JP2009101447A - 電解研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】平坦化特性に優れ、スクラッチの発生を抑制でき、研磨速度が大きく、かつ研磨層と陰極層との間で剥離しにくい電解研磨パッドを簡便かつ生産性よく製造する方法を提供する。
【解決手段】錫シート11の片面に樹脂層13が積層されており、かつ前記錫シート及び樹脂層を貫く多数の貫通孔17を有する研磨層2aと、陰極層3とを熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、又はホットメルト接着剤を用いて接着する工程を含む電解研磨パッドの製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、ウエハ上に金属膜が形成された半導体デバイスを平坦化して金属配線パターンを形成する工程(エレクトロケミカルメカニカルポリッシング:ECMP)において使用される電解研磨パッドの製造方法に関する。
高度の表面平坦性を要求される材料の代表的なものとしては、半導体集積回路(IC、LSI)を製造するシリコンウエハと呼ばれる単結晶シリコンの円盤があげられる。シリコンウエハは、IC、LSI等の製造工程において、回路形成に使用する各種薄膜の信頼できる半導体接合を形成するために、酸化物膜や金属膜を積層・形成する各工程において、表面を高精度に平坦に仕上げることが要求される。このような研磨仕上げ工程においては、一般的に研磨パッドはプラテンと呼ばれる回転可能な支持円盤に固着され、半導体ウエハ等の加工物は研磨ヘッドに固着される。そして双方の運動により、プラテンと研磨ヘッドとの間に相対速度を発生させ、さらに砥粒を含む研磨スラリーを研磨パッド上に連続供給することにより、研磨操作が実行される。
配線用の金属膜としては、Al、W、Cuなどがある。近年、このような金属膜を研磨する方法として、エレクトロケミカルメカニカルポリッシング(ECMP)が注目されている。ECMPは、陽極であるウエハと、陰極であるプラテンとの間に電解液を介して直流電流を通電し、ウエハ表面の金属膜を電気化学的に溶解、除去する方法である。
ECMPで使用される電解研磨パッドとしては、例えば以下のものが提案されている。
特許文献1には、熱可塑性又は熱硬化性材料でできおり、研磨面に溝が形成された研磨パッドであって、該溝の中に導電層が形成されているものが開示されている。
特許文献2には、絶縁層の表面に導電性表層を裏面に研磨パッドを積層した導電性研磨パッドが開示されている。導電性表層の材質としては、導電性繊維からなる不織布、織布などの導電性を有する非金属シート、又はこれらに熱硬化性樹脂やエラストマーを含浸させたものが挙げられている。
特許文献3には、ウレタン樹脂等の弾性材により形成されており、導電粒子を含有する研磨パッドが開示されている。前記導電粒子としては、Au、Ag、Pt等からなる金属膜で被覆された球状のシリコンが記載されている。
特許文献4には、導電性を有する樹脂、樹脂に導電性材料を分散したもの、又は導電性繊維を原料とする導電性研磨パッドが開示されている。導電性を有する樹脂としては、ポリピロール、ポリアセチレンが記載されている。また、樹脂に導電性材料を分散したものについて、樹脂としては、ポリウレタン、ナイロン、ポリエステル、天然ゴム、エラストマーなどが記載されており、導電性材料としては、カーボンブラック、金属粉末、金属酸化物粉末、カーボンナノチューブなどが記載されている。
特許文献5には、導電性基材の上に重なる厚さ1.5mm未満の多孔性ポリマー層を含むエレクトロケミカルメカニカルポリッシング用の研磨パッドが記載されている。
特許文献6には、ファブリック層と、前記ファブリック層上に配置される導電層とを備える研磨機器が記載されている。導電層は、金、錫、パラジウム、パラジウム錫合金等の軟質金属を備えることが記載されている。
ここで、Cuは低抵抗化が図れること、高いエレクトロマイグレーション耐性があることなどの利点があり、次世代配線材料として期待されている。Cu配線パターンは通常ダマシン法により形成されているが、Cu膜を研磨する際に配線パターンやの密度や寸法によって配線部のオーバー加工が生じる箇所が発生する(いわゆる「シニング」)という問題を有していた。また、配線部のオーバー加工でも主として研磨パッドの弾性とスラリーの化学的効果に起因して、配線部の中央部が速く加工が進行し凹みが生じる(いわゆる「ディッシング」)という問題も有していた。
