JP2009110680A - 同軸コネクタの接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な同軸コネクタの接続構造にて、同軸ケーブルの接続部全体に渡って良好な特性インピーダンスの整合を図る同軸コネクタの接続構造を提供する。
【解決手段】中継治具20を用いて2つの同軸ケーブル10、11を中継接続し、箔状導体を備えたフィルム30により2つの同軸ケーブル10、11と中継治具20とを前記箔状導体が接するように全周囲を覆うことで、同軸ケーブル10、11と中継治具20の特性インピーダンスを整合することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つの同軸ケーブルを中継治具によって接続した同軸コネクタの接続構造に関するものである。
従来の同軸コネクタの接続構造は、2つの同軸ケーブルの信号線導体に、オス導体端子、メス導体端子、誘電体部品等の構造部品を設けたものであり、同軸ケーブルの接続部のインピーダンスを整合すると共に、2つの同軸ケーブルの接続を図るものであった(例えば、特許文献1参照)。
図4(a)は、特許文献1に記載された従来の同軸コネクタの接続構造を示した断面図であり、図4(b)は従来の同軸コネクタの分解斜視図である。
ここで従来の同軸コネクタの接続構造を製作する手順について図4(a)、(b)を使用しながら説明する。
1.ケーブル61のケーブル信号線導体61aに内導体端子91をケーブル信号線導体圧着端子91bによって圧着する。(図は省略しているが、もうひとつのケーブル62も同様に、ケーブル62のケーブル信号線導体62aに対して内導体端子92をケーブル信号線導体圧着端子92bによって圧着する。)
2.誘電体93には導電性の拡径部材81を押し込み収容させる。(同様にして誘電体94にも導電性の拡径部材82を押し込み収容させる。)
3.次に外導体端子71内部に誘電体93を押し込み収容させる。(同様にして外導体端子72内部に誘電体94を押し込み収容させる。)
4.そして、内導体端子91を備えたケーブル61を、外導体端子71内部に収容して、ケーブル導体61bと圧着部71aを接触させる。(同様にして内導体端子92を備えたケーブル62を、外導体端子72内部に収容して、ケーブル導体62bと圧着部72aを接触させる。)
5.最後に図4(a)に示すようにオス側(外導体端子71側)とメス側(外導体端子72側)のコネクタ構造を形成しておく。
ここで、信号線導体61a、62a同士の導通は、内導体端子タブ部91a、92aを接触導通することで実現する。またケーブル導体61b、62b同士の導通は、外導体端子71と外導体端子72同士を接触導通することで実現している。
また、当構造のコネクタにおいて、誘電体93、94には収容後の内導体端子91、92に接触導通して、シールドされていない内導体端子圧着部81a、82aを太径にする導電性の拡径部材81、82が収納後の内導体端子91、92に接触導通するように設けられている。
一方(オス側)のコネクタと他方(メス側)のコネクタを対向させて接続させた際には、メス側コネクタに備えられた「メス側外導体端子内径とメス型内導体端子外径の比」と、オス側コネクタに備えられた「オス側外導体端子内径とオス型内導体端子外径の比」が等しくなるように形成されているので、それぞれの特性インピーダンスが整合されている。さらに、外導体端子71、72によってシールドされていない内導体端子の圧着後の圧着部81a、82aを太径に拡径する拡径部材81、82によって特性インピーダンスを低くすることで特性インピーダンスが整合されている。
特開2002−270305号公報(12頁−図8)
