JP2009103551A - 蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置 - Google Patents

蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 蛍光X線分析方法及び蛍光X線分析装置に関し、バックグランドを低減して検出感度を向上するとともに、分析対象以外の部位に由来する妨害元素の検出を抑えて分析精度を向上する。
【解決手段】 高さを有する試料2のエッジ近傍領域に微小スポットのX線1を照射し、試料2において照射したX線1により励起された特性X線5を測定する際に、測定対象となる試料2のエッジ近傍領域にメタルマスク6を密着させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は蛍光X線分析方法及び蛍光X線分析装置に関するものであり、特に、走査型の微小プローブ蛍光X線分析(XRF)法を用いた微小領域の分析精度を向上させるための構成に特徴のある蛍光X線分析方法及び蛍光X線分析装置に関するものである。
XRF法は、励起源および分析にX線を用いるが、X線は透過力が強い、電荷を持たない、屈折率がほとんど1であるという性質を持つため、分析深さが深くかつ分析領域が比較的広いという特徴を持っている。
この性質ゆえ、非破壊で簡単に感度良く分析できることから、材料を構成する元素の特定手段として、素材生産における品質管理や材料研究に広く利用されてきた。
近年、欧州のRoHS指令(Restriction of the Use of Certain Hazardous Substance S in Electrical and Electronic Equipment)、ELV(End of Life Vehicle)等、一般消費者向け製品中の有害物質に関する規制が強化されつつある。
そのため、購入部品中に規制物質が含まれているか否かをチェックする手段として、電気メーカなどの部品仕様化部門や受け入れ部門で検査装置を大量に導入するニーズが増加している。
このような有害元素の有無判定においては、含有濃度が実際上問題にならない程度に微量である場合に非含有と判定するため、定量下限が十分低いことが必要である。
また、製品を構成する膨大な数の部品が調査対象となるため、できる限り非破壊でかつ短時間にチェックを行なう必要がある。
エネルギー分散型XRF法(例えば、特許文献1参照)は、このようなニーズに適していることから、分析機器メーカ各社からRoHS、ELV規制向けのバルク材料対応のエネルギー分散型XRF装置が市販されており、Pb、Cd等の規制対象元素の蛍光X線を検出しやすくするための一次X線フィルタや検量線プログラムの開発が進み、広く実用化されている。
さらに、微小領域を非破壊で検査するため装置としては、微小ビームで励起した蛍光X線を用い、元素マッピングが可能な分析装置が市販されている。
また、RoHS指令では、PbまたはCdの含有が許容されている物質があるため、実装プリント板のように種類の異なる物質が混在しているような部品においては、PbやCdの有無のみならず、PbやCdを含んでいる物質を特定する必要がある。
そこで、本発明者は、はんだ材と高温はんだ材、または、接点のカドミウムめっきとそれ以外のカドミウム含有物質を識別することにより、検査対象となる規制対象物質のみを絞り込み分析効率を向上する方法を提案している(例えば、特許文献2参照)。
再表2005−005969号公報 特開2007−163183号公報
さらに、本発明者は、鉛はんだと鉛ガラスとの識別することにより、検査対象となる規制対象物質のみを絞り込み分析効率を向上する方法も提案している(必要ならば、特願2006−119108参照)。
このように、微小ビームで励起したXRF装置を用いて微小領域の特定部位を選択的に分析する場合に、横方向および下層に妨害成分が高濃度に含まれているような電極めっき部を分析対象とする電子部品の場合、妨害の影響を受けない位置、即ち、試料のエッジ近傍を精度良く位置決めし、最適点を分析する必要がある。
しかし、電子部品のように高さを有する試料のエッジ近傍の分析においては、
a.エッジ効果の影響で、空間分解能が低下する
b.部品の周囲にある試料ステージやプリント板を同時に測定してしまいバックグランド が高くなる、または、
c.分析対象以外の部位に由来する妨害元素を検出してしまう、
等の問題が生じ、高精度な分析ができないという課題があるのでこの事情を図12を参照して説明する。
図12参照
図12は、高さを有する試料のエッジ近傍の分析における問題点の説明図であり、上段図は試料の一方のエッジ近傍の平面図であり、中段図はその断面図であり、また、下段図は放射された蛍光X線の検出状態の説明図である。
