JP2009111455A - センサネットシステム及びサーバ計算機 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサノード及び中間ノードの無線通信の品質が低下した状態で放置されるのを防ぐ。
【解決手段】センサの測定結果をセンシングデータとして送信するセンサノードと、このセンシングデータを中継する複数の中間ノードと、この中間ノードから中継されたセンシングデータを受信するサーバ計算機は、センサノードの運用中に、センサノードと中間ノードの通信品質を監視する通信品質モニタ部と、通信品質が予め設定した条件を満たして通信品質が悪化したと判定されたときには、センサノードが接続可能な中間ノードのうち、最も通信品質の高い中間ノードを選択する中間ノード選択部と、選択した中間ノードに対してセンサノードとの接続を許可する接続許可部と、センサノードに対して、複数の中間ノードと再度接続する指令を送信する再接続指令部とを備え、センサノードは、サーバ計算機からの前記指令に基づいて中間ノードに再接続を要求する。
【選択図】図1
【解決手段】センサの測定結果をセンシングデータとして送信するセンサノードと、このセンシングデータを中継する複数の中間ノードと、この中間ノードから中継されたセンシングデータを受信するサーバ計算機は、センサノードの運用中に、センサノードと中間ノードの通信品質を監視する通信品質モニタ部と、通信品質が予め設定した条件を満たして通信品質が悪化したと判定されたときには、センサノードが接続可能な中間ノードのうち、最も通信品質の高い中間ノードを選択する中間ノード選択部と、選択した中間ノードに対してセンサノードとの接続を許可する接続許可部と、センサノードに対して、複数の中間ノードと再度接続する指令を送信する再接続指令部とを備え、センサノードは、サーバ計算機からの前記指令に基づいて中間ノードに再接続を要求する。
【選択図】図1
Description
本発明は、無線通信を用いてセンサノードと親ノードまたは基地局と通信を行うセンサネットワークシステムにおいて、複数の中間ノードとセンサノードの接続を制御する技術に関する。
近年、センサと無線通信装置を組み合わせたセンサノードを多数配置して、センサノードが測定したデータを収集し、現実世界の様々な情報をリアルタイムに情報処理装置に取り込むネットワークシステム(以下、センサネットシステムという)が検討されている。センサネットシステムでは、多数のセンサネットシステムには幅広い応用が考えられており、例えば、無線回路、プロセッサ、センサ、電池を集積した小型電子回路によりセンサノードを構成し、このセンサノードが脈拍等の生体情報や温度や湿度などの環境情報等を観測し、観測結果を無線通信によりサーバ等に送信し、観測結果に基づいて健康状態や環境の状態監視を行う技術が種々提案されている。
このようなセンサネットシステムでは、センサノードが送信するデータを中間ノード(または中継ノード)で中継して情報処理装置へ転送している。なお、中間ノードは、複数のセンサノードからのデータを情報処理装置へ転送する無線通信装置で構成される。
センサノード及び中間ノードを電池で駆動することで、センサノード及び中間ノードの配置の自由度を高めることができる。そして、中間ノードがマルチホップによりセンサノードのデータを情報処理装置へ中継する場合、中間ノード及びセンサノードの電池の消耗を抑制するため、無線ノード10の残存エネルギーの加重和を最大化するための目的関数に基づいて、将来の電力消費を考慮した効率的な通信経路を決定する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。また、マルチホップにより中間ノード間を接続する際に、センサノードからのデータ伝送経路が最適となるように構成する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、マルチホップ環境でノードの電力消費に着目して通信経路を決定する技術も提案されている(例えば、特許文献2)。これは、他ノード宛の信号を受信し、他ノードの電池残量及び電波受信強度を取得し、それらが最適設定値以上であって、最も電池残量の大きいものを最適中継ノードとして決定するものである。
さらに、データを送信または中継するデータ送信ノードと、データを収集するデータ集約ノードとの接続を確実に行いながらも各ノードの電力消費を抑制する手法として、データ集約ノードが最大出力で所定の信号をブロードキャストし、この所定の信号を受信したデータ送信ノードはブロードキャストしたデータ収集ノードへシングルホップまたはマルチホップでデータを送信する技術が提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2006−211389号公報
特開2006−246202号公報
特開2006−345414号公報
しかしながら、上記従来例のように、センサノードが自律的に中間ノードを選択する構成では、センサノードから到達可能な中間ノードが複数存在する場合に、システムの運用を継続していくと、最も通信品質が良い中間ノードを経由しない状態になっている場合がある。例えば、センサノードが再接続を繰り返すうちに、電波がかろうじて届く中間ノードに接続している場合では、データの欠落や再送が発生する恐れがある。
センサネットシステムの管理者が、センサノード、中間ノード、情報処理装置のデータ伝達経路のトポロジを指定する場合では、管理者がデータ伝達経路の再構成を実行するタイミングでしかトポロジが変更されない。このため、通信品質が低下した状態でセンサノードと中間ノードが通信を行うと、データの再送などが発生して、電池の消耗が進んでしまうという問題がある。なお、通信品質は、例えば、無線通信の信号強度と再送回数などに基づいて決定される値である。
上述のように、センサネットシステムの運用中は、管理者が各センサノード及び中間ノードの無線通信の品質を定期的に評価して、必要に応じてデータ伝達経路の再構成を実行しなければならない。また、データ伝達経路のトポロジ構成の検討の際に、無線通信区間の通信品質を考慮するのに多大な労力を要する、という問題がある。すなわち、センサノード及び中間ノードが多数ある場合には、通信品質を評価すべき無線通信区間も多数存在するので、管理者は、各無線通信区間の無線通信品質を容易に評価することができない、という問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、センサノード及び中間ノードの無線通信の品質が低下した状態で放置されるのを防ぎ、人手によって無線通信の品質を評価することなく、自動的に無線通信の品質が最良となるようセンサノードと中間ノードの接続を制御することを目的とする。