前記シニングやディッシングは、研磨層を高弾性化することによりある程度は改善できる。また、無発泡系の硬い研磨パッドを用いることも有効である。しかし、このような硬いパッドを用いた場合、Cu膜は絶縁膜に比べて柔らかいため、Cu膜面にスクラッチ(傷)が発生しやすい。
また、金属膜を研磨するための電解研磨パッドの研磨特性としては、平坦化特性に優れ、電気抵抗が小さく、研磨速度が大きいことが要求される。
しかしながら、従来の電解研磨パッドは、上記問題や要求を解決できていない。
さらに、従来の電解研磨パッドは、研磨操作中に研磨層と陰極層との間で剥離しやすいという問題もあった。
特開2005−101585号公報 特開2005−139480号公報 特開2002−93758号公報 特開2004−111940号公報 特開2005−335062号公報 特表2006−527483号公報
本発明は、平坦化特性に優れ、スクラッチの発生を抑制でき、研磨速度が大きく、かつ研磨層と陰極層との間で剥離しにくい電解研磨パッドを簡便かつ生産性よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す電解研磨パッドの製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の電解研磨パッドの製造方法は、錫シートの片面に樹脂層が積層されており、かつ前記錫シート及び樹脂層を貫く多数の貫通孔Aを有する研磨層と、陰極層とを熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、又はホットメルト接着剤を用いて接着する工程を含む。
本発明の他の電解研磨パッドの製造方法は、錫シートの片面に熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーを含む樹脂層が積層されており、かつ前記錫シート及び樹脂層を貫く多数の貫通孔Aを有する研磨層と、陰極層とを前記樹脂層を溶融させて接着する工程を含む。
従来、電解研磨パッドは、研磨層と陰極層とを両面テープで貼り合わせることにより製造されていた。両面テープを用いた場合には、電解液が接着剤層と研磨層(又は陰極層)との界面に侵入し、接着剤層が膨潤等することにより接着力が低下すると考えられる。その結果、研磨層と陰極層との間で剥離しやすくなると考えられる。
本発明者らは、両面テープの代わりに、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、又はホットメルト接着剤を用いることにより、もしくは研磨層の樹脂層を溶融させて直接陰極層を接着することにより、接着界面への電解液の浸入を抑制して研磨層と陰極層との剥離を長時間防止できることを見出した。
また、本発明の方法で製造される電解研磨パッドは、錫シートと、電解液を保持する多数の貫通孔Aとにより導電ネットワークが緻密に形成されており、該構造により電解研磨パッドの表面電気抵抗を小さくすることができる。それにより通電量が大きくなり、ウエハ表面の金属膜を電気化学的に溶解、除去しやすくなるため研磨速度が大きくなる。前記樹脂層は、薄く強度の低い錫シートを保護するために設けられており、錫シートの破断等を防止するとともに電解研磨パッドに柔軟性を付与するために必要な部材である。
本発明においては、貫通孔Aと錫シートとの間にポリウレタン樹脂を含む樹脂領域Xを形成する工程を含むことが好ましい。該樹脂領域Xは、孔を錫シートに形成する際に生じる金属粉が、研磨中に貫通孔A内の電解液に混入しないように、貫通孔Aの周囲を保護するための部材である。金属粉が貫通孔A内の電解液に混入すると、該金属粉によりウエハ表面の金属膜にスクラッチが発生しやすくなるが、樹脂領域Xを設けておくことにより金属粉の混入を効果的に防止することができる。また、樹脂領域Xによって、ウエハ表面の金属膜を機械的に研磨することができるため研磨速度がより大きくなる。さらに、錫シートのみで電解研磨すると金属膜表面が粗くなる傾向にあるが、錫シート中に樹脂領域Xを設けて機械的研磨を同時に行うことにより金属膜表面の粗さを小さくすることができる。