しかしながら、前記従来の同軸コネクタの接続構造では、メス端子をオス端子に押し込むカシメ(勘合)構造を採用しており、ケーブル信号線導体に内導体端子を圧着しているため、圧着時のばらつきに応じて圧着部の導体断面には凹凸構造が発生する。これらの凹凸構造は不定形であり、この凹凸構造を見込んでケーブル信号線導体とケーブル導体の距離を一定に保つには部品数の増加や構造が複雑化するため、同軸ケーブル接続部全体において特性インピーダンスの不整合箇所が発生するという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、同軸ケーブル接続部の全体に渡って特性インピーダンスの整合を図り、高速信号に対しても良好な信号伝送を実現する同軸コネクタの接続構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の同軸コネクタの接続構造は、貫通穴を円中央に備えた円筒状の中継治具導体と前記中継治具導体を覆う円筒状の中継治具誘電体から成る中継治具と、同心円状に同軸ケーブル信号線導体、誘電体、同軸ケーブル導体が中心から配置され、その外周を絶縁外皮で覆った同軸ケーブルの前記同軸ケーブル信号線導体が、前記中継治具の貫通穴の両方から対に挿入され、箔状導体を備えたフィルムにより2つの前記同軸ケーブルと前記中継治具とを前記箔状導体が接するように全周囲に配した同軸コネクタの接続構造であって、次の(数1)を満たすものであることを特徴とする。
A:前記同軸ケーブル信号線導体の外径
B:前記同軸ケーブル導体の内径
C:前記中継治具導体の外径
D:前記中継治具誘電体の外周に沿って前記箔状導体が形成する円筒の直径(以下、この直径を「箔状導体の内径」とする)
本構成によって、同軸ケーブルと中継治具の特性インピーダンスを整合することができる。
以上のように、本発明の同軸コネクタの接続構造によれば、「同軸ケーブル信号線導体の外径と同軸ケーブル導体の内径との比」と「中継治具導体の外径と箔状導体の内径との比」を同軸ケーブル接続部全体に渡って一致することが可能となり、従来の同軸コネクタの接続構造において部品の圧着時のばらつきに応じて発生していたインピーダンスの不整合による同軸コネクタ接続部の信号劣化を最小限にすることができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるフィルムを覆う前の同軸コネクタの接続構造を示した断面図である。この同軸コネクタの接続構造は、2つの同軸ケーブル10、11と中継治具20とフィルム30とによって構成される。
まず同軸ケーブル10、11は、同心円状に同軸ケーブル信号線導体10a、11a、同軸ケーブル誘電体10b、11b、同軸ケーブル導体10c、11cが中心から配置され、その外周を同軸ケーブル表皮10d、11dであるシースで覆ったケーブルである。
後述する中継治具20と接触する2つの同軸ケーブル10、11の切断部は、同軸ケーブル信号線導体10a、11aと同軸ケーブル導体10c、11cが露出するように予め処理を行う。なお、露出する同軸ケーブル信号線導体10a、11aの長さは後述する中継治具導体20aと接触導通を行うため10mm以上が適切であり、また露出する同軸ケーブル導体10c、11cの長さは同軸ケーブル導体同士の接触導通を図るため5mm以上が適切である。
次に中継治具20は、同軸ケーブル信号線導体10a、11aを挿入するための貫通穴20cを円中央に備えた円筒状の中継治具導体20aと、中継治具導体20aを覆う円筒状の中継治具誘電体20bから成る。この中継治具20は、貫通穴20cの両側から同軸ケーブル信号線導体10a、11aを挿入することで同軸ケーブル信号線導体10a、11aの接触導通を図ることができ、貫通穴20cの内径は同軸ケーブル信号線導体10a、11aの外径+0.1〜+0.2mm程度であればよい。
また中継治具導体20aは、一般的に同軸ケーブル信号線導体10a、11aと同じ銅で構成されるが、伝送する信号に応じて銀、銅と銀の合金材料を用いてもよい。
また中継治具誘電体20bは、同軸ケーブル誘電体10b、11bと等しい誘電率を持つ誘電体材料であり、一般的には多くの同軸ケーブルに採用されているポリエチレンが適している。
この中継治具誘電体20bと同軸ケーブル10、11との接触面には、直径が同軸ケーブル10、11の同軸ケーブル導体10c、11cの外径より2mm程度大きい円状の凹部を設け、同軸ケーブル10、11を凹部にはめ込むことで同軸ケーブル信号線導体10a、11aと中継治具導体20aの位置合わせができる。また、凹部に同軸ケーブル10、11をはめ込むことで同軸ケーブル10、11の位置ずれを阻止できるため、同軸ケーブルの接続強度を向上することもできる。なお、接続強度を向上するために、凹部の深さは5〜10mmが適当である。
