JP2009101857A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】左右の転舵輪の実舵角を車速に応じてきめ細かに独立して制御することができる車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】運転者が操舵する操舵機構2と、該操舵機構2とは切り離されて転舵輪3FL,3FRを転舵する転舵機構4と、前記操舵機構4の入力舵角を検出する舵角検出手段102と、車両の車速を検出する車速検出手段103とを備え、前記転舵機構4は、左右の転舵輪に対して個別に転舵力を付与する独立した一対の転舵アクチュエータ43L,43Rを有する転舵部と、前記舵角検出手段102で検出した入力舵角と前記車速検出手段で検出した車速とに基づいて前記一対の転舵アクチュエータ43L,43Rを左右の転舵角が前記車速に応じて連続的に変化するように制御する転舵角制御手段101とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、運転者が操舵する操舵機構と、左右の転舵輪に対して個別に転舵角を制御する転舵機構とを有する車両用操舵装置に関する。
この種の車両用操舵装置としては、例えば、車両用操舵装置は、ステアリングホイールの操作により左右に移動するラックバーと、車輪を転舵するタイロッドとの位置関係を変更する転舵角変更手段を備え、車速が所定値以下の場合には左右の車輪の転舵角の関係がアッカーマンジオメトリに従うので、旋回時の車輪の横滑りを減少させてスムーズな旋回を可能にし、また、車速が所定値を超えると左右の車輪の転舵角の関係がパラレルジオメトリに近づくので、つまり旋回内輪の転舵角が減少して旋回内輪が分担するサイドフォースが減少するので、旋回により遠心力で設置荷重が増加する旋回外輪により多くのサイドフォースを分担させるようにした車両用操舵装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−138709号公報(第1頁、図5)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、車輪を転舵するタイロッドとの位置関係を変更する転舵角変更手段を有するので、左右一対の転舵輪の転舵角を独立に制御することができ、車速が所定値以下であるか否かによってアッカーマンジオメトリとパラレルジオメトリとを切換えることができるが、車速に応じたきめ細かな転舵角制御を行うことができないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、左右の転舵輪の実舵角を車速に応じてきめ細かに独立して制御することができる車両用操舵装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る車両用操舵装置は、運転者が操舵する操舵機構と、転舵輪を転舵する転舵機構と、前記操舵機構の入力舵角を検出する舵角検出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段とを備え、前記転舵機構は、左右の転舵輪に対して個別に転舵角を制御する独立した一対の転舵アクチュエータを有する転舵部と、前記舵角検出手段で検出した入力舵角と前記車速検出手段で検出した車速とに基づいて前記一対の転舵アクチュエータを左右の転舵角が前記車速に応じて連続的に変化するように制御する転舵角制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、請求項2に係る車両用操舵装置は、請求項1に係る発明において、前記転舵角制御手段は、前記舵角検出手段で検出した入力舵角を実舵角に変換する実舵角変換手段と、該実舵角変換手段で変換した実舵角に基づいて車両二輪モデルに従って車体スリップ角及びヨーレートを演算する車両挙動情報演算手段と、該車両挙動情報演算手段で演算した車体スリップ角及びヨーレートに基づいて後輪スリップ角を演算する後輪スリップ角演算手段と、前記車体スリップ角及び後輪スリップ角とホイールベース及びトレッドとに基づいて前記左右の転舵輪に対する左右実舵角を演算する左右実舵角演算手段と、該左右実舵角演算手段で演算した左右実舵角に基づいて前記一対の転舵アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段とを備えていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る車両用操舵装置は、請求項1に係る発明において、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段とを有し、前記転舵角制御手段は、前記横加速度検出手段で検出した横加速度及び前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレートとに基づいて車体スリップ角を算出する車体スリップ角演算手段と、該車体スリップ角演算手段で演算した車体スリップ角及び前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレートに基づいて後輪スリップ角を演算する後輪スリップ角演算手段と、前記車体スリップ角及び後輪スリップ角とホイールベース及びトレッドとに基づいて前記左右の転舵輪に対する左右実舵角を