また、本発明においては、錫シートにポリウレタン樹脂を含む樹脂領域Zを形成する工程を含むことが好ましい。該樹脂領域Zによって、ウエハ表面の金属膜を機械的に研磨することができるため研磨速度がより大きくなる。また、錫シートのみで電解研磨すると金属膜表面が粗くなる傾向にあるが、錫シート中に樹脂領域Zを設けて機械的研磨を同時に行うことにより金属膜表面の粗さを小さくすることができる。
また、錫シート及び樹脂領域X、Zは、配線用の金属膜の材料であるCuなどより柔らかいため、スクラッチの発生を抑制することができる。
以下、本発明の研磨層(2a)の製造方法について、図1及び2を参照しつつ説明する。
錫シート11は、原料成分として錫又は錫合金を含む。錫合金としては、例えば、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−ニッケル合金、錫−アルミ合金、錫−ビスマス合金、錫−鉛合金、及び錫−亜鉛合金などが挙げられる。合金中の錫は80重量%以上であることが好ましく、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
錫シート11の厚さは特に制限されないが、50〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜500μmである。厚さが50μm未満の場合には、強度不足により研磨中に破断しやすくなり、厚さが1000μmを超える場合には、電解研磨パッドの柔軟性が低下するため好ましくない。
一枚の錫シート11の大きさが目的とする研磨層の大きさより小さい場合には、適宜な方法で複数の錫シート11を貼り合わせて使用してもよい。
工程(a)は、錫シート11に多数の貫通孔B(12)を形成する工程である。該貫通孔B(12)は樹脂領域Z(15)を形成するために設けられる。錫シート11に多数の貫通孔B(12)を形成する方法としては、例えば、トムソン型又は雄雌型のプレス機で打ち抜く方法、ウォーターカッター又はレーザーを用いる加工方法などが挙げられるがこれらに限定されない。孔加工過程で生じる金属粉及び貫通孔B(12)の周りの「ばり」は、スクラッチの発生原因になるため除去しておくことが好ましい。「ばり」を除去する方法としては、錫シートをプレスする方法、錫シートをローラーに通す方法、及び錫シートをバフィングする方法などが挙げられる。また、錫シートの「ばり」のある面を樹脂層13との積層面にしてもよい。
貫通孔B(12)の表面形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、四角形、及び多角形などが挙げられるが、スクラッチの抑制、及び樹脂領域Zを隙間なく形成するために円形であることが好ましい。円形の場合、直径は0.3〜10mmであることが好ましい。
貫通孔B(12)の断面形状は特に制限されず、例えば、正方形、長方形、及び台形などが挙げられる。
貫通孔B(12)の形成パターンは特に限定されず、例えば、同心円状、放射状、螺旋状、及び碁盤目状などが挙げられる。
工程(b)は、貫通孔B(12)を形成した錫シート11の片面に樹脂層13を積層し、貫通孔B(12)内に樹脂領域Z(15)を形成して積層シート14を得る工程である。
樹脂層13の形成材料は特に制限されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、及びスチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)などのポリスチレン系熱可塑性エラストマー;ブレンド型、インプラント化、及び動的加硫型などのポリオレフィン系熱可塑性エラストマー;シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン系、トランス1,4−ポリイソプレン系、及び天然ゴム系などのポリジエン系熱可塑性エラストマー;ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、及びフッ素系などのエンプラ系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらのエラストマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂層13の厚さは特に制限されないが、柔軟性及び強度の観点から、通常0.01〜10mmであり、好ましくは0.2〜5mmである。
