JP2009105093A - 電気2重層キャパシタ電極の製造方法、 - Google Patents

電気2重層キャパシタ電極の製造方法、 Download PDF

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Abstract

【課題】 電極材料としてカーボンナノチューブを用いた電気2重層キャパシタ電極の製造方法であって、該カーボンナノチューブの電着法による電極基板への付着接合に際し、強固な接合を実現して該カーボンナノチューブが、電極基板から剥離することを効果的に抑制する。
【解決手段】 カーボンナノチューブを用いた電気2重層キャパシタ電極の製造方法において、該カーボンナノチューブを電着法により電極基板に付着接合する際、その長手方向を前記電極基板に対し略平行に付着接合させ、しかる後に熱処理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気2重層キャパシタ(以下、Electric Double Layer Capacitorを省略して「EDLC」ということがある。)電極の製造方法に関するものであり、詳しくは、EDLCの電極において大きな表面積と高容量を実現するために、電極材料としてカーボンナノチューブを用いた電気2重層キャパシタ電極の製造方法に関する。
近時、地球的規模で電力需要は著しく増大しているが、それを賄うための発電所の増設は難しく、とりわけ石化燃料を用いた火力発電所は、排出されるCOが地球温暖化現象のそしりを受け、一方、原子力発電所の建設も複雑な政治情勢も絡んで思うに任せないのが現状である。そこで太陽電池などの自然エネルギーに期待が集まるが、使用する時間帯と発電時間帯とが必ずしも一致しないために、安価でかつ大容量と長寿命の充電池が求められている。
また、増え続ける自動車においても環境保護の観点から、ハイブリット車や燃料電池自動車などが注目を集めているが、これらに使用されている二次電池には大電流による瞬間的な放電が求められると同時に、その長寿命化に加えて短時間充電も重要な要素であるところから、従来の二次電池ではこれらの要求に充分に応えることができないのが実状であった。
そこで従来から、電気エネルギーを蓄電するデバイスとして、化学電池や電気2重層キャパシタ(EDLC)が知られている。このEDLCは図1に示すように活性炭10等の比表面積の大きな電極材料を用いた固体電極と、希硫酸などの電解液12とを使用して、前記電極を対向するように設置し、電解液12によって誘電体層を形成するものである(非特許文献1参照)。従来の通常型コンデンサは、絶縁物である誘電体を挟んだ電極に電圧を印加すると、双極子が配交することによって電荷が貯えられる構造であるが、電気2重層キャパシタでは、イオン性溶液中に一対の電極を浸して電気分解が起こらない程度の電圧をかけると(電気分解が起こるとコンデンサとして働かなくなる)、それぞれの電極の表面にイオンが吸着され、プラスとマイナスの電気が蓄えられる(充電)。また、外部に電気を放出すると正負のイオンは電極から離れて中和状態に戻る(放電)。
即ち、従来から用いられる二次電池等においては充放電が化学反応の繰り返しであるため、1000回も充放電を繰返した場合、必然的に電極や電解液が劣化して使用できなくなる。それに対し電気2重層キャパシタは、物理的な吸着・離脱で充放電を行うため、特に劣化するという現象は見られず、原理的にはその寿命は半永久的であるという特長を有している。
また、イオンの移動は化学反応に比較して物理的な吸着・離脱の方がはるかに早いために、電気2重層キャパシタは従来のバッテリにおいては到底及ぶことのできない、急速充放電が行えるという特長を有している。さらに、ユニットセル間の集電体を共通にするという構造を採用して、内部抵抗を下げることにより、数十kWの大電流の充放電が秒単位で可能となるという特長もある。
さらに、化学反応の場合は低温下においてはその能率が大きく低下するが、物理的吸着や離脱は低温下においてもその働きが大幅に低下することが少なく、最適な電極や電解液を選択することによって、従来のバッテリでは動作不能に陥る極低温過下(例えば−25℃程度)においても充分に動作が可能である。
その他、従来のバッテリにおいては電極に鉛など環境保護の上で問題のある金属材料がより多く用いられているが、EDLCの電極材料としては、活性炭粉末と樹脂とを焼成することによって得られる固体活性炭が用いられており、屋外への設置や廃棄等に際しても環境に悪影響を及ぼすという懸念が大幅に解消される。