本発明のセンサネットシステムは、センサを備えて所定の情報を測定し、測定結果をセンシングデータとして送信するセンサノードと、前記センサノードに接続されて前記センシングデータを中継する複数の中間ノードと、前記中間ノードに接続されて、前記中継されたセンシングデータを受信するサーバ計算機とを備えたセンサネットシステムにであって、前記サーバ計算機は、前記センサノードの運用中に、前記センサノードと中間ノードの通信品質を監視する通信品質モニタ部と、前記通信品質と予め設定した条件を満たしたときに通信品質が悪化したことを検出する通信品質判定部と、前記通信品質が悪化したと判定されたときには、当該通信品質のセンサノードが接続可能な中間ノードのうち、最も通信品質の高い中間ノードを選択する中間ノード選択部と、前記選択した中間ノードに対して前記センサノードとの接続を許可する接続許可部と、前記センサノードに対して、前記複数の中間ノードと再度接続する指令を送信する再接続指令部とを備え、前記センサノードは、前記中間ノードと送受信を行う無線通信部と、前記サーバ計算機からの前記指令に基づいて前記中間ノードに再接続を要求するセンサノード制御部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明のサーバ計算機は、センサを備えて所定の情報を測定し、測定結果をセンシングデータとして送信するセンサノードに接続されて前記センシングデータを中継する複数の中間ノードに接続されて、前記中継されたセンシングデータを受信するサーバ計算機であって、前記センサノードの運用中に、前記センサノードと中間ノードの通信品質を監視する通信品質モニタ部と、前記通信品質が予め設定した条件を満たしたときに通信品質が悪化したことを判定する通信品質判定部と、前記通信品質が悪化したと判定されたときには、当該通信品質のセンサノードが接続可能な中間ノードのうち、最も通信品質の高い中間ノードを選択する中間ノード選択部と、前記選択した中間ノードに対して前記センサノードとの接続を許可する接続許可部と、前記センサノードに対して、前記複数の中間ノードと再度接続する指令を送信する再接続指令部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、サーバ計算機がセンサノードと中間ノードの通信品質を監視して、センサノードと中間ノードの通信品質が悪化すると、センサノードの接続先を自動的に通信品質の良い中間ノードへ移すことが可能となり、特定の中間ノードにセンサノードが集中するのを防いで、バランスの良いセンサネットシステムを維持することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用するセンサネットワークシステム(以下、センサネットシステム)の構成を示すブロック図である。
図1のセンサネットシステムは、複数の無線ネットワークPAN1、PAN2を備えており、各無線ネットワークPAN1、PAN2には、複数のセンサノードが配置され、センサネットサーバSVRは、各無線ネットワークPAN1、PAN2のセンサノードSS1〜SS2nから送られたデータを収集し、格納する。なお、無線ネットワークPAN1、PAN2は、例えば、ZigBeeなどのPersonal Area Networkで構成することができる。
無線ネットワークPAN1においては、複数のセンサノードSS1〜SSnが測定したデータ(以下、センシングデータとする)は、無線ネットワークPAN1を介して中継ノードRT1〜RT4に送信される。中継ノードRT1〜RT4は、受信したセンシングデータを直接または他の中継ノードを介してゲートウェイ装置GW1へ送信する。ゲートウェイ装置GW1は、無線ネットワークPAN1と有線ネットワークWN1を変換する装置であり、無線ネットワークPAN1から受信したセンシングデータをセンサネットサーバSVRへ送信する。
無線ネットワークPAN2においては、複数のセンサノードSS21〜SS2nが測定したセンシングデータは、無線ネットワークPAN2を介してゲートウェイGW2へ送信する。ゲートウェイGW2は、無線ネットワークPAN2と有線ネットワークWN1を変換する装置であり、無線ネットワークPAN2から受信したセンシングデータをセンサネットサーバSVRへ送信する。
なお、ゲートウェイ装置GW1、GW2及び中継ノードRT1〜RT4は、センサネットサーバSVRからセンサノードSS1〜SSnへ向けた通信も行うことができる。
図2は、センサノードSS1〜SS2nの構成を示すブロック図である。センサノードSS1〜SS2nは、環境の情報を測定するセンサ100と、中継ノードRT1〜RT4またはゲートウェイ装置GW2と通信を行う無線通信部110と、センサ100と無線通信部110を制御する端末制御部120と、各部へ電力を供給する電池130を主体に構成される。なお、センサ100は、温度センサや湿度センサ、加速度センサ、LED及びフォトダイオードなどで構成され、温度や湿度などの環境の状態やセンサノードSS1〜SSnを装着した生体の脈拍数や体温、運動状態をセンシングデータとして測定する。
端末制御部120は、演算処理を行うCPU1201と、データやプログラムを一時的に格納する揮発性のRAM1202と、プログラムやデータを保持する不揮発性のE2PROM1203を備え、RAM1202に読み込んだプログラムを実行することで、所定の処理を実行する。
この所定の処理は、例えば、センサ100を所定の周期(例えば、5分)で駆動してセンシングデータを取得し、次に、無線通信部110を駆動して中継ノードRT1〜RT4の何れかと接続してから、取得したセンシングデータを接続した中継ノードへ送信するものである。センサノードSS1〜SS2nは、センシングデータの送信が完了すると、センサ100と無線通信部110及び端末制御部120をスリープ状態へ移行させて電池130の消耗を抑制する。そして、所定の周期になると、端末制御部120内のタイマ(図示省略)が割り込み信号を発生し、この割り込み信号に基づいて、CPU1201をスリープ状態から起動状態へ移行させてからセンサ100によるセンシングデータの測定と、センシングデータの送信及び中継ノードRT1〜RT4から受信したコマンドを実行する。
また、端末制御部120は、中継ノードRT1〜RT4やゲートウェイGW1、GW2の中間ノードとの接続時に、これら中間ノードとの通信品質を示す情報(通信品質情報)を測定する。なお、中間ノードは、中継ノードRT1〜RT4とゲートウェイGW1、GW2の総称である。
ここで、接続中の中間ノードの通信品質を示す値としては、受信信号強度RSSI(Receive Signal Strength Indication)と、リトライ回数を用いる例を示す。端末制御部120は、中間ノードと通信を行ったときに無線通信部110から受信信号強度RSSIとリトライ回数を取得する。そして、取得した受信信号強度RSSIとリトライ回数を、センシングデータに付加して送信する。
また、端末制御部120は、センサネットサーバSVRからアクティブスキャンコマンドを受信したときには、無線通信部110に中間ノードのスキャンを実行させ、応答のあった中間ノードの識別子(MACアドレス)と受信信号強度RSSIを取得する。そして、応答のあった中間ノードの中から受信信号強度RSSIの最も高い中間ノードを再接続先の候補としてセンサネットサーバSVRへ返信することができる。
図3は、中継ノードRT1〜RT4の構成を示すブロック図である。中継ノードRT1〜RT4は、センサノードSS1〜SSnまたはゲートウェイ装置GW1と通信を行う無線通信部210と、無線通信部210を制御する端末制御部220と、各部へ電力を供給する電池230を主体に構成される。