まず、分析対象となる試料10は、基板11の端部に、Pb等の妨害物質を含む内部電極等の妨害物質を含む膜12、Ni中間電極等の妨害物質を含まない膜13、Snめっき外部電極膜等の分析対象となる膜14が積層して設けられるとともに、上側の中央部には鉛ガラス膜等の妨害物質を含む膜15が設けられている。
この試料10における有害物質の検出を行う場合に、規制対象ではない鉛ガラス膜の影響を避けるため、試料10のエッジ部近傍に微小スポットの白色X線16を照射する。
照射箇所からは試料10の照射箇所を構成する元素の特性X線、即ち、蛍光X線17が放射されるが、この蛍光X線17には、分析対象となる膜14からの蛍光X線1714以外に、妨害物質を含む膜12からの蛍光X線1712や妨害物質を含まない膜13からの蛍光X線1713も同時に検出される。
この場合、鉛ガラスを含む内部電極膜、即ち、妨害物質を含む膜12におけるPb等の妨害物質は規制対象にならないので、検出された蛍光X線17に規制物質からの蛍光X線が含まれていても、規制対象となるSnめっき外部電極膜等の分析対象となる膜14に規制物質が含まれていると判定できないことになる。
即ち、図に示すように、蛍光X線17はエッジ効果の影響で広範囲に放出されるため、空間分解能が低下し、したがって、規制物質からの蛍光X線が検出されてもその蛍光X線の発生箇所を精度良く特定することが困難であるため、分析対象となる膜14に規制物質が含まれているのか、或いは、妨害物質を含む膜12に含まれている規制物質であるのかの判定が困難になる。
このような場合、妨害物質を含む膜12に含まれている規制物質からの蛍光X線であっても、分析対象となる膜14に規制物質が含まれていると判定される場合があり、本来良品である電子部品が不良品として廃棄されるという問題がある。
したがって、本発明は、バックグランドを低減して検出感度を向上するとともに、分析対象以外の部位に由来する妨害元素の検出を抑え、精度良く位置決めして分析精度を向上することを目的とする。
ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記の課題を解決するために、本発明は、高さを有する試料2のエッジ近傍領域に微小スポットのX線1を照射し、試料2において照射したX線1により励起された特性X線5を測定する際に、測定対象となる試料2のエッジ近傍領域にメタルマスク6を密着させることを特徴とする。
このように、測定対象となる試料2のエッジ近傍領域にメタルマスク6を密着させることによって、試料2の周囲にある試料ステージやプリント板を同時に測定することを妨げることができるので、バックグランドが低減して検出感度が向上する。
また、分析対象以外の部位に由来する妨害元素からの蛍光X線はメタルマスク6で吸収されるため、妨害元素からの蛍光X線検出が抑えられ、それによって、精度良く妨害元素からの蛍光X線の発生源を位置決めすることができるため、分析精度を向上することができる。
この場合、微小スポットのサイズは、分析対象となる試料2の分析対象箇所のサイズにより、妨害元素からの蛍光X線の発生源の位置決めを精度良く行うためには、X線1の強度のビーム径として、100μm以下のスポットサイズのX線1を用いることが望ましい。
また、メタルマスク6の高さが、試料2の高さの±50μmの範囲内であることが望ましく、+50μmを超えると分析対象となる試料2からの蛍光X線も吸収され、一方、−50μmを超えると側端面の露出面積が増加するので分析対象以外の妨害部位4に由来する妨害元素からの蛍光X線の吸収による遮蔽効果が低下することになる。
また、試料2における分析対象元素が鉛またはビスマスである場合には、メタルマスク6が、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛のいずれかの単体、或いは、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛を構成成分とする合金のいずれかが好適である。
なお、ビスマスは規制対象元素ではないが、ハンダの融点や密着性などハンダ接合系面の信頼性に強く影響するので分析対象元素とする。
クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛は鉛の蛍光X線であるPb−Lα線の質量吸収係数が大きいので、分析対象以外の部位に由来する妨害元素からの蛍光X線を効率良く吸収して遮蔽することができ、また、それ自体の蛍光X線波長が鉛の蛍光X線波長に重ならないので、妨害元素からの蛍光X線を精度良く検出することができる。
この場合、分析対象元素からの特性X線5の測定を開始するまえに、試料2の主成分元素の面分析を行い、面分析の結果に基づいて分析対象となる試料2の種類を判別して、予め用意した複数のメタルマスク6の内から最適な形状のメタルマスク6を選別する工程を有することが望ましく、それによって、メタルマスク6による分析対象以外の部位に由来する妨害元素からの蛍光X線を効果的に遮蔽することができる。
