JP2009112492A - 替刃式カミソリ - Google Patents

Abstract

【課題】皮膚に対して刃部を理想な角度に倒して髭や眉毛などの体毛を除去（剃ること）できるようにした替刃式カミソリを提供する。
【解決手段】本願カミソリ１は、刃部２ａが一縁に沿って形成された替刃体２と、該替刃体２をその刃部２ａを露出させて両辺で合掌状に挟持するホルダー３とを備え、該ホルダー３の両辺に、前記替刃体の刃部に沿った突条８を設けたことを特徴とし、ホルダー３の両辺に設けた突条８を皮膚に当て、該突条を支え点とするだけで、刃部２ａが皮膚に対して理想的な角度（切れ味の良い角度）に倒れるように構成した。また、前記突条８が、前記ホルダーの両辺を外側に膨出させたリブ９ａか、外側へ筒状に丸めたカール９ｂであってもよいし、前記ホルダーの両辺に接着した線条体１０か、該線条体を被冠した一側に切込みを有する管材１２であってもよい。
【選択図】図１

Description

本発明は、髭や眉毛などの体毛の除去あるいは整えるに際し、肌（皮膚）を傷付けることのない替刃式カミソリに関するものである。

一般にカミソリは、髭や眉毛などの体毛を除去あるいは整えるために使用されるが、これらの体毛を除去（剃る）するときには、通常、刃部が刃体の一縁に沿って形成されていることから、刃部を一定の角度倒して皮膚に斜めに当て、該刃部をその長さ方向に対してほぼ直交方向に移動（引くか、押す）させるが、この刃部の倒し方は、刃部の切れ味に大きく影響する。すなわち、刃部の倒し方が浅いと刃部が皮膚に立ってしまい、皮膚を傷め易くなる一方、倒し方が深いと刃部が寝すぎて峰側が皮膚に当たり、刃部が浮いてしまって剃り残しが出来てしまうことがあった。この刃部の倒し方は、理容者の経験や技術力を駆使して微妙に調整していた。

この理容者の経験や技術力を補うものとして、特願２００６−１３００２５記載のものがある。この公報に記載のカミソリによれば、一端をホルダーの前端に係止し、他端をホルダーの首部に巻き付けた線状材を刃部に沿って設け、髭を剃るに際し、まず、線状材を皮膚に当て、次いで、線状材を寝かせて行きつつ刃部を皮膚に当てるようにする。こうすると、刃部が皮膚に対して理想の角度に傾くことから、理容者の経験や技術力に頼らなくても髭などが上手に剃れるようになるというものである。
特願２００６−１３００２５

しかしながら、上記特願２００６−１３００２５公報記載のものは、刃部に沿って設けた線状材は、理容者（専門家）にとっては邪魔な存在であったばかりでなく、この線状材はホルダーの背側に跳ね上げて（回動して）使用することもできるが、跳ね上げたのでは線状材の機能が全く達せられないという問題があった。

本発明は上記の問題を解消するためのもので、その目的とするところは、皮膚に対して刃部を理想な角度に倒して髭や眉毛などの体毛を除去（剃ること）できるようにした替刃式カミソリを提供することにある。

上記目的を達成するため、本発明に係る替刃式カミソリは、刃部が一縁に沿って形成された替刃体と、該替刃体をその刃部を露出させて両辺で合掌状に挟持するホルダーとを備え、該ホルダーの両辺に、前記替刃体の刃部に沿った突条を設けたことを特徴とし、ホルダーの両辺に設けた突条を皮膚に当て、該突条を支え点とするだけで、刃部が皮膚に対して理想的な角度（切れ味の良い角度）に倒れるように構成した。

また、請求項２に記載の替刃式カミソリは、前記突条が、前記ホルダーの両辺を外側に膨出させたリブか、外側にカールした筒状体であることを特徴とし、皮膚に当る突状をホルダーと一体的かつ簡易化に作ることができるように構成した。

