JP2009103493A - 固体触媒の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小規模の評価装置を用いて短期間で評価を行うことができ、適用しうる反応の種類、及び触媒が多様であり汎用性を有し、かつ正しい評価結果を得られる固体触媒の評価方法、ならびに評価装置を提供すること。
【解決手段】下記工程(A)〜(C):
工程(A):20℃、1気圧下で液体である原料及び20℃、1気圧下で気体である原料を、固体触媒充填層を有する相当内径14〜20mmの反応管に供給する工程、
工程(B):該反応管内で原料を反応させる工程、及び
工程(C):該反応管から反応後のサンプルを抜出す工程、
を有し、下記数式(1)で算出される該原料の反応管内の線速度が0.01〜0.05(cm/秒)である固体触媒の評価方法である。
線速度(cm/秒)=原料流量(cm3/秒)/反応管断面積(cm2) (1)
(式中、原料流量は固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件により算出したものである。)
【選択図】なし

Description

本発明は、固体触媒の評価方法に関する。
石油精製分野、石油化学分野などの化学工業において、技術開発は非常に重要である。なかでも、商業装置に用いられる原料の評価、あるいは固体触媒の反応率、劣化、及び寿命などの固体触媒の性能を評価するといった一連の技術開発は、非常に重要である。
従来、固体触媒の評価は、商業装置で行った場合と同等の評価結果を得るために、評価する触媒ごとに、評価装置の形式、規模などを選定して行っていたため、必ずしも最小規模の評価装置を用いていない、固体触媒の評価自体に多大な時間がかかるうえに、評価装置の選定にも時間がかかるといった問題があった。固体触媒の評価は、商業装置と比べて可能な限り小規模な評価装置を用い、かつ短期間で行えることが好ましいが、その一方、小規模な評価装置を行った場合、正しい評価結果(商業装置で行った場合と同等の評価結果)が得られにくいといった問題があった。
このようななか、固体触媒の評価装置の規模、及び当該規模の触媒の評価結果への影響について、学術的な研究がなされている(非特許文献1参照)。非特許文献1には、工業用軽油深度脱硫触媒を小型の管型反応装置にて希釈充填した実験結果とその考察に加え、小型の反応管内で起こりうるハイドロダイナミクスの影響を、壁効果、濡れ、逆混合および軸方向分散の観点から計算により予測する推算方法が開示されている。これらの推算方法は評価方法への影響の有無を定性的に把握することは可能である。しかし、正しい評価結果を得るための実用的かつ具体的な評価方法についての開示は、一切ない。
Petroleum Science and Tech.22(1&2),pp.157−175(2004)
本発明は、上記状況を鑑みてなされたものであり、小規模な評価装置を用いて短期間で評価を行うことができ、適用しうる反応の種類、及び触媒が多様であり汎用性を有し、かつ正しい評価結果を得られる固体触媒の評価方法、ならびに評価装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定のサイズを有する反応管を用い、該反応管への原料を特定の速度で供給することで、上記目的を効果的に達成しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
(1)下記工程(A)〜(C):
工程(A):20℃、1気圧下で液体である原料及び20℃、1気圧下で気体である原料を、固体触媒充填層を有する相当内径14〜20mmの反応管に供給する工程、
工程(B):該反応管内で原料を反応させる工程、及び
工程(C):該反応管から反応後のサンプルを抜出す工程、
を有し、下記数式(1)で算出される該原料の反応管内の線速度が0.01〜0.05(cm/秒)である固体触媒の評価方法。
線速度(cm/秒)=原料流量(cm3/秒)/反応管断面積(cm2) (1)
(式中、原料流量は固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件により算出したものである。)
(2)相当内径14〜20mmの反応管内に固体触媒充填層を有する固体触媒の評価装置であって、以下の条件(I)〜(III)を有する固体触媒の評価装置。
(I):固体触媒充填層が固体触媒と球相当直径0.1〜1mmの希釈材とからなり、該希釈材の充填量が固体触媒の充填量の0.5〜5倍である。
(II):該固体触媒が反応管に原料が供給される前に、前処理を施されたものである。
(III):反応管が固体触媒充填層用加熱装置内に設置されるものである。
本発明によれば、小規模の評価装置を用いて短期間で評価を行うことができ、適用しうる反応の種類、及び触媒が多様であり汎用性を有し、かつ正しい評価結果を得られる固体触媒の評価方法、ならびに評価装置を得ることができる。
本発明の固体触媒の評価方法は、工程(A):20℃、1気圧下で液体である原料及び20℃、1気圧下で気体である原料を、固体触媒充填層を有する相当内径14〜20mmの反応管に供給する工程、工程(B):該反応管内で原料を反応させる工程、及び工程(C):該反応管から反応後のサンプルを抜出す工程を有し、下記数式(1)で算出される該原料の反応管内の線速度を0.01〜0.05(cm/秒)とするものである。そして、上記工程(C)で得られたサンプルは、所定の分析装置に供給され、分析されるものである。