端末制御部220は、演算処理を行うCPU2201と、データやプログラムを一時的に格納する揮発性のRAM2202と、プログラムやデータを保持する不揮発性のE2PROM2203を備え、RAM2202に読み込んだプログラムを実行することで、所定の処理を実行する。この所定の処理は、例えば、センサノードSS1〜SSnから受信したセンシングデータをゲートウェイ装置GW1または他の中継ノードへ送信し、ゲートウェイ装置GW1から受信したコマンドなどを、宛先のセンサノードSS1〜SSnまたは他の中継ノードへ送信する。なお、中継ノードRT1〜RT4同士のマルチホップの経路の設定は、予めセンサネットサーバSVRから指定されるものとする。
図4は、ゲートウェイ装置GW1、GW2の構成を示すブロック図である。ゲートウェイ装置GW1、GW2は、有線ネットワークWN1を介してセンサネットサーバSVRと通信を行う有線通信部300と、無線ネットワークPAN1を介して中継ノードRT1〜RT4とまたはセンサノードSS1〜SSnと通信を行う無線通信部310と、有線通信部300及び無線通信部310を制御する端末制御部320とを主体に構成される。
端末制御部320は、演算処理を行うCPU3201と、データやプログラムを一時的に格納する揮発性のRAM3202と、プログラムやデータを保持する不揮発性のE2PROM3203を備え、RAM3202に読み込んだプログラムを実行することで、所定の処理を実行する。この所定の処理は、例えば、中継ノードRT1〜RT4から受信したセンシングデータをセンサネットサーバSVRへ送信し、センサネットサーバSVRから受信したコマンドなどを、パケットに含まれる宛先のセンサノードSS1〜SSnまたは中継ノードへ送信する。
図5は、センサネットサーバSVRの構成を示すブロック図である。センサネットサーバSVRは、演算処理を行うCPU400と、データやプログラムを格納するメモリ410と、有線ネットワークWN1に接続されてゲートウェイ装置GW1、GW2と通信を行う有線通信部420と、データを格納するストレージ装置430を主体に構成される。
メモリ410には、無線ネットワークPAN1、PAN2のセンサノードSS1〜SS2nを管理し、センサノードSS1〜SS2nからのセンシングデータを収集するミドルウェア500が読み込まれ、CPU400によって実行される。
CPU400によって実行されるミドルウェア500は、無線ネットワークPAN1、PAN2の管理及びセンサノードSS1〜SS2nからのセンシングデータを収集してストレージ装置430に設定されたデータベースであるセンシングデータテーブル501に格納する。
また、ミドルウェア500は、センサノードSS1〜SS2nを起動したときに、接続する中継ノードRT1〜RT4またはゲートウェイ装置GW1、GW2を指定するためのノード管理テーブル520と、センサノードSS1〜SS2nの通信品質(または通信環境)に応じて接続する中継ノードRT1〜RT4またはゲートウェイ装置GW1、GW2を変更するための通信品質テーブル510をストレージ装置430に設定する。
まず、センサノードSS1〜SS2nの起動時にミドルウェア500が使用するノード管理テーブル520は、図6で示すように、センサノードSS1〜SS2nの識別子を格納するID521と、ID521で特定されるセンサノードが起動したときに接続すべき中間ノードの識別子を格納する親ノード522と、を備えている。親ノード522は、センサネットサーバSVR側で想定するセンサノードSS1〜SS2nの接続先の中間ノードであり、センサノードSS1〜SS2nの起動時に接続すべき中間ノードを示す。なお、親ノード522には、複数の中間ノードを親ノードとして登録しておき、複数の親ノードのうちの何れかひとつを接続先とすることができる。一つの親ノードが故障しても、センサノードが親ノードと接続できなくなることを防止する。
図6において、センサノードSS2は、起動したときに親ノードとして設定された中継ノードRT3と接続するように設定される。なお、ノード管理テーブル520は、図示しないコンソールなどから管理者によって予め設定されるものである。
センサネットシステムでは、多数のセンサノードSS1〜SS2nを運用する場合、特定の中間ノードに多数のセンサノードが接続すると、この中間ノードが過負荷に陥る恐れがある。このため、ノード管理テーブル520によって、センサノードSS1〜SS2nが起動したときに接続すべき中間ノードを親ノード522として設定することで、各中間ノードに接続されるセンサノードノードの数が大きく偏るのを防ぐことができる。なお、親ノードは、センサノードSS1〜SS2nが起動したときに接続が優先される中間ノードであり、親ノードと接続できないとき、センサノードSS1〜SS2nは、ノード管理テーブル520に設定された親ノード以外の中間ノードと接続することができる。
ここで、センサノードSS1が起動したときの処理について、以下に説明する。
センサノードSS1の電源をONにして起動すると、センサノードSS1は接続要求(joinコマンド)を送信する。センサノードSS1から接続要求を受信した中間ノードは、センサネットサーバSVRのミドルウェア500に、センサノードSS1との接続許可を要求する。この接続許可要求には、センサノードSS1のID(この例では「SS1」)、自中間ノードのIDが含まれる。
中間ノードから接続許可要求を受信したミドルウェア500は、接続許可要求に含まれるセンサノードのID521をキーにして、ノード管理テーブル520を検索してセンサノードSS1が接続すべき親ノード522を検索し、親ノードが中継ノードRT1であることを取得する。ミドルウェア500は、中継ノードRT1からセンサノードSS1の接続許可要求を受信していれば、中継ノードRT1に接続許可を通知し、他の中間ノードに対して接続不要を通知する。以上の処理により、センサノードSS1は、親ノードとして設定された中継ノードRT1に接続し、以降、センサノードSS1が送信したセンシングデータは、中継ノードRT1、ゲートウェイ装置GW1を介してセンサネットサーバSVRに転送される。
一方、センサノードSS1からの接続要求に対して、親ノード522に設定された中間ノードから接続許可要求を受信できなかった場合、ミドルウェア500は、センサノードSS1に対する接続許可要求を受信した中間ノードのうち、通信品質テーブル510を検索して通信品質が最も良い(受信信号強度RSSIが最も高い)中間ノードを選択し、この中間ノードに対してセンサノードSS1との接続許可を通知する。これにより、センサノードSS1は、親ノード522に設定された中継ノードRT1と接続できなかった場合には、接続可能な中間ノードのうち最も通信品質の良い中間ノードと接続することができる。
ここで、通信品質テーブル510は、図7に示すように、レコード番号511と、センサノードの識別子を格納するID512と、ID512のセンサノードが過去に接続した中間ノードの識別子を格納する中間ノードID513と、中間ノードID513で特定される中間ノードとID512のセンサノードが接続したときの最良の通信品質を格納する通信品質最良値514と、中間ノードID513で特定される中間ノードのMACアドレスを格納するMACアドレス515と、中間ノードID513で特定されるセンサノードが接続している中間ノードを示す接続中フラグ516と、中間ノードID513で特定されるセンサノードと中間ノードID513で特定される中間ノードが接続したときのリトライ回数の最大値を格納するリトライ回数最大値517とを備える。ここで、通信品質を示す値として、通信品質最良値514には、受信信号強度RSSIの最高値を格納し、この通信品質最良値514とリトライ回数最大値517の2つを用いて、ミドルウェア500では後述するようにセンサノードSS1と中間ノードの通信品質を評価する。