このようにEDLCは従来タイプのバッテリでは及ばない多くの特性を有するところから、燃料電池から一定の電流を取り出して一旦EDLCに貯めてバッファとして使用することにより、負荷変動を吸収するということも検討されている。一般に燃料電池で大電流の放電を実施すると、必然的に大型化や高コストが余儀なくされるが、燃料電池発電においてバッファ(負荷変動吸収)を持つということは、燃料電池定格容量の削減、高効率発電、負荷追従の高速化等の利点がある。特に家庭用など需要規模が小さいものほど負荷変動が激しくなるため、バッファの効果は大きくなるが、現状における燃料電池は高価であるところから、小さい燃料電池で瞬時に大電流を使用できることは極めて有効であり、システムの小型化においても期待されている。さらに、ハイブリット自動車や燃料電池車においては、加速時や発進の際にEDLCがアシストを行い、減速時にはエネルギーを回生して充電するシステムも検討され、位置エネルギーの回生などにも有効であり、EDLCは短時間のエネルギー交換に有効なデバイスとしても注目されている。
EDLCの構成材料は、上記の如く一般的な二次電池と異なって重金属を使用していないために、燃料電池と同様に環境への負荷が低減されると共に、二次電池においては化学反応を伴うために安定電圧があり、燃料電池と並列にして使用する場合には電圧調整のための制御回路が必要となるが、EDLCは安定電圧がなく、電圧が変動するために直接的の並列接続が可能であるところから、システムを簡素化するというメリットをも有している。
EDLCは、2枚の電極の間に電解液等を挟んだ通常のキャパシタ構造に似ているが、大きな容量を得るために大きな表面積の電極を使用しており、通常はフェノール樹脂等を炭化して作った活性炭を用いている。その表面積は1000m/g程度であるが、EDLCで実際に電解液が入り込んで容量を形成している場合の表面積は、その1/3程度の700m/g程度と言われている。
一方、電極材料として、大きな比表面積をもつカーボンナノチューブ(以下「CNT」ということがある。)が知られているが、このカーボンナノチューブには、壁が1層でできているシングルウォールナノチューブ(以下「SWNT」ということがある。)と、複数層でできているマルチウォールナノチューブ(以下「MWNT」ということがある)とがあるが、対重量表面積を大きくするためには、SWNTの方が有利であり、このSWNTの表面積を計算すると、約30万m/gほどになる。
このように、EDLCの大容量化には、CNTは充分に魅力的な大表面積を持つ材料ということができるために、CNTを電極に用いたEDLCの試みは既に数多く提案されているが、それら従来のEDLCは図2に示すように基板に垂直にCNTを育成するものである(非特許文献1参照)。また、CNTを基板に最も密に接合させる手段としては、既に電着法が開示されている(非特許文献2及び3参照)。
上記の各従来技術において開示されるEDLCによれば、CNTを電極基板に略垂直方向に付着接合するため、CNT同士の間隔が充分に緻密にならず、全体として大きな表面積が得られない上に電極基板としての強度が不足するという問題があり、さらに基板とCNTの接合強度を確保するために、電着に際して各種バインダーが用いられているが、結果として当該バインダーは導電性材料が直接基板に接触する妨げとなり、電気抵抗の上昇を招くという不都合が生じていた。
そこで本発明者は、電極材料としてCNTを使用し、比表面積を大にするために、CNTを密に形成することのできる電着法を詳細に検討した。その結果、CNTを電極基板に電着させる際に、バインダー材料を用いず、電極基板にその長手方向を略平行に付着接合させる電気二重層キャパシタの製造方法を提案した。この方法により得られる電気二重層キャパシタ電極用のCNTは、単位重量換算で150,000m/g程度の比表面積をもち、高容量の電気二重層キャパシタが得られることが確認された(特許文献1参照)。
日経産業新聞:2002.12.30 朝刊5面 M.Sano、A.Kamino、S.Shinkai:Angew.Chem.Int.Ed. 40、4661(2001)"Construction of Carbon Nanotube "Stars" with Dendrimers" B.Gao, G.Z.Yue, Y.Cheng, H,Shimoda,L.Fleming、and O.Zhou: Adv.Mater. 13,1770(2001)"Fabrication and Electron Field Emission Properties of Carbon Nanotube Films by Electrophoretic Deposition" 特開2006−222175号公報