線速度(cm/秒)=原料流量(cm3/秒)/反応管断面積(cm2) (1)
(式中、原料流量は固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件により算出したものである。)
本発明の固体触媒の評価方法は、上記のような構成とすることで、小規模の評価装置を用いて短期間で評価を行うことができ、適用しうる反応の種類、及び触媒が多様であり汎用性を有し、かつ正しい評価結果を得られるものである。本発明の固体触媒の評価方法は、小規模の評価装置を用いるため、従来行われてきた評価方法と比べて、効率的に、すなわち、より少量の原料及び触媒で、評価に要する期間も短縮することができる。
本発明の固体触媒の評価は、反応率、劣化、寿命、製品品質(例えば、各留分の硫黄分、密度、色相、オクタン価、及びセタン指数など)、物質収支のいずれかの評価を意味し、正しい評価結果は、同じ原料、触媒を商業装置で用いた場合と同様の評価結果が得られることを意味する。
以下、本発明の評価方法に用いられる評価装置から説明する。
[評価装置]
本発明の評価装置は、相当内径14〜20mmの反応管内に固体触媒充填層を有する固体触媒の評価装置であって、(I):固体触媒充填層が固体触媒と球相当直径0.1〜1mmの希釈材とからなり、該希釈材の充填量が固体触媒の充填量の0.5〜5倍であり、(II):該固体触媒が反応管に原料が供給される前に、前処理を施されたものであり、(III):反応管が固体触媒充填層用加熱装置内に設置される評価装置である。
本発明の評価装置について、図1〜3を用いて説明する。図1〜3は、本発明の評価装置のフローを示す図である。
図1には、液体原料11及び気体原料12が、各々脱金属触媒充填層、水素化分解触媒充填層、及び水素化脱硫触媒充填層を有する反応管1〜3に供給されて、得られた反応生成物が分離精製管4に供給されて気液分離され、気液分離された気体生成物13がサンプルとして回収されるフローが示されている。一方、気液分離された液体は、低圧分離精製管41に供給されてさらに気液分離された後、気液分離された気体は分離精製管4で分離された気体と混合され、気液分離された液体生成物14はサンプルとして回収される。
図1では、反応管1と反応管2とを連結する配管上に、バイパス弁7を挟んで仕切り弁61及び62を備えたサンプル採取口が二つ設けられている。当該サンプル採取口から反応生成物を抜き出して、サンプル受器5で一旦受けた後、中間サンプル15を回収することもできる。バイパス弁7は、反応管1を経た反応生成物をサンプル受器5に送る際に用いられるものであり、サンプル受器5で反応生成物を受ける場合、通常、バイパス弁7は全閉とする。サンプル受器5からの中間サンプル15は、仕切り弁61及び62を全閉、バイパス弁7を全開として、仕切り弁63を開けて回収される。なお、サンプル受器と仕切り弁などとからなるセットは、図1では反応管1と反応管2との間のみに設置されているが、必要に応じて反応管2と反応管3との間にもう一つ設置してもよい。
図2には、反応管1と反応管2とを連結する配管上に、仕切り弁61を備えるサンプル採取口及びバイパス弁71が設けられ、反応管2と反応管3とを連結する配管上に、仕切り弁62を備えるサンプル採取口及びバイパス弁72が設けられるフローが示されている。このようなフローとすることで、反応管1〜3の各々出口における反応生成物を、下流の分析装置に回収することができる。
図3は、サンプル採取口、サンプル受器などを全く備えないフローを示している。反応及び触媒の種類によっては、このようなフローでもサンプルを回収し、分析することができる。例えば、反応管2及び3を反応停止温度に維持することにより、脱金属触媒からなる固体触媒充填層を有する反応管1の出口における反応生成物を分析することができる。
[反応管]
本発明で用いられる反応管は、その管内に固体触媒を充填して形成される固体触媒充填層を有するものである。そのような反応管としては、管型反応器が挙げられ、反応管内に温度を計測するためのサーモウェルが設置されていることが好ましい。1つのサーモウェルに対して、複数の温度計(熱電対など)が挿入されていてもよい。当該反応管の相当内径は14〜20mmであり、好ましくは14〜18mmである。また、反応管の長さは充填層の長さよりも長ければよいが、1000〜2500mmが好ましく、1300〜2500mmがより好ましい。ここで、相当内径は、反応管内の断面積からサーモウェルの断面積を差し引いた面積と同じ面積を有する円の直径であり、以下の数式(3)により算出された値である。
相当内径(mm)=2×[(反応管内の断面積−サーモウェル断面積)/π]1/2 (3)
反応管の相当内径が上記範囲内にあれば、固体触媒の充填密度を適切にすることができ、固体触媒充填層の水平方向における反応温度を均一にすることができるので好ましい。また、反応管の長さが上記範囲内にあれば、反応管の長さ方向の逆混合の影響がおさえられるので、見掛けの反応速度が低下することがなく、かつ反応管の製作が容易であり、また、実験室での固体触媒の充填作業も容易となる。なお、反応管の長さが2500mmより長くなる場合には、一つの反応管の長さが上記範囲内となるように、反応管を二つに分割することが好ましい。