さらに、請求項３に記載の替刃式カミソリは、前記突条が、前記ホルダーの両辺に接着した線条体か、該線条体を被冠した一側に切込みを有する管状体であることを特徴とし、接着した線条体を皮膚に当てて使用することも、また、その線条体の太さを管材で補うこともできるように構成した。

本発明の替刃式カミソリによれば、髭や眉毛などの体毛を剃るときに、ホルダーの両辺に設けた突条を支え点にして刃部を皮膚に当てることができ、皮膚に対して刃部を、切れ味の良い角度に倒せるから、刃部の倒し方が浅いとか、深過ぎるということがなくなるという優れた効果を奏するものである。

また、請求項２の替刃式カミソリによれば、皮膚に当る突状をホルダーと一体的かつ簡易化に作ることができ、全体のコストの低減化に寄与できるという優れた効果を奏するものである。

さらに、請求項３の替刃式カミソリによれば、ホルダーの両辺に接着した線条体を直に皮膚に当てて使用することも可能であるとともに、その線条体の太さを管材にて補うこともできるから、理容者をして皮膚に対する刃部の最も使い易い角度（切れ味の最も良い角度）を任意に選ぶことができるという優れた効果を奏するものである。

次に、本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図１は本願カミソリのホルダーを柄部から展開した状態の斜視図、図２は本願カミソリのホルダーを柄部に納めた状態の斜視図、図３はホルダーに外側に膨らましたリブ又はカールを突条とした場合の拡大断面図、図４は線条材を突条とした場合の拡大断面図、図５は線条材を被冠した管材を突条とした場合の拡大断面図、図６は突条の作用を示す拡大断面図である。

図において、１は本願カミソリで、該本願カミソリ１は、替刃体２とそのホルダー３とを備える。前記替刃体２は、一縁に沿って刃部２ａが形成されている細長い板材２ｂと、該板材２ｂの他縁を挟持させたカバー体２ｃとからなる。

前記ホルダー３は、替刃体２をその刃部２ａを露出させて両辺で合掌状に挟持した主部３ａと、延長部３ｂと、小指掛け部３ｃとを有し、該延長部３ｂは、ピン４を介して柄部５に結合し、折畳み式になっている。

前記柄部５は、図１の如く、展開したときは、理容者が、親指と、人指し指、中指、薬指の各指先で把持し、ホルダー３の小指掛け部３ｃに小指を掛けて刃部２ａを安定させるように使用される。また、柄部５は、図２の如く、ピン４を介して折畳んだときは、ホルダー３に保持された替刃体２の刃部２ａの鞘として機能する。

前記ホルダー３の主部３ａの奥側（柄寄り）には、峰に沿って長穴６が設けられ、該長穴６には両頭ピン７の軸部がスライド可能に貫通されている。この両頭ピン７の軸部は、前記替刃体２をホルダー３の主部３ａにセットするときに、該主部３ａの前端面３ａ′から替刃体２の尻側２ｂを差し込むと、替刃体２の尻側２ｂでより奥に押される。該替刃体２を交換等のために前記両頭ピン７の頭部を親指と人指し指で摘んで長穴６に沿って前端面３ａ′の方向に向けて移動させると、替刃体２は両頭ピン７の軸部に押されてホルダー３から押し出されるようになっている。

前記ホルダー３の主部３ａの両辺には、前記替刃体２の刃部２ａに沿って突条８が設けられている。該突条８は、図３（ａ）の如く、前記ホルダー３の両辺を外側に膨出したリブ９ａを設けるか、両辺の端縁を筒状に丸めたカール９ｂを設けても良い。また、図４の如く、ホルダー３の両辺に細長い線条材（たとえば、針金や中空管）１０の一側を接着して形成してもよい。更に、図５の如く、ホルダー３の両辺に線条材１０を接着し、この線条材１０に一側に切込み１１を有する管材１２を被冠させてもよい。管材１２は複数の太さのものを用意し、差替えにより突条８の太さが選べるようにしてもよい。