樹脂領域Z(15)は、耐摩耗性に優れる観点から、ポリウレタン樹脂で形成されていることが必要であり、具体的には、熱硬化性ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどが形成材料として用いられる。
詳しくは、以下の方法により積層シート14を作製することができる。
ケース1(樹脂層13及び樹脂領域Z(15)を一工程で一体形成する方法)
(A)樹脂層13及び樹脂領域Z(15)を熱硬化性ポリウレタン樹脂で形成する場合、型内に貫通孔B(12)を形成した錫シート11を設置し、該錫シート11上及び貫通孔B(12)内にポリウレタン樹脂原料を流し込み、その後、該ポリウレタン樹脂原料を加熱して反応硬化させて樹脂層13と樹脂領域Z(15)を一体形成する。
型はオープンモールドでもよく、クローズモールドでもよいが、その後のバフ掛け工程を省くためにクローズモールドを用いることが好ましい。また、研磨表面16側へのポリウレタン樹脂原料の浸入を防止するために、型内に錫シート11を設置する前に研磨表面16上に剥離性粘着シート又は剥離性両面テープを積層しておくことが好ましい。剥離性両面テープは、錫シート11を型内に固定できるため特に好ましく用いられる。また、前記剥離性粘着シート及び剥離性両面テープは、薄く強度が低い錫シート11を保護したり、錫シート11の表面にキズや汚れが付くことを防止する役割も果たす。ポリウレタン樹脂原料を流し込む際には、吐出口を固定して流し込んでもよく、トラバースしながら流し込んでもよい。また、貫通孔B(12)内に確実に原料を流し込むために真空含浸処理を行ってもよい。また、錫シート11と樹脂層13との接着性を向上させるために、錫シート11の樹脂層13を積層する面に予めプライマー処理又はブラスト処理を施しておくことが好ましい。
樹脂領域Z(15)は、研磨表面16と同じ高さであってもよく、研磨表面16から突出していてもよい。突出している場合、研磨表面16からの突出高さは1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは500μm以下である。突出高さが1000μmを超える場合にはウエハと研磨表面16との間隔が大きくなりすぎて通電しにくくなる。樹脂領域Z(15)を研磨表面16から突出させる方法としては、例えば、錫シートの貫通孔Bに対応する部分に凹部を有する底面を備えた型を用いる方法が挙げられる。また、貫通孔B(12)を形成した錫シート11の片面に剥離性粘着シート又は剥離性両面テープを積層し、貫通孔B(12)に対応する部分の剥離性粘着シート又は剥離性両面テープを打ち抜き等により除去し、その後前記と同様の方法でモールド成型して樹脂層13と突出した樹脂領域Z(15)を形成してもよい。また、貫通孔B(12)を形成する前に錫シート11の片面に剥離性粘着シート等を積層しておき、錫シート11に貫通孔B(12)を形成する際に前記剥離性粘着シート等にも貫通孔B(12)を形成し、その後前記と同様の方法でモールド成型して樹脂層13と突出した樹脂領域Z(15)を一体形成してもよい。なお、底面の凹部の深さ、及び剥離性粘着シート等の厚さは、樹脂領域Z(15)の突出高さを考慮して適宜調整する。
樹脂層13及び樹脂領域Z(15)は、発泡体にしてもよく無発泡体にしてもよい。発泡体の場合には、平均気泡径は200μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以下である。
熱硬化性ポリウレタン樹脂で形成された樹脂層13及び樹脂領域Z(15)のD硬度は、80度以下であることが好ましい。
樹脂層13及び樹脂領域Z(15)を形成した後に、厚み精度を高めるため、又は研磨表面16上に形成された不要なポリウレタン樹脂を除去するためにバフ掛け等の表面処理を行ってもよい。
また、前記モールド成型法の代わりに、貫通孔B(12)を形成した錫シート11をコンベア上で移動させつつ、該錫シート11上及び貫通孔B(12)内にポリウレタン樹脂原料を塗布し、その後ポリウレタン樹脂原料を加熱、反応硬化させて樹脂層13及び樹脂領域Z(15)を形成する連続生産法、又は反応射出成型法(RIM)を採用してもよい。連続生産法及び反応射出成型法の場合でも、前記と同様の方法で突出した樹脂領域Z(15)を形成することができる。また、前記モールド成型法で記載した任意の工程は、連続生産法及び反応射出成型法でも必要により採用してもよい。