演算する左右実舵角演算手段と、該左右実舵角演算手段で演算した左右実舵角に基づいて前記一対の転舵アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段とを備えていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る車両用操舵装置は、請求項1に係る発明において、車両の4輪に作用する横力を検出する横力検出手段を有し、前記実舵角制御手段は、前記横力検出手段で検出した4輪の横力と車体質量とに基づいて横加速度を推定する横加速度推定手段と、前記横力検出手段で検出した4輪の横力と重心から前軸までの距離及び重心から後軸までの距離と、車体慣性モーメントとに基づいてヨーレートを推定するヨーレート推定手段と、前記横加速度推定手段で推定した横加速度及び前記ヨーレート推定手段で推定したヨーレートとに基づいて車体スリップ角を算出する車体スリップ角演算手段と、該車体スリップ角演算手段で演算した車体スリップ角及び前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレートに基づいて後輪スリップ角を演算する後輪スリップ角演算手段と、前記車体スリップ角及び後輪スリップ角とホイールベース及びトレッドとに基づいて前記左右の転舵輪に対する左右実舵角を演算する左右実舵角演算手段と、該左右実舵角演算手段で演算した左右実舵角に基づいて前記一対の転舵アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段とを備えていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る車両用操舵装置は、請求項1乃至4の何れか1つに係る発明において、前記転舵部はピットマンアーム形式のステアバイワイヤシステムに構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、転舵機構が、左右の転舵輪に対して個別に転舵力を付与する独立した一対の転舵アクチュエータを有する転舵部と、前記舵角検出手段で検出した入力舵角と前記車速検出手段で検出した車速とに基づいて前記一対の転舵アクチュエータを左右の転舵角が前記車速に応じて連続的に変化するように制御する転舵角制御手段とを備えているので、車速の変化に応じて左右の転舵輪の転舵角をきめ細かに制御してより効率的な旋回性能を確保することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1は操舵機構とは切り離されて転舵輪を転舵する所謂ステアバイワイヤ式の車両用操舵装置であり、この車両用操舵装置1は、運転者が操舵する操舵機構2と、この操舵機構2から切り離されて左右の前輪でなる転舵輪3FL,3FRを転舵する転舵機構4とを備えている。
操舵機構2は、運転者が操舵するステアリングホイール21を装着したステアリングシャフト22と、このステアリングシャフト22に対して内蔵する電動モータ23によって操舵反力を発生させる操舵反力発生部24と備えている。
また、転舵機構4は、各転舵輪3FL,3FRのハブ31L,31Rに連結されたナックルアーム32L,32Rに一端が連結されたタイロッド41L,41Rと、これらタイロッド41L,41Rの他端に連結されたピットマンアーム42L,42Rと、これらピットマンアーム42L,42Rを揺動駆動する転舵アクチュエータとしてのピットマンアクチュエータ43L,43Rとを備えている。ここで、タイロッド41L,41R、ピットマンアーム42L,42R、及びピットマンアクチュエータ43L,43Rで転舵部が構成されている。
ピットマンアクチュエータ43L,43Rの夫々は、図2に示すように、車体側部材51に固定されたハウジング52と、このハウジング52内に組み込まれた遊星歯車式減速機構53と、ハウジング52の上端に配設されて出力軸54aが遊星歯車式減速機構53の入力側に連結された電動モータ54L,54Rとを備えており、遊星歯車式減速機構53の出力軸にピットマンアーム42L,42Rが連結されている。
遊星歯車式減速機構53は、通常の2KH型遊星減速機55と3K型遊星減速機56とを組み合わせることにより、コンパクトな構成で1/200程度の減速比で大きなトルクが出力されるように構成されている。具体的には、電動モータ54L,54Rの出力軸54aに連結された中心軸57を有し、この中心軸57の下端側に通常の2KH型遊星減速機55が配設され、上端側に3K型遊星減速機56が配設されている。
通常の2KH型遊星減速機55は、入力部となる中心軸57に連結されたサンギヤ61と、出力部となる第1ピニオンキャリア62によって支持され、サンギヤ61に噛合する第1ピニオンギヤ63と、この第1ピニオンギヤ63と噛合するハウジング52に固定された第1リングギヤ64とで構成されている。そして、中心軸57が回転すると、第1リングギヤ64がハウジング52に固定されているので、第1ピニオンギヤ63がサンギヤ61と第1リングギヤ64との歯数比に従って自転しながら公転して、第1ピニオンキャリア62から減速出力がえられる。
