有していてもよい。F成分を配合することにより、強力な化学作用を有する紫外線を遮蔽し、粘着層より下層側に存在する物質の酸化や変質の抑制、或いは有機物の分解による劣化(変色、退色、脆化等)を抑制するという好ましい効果が発揮される(以下、「紫外線遮蔽性」と記す場合がある)。
本発明の組成物は、前記構成成分以外にシランカップリング剤(G成分)を含有していてもよい。G成分を配合することにより、ガラス等の被着体との接合用途において良好な粘着性を発揮させることができる。また、G成分を含有することにより、B成分の量が少ない場合でも、耐熱・耐湿熱条件下においても粘着特性が低下し難い粘着組成物を得ることができる。
本発明の組成物には、前記各成分以外に、老化防止剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、粘着付与剤(タッキファイヤー)、光安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、保存安定剤、熱重合禁止剤、可塑剤、濡れ性改良剤等、粘着剤組成物に添加されることがある添加剤を必要に応じて配合することもできる。これらの添加剤の含有量は、本発明の組成物の目的を阻害しない範囲で、適宜決定すればよい。
本発明の第2の実施形態は、(メタ)アクリル系重合体(A成分)、重合性不飽和基を有するカルボン酸及びそのオリゴマーのうちの少なくとも1種(B成分)、B成分以外の重合性不飽和基を有する化合物(C成分)、光重合開始剤(D成分)及び溶剤(E成分)を構成成分として含む紫外線硬化型粘着剤組成物である。即ち、第1の実施形態に係る組成物の構成成分にC成分を加えたものである。以下の説明では、第1の実施形態と重複する事項については記載を割愛し、C成分の内容とC成分と他の成分との関係を中心に説明する。
「重合性不飽和基」とは、重合性を有する不飽和結合、即ち、ビニル基等の重合性二重結合、アセチレン基等の重合性三重結合等を意味する。これらの不飽和結合は重合性を有する限り、その構造は特に限定されるものではない。例えば、シクロヘキセニル基のように、環状構造の一部を構成しているものであってもよい。
本発明の組成物は、A成分、B成分、D成分、E成分、必要に応じてC成分及びその他の添加剤を所定の比率で混合することにより得ることができる。
本発明の組成物はそのままの状態で塗工に供することができる。例えば、アプリケーター等の従来公知の塗工装置により被着体の表面に塗工した後、乾燥により有機溶剤を除去し、次いで、D成分(光重合開始剤)の種類に応じた紫外線を照射することにより、粘着剤塗膜を形成すればよい。
まず、A成分の(メタ)アクリル系重合体を調製した。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた四口丸底フラスコに水300部を入れ、分散安定剤としてポリビニルアルコール0.7部を攪拌溶解し、エチルアクリレート55部、ブチルアクリレート17.5部、メチルメタクリレート15部、アクリロニトリル10部、ヒドロキシエチルアクリレート2.5部からなる単量体混合物と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部を一括投入し、懸濁液を作製した。70度で4時間反応後、反応物を固液分離し、水で充分に洗浄した後、乾燥機を用いて70℃で12時間乾燥し、アクリル系重合体(A−1)(重量平均分子量33.5万、ガラス転移温度−8℃)を得た。次いで、メチルエチルケトン233部に溶解させ、アクリル系重合体(A−1)溶液(固形分30%、粘度1000mPa・s(25℃))を得た。その評価結果を表2に示す。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、エチルアクリレート87部、アクリロニトリル3.5部、2ヒドロキシエチルアクリレート9.5部、及びメチルエチルケトン233部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を加え、80度で3時間反応後、アクリル系重合体(A−2)溶液(重量平均分子量28.4万、ガラス転移温度−20℃、固形分30%、粘度1000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた四口丸底フラスコに水300部を入れ、分散安定剤としてポリビニルアルコール0.7部を攪拌溶解し、ブチルアクリレート77部、アクリロニトリル16部、ヒドロキシエチルアクリレート7部からなる単量体混合物と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部を一括投入し、懸濁液を作製した。70度で4時間反応後、反応物を固液分離し、水で充分に洗浄した後、乾燥機を用いて70℃で12時間乾燥し、アクリル系重合体(A−3)(重量平均分子量47.3万、ガラス転移温度−36℃)を得た。次いで、メチルエチルケトン233部に溶解させ、アクリル系重合体(A−3)溶液(固形分30%、粘度5000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、2エチルへキシルアクリレート70部、アクリロニトリル10部、2ヒドロキシエチルアクリレート10部、及びメチルエチルケトン233部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を加え、80度で3時間反応後、アクリル系重合体(A−4)溶液(重量平均分子量77.1万、ガラス転移温度−55℃、固形分30%、粘度5000mPa・s(25℃))を得た。