JP2009107939A - 新規プリンダイマー化合物又はその塩、及びその用途 - Google Patents

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一大 村中
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Abstract

【課題】HSP90阻害活性を有し、優れた抗腫瘍効果を示す新規なプリン化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(1)
Figure 2009107939

で表されるプリンダイマー化合物又はその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた抗腫瘍効果を有する二量化された新規プリン化合物又はその塩に関するものである。
分子シャペロンとは、蛋白質の機能的高次構造形成を促進するために標的蛋白質と一時的に複合体を形成する蛋白質の総称である。蛋白質の折り畳みや会合を助け、凝集を抑止する活性を持つ蛋白質を幅広く指して分子シャペロンと呼んでおり、その分子量によって幾つかのファミリーに分類される(HSP90、HSP70、HSP60、HSP40、small HSPsなど)。
Heat Shock Protein 90(以下、HSP90)は細胞内にほぼ均一に分布し、主に二量体として存在し、細胞内では様々なタンパク質と複合体を形成することにより、タンパク質の機能と安定性を調節している。その基質となるタンパク質は、細胞周期・細胞増殖に関わる情報伝達タンパク質が多く、細胞内のシグナル伝達系に関わる多数の分子と相互作用することが知られている。従って、HSP90を阻害することは、複数の癌関連タンパク質の機能発現の制御に繋がり、HSP90阻害剤単剤で癌化情報伝達系路を同時に遮断し優れた抗腫瘍効果を示すと考えられている(非特許文献1)。
HSP90を分子標的とした抗癌剤開発は精力的に行われており、当初チロシンキナーゼ阻害剤として微生物から見出されたアンサマイシン系天然物であるGeldamnamycin(以下GM)や、マクロライド系天然物であるRadicicol(以下RD)、アデノシン誘導体であるPU3(特許文献1、非特許文献2)、PU24FCl、PU-H58(非特許文献3)等が、HSP90に作用しその機能を阻害する化合物として知られている。
現在、第I/II相臨床試験進行中のHSP90阻害剤である17-allylamino-17-demethoxygeldanamycin(以下17-AGG)(非特許文献4)など、HSP90を標的とする抗腫瘍剤はGMの誘導体が多い。一方、低分子リガンドであるPU3のHSP阻害活性はGM等の天然物に比較して遙かに低いのが現状である。
国際公開第02/036075号公報 Nat.Rev.Cancer,2005,5,761-772 Chem.Biol.,2001,8(3),289-299 J.Med.Chem.,2006,49,381-390 Curr.CancerDrugTargets.,2003,3(5),385-390
本発明の目的は、HSP90阻害活性を有し、優れた抗腫瘍効果を示す新規なプリン化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で示されるプリンダイマー化合物又はその塩が、HSP90阻害活性及び殺腫瘍細胞活性を有し、かつ優れた抗腫瘍剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)
Figure 2009107939
[式中、R1及びR3は同一又は相異なって水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、
2及びR4は同一又は相異なって水素原子、又はハロゲン原子を示し、
1及びX2は同一又は相異なって直接結合、メチレン基、硫黄原子、又は酸素原子を示し、
Aは炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数3〜20のアルケニレン基、又は炭素数3〜20のアルキニレン基を示し、
Zは−NH−Y−NH−、又はHet−Y−Het−を示し、
Yはリンカーを示し、
Hetは窒素含有複素環基を示す。]
で表されるプリンダイマー化合物又はその塩を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分とする医薬を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)で表される化合物又はその塩の有効成分とする抗腫瘍剤を提供するものである。
本発明の新規プリンダイマー化合物又はその塩は、HSP90阻害活性及び殺腫瘍細胞活性を有し、抗腫瘍剤として極めて有用である。
本発明のプリンダイマー化合物又はその塩は、上記一般式(1)で表され、プリン化合物のN1位をリンカーで結合した、二量化された新規化合物である。
特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3には、本発明化合物の構成分子を一部含むプリン化合物が開示されており、それぞれHSP90の阻害活性を有することが知られている。またCancer Research,60,2090-2094,April 15,2000には、HSP90阻害剤であるGMを二量化した化合物が開示されている。しかしながら、リンカー部分の炭素数が増えるのに従い、殺腫瘍細胞活性が低下することが報告されている。一方、本発明化合物においては、リンカーの構造を検討することにより、リンカー鎖が長くなると、殺腫瘍細胞活性が上昇することを見出した。
一般式(1)中、R1、R3で示される「置換基を有していてもよいアリール基」の「アリール基」としては、炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、例えばフェニル基、ナフチル基が例示される。好ましくはフェニル基である。
一般式(1)中、R1、R3で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環」としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を少なくとも一つ含む単環又は多環の飽和複素環基又は芳香族複素環基が挙げられる。
飽和複素環基としては、3〜8員、好ましくは5又は6員の飽和複素環基が挙げられ、例えばピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、チオラニル基が例示できる。
芳香族複素環基としては、5〜8員、好ましくは5又は6員のヘテロアリール基が挙げられる。例えばチエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジル基等の単環;メチレンジオキシフェニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基、イソクロマニル基、クロマニル基等の縮合環が例示できる。
ここで、アリール基、複素環基に置換し得る「置換基」としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、トリフロロメチル基、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、N置換又は非置換カルバモイル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基等が例示される。これらの中で、特にハロゲン原子、アルコキシ基が好ましい。
置換基の数は、3個又は4個であることが好ましい。複数の基が置換している場合、それらの置換基は同一の原子又は基であってもよく、一部が異なった原子及び/又は基であってもよく、全てが異なった原子及び/又は基であってもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状又は環状アルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示できる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜6個の直鎖状、分岐鎖状又は環状アルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、シクロペンチルオキシ基が例示できる。
アリール基、複素環基としては、上記と同義である。
アミノ基、カルバモイル基、アリール基、複素環基に更に置換し得る「置換基」としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等を例示でき、特にハロゲン原子が好ましい。なお、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基としては、上記と同義である。
一般式(1)中、R1及びR3としては、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいメチレンジオキシフェニル基が好ましく、特にトリメトキシフェニル基、1,3−メチレンジオキシフェニル基が好ましい。
一般式(1)中、R2、R4で示される「ハロゲン原子」としては、上記と同義であり、好ましくはフッ素原子である。
一般式(1)中、X1、X2は、単結合、メチレン基、硫黄原子又は酸素原子を示すが、好ましくはメチレン基、硫黄原子である。
一般式(1)中、Aで示されるアルキレン基としては、直鎖状又は分枝状の炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられ、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、エイコサメチレン基が例示できる。
一般式(1)中、Aで示されるアルケニレン基としては、直鎖状又は分枝状の炭素数3〜20のアルケニレン基が挙げられ、例えばビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基、ノネ二レン基、デセニレン基、ウンデニレン基、ドデセニレン基、トリデセニレン基、テトラデセニレン基、ペンタデセニレン基、ヘキサデセニレン基、ヘプタデセニレン基、オクタデセニレン基、ノナデセニレン基、エイコセニレン基が例示できる。なお、二重結合の位置は特に限定されるものではない。