(B)樹脂層13及び樹脂領域Z(15)を熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーで形成する場合、型内に貫通孔B(12)を形成した錫シート11を設置し、該錫シート11上及び貫通孔B(12)内に溶融した熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーを流し込み、その後、該熱可塑性ポリウレタン樹脂等を硬化させて、樹脂層13及び樹脂領域Z(15)を一体形成する。前記モールド成型法の代わりに、射出成型法を採用してもよい。
または、型内に貫通孔B(12)を形成した錫シート11を設置し、該錫シート11上に熱可塑性ポリウレタン樹脂シート又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーシートを積層し、該樹脂シートを熱プレスして溶融させ、その後これを硬化させて樹脂層13と樹脂領域Z(15)を一体形成する。また、錫シート11上に前記樹脂シートを積層する代わりに、ペレットを敷き詰めてもよい。
または、溶融状態の熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーをシート状に押し出しつつ、その上に貫通孔B(12)を形成した錫シート11を積層する。前記錫シート11を溶融状態の熱可塑性ポリウレタン樹脂等に押し付けて溶融状態の熱可塑性ポリウレタン樹脂等を前記貫通孔B(12)内に充填する。その後、前記熱可塑性ポリウレタン樹脂等を硬化させて、樹脂層13及び樹脂領域Z(15)を一体形成する連続生産法を採用してもよい。
前記(A)方法で記載した、突出した樹脂領域Z(15)を形成する方法は、前記(B)方法でも採用することができる。また、前記(A)方法で記載した任意の工程は、前記(B)方法でも必要により採用してもよい。
樹脂層13及び樹脂領域Z(15)を熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーで形成する場合、樹脂層13及び樹脂領域Z(15)のD硬度は80度以下であることが好ましい。
ケース2(樹脂層13、樹脂領域Z(15)を別工程でそれぞれ形成する方法)
(C)貫通孔B(12)を形成した錫シート11と樹脂層13とを接着剤層又は両面テープ等で貼り合わせ、その後、貫通孔B(12)内に熱硬化性ポリウレタン樹脂原料を注入し、該原料を加熱して反応硬化させて樹脂領域Z(15)を形成する。また、貫通孔B(12)内に熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーのペレットを充填し、該ペレットを溶融させて樹脂領域Z(15)を形成してもよい。一方、先に錫シート11の貫通孔B(12)内に樹脂領域Z(15)を形成し、その後、樹脂層13を錫シート11に貼り合わせて積層シート14を作製してもよい。樹脂層13を錫シート11に貼り合わせる代わりに、前記連続生産法又は射出成型法にて樹脂層13を形成して積層シート14を作製してもよい。また、樹脂層13が熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーで形成されている場合には、熱溶着により錫シート11に貼り合わせてもよい。
前記(A)方法で記載した、突出した樹脂領域Z(15)を形成する方法は、前記(C)方法でも採用することができる。また、前記(A)方法で記載した任意の工程は、前記(C)方法でも必要により採用してもよい。
樹脂領域Z(15)の合計表面積は、研磨層の表面積に対して1〜50%であることが好ましい。樹脂領域Z(15)の合計表面積が1%未満の場合には機械的な研磨が不十分となり、50%を超える場合には電解研磨パッドの導電部の面積が小さくなってウエハ表面の金属膜を電気化学的に除去しにくくなるため研磨速度が低下する傾向にある。
工程(c)は、積層シート14の樹脂領域Z(15)以外の部分に多数の貫通孔A(17)を形成し、研磨層(2a)を作製する工程である。積層シート14に多数の貫通孔A(17)を形成する方法としては、例えば、トムソン型又は雄雌型のプレス機で打ち抜く方法、ウォーターカッター又はレーザーを用いる加工方法などが挙げられる。