3K型遊星減速機56は、第1ピニオンキャリア62に連結されたサンギヤ71と、このサンギヤ71及び前述した第1リングギヤ64間に噛合する第2ピニオンギヤ72と、この第2ピニオンギヤ72に弾性キー73を介して一体に連結された第2ピニオンギヤ72より多くの歯数が設定された第3ピニオンギヤ74と、この第3ピニオンギヤ74を支持するピニオンキャリア75と、第3ピニオンギヤ74に噛合する回転自在な第2リングギヤ76と、この第2リングギヤ76に固定された出力軸77とで構成されている。ここで、出力軸77は、ハウジング52の上端部に転がり軸受78によって回転自在に支持された円筒部77aと、この円筒部77aの下端に一体に連結された一部がハウジング52より外方に突出された水平板部77bとで構成され、水平板部77bの下面が第2リングギヤ76にビス留めされていると共に、水平板部77bのハウジング52から突出した板部の上面にピットマンアーム42L,42Rがビス留めされている。
そして、ピットマンアクチュエータ43L及び43Rがステアバイワイヤコントロールユニット101によって駆動制御される。
このステアバイワイヤコントロールユニット101には、図3に示すように、操舵機構2のステアリングホイール21の操舵角を検出する操舵角センサ102から操舵角θが入力されると共に、車両の車速を検出する車速センサ103から車速Vが入力されている。
そして、ステアバイワイヤコントロールユニット101は、操舵角センサ102から入力される操舵角θを実舵角δに変換する実舵角変換部104を有する。この実舵角変換部104は入力される操舵角θに、予め設定された実舵角δ0/ステアリングホイール操舵角θ0で表される舵角比を乗算するか又は実舵角δ及びステアリングホイール操舵角θの関係を表す記憶テーブルを参照して実舵角δを算出する。
また、ステアバイワイヤコントロールユニット101は、実舵角変換部104で算出した実舵角δと車速センサ103で検出した車速Vとに基づいて車体スリップ角β及びヨーレートγを演算する車両挙動情報演算手段としての車両挙動情報演算部105と、この車両挙動情報演算部105で演算した車体スリップ角β及びヨーレートγに基づいて後輪スリップ角βRを演算する後輪スリップ角演算手段としての後輪スリップ角演算部106とを備えている。
ここで、車両挙動情報演算部105では、入力された実舵角δと車速Vとに基づいて平面2自由度の車両二輪モデルにおける状態方程式から車体スリップ角β及びヨーレートγを算出する。
ここで、車両二輪モデルは、図4に示すように、車両の4輪3FL〜3RRに対して、左右輪の中心間距離であるトレッドEを2等分した位置に前輪111Fを想定し、同様に、前輪3FL及び3FRに対してホイールベースL分離れた位置に中心を有する後輪3RL及び3RR間の中央位置に後輪111Rを想定したとき、左右の前輪の中心点を結ぶ線と、この線と平行で車両の旋回状態における旋回中心点Pcを通る線との間の車両前後方向距離をL1とし、前輪111F及び後輪111Rの中心点を結ぶ線と旋回中心点Pcとの間の旋回半径をrとする。
上記構成を有する車両二輪モデルは、旋回時の運動方程式は、下記(1)式で表すことができる。
Figure 2009101857
ここで、βは車体スリップ角、β′は車体スリップ角微分値、γはヨーレート、γ′はヨーレート微分値、δは実舵角、CFは前輪のコーナリングパワー、CRは後輪のコーナリングパワー、LFは車両重心点から前軸までの距離、LRは車両重心点から後軸までの距離、mは車両質量、Iは車両の重心点周りの慣性モーメント、Vは車速である。
この(1)式で表される運動方程式を、状態方程式の形に書き直し、入力uをタイヤの実舵角δとすると、状態方程式は下記のように表される。
Figure 2009101857
この状態方程式に実舵角δ及び車速Vを入力することにより、車体スリップ角β及びヨーレートγを算出することができる。
また、後輪スリップ角演算部106は、車両挙動情報演算部105から入力される車体スリップ角β及びヨーレートγと車輪速センサ103から入力される車速Vとに基づいて下記(2)式の演算を行って後輪スリップ角βRを演算する。
βR=β−LRγ/V …………(2)
さらに、ステアバイワイヤコントロールユニット110は、実舵角変換部104から出力される実舵角δ及び後輪スリップ角演算部106から出力される後輪スリップ角βRとに基づいて転舵輪3FL及び3FRの左右実舵角指令値αL及びαRを算出する左右実舵角演算手段としての左右実舵角演算部107を備えている。
この左右実舵角演算部107は、入力される実舵角δと後輪スリップ角βRとに基づいて下記(3)式及び(4)式の演算を行って左実舵角指令値αL及び右実舵角指令値αRを算出する。
αL=arctan{L1/(r+E/2)} …………(3)
αR=arctan{L1/(r−E/2)} …………(4)
ここで、前述した図4の車両二輪モデルにおける旋回半径r及び左右前輪の中心点を結ぶ線と、この線と平行で車両の旋回状態における旋回中心点Pcを通る線との間の車両前後方向距離L1とは下記(5)式及び(6)式で算出することができる。
r=L/(tanδ+tanβR) …………(5)
L1=tanδ/(tanδ+tanβR) …………(6)
さらにまた、ステアバイワイヤコントロールユニット101は、左右実舵角演算部107で算出した左右の実舵角指令値αL及びαRに基づいてピットマンアクチュエータ43L及び43Rの電動モータ54L,54Rを駆動制御するアクチュエータ駆動回路108L及び108Rを有する。