複数種の固体触媒を用いる場合、反応管及び固体触媒充填層の態様としては、(i)一つの反応管に複数種の固体触媒を順に充填して複数の固体触媒充填層を形成する、(ii)一つの反応管に複数種の固体触媒を混合して充填して一つの固体触媒充填層を形成する、(iii)一種の固体触媒を充填した一つの反応管を複数種の固体触媒毎に準備して、これらの反応管を組み合わせて用いる、などが挙げられる。本発明におけるこれらの態様については、商業装置における触媒の使用態様、及び目的などに応じて選択すればよいが、各固体触媒の評価を行いたい場合には、上記した(iii)の態様を選定すればよい。また、複数種の固体触媒が異なる温度領域で用いられる場合にも、上記した(iii)の態様が好ましい。
反応管は、通常、固体触媒充填層用加熱装置内で垂直に設置され、下方流、又は上方流で原料が供給されるものであり、固体触媒の球相当直径が3〜5mmと比較的大きい場合には、固体触媒充填層を流れる原料の偏流を防止する観点から、上方流が好ましい。ここで、下方流は、原料が反応管の上部(固体触媒充填層よりも上部)に供給されて、該固体触媒充填層を通過して得られた反応生成物が反応管の下部(固体触媒充填層よりも下部)から抜き出される、すなわち原料が反応管の上部から供給されて固体触媒充填層を下方に向かって流れることを示し、商業装置では通常下方流である。また、上方流は、上記した下方流とは逆に、原料が反応管の下部から供給されて固体触媒充填層を上方に向かって流れることを示す。
固体触媒充填層用加熱装置としては、電気式炉、電磁過熱式炉、サンドバス、ジャケット式などから選定すればよい。
反応管の材質は、反応及び原料の種類、反応温度などによって選定すればよいが、通常使用目的が多岐にわたる触媒評価用途であることから、経済性よりも耐蝕性が優先される。そのような材質としては、SUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L、SUS310、SUS321などのステンレス鋼;ハステロイ、インコロイ、インコネル、二相合金などが挙げられる。
反応管の肉厚は、反応管の内径、反応及び原料の種類、反応温度、及び反応圧力などによって決定されるが、通常1〜5mm程度である。
[付帯設備]
反応管は、本発明で用いられる原料を固体触媒充填層で反応させるために必要な一般的な付帯設備を有していてもよい。このような付帯設備としては、例えば、液体及び気体の原料を反応管に供給する設備、反応管を加熱冷却する設備、サンプル採取口などが挙げられる。
液体の原料を反応管に供給する設備としては、ポンプ、供給量測定装置などが挙げられる。ポンプは、液体の原料を反応管に所定の圧力に昇圧して供給するために用いられるものであり、供給量を制御可能な形式のものが好ましく、例えば、プランジャー形式、ダイアフラム形式のポンプが挙げられる。モーターは、インバーター式回転数制御型を選定するのが好ましい。供給量測定装置は、反応管に供給する原料の量を測定するために用いられるものであり、例えば天秤、ロードセルなどのセンサーが挙げられる。これらのセンサーを用いて、原料の質量変化量を常時計測する。また、液体の原料が高粘度である場合、所定の温度まで原料を加熱して所望の粘度にするために、上記したポンプ、当該ポンプから反応管までの配管にトレースを施すことが好ましい。所望の粘度は、使用するポンプの仕様により異なるが、汎用的であるプランジャー形式では、5(mm2/秒)未満である。
気体の原料を反応管に供給する設備としては、コンプレッサーなどが挙げられる。コンプレッサーは、気体の原料を反応管に所定の圧力に昇圧して供給するために用いられるものであり、例えば、レシプロ形式、ダイアフラム形式のコンプレッサーが挙げられる。また、気体の原料の流量を調節するために、微小流量用調節弁、サーマルマス式流量指示調節計などを用いることができる。
サンプル採取口は、固体触媒充填層の入口、出口、該充填層の中間部などの反応管本体に設けられていることが好ましい。また、複数の反応管が連結される場合、隣り合う反応管内の固体触媒充填層の間に少なくとも一つのサンプル採取口を有することが、各触媒の商業装置における反応条件、充填比率などを決定する観点から好ましい。この場合、サンプル採取口は、反応管本体に取り付けられていてもよいし、複数の反応管を連結する配管部分に取り付けられていてもよい。サンプル採取口としては、図1及び2に示されるように、仕切り弁6、キャップなどで留めたノズルを用いればよく、このノズルを反応管本体又は複数の反応管を連結する配管部分に設けておき、必要に応じてサンプル受器5などを接続できるようにすればよい。
[分離精製管及び低圧分離精製管]
本発明の評価装置は、図1に示されるように、必要に応じて分離精製管4及び低圧分離精製管41を有する。
分離精製管4は、固体触媒充填層を経た反応管出口の反応生成物を気液分離するために設けられるものであり、反応生成物中の溶存ガスを分離するためのノズル、及び反応生成物を抜き出すノズルを備えた、管型のものなどが用いられる。分離精製管4で気液分離された気体は、該精製管頂部から抜き出された後、圧力調節弁などを経て、常圧(1気圧)又は低圧(1.01〜1.1気圧程度)に降圧され、下流の分析装置などに送られる。
分離精製管4で固液分離された液体は、該精製管底部から抜き出され、レベル調節弁などを経て、常圧又は低圧に降圧された後、下流の分析装置などに送られる。得られた液体は、分析装置に送られる前に、必要に応じて低圧分離精製管41でさらに気液分離を行ない、液体中の溶存ガスを分離してもよい。低圧分離精製管41で分離された気体は、上記した分離精製管4で分離された気体と混合された後、好ましくは下流の分析装置などに送られる。低圧分離精製管41としては、分離精製管4と同様のものが用いられる。