次にフィルム30は、箔状導体30bを中継治具20と接する側に備え、熱や光の照射によって収縮して同軸ケーブル10、11と中継治具20の全周囲に配するシュリンクフィルム30aから成り、箔状導体30bによって2つの同軸ケーブル導体10c、11cの接触導通を図るものである。なお、フィルム30は、シュリンクフィルム30aが同軸ケーブル10、11及び中継治具20と接する側に導体層を形成して、導体層とシュリンクフィルム30aを一体構成することもできる。
次に同軸コネクタの接続構造を構成している同軸ケーブル10、11と中継治具20とフィルム30の大きさの関係について説明する。
まず中継治具導体20aの外径R3は、『「同軸ケーブル信号線導体10a、11aの各々の外径R1、R1´」と「同軸ケーブル導体10c、11cの各々の内径R2、R2´」の比』が、『「中継治具導体20aの外径R3」と「箔状導体30bの内径R4(箔状導体30bが中継治具誘電体20bを覆った際に中継治具誘電体20bの外周に沿って箔状導体30bが形成する円筒の直径を示す。箔状導体30bは中継治具誘電体20bに密着するため箔状導体30bの内径と中継治具誘電体20bの外径は同値である。)」の比』に一致するように形成する。この関係は、以下の(数1)のことを意味する。
A:同軸ケーブル信号線導体10a、11aの外径R1、R1´
B:同軸ケーブル導体10c、11cの内径R2、R2´
C:中継治具導体20aの外径R3
D:中継治具誘電体20bの外周に沿って箔状導体30bが形成する円筒の直径(以下、この直径を「箔状導体30bの内径R4」とする)
なお、中継治具誘電体20bの誘電体材料が同軸ケーブル誘電体材料と異なる場合は、以下の(数2)で導出される特性インピーダンスが、同軸ケーブルの特性インピーダンスと同等となるように中継治具導体20aの外径R3、及び中継治具誘電体20bの径を構成することで、特性インピーダンスの整合を図ることができる。
なお、同軸ケーブル信号線導体10a、11aの外径、及び同軸ケーブル誘電体10b、11bの内径が異なる同軸ケーブルを中継治具に接続する場合であっても、以下(数2)を満足するように中継治具導体20aの外径R3、中継治具誘電体20bの内径を決定することで特性インピーダンスを整合して同軸ケーブル10、11を接続することができる。
ここで、同軸ケーブルの軸方向に対して垂直断面の特性インピーダンスZ0は、一般的に(数2)で近似できる。ここで、αは同軸ケーブル導体内径、βは同軸ケーブル信号線導体外径、εrは誘電体の比誘電率である。
なお、中継治具誘電体20bの表皮の略円筒軸方向の両端部は、フィルム30が同軸ケーブル導体10c、11cと密着するように、テーパーを設けてもよい。
また、フィルム30によって中継治具20と2つの同軸ケーブル10、11を覆う場合、箔状導体30b、シュリンクフィルム30aの順で中継治具20と2つの同軸ケーブル10、11を覆い、その後、熱や光を照射することで、箔状導体30bが2つの同軸ケーブル導体10c、11cと接触することで2つの同軸ケーブル導体10c、11cの接触導通を図るとともに、シュリンクフィルム30aの収縮力によって2つの同軸ケーブル10、11と中継治具20を固定することができる。なお、フィルム30は、予め箔状導体30bとシュリンクフィルム30aを重ね合わせておき、重ねあわされた状態のフィルム30によって中継治具20と2つの同軸ケーブル10、11を覆い、その後、熱や光を照射して一体化するものであってもよい。
また、フィルム30は、予め箔状導体30bとシュリンクフィルム30aとを重ね合わせたものをチューブ形状に加工しておき、チューブ形状に加工したフィルム30を、2つの同軸ケーブル10、11を中継治具20によって接合する前に、予め一方の同軸ケーブル10、11に貫通させておき、2つの同軸ケーブル10、11を中継治具20にて接続した後に、同軸ケーブル導体10c、11c同士が箔状導体30bによって接触導通できる位置に移動させて中継治具20と2つの同軸ケーブル10、11を覆い、その後、熱や光を照射して一体化するものであってもよい。