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、参考例1の(メタ)アクリル系共重合体(A−1)100部(固形樹脂分)に対し、反応触媒(ジブチル錫ラウレート)0.1部を仕込み、撹拌しながら40℃に加熱した。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系化合物の種類を2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:カレンズMOI、昭和電工社製)に変更し、(メタ)アクリロイル基の修飾率及びトリエトキシシリル基の修飾率の条件を変更したことを除いては参考例5と同様にして変性(メタ)アクリル系重合体を得た(A−6,A−7成分)。その評価結果を表2に示す。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、エチルアクリレート65部、アクリロニトリル29部、2ヒドロキシエチルアクリレート6部、及びメチルエチルケトン400を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を加え、80度で3時間反応後、アクリル系重合体(A−8)溶液(重量平均分子量42.5万、ガラス転移温度7℃、固形分20%、粘度6000mPa・s(25℃))を得た。
市販のアクリル系共重合体(商品名:アルフォンUH2000、固形分100%、アクリル樹脂、重量平均分子量1.1万、ガラス転移温度−55℃、東亞合成社製)を重合体(A−9成分)とした。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、2エチルへキシルアクリレート70部、アクリロニトリル10部、2ヒドロキシエチルアクリレート10部、及びメチルエチルケトン400部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.01部を加え、80度で5時間反応後、アクリル系重合体(A−10)溶液(重量平均分子量150万、ガラス転移温度−55℃、固形分20%、粘度8000mPa・s(25℃))を得た。
重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量をGPC法で測定した。
重合体のガラス転移温度をJIS K7121(プラスチックの転移温度測定方法)に準拠して測定した。
重合体のメタクリロイル基含有量及びトリエトキシシリル基含有量を酸塩基滴定法により定量した。具体的には、得られた重合体をジn−ブチルアミン(DBA)と混合し、(メタ)アクリル系化合物やアルコキシシラン系化合物の未反応のイソシアネート基をDBAと反応させ、消費されたDBAの量を塩酸による逆滴定で定量した。
参考例1〜10で合成したA成分(A−1〜A−10成分)を用いて、紫外線硬化性粘着剤組成物を調製した。なお、各成分としては、以下のものを用いた。なお、C成分の詳細については、表3に示す。
B−1:アクリル酸(大阪有機工業化学社製)
B−2:アクリル酸ダイマー(商品名:サイポリマーβ−CEA−J、ローディア日華社製)
C−1:ポリエステルポリオール骨格ウレタンアクリレート(商品名:PSA805、共栄社化学社製)
C−2:脂肪族ポリエステル骨格ウレタンアクリレート(商品名:EB270、ダイセル・サイテック社製)
C−3:エポキシ樹脂骨格ウレタンアクリレート(商品名:リポキシVR−77、昭和高分子社製)
C−4:テトラヒドロフルフリルアクリレート(商品名:V#150、大阪有機化学工業社製)
C−5:4−ヒドロキシブチルアクリレート(商品名:4−HBA、大阪有機化学工業社製)
D−1:α−ヒドロキシアセトフェノン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
D−2:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名:ルシリンTPO、BASF社製)
E−1:メチルエチルケトン(キシダ化学社製)
F−1:2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(商品名:シーソーブ107、シプロ化成社製)
G−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業社製)
ポリイソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)
参考例1の(メタ)アクリル系重合体(A−1成分)の重合液325質量部(A−1成分97.5質量部、E成分227.5質量部を含む。)、アクリル酸(B成分)2.5質量部、光重合開始剤(D成分)1質量部、更に、E成分172.5質量部を混合し、紫外線硬化性粘着剤組成物を調製した。その組成を表4に示す。
各成分の種類及び量を変更したことを除いては実施例1と同様にして紫外線硬化性粘着剤組成物を調製した。その組成を表4及び表5に示す。
各成分の種類及び量を変更し、評価直前に熱架橋剤を表に記載の量だけ添加したことを除いては実施例1と同様にして紫外線硬化性粘着剤組成物を調製した。その組成を表5に示す。
評価対象の組成物をそのまま塗工液とし、この塗工液をアプリケーターにより離型PETフィルム(剥離フィルム)の表面に塗布し、80℃で乾燥した後、400mW/cm2・300mJ/cm2の条件にて紫外線を照射し、塗膜を紫外線硬化させる。その後PETフィルム基材に貼り合わせることにより、PETフィルムの表面に厚さ15mmの粘着剤層を形成した。なお、上記紫外線の照射は、高圧水銀灯により行った。高圧水銀灯によれば、波長200〜400nmの紫外線が照射される。
粘着剤層の厚さを25μmとしたことを除いては、前記塗工性の評価と同様にして、PETフィルムの表面に厚さ25μmの塗膜(粘着剤層)を形成した。