一般式(1)中、Aで示されるアルキニレン基としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素数3〜20のアルキニレン基が挙げられ、例えばエチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、ヘプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基、トリデシニレン基、テトラデシニレン基、ペンタデシニレン基、ヘキサデシニレン基、ヘプタデシニレン基、オクタデシニレン基、ノナデシニレン基、エイコシニレン基を例示できる。なお、三重結合の位置は特に限定されるものではない。
一般式(1)中、Zは、−NH−Y−NH−又は−Het−Y-Het−を示す(ここで、Yはリンカーを示し、Hetは窒素含有複素環基を示す。)。
上記Yとしては、特に限定されるものではないが、骨格原子が炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択され、所望により置換かつ/または分枝していてもよい60個までの原子長の鎖、例えば炭化水素鎖、ペプチド、オリゴ糖、ポリアミノ酸、ポリエチレングリコール単位、アルキルアミドアルカン、アルキルウレイドアルカン等を例示でき、このいずれかを単独で、多形でまたは組み合わせて用いてもよい。また、リンカーYは、化合物の薬学上または薬動力学上の特性を改善するために、所望により付加的な官能基と結合させてもよい。かかる官能基としては、親油性炭化水素基、ポリエチレングリコール(PEG)鎖およびペプチドが挙げられる。
炭化水素鎖としては、二重及び/又は三重結合を含んでいてもよい直鎖又は分枝状の炭化水素鎖、芳香族炭化水素鎖が挙げられ、例えば、炭素数2〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基、又はフェニレン基、キシリレニル基等の炭素数6〜12のアレーン−ジイル基を例示できる。
Hetで示される窒素含有複素環基としては、例えば2価の飽和もしくは不飽和の複素環式基又は縮合複素環式基が挙げられる。複素環としては、前記で挙げた複素環を例示できるが、トリアゾリル基が特に好ましい。
リンカーYの好ましい例としては、−(CH2l−(OCH2CH2m−(OCH2CH=CHCH2n−(OCH2CH2o−(O)p−(CH2q−(ここで、lは2〜30の整数を示し、m、n及びoは同一又は相異なって0〜10の整数を示し、pは0又は1の整数を示し、qは0〜30の整数を示す。)で示される基が挙げられる。このうち、l+m+n+o+p+qの数は4〜40、特に6〜40、さらに8〜40が特に好ましい。またlは2〜20が好ましい。qは0〜20、特に2〜20が好ましい。
本発明において、好ましい−A−Z−A−として、以下の(I)〜(V)を例示できる。
Figure 2009107939
(式(I)〜(V)中、rは2〜30の整数を示し、s、t、u、v及びwは、同一又は相異なって0〜10の整数を示す。)
本発明のプリンダイマー化合物は、薬学的に許容される塩を形成することができ、斯かる塩もまた本発明に含まれる。例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩を形成することができる。また、本発明のプリンダイマー化合物は、置換基の種類によって光学異性体又は幾何異性体を生じることがあるが、本発明はそのいずれも包含するものである。そして、それらの異性体は、分割しても、混合物のままでも利用することができる。さらに、本発明のプリンダイマー化合物は、水和物に代表される溶媒和物、無晶形(アモルファス)又は結晶多形も包含する。
本発明の化合物として、下記の化合物又はその塩が挙げられる。
N,N'-ビス-[6-[6-アミノ-8-(3,4,5-トリメトキシベンジル)-9H-プリン-9-イル]-ヘクス-2-イル]- 1,4-ブタンジアミン、
N,N'-ビス-[6-[6-アミノ-8-(3,4,5-トリメトキシベンジル)-9H-プリン-9-イル]-ヘクス-2-イル]- 1,4-オクタンジアミン、
N,N'-ビス-[6-[6-アミノ-8-(3,4,5-トリメトキシベンジル)-9H-プリン-9-イル]-ヘクス-2-イル]- 1,4-ドデカンジアミン、
N,N'-ビス-[6-[6-アミノ-8-(3,4,5-トリメトキシベンジル)-9H-プリン-9-イル]-ヘクス-2-イル]- 1,4-ヘキサデカンジアミン、
N,N'-ビス-[6-[6-アミノ-8-(3,4,5-トリメトキシベンジル)-9H-プリン-9-イル]-ヘクス-2-イル]- 1,4-エイコサンジアミン。
本発明のプリンダイマー化合物又はその塩は、種々の方法により製造することができるが、例えば、下記工程に従い製造することができる。
<反応工程式1>
Figure 2009107939
(式中、R1〜R4、X1、X2、A及びZは上記と同義である。A1及びA2はAの前駆体を示し、Z1はアミノ基が保護されたZを示す。)
すなわち、プリン体(2)に、エステル化合物(A1)を結合させて化合物(3)を得、この化合物(3)のエステル基を還元して化合物(4)とし、次いでこれにスペーサー(Z1)を反応させてプリン2量体(5)を得る。次いで、化合物(Z1)のアミノ保護基を除去することにより本発明化合物(1)が得られる。
なお、プリン体(2)は、非特許文献3記載の方法、又はそれに準じる方法を用いて製造できる。
以下、上記各反応工程毎に説明する。
工程1に用いられるエステル化合物(A1)としては、ヒドロキシカルボン酸エステルが挙げられる。
工程1における、プリン体(2)にエステル化合物(A1)を反応させる反応は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン等の単一又は混合溶媒中、ジイソプロピルアゾジカルボキシレ−ト、ジエチルアゾジカルボキシレート等のアゾジカルボン酸エステルと、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のホスフィン化合物の存在下、0℃〜100℃にて30分〜6時間、好ましくは、室温にて、30分〜3時間反応させることにより行なわれる。
また別法として、エステル化合物(A1)のヒドロキシ基を公知の方法によりハロゲン化、又は2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドやp−トルエンスルホニルクロリド等と反応させて保護したものを用いてもよい。この場合、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン等の単一又は混合溶媒中、必要量の塩基の存在下、0℃〜100℃にて30分〜6時間、好ましくは、室温にて、30分〜3時間反応させることにより行なわれる。塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物;炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;n−ブチルリチウム等のアルキルリチウムを例示できる。
各試薬の使用量は、化合物(2)に対して、好ましくは1当量〜5当量(モル比)である。
工程2における、エステル基の還元は、還元剤を用いて行うことができる。還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素マグネシウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素系還元剤;リチウムアルミニウムハライド等の水素化アルミニウム系還元剤を例示できる。還元剤の使用量は、化合物(3)に対して、好ましくは2当量〜5当量(モル比)である。
使用できる溶媒としては、反応に影響がなければ特に限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;トルエン等の炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
反応における温度は、好ましくは−78℃〜100℃であり、反応時間は好ましくは10分〜3時間である。
工程3において、化合物(4)にスペーサー(Z1)を反応させ2量体(5)を得る工程は、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル等の溶媒中、ジイソプロピルアゾジカルボキシレ−ト、ジエチルアゾジカルボキシレート等のアゾジカルボン酸エステルと、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のホスフィン化合物の存在下、0℃〜100℃にて30分〜6時間、好ましくは、室温にて、30分〜3時間反応させることにより行なわれる。
また別法として、化合物(4)、スペーサー(Z1)及びホスホニウムイリド試薬を反応溶媒に溶解し、0℃〜100℃にて30分〜6時間、好ましくは、室温にて、30分〜3時間反応させてもよい。本反応で用いられるホスホニウムイリド試薬としては、アルカノイルメチレントリアルキルホスホラン、アルカノイルメチレントリアリールホスホラン、アルコキシカルボニルメチレントリアルキルホスホラン、アルコキシカルボニルメチレントリアリールホスホラン、シアノメチレントリアルキルホスホラン、シアノメチレントリアリールホスホラン等が挙げられる。ここで、トリアルキルとしては、例えばトリメチル、トリエチル、トリプロピル、トリイソプロピル、トリブチル、トリイソブチル等を例示でき、トリアリールとしては、トリフェニル、ジフェニルポリスチレン等を例示できる。
工程4において、2量体(5)のアミノ保護基を除去してアミン体(1)を得る反応は、メタノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の溶媒中、炭酸カリウム等の塩基存在下、チオフェノールで処理することにより行われる。
反応における温度は、好ましくは0℃〜100℃であり、反応時間は通常1時間〜3時間である。
各試薬の使用量は、化合物(5)に対して、好ましくは1当量〜5当量(モル比)である。
反応工程式1中、Aで示される部位の前駆体であるエステル化合物(A1)は、ヒドロキシ基を保護したヒドロキシ脂肪酸等をエステル化し、次いでヒドロキシ基の保護基を脱離させることにより得られる。
ヒドロキシ基を保護する方法は、公知の方法により行うことができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、イミダゾール等の塩基存在下、TBDPSCl等のシリルクロリドを反応させてシリル化することにより行われる。