貫通孔A(17)は、積層シート14の樹脂領域Z(15)以外の部分に形成する必要がある。また、孔加工過程で生じる金属粉及び貫通孔A(17)の周りの「ばり」は、スクラッチの発生原因になるため除去しておくことが好ましい。「ばり」を除去する方法としては、研磨層2をプレスする方法、研磨層2をローラーに通す方法、及び研磨層2をバフィングする方法などが挙げられる。また、研磨表面16側から積層シート14を打ち抜くと、研磨表面16に「ばり」が発生しにくくなる。
貫通孔A(17)の表面形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、四角形、及び多角形などが挙げられるが、スクラッチ抑制の観点から円形であることが好ましい。円形の場合、直径は1〜50mmであることが好ましい。
貫通孔A(17)の断面形状は特に制限されず、例えば、正方形、長方形、及び台形などが挙げられる。
多数の貫通孔A(17)の形成パターンとしては、例えば、同心円状、放射状、螺旋状、及び碁盤目状などが挙げられる。均一な導電ネットワークを形成するために、貫通孔A(17)は、積層シート14の表面に均一に分散して形成することが好ましい(図2参照)。
貫通孔A(17)の合計表面積は、研磨層の表面積に対して5〜80%であることが好ましく、より好ましくは10〜60%である。貫通孔A(17)の合計表面積が5%未満の場合には電解液が十分に供給されないため研磨速度が低下し、80%を超える場合には研磨層の機械的強度が低下する傾向にある。
以下、本発明の研磨層(2b)の製造方法について、図3〜5を参照しつつ説明する。なお、前記研磨層(2a)の製造方法と重複する内容については省略する。
工程(a)は、錫シート11に多数の貫通孔C(18)を形成する工程である。錫シート11に樹脂領域Zを形成する場合には、貫通孔B(12)も形成する。
貫通孔C(18)及び貫通孔B(12)の表面形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、四角形、及び多角形などが挙げられる。円形の場合、貫通孔C(18)の直径は1〜50mm程度であり、好ましくは3〜20mmであり、貫通孔B(12)の直径は0.3〜10mm程度であり、好ましくは0.5〜5mmである。
貫通孔C(18)及び貫通孔B(12)の断面形状は特に制限されず、例えば、正方形、長方形、及び台形などが挙げられる。
貫通孔C(18)及び貫通孔B(12)の形成パターンとしては、例えば、同心円状、放射状、螺旋状、及び碁盤目状などが挙げられる。均一な機械的研磨を行うために、貫通孔C(18)及び貫通孔B(12)は、錫シート11の表面に均一に分散して形成することが好ましい(図4参照)。
工程(b)は、貫通孔C(18)及び貫通孔B(12)を形成した錫シート11の片面に樹脂層13を積層し、貫通孔C(18)内に樹脂領域Y(19)、及び貫通孔B(12)内に樹脂領域Z(15)を形成して積層シート14を得る工程である。詳しくは、前記研磨層(2a)の製造方法と同様の方法により積層シート14を作製することができる。
工程(c)は、樹脂領域Y(19)の内部に貫通孔A(17)を形成し、研磨層(2b)を作製する工程である。樹脂領域Y(19)の内部に貫通孔A(17)を形成することにより、該貫通孔A(17)と錫シート11との間に樹脂領域X(20)が形成される(図5参照)。
樹脂領域Y(19)の内部に貫通孔A(17)を形成する方法としては、例えば、トムソン型又は雄雌型のプレス機で打ち抜く方法、ウォーターカッター又はレーザーを用いる加工方法などが挙げられる。
樹脂領域X(20)及び樹脂領域Z(15)の合計表面積は、研磨層の表面積に対して1〜50%であることが好ましい。樹脂領域X(20)及び樹脂領域Z(15)の合計表面積が1%未満の場合には機械的な研磨が不十分となり、50%を超える場合には電解研磨パッドの導電部の面積が小さくなってウエハ表面の金属膜を電気化学的に除去しにくくなるため研磨速度が低下する傾向にある。
研磨層2の厚みバラツキは100μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層が大きなうねりを持ったものとなり、金属膜に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものはドレッシング時間が長くなり、生産効率が低下する。