また、主成分元素の面分析の結果に基づいて、エッジ近傍領域における、点分析位置の位置決めを行うことが望ましく、それによって、最適測定点における規制元素の測定が可能になる。
また、本発明は、蛍光X線分析装置において、微小スポットのX線1を照射する微小X線源、試料2からの特性X線5を検出するX線検出器、試料2の少なくとも端部に密着可能な複数のメタルマスク6、試料2の主成分元素の面分析を行う面分析手段、面分析手段による分析結果に基づいて、複数のメタルマスク6の内から最適な形状のメタルマスク6を選別して試料2に密着させる手段とを少なくとも備えたことを特徴とする。
このような装置構成とすることによって、分析対象部3の下層に妨害部位4が存在する部品中の特定の微少領域に、規制物質が含まれるか否かを判定するためのインテリジェント化された分析装置を実現することができる。
この場合、面分析手段による分析結果に基づいて、エッジ近傍領域における点分析位置の位置決めを手段を備えることが望ましく、それによって、最適測定点における規制元素の測定が可能になる。
本発明によれば、試料の側面に、妨害成分を含まず、かつ、分析対象特性X線の吸収係数が大きい元素で構成されるメタルマスクを設置しているので、エッジ効果を低減し空間分解能を向上させることができ、また、部品の周囲にある試料ステージやプリント板を同時に測定することを妨げることによって、バックグランドを低減して検出感度を向上することができ、さらに、分析対象以外の部位に由来する妨害元素の検出が抑えられるので、精度良く位置決めすることができ、分析精度を向上することができる。
ここで、図2乃至図7を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図2参照
図2は、本発明における分析フローチャートの一例であり、まず、
A.蛍光X線分析装置に試料をセットする。次いで、
B.CCDカメラで試料の画像情報を取込み、試料の位置(XY座標)を読み込む。次い で、 C.試料の製品品種に対応する最適なサイズのメタルマスクを選択して、試料に密着させ る。次いで、
D.Snの蛍光X線からSnのマッピングデータを収集する。次いで、
E.Snの面分析結果に基づいて分析対象となる電極めっき膜の座標を構成度に位置決め する。次いで、
F.登録された各試料の最適測定点を読み込み、予めメモリに格納しておいた試料の電極 めっき膜用の測定条件で定性・定量分析を行い、分析結果をメモリに格納する。次い で、
G.試料の電極めっき膜中の規制物質の濃度の測定結果を表示・格納する。最後に、
H.測定結果に基づいて判定結果を表示する
ことによって、一連の分析フローが終了する。
図3参照
図3は、蛍光X線分析装置の概念的構成図であり、試料10を載置する試料ステージ21、微小スポットのX線を照射する微小X線源22、試料10からの特性X線を検出するX線検出器23をハード的に備えるとともに、試料10の主成分元素の面分析を行う面分析手段、及び、面分析手段による分析結果に基づいてエッジ近傍領域における点分析位置の位置決めする手段をソフト的に備えている。
また、この蛍光X線分析装置20には、試料10の製品品種に応じて複数のサイズのメタルマスク18が格納されており、上述の面分析手段による分析結果に基づいて複数のメタルマスク18の内から最適な形状のメタルマスクを選別して試料10に密着させる手段(図示は省略)も備えている。
特に、チップ抵抗等のチップ部品は、工業規格でサイズが定められているので、定められたチップサイズに対応したテンプレートを予め作成し、チップサイズごとに指定して用いることができ、分析対象となる電極めっき膜の側面に設置可能で、且つ、妨害元素となるPbを十分遮蔽できる幅(メタルマスクの構成元素により、鉄で60μm、銅で40μm以上)あれば、形状は矩形状でもコ字状でも枠状でも良い。
図4参照
図4は、蛍光X線測定時におけるメタルマスクの設置状態の説明図であり、試料10に設けた分析対象となる膜14の側端面にメタルマスク18を密着して配置するものであり、試料10の側端面からの蛍光X線17は、分析対象となる膜14からの蛍光X線1714も含めて、妨害物質を含む膜12からの蛍光X線1712や妨害物質を含まない膜13からの蛍光X線1713も吸収により遮蔽され、分析対象となる膜14の表面部からの蛍光X線1714のみがX線検出装置で検出されることになる。
図5参照
図5は、各種元素のPb−Lα線の質量吸収係数の説明図であり、Ai,Ti,Wは Pb−Lα線の質量吸収係数が100cm2 /g以下であり、一方、Cr,Fe,Ni,Cu,Zn,TaのPb- Lα線の質量吸収係数は100cm2 /g以上であり、X線の遮蔽効果のみを考えると、メタルマスクの構成成分としてCr,Fe,Ni,Cu,Zn,Taが望しいことが分かった。