次いで、シリル化合物のエステル化は、例えばテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、アルキルリチウム(例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム等)等の塩基存在下、ハロゲン化エステルを付加させることにより行われる。反応における温度は、好ましくは−78℃〜25℃であり、反応時間は好ましくは1時間〜3時間である。
ヒドロキシ基の脱保護は、好ましくは酸性条件下、TBAF等のフッ化物イオンを作用させて保護基を除去させることにより行われる。ここで用いられる酸としては、例えば塩酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸が例示できる。
また、スペーサー(Z1)の合成は、ジアミノ化合物のアミノ基を保護することにより得られる(A法)。また、ジヒドロキシ化合物のヒドロキシル基をメタンスルホニルオキシ、トシルオキシ等に変換した後、アジ化物を反応させ、次いで水系溶媒中で還元してアミノ体とし、さらにアミノ基を保護することにより得られる(B法)。
<A法>
ジアミノ化合物のアミノ基を保護する反応は、該化合物と、例えば2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド等のN−(2−ニトロ)ベンゼンスルホニルアミン誘導体とを公知の方法により反応させることにより行われる。
<B法>
メタンスルホニルオキシ化又はトシルオキシ化反応は、ジヒドロキシ化合物に、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒中、塩基、好ましくはトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の存在下に、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド等を反応させることにより行われる。
反応温度は、好ましくは−20℃〜100℃であり、反応時間は、好ましくは1時間〜12時間である。また、塩基の使用量は、ジヒドロキシ化合物に対して、好ましくは2当量〜10当量(モル比)である。
アジ化物を反応させる反応は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒に上記で得られた化合物を溶解し、アジ化物を加え、好ましくは0℃〜100℃で、1時間〜24時間反応させることにより行われる。
アジ化物としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属アジ化物;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属アジ化物;テトラブチルアンモニウムなどの4級アンモニウムアジ化物などを挙げることができ、特にアジ化ナトリウムが特に好ましい。アジ化物の使用量は、上記で得られた化合物に対して、好ましくは2当量〜10当量(モル比)である。
次いで、アジド体を、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の溶媒と、水又は水酸化ナトリウム水溶液の混合溶媒に溶解し、必要量のトリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィンを加え、好ましくは0℃〜100℃で、1時間〜12時間反応させて、アミン体を得る。トリアリールホスフィンの使用量は、アジド体に対して、好ましくは2当量〜10当量(モル比)である。
得られたアミン体のアミノ基を保護する反応は、前記A法と同様にして行うことができる。
一般式(1)中、−A−Z−A−で示されるリンカー部分が上記(II)である化合物の場合、例えば、下記工程に従い製造することができる。
<反応工程式2>
Figure 2009107939
(式中、R1〜R4、X1、X2は上記と同義である。Lgはヒドロキシ基又はヒドロキシ基に対する保護基を示し、Pgはアミノ基に対する保護基を示し、s及びwは0〜10の整数を示す。)
プリン体(2)にヒドロキシ基を有する化合物(a)を連結させる反応は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン等の単一又は混合溶媒中、ジイソプロピルアゾジカルボキシレ−ト、ジエチルアゾジカルボキシレート等のアゾジカルボン酸エステルと、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のホスフィン化合物の存在下、0℃〜100℃にて30分〜6時間、好ましくは、室温にて、30分〜3時間反応させることにより行なわれる。
また、別法として、ヒドロキシ基を公知の方法によりハロゲン化、又は2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドやp−トルエンスルホニルクロリド等と反応させて保護したものを用いる場合は、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン等の単一又は混合溶媒中、必要量の塩基の存在下、0℃〜100℃にて30分〜6時間、好ましくは、室温にて、30分〜3時間反応させることにより行なわれる。塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物;炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;n−ブチルリチウム等のアルキルリチウムを例示できる。
各試薬の使用量は、化合物(2)に対して、好ましくは1当量〜5当量(モル比)である。
化合物(a)のアミノ基は、公知の方法により、tert−ブトキシカルボニル基、ホルミル基、ベンゾイル基等の保護基で保護できる。
化合物(6)の脱保護反応は、保護基に応じた既知の方法、例えば酸処理、アルカリ処理又は接触還元により行われる。例えばtert−ブトキシカルボニル基で保護されている場合は塩化水素の酢酸エチル溶液等で処理することで、化合物(7)を得ることができる。
化合物(7)にスペーサー(b)を連結させる反応は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン等の単一又は混合溶媒中、必要量の塩基の存在下、0℃〜100℃にて30分〜6時間、好ましくは、室温にて、30分〜3時間反応させることにより行なわれる。塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物;炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;n−ブチルリチウム等のアルキルリチウムを例示できる。
各試薬の使用量は、化合物(7)に対して、好ましくは1当量〜5当量(モル比)である。
なお、スペーサー(b)は、Chem.Commun.2006,1652-1654に準じる方法を用いて製造できる。
化合物(8)を2量化し、本発明化合物(1a)を得る反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン等の溶媒中、Grubbs触媒の存在下、25℃〜100℃にて30分〜48時間、好ましくは、室温にて、1時間〜24時間反応させることにより行なわれる。Grubbs触媒としては、ベンジリデンビス−(トリシクロヘキシルフォスフィン)ジクロロルテニウム(Grubbs触媒第1世代)や1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ−(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルフォスフィン)ルテニウム(Grubbs触媒第2世代)を挙げることができる。
触媒の使用量は、化合物(8)に対して、好ましくは1当量〜5当量(モル比)である。
一般式(1)中、−A−Z−A−で示されるリンカー部分が上記(III)である化合物の場合、例えば、下記工程に従い製造することができる。
<反応工程式3>
Figure 2009107939
(式中、R1〜R4、X1、X2は上記と同義である。Lgはヒドロキシ基又はヒドロキシ基に対する保護基を示し、Pgはアミノ基に対する保護基を示し、t及びwは0〜10の整数を示す。)
上記工程中、化合物(2)から化合物(7)を得る工程は反応工程式2と同様である。
化合物(7)を2量化し、本発明化合物(1b)を得る反応は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン等の単一又は混合溶媒中、必要量の塩基の存在下、0℃〜100℃にて30分〜6時間、好ましくは、室温にて、30分〜3時間反応させることにより行なわれる。塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物;炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;n−ブチルリチウム等のアルキルリチウムを例示できる。
各試薬の使用量は、化合物(7)に対して、好ましくは1当量〜5当量(モル比)である。
一般式(1)中、−A−Z−A−で示されるリンカー部分が上記(IV)である化合物の場合、例えば、下記工程に従い製造することができる。
<反応工程式4>
Figure 2009107939
(式中、R1〜R4、X1、X2は上記と同義である。Lgはヒドロキシ基又はヒドロキシ基に対する保護基を示し、u及びwは0〜10の整数を示す。)
プリン体(2)にヒドロキシ基を有する化合物(d)を連結させて化合物(9)を得る反応は、上記反応工程式2と同様である。
化合物(9)を2量化し、本発明化合物(1c)を得る反応は、銅粉、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、沃化銅、酸化第一銅、酸化第二銅、硫酸銅、硝酸銅、炭酸銅等の遷移金属塩の存在下、必要によりL(+)−アスコルビン酸、D(−)−イソアスコルビン酸、L(+)−アスコルビン酸ナトリウム、D(−)−イソアスコルビン酸ナトリウム等のアルコルビン酸誘導体の共存下、反応させることにより行われる。
使用できる溶媒としては、反応に影響がなければ特に限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;トルエン等の炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