なお、箔状導体30bは、同軸ケーブル導体10c、11c同士を導通させるためのものであり、導体材料としては一般的には銅を用いる。しかし、伝送する信号に応じて銀、銅と銀の合金材料よって箔状導体30bを構成してもよい。
シュリンクフィルム30aは、熱や光を照射することで収縮するフィルムであって、ポリエチレン、塩ビ(PVC)等が一般的に用いられているが、コンポジット材料や多層構造であっても熱や光等の手段によって収縮するフィルムであれば、それらをシュリンクフィルム30aとして用いてもよい。
ここで、本発明の同軸コネクタの接続構造を持った具体的な同軸コネクタの製作方法について説明する。
(1)同軸ケーブルの準備
同軸ケーブル10は、同軸ケーブル信号線導体10a、同軸ケーブル誘電体10b、同軸ケーブル導体10c、シース10dによって形成される。一般的に同軸ケーブル信号線導体10aは、信号を伝送するものであり、主に銅を使用している。同軸ケーブル誘電体10bは、同軸ケーブル信号線導体10aと同軸ケーブル導体10cを絶縁するものであり、主にポリエチレンを使用している。同軸ケーブル導体10cは、信号に対するGNDとして機能し、主に銅を使用している。シース10dは、同軸ケーブル10の保護と他導体との導通を遮断するものであり、主にポリエチレンを使用している。
今回使用する同軸ケーブル10、11は、同等のものであり、以下の(表1)に示した高周波用同軸ケーブルを使用した。インピーダンスは、49.7Ωである。
この2つの同軸ケーブル10、11が中継治具20と接触する端部は、同軸ケーブル信号線導体10a、11aと同軸ケーブル導体10c、11cが露出するように予め処理を行う。露出する同軸ケーブル信号線導体10a、11aの長さは中継治具導体20aと接触導通を行うため10mm、露出する同軸ケーブル導体10c、11cの長さは同軸ケーブル導体同士の接触導通を図るため10mmとする。
(2)中継治具の準備
中継治具20は、中継治具誘電体20bに設けた貫通穴に中継治具導体20aを挿入して形成する。
中継治具導体20aは、銅でできた円柱を準備し、円柱の円中央に同軸ケーブル信号線導体10a、11aを挿入するための貫通穴20cを設ける。貫通穴20cの径は、同軸ケーブル信号線導体10a、11aが中継治具導体20aと接触導通するために同軸ケーブル信号線導体の外径+0.1〜+0.2mm程度とする。
中継治具導体20aの貫通穴20c方向の長さは、2つの同軸ケーブル信号線導体10a、11aが完全に収納できるように、露出する同軸ケーブル信号線導体10a、11aの長さを合わせた長さより5mm程度長く設ける。
中継治具導体20aの外径R3は、中継治具導体20aが同軸ケーブル導体10c、11cと接触導通をしないようにすることが必須であり、今回の中継治具導体20aの外径R3は3.8mmとした。
次に、中継治具導体20aを覆うための中継治具誘電体20bを形成する。中継治具誘電体20bは、円中央に中継治具導体20aを挿入するための貫通穴(穴の径は、上記中継治具導体20aの外径R3と同等の3.8[mm])を設けた円筒形状である。中継治具誘電体20bの外径は、前述の(数2)より決定される。ここで、αは中継治具誘電体の外径(箔状導体が中継治具誘電体に密着するものとする)、βは中継治具導体の外径、εrは誘電体の比誘電率である。
尚、この貫通穴の径は、中継治具導体20aがこの貫通穴に隙間無く挿入されるように、中継治具導体20aの外径+0.1mmで形成するのが望ましい。
中継治具誘電体20bの材料が同軸ケーブル誘電体10b、11bと同等であるので、以下の(数2)に前述の同軸ケーブルの各数値を当てはめ(数3)とする。
この(数3)から中継治具誘電体20bの外径は13.0mmとなる。尚、中継治具誘電体20bの材質は、同軸ケーブル誘電体10b、11bによく使用されるポリエチレンを採用したが、この場合は中継治具誘電体20bの外径が同軸ケーブルのシース外径に比べて大きくなるため、比誘電率の大きい誘電体を採用してもよい。