図6参照
図6は、電極めっき膜の主成分元素であるSn及び分析対象元素のPbとメタルマスクの各構成元素の特性X線の重なり具合の説明図であり、Cr,Fe,Ni,Cu,Znの特性X線は、分析対象元素のPbの特性X線と重ならないが、Taの特性X線は、分析対象元素のPbの特性X線と重なることが分かる。
したがって、メタルマスクの素材としては、Pb- Lα線の質量吸収係数が大きく、且つ、Pbの特性X線と重ならないCr,Fe,Ni,Cu,Znのいずれかの単体、または、Cr,Fe,Ni,Cu,Znを構成成分とする合金が望ましい。
図7参照
図7は、電極めっき膜の主成分元素であるSn及び分析対象元素のBiとメタルマスクの各構成元素の特性X線の重なり具合の説明図であり、Cr,Fe,Ni,Cu,Znの特性X線は、分析対象元素のBiの特性X線と重ならないが、Taの特性X線は、分析対象元素のBiの特性X線と重なることが分かる。
したがって、メタルマスクの素材としては、Biの特性X線と重ならないCr,Fe,Ni,Cu,Znのいずれかの単体、または、Cr,Fe,Ni,Cu,Znを構成成分とする合金が望ましい。
なお、Biは規制対象物質ではないが、Pbにかわるハンダを構成する重要元素であり、Biの濃度により融点やハンダの密着性が重要になるので、分析対象元素の有力候補となる。
以上を前提として、次に、図8乃至図11を参照して、本発明の実施例1の蛍光X線分析方法を説明する。
図8参照
図8は、本発明の実施例1の蛍光X線分析方法の分析対象となるチップ抵抗の説明図であり、上図はチップ抵抗の外観図であり、下図は具体的構成断面図である。
下図の断面図に示すように、チップ抵抗30は、アルミナ基板31の表面の両端部に設けられたAgと鉛ガラスを混合したAg焼付表面電極32、両端のAg焼付表面電極32に跨がるように設けられた抵抗体33、抵抗体33を被覆保護する鉛ガラス34、鉛ガラス34を保護する樹脂膜35、露出したAg焼付表面電極32に接続するとともにアルミナ基板31に裏面の両端部に設けられたAgと鉛ガラスを混合したAg焼付裏面電極36を覆うように設けたAg焼付側面電極37、Ag焼付側面電極37を覆うニッケルめっき電極38、ニッケルめっき電極38を覆うように設けたハンダめっきからなる外部電極39から構成される。
この場合、ハンダめっきからなる外部電極39は鉛規制対象となるが、鉛ガラス34、Agと 鉛ガラスを混合したAg焼付表面電極32及びAgと鉛ガラスを混合したAg焼付裏面電極36は鉛規制対象とならないため、外部電極39に含まれる鉛のみを精度良く分析する必要があり、鉛ガラス34、Ag焼付表面電極32及びAg焼付裏面電極36に含まれる鉛は妨害物質となる。
図9参照
図9は、本発明の実施例1における測定時の試料近傍の構成図であり、長さが2.00mmのチップ抵抗30の端部に幅が0.6mmの銅マスク40が設けられており、この銅マスク40の高さは、チップ抵抗30の両端部の高さの500μmと略等しい高さにしている。
図10参照
図10の上図は、図2に示した工程DのSnの蛍光X線強度分布図であり、左図はメタルマスクを設けた場合のSnの蛍光X線強度分布図であり、右図はメタルマスクを設けない場合のSnの蛍光X線強度分布図であり、下図はそれぞれのSn強度を示す図である。
両者を比較すると、メタルマスクを設けた場合、Sn強度分布の半値幅が小さくなっており、試料側面にメタルマスクを設置することにより、空間分解能が向上することが確認された。
図11参照
図11は、図2に示した工程Fにおける定性・定量分析におけるバックグランドの説明図であり、メタルマスクを設けた場合に、試料ステージ等に起因するバックグランドが大幅に低減していることが分かる。
また、測定対象となるPbの蛍光X線はメタルマスクを設けた場合には実質的に検出されず、一方、メタルマスクなしの場合には、Pbの蛍光X線が多少検出されており、これは、Ag焼付電極に含まれているPbが検出されたものと考えられる。
したがって、メタルマスクを設けることによって、
a.空間分解能が向上し、
b.バックグランドも低減し、
c.妨害物質を含む規制対象外の層からの蛍光X線の遮蔽が可能になり、
精度の高い蛍光X線分析が可能になる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明してきたが、本発明は実施の形態及び実施例に記載された構成・条件等に限られるものではなく各種の変更が可能であり、例えば、上記の実施例においては、検出対象をPbとしているが、Pbに限られるものではなくCdの検出にも適用されるものである。
さらには、規制対象物質ではないBi等の検出にも適用されるものである。
即ち、鉛フリーハンダにはBiが含まれることが多いが、Biを含有されることによってハンダの融点や接合特性が変わるので、ハンダ中にBiが含まれているか否か、或いは、接触不良箇所におけるBi濃度を測定することが重要になるためである。