本発明の評価装置は、分離精製管4及び低圧分離精製管41で分離された気体の組成及び温度に応じて、冷却装置及び分離管をさらに有していてもよい。気体の冷却に用いられる装置としては、ジャケット式などが挙げられ、冷媒としては、水、フロン系冷媒、ドライアイス−エタノール、及び液体窒素などが挙げられる。
[サンプル受器]
本発明の評価装置は、必要に応じてサンプル受器を有する。サンプル受器は、反応器から抜き出された反応生成物が分析装置に送られる前に一旦受けるために設けられるものである。サンプル受器としては、反応生成物中の溶存ガスを分離するためのノズル、及び反応生成物を抜き出すノズルを備えた、管型のものなどが用いられる。
[分析装置]
反応器を経て得られた気体生成物13及び液体生成物14は、サンプルとして分析装置に送られる。気体生成物13の分析には、ガスクロマトグラフなどが用いられる。また、液体生成物14の分析には、液体クロマトグラフ、原子吸光光度計、紫外可視分光光度計などが用いられる。
気体生成物13の流量の測定には、湿式又は乾式ガスメーター、サーマルマス流量計、石鹸膜流量計などが用いられ、液体生成物14の流量は、ロードセル、天秤などを用いた質量変化の計測値により測定される。
[評価方法]
本発明の評価方法は、上記したような評価装置を用いたものであり、工程(A):20℃、1気圧下で液体である原料及び/又は20℃、1気圧下で気体である原料を、固体触媒充填層を有する相当内径14〜20mmの反応管に供給する工程、工程(B):該反応管内で原料を反応させる工程、及び工程(C):該反応管から反応後のサンプルを抜出す工程を有し、下記数式(1)で算出される該原料の反応管内の線速度を0.01〜0.05(cm/秒)とするものである。そして、上記工程(C)で得られたサンプルは、所定の分析装置に供給され、分析されるものである。
線速度(cm/秒)=原料流量(cm3/秒)/反応管断面積(cm2) (1)
(式中、原料流量は固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件により算出したものである。)
[線速度]
本発明の評価方法において、原料の反応管内の線速度は、0.01〜0.05(cm/秒)とする必要がある。当該線速度を上記範囲とすることで、原料及び触媒の種類にかかわらず、効率的に、かつ正しい評価結果が得られる。当該線速度は、下記数式(1)で算出されるものであり、単位時間あたりの反応管断面を通過する原料速度を意味する。当該線速度は、効率的に正しい評価結果を得る観点から、0.01〜0.03(cm/秒)が好ましく、0.01〜0.025(cm/秒)がより好ましい。
線速度(cm/秒)=原料流量(cm3/秒)/反応管断面積(cm2) (1)
ここで、式中、原料流量は固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件により算出したものである。固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件での原料流量(cm3/秒)は、Pro/II(インベンシスインコーポレート社製)、Aspen Plus(株式会社アスペンテック製)などの市販のプロセスシミュレーターを用いて計算することができる。
[空間速度]
本発明の評価方法において、原料の配管内の空間速度は、評価する原料の反応性、評価する触媒の活性や反応条件によるので一概には言えないが、通常、0.1〜1.5(毎時)が好ましく、0.1〜1.0(毎時)がより好ましく、0.2〜0.9(毎時)がさらに好ましい。当該空間速度を上記範囲内とすることで、効率的に、かつ正しい評価結果が得られる。当該空間速度は、下記数式(2)で算出されるものであり、単位時間あたりの触媒が処理する原料の量を意味する。
空間速度(毎時)=原料流量(cm3/時間)/固体触媒量(cm3) (2)
ここで、式中、原料流量は固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件により算出したものである。固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件での原料流量(cm3/秒)は、上記した線速度と同様に計算される。
[固体触媒]
本発明の評価方法においては、固体触媒は特に制限なく評価することが可能であるが、なかでも水素化分解触媒、水素化処理触媒、水素化脱硫触媒、脱金属触媒、改質反応触媒、異性化反応触媒、及び脱水素反応触媒から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に用いられる固体触媒の形状は、特に制限ないが、球形、円柱形、三つ葉形、及び四つ葉形から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、なかでも球形が好ましい。球相当直径は0.5〜5mmが好ましく、0.1〜3mmがより好ましい。ここで、球相当直径は、固体触媒が球形の場合は、当該球形の直径であり、固体触媒が球形以外の場合は、該固体触媒の表面積と同じ表面積を有する球形の直径である。固体触媒の球相当直径が上記範囲内にあれば、目開きの細かい支持体を用いることなく反応管内で安定させることが可能なので、反応管内における原料の圧力損失を低減させることができ、また、反応管内の固体触媒の充填密度が適度となり、原料の偏流、及び原料と固体触媒との接触不良などを低減させることができるので好ましい。