中継治具誘電体20bの貫通穴方向の長さは、中継治具導体20aの長さより10mm程度長くする。そして、中継治具誘電体20bと同軸ケーブル10、11との接触面には、直径が同軸ケーブル導体10c、11cの外径より2mm程度大きく、深さが5mm程度の円状の凹部を設ける。これは、同軸ケーブル10、11を凹部にはめ込むことで同軸ケーブル信号線導体10a、11aと中継治具導体20aの位置合わせを行い、同軸ケーブル10、11と中継治具20の位置ずれを阻止するためである。また、中継治具誘電体20bの長手方向の端面は、後述の箔状導体30bとシュリンクフィルム30aの密着性を考慮してテーパーを設けておく。
(3)フィルムの準備
フィルム30は、熱や光の照射によって収縮するシュリンクフィルム30aと、2つの同軸ケーブル導体10c、11cを接触導通するための箔状導体30bによって形成される。
シュリンクフィルム30aの材料は、代表的な材料であるポリエチレンを使用する。また、箔状導体30bの材料は、同軸ケーブル導体10c、11c、および中継治具導体20aと同じ銅を用いる。
まず、厚さは30μm程度、収縮率が縦横40%程度、かつ縦方向(同軸ケーブル10、11、及び中継治具20の円周方向)50mm(これは、シュリンクフィルム30aを丸めて円筒形状とした場合に、シュリンクフィルム円筒の径が中継治具誘電体20bの外径より4mm大きくなることを想定した場合の長さである。ただし、シュリンクフィルム円筒を形成する場合に、シュリンクフィルム30aの端にシュリンクフィルム30a同士の圧着スペースを3mm設けるものとする。)、横(中継治具20の貫通穴20c方向)100mmのシュリンクフィルム30aのシートを準備する。次に、シュリンクフィルム30aのシート上に2つの同軸ケーブル導体10c、11cを接触導通するための箔状導体30bを接着する。尚、箔状導体30bの大きさは、縦47mm、横80mmとし、シートに対する箔状導体30bの接着位置は、縦方向の一端はシュリンクフィルム30aのシートと箔状導体30bの端を揃え、もう一端は箔状導体30bとシートの間に3mmのスペースが空くようにする。横方向は、シュリンクフィルム30aのシートと箔状導体30bが両端共に10mmあくようにする。接着方法は、シュリンクフィルム30aに合成ゴム系の接着剤を薄く延ばし、その上に箔状導体30bをのせて接着する。また、縦方向に設けた箔状導体30bとシュリンクフィルム30aのシート間に設けたシュリンクフィルム30a上の3mmのスペースに対して合成ゴム系の接着剤を付着させ、シュリンクフィルム30aの端同士を接着する。これにより、外径が15mm、長手方向の長さが100mmの円筒形のフィルム30ができる。

(4)同軸ケーブルと中継治具とを接続し、その後のフィルムを覆うことによる同軸コネクタの接続
まず、2つの同軸ケーブル10、11の内、1つの同軸ケーブル10に対して、中継治具20と接触する端部からフィルム30を挿入する。次に、フィルム30を挿入した同軸ケーブル10の同軸ケーブル信号線導体10aを中継治具導体20aの貫通穴20cに挿入する。また、フィルム30を挿入していない同軸ケーブル11の同軸ケーブル信号線導体11aを、中継治具導体20aの貫通穴20cに挿入する。このとき、2つの同軸ケーブル10、11を、中継治具20の凹部に同軸ケーブル誘電体10b、11bが中継治具誘電体20bに接触するまで挿入しておく。中継治具20と2つの同軸ケーブル10、11が密着した状態で、フィルム30の長手方向の中央と中継治具20の長手方向の中央が一致する位置まで移動させ、この位置関係の状態において、フィルム30に対して約55℃の熱風を照射してフィルム30を収縮させる。熱風を照射する際は、熱風のフィルム30に対する照射位置を時間と共に円周方向に移動させ、なおかつ、フィルム30の長手方向の中央からフィルム30の一端方向に向けて、ネジ山に沿って熱風を照射する要領でフィルム30に対して熱風を照射する。その後、フィルム30のもう一端方向に向けても、他方と同様の方法により熱風を照射する。