例えば、図7のID512が「SS1」のレコードでは、2つの中継ノードRT1とRT2と接続したことがあることを示しており、センサノードSS1は、現在、中継ノードRT1であることを示す。
通信品質テーブル510の通信品質最良値514とリトライ回数最大値517は、ミドルウェア500がセンサノードからセンシングデータまたはハートビートを受信する度に更新されるものである。
センサノードSS1〜SS2nから送信されるパケットは、図8で示すように、ペイロード中にセンサノードのID以降に複数のセンシングデータを格納し、さらに、現在接続中の中間ノードの通信品質情報であるRSSIとリトライ回数を格納する。RSSIとリトライ回数は、例えば、前回の接続時の値を格納するものとする。また、センサノードSS1〜SS2nが送信するパケットには、電池130の電池残量を格納する。この電池残量は、端末制御部120が測定した電池130の電圧等で構成することができる。
ミドルウェア500は、センサノードSS1〜SS2nからのパケットを受信すると、センシングデータをセンサノードのIDに対応付けてセンシングデータテーブル501へ格納し、ペイロード中のRSSIとリトライ回数及びセンサノードのIDを抽出し、通信品質テーブル510で比較を行ってから更新する。
ミドルウェア500は、受信したパケットに含まれる送信元のセンサノードのIDで通信品質テーブル510を検索し、ID512が一致し、かつ接続中フラグ516が「on」のレコードを抽出し、このレコードの通信品質最良値514と受信したパケットのRSSIを比較する。受信したパケットのRSSI値が、通信品質最良値514の値よりも大きければ、通信品質を示す指標が向上したので、通信品質最良値514の値を受信したパケットのRSSIで更新する。
同様に、ミドルウェア500は、受信したパケットに含まれる送信元のセンサノードのIDで通信品質テーブル510を検索し、ID512が一致し、かつ接続中フラグ516が「on」のレコードを抽出し、このレコードのリトライ回数最大値517と受信したパケットのリトライ回数を比較する。受信したパケットのリトライ回数が、リトライ回数最大値517よりも大きければ、通信品質を示す指標が低下したので、リトライ回数最大値517の値を受信したパケットのリトライ回数で更新する。
このように、ミドルウェア500は、センサノードからのパケットを受信する度に、上述のような比較を行って通信品質テーブル510を更新することで、センサノードの通信品質を監視する。
なお、上記通信品質テーブル510では、通信品質を示す指標としてRSSIを使用する例を示したが、これに限定されるものではなく、無線ネットワークがZigBeeであればリンク品質LQI(Link Quality Indicator)を用いても良いし、信号対雑音比などの指標を用いることができる。
センサノードSS1〜SS2nは、上述したように所定の周期でスリープ状態から起動して、センシングデータを取得してから中間ノードとの再接続を行う。このとき、センサノードSS1〜SS2nは、無線ネットワークPAN1、PAN2へ再接続要求(rejoin)コマンドを送信し、再接続を要求する。
例えば、図1において、センサノードSS2は親ノードとして中継ノードRT3に接続しており、所定の周期毎に再接続要求を行って中継ノードRT3からセンサネットサーバSVRへセンシングデータを送信する。ここで、センサノードSS2と中継ノードRT3の間の無線通信品質は、常時一定ではなく変動する。上述のようにセンサノードSS2は、親ノードと通信ができない場合には、他の中間ノードと接続してセンシングデータをセンサネットサーバSVRへ送信する。しかしながら、センサノードSS2は、一旦、親ノード以外の中間ノード(例えば、中継ノードRT2)に接続されると、中継ノードRT2における通信品質が悪化するまでは、本来接続すべき親ノードの通信品質が回復していても戻すことができない。この結果、中継ノードRT2へ多数のセンサノードSS1〜SS2nが接続されると、上述のように中継ノードRT2の負荷が過大となる場合がある。そこで、ミドルウェア500は次のような処理により、親ノードへの再接続を可能にする。
図9は、ミドルウェア500で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1では、上述したように、センサノードSS1〜SS2nから受信したパケットに含まれる通信品質情報(RSSI及びリトライ回数)と通信品質テーブル510の通信品質情報(通信品質最良値514、リトライ回数最大値517)を比較して、センサノードSS1〜SS2nと中間ノードの通信品質を監視する。
ステップS2では、上記監視の結果、通信品質が劣化したセンサノードを検出する。この通信品質が劣化したセンサノードの検出は、上記受信したパケットに含まれる通信品質情報と通信品質テーブル510に格納された通信品質情報の比較に基づいて行う。例えば、以下の条件の何れかひとつを満足したときに、パケットを受信したセンサノードの通信品質が悪化したと判定する。
・リトライ回数が予め設定した規定時間内における閾値を超えた場合
・受信したパケットに含まれるRSSIが所定のしきい値を下回ったとき
・受信したパケットのRSSIと通信品質最良値514の差分が予め設定した値以上となったとき
この他、上述したリンク品質などの条件を組み合わせても良い。
・リトライ回数が予め設定した規定時間内における閾値を超えた場合
・受信したパケットに含まれるRSSIが所定のしきい値を下回ったとき
・受信したパケットのRSSIと通信品質最良値514の差分が予め設定した値以上となったとき
この他、上述したリンク品質などの条件を組み合わせても良い。
通信品質の悪化が検出された場合にはステップS3へ進み、通信品質が悪化していない場合には、ステップS1へ戻って通信品質の監視を継続する。
通信品質が悪化したステップS3では、ミドルウェア500は通信品質テーブル510から通信品質情報を比較したセンサノードのIDを含むレコードのうち、接続中フラグ516が「on」のレコードを選択し、このレコードから現在このセンサノードが接続している中間ノードのMACアドレスを取得する。
次に、ステップS4では、通信品質テーブル510から、このセンサノードが過去に接続した親ノードのうち、最も通信品質の良い親ノードを選択する。この選択は、ノード管理テーブル520で現在着目しているセンサノードの識別子をID512に含むレコードから親ノード522に格納された中間ノードの識別子を親ノードの識別子として取得する。そして、通信品質テーブル510で、着目しているセンサノードの識別子をID512に含むレコードのうち、上記親ノードの識別子を中間ノードID513に含むレコードを抽出し、これらのレコードのうち、リトライ回数最大値517が最も小さく、通信品質最良値514が最も大きいレコードから中間ノードのMACアドレス515を選択する。なお、この条件に合致するレコードが無い場合、所定の親ノードを選択しても良いし、通信品質最良値514が最も大きいレコード、またはリトライ回数最大値517が最も小さいレコードから中間ノードのMACアドレスを取得すればよい。