これらアクチュエータ駆動回路108L及び108Rでは、転舵角センサ109L及び109Rで、転舵輪3FL及び3FRの実際の転舵角δL及びδRを検出し、検出した転舵角δL及びδRと、左右実舵角演算部107で算出した左右の実舵角指令値αL及びαRとに基づいて所定のフィードバック制御を行って、左右のアクチュエータ43L及び43Rの電動モータ54L及び54Rを駆動制御する。
ここで、上記ステアバイワイヤコントロールユニット101をマイクロコンピュータ等の演算処理装置で構成した場合には、演算処理装置で図5に示す実舵角制御処理を実行することにより、左右のアクチュエータ43L及び43Rの電動モータ54L及び54Rを駆動制御する。
すなわち、実舵角制御処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1で操舵角センサ102で検出した操舵角θを読込み、次いでステップS2に移行して、読込んだ操舵角θに、実舵角δ0/ステアリングホイール操舵角θ0で表される転舵角比を乗算するか又は操舵角θと実舵角δとの関係を表す記憶テーブルを参照して実舵角δを算出してからステップS3に移行する。
このステップS3では、車速センサ103で検出した車速Vを読込み、次いでステップS4に移行して、実舵角δ及び車速Vに基づいて前述した状態方程式に基づいて車体スリップ角β及びヨーレートγを算出してからステップS5に移行する。
このステップS5では、車体スリップ角β、重心点から後軸までの距離LR、ヨーレートγ及び車速Vとに基づいて前述した(2)式の演算を行って、後輪スリップ角βRを算出し、次いでステップS6に移行して、車体スリップ角β及び後輪スリップ角βRとに基づいて前記(5)式の演算を行うことにより旋回半径rを算出すると共に、前記(6)式の演算を行うことにより、左右前輪の中心点を結ぶ線と、この線と平行で車両の旋回状態における旋回中心点Pcを通る線との間の車両前後方向距離L1を算出し、これら旋回半径及び車両前後方向距離L1とに基づいて前記(3)式及び(4)式の演算を行って左右実舵角指令値αL及びαRを算出してから、ステップS6に移行する。
このステップS6では、算出した左右実舵角指令値αL及びαRに基づいてフィードバック制御処理を行って、ピットマンアクチュエータ43L及び43Rの電動モータ54L及び54Rに対する駆動電流を算出し、算出した駆動電流を電動モータ54L及び54Rに出力してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、車両が走行開始して比較的低速で直進走行しているものとすると、この直進走行状態では、ステアリングホイール21が略中立位置にあり、操舵角センサ102で算出される操舵角θが中立位置を表す略“0”となっており、実舵角変換部104で変換される実舵角δも略“0”となっており、車両挙動情報演算部105で車両2輪モデルに従った状態方程式に基づいて算出される車体スリップ角β及びヨーレートγも略“0”となっている。
このため、後輪スリップ角演算部106で前記(2)式に従って算出される後輪スリップ角βRも略“0”となり、左右実舵角演算部107で演算される左右実舵角指令値αL及びαRも略“0”となり、車両が直進走行しているので、実舵角センサ109L及び109Rで検出した左右の転舵輪3FL及び3FRの実際の転舵角δL及びδRも略零となることからアクチュエータ駆動回路108L及び108Rから出力されるモータ駆動電流が略零となり、ピットマンアクチュエータ43L及び43Rの電動モータ54L及び54Rが停止状態を維持し、転舵輪3FL及び3FRの転舵角δL及びδRが略“0”を維持する。
この低速での直進走行状態から、ステアリングホイール21を右切り(又は左切り)すると、これに応じて操舵角センサ102からステアリングホイール21の操舵に応じた操舵角θが出力され、これが実舵角変換部104に入力されることにより、操舵角θに、実舵角δ0/ステアリングホイール操舵角θ0で表される所定の転舵比を乗算するか又は操舵角θと実舵角δとの関係を記憶した記憶テーブルを参照することにより実舵角δを算出し、算出した実舵角δを車両挙動情報演算部105に出力する。
この車両挙動情報演算部105では、実舵角δと車速センサ103で検出した車速Vとが入力されており、これらに基づいて車両2輪モデルの状態方程式に従って車体スリップ角β及びヨーレートγを算出し、算出した車体スリップ角β及びヨーレートγを後輪スリップ角演算部106に出力する。
この後輪スリップ角演算部106には、車体スリップ角β及びヨーレートγの他に車速センサ103で検出した車速Vが入力され、これらに基づいて前記(2)式の演算を行うことにより、車体スリップ角βとは逆方向の後輪スリップ角βRを算出する。このときの後輪スリップ角βRはヨーレートγが大きくなるに従い車体スリップ角βに比較して小さい値となると共に、車速Vが大きくなるに従い車体スリップ角βに近づく値となる。
このとき、車両が低速走行しており、車速Vが小さい値であり、前記(2)式の右辺第1項の車体スリップ角βと右辺第2項とが略等しい値となって、後輪スリップ角βRは略“0”の状態を維持する。