研磨層2の厚みバラツキを抑える方法としては、錫シート11の表面をバフ掛けする方法が挙げられる。バフ掛けする際には、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが好ましい。
研磨層2の表面電気抵抗は、5.0×10−2Ω以下であることが好ましい。表面電気抵抗が高いと電解研磨の際に発熱が起こるため好ましくない。
研磨層2は、数m程度の長尺状であってもよく、7〜90cm程度の円形状であってもよい。また、研磨層2の厚さは、0.3〜5mm程度である。
研磨層2の研磨表面には、エンボス加工、又は溝加工を施してもよい。
以下、本発明の電解研磨パッド1の製造方法について、図6及び7を参照しつつ説明する。
本発明においては、研磨層2aと、陰極層3とを熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、又はホットメルト接着剤21を用いて接着して電解研磨パッド1を作製する(図6参照)。
陰極層3は、公知の物を特に制限なく使用できる。例えば、銅メッシュ、銅箔、ニッケル箔、樹脂フィルム(PETフィルム等)に銅箔又はニッケル箔をラミネートした複合シートなどが挙げられる。陰極層3の材料は、ウエハ表面の金属膜との関係で金属汚染しないものを適宜選択する。ウエハ表面の金属膜が銅の場合には、陰極層3の材料として銅を用いる。また、柔軟性及び可とう性の観点から銅メッシュを用いることが好ましい。銅メッシュは、柔軟性、可とう性及び接着性の観点から20〜200メッシュが好ましく、より好ましくは120〜200メッシュである。銅メッシュの線径は、柔軟性、可とう性及び接着性の観点から0.05〜10μm程度のものが好ましい。
熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー21としては、前記樹脂層13の形成材料と同様のものが挙げられる。樹脂層13がポリウレタン樹脂で形成されている場合には、接着性の観点から熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
ホットメルト接着剤21は、公知の物を特に制限なく使用できる。例えば、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリウレタン樹脂系、及びポリオレフィン樹脂系などが挙げられる。樹脂層13がポリウレタン樹脂で形成されている場合には、接着性の観点からポリウレタン系ホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、及びホットメルト接着剤21の形状は、例えば、粉体、ペレット、フィルム又は網状などが挙げられ、使用方法に応じて適宜選択する。
熱可塑性樹脂等21を用いて研磨層2aと陰極層3とを接着する方法としては、例えば、(1)研磨層2aの樹脂層13上にホットメルトガン、溶融塗布機器、又はアプリケーターを用いて加熱溶融した熱可塑性樹脂等21を塗布し、溶融状態の熱可塑性樹脂等21上に陰極層3を積層し、その後冷却して硬化・接着させる方法、(2)フィルム又は網状の熱可塑性樹脂等21を研磨層2aと陰極層3とで挟んで積層体を作製し、該積層体を熱プレスして又は熱ロールに通して熱可塑性樹脂等21を溶融し、その後冷却して硬化・接着させる方法、などが挙げられる。
また、本発明において、樹脂層13が熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーで形成されている場合には、研磨層2bと陰極層3とを積層し、樹脂層13の陰極層3との接触面を加熱溶融させ、その後冷却し、硬化して研磨層2bと陰極層3とを直に接着させてもよい(図7参照)。接触面を加熱溶融させる方法としては、例えば、乾燥機内に設置する方法、熱プレスする方法、又は熱ロールに通す方法などが挙げられる。
上記方法で研磨層2と陰極層3とを積層した電解研磨パッドは、接着界面への電解液の浸入を抑制して研磨層と陰極層との剥離を長時間防止できる。
図6及び7に記載のように、本発明の電解研磨パッド1は、陰極層3の他面側にクッション層4を貼り合わせたものであってもよい。また、研磨層2には、通常陽極線が設けられる。陽極線は、研磨層2を形成した後又は形成する途中に別途設けてもよく、錫シート11の一部をその形成材料として研磨層2と一体形成してもよい。