反応における温度は、好ましくは0℃〜100℃であり、反応時間は通常1時間〜12時間である。
各試薬の使用量は、化合物(9)に対して、好ましくは0.1当量〜5当量(モル比)である。
なお、スペーサー(e)は、Chem.Commun.2006,1652-1654に準じる方法を用いて製造できる。
一般式(1)中、−A−Z−A−で示されるリンカー部分が上記(V)である化合物の場合、例えば、下記工程に従い製造することができる。
<反応工程式5>
Figure 2009107939
(式中、R1〜R4、X1、X2は上記と同義である。Lgはヒドロキシ基又はヒドロキシ基に対する保護基を示し、v及びwは0〜10の整数を示す。)
プリン体(2)にヒドロキシ基を有する化合物(f)を連結させて化合物(10)を得る反応は、上記反応工程式2と同様である。
化合物(10)を2量化し、本発明化合物(1d)を得る反応は、上記化合物(1c)を得る工程と同様である。
上記反応工程式2〜5において、化合物(a)、(d)及び(f)は、容易に入手可能か、または通常公知の方法により保護基を導入することにより製造することができる。
上記反応工程式2、3及び5において、スペーサー(c)び(g)は、一般式(1)におけるZの前駆体であり、上記化合物(Z1)と同様の方法で製造できる。
上記のごとく得られた本発明化合物、及びその他の各化合物は通常公知の方法で塩、とりわけ薬学的に許容される塩を形成することができる。
本発明化合物もしくはその塩、又はその他化合物もしくはその塩は、通常公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより単離精製可能である。
本発明化合物は、後記実施例に示すように、HSP90阻害活性及び抗腫瘍効果を有することから、抗腫瘍剤等の医薬として有用である。
本発明の化合物を医薬として用いるにあたっては、薬学的に許容される担体と配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよく、好ましくは、経口剤が採用される。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を;結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が用いられ;崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を;滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を;着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等を;矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味・矯臭剤としては、上記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が例示できる。
坐剤を調製する場合は、本発明化合物に当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を、さらに必要に応じてツイーン(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
軟膏剤を調製する場合は、本発明化合物に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に上記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シートが適当である。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物又はその塩の量は、これを適用すべき患者の症状により、あるいはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約0.05〜1000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1000mgとするのが望ましい。また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人1日あたり約0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜4回程度に分けて投与するのが好ましい。
本発明化合物を含有する医薬を投与することにより治療できる疾病としては、例えば悪性腫瘍の場合、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍等が挙げられる。
以下に比較例、実施例、薬理試験例及び製剤例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
参考例1
Figure 2009107939
1-O-tert-Butyldiphenylsilyl-4-pentyn-1-ol (1a).
4-pentyn-1-ol (930μL, 10 mmol)とイミダゾール (1.5 g, 22 mmol) のN,N-ジメチルホルムアミド(以下DMF) (50 mL)溶液に、 TBDPSCl (2.8 mL, 11 mmol)を加え、室温下、1時間攪拌した。 反応液を水でクエンチし、酢酸エチル(200 mL) と水 (100 mL x 2)で分配した。有機層をブライン (100 mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 9/1)で精製し、化合物(1a) (3.2 g, 9.9 mmol, 99%)を無色油状物として得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ 7.67 (m, 4H), 7.40 (m, 6H), 3.75 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 2.35 (dt, 2H, J = 7.3, 2.6 Hz), 1.91 (t, 1H, J = 2.6 Hz), 1.80 (tt, 2H, J = 7.3, 5.9 Hz), 1.05 (s, 9H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 135.5, 133.8, 129.6, 127.6, 84.2, 68.3, 62.2, 31.4, 26.8, 19.2, 14.9.
FABMS-LR m/z = 323.5 (MH+).
FABMS-HR calcd for C21H26OSi 322.52, found 323.1820 (MH+).
Figure 2009107939
Methyl 6-hydroxy-6-O-tert-butyldiphenylsiloxy-hexy-2-ynoate (1b).
n-Butyl lithium (1.58 M solution in THF; 2.1 mL, 3.3 mmol)を化合物(1a) (870 mg, 2.7 mmol)のテトラヒドロフラン(以下THF)(10 mL) 溶液中に、−78℃で滴下して加え、反応液を同温で20分間攪拌した。この反応液にChloro methylformate (260μL, 3.3 mmol) を滴下して更に0℃で30分間攪拌した。飯能終了後、飽和NH4Cl 水でクエンチし、酢酸エチル(200 mL) と水 (100 mL x 2)で分配した。有機層をブライン(100 mL)洗浄後, 硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 6/1→5/1)で精製し、化合物(1b) (960 mg, 2.5 mmol, 94%)を無色油成物として得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ 7.66 (m, 4H), 7.40 (m, 6H), 3.76 (s, 3H), 3.73 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 2.50 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.81 (tt, 2H, J = 5.9, 7.3 Hz), 1.04 (s, 9H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 154.3, 135.7, 133.7, 129.8, 127.8, 89.5, 73.1, 62.1, 52.6, 30.6, 26.9, 19.3, 15.4.
FABMS-LR m/z = 403.2 (MNa+).
FABMS-HR calcd for C23H28O3Si 380.55, found 403.1715 (MNa+).
Figure 2009107939
Methyl 6-hydroxyhex-2-ynoate (1c).
化合物(1b) (960 mg, 2.5 mmol), TBAF (1.0 M solution in THF; 3.0 mL, 3.0 mmol)及び酢酸 (350μL, 6.1 mmol)のTHF (25 mL) 溶液を、0℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸 (0.5 mL) を加え、減圧下、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)で精製し、化合物(1c) (330 mg, 2.3 mmol, 91%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ 3.75 (s, 3H), 3.75 (t, 2H, J = 6.3 Hz), 2.48 (t, 2H, J = 6.9 Hz), 1.83 (tt, 2H, J = 6.9, 6.3 Hz).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 154.2, 89.1, 72.9, 60.8, 52.5, 30.1, 15.0.
FABMS-LR m/z = 143.1 (MH+).
FABMS-HR calcd for C7H10O3 142.15, found 143.0710 (MH+).