このように、後輪スリップ角βRが略“0”で、車体スリップ角βが右方向(又は左方向)に増加することにより、左右舵実舵角演算部107では、車体スリップ角βに応じた旋回半径rが算出され、且つ左右前輪の中心点を結ぶ線と、この線と平行で車両の旋回状態における旋回中心点Pcを通る線との間の車両前後方向距離L1が車両ホイールベースLと等しい値となる。このため、左右の転舵輪3FL及びFRに対する左実舵角指令値αLに対して右実舵角指令値αRが大きな角度となり、これら左右実舵角指令値αL及びαRに基づいて左右のピットマンアクチュエータ43L及び43Rの電動モータ54L及び54Rが駆動制御される。このため、図6に示すように、左右前輪の中心点を結ぶ線と、この線と平行で車両の旋回状態における旋回中心点Pcを通る線との間の車両前後方向距離L1が車両ホイールベースLと等しい値となると共に、各車輪3FL〜3RRの旋回円の中心を一致させる所謂アッカーマン・ステアリング・ジオメトリとなって、各車輪及び車体に無駄な力を発生させず、スムーズに回転させることができる。
ところが、同じ旋回状態でも車速センサ103で検出される車速Vが大きな値となることにより、後輪スリップ角演算部106で算出される後輪スリップ角βRが、図4に示すように、車体スリップ角βに対して反対方向に発生する状態となると、旋回半径rが小さくなると共に、左右前輪の中心点を結ぶ線と、この線と平行で車両の旋回状態における旋回中心点Pcを通る線との間の車両前後方向距離L1が車両ホイールベースLより小さくなって、旋回中心が車両前方側に移動してアッカーマン・ステアリング・ジオメトリから徐々にパラレルジオメトリに移行して、効率の良い高速旋回状態を確保することができる。しかも、高速になると、舵角に対する横加速度比が大きくなりロール角が大きくなり易く、外輪側の荷重が大きくグリップ力も高くなることから、この観点でも高速になるとパラレルジオメトリに近い方が有利となる。
このように、上記第1の実施形態においては、実舵角δと車速Vとに基づいて車体スリップ角β及びヨーレートγを算出し、これら車体スリップ角β及びヨーレートγと車速Vとに基づいて車両の後輪スリップ角βRを算出し、算出した後輪スリップ角βRと車体スリップ角βとに基づいて左右実舵角指令値αL及びαRを算出するので、車速Vに応じた後輪スリップ角βRを算出することができ、車両の低速走行時から高速走行時までの間で、車速Vに応じて左右の実舵角指令値αL及びαRを連続的に変化させることができ、実舵角δL及びδRを走行状態に合わせた最適な実舵角指令値αL及びαRに制御することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、車両挙動情報演算部105で、実舵角δ及び車速Vとに基づいて車両2輪モデルの状態方程式に従って、車体スリップ角β及びヨーレートγを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車両2輪モデルの状態方程式に替えて予めモデル化された1次遅れの伝達関数などを用いて実舵角δ及び車速Vに基づいて車体スリップ角β及びヨーレートγを算出するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態を図7について説明する。
この第2の実施形態では、車両挙動状態演算部105で実舵角δと車速Vとに基づいて車体スリップ角β及びヨーレートγを演算する場合に代えて車両の横加速度とヨーレートとを検出して、車体スリップ角βを算出するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図7に示すように、車両の横加速度Gyを検出する横加速度検出手段としての横加速度センサ121及び車両のヨーレートγを検出するヨーレート検出手段としてのヨーレートセンサ122を備え、これら横加速度センサ121で検出した横加速度Gy及びヨーレートセンサ122で検出したヨーレートγと車速センサ103で検出した車速Vとが直接車両挙動情報演算部105に入力され、この車両挙動情報演算部105で演算した車体スリップ角βとヨーレートセンサ122で検出したヨーレートγとが後輪スリップ角演算部106に入力されていることを除いては前述した第1の実施形態における図3と同様の構成を有し、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
ここで、車両挙動情報演算部105では、下記(7)式の演算を行って車体スリップ角βを算出するように構成されている。
β=∫(Gy/V−γ)dt …………(7)
この(7)式で車体スリップ角βを算出できる理由は、車両の横加速度Gyとヨーレートγと車体スリップ角βの微分値β′との関係は、下記(8)式で表すことができる。
Gy=V(β′+γ) …………(8)
この(8)式を変形して、
β′=Gy/V−γ …………(9)
となり、この(9)式の両辺を積分することにより、前記(7)式を得ることができる。
そして、後輪スリップ角演算部106で、車両挙動情報演算部105で算出した車体スリップ角βとヨーレートセンサ122で検出したヨーレートγとに基づいて前記(2)式の演算を行って後輪スリップ角βRを算出する。
上記構成を有するステアバイワイヤコントロールユニット101を例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置で構成した場合には、この演算処理装置で図8に示す実舵角制御処理を実行すれば良い。