次に、ステップS5では、上記ステップS3で取得した通信品質が悪化したセンサノードが現在接続している中間ノードのMACアドレスと、上記ステップS4で取得した通信品質が最も良かった中間ノードのMACアドレスとを比較して、これら2つのMACアドレスが同一であるか否かを判定する。2つのMACアドレスが同一であれば、センサノードは、通信品質が最も良い親ノードと既に接続しているので、接続先を変更することなく現在の接続を保持して終了する。
一方、センサノードが現在接続中の中間ノードのMACアドレスと、親ノードのMACアドレスが異なる場合には、ステップS6に進み、センサノードが現在接続中の中間ノード及び上記ステップS4で取得した親ノード以外の中間ノードを、現在着目しているセンサノードと接続不許可に設定する。この処理は、現在着目しているセンサノードと接続中の中間ノードと、当該センサノードの親ノード以外の中間ノードに対して当該センサノードとの接続を一時的に禁止するため、当該センサノードとの接続を不許可にするコマンドを送信する。ミドルウェア500は、接続不許可のコマンドを送信した各中間ノードから応答(返戻)を受信したら、ステップS7へ進む。
ステップS7では、現在着目しているセンサノードに対して、無線ネットワークへ再接続(rejoinコマンド)を行うように指令する。センサノードは上述したように再接続要求を無線ネットワークPAN1へ送信し、各中間ノードが受信してセンサネットサーバSVRのミドルウェア500へ許可を要求する。
ここで、親ノード及び現在接続中の中間ノード以外の中間ノードは、ステップS6のコマンドによって、当該センサノードとの接続が一時的に禁止されている。このため、センサノードが再接続要求を送信すると、現在接続中の中間ノードと、図6に示す親ノードに設定された親ノードがミドルウェア500に対してセンサノードとの接続許可を要求することになる。そして、ミドルウェア500は、上述のように、センサノードの接続先として親ノードを優先させるので、再接続によってセンサノードは所定の親ノードに接続することになる。なお、親ノードに複数の中間ノードが設定されている場合には、複数の親ノードのうち、最も通信品質の良い親ノードを接続先として選択すればよい。
こうして、通信品質が悪化したセンサノードの接続先を、通信品質の良い親ノードへ戻した後には、ステップS8で、ミドルウェア500が当該センサノードとの接続を不許可にしていた中間ノードに対して、当該センサノードとの接続を許可するコマンドを送信して処理を終了する。
上記処理を図1に示したセンサノードSS2について適用した例を以下に示す。センサノードSS2は、図6に示すように、中継ノードRT3を親ノードとしている。センサノードSS2は、稼働中の通信品質の変動などにより、図1の状態では本来の親ノードではない中継ノードRT2に接続している。
センサノードSS2の通信品質が悪化すると、センサネットサーバSVRは上記ステップS3以降の処理を実行し、センサノードSS2が現在接続している中間ノード(RT2)とセンサノードSS2の親ノード(RT3)以外に対してセンサノードSS2との接続を一時的に禁止する。
そして、センサネットサーバSVRは、センサノードSS2に対して無線ネットワークPAN1へ再接続するように指令する。センサノードSS2が再接続を要求すると、親ノードとしての中継ノードRT3と、現在接続中の中継ノードRT2がセンサネットサーバSVRに対して接続許可を要求する。センサネットサーバSVRは、センサノードSS2の親ノードである中継ノードRT3に対して接続許可を通知し、センサノードSS2の接続先を親ノードの中継ノードRT3へ戻すことが可能となる。なお、親ノードが複数設定されている場合には、親ノードのうち最も通信品質の良い中間ノードに接続許可を付与すればよい。
以上のように、センサネットサーバSVRは、センサノードと中間ノードの通信品質を監視して、センサノードと中間ノードの通信品質が悪化すると、センサノードの接続先を自動的に親ノードへ戻すことが可能となり、特定の中間ノードにセンサノードが集中するのを防いで、バランスの良いセンサネットシステムを維持することが可能となる。さらに、センサノードは、中間ノードとの無線通信品質をセンシングデータとともに送信するので、センサネットサーバSVRのミドルウェア500では、多数のセンサノードの通信品質を一元的に監視することができ、無線通信品質の悪化したときには、人手を要することなく極めて迅速にデータ伝送経路の再構築を実現できるのである。したがって、本発明を適用することで、センサネットシステムの保守、管理に要するコストを低減することが可能となるのである。
なお、上記では通信品質が最も良い親ノードと現在接続中の中間ノードに対してセンサノードの再接続を許可してから、センサノードに再接続を実行させたが、センサノードの接続先を現在接続中の中間ノードから新たな中間ノードへ即座に切り替える場合には、通信品質が最も良い親ノードに対して当該センサノードの再接続を許可し、他の中間ノードに当該センサノードとの接続を禁止してから、センサノードに再接続を実行させてもよい。
また、通信品質テーブル510は、最も高い通信品質を通信品質最良値514に格納する例を示したが、通信品質の履歴を格納し、これら履歴の中から通信品質が最も高い値を検索するようにしても良い。
<第2実施形態>
図10は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の図9に示した処理の一部を変更したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
図10は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の図9に示した処理の一部を変更したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
図10は、センサネットサーバSVRのミドルウェア500で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS11〜S13では、前記第1実施形態の図9と同様に、センサノードSS1〜SS2nから受信したパケットに含まれる通信品質情報(RSSI及びリトライ回数)と通信品質テーブル510の通信品質情報(通信品質最良値514、リトライ回数最大値517)を比較して、センサノードSS1〜SS2nと中間ノードの通信品質を監視して、通信品質が所定の条件となって悪化が判定された場合には、当該センサノードと接続先の中間ノードのMACアドレスを通信品質テーブル510から取得する。