上記電気2重層キャパシタの最大の問題点は電気容量が小さいことであるが、本発明者が提案したように、CNTをバインダー材料を用いず、電極基板に対してその長手方向を略平行にして付着接合させることにより、EDLCの電極で大きな表面積を実現した。しかしながら、この製造方法により電極を製造する際に、場合によってはCNTが電極から剥離し、それが起因して容量の低下を招くという未解決課題があることが判明した。即ち本発明は、CNTをバインダー材料の不存在下において電極基板に接合させて電気二重層キャパシタを製造するに際し、電極基板とCNTの強固な結合を実現して大きな表面積を保ちながら、高い容量を安定的に維持し得るEDLCを提供することを主たる目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、CNTを電極材料に用いたEDLCの安定した高容量を実現するために、CNTを電着法により電極基板に対して略平行に付着接合させ、その後熱処理を施すことにより、CNTを緻密にかつ強固に電極基板上に形成させることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明に基づく第1の発明による電気2重層キャパシタ電極の製造方法は、カーボンナノチューブを用いた電気2重層キャパシタ電極の製造方法において、該カーボンナノチューブを電着法により電極基板に付着接合する際、その長手方向を前記電極基板に対し略平行に付着接合させ、しかる後に熱処理することを構成上の特徴とするものである。
また、本発明に係る第2の発明による電気2重層キャパシタ電極の製造方法は、前記熱処理が、真空雰囲気下若しくは低酸素雰囲気下において、200℃以上、前記電極基板の融点以下の温度域において施されることを特徴とするものである。
さらに、本発明に係る第3の発明による電気2重層キャパシタ電極の製造方法は、前記熱処理が、大気中において200〜550℃の温度域において施されることを特徴とするものである。
本発明に係る第4の発明による電気2重層キャパシタ電極の製造方法は、前記電着法が電気泳動法であることを特徴とするものである。
本発明方法によって得えられる電気2重層キャパシタ電極は、電極材料となるカーボンナノチューブの電着による金属基板への接合に際してバインダー材料を用いておらず、導電性材料が直接電極基板に接触しあうので、電気抵抗を極端に小さくすることができる。また、上記のように電極基板に平行に強く接合しているので、繊維状の導電性材料が基板に対して垂直に立つものが無く、表面積が大きく保たれているにも拘らずその厚みが極めて薄く、また、電着後の熱処理によりCNT同士やCNTと電極基板とが強固に融着し、耐久性の高い電極が形成される。さらに、電極間の距離を相互に接触しない範囲に維持すれば、セパレータを不要とすることもできる。一方、上記のような電極構造とすることによって、イオン伝導が向上し、通常の電気2重層キャパシタより内部抵抗が極端に少なく、体積容量もより小さくすることが可能で、コンパクトな構造であるにも拘らず、安定した高容量の電気2重層キャパシタを比較的低価格で市場に提供することができる。
本発明の電気2重層キャパシタ電極の製造方法は、カーボンナノチューブを、バインダーを用いずに、電着法により、電極基板に略平行に堆積して付着接合し、その後熱処理することを構成上の特徴とするであるが、以下本発明の実施の形態について例示してさらに詳細に説明する。
本発明の電気2重層キャパシタ電極の製造方法において用いられる電極材料としてのカーボンナノチューブ即ちCNTは、通常市販のカーボンナノチューブが好適に使用できるが、大きな表面積を得るためには、出来るだけ小さい粒径のものを集めることが有効である。その観点ではCNTの筒径は通常1〜数nm程度であるから究極的に小さい径である。筒径1nm以下であると、通常ミクロ孔といって、電解液をその間に詰めることが困難となる。従って、筒径1nmは、極限までに小さい粒径であって、かつ電解液をつめることができる限界である。即ち、CNTは大表面積のEDLCを得ることが出来る上で、現状においては究極の材料ということができる。そのほか、大表面積を得るためにはフラーレンも究極のサイズということができるが、絶縁体であるが故にEDLCには使用することができない。
また、本発明にかかるカーボンナノチューブは、直径が1〜10nm、長さが3μm以下であることが好ましく、直径が1nm程度のSWCNTが特に好ましい。そのほか、複数層でできているMWNTであれば層数の少ないCNTが好ましく、また10nmを超えるものは、実験によると、金属面に接着しにくいので好ましくない。