この実舵角制御処理は、図8に示すように、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、前述した第1の実施形態における図6の実舵角制御処理におけるステップS3が車速センサ103から車速Vを読込むと共に、横加速度センサ121及びヨーレートセンサ122から横加速度Gy及びヨーレートγを読込むステップS13に変更され、ステップS4が前述した(7)式の演算を行って車体スリップ角βを算出するステップS14に変更されていることを除いては図5と同様の処理を行い、図5との同一処理については同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第2の実施形態によると、車両挙動情報演算部105で、横加速度センサ121で検出した横加速度Gy及びヨーレートセンサ122で検出したヨーレートγと車速センサ103で検出した車速Vとに基づいて車体スリップ角βを算出するので、前述した第1の実施形態における車両挙動情報演算部105に比較して演算処理を簡易化することができると共に、車両の実際の走行状態に則した横加速度Gy及びヨーレートγを検出することができ、正確な車体スリップ角βを算出することができる。
次に、本発明の第3の実施形態を図9〜図12について説明する。
この第3の実施形態では、前述した第2の実施形態における横加速度センサ121及びヨーレートセンサ122を省略し、これらに代えて各車輪3FL〜3RRに作用する横力FyFL〜FyRRを検出し、検出した横力に基づいて横加速度Gy及びヨーレートγを算出するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、図9に示すように、横力検出手段としての横力センサ131FL〜131RRによって各車輪3FL〜3RRに作用する横力FyFL〜FyRRを検出し、検出した横力FyFL〜FyRRを車両挙動情報演算部105に入力して、この車両挙動情報演算部105で下記(10)式の演算を行って横加速度Gyを算出すると共に、ヨーレートγの微分値γ′と横力FyFL〜FyRRとが下記(11)式の関係を有することから(11)式の両辺を積分した(12)式に従ってヨーレートγを算出する。
Gy=(FyFL+FyFR+FyRL+FyRR)/M …………(10)
γ′={LF(FyFL+FyFR)−LR(FyRL+FyRR)}/I ……(11)
γ=∫[{LF(FyFL+FyFR)−LR(FyRL+FyRR)}/I]dt……(12)
ここで、各転舵輪3FL及び3FRは、図10に示すように、ハブ31L,31Rがハブ本体31aとこのハブ本体31aから車両内方に延長する内筒部31bとで構成されている。そして、ハブ31L,31Rの内筒部31bと懸架装置を構成するナックル31cに取付けた外筒部31dとの間に軸方向の両端部側で夫々保持器31eで保持された転動体としてのボール31fを介在させて複列アンギュラ玉軸受構成とされている。
そして、転舵輪3FL,3FRに作用するアキシアル荷重即ち横力が横力センサ131FL,131FRによって検出される。
ここで、横力センサ131FL,131FRの夫々は、図11に示すように、車両に作用する車両外側のボール31fの公転速度Nを算出し、算出した公転速度Nから車両のアキシアル荷重即ち横力を算出するように構成されている。この横力センサ131FL,131FRは、保持器31eに形成した円周方向にN極及びS極を交互に形成した第1のエンコーダ131aと、この第1のエンコーダ131aに対向して外筒部31dに固定配置された接線方向に所定距離Dだけ離間し、円周方向に角度(中心角ピッチ)θだけ離間した一対の磁気センサ131b,131cと、これら磁気センサ131b及び131cで検出したパルス信号を信号処理すると共に、所定の演算処理を行って公転速度Nを算出し、算出した公転速度Nから車輪に作用する横力FyFL及びFyFRを算出する信号処理回路131dとを備えている。
信号処理回路131dは、磁気センサ131b及び131cから入力されるパルス信号の一方の立ち上がり時点から他方の立ち上がり時点までの遅延時間Tを検出し、検出した遅延時間Tと磁気センサ131b及び131c間の距離D又は角度θに基づいて下記(13)式又は(14)式の演算を行って公転速度Nを算出する。
N=(60/πT)×sin-1(D/2R) …………(13)
N=(30/π)×(θ/T) …………(14)
ここで、Rはエンコーダ131aの回転中心から磁気センサ131b及び131cの検出部が対向している部分までの回転半径である。
なお、距離Dと角度θとは下記(15)式の関係がある。
θ=2sin-1(D/2R) …………(15)
このように、ボール31fの公転速度Nを、磁気センサ131b及び131cのパルス信号間の遅延時間Tを算出することにより、算出するので、エンコーダ131aの磁気特性が変化する点即ちN極とS極との境界が磁気センサ131b及び131cを通過する毎に、公転速度Nを算出できる。上記境界は、エンコーダ131aの片側面に多数存在するので、各ボール31fの公転速度Nを略リアルタイムで求めることができる。また、エンコーダ91aの回転に拘らず、磁気センサ131b及び131c間の距離Dは変化することはないので、エンコーダ131aの製造誤差や組付け誤差に関係なく、公転速度Nを正確に検出することができる。
このように、信号処理回路131dで各ボール31fの公転速度Nを算出することにより、転舵輪3FL,3FRを構成するホイール35とナックル31cとの間に作用し、転がり軸受ユニットに加わるアキシアル荷重即ち横力を検出することができる。