参考例2
Figure 2009107939
O, O'-ditosyl-1, 16-hexadecanediol (2).
p-Toluenesulfonylchloride (2.2 g, 11.6 mmol)のジクロロメタン (10 mL)溶液に、1, 16-hexadecanediol (1.0 g, 3.8 mmol)、 トリエチルアミン(2.1 mL, 15.2 mmol) 及びMe3N・HCl (73 mg, 0.76 mmol)の ジクロロメタン (30 mL)溶液を0℃で滴下して加え、同温で30分間攪拌した。反応液をメタノールでクエンチし、減圧濃縮した。 残渣をクロロホルムと水で分配し、有機層をブライン洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチルで再結晶し、化合物(2) (2.0 g, 3.5 mmol, 92%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.78 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.33 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 4.01 (t, 4H, J = 6.5 Hz), 2.44 (s, 6H), 1.61 (m, 4H), 1.27 (m, 4H), 1.21 (m, 20H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 144.6, 133.2, 129.8, 127.8, 70.7, 29.6, 29.5, 29.4, 29.3, 28.9, 28.8, 25.3, 21.6.
参考例3
Figure 2009107939
1.20-O, O'-dimethanesulfonyl eicosanediol (3).
1,20-eicosanediol (500 mg, 1.6 mmol)、トリエチルアミン(0.90 mL, 6.4 mmol) 及び Me3N・HCl (30 mg, 0.32 mmol)のジクロロメタン(30 mL)溶液にMsCl (0.37 mL, 4.8 mmol) を加え、0 ℃で10分間攪拌した。反応液を水 (30 mL)でクエンチし、CHCl3 (50 mL x 2)で分配した。有機層をブライン洗浄(30 mL)後、 硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。残渣をヘキサンより再結晶し、化合物(3) (340 mg, 0.72 mmol, 45%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.21 (t, 4H, J = 6.8 Hz), 3.00 (s, 6H), 1.73 (tt, 4H, J = 6.8, 7.3 Hz), 1.40~1.25 (br m, 32H).
参考例4
Figure 2009107939
N, N'-Di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1,4-diaminobutane (4).
4-Nitrobenzenesulfonyl chloride (490 mg, 2.2 mmol,) を、1,4-diaminobutane (1.0 mmol, 100μL)及びトリエチルアミン (310 mL, 2.2 mmol) のジクロロメタン(10 mL) 溶液に0℃で加え、同温で1時間攪拌し、さらに室温で3時間攪拌した。反応液をメタノールでクエンチし、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルより再結晶し、化合物(4)(320 mg, 0.70 mmol, 70%)を白色固体として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.98 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.94 (t, 2H, J = 5.3 Hz), 2.71 (m, 4H), 1.33 (m, 4H).
13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 149.5, 146.1, 128.0, 127.9, 124.7, 124.5, 42.0, 26.1.
FABMS-LR m/z = 459.1 (MH+).
FABMS-HR calcd for C16H18N4O8S2 458.47, found 459.0641 (MH+).
mp. = 203 °C.
参考例5
Figure 2009107939
N, N'-Di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1,8-diaminooctane (5).
参考例4に準じて、1,8-diaminoctane (290 mg, 2.0 mmol)より化合物(5) (720 mg, 1.4 mmol, 71%) を得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ 8.41 (d, 4H, J = 8.8 Hz), 8.02 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.94 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 2.77 (m, 4H), 1.33 (m, 4H), 1.12 (m, 16H).
13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 149.5, 146.2, 128.1, 127.9, 124.7, 124.5, 42.5, 28.9, 28.3, 25.8.
FABMS-LR m/z = 515.2 (MH+).
FABMS-HR calcd for C20H26N4O8S2 514.57, found 515.1277 (MH+).
mp. = 164 °C.
参考例6
Figure 2009107939
N, N'-Di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1,12-diaminododecane (6).
参考例4に準じて、1,12-diaminododecane (3.0 mmol, 600 mg)より化合物(6)(1.4 g, 2.5 mmol, 81%)を得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (d, 4H, J = 9.2 Hz), 8.02 (d, 4H, J = 9.2 Hz), 7.93 (t, 2H, J = 5.6 Hz), 2.75 (m, 4H), 1.30 (m, 4H), 1.09 (m, 8H).
13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 149.5, 146.3, 128.1, 128.0, 124.7, 124.5, 42.5, 29.0, 28.9, 28.8, 28.4, 25.9.
FABMS-LR m/z = 571.2 (MH+).
FABMS-HR calcd for C24H34N4O8S2 570.68, found 571.1888 (MH+).
mp. = 159-160 °C.
参考例7
Figure 2009107939
N, N'-Di (4-nitrobenzenesulfonyl)-1, 16-diaminohexadecane (7).
化合物(2) (1.1 g, 2.0 mmol)のDMF (10 mL)溶液にNaN3 (390 mg, 6.0 mmol) を加え、60℃で9時間攪拌した。反応液を、酢酸エチル (100 mL)と水(100 mL x 3)で分配し、有機層をブライン洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をTHF/水 (9:1 (w/w); 20 mL)に溶解し、 トリフェニルホスフィン (1.1 g, 4.4 mmol)を加え、室温下12時間攪拌した。反応液は減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチルより再結晶し 、1, 16-diaminohexadecane (7a) (280 mg, 1.1 mmol, 55% for 2 steps)を白色固体として得た。化合物(7a) (200 mg, 0.78 mmol)及びトリエチルアミン (260 mL, 1.9 mmol)のCH2Cl2 (10 mL)溶液に、0℃で4-nitrobenzennsulfonylchloride (380 mg, 1.7 mmol) を加え、室温下で3時間攪拌した。反応液をメタノール (5 mL)でクエンチし、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルより再結晶し、化合物(7) (420 mg, 0.67 mmol, 86%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 8.02 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.94 (t, 2H, J = 5.8 Hz), 2.77 (dt, 4H, J = 5.8, 6.9 Hz), 1.33 (m, 4H, J = 6.9 Hz), 1.15 (m, 24H).
13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 149.5, 146.4, 128.2, 128.0, 124.8, 124.5, 42.5, 29.1, 28.9, 28.5, 25.9.
参考例8
Figure 2009107939
N, N'-Di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1, 20-diaminoeicosane(8).
化合物(3) (240 mg, 0.50 mmol)のDMF (5.0 mL)溶液にNaN3 (98 mg, 1.5 mmol) を加え、60℃で12 時間攪拌した。反応液を酢酸エチル (100 mL)と水(50 mL x 2)で分配し、有機層をブライン洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣(140 mg)を THF/水 (9:1 (w/w); 5.0 mL)に溶解し、 トリフェニルホスフィン(220 mg, 0.84 mmol)を加え、室温下6時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルより再結晶して、1, 20-diaminoeicosane (8a) (60 mg, 0.19 mmol, 50% for 2 steps)を白色固体として得た。 化合物(8a) (150 mg, 0.48 mmol)、トリエチルアミン(0.28 mL, 2.0 mmol)及び4-nitrobenezenesulfonyl chlorideを0 ℃で10分間攪拌し、 更に室温下8時間攪拌した。反応液をメタノール (5.0 mL)でクエンチし、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル/クロロホルムより再結晶し化合物(8) (150 mg, 0.22 mmol, 46%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (d, 4H, J = 8.1 Hz), 8.02 (d, 4H, J = 8.1 Hz), 7.94 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 2.77 (m, 4H, J = 5.7, 6.3 Hz), 1.31 (m, 4H, J = 6.3 Hz), 1.20~1.12 (br m, 32H).