固体触媒の前処理のタイミングは、原料が供給される前であれば、固体触媒を反応管に充填する前であっても、充填した後であってもよい。前処理の方法は、評価する固体触媒によって異なるが、例えば、固体触媒がY型ゼオライトとアルミナを担体とする重質油の水素化分解触媒である場合、該触媒を原料供給後に、3〜10日間、平均温度410℃以上の温度条件下で前処理を施すことが好ましい。この際、反応管には、水素を流しながら、原料を流しながら反応させることが好ましい。
固体触媒がNi−Mo系、Co−Mo系、No−W系、及びこれらの混合系である水素化触媒である場合、前処理となる予備硫化反応は下記の要領により行われる。硫化源として二硫化ジメチルを1〜3質量%程度を加えた直留軽質軽油と水素とを、所定の反応圧力において水素/軽油比を通常の商業装置の1〜2倍とし、かつ空間速度を通常の商業装置の1〜2倍として、水素化触媒を充填した反応管に供給する。反応温度が200℃となるまでは、10℃/時間程度で固体触媒充填層を昇温し、200〜300℃の間は1〜5℃/時間程度で昇温して、300℃を維持して予備硫化反応を進行させる。固体触媒が担持する触媒種(担持金属種)と担持量から、理論硫化量を予め算出しておき、硫黄の物質収支から硫化の度合いを把握して、理論硫化量の80〜100%で予備硫化反応を終了させる。ここで、予備硫化処理を行う水素化触媒は、上記の活性金属を担持した固体触媒であれば良く、水素化脱硫触媒、水素化脱金属触媒、水素化分解触媒あるいは水素化脱窒素触媒が含まれる。
固体触媒は、球相当直径0.1〜1mmの希釈材と、該希釈材の充填量が固体触媒の充填量の0.5〜5倍(容量比)となるように混合して充填する(以下、希釈充填法という。)ことが好ましい。希釈充填法を採用することで、これまで必要に応じて行っていた固体触媒の粉砕を行うことなく、商業装置と同様の固体触媒をそのまま用いて効率的に、正しい評価結果が得られる。また、希釈充填法と上記した上方流との組み合わせにより、さらに効率的に、正しい評価結果が得られる。
希釈充填法で用いられる希釈材は、球相当直径0.1〜1mmを有し反応に不活性な微粒子であれば特に制限はなく、そのような希釈材としては、アランダム、カーボランダム、シリコンカーバイド、アルミナ球、石英砂、ガラスビーズが挙げられる。
希釈材の球相当直径は、0.1〜1mmが好ましく、0.2〜0.5mmがより好ましい。希釈材の球相当直径が上記範囲内にあれば、反応管内での固定支持が容易であり、固体触媒充填層における圧力損失を低減することができる。なお、球相当直径は、固体触媒の球相当直径と同様である。
希釈材の充填量は、固体触媒の充填量の0.5〜5倍が好ましく、1〜3倍がより好ましい。希釈材の充填量が上記範囲内にあれば、均一な充填ができ、希釈効果を十分に発揮することができる。
[原料]
本発明で用いられる原料は、20℃、1気圧下で液体である原料及び20℃、1気圧下で気体である原料である。液体の原料としては、固体触媒に供給できるものであれば特に制限はなく、例えば、石油精製分野、石油化学分野で通常用いられる、ナフサ、灯油、軽油、重質油などの各種油、各種液体原料が挙げられる。また気体の原料としては、石油精製分野、石油化学分野で通常用いられる、水素、水素を主成分とする水素化用ガス、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスなどが挙げられる。
[加速劣化方法]
本発明の固体触媒の評価方法は、密度0.90〜0.99g/ml(JIS K2249に準拠)の重質油に用いる脱金属触媒ならびに水素化分解触媒及び/又は水素化脱硫触媒の寿命を評価する加速劣化方法に好適に用いられる。当該方法においては、商業装置で用いられる上記の密度0.90〜0.99g/mlの重質油よりも密度が高い液体の原料が用いられ、該原料が脱金属触媒による脱金属率が商業装置における脱金属率と同じとなるような空間速度で供給され、かつ反応温度が300〜500℃である。ここで、当該方法において用いられる原料の密度は、商業装置で用いられる重質油の密度よりも、2〜10%高いものが好ましく、5〜10%高いものがより好ましい。このような条件下で加速劣化方法を行うことで、過剰な熱分解や脱硫反応などが進行することがなく、商業装置におけるコーク劣化、メタル劣化、及び活性金属のシンタリングなどの水素化分解触媒の劣化要因と同様の劣化要因のみが加速されるので、効率的に正しい評価結果が得られる。また、当該方法において用いられる原料の密度が上記の範囲内にあれば、加速劣化効果が得られやすく、反応性を適切に維持できるので、効率的に正しい評価結果を得ることができる。
本発明の固体触媒の評価方法において、上記した商業装置における水素化分解触媒の劣化要因である、コーク劣化、メタル劣化、及び活性金属のシンタリングのいずれかのみを加速させて評価を行うこともできる。このような評価は、劣化要因の把握自体が重要となる研究開発の段階において、有効である。例えば、商業装置で用いられる重質油などよりも金属分を多く含む原料を用いる、あるいは金属分を新たに添加した原料を用いることにより、メタル劣化のみを加速させた固体触媒の評価を行うことができる。ここで、金属分を多く含む原料としては、メキシコ産マヤ原油(V、Niを原油中に320ppm含有)、ベネズエラ産ボスキャン原油(V、Niを原油中に1120ppm含有)などが挙げられ、また、新たに添加する金属分としては、ナフテン酸バナジウムが挙げられる。
[強制賦活方法]