前記粘着性の評価と同様にして、粘着剤層を有するPETフィルムをアルカリガラス(一般硬質ガラス)に貼り合わせて積層体を形成した。この積層体を高温(80℃)の各々の条件下で1000時間曝露し、その後のPETフィルムとアルカリガラスとの粘着力を、JIS Z0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)に記載の180°ピール試験にて測定した。また、この際のアルカリガラス表面の糊残りを目視により評価した。
R1=(T2/T1)×100 :(2)
(但し、T1:常態での初期粘着力(N/25mm)、T2:高温条件下で曝露した後の粘着力(N/25mm)、R1:粘着力比率(%))
前記粘着性の評価と同様にして、粘着剤層を有するPETフィルムをアルカリガラス(一般硬質ガラス)に貼り合わせて積層体を形成した。この積層体を高温・高湿(温度:60℃、湿度:90%)の各々の条件下で1000時間曝露し、その後のPETフィルムとアルカリガラスとの粘着力を、JIS Z0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)に記載の180°ピール試験にて測定した。
R2=(T3/T1)×100 :(3)
(但し、T1:常態での初期粘着力(N/25mm)、T3:高温・高湿条件下で曝露した後の粘着力(N/25mm)、T2(N/25mm)、R2:粘着力比率(%))
前記粘着性の評価と同様にして、粘着剤層を有するPETフィルムをアルカリガラス(一般硬質ガラス)に貼り合わせて積層体を形成した。この積層体の25℃における色差(b*)を色差計(商品名:スペクトロフォトメーターSQ−2000、日本電色工業株式会社製)により測定した(以下、「初期色差」と記す場合がある。)。初期色差(b*)が0.8以下のものを「◎」(極めて良好)、1.0以下のものを「○」(良好)、1.2以下のものを「△」(やや不良)1.2を超えるものを「×」(不良)として評価した。
前記粘着性の評価と同様にして、粘着剤層を有するPETフィルムをアルカリガラス(一般硬質ガラス)に貼り合わせて積層体を形成した。この積層体の25℃におけるヘイズを濁度計(商品名:ヘイズメーターHM−150、村上色彩技術研究所製)により測定した(以下、「初期ヘイズ」と記す場合がある。)。初期ヘイズについては、1.0以下のものを「◎」(極めて良好)、1.5以下のものを「○」(良好)、2.0以下のものを「△」(やや不良)、2.0を超えるものを「×」(不良)として評価した。
実施例16で得られた樹脂組成物については、以下の方法により紫外線遮断性を以下の方法により評価した。まず、前記粘着性の評価と同様にして、粘着剤層を有するPETフィルムをアルカリガラス(一般硬質ガラス)に貼り合わせて積層体を形成した。その後、紫外可視分光光度計(商品名:U−ベストV−570、日本分光社製)を用いて、波長300〜800nmにおける分光スペクトルを測定し、この積層体の紫外線透過率(表6中、「UV遮断性」と記す。)を測定した。波長380nm以下の紫外線透過率がいずれも5%以下である場合を「○」(良好)、5%を超える場合を「×」(不良)として評価した。
実施例1〜19の粘着剤組成物は、塗工性、無養生時における粘着物性及び光学特性の全てにおいて、良好な結果を示した。実施例17及び18の粘着剤組成物は、塗工性、無養生時における粘着物性及び光学特性に加えて、紫外線遮蔽性も良好な結果を示した。
Claims (4)
- (メタ)アクリル系重合体(A成分)、重合性不飽和基を有するカルボン酸及びそのオリゴマーのうちの少なくとも1種(B成分)、光重合開始剤(D成分)及び溶剤(E成分)を構成成分として含み、
前記A成分は、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜−55℃、重量平均分子量(Mw)が100,000〜1,000,000の範囲内のものであり、
前記A成分及び前記B成分の総量を100質量部とした場合に、前記A成分を50〜99質量部、前記B成分を1〜50質量部、前記D成分を0.5〜30質量部、前記E成分を100〜900質量部を含有する紫外線硬化型粘着剤組成物。 - (メタ)アクリル系重合体(A成分)、重合性不飽和基を有するカルボン酸及びそのオリゴマーのうちの少なくとも1種(B成分)、B成分以外の重合性不飽和基を有する化合物(C成分)、光重合開始剤(D成分)及び溶剤(E成分)を構成成分として含み、
前記A成分は、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜−55℃、重量平均分子量(Mw)が100,000〜1,000,000の範囲内のものであり、
前記A成分、前記B成分及び前記C成分の総量を100質量部とした場合に、前記A成分を50〜98質量部、前記B成分を1〜49質量部、前記C成分を1〜49質量部、前記D成分を0.5〜30質量部、前記E成分を100〜900質量部を含有する紫外線硬化型粘着剤組成物。 - 前記A成分が、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に(メタ)アクリロイル骨格を含む(メタ)アクリロイル系官能基及びアルコキシシリル骨格を含むアルコキシシリル系官能基を有する変性(メタ)アクリル系重合体である請求項1又は2に記載の紫外線硬化型粘着剤組成物。
- 紫外線吸収剤(F成分)として、350〜400nmの波長領域にλmaxを有するベンゾフェノン系化合物を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の紫外線硬化型粘着剤組成物。
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