13C NMR (100MHz, DMSO-d6) δ 149.54, 146.40, 128.12, 124.66, 42.59, 29.11, 29.00, 28.53, 25.98.s
FABMS-LR m/z = 683.4 (MH+).
FABMS-HR calcd for C32H50N4O8S2 682.89, fonud 683.3134 (MH+).
実施例1
6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purine (9a).
4,5,6-triamino-pyrimidine及び3,4,5-trimethoxy-phenylacetic acidより、J. Comb. Chem., 2001, 3, 518-520に準じて合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.41 (s, 1H), 7.33 (br s, 2H), 6.48 (s, 2H), 4.25 (s, 2H), 3.86 (s, 6H), 3.68 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 154.5, 152.2, 151.3, 150.6, 149.7, 135.6, 132.2, 117.9, 105.5, 59.3, 55.2, 34.8.
ESIMS-LR m/z = 316.0 (MH+).
Figure 2009107939
6-Amino-9-(5-methoxycarbonylpent-4-ynyl)-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purine (9b).
化合物(9a) (200 mg, 0.64 mmol)、化合物(1)(120 mg, 0.83 mmol)及び トリフェニルホスフィン(370 mg, 1.4 mmol)のトルエン/ジクロロメタン(6.5/1 (v/v))懸濁液に DIAD (610 μL, 3.2 mmol) を加え、室温下2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー (移動相:2%メタノール in クロロホルム)で精製し、化合物(9b)(240 mg, 0.56 mmol, 82%)を黄色泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.31 (s, 1H), 6.48 (s, 2H), 5.58 (br s, 2H), 4.24 (s, 2H), 4.18 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 3.82, 3.80 (each s, 9H), 3.77 (s, 3H), 2.33 (t, 2H, J = 6.8 Hz), 2.00 (tt, 2H, J = 7.3, 6.8 Hz).
13C NMR (67.5 MHz, CDCl3) δ 154.1, 153.2, 152.1, 151.0, 150.4, 150.3, 149.7, 144.7, 130.6, 124.4, 105.2, 105.1, 60.4, 55.8, 52.2, 41.4, 34.2, 26.5, 15.5, 14.5.
FABMS-LR m/z = 440.2 (MH+).
FABMS-HR calcd for C22H25N5O5 439.46, found 440.19 (MH+).
Figure 2009107939
-Amino-9-(6-hydroxyhex-4-ynyl)-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purine (9c).
Diisobutylaluminiumhydride (1.5 M solution in toluene; 280μL, 0.42 mmol) を、化合物(9b)(60 mg, 0.14 mmol)のジクロロメタン(2.0 mL)溶液に、0℃にて滴下して加え、同温にて1時間攪拌した。 反応液を飽和Rochelle salt 水溶液(50 mL) でクエンチし、室温下、終夜攪拌した。反応液をクロロホルム(20 mL x 2)え分配し、有機層をブライン (10 mL)洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(移動相:2%→4% メタノール in クロロホルム)にて精製し、化合物(9c) (43 mg, 0.10 mmol, 75%)を黄色泡状物として得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ 8.32 (s, 1H), 6.47 (s, 2H), 5.69 (br s, 2H), 4.23 (s, 2H), 4.17 (m, 4H), 3.82, 3.80 (each s, 3H + 6H), 2.19 (t, 2H, J = 6.6 Hz), 1.87 (m, 2H).
13C NMR (67.5 MHz, CDCl3) δ 153.7, 153.6, 153.5, 153.2, 152.5, 151.5, 151.1, 117.2, 105.9, 60.9, 56.4, 50.9, 42.0, 34.8, 27.9, 17.8, 16.1.
FABMS-LR m/z = 412.2 (MH+).
FABMS-HR calcd for C21H25N5O4 411.45, found 412.20 (MH+).
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]-N,N'-di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1,4-butanediamine (9).
化合物(9c)(85 mg, 0.20 mmol)、化合物(4)(45 mg, 0.098 mmol)及び cyanomethylene tributylphosphorane (71 mg, 0.30 mmol)のトルエン(0.50 mL) 溶液を100℃で2 時間攪拌し、放冷後、溶媒を減圧留去した。残渣をプレパラティブTLC (展開溶媒:5% MeOH in CHCl3 、3回展開)で精製することにより、化合物(9) (48 mg, 0.039 mmol, 40%) を褐色泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.29 (s, 2H), 8.26 (d, 4H, J = 8.8 Hz), 7.97 (d, 4H, J = 8.8 Hz), 6.42 (s, 4H), 5.89 (br s, 4H), 4.17 (s, 4H), 4.0 (s, 4H), 3.97 (t, 4H, J = 7.3 Hz), 3.81, 3.80 (each s, 18H, 3.23 (m, 4H), 1.88 (t, 4H, J = 6.9 Hz), 1.63 (tt, 4H, J = 7.3, 6.9 Hz), 1.59 (m, 4H).
13C NMR (67.5 MHz, CDCl3) δ 180.6, 154.3, 153.1, 151.9, 151.1, 150.1, 149.5, 144.1, 136.9, 130.6, 128.5, 123.5, 118.0, 116.7, 105.2, 84.2, 60.4, 55.8, 44.7, 41.7, 36.0, 34.3, 27.3, 23.4, 22.9, 15.6.
FABMS-LR m/z = 1245.2 (MH+).
FABMS-HR calcd for C58H64N14O14S2 1245.34, found 1245.43 (MH+).
実施例2
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]-N,N'-di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1,4-octanediamine (10).
実施例1に準じて、化合物(9c) (75 mg, 0.18 mmol)、化合物(5) (45 mg, 0.087 mmol)及びcyanomethylene tributylphosphorane (84 mg, 0.35 mmol)より、化合物(10) (44 mg, 0.034 mmol, 39%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ 8.29 (s, 2H), 8.26 (d, 4H, J = 8.8 Hz), 7.97 (d, 4H, J = 8.8 Hz), 6.42 (s, 4H), 5.75 (br s, 4H), 4.17 (s, 4H), 4.07 (s, 4H), 3.97 (t, 4H, J = 7.3 Hz), 3.80 (s, 18H), 3.17 (t, 4H, J = 7.1 Hz), 1.85 (t, 4H, J = 6.9), 1.61 (tt, 4H, J = 6.9, 7.3 Hz), 1.52 (m, 4H), 1.26 (m, 8H).
13C NMR (67.5 MHz, CDCl3) δ 154.2, 153.2, 152.0, 151.0, 150.0, 149.5, 144.5, 136.9, 130.6, 128.4, 123.4, 118.1, 105.2, 83.9, 72.8, 60.4, 56.9, 55.8, 45.8, 41.6, 36.0, 34.3, 28.4, 27.5, 26.8, 25.7, 15.5.
FABMS-LR m/z = 1301.1 (MH+).
FABMS-HR calcd for C62H72N14O14S2 1301.45, found 1301.49 (MH+).
実施例3
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]-N,N'-di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1,4-dodecanediamine (11).
実施例1に準じて、化合物(9c) (100 mg, 0.24 mmol)、化合物(6) (66 mg, 0.10 mmol)、及びcyanomethylene tributylphosphorane (106 mg, 0.44 mmol)より、化合物(11)(21 mg, 0.015 mmol, 14%) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.28 (s, 2H), 8.26 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.98 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 6.41 (s, 4H), 5.92 (br s, 4H), 4.16 (s, 4H), 4.08 (s, 4H), 3.96 (t, 4H, J = 7.3 Hz), 3.81, 3.80 (each s, 18H), 3.16 (t, 4H, J = 7.2 Hz), 1.87 (t, 4H, J = 6.8 Hz), 1.61 (tt, 4H, J =7.3, 6.8 Hz), 1.51 (m, 4H), 1.24~1.19 (m, 16H).