次に、ステップS14では、ミドルウェア500が通信品質が悪化したセンサノードに対して、通信可能な中間ノードとの通信品質を検出するアクティブスキャンを実施するよう指令する。この指令を受信したセンサノードは、アクティブスキャンコマンドを実行し、最も通信品質のよい中間ノードのMACアドレスを取得する。すなわち、センサノードは、アクティブスキャンコマンドを実行して、中間ノードのスキャンを行い、スキャンの際に通信品質としてRSSIなどを測定し、最も通信品質の良い中間ノードのMACアドレスを取得して、センサネットサーバSVRへ通知する。なお、この処理は、センサノードがアクティブスキャンコマンドを実行して、測定した通信品質をセンサネットサーバSVRへ送信し、センサネットサーバSVRが通信品質が最良の中間ノードを選択しても良い。
次に、ステップS15では、上記ステップS13で取得した通信品質が悪化したセンサノードと現在接続している中間ノードのMACアドレスと、上記ステップS14で取得した通信品質が最も良かった中間ノードのMACアドレスとを比較して、これら2つのMACアドレスが同一であるか否かを判定する。
2つのMACアドレスが同一であれば、通信品質が悪化したセンサノードは、既に最も通信品質の良い中間ノードと接続しているので、接続先を変更することなく現在の接続を保持して終了する。
一方、センサノードが現在接続している中間ノードのMACアドレスと、通信品質が最も良い中間ノードのMACアドレスが異なる場合には、ステップS16に進み、センサノードが現在接続中の中間ノード及び上記ステップS14で取得した通信品質最良の中間ノード以外の中間ノードを現在着目しているセンサノードと接続不許可に設定する。このステップS16の処理は、現在着目しているセンサノードと接続中の中間ノード及び通信品質最良の中間ノード以外の中間ノードに対して当該センサノードとの接続を一時的に禁止するため、当該センサノードとの接続を不許可にするコマンドを送信する。ミドルウェア500は、接続不許可のコマンドを送信した各中間ノードから応答(返戻)を受信したら、ステップS17へ進む。
ステップS17では、現在着目しているセンサノードに対して、無線ネットワークへ再接続(rejoinコマンド)を行うように指令する。センサノードは上述したように再接続要求を無線ネットワークPAN1へ送信し、各中間ノードが受信してセンサネットサーバSVRのミドルウェア500へ許可を要求する。
ここで、通信品質が最良の中間ノードと現在接続中の中間ノード以外の中間ノードは、ステップS16のコマンドによって、当該センサノードとの接続が一時的に禁止されている。このため、センサノードが再接続要求を送信すると、現在接続中の中間ノードと、通信品質最良の中間ノードがミドルウェア500に対してセンサノードとの接続許可を要求することになる。そして、ミドルウェア500は、センサノードの接続先として通信品質の良い中間ノードを優先させるので、再接続によってセンサノードはより通信品質の良い中間ノードに接続することになる。
こうして、通信品質が悪化したセンサノードの接続先を、より通信品質の良い中間ノードと接続へ変更した後には、ステップS18で、ミドルウェア500が当該センサノードとの接続を不許可にしていた中間ノードに対して、当該センサノードとの接続を許可するコマンドを送信して処理を終了する。
このように、第2の実施形態によれば、センサノードの通信品質が悪化すると、ミドルウェア500はセンサノードに対してアクティブスキャンコマンドを実行して通信品質が最も良い中間ノードを選択し、この中間ノードと接続させることができ、センサノード及び中間ノードの無線通信の品質が低下した状態で放置されるのを防ぎ、人手によって無線通信の品質を評価することなく、自動的に無線通信の品質が最良となるようセンサノードと親ノードの接続を制御することが可能となるのである。
<第3実施形態>
図11は、第3の実施形態を示し、前記第1実施形態の図9に示した処理の一部を変更したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
図11は、第3の実施形態を示し、前記第1実施形態の図9に示した処理の一部を変更したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
図110は、センサネットサーバSVRのミドルウェア500で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS21〜S23では、前記第1実施形態の図9のステップS1〜S3と同様に、センサノードSS1〜SS2nから受信したパケットに含まれる通信品質情報(RSSI及びリトライ回数)と通信品質テーブル510の通信品質情報(通信品質最良値514、リトライ回数最大値517)を比較して、センサノードSS1〜SS2nと中間ノードの通信品質を監視して、通信品質が所定の条件となって悪化が判定された場合には、当該センサノードと接続先の中間ノードのMACアドレスを通信品質テーブル510から取得する。
次に、ステップS24では、ミドルウェア500が通信品質の悪化したセンサノードの電池残量を取得する。ここで、電池残量は図8に示したように、センサノードSS1〜SS2nが送信するパケットのペイロードに含まれる電池残量の値を取得する。
そして、ステップS25では、取得した電池残量が予め設定したしきい値を超えているか否かを判定する。すなわち、通信品質が悪化したセンサノードの電池残量に余裕があるか否かを判定する。なお、この余裕は、後述するように、センサノードが通常のセンシングデータの送信に加えて、アクティブスキャンコマンドを実行するための電力があるか否かを示すものである。
センサノードの電池残量に所定の余裕がある場合には、ステップS27へ進んで、前記第2実施形態と同様にアクティブスキャンコマンドを実行して現在の通信品質が最も良い中間ノードを選択する。一方、電池残量に余裕が無い場合にはステップS26へ進んで、前記第1実施形態と同様に通信品質テーブル510から通信品質が良かった中間ノードを選択する。
ステップS26では、前記第1実施形態の図9のステップS4と同様に、当該センサノードについて通信品質テーブル510から過去の通信品質最も良かった親ノードのMACアドレスを取得する。
ステップS27では、前記第2実施形態の図10のステップS14と同様に、ミドルウェア500がセンサノードへアクティブスキャンコマンドを実行させ、現在の通信品質が最も良い中間ノードのMACアドレスを取得する。
次に、ステップS28では、上記ステップS26またはS27で取得したMACアドレスと、センサノードが現在接続中のMACアドレスが同一であるか否かを判定する。センサノードが現在接続中のMACアドレスとステップS26、S27で取得したMACアドレスが同一であれば、当該センサノードの接続先は、他の中間ノードよりも通信品質が良いのでそのまま処理を終了する。
一方、上記ステップS26またはS27で取得したMACアドレスと、センサノードが現在接続中のMACアドレスが一致しない場合には、ステップS29へ進む。ステップS29では、現在接続中の中間ノードと、ステップS26で選択した親ノードまたはステップS27で選択した中間ノードを除いた中間ノードに対して、現在着目しているセンサノードと接続不許可に設定する。このステップS29の処理は、現在着目しているセンサノードと接続中の中間ノード及び通信品質最良の中間ノード(または親ノード)以外の中間ノードに対して当該センサノードとの接続を一時的に禁止するため、当該センサノードとの接続を不許可にするコマンドを送信する。ミドルウェア500は、接続不許可のコマンドを送信した各中間ノードから応答(返戻)を受信したら、ステップS30へ進む。