本発明において用いられるCNTは、酸処理によりカルボキシル基、カルボニル基、α―ジケトン基、ケトン基、フェノール基、カルビノール基、o−ヒドロキノイド基、ラクトン基などの官能基で修飾することができる。官能基と溶媒により帯電する電荷符号は異なるが、上記カルボキシル基の場合は、負電荷に帯電している。その帯電量と質量あるいはCNTの曲がり具合などが原因で、CNTの直径や長さが大きくなると、基板である金属電極に接着し難くなるため、CNTの長さが3μmを超えると上記の問題が現れるので好ましくない。また、CNTを電着させる前に、マイクロ波照射することにより、CNTに欠陥を導入することができる。CNTに欠陥を人工的に導入することにより、その後の官能基の修飾をし易くすることができる。
次いで、該CNTを強酸溶液に入れ、該溶液の入っている容器外側を冷却しながら超音波を印加し、バンドル化しているCNTをほぐし、欠陥を持つCNTをさらに切断して小サイズ化し、かつ、CNTに導電性の官能基を付与させることができる。この際、基板との電気伝導度の確保が重要であり、電気伝導度を良くするためには、上記強酸処理でつける官能基の選択は特に重要である。官能基としては、金属との相性が良いものであれば特に限定されないが、例えば、カルボキシル基、カルボニル基、α―ジケトン基、ケトン基、フェノール基、カルビノール基、o−ヒドロキノイド基、ラクトン基などが好ましく採用される。
CNTの前処理工程においては、例えば、市販のSWNT(住友商事製)7mgに対してマイクロ波照射をするが、これは加熱にすることによってCNTにダメージを与え、その後の酸処理で、切断やカルボキル基などの官能基の修飾がし易くするためである。次いで強酸(硫酸75ml+硝酸25ml)に入れての酸処理に移るが、この際の酸処理は約5時間、外を氷で冷やしながら超音波を印加する。これで、バンドル化しているCNTをほぐすと同時に、欠陥を持つCNTをそこで切断し、小サイズ化することができる。次に、水洗を5時間程度行い、水酸化ナトリウムでアルカリ化し、CNT表面に付いた官能基をイオン化する。その後、遠沈容器に入れて遠心分離を行い上部の液を採取する。下部の液に、長さ、あるいは質量の大きなCNTが含まれているが、反対に上部の液には、長さ、あるいは質量の大きすぎない本発明に用いることのできるCNTが含まれている。但し、どの程度の液を採取するかは、遠心分離機の回転速度、溶媒の粘性等の条件を適宜選定すればよく、その後上記の有機溶媒、例えば、ジメチルフォルムアミド(以下、DMFと記す)に分散させればよい。
CNTの電着法による電極基板への付着接合させる工程においては、CNTを付着接合させる電極を正極とし、電極間距離を1mmほどにして電圧を印加する。印加電圧はCNT濃度や溶媒に依存するが、1V〜50V程度でも電着は起きる。水成分が残っている状態で高電圧を印加すると、両電極からの電気分解のため、水素、酸素の発生が起きて、電着が起きにくくなる傾向がある。したがって、好ましい印加電圧は1〜30V程度の範囲である。
負極の材料としては金属であれば特に種類は問わないが、一方、被電着極である正極の金属種は、アルミニウムや銅のような金属、ITOなどの電気伝導性のある酸化物でも採用することが可能である。上記したように、電極基板(集電体とも言う)と大表面積を有する電極材料の間の電気的接合が重要な要素である。従来のCNT等を用いたEDLCでは、電極基板に直接垂直に育成する方法以外では、バインダーを用いている。また、CNTを用いたEDLCの場合、通常は電極基板に垂直にCNTを成長させるため、電極間の間隔によっては、電極同士が接触してしまう可能性がある。
本発明の方法においては、電着に際してバインダーを用いておらず、導電性材料が直接電極基板に接触しあうので、電気抵抗が小さくて済むのである。このように本発明の製造方法で得られる電気2重層キャパシタ電極は、バインダーを用いないところに特色があり、従って導電性材料が直接電極基板に接触しあうので、電気抵抗を小さくすることができ、また、上記したように電極基板に平行に強く接合しているので、繊維状に導電性材料が基板に垂直に立つものが無く、表面積が大きく保たれているにも拘らずその厚みが極めて薄く、電極基板を強固にし、電極間の距離を接触しない距離とすれば、セパレータを不要とすることもできるのである。また、かかる電極構造とすることによって、イオン伝導が向上し、通常の電気2重層キャパシタより内部抵抗が少なく、かつ体積容量も小さくした電気2重層キャパシタの提供が可能となる。
上記のようにしてSWNTを電極基板に電着させ、乾燥させて電極を得ることができる。メッキ部の面積は、10×10mmであり、電子顕微鏡による観察から、厚みを求めると厚みは5μmであった。また、CNTだけの重要増加は1mgである。また、BET法で計測した表面積は、2640m/gであり、グラフェンシートから期待される表面積と一致した。つまり、ナノチューブの場合、先端が開放されると同時に内側も表面積として寄与していることが保証されている。