実施例4
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]-N,N'-di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1,4-hexadecanediamine (12).
実施例1に準じて、化合物(9c) (100 mg, 0.24 mmol)、化合物(7)(69 mg, 0.11 mmol)及びcyanomethylene tributylphosphorane (106 mg, 0.44 mmol)より、化合物(12)(72 mg, 0.051 mol, 46%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.26 (s, 2H), 8.24 (d, 4H, J = 9.1 Hz), 7.96 (d, 4H, J = 9.1 Hz), 6.39 (s, 4H), 6.17 (br s, 4H), 4.14 (s, 4H), 4.07 (s, 4H), 3.95 (t, 4H, J = 7.3 Hz), 3.79 (s, 6H), 3.77 (s, 12H), 3.15 (t, 4H, J = 7.2 Hz), 1.86 (t, 4H, J = 6.8 Hz), 1.58 (tt, 4H, J = 7.3, 6.8 Hz), 1.49 (m, 4H, J = 7.2 Hz), 1.23 (m, 4H), 1.20 (m, 20H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 155.0, 153.7, 152.5, 151.4, 150.5, 150.0, 145.1, 137.4, 131.2, 129.0, 124.0, 118.6, 105.6, 84.4, 77.4, 73.4, 61.0, 56.4, 46.5, 42.1, 36.5, 34.8, 29.7, 29.6, 29.5, 29.2, 28.1, 27.5, 26.5, 16.1.
ESIMS-LR m/z = 1413.41 (MH+).
ESIMS-HR calcd for C70H88N14O14S2 1413.66, found 1413.60925 (MH+).
実施例5
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]-N,N'-di-(4-nitrobenzenesulfonyl)-1,4-eicosanediamine (13).
実施例1に準じて、化合物(9c)(100 mg, 0.24 mmol), 化合物(8)(75 mg, 0.11 mmol)及びcyanomethylene tributylphosphorane (84 mg, 0.35 mmol) より、化合物(13)(30 mg, 0.020 mol, 19%) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.28 (s, 2H), 8.25 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 7.97 (d, 4H, J = 8.6 Hz), 6.41 (s, 4H), 5.97 (br s, 4H), 4.16 (s, 4H), 4.08 (s, 4H), 3.96 (t, 4H, J = 7.4 Hz), 3.80 (s, 6H), 3.79 (s, 12H), 3.16 (t, 4H, J = 6.9 Hz), 1.87 (t, 4H, J = 6.9 Hz), 1.60 (tt, 4H, J = 7.4, 6.9 Hz), 1.52 (m, 4H, J = 6.9 Hz), 1.25~1.22 (br m, 32H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 154.90, 153.74, 152.60, 151.49, 150.61, 150.03, 145.15, 137.43, 131.18, 129.03, 124.03, 118.64, 105.71, 84.42, 73.50, 61.00, 56.40, 46.58, 42.14, 36.57, 34.82, 29.80, 29.68, 29.64, 29.30, 28.14, 27.57, 26.58, 16.13.
ESIMS-LR m/z = 1491.65 (MNa+).
ESIMS-HR calcd for C74H96N14O14S2 1469.77, found 1491.65695 (MNa+).
実施例6
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]- 1,4-butanediamine (14).
Thiophenol (17μL, 0.17 mmol)を、化合物(9)(35 mg, 0.17 mmol) 及び 炭酸カリウム(20 mg, 0.15 mmol)のDMF (0.30 mL)溶液に加え、室温下6時間攪拌した。反応混合物をNHシリカカラムクロマトグラフィー (移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 1/1, 2% メタノール in クロロホルム)に付し、得られたフラクションを濃縮した残渣を、逆相カラムクロマトグラフィー(移動相:1N 塩酸/メタノール= 1:1)で精製し、化合物(14) (9 mg, 0.010 mol, 34%) を二塩酸塩として得た。
1H NMR (500 MHz, D2O) δ 8.22 (s, 2H 2), 6.53 (s, 4H), 4.16 (s, 4H), 4.13 (t, 4H, J = 7.4 Hz), 3.69 (s, 4H), 3.66 (s, 12H), 3.59 (s, 6H), 2.95 (m, 4H), 2.08 (t, 4H, J = 6.9 Hz), 1.60 (tt, 4H, J = 6.9, 7.4 Hz), 1.57 (m, 4H).
13C NMR (125 MHz, D2O) δ 155.2, 153.6, 151.1, 150.5, 146.9, 136.8, 132.5, 117.8, 107.1, 90.6, 76.2, 61.8, 56.7, 46.1, 43.2, 37.2, 34.2, 28.0, 23.2, 16.0.
FABMS-LR m/z = 875.3 [(M-2HCl)H+].
FABMS-HR calcd for C46H58N12O6 875.73, found 875.47 [(M-2HCl)H+].
実施例7
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]- 1,4-octanediamine (15).
実施例6に準じて、化合物(10) (40 mg, 0.031 mmol)より、化合物(15)(20 mg, 0.020 mmol, 66%) を得た。
1H NMR (500 MHz, D2O) δ 8.24 (s, 2H), 6.53 (s, 4H), 4.22 (s, 4H), 4.19 (t, 4H, J = 7.4 Hz), 3.67 (s, 4H), 3.66 (s, 12H), 3.60 (s, 6H), 2.89 (t, 4H, J = 7.5 Hz), 2.13 (m, 4H), 1.68 (t, 4H, J = 7.4, 6.9 Hz), 1.40 (tt, 4H, J = 7.5, 8.0 Hz), 1.03 (m, 4H), 0.97 (m, 4H).
13C NMR (125 MHz, D2O) δ 156.0, 153.5, 150.4, 149.8, 145.0, 136.8, 132.2, 117.7, 107.3, 88.7, 70.8, 61.5, 56.7, 46.9, 43.3, 37.1, 34.2, 28.7, 28.0, 26.3, 25.9, 16.0.
ESIMS-LR m/z = 931.48 [(M-2HCl)H+].
ESIMS-HR calcd for C50H66N12O6 931.14, found 931.53 [(M-2HCl)H+].
実施例8
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]- 1,4-dodecanediamine (16).
実施例6に準じて、化合物(11) (30 mg, 0.022 mmol)より、化合物(16) (17 mg, 0.016 mmol, 73%) を得た。
1H NMR (500 MHz, D2O) δ 8.25 (s, 2H), 6.55 (s, 4H), 4.20 (s, 4H), 4.18 (t, 4H, J = 7.5), 3.69 (s, 4H), 3.66 (s, 12H), 3.60 (s, 6H), 2.91 (t, 4H, J = 7.5 Hz), 2.17 (t, 4H, J = 7.4 Hz), 1.66 (tt, 4H, J = 7.4, 7.5 Hz), 1.42 (tt, 4H, J = 7.5, 6.9 Hz), 1.05 (tt, 4H, J = 6.9, 8.0 Hz), 0.89 (tt, 4H, J = 8.0, 7.5 Hz), 0.77 (m, 4H, J = 7.5 Hz), 0.67 (m, 4H).