ステップS30では、現在着目しているセンサノードに対して、無線ネットワークへ再接続(rejoinコマンド)を行うように指令する。センサノードは上述したように再接続要求を無線ネットワークPAN1へ送信し、各中間ノードが受信してセンサネットサーバSVRのミドルウェア500へ許可を要求する。
ここで、通信品質が最良の中間ノード(または親ノード)と現在接続中の中間ノード以外の中間ノードは、ステップS29のミドルウェア500からの指令によって、当該センサノードとの接続が一時的に禁止されている。このため、センサノードが再接続要求を送信すると、現在接続中の中間ノードと、通信品質最良の中間ノード(または親ノード)がミドルウェア500に対してセンサノードとの接続許可を要求することになる。そして、ミドルウェア500は、センサノードの接続先として通信品質の良い中間ノード(または親ノード)を優先させるので、再接続によってセンサノードはより通信品質の良い中間ノード(または親ノード)に接続することになる。
こうして、通信品質が悪化したセンサノードの接続先を、より通信品質の良い中間ノードと接続へ変更した後には、ステップS18で、ミドルウェア500が当該センサノードとの接続を不許可にしていた中間ノードに対して、当該センサノードとの接続を許可するコマンドを送信して処理を終了する。
このように、第3の実施形態によれば、センサノードの通信品質が悪化すると、センサノードの電池残量の余裕に応じて、通信品質のより良い中間ノード(または親ノード)を検索する処理をセンサノード側またはセンサネットサーバSVR側の何れで行うかを選択することにより、センサノードの電力の消費を最小にしながら、より通信品質の良い中間ノードに接続することが可能となるのである。
<第4実施形態>
図12は、第4の実施形態を示し、前記第1実施形態のセンサネットサーバSVRがセンサノードSS1〜SS2nを配置した場所から離れた位置で、リモートによりセンサネットシステムの管理を行う例を示す。
図12は、第4の実施形態を示し、前記第1実施形態のセンサネットサーバSVRがセンサノードSS1〜SS2nを配置した場所から離れた位置で、リモートによりセンサネットシステムの管理を行う例を示す。
センサノードSS1〜SSnを備えた無線ネットワークPAN1は、ゲートウェイGW1を介してネットワークNWに接続され、センサノードSS21〜SS2nを備えた無線ネットワークPAN2は、ゲートウェイGW2を介してネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、インターネットまたは専用線などで構成されデータセンタDCに配置されたセンサネットサーバSVRに接続される。これらセンサネットサーバSVR、無線ネットワークPAN1、PAN2、センサノードSS1〜SS2nの構成は前記第1実施形態の図1と同様である。
データセンタDCには、センサネットサーバSVRに接続されてセンサネットシステムを管理するセンサネット監視クライアントCLが接続され、ノード管理テーブル520の設定やセンサネットシステムの保守などを行う。
図12の構成により、センサネットシステムの保守・管理をリモートにて行うことができる。
なお、図12においては、センサネットサーバSVRとゲートウェイGW1、GW2をリモート接続している例を示したが、センサネット監視クライアントCLとセンサネットサーバSVRの間をリモート接続としてもよい。
以上、本発明の上記各実施形態によれば、サーバ計算機がセンサノードと中間ノードの通信品質を監視して、センサノードと中間ノードの通信品質が悪化すると、センサノードの接続先を自動的に通信品質の良い中間ノードへ移すことが可能となり、特定の中間ノードにセンサノードが集中するのを防いで、バランスの良いセンサネットシステムを維持することが可能となる。さらに、センサノードは、中間ノードとの無線通信品質をセンシングデータとともに送信するので、サーバ計算機では、多数のセンサノードの通信品質を一元的に監視することができ、無線通信品質の悪化したときには、人手を要することなく極めて迅速にデータ伝送経路の再構築を実現できるのである。したがって、本発明を適用することで、センサネットシステムの保守、管理に要するコストを低減することが可能となるのである。
また、以上のように、本発明は、複数の中間ノードと多数のセンサノードを備えたセンサネットシステムに適用することができる。
SVR センサネットサーバ
SS1〜SS2n センサノード
RT1〜RT4 中継ノード
GW1、2 ゲートウェイ
500 ミドルウェア
510 通信品質テーブル
520 ノード管理テーブル
SS1〜SS2n センサノード
RT1〜RT4 中継ノード
GW1、2 ゲートウェイ
500 ミドルウェア
510 通信品質テーブル
520 ノード管理テーブル
Claims (14)
- センサを備えて所定の情報を測定し、測定結果をセンシングデータとして送信するセンサノードと、
前記センサノードに接続されて前記センシングデータを中継する複数の中間ノードと、
前記中間ノードに接続されて、前記中継されたセンシングデータを受信するサーバ計算機と
を備えたセンサネットシステムであって、
前記サーバ計算機は、
前記センサノードの運用中に、前記センサノードと中間ノードの通信品質を監視する通信品質モニタ部と、
前記通信品質が予め設定した条件を満たしたときに通信品質が悪化したことを判定する通信品質判定部と、
前記通信品質が悪化したと判定されたときには、当該通信品質のセンサノードが接続可能な中間ノードのうち、最も通信品質の高い中間ノードを選択する中間ノード選択部と、
前記選択した中間ノードに対して前記センサノードとの接続を許可する接続許可部と、
前記センサノードに対して、前記複数の中間ノードと再度接続する指令を送信する再接続指令部と
を備え、
前記センサノードは、
前記中間ノードと送受信を行う無線通信部と、
前記サーバ計算機からの前記指令に基づいて前記中間ノードに再接続を要求するセンサノード制御部と
を備えたことを特徴とするセンサネットシステム。 - 請求項1において、
前記中間ノード選択部は、
前記センサノードの起動時または再接続時に接続すべき中間ノードを親ノードとし、当該親ノードの識別子をセンサノードの識別子に対応付けて予め設定したノード管理部と、
前記親ノードの中から最も通信品質の高い中間ノードを選択する親ノード選択部と
を含むことを特徴とするセンサネットシステム。 - 請求項2において、
前記センサノードは、前記センシングデータに加えて接続中の中間ノードとの通信品質を示す通信品質情報を送信し、
前記通信品質モニタ部は、
前記中間ノードを介して前記センサノードから受信したセンシングデータより前記通信品質情報を抽出し、前記抽出した通信品質情報の履歴を格納する通信品質格納部を有し、
前記通信品質判定部は、
前記受信したセンシングデータから抽出した通信品質情報と、前記通信品質格納部に格納された通信品質情報とを比較して、比較結果が所定の条件を満足したときに通信品質の悪化を判定し、
前記親ノード選択部は、
前記ノード管理部から前記センサノードの親ノードを取得して、前記通信品質格納部から、通信品質情報の値が最も高い値を有する前記親ノードを選択する