本発明の固体触媒の評価方法は、密度0.90〜0.99g/ml(JIS K2249に準拠)の重質油に用いる水素化分解触媒の分解活性化状態を評価する強制賦活方法に好適に用いられる。当該方法においては、水素化分解触媒を3〜10日間、平均温度410℃以上に維持する処理を行うことで、短期間で当該触媒の活性化状態を安定させることができるので、効率的な固体触媒の評価が可能となる。当該処理は、原料を反応管に供給した後、原料を供給しながら行えばよい。当該処理は、水素化分解触媒をなるべく早く活性化させるためのものであることから、原料を反応管に供給した後に行う場合は、供給後ただちに行うことが好ましい。固体触媒充填層の平均温度は、410℃以上が好ましく、上限は反応器、商業装置において用いられる機器の設計温度を超えなければ特に制限はないが、通常500℃程度であり、450℃が好ましい。また、当該処理を終了した後は、商業装置で通常設定される温度まで降温して反応を続行させればよい。
これまで水素化分解触媒を評価する場合は、当該触媒の活性化(前処理)ために、評価開始から800〜1200時間が費やされていたが、本発明においては、前処理を上記の温度条件で行うことで、評価開始から3〜10日という短い期間で、正しい評価結果を得られるので、非常に効率的な固体触媒の評価が可能となる。
また、本発明の固体触媒の評価方法は、上記した水素化分解触媒以外のY型ゼオライトとアルミナを担体とする固体触媒の水素化分解活性化状態を評価する強制賦活方法に好適に用いられる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
相当内径14.9mmの反応管に、第1表に示す触媒A(脱金属触媒)と触媒B(水素化分解触媒)とを、順に充填し(容量比46.3/53.7で合計170cm3)、該反応管を触媒Aが上になるように垂直に設置した。次いで、第2−1表に示す原料A(ナフサ留分を除いたアラビアンヘビー、以下アラビアンヘビー抜頭原油ともいう。)を、第3表に示す反応条件で、反応管上部より供給して反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第3表に示す。また、原料Aを供給して8000時間までの脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)の経時変化を図1に示す。
参考例1
実施例1において、相当内径21.1mmの反応管とし、合計触媒充填量を1000cm3とした以外は、実施例1と同様にして反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第4表に示す。相当内径21.1mmの反応管は、従来用いられていた反応管の相当内径であり、参考例1で得られた脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)は正しい評価結果である。この結果から、実施例1は、より小さい反応管で、より少ない固体触媒量であっても正しい評価結果が得られたことが分かる。
比較例1
実施例1において、相当内径12.9mmの反応管とした以外は、実施例1と同様にして反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第4表に示す。相当内径12.9mmの反応管を用いた比較例1は、線速度は適当であっても、相当内径が小さいために、壁効果による偏流を招いたため、反応率が低下し、正しい評価が得られないことが分かる。
比較例2
実施例1において、合計触媒充填量を80cm3とした以外は、実施例1と同様に反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第4表に示す。線速度が0.01(cm/秒)未満の比較例2は、正しい評価が得られないことが分かる。
実施例2
相当内径17.9mmの反応管に、第1表に示す触媒A(脱金属触媒)300cm3を充填して、反応管を垂直に設置した。次いで、第2−1表に示す原料A(アラビアンヘビー抜頭原油)を、第3表に示す反応条件下で、反応管下部より供給して反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第3表に示す。
実施例3
実施例2において、原料の流れ方向を下方流とした以外は、実施例2と同様に反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第3表に示す。実施例2と実施例3との対比により、原料の流れ方向を上方流とした方が、より正しい評価結果が得られることが分かった。
比較例3
実施例2において、相当内径21.1mmの反応管とし、原料の流れ方向を下方流とした以外は、実施例2と同様に反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第4表に示す。比較例3は、用いられた反応管の相当内径が大きく、かつ下方流であるため、固体触媒充填層における原料の偏流などの影響により、正しい評価結果は得られなかった。
実施例4
実施例2において、第1表に示す触媒A(脱金属触媒)300cm3と希釈材として平均粒径0.2mmのシリコンカーバイド粒子400cm3とを充填して、原料の流れを下方流とした以外は、実施例2と同様に反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第3表に示す。また、固体触媒充填層の長さは、希釈材を充填しない実施例2とほぼ同じであった。実施例2、3及び4の評価結果はほとんど同じであり、いずれの例も正しい評価が得られたことが示された。
実施例5