このようにすることで、中継治具20、及び2つの同軸ケーブル10、11とフィルム30の間に形成されている空間に気泡が形成されるのを防ぐ。フィルム30が熱風によって収縮すると、フィルム30の中継治具20側に設けた箔状導体30bが中継治具誘電体20bに密着する。これによって、「同軸ケーブル信号線導体の外径と同軸ケーブル導体の内径の比」と「中継治具導体の外径と箔状導体の内径の比」が等しくなるため、2つの同軸ケーブル10、11と中継治具20の接触部においてインピーダンスが整合される。また、2つの同軸ケーブル10、11が中継治具20から外れる方向に力が働いた場合であっても、2つの同軸ケーブル10、11とフィルム30が一体化しているため、容易に接続が外れることがなく、インピーダンスの不整合が発生しにくくなる。
また、以上の方法で製作された本発明の同軸コネクタの接続構造から同軸ケーブル10、11を取り外したい場合には、フィルム30を切開することで容易に取り外すことができる。
また、取り外した同軸ケーブル10、11を中継治具20によって再度接続したい場合は、2つの同軸ケーブル10、11と中継治具20は使用済みであってもフィルム30だけを新たなものに取り替えるだけでよい。
かかる構成によれば、フィルム30の収縮によって箔状導体30bを中継治具誘電体20bの表皮に密着することが可能となり、同軸ケーブル信号線導体10a、11aの各々の外径R1、R1´と同軸ケーブル導体10c、11cの各々の内径R2、R2´の比と、中継治具導体20aの外径R3と箔状導体30bの内径R4の比を中継治具20の接続部で一致することができるため、同軸ケーブル10、11と中継治具20の特性インピーダンスを整合することができる。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2におけるフィルムを覆う前の同軸コネクタの接続構造を示した断面図であり、図3は本発明の実施の形態2におけるフィルムを覆った同軸コネクタの接続構造を示した断面図である。
この実施の形態2における同軸コネクタの接続構造と、前述の実施の形態1における同軸コネクタの接続構造と異なる点は、同軸ケーブル10、11にストッパー40を設けたことである。
まず、変形が容易な金属輪を準備する。材質がアルミニウムで、外径12mm、内径10mm、幅2mmの金属輪を形成する。この金属輪を一方の同軸ケーブル10の中継治具20と接触する端部から挿入し、シース10dの中継治具20と接触する端部から10mmの位置でカシメ、ストッパー40を設けておく。もう一方の同軸ケーブル11に対しても同様にして、アルミニウム輪を同軸ケーブル11のシース10d上にカシメてストッパー40を設けておく。
このストッパー40が中継治具20と接する側の同軸ケーブル表皮10d、11dに同軸ケーブル10、11の外径よりも大きい内径をもつストッパー40を予め圧着固定することで、フィルム30が収縮する際にストッパー40に被覆固定され、2つの被接続同軸ケーブル10、11間に引力が発生する。この引力によって、同軸ケーブル10、11の接続を妨げる方向に力が働く際に、同軸ケーブル10、11と中継治具20の間に発生する間隙を防止し、同軸ケーブル10、11と中継治具20部の特性インピーダンスの不整合を防ぐことができる。
なお、ストッパー40は、同軸ケーブル10、11の直径より2mm程度大きい直径を持った円形リングで、ペンチやプレス機によって同軸ケーブル10、11に圧着固定する。ストッパー40の材質は、真鍮や銅等のように外力によって容易に変形する金属材料が望ましい。また、ストッパー40の圧着位置は、フィルム30が収縮する際にストッパー40に被覆固定されるように同軸ケーブル10、11が中継治具20と接触する側から約10mm程度離れた同軸ケーブル表皮10d、11dが適当である。
かかる構成によれば、同軸ケーブル10、11に対して接続を妨げる方向に力が働いた場合においても特性インピーダンスを整合できるため、本発明の同軸コネクタの接続構造は広い用途においても適用できる。
また、フィルム30は、シュリンクフィルム30aが同軸ケーブル10、11、及び中継治具20と接する側に予め導体を蒸着・塗布して薄膜状の導体層を形成しておき、導体層とシュリンクフィルム30aを一体物として形成されたものを使用してもよい。