すなわち、内筒部31b及び外筒部31dとボール31fとで複列アンギュラ玉軸受構成を有するので、これにアキシアル荷重を負荷すると、上記各ボール31fの接触角が変化する。例えば図10に矢印αで示すように、内向きのアキシアル荷重が加わると、外側(図10の左側)の列のボール31fの接触角が大きくなる。転がり軸受の分野で周知のように、アンギュラ型の玉軸受を構成するボール31fの公転速度は、これらをボール31fの接触角が変化すると変化する。具体的には、上記アキシアル荷重を支承する、上記外側の列に関しては、このアキシアル荷重が大きくなる程、上記各ボール31fの公転速度が速くなる。したがって、この公転速度の変化を測定することで上記転がり軸受ユニットに加わるアキシアル荷重を求めることができる。
例えば、図12は図10に示した構造を有する、背面組合せ型の複列転がり軸受ユニットに上記矢印α方向のアキシアル荷重を付加した場合における、このアキシアル荷重の大きさとボール31fの公転速度との関係を示している。
この図12の実線aがアキシアル荷重と外側(図10の左側)の列のボール31fの公転速度との関係を、破線bがアキシアル荷重と内側の列のボール31fの公転速度との関係を、夫々表している。なお、ラジアル荷重は一定とした。このような図12の特性曲線から明らかなように、アキシアル荷重を受ける側の列のボール31fに関しては、アキシアル荷重の大きさとこれら各ボール31fの公転速度Nとは略比例関係にある。したがって、これら各ボール31fの公転速度Nを測定することにより、図12の特性曲線を参照して、アキシアル荷重を算出することができる。ここで、図12の特性曲線は実験により求めるか、シミュレーションによって求めることができる。この図12の特性曲線を横力算出マップとして信号処理回路131dに記憶させておくことにより、公転速度Nから転舵輪3FL,3FRに作用する横力FyFL及びFyFRを算出することができる。また、上記構成を有する横力センサ131FL及び131FRは後輪3RL及び3RRにも備えられており、後輪3RL及び3RRの横力FyRL及びFyRRを算出するようにしている。
上記構成を有するステアバイワイヤコントロールユニット101を例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置で構成した場合には、この演算処理装置で図13に示す実舵角制御処理を実行すれば良い。
この実舵角制御処理は、図13に示すように、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、前述した第1の実施形態における図5の実舵角制御処理におけるステップS3が車速センサ103から車速Vを読込むと共に、横力センサ131FL〜131RRから横力FyFL〜FyRRを読込むステップS23に変更され、ステップS4が前述した(10)式及び(12)式の演算を行って横加速度Gy及びヨーレートγを算出し、算出した横加速度Gy及びヨーレートγと車速Vとに基づいて前記(7)式の演算を行って車体スリップ角βを算出するステップS24に変更されていることを除いては図5と同様の処理を行い、図5との同一処理については同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第3の実施形態によると、車輪に設けた横力センサ131FL〜131FRで検出した実際に車輪に作用する横力FyFL〜FyRRから横加速度Gy及びヨーレートγを算出するので、横加速度Gy及びヨーレートγを高精度で検出することができ、後輪スリップ角βRを高精度で推定することができる。
なお、上記第1〜第3の実施形態においては、転舵機構4がピットマンアーム形式である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図14に示すように、ピットマンアーム42L,42R及びピットマンアクチュエータ43L,43Rを省略し、これらに代えて、減速機を装着したギヤードモータ140L及び140Rを適用して転舵角を制御するようにしてもよい。すなわち、ギヤードモータ140L及び140Rをその減速出力軸141L及び141Rが車幅方向で左右対称となり、且つ同心的となるように車体側部材に固定配置すると共に、減速出力軸141L及び141Rに夫々ねじ軸142L及び142Rを接続する。そして、これらねじ軸142L及び142Rに螺合するナット143L及び143Rにタイロッド41L及び41Rを回動可能に連結する。
本発明のステアバイワイヤ式の車両操舵装置を示す概略構成図である。 ピットマンアクチュエータを示す減速機構を断面とした側面図である。 ステアバイワイヤコントロールユニットを示すブロック図である。 車両2輪モデルの説明図である。 ステアバイワイヤコントロールユニットで実行する実舵角制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 アッカーマン・ステアリング・ジオメトリの説明に供する模式図である。 本発明の第2の実施形態を示すステアバイワイヤコントロールユニットのブロック図である。 第2の実施形態におけるステアバイワイヤコントロールユニットで実行する実舵角制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態を示すステアバイワイヤコントロールユニットのブロック図である。 転舵輪のハブを示す拡大断面図である。 車輪に作用する横力を検出する横力センサを示す概略構成図である。 転動体の公転速度とアキシアル荷重(横力)との関係を示す特性線図である。 第2の実施形態におけるステアバイワイヤコントロールユニットで実行する実舵角制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態を示す平面図である。