実施例1において、原料A(アラビアンヘビー抜頭原油)を、第2−1表に示す原料B(アラビアンヘビー常圧残油)とした以外は、実施例1と同様にして反応させた。原料Bを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第3表に示す。
参考例2
参考例1において、原料A(アラビアンヘビー抜頭原油)を、第2−1表に示す原料B(アラビアンヘビー常圧残油)とした以外は、比較例1と同様にして反応させた。原料Bを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第4表に示す。相当内径21.1mmの反応管は、従来用いられていた反応管の相当内径であり、参考例2で得られた脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)は正しい評価結果である。この結果から、実施例4は、より小さい反応管で、より少ない固体触媒量であっても正しい評価結果が得られたことが分かる。
実施例6
相当内径17.9mmの反応管に、第1表に示す触媒C(水素化脱硫触媒)500cm3と希釈材として平均粒径0.2mmのシリコンカーバイド粒子500cm3とを充填して、反応管を垂直に設置した。次いで、第2−2表に示す原料D(アラビアンヘビー直留軽質軽油)を、第3表に示す反応条件下で、反応管上部より供給して反応させた。原料Dを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第5表に示す。また、固体触媒充填層の長さは、希釈材を充填しない場合とほぼ同じであった。
比較例4
実施例6において、相当内径を21.1mmとし、希釈材を充填しないこと以外は、実施例6と同様にして反応させた。原料Dを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第5表に示す。
比較例4は、用いられた反応管の相当内径が大きく、希釈材を充填していないため、固体触媒充填層における原料の偏流などの影響により、正しい評価結果は得られなかった。
実施例7
実施例1において、反応を開始させて(原料Aを反応管に供給して)から10日間(240時間)は、水素化分解反応の温度を410℃とした後、400℃に降温したこと以外は、実施例1と同様にして反応させた。原料Aを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第4表に示す。また、原料Aを供給して1500時間までの分解率(いずれも質量基準)の経時変化を図5に示す。実施例1は、緩やかに分解率が上昇して(触媒の活性化が進行する)、反応開始後約1000時間後に分解率が安定(触媒の活性化が終了)しているが、反応開始後10日間(240時間)反応温度を410℃と高くした実施例7は、反応温度を400℃に降温した直後に分解率が安定しており、実施例7では触媒Bがより短期間で活性化されていることが示された。なお、触媒A(脱金属触媒)では、このような現象はみられなかった。
実施例8
実施例1において、原料A(アラビアンヘビー抜頭原油)を、第2−1表に示す原料C(ナフサ留分を除いたマヤ原油、以下マヤ抜頭原油ともいう。)とし、脱金属触媒充填層及び水素か分解触媒充填層を実施例1よりも各々20℃高くして、空間速度を0.74(毎時)とした以外は、実施例1と同様にして反応させた。原料Cを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第4表に示す。また、原料Cを供給して2000時間までの脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)の経時変化を図6に示す。図6により、実施例8は、実施例1で用いられる原料Aよりも重質な原料を用い、平均温度を410℃以上として原料を供給し、脱金属率を実施例1と同じとなるような空間速度とすることで、極めて短時間(実施例1の約1/5の期間)で、触媒の寿命を評価できたことを示していることがわかる。
実施例9
実施例1において、原料A(アラビアンヘビー抜頭原油)を、第2−1表に示す原料C(マヤ抜頭原油)とした以外は、実施例1と同様にして反応させた。原料Cを供給して1000時間後の脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)を第4表に示す。また、原料Cを供給して4000時間までの脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)の経時変化を図7に示す。図7により、実施例9は、実施例1よりも金属率の高い原料を用いることで、メタル劣化のみを加速させて、極めて短期間(実施例1の約1/3の期間)で、触媒の寿命を評価できたことを示していることがわかる。

Figure 2009103493
*,触媒A〜Cは、予備硫化反応による前処理した後に各例に用いた。
Figure 2009103493
Figure 2009103493
Figure 2009103493
*1,分解率は、343℃以上の留分の分解率を示す。
*2,240時間までは410℃であり、それ以降は400℃である。
Figure 2009103493
Figure 2009103493
本発明によれば、小規模の評価装置を用いて短期間で評価を行うことができ、適用しうる反応の種類、及び触媒が多様であり汎用性を有し、かつ正しい評価結果を得られる固体触媒の評価方法、ならびに評価装置を得ることができる。