このようにして作成したカーボンナノチューブを使用し、電着法で作成した電極を、低酸素雰囲気下、例えば、真空中(P=10―3 Torr)において、350℃に加熱して5時間の熱処理を行った。通常、電着したCNTは、大気等の有酸素状態においては、550℃以上で燃焼してしまうため、熱処理はこの温度以下でなければならない。また、真空中や不活性ガス中での熱処理の場合においては、熱処理温度の上限は、使用する基板材料の融点や相変化温度等が重要となる。例えば、アルミニウムを基板として使用する場合は、600℃以下という条件が必要となる。熱処理温度の下限は200℃であるが、200℃より低い温度で熱処理を行ってもCNTの融着が見られず、熱処理による強度の向上は認められないため200℃以上の温度が必要である。勿論、熱処理温度は高い方がその効果は顕著に現れる。
通常、ナノサイズのカーボンナナノチューブでは、原子の活動が活発なため、接触したカーボンナノチューブでは比較的容易に融着(CNTとCNTが接触しているところの原子の移動が起き易く、2本のCNTが結合してしまう現象)がおきやすいことが知られており、例えば200℃程度でもCNT同士の結合が起きることも知られている。まして、本発明にかかるCNTは、マイクロ波処理、超音波環境下での酸処理を経ているため、CNTの端だけでなく、CNTの側面にも、ダメージ(炭素結合が切れている状態)が生じているので、活性状態の炭素が多くあることになる。従って、室温以上の高温時にCNT同士が接触すれば、容易にCNT同士の結合、即ち融着現象が現れるのである。
CNTは、電着によって金属電極板とファンデアワールス力で結合している状態であるが、CNT全体が金属電極と付いているのとは限らない。そこで、電解液を注入するとCNT同士の隙間、或いはCNT内部に電解液が入っていくが、その時CNTとCNTの間、或いはCNTと金属電極の間に入り込むと、CNTを引き剥がす方向に力が働く。そこで単純に積層しただけの状態では、CNTが剥がれる可能性があるが、熱処理によりCNT同士が融着しておれば、剥がれ難くなることは明らかである。このようにして、電解液を注入しても丈夫な電極膜が構成されることとなる。
[実施例]
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
市販のSWNT(住友商事製:寸法詳細仕様:直径1〜2nm、長さ1〜3μm)7mgを採取してガラス皿に平たく広げ、マイクロ波(5GHz、約700W)を30分照射した。照射の途中、少し火花が見えるのが確認された。照射終了後、ガラス皿上のSWNTの重量を計測したところ約5mgであった。このマイクロ波照射後のSWNT5mgを、強酸(硫酸75ml+硝酸25ml)に入れ、約5時間、該溶液の入っている容器外側を氷で冷やしながら超音波発生器US−1(アズワン社製)を使用して超音波を印加した。この酸処理により、バンドル化しているCNTをほぐすと同時に、欠陥を持つCNTをその場で切断して小サイズ化した。次に水洗を5時間程度行い、水酸化ナトリウムでアルカリ化し、CNT表面に付いた官能基をイオン化した。その後さらに遠沈容器に入れて遠心分離を行い、その上部液を採取した。採取された上部液よりCNTを取り出し、ジメチルフォルムアミド(以下、「DMF」ということがある。)に分散させた。次いでアルミニウム電極基板を正極とし、負極もアルミニウム板として、電極間距離を1mmほどに調整した状態で、数V、30分間電圧を印加することによって、CNTの前処理および電着法による基板への付着接合の工程を完了した。得られたCNTの平均長と電着された膜厚との関係を図3に示す。これによってCNTの平均長がおよそ3μm以下で、5〜100μm程度の膜厚の電着膜厚が得られることが確認された。
上記の如くして得られたCNTをアルミニウム基板に電着し、作成したCNT膜における熱処理温度の依存性を調べた。また、アルミニウムの電極(10×10mm)上に、同様なプロセスでCNTを電着させた。それぞれ電着したCNTのみだけの重量は0.85mgから1.25mgまでのばらつきがあった。それぞれの成膜したサンプルを、真空(約10−3Torr)中で、9段階の温度域において各条件について5個のCNT膜に熱処理を施した。上記の熱処理温度はそれぞれ150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃とし、ピーク温度に4時間保持した。