また、上記の実施例においては、試料であるチップ抵抗を試料ステージ上に載置して測定しているが、チップ状態ではなく、プリント配線基板等の実装基板上に実装したのちのチップ抵抗の測定にも適用されるものであり、その場合には、プリント配線基板やハンダ付け部材からのバックグランド蛍光X線を遮蔽することによって、チップ抵抗自体のめっき外部電極における規制物質の有無の測定が可能になる。
即ち、チップ状態における測定だけではなく、セットメーカーにおいては購入したボードに実装された電子部品における規制対象部材に規制物質が含有されているか否かの判定が重要になり、そのために、ボードに実装された状態における測定が必要になるためである。
本発明の活用例としては、チップ抵抗やチップコンデンサ等のチップ化された電子部品が典型的なものであるが、このような電子部品に限られるものではなく、各種の規制対象部材における規制物質の検出に適用されるものである。
本発明の原理的構成の説明図である。 本発明における分析フローチャートの一例である。 蛍光X線分析装置の概念的構成図である。 蛍光X線測定時におけるメタルマスクの設置状態の説明図である。 各種元素のPb−Lα線の質量吸収係数の説明図である。 電極めっき膜の主成分元素であるSn及び分析対象元素のPbとメタルマスクの各構成元素の特性X線の重なり具合の説明図である。 電極めっき膜の主成分元素であるSn及び分析対象元素のBiとメタルマスクの各構成元素の特性X線の重なり具合の説明図である。 本発明の実施例1の蛍光X線分析方法の分析対象となるチップ抵抗の説明図である。 本発明の実施例1における測定時の試料近傍の構成図である。 図2に示した工程DのSnの蛍光X線強度分布図である。 図2に示した工程Fにおける定性・定量分析におけるバックグランドの説明図である。 高さを有する試料のエッジ近傍の分析における問題点の説明図である。
符号の説明
1 X線
2 試料
3 測定対象部
4 妨害部位
5 特性X線
6 メタルマスク
10 試料
11 基板
12 妨害物質を含む膜
13 妨害物質を含まない膜
14 分析対象となる膜
15 妨害物質を含む膜
16 入射X線(白色X線)
17,1712,1713,1714 蛍光X線
18 メタルマスク
20 X線分析装置
21 試料ステージ
22 微小X線源
23 X線検出器
30 チップ抵抗
31 アルミナ基板
32 Ag焼付表面電極
33 抵抗体
34 鉛ガラス
35 樹脂膜
36 Ag焼付裏面電極
37 Ag焼付側面電極
38 ニッケルめっき電極
39 外部電極
40 銅マスク

Claims (6)

  1. 高さを有する試料のエッジ近傍領域に微小スポットのX線を照射し、前記試料において前記照射したX線により励起された特性X線を測定する際に、前記測定対象となる試料のエッジ近傍領域にメタルマスクを密着させることを特徴とする蛍光X線分析方法。
  2. 前記試料における分析対象元素が鉛またはビスマスであって、前記メタルマスクが、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛のいずれかの単体、或いは、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛を構成成分とする合金のいずれかからなることを特徴とする請求項1記載の蛍光X線分析方法。
  3. 前記分析対象元素からの特性X線の測定を開始するまえに、前記試料の主成分元素の面分析を行い、前記面分析の結果に基づいて分析対象となる試料の種類を判別して、予め用意した複数のメタルマスクの内から最適な形状のメタルマスクを選別する工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光X線分析方法。
  4. 前記主成分元素の面分析の結果に基づいて、前記エッジ近傍領域における、点分析位置の位置決めを行うことを特徴とする請求項3記載の蛍光X線分析方法。
  5. 微小スポットのX線を照射する微小X線源、試料からの特性X線を検出するX線検出器、前記試料の少なくとも端部に密着可能な複数のメタルマスク、前記試料の主成分元素の面分析を行う面分析手段、前記面分析手段による分析結果に基づいて、前記複数のメタルマスクの内から最適な形状のメタルマスクを選別して前記試料に密着させる手段とを少なくとも備えたことを特徴とする蛍光X線分析装置。
  6. 前記面分析手段による分析結果に基づいて、前記エッジ近傍領域における点分析位置の位置決め手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の蛍光X線分析装置。
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