ことを特徴とするセンサネットシステム。 - 請求項1において、
前記センサノードは、前記センシングデータに加えて中間ノードとの通信品質を示す通信品質情報を送信し、
前記通信品質モニタ部は、
前記中間ノードを介して前記センサノードから受信したセンシングデータより前記通信品質情報を抽出し、前記抽出した通信品質情報の履歴を格納する通信品質格納部を有し、
前記通信品質判定部は、
前記受信したセンシングデータから抽出した通信品質情報と、前記通信品質格納部に格納された通信品質情報とを比較して、比較結果が所定の条件を満足したときに通信品質の悪化を判定し、
前記中間ノード選択部は、
前記通信品質格納部から、通信品質情報の値が最も高い値を有する中間ノードを選択する
ことを特徴とするセンサネットシステム。 - 請求項1において、
前記中間ノード選択部は、
前記センサノードに対して、接続可能な中間ノードの通信品質を取得するアクティブスキャンを実行する指令を送信し、当該アクティブスキャンを実行したセンサノードから通信品質が最も高い中間ノードを取得する
ことを特徴とするセンサネットシステム。 - 請求項5において、
前記センサノードは、
電力を供給する電池を備えて、前記センシングデータに加えて中間ノードとの通信品質を示す通信品質情報と電池残量を送信し、
前記通信品質モニタ部は、
前記受信したセンシングデータから前記通信品質情報を抽出し、前記抽出した通信品質情報の履歴を格納する通信品質格納部を有し、
前記通信品質判定部は、
前記受信したセンシングデータから抽出した通信品質情報と、前記通信品質格納部に格納された通信品質情報とを比較して、比較結果が所定の条件を満足したときに通信品質の悪化を判定し、
前記中間ノード選択部は、
前記センサノードの電池残量が予め設定した閾値を超えているか否かを判定する電池残量判定部と、
前記電池残量が予め設定したしきい値を超えているときには、前記アクティブスキャンによって通信品質が最も高い中間ノードを取得し、前記電池残量が前記しきい値を超えていないときには、前記通信品質格納部から、通信品質情報の値が最も高い値を有する中間ノードを選択する
ことを特徴とするセンサネットシステム。 - 請求項6において、
前記中間ノード選択部は、
前記センサノードの起動時または再接続時に接続すべき中間ノードを親ノードとし、当該親ノードの識別子をセンサノードの識別子に対応付けて予め設定したノード管理部と、
前記電池残量が前記しきい値を超えていないときには、前記ノード管理部から前記センサノードの親ノードを取得して、前記通信品質格納部から通信品質情報の値が最も高い値を有する前記親ノードを選択する親ノード選択部と
を含むことを特徴とするセンサネットシステム。 - センサを備えて所定の情報を測定し、測定結果をセンシングデータとして送信するセンサノードに接続されて前記センシングデータを中継する複数の中間ノードに接続されて、前記中継されたセンシングデータを受信するサーバ計算機であって、
前記センサノードの運用中に、前記センサノードと中間ノードの通信品質を監視する通信品質モニタ部と、
前記通信品質が予め設定した条件を満たしたときに通信品質が悪化したことを判定する通信品質判定部と、
前記通信品質が悪化したと判定されたときには、当該通信品質のセンサノードが接続可能な中間ノードのうち、最も通信品質の高い中間ノードを選択する中間ノード選択部と、
前記選択した中間ノードに対して前記センサノードとの接続を許可する接続許可部と、
前記センサノードに対して、前記複数の中間ノードと再度接続する指令を送信する再接続指令部と
を備えたことを特徴とするサーバ計算機。 - 請求項8において、
前記中間ノード選択部は、
前記センサノードの起動時または再接続時に接続すべき中間ノードを親ノードとし、当該親ノードの識別子をセンサノードの識別子に対応付けて予め設定したノード管理部と、
前記親ノードの中から最も通信品質の高い中間ノードを選択する親ノード選択部と
を含むことを特徴とするサーバ計算機。 - 請求項9において、
前記センサノードから、前記センシングデータに加えて中間ノードとの通信品質を示す通信品質情報を受信し、
前記通信品質モニタ部は、
前記受信したセンシングデータから前記通信品質情報を抽出し、前記抽出した通信品質情報の履歴を格納する通信品質格納部を有し、
前記通信品質判定部は、
前記受信したセンシングデータから抽出した通信品質情報と、前記通信品質格納部に格納された通信品質情報とを比較して、比較結果が所定の条件を満足したときに通信品質の悪化を判定し、
前記親ノード選択部は、
前記ノード管理部から前記センサノードの親ノードを取得して、前記通信品質格納部から、通信品質情報の値が最も高い値を有する前記親ノードを選択する
ことを特徴とするサーバ計算機。 - 請求項8において、
前記センサノードから、前記センシングデータに加えて中間ノードとの通信品質を示す通信品質情報を受信し、
前記通信品質モニタ部は、
前記受信したセンシングデータから前記通信品質情報を抽出し、前記抽出した通信品質情報の履歴を格納する通信品質格納部を有し、
前記通信品質判定部は、
前記受信したセンシングデータから抽出した通信品質情報と、前記通信品質格納部に格納された通信品質情報とを比較して、比較結果が所定の条件を満足したときに通信品質の悪化を判定し、
前記中間ノード選択部は、
前記通信品質格納部から、通信品質情報の値が最も高い値を有する中間ノードを選択する
ことを特徴とするサーバ計算機。 - 請求項8において、
前記中間ノード選択部は、
前記センサノードに対して、接続可能な中間ノードの通信品質を取得するアクティブスキャンを実行する指令を送信し、当該アクティブスキャンを実行したセンサノードから通信品質が最も高い中間ノードを取得する
ことを特徴とするサーバ計算機。 - 請求項12において、
電力を供給する電池を備えた前記センサノードから前記センシングデータに加えて中間ノードとの通信品質を示す通信品質情報と電池残量とを受信し、
前記通信品質モニタ部は、
前記受信したセンシングデータから前記通信品質情報を抽出し、前記抽出した通信品質情報の履歴を格納する通信品質格納部を有し、
前記通信品質判定部は、
前記受信したセンシングデータから抽出した通信品質情報と、前記通信品質格納部に格納された通信品質情報とを比較して、比較結果が所定の条件を満足したときに通信品質の悪化を判定し、
前記中間ノード選択部は、
前記センサノードの電池残量が予め設定したしきい値を超えているか否かを判定する電池残量判定部と、
前記電池残量が前記しきい値を超えているときには、前記アクティブスキャンによって通信品質が最も高い中間ノードを取得し、前記電池残量が前記しきい値を超えていないときには、前記通信品質格納部から、通信品質情報の値が最も高い値を有する中間ノードを選択する
ことを特徴とするサーバ計算機。 - 請求項13において、
前記中間ノード選択部は、
前記センサノードの起動時または再接続時に接続すべき中間ノードを親ノードとし、当該親ノードの識別子を予め設定したノード管理部を有し、前記電池残量が前記しきい値を超えていないときには、前記通信品質格納部から、通信品質情報の値が最も高い値を有する親ノードを選択する
ことを特徴とするサーバ計算機。
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