これにより、フィルム30の収縮時に箔状導体30bに生じるしわを回避し、中継治具誘電体20bとフィルム30をムラ無く密着することで、中継治具導体20aの外径R3と箔状導体30bの内径R4の値を制御することができる。そのため、『「同軸ケーブル信号線導体10a、11aの各々の外径R1、R1´」と「同軸ケーブル導体10c、11cの各々の内径R2、R2´」の比』を、『「中継治具導体20aの外径R3」と「箔状導体30bの内径R4」の比』を同軸ケーブル10、11の接続部全体に渡って一致させることができる。
なお、同軸ケーブル10、11、及び中継治具20と接する側に予め導体を蒸着・塗布して導体層を形成し、前記導体層とシュリンクフィルム30aを一体物として形成したフィルム30をチューブ形状に加工しておいてもよい。このチューブ形状に加工したフィルム30を、2つの同軸ケーブル10、11を中継治具20によって接合する前に、予め一方の同軸ケーブル10に貫通させておき、2つの同軸ケーブル10、11を中継治具20にて接続した後に、2つの同軸ケーブル10、11の同軸ケーブル導体10c、11cと接触導通できる位置に移動させて中継治具20と2つの被接続同軸ケーブル10、11を包括し、その後、熱や光を照射して2つの同軸ケーブル10、11を接続するものであってもよい。
本発明の同軸コネクタの接続構造は、同軸コネクタの接続部の特性インピーダンスを整合することが可能であり、構造、接続方法も簡易であるため、商品の大量生産途上、補修、据付現場等における同軸ケーブル同士の接続の用途に活用できる。
本発明の実施の形態1におけるフィルムを覆う前の同軸コネクタ接続構造を示した断面図 本発明の実施の形態2におけるフィルムを覆う前の同軸コネクタ接続構造を示した断面図 本発明の実施の形態2におけるフィルムを覆った同軸コネクタ接続構造を示した断面図 (a)従来の同軸コネクタの接続構造を示した断面図、(b)従来の同軸コネクタの分解斜視図
符号の説明
10 同軸ケーブル
10a 同軸ケーブル信号線導体
10b 同軸ケーブル誘電体
10c 同軸ケーブル導体
10d 同軸ケーブル表皮
11 同軸ケーブル
11a 同軸ケーブル信号線導体
11b 同軸ケーブル誘電体
11c 同軸ケーブル導体
11d 同軸ケーブル表皮
20 中継治具
20a 中継治具導体
20b 中継治具誘電体
20c 貫通穴
30 フィルム
30a シュリンクフィルム
30b 箔状導体
40 ストッパー
R1 同軸ケーブル信号線導体10aの外径
R2 同軸ケーブル導体10cの内径
R1´ 同軸ケーブル信号線導体11aの外径
R2´ 同軸ケーブル導体11cの内径
R3 中継治具導体20aの外径
R4 箔状導体30bの内径

Claims (2)

  1. 貫通穴を円中央に備えた円筒状の中継治具導体と前記中継治具導体を覆う円筒状の中継治具誘電体から成る中継治具と、
    同心円状に同軸ケーブル信号線導体、誘電体、同軸ケーブル導体が中心から配置され、その外周を絶縁外皮で覆った同軸ケーブルの前記同軸ケーブル信号線導体が、前記中継治具の貫通穴の両方から対に挿入され、
    箔状導体を備えたフィルムにより2つの前記同軸ケーブルと前記中継治具とを前記箔状導体が接するように全周囲に配した同軸コネクタの接続構造であって、
    次の(数1)を満たすものであることを特徴とする同軸コネクタの接続構造。
    A:前記同軸ケーブル信号線導体の外径
    B:前記同軸ケーブル導体の内径
    C:前記中継治具導体の外径
    D:前記中継治具誘電体の外周に沿って前記箔状導体が形成する円筒の直径(以下、この直径を「箔状導体の内径」とする)。
  2. 同軸ケーブルの絶縁外皮に圧着固定し、前記フィルムによって被覆固定された際に、2つの同軸ケーブル間に引力を生じせしめるストッパーを有することを特徴とする請求項1に記載の同軸コネクタの接続構造。
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