符号の説明
1…車両用操舵装置、2…操舵機構、3FL,3FR…転舵輪(前輪)、3RL,3RR…後輪、4…転舵機構、21…ステアリングホイール、22…ステアリングシャフト、23…電動モータ、24…操舵反力発生部、31L,31R…ハブ、32L,32R…ナックルアーム、41L,41R…タイロッド、42L,42R…ピットマンアーム、43L,43R…ピットマンアクチュエータ、51…車体側部材、52…ハウジング、53…遊星歯車式減速機構、54L,54R…電動モータ、101…ステアバイワイヤコントロールユニット、102…操舵角センサ、103…車速センサ、104…実舵角変換部、105…車両挙動情報演算部、106…後輪スリップ角演算部、107…左右実舵角演算部、108L,108R…アクチュエータ駆動回路、121…横加速度センサ、122…ヨーレートセンサ、131FL〜131RR…横力センサ、140L,140R…ギヤードモータ、141L,141R…減速出力軸、142L,142R…ねじ軸、143L,143R…ナット

Claims (5)

  1. 運転者が操舵する操舵機構と、転舵輪を転舵する転舵機構と、前記操舵機構の入力舵角を検出する舵角検出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段とを備え、前記転舵機構は、左右の転舵輪に対して個別に転舵角を制御する独立した一対の転舵アクチュエータを有する転舵部と、前記舵角検出手段で検出した入力舵角と前記車速検出手段で検出した車速とに基づいて前記一対の転舵アクチュエータを左右の転舵角が前記車速に応じて連続的に変化するように制御する転舵角制御手段とを備えていることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記転舵角制御手段は、前記舵角検出手段で検出した入力舵角を実舵角に変換する実舵角変換手段と、該実舵角変換手段で変換した実舵角に基づいて車両二輪モデルに従って車体スリップ角及びヨーレートを演算する車両挙動情報演算手段と、該車両挙動情報演算手段で演算した車体スリップ角及びヨーレートに基づいて後輪スリップ角を演算する後輪スリップ角演算手段と、前記車体スリップ角及び後輪スリップ角とホイールベース及びトレッドとに基づいて前記左右の転舵輪に対する左右実舵角を演算する左右実舵角演算手段と、該左右実舵角演算手段で演算した左右実舵角に基づいて前記一対の転舵アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段とを有し、前記転舵角制御手段は、前記横加速度検出手段で検出した横加速度及び前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレートとに基づいて車体スリップ角を算出する車体スリップ角演算手段と、該車体スリップ角演算手段で演算した車体スリップ角及び前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレートに基づいて後輪スリップ角を演算する後輪スリップ角演算手段と、前記車体スリップ角及び後輪スリップ角とホイールベース及びトレッドとに基づいて前記左右の転舵輪に対する左右実舵角を演算する左右実舵角演算手段と、該左右実舵角演算手段で演算した左右実舵角に基づいて前記一対の転舵アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  4. 車両の4輪に作用する横力を検出する横力検出手段を有し、前記実舵角制御手段は、前記横力検出手段で検出した4輪の横力と車体質量とに基づいて横加速度を推定する横加速度推定手段と、前記横力検出手段で検出した4輪の横力と重心から前軸までの距離及び重心から後軸までの距離と、車体慣性モーメントとに基づいてヨーレートを推定するヨーレート推定手段と、前記横加速度推定手段で推定した横加速度及び前記ヨーレート推定手段で推定したヨーレートとに基づいて車体スリップ角を算出する車体スリップ角演算手段と、該車体スリップ角演算手段で演算した車体スリップ角及び前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレートに基づいて後輪スリップ角を演算する後輪スリップ角演算手段と、前記車体スリップ角及び後輪スリップ角とホイールベース及びトレッドとに基づいて前記左右の転舵輪に対する左右実舵角を演算する左右実舵角演算手段と、該左右実舵角演算手段で演算した左右実舵角に基づいて前記一対の転舵アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  5. 前記転舵部はピットマンアーム形式のステアバイワイヤシステムに構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用操舵装置。
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