前記突条８の長さは、前記替刃体２の刃部２ａの長さと同等か若干短めがよい。また、主部３ａの両辺に設けた突条８の高さＨは、替刃体２の刃部２ａからの距離Ｋとの関係もあるが、直径４〜５．５ｍｍ程度あればよい。要するに、図６の如く、突条８を剃ろうとする皮膚面Ｓに当てたときに、替刃体２の刃部２ａが夾角２０°前後あればよい。

今、ホルダー主部と柄部とが折畳み式に結合している理容用の替刃式カミソリのホルダー主部に、新品の替刃体を、その刃部を細長く露出させて用意する。このホルダー主部の両辺には、予め、替刃体の刃部が露出する縁部に沿って２．５ｍｍの太さの針金を突条として溶接した。この溶接点と替刃体の刃部との距離は４ｍｍであった。この替刃式カミソリを、理容店の理容師（２０年の経験者）に、顧客の男性３人、女性２人の顔面を剃ってもらった。一方、比較品としてフローレーザー（商標名）として販売（特願２００６−１３００２５記載のものと同等）されている替刃式カミソリを、上記同じ理容師に、顧客の男性３人、女性２人の顔面を剃ってもらい、その結果について、次の質問についての回答を○×で得た。

記
比較品 本願品
○カミソリ負けしない。・・・・・・・・・・○カミソリ負けしない。
×剃りカス取り易い。・・・・・・・・・・・○剃りカス取り易い。
×剃り心地がよい。・・・・・・・・・・・・○剃り心地がよい。
×女性の顔剃りに適している。・・・・・・・○女性の顔剃りに適している。
○血が吹かない。・・・・・・・・・・・・・○血が吹かない。
×プロ用として通用する。・・・・・・・・・○プロ用として通用する。
×技術を要しない。・・・・・・・・・・・・○技術を要しない。
○刃部の当たりが軟らかい。・・・・・・・・○刃部の当たりが軟らかい。

上記の結果から、比較品は、カミソリ負けしないこと、血が吹かないこと、刃部の当たりが軟らかいことなどの利点もあるが、本願品は、比較品の利点を含め、剃りカス取り易いこと、剃り心地がよいこと、女性の顔剃りに適していること、プロ用として通用していること、技術を要しないことなど、他の総ての面を満足することが確認できた。

本願カミソリは、髭や眉毛などの体毛の除去あるいは整えるに際し、肌（皮膚）を傷付けることなく、プロ用として充分に通用するなど、理容師に広く利用され得、しかも、剃毛するいろんな職業の者に利用され得るものである。

本願カミソリのホルダーを柄部から展開した状態の斜視図である。 本願カミソリのホルダーを柄部に納めた状態の斜視図である。 突条の拡大断面図で、（ａ）リブ（ｂ）カールである。 線条材を突条とした場合の拡大断面図である。 線条材を被冠した管材を突条とした場合の拡大断面図である。 突条の作用を示す拡大断面図である。

符号の説明

１ 本願カミソリ
２ 替刃体
２ａ 刃部
２ｂ 替刃体の尻側
２ｃ カバー体
３ ホルダー
３ａ 主部
３ａ′ 主部の前端面
３ｂ 延長部
３ｃ 小指掛け部
４ ピン
５ 柄部
６ 長穴
７ 両頭ピン
８ 突条
９ａ 膨出リブ
９ｂ カール
１０ 線条材
１１ 切込み
１２ 管材

Claims (3)

1. 刃部が一縁に沿って形成された替刃体と、該替刃体をその刃部を露出させて両辺で合掌状に挟持するホルダーとを備え、該ホルダーの両辺に、前記替刃体の刃部に沿った突条を設けたことを特徴とする替刃式カミソリ。
2. 前記突条が、前記ホルダーの両辺を外側に膨出させたリブか、外側に丸めたカールであることを特徴とする請求項１に記載の替刃式カミソリ。
3. 前記突条が、前記ホルダーの両辺に接着した線条体か、該線条体を被冠した一側に切込みを有する管状体であることを特徴とする請求項１に記載の替刃式カミソリ。

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