図1は、本発明の評価装置のフロー図である。 図2は、本発明の評価装置のフロー図である。 図3は、本発明の評価装置のフロー図である。 図4は、実施例1の原料Aを供給して8000時間までの脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)の経時変化を示す図である。 図5は、実施例1及び実施例7の原料Aを供給して1500時間までの分解率(いずれも質量基準)の経時変化を比較した図である。 図6は、実施例8の原料Cを供給して2000時間までの脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)の経時変化を示す図である。 図7は、実施例9の原料Cを供給して4000時間までの脱硫率、脱金属率、分解率(いずれも質量基準)の経時変化を示す図である。
符号の説明
1:反応管(脱金属触媒充填層)
2:反応管(脱水素化分解触媒充填層)
3:反応管(脱水素化脱硫触媒充填層)
4:分離精製管
41:低圧分離精製管
5:サンプル受器
61〜63:仕切り弁
71〜72:バイパス弁
11:液体原料
12:気体原料
13:気体生成物
14:液体生成物
15:中間サンプル

Claims (16)

  1. 下記工程(A)〜(C):
    工程(A):20℃、1気圧下で液体である原料及び20℃、1気圧下で気体である原料を、固体触媒充填層を有する相当内径14〜20mmの反応管に供給する工程、
    工程(B):該反応管内で原料を反応させる工程、及び
    工程(C):該反応管から反応後のサンプルを抜出す工程、
    を有し、下記数式(1)で算出される該原料の反応管内の線速度が0.01〜0.05(cm/秒)である固体触媒の評価方法。
    線速度(cm/秒)=原料流量(cm3/秒)/反応管断面積(cm2) (1)
    (式中、原料流量は固体触媒充填層入口の温度条件及び圧力条件により算出したものである。)
  2. 反応管が垂直に設置され、かつ原料が固体触媒充填層よりも下部から供給される請求項1に記載の評価方法。
  3. 反応管の長さが1000〜2500mmである請求項1又は2に記載の評価方法。
  4. 固体触媒の形状が球形、円柱形、三つ葉形、及び四つ葉形から選ばれる少なくとも1種であり、球相当直径が0.5〜5mmである請求項1〜3のいずれかに記載の評価方法。
  5. 固体触媒が球相当直径0.1〜1mmの希釈材により希釈されて反応管に充填され、該希釈材の充填量が固体触媒の充填量の0.5〜5倍(容量比)である請求項1〜4のいずれかに記載の評価方法。
  6. 固体触媒が水素化分解触媒、水素化脱硫触媒、脱金属触媒、改質反応触媒、異性化反応触媒、及び脱水素反応触媒から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の評価方法。
  7. 固体触媒が水素化分解触媒を含み、該水素化分解触媒が、3〜10日間、平均温度410℃以上の温度条件下で処理を施されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の評価方法。
  8. 密度0.90〜0.99g/ml(JIS K2249に準拠)の重質油に用いる脱金属触媒ならびに水素化分解触媒及び/又は水素化脱硫触媒の寿命を評価する加速劣化方法であって、原料が該重質油の密度よりも高い油であり、該脱金属触媒による原料の脱金属率が該重質油の脱金属率と同じとなるような空間速度で供給され、かつ反応温度が300〜500℃である請求項1〜7のいずれかに記載の評価方法。
  9. 密度0.90〜0.99g/ml(JIS K2249に準拠)の重質油に用いる水素化分解触媒の分解活性化状態を評価する強制賦活方法であって、該水素化分解触媒を3〜10日間、平均温度410℃以上に維持する請求項1〜6のいずれかに記載の評価方法。
  10. 相当内径14〜20mmの反応管内に固体触媒充填層を有する固体触媒の評価装置であって、以下の条件(I)〜(III)を有する固体触媒の評価装置。
    (I):固体触媒充填層が固体触媒と球相当直径0.1〜1mmの希釈材とからなり、該希釈材の充填量が固体触媒の充填量の0.5〜5倍(容量比)である。
    (II):該固体触媒が反応管に原料が供給される前に、前処理を施されたものである。
    (III):反応管が固体触媒充填層用加熱装置内に設置されるものである。
  11. 反応管の長さが1000〜2500mmである請求項10に記載の評価装置。
  12. 固体触媒の形状が球形、円柱形、三つ葉形、及び四つ葉形から選ばれる少なくとも1種であり、球相当直径が0.5〜5mmである請求項10又は11に記載の評価装置。
  13. 固体触媒が水素化分解触媒、水素化脱硫触媒、脱金属触媒、改質反応触媒、異性化反応触媒、及び脱水素反応触媒から選ばれる少なくとも1種である請求項10〜12のいずれかに記載の評価装置。
  14. 固体触媒が水素化分解触媒を含み、該水素化分解触媒が3〜10日間、平均温度410℃以上の温度条件下で前処理を施されたものである請求項10〜12のいずれかに記載の評価装置。
  15. 複数の反応管が連結され、隣り合う反応管内の固体触媒充填層の間にサンプル採取口を有する請求項10〜14のいずれかに記載の評価装置。
  16. さらに分離精製管を有する請求項10〜15のいずれかに記載の評価装置。
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