この際いずれのサンプルも、7.5℃/分の昇温速度で昇温し、降温は、スイッチを切った後に一晩放置することによって自然に放冷した。上記各条件で熱処理を施した各5個のサンプルを、DMFの入ったビーカに浸し、更にそのDMF入りのビーカを、水を入れた超音波槽にビーカの概ねその半分が水中に浸るように設置した。その後、200Wのパワーを加え、そのまま2時間超音波を印加して電着膜が剥がれるか否かを評価した。即ち、その後各サンプルを水洗して150℃で3時間乾燥した後、それぞれのサンプルについて重量変化を計測して、剥がれ落ちた分の対重量比を調べた結果は図4に示す通りであった。図4からも明らかなように、200℃以上での熱処理を施した場合は、剥がれ落ちに対する充分な耐性を示してその効果が確認された。
実施例1で得られたCNT膜を使用して、その熱処理時間依存性を調査した。実施例1と同様にして作成したCNT膜を各条件で5個ずつ用意し、350℃で、1時間、2時間、4時間、8時間、10時間とそれぞれ熱処理を施した。得られた各サンプルについて実施例1と同様の条件で超音波を印加して、剥がれ落ちる割合を対重量比で求め、その結果を図5に示した。図5からも明らかなように2時間以上の熱処理を施すことによって、剥がれ落ちに対して充分な耐性効果があることが確認された。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られた電極で、熱処理していないCNT膜5個、熱処理したCNT膜5個のサンプルを用意し、これらのサンプルを電子顕微鏡で観察した結果、両者に特段の相違は認められなかった。次いでそれらのサンプルを、プロピレンカーボネート液を入れた小ガラスビン10個の中にそれぞれ浸漬し、そのガラスビンを水が入った超音波槽に浸して、5時間に渡って超音波を印加してダメージを観察した。その結果、非熱処理品であっても2時間程度の処理では大きな変化は認められなかったが、5時間後の変化を観察すると、非熱処理品では2個ほど、少し剥がれているものが認められたが、熱処理が施されたサンプルにおいては、剥離が全く認められないことが確認された。
本発明方法によって得られる電気2重層キャパシタ電極は、カーボンナノチューブからなる電極材料の、金属基板に対する電着による接合に際してバインダー材料を用いておらず、導電性材料が直接電極基板に接触しあうので、電気抵抗を極めて少なくすることができる。また、上記のように電極基板に平行に強く接合しているので、繊維状の導電性材料が基板に対して垂直に立つものが無く、表面積が大きく保たれているにも拘らずその厚みが極めて薄く、また、電着後の熱処理によりCNT同士やCNTと電極基板とが強固に融着し、耐久性の高い電極が形成される。さらに、電極間の距離を相互に接触しない範囲に維持すれば、セパレータを不要とすることもできる。一方、上記のような電極構造とすることによって、イオン伝導が向上し、通常の電気2重層キャパシタより内部抵抗が少なく、体積容量も小さくすることが可能で、コンパクトな構造であるにも拘らず、安定した高容量の電気2重層キャパシタを比較的低価格で市場に提供することができる。
電気2重層キャパシタ(EDLC)の構造を示す該略図である。 電極基板に垂直にCNTを育成した従来のEDLC電極の要部電子顕微鏡写真である。 CNTの平均長と電着された膜厚との関係を示す図である。 本発明に係るCNT膜の熱処理温度の依存性を示す図である。 本発明に係るCNT膜の熱処理時間の依存性を示す図である。
符号の説明
10 活性炭
12 電解液

Claims (4)

  1. カーボンナノチューブを用いた電気2重層キャパシタ電極の製造方法において、該カーボンナノチューブを電着法により電極基板に付着接合する際、その長手方向を前記電極基板に対し略平行に付着接合させ、しかる後に熱処理することを特徴とする電気2重層キャパシタ電極の製造方法。
  2. 前記熱処理が、真空雰囲気下若しくは低酸素雰囲気下において、200℃以上、前記電極基板の融点以下の温度域において施されることを特徴とする請求項1に記載の電気2重層キャパシタ電極の製造方法。
  3. 前記熱処理が、大気中において200〜550℃の温度域において施されることを特徴とする請求項1に記載の電気2重層キャパシタ電極の製造方法。
  4. 前記電着法が電気泳動法であることを特徴とする請求項1に記載の電気2重層キャパシタ電極の製造方法。
JP2007272992A 2007-10-19 2007-10-19 電気2重層キャパシタ電極の製造方法、 Expired - Fee Related JP4930852B2 (ja)

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