13C NMR (125 MHz, D2O) δ 155.9, 153.7, 150.5, 150.3, 145.6, 137.0, 132.3, 117.9, 107.3, 88.9, 61.6, 56.8, 46.7, 43.4, 37.0, 34.3, 29.6, 29.4, 29.1, 28.2, 26.5, 25.8, 16.1.
ESIMS-LR m/z = 987.58 [(M-2HCl)H+].
ESIMS-HR calcd for C54H74N12O6 987.24, found 987.59 [(M-2HCl)H+].
実施例9
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]- 1,4-hexadecanediamine (17).
実施例6に準じて、化合物(12) (57 mg, 0.040 mmol) より、化合物(17)(14 mg, 0.013 mmol, 33%)を得た。
1H NMR (500 MHz, D2O) δ 8.36 (s, 2H), 6.65 (s, 4H), 4.30 (s, 4H), 4.29 (t, 4H, J = 8.0 Hz), 3.82 (s, 4H), 3.76 (s, 12H), 3.69 (s, 6H), 3.05 (t, 4H, J = 8.0 Hz), 2.28 (t, 4H, J = 6.9 Hz), 1.79 (tt, 4H, J = 8.0, 6.9 Hz), 1.57 (tt, 4H, J = 8.0, 7.4 Hz), 1.20 (tt, 4H, J = 7.4, 6.9 Hz), 1.05 (tt, 4H, J = 8.0, 6.9 Hz), 0.95 (m, 4H, J = 8.0 Hz), 0.83~0.80 (m, 12H).
13C NMR (125 MHz, D2O) δ 156.0, 153.6, 150.3, 149.6, 144.7, 136.8, 132.1, 117.7, 107.2, 88.8, 70.9, 61.65 56.7, 46.4, 43.3, 36.8, 34.2, 29.6, 29.5, 29.4, 29.2, 28.7, 28.1, 26.3, 25.5, 16.0.
ESIMS-LR m/z = 1043.6228 [(M-2HCl)H+].
ESIMS-HR calcd for C58H82N12O6 1043.35, found 1043.65848 [(M-2HCl)H+].
実施例10
Figure 2009107939
N,N'-Bis-[6-[6-Amino-8-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-9H-purin-9-yl]-hex-2-yl]- 1,4-eicosanediamine (18).
実施例6に準じて、化合物(13) (27 mg, 0.018 mmol) より、化合物(18)(16 mg, 0.014 mmol, 76%)を得た。
1H NMR (500MHz, D2O) δ 8.34 (s, 2H), 6.62 (s, 4H), 4.26 (br m, 8H), 3.81 (s, 4H), 3.72 (s, 12H), 3.61 (s, 6H), 3.04 (t, 4H, J = 7.5 Hz), 2.22 (m, 4H), 1.71 (m, 4H, J = 6.9 Hz), 1.61 (m, 4H, J = 7.5 Hz), 1.22 (m, 4H), 1.14 (m, 4H), 1.06 (m, 4H), 0.98 (br m, 24H).
13C NMR (125 MHz, D2O) δ 155.82, 153.57, 150.32, 149.59, 144.72, 136.82, 131.97, 117.63, 107.10, 88.79, 70.83, 61.22, 56.64, 46.33, 43.30, 36.83, 34.27, 29.96, 29.82, 29.62, 29.16, 28.13, 26.61, 25.68, 16.07.
ESIMS-LR m/z = 1099.7228 [(M-2HCl)H+].
ESIMS-HR calcd for C62H90N12O6 1099.45, fonud 1099.71482 [(M-2HCl)H+].
[試験例1]MCF−7細胞及びSK−BR−3(ヒト乳癌株)に対するin vitro殺細胞試験
MCF−7細胞は10%FBS,0.1mM NEAA及び1mM Na−Pyruvateを含むMEM培地(ナカライテスク社製)で,SK−BR−3細胞は10%FBSを含むMcCoy’s 5a培地(GIBCO社製)で培養した.それぞれの培地で懸濁させたMCF−7及びSK−BR−3細胞懸濁液を96ウェル平底マイクロプレートの各ウェルにそれぞれ2×103個,3×103個(0.18mL)ずつ播種し、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で1日培養した。本発明の化合物をジメチルスルホキシドにて20mMの濃度に溶解し、更に、MEM培地を用いて、本発明の化合物を希釈し、先に述べた細胞の培養プレートの各ウェルに0.02mLずつ加え、最終濃度をそれぞれ100、10、1、0.1μMとし、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で3日間培養した。培養後、Cell Counting Kit−8(同仁化学研究所製)を各ウェルに20μLずつ添加し、37℃で2時間静置して呈色反応を行った。その後、波長450nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーで測定し、生細胞数の指標とした。以下の式より各薬剤添加群のT/Cから抑制率を算出し、細胞増殖を50%抑制する被検化合物の濃度(IC50(μM))を求めた。
抑制率(%)=(1−T/C)×100
T : 被検化合物を添加したウェルの平均吸光度
C : 被検化合物を添加しなかったウェルの平均吸光度
Figure 2009107939
表1から明らかなように、本発明の化合物は、優れた抗腫瘍活性を有することが確認された。
製剤例1 錠剤


Figure 2009107939
上記配合割合で、常法に従い、1錠当たり250mgの錠剤を調製した。
製剤例2 顆粒剤
Figure 2009107939
上記配合割合で、常法に従い、1包当たり1000mgの顆粒剤を調製した。
製剤例3 カプセル剤
Figure 2009107939
上記配合割合で、常法に従い、1カプセル当たり193mgのカプセル剤を調製した。
製剤例4 注射剤
Figure 2009107939
上記配合割合で、常法に従い、注射剤を調製した。
製剤例5 シロップ剤
Figure 2009107939
上記配合割合で、常法に従い、シロップ剤を調製した。
製剤例6 坐剤
Figure 2009107939
上記配合割合で、常法に従い、坐剤を調製した。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2009107939
    [式中、R1及びR3は同一又は相異なって水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、
    2及びR4は同一又は相異なって水素原子、又はハロゲン原子を示し、
    1及びX2は同一又は相異なって直接結合、メチレン基、硫黄原子、又は酸素原子を示し、
    Aは炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数3〜20のアルケニレン基、又は炭素数3〜20のアルキニレン基を示し、
    Zは−NH−Y−NH−、又は−Het−Y−Het−を示し、
    Yはリンカーを示し、
    Hetは窒素含有複素環基を示す。]
    で表されるプリンダイマー化合物又はその塩。
  2. Yが−(CH2l−(OCH2CH2m−(OCH2CH=CHCH2n−(OCH2CH2o−(O)p−(CH2q
    (式中、lは2〜30の整数を示し、m、n及びoは同一又は相異なって0〜10の整数を示し、pは0又は1の整数を示し、qは0〜30の整数を示す。)
    で示される基である請求項1記載のプリンダイマー化合物又はその塩。
  3. 1及びR3が同一又は相異なって水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいメチレンジオキシフェニル基であり、
    2及びR4が同一又は相異なって水素原子、又はハロゲン原子であり、
    1、X2が同一又は相異なってメチレン基、硫黄原子、又は酸素原子であり、
    −A−Z−A−で表される基が、以下の(I)〜(V)の何れかである請求項1記載のプリンダイマー化合物又はその塩。
    Figure 2009107939
    (式(I)〜(V)中、rは2〜30の整数を示し、s、t、u、v及びwは、同一又は相異なって0〜10の整数を示す。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物又はその塩を有効成分とする医薬。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
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