前記クッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、ECMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の電解研磨パッドにおいては、クッション層は研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
前記クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
クッション層4を貼り合わせる手段としては、例えば、接着剤層(両面テープ)5で挟んでプレスする方法、ホットメルト系接着剤を用いる方法などが挙げられる。
また、本発明の電解研磨パッド1は、プラテンと接着する面に接着剤層(両面テープ)5が設けられていてもよい。
図8は、ECMPで使用する研磨装置の一例を示す概略構成図である。ECMPにおいては、一般的に電解研磨パッド1はプラテンと呼ばれる回転可能な研磨定盤6に固着され、半導体ウエハ等の被研磨材7は支持台(ポリシングヘッド)8に固着される。そして、双方の運動により研磨定盤6と支持台8との間に相対速度を発生させ、さらに、電圧印加部9から研磨層2と陰極層3との間に電圧を印加しつつ、電解液10を電解研磨パッド1上に連続供給することにより研磨操作が実行される。
これにより半導体ウエハ表面の金属膜の突出部分が電気化学的に溶解、除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(研磨特性の評価)
研磨装置としてApplied Reflexion LK ECMP(Applied Materials社製)を用い、作製した電解研磨パッドを用いて研磨特性の評価を行った。
平坦化特性の評価は、8インチシリコンウエハにCu膜を0.5μm堆積させた後、L/S(ライン・アンド・スペース)=25μm/5μm及び、L/S=5μm/25μmのパターンニングを行い、さらにCu膜を1μm堆積させて、初期段差0.5μmのパターン付きCuウエハを製作した。このCuウエハを下記条件にて電解研磨を行って、グローバル段差が2000Å以下になる時の、25μmスペースの底部分の削れ量を測定することで評価した。平坦化特性は削れ量の値が小さいほど優れており、削れ量が500Å以下の場合を平坦化特性○、500Åを超える場合を平坦化特性×とした。Cu膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、電解液(AMAT社製、EP3.1)を研磨中に流量200ml/min添加し、研磨荷重0.5〜1psi、研磨定盤回転数21rpm、ウエハ回転数20rpm、印加電圧2.2Vとした。
(耐剥離性の評価)
研磨層と陰極層との耐剥離性は、JIS K6854−2(接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離)を参考にして以下の方法で剥離強度を測定して評価した。
1.初期剥離強度の測定
実施例及び比較例で作製した陰極層付き研磨層を切断してサンプル(幅25mm、長さ 200mm)を作製した。なお、貫通孔Aのない部分を切断してサンプルを作製する。サンプルの陰極層3の一端を剥離し、図9のように折り返す。剛性支え板(アルミ板)22を固定部材で挟み、剥離した陰極層3を他の固定部材に取り付ける。このとき、サンプルの幅に対して均一に力が掛かるように取り付ける。その後、引張試験機を引張速度(ヘッドスピード)50mm/minで作動させる。該測定で得られた平均引張力(N/25mm)を剥離強度とした。
2.電解液浸漬後の剥離強度の測定
前記サンプルを電解液に24時間浸漬し、その後前記と同様の方法で平均引張力(N/25mm)を測定した。
実施例1
孔加工機を用いて、千鳥パターン(縦16mm間隔、横16mm間隔)で貫通孔B(直径3mm)を錫シート(幅400mm、長さ800mm、厚み0.25mm)に形成した。次に、孔加工機を用いて、千鳥パターン(縦16mm間隔、横16mm間隔)で貫通孔C(直径7mm)を前記錫シートに形成し、図4のように貫通孔B及びCを碁盤目状に形成した。孔加工した錫シートの片面に剥離性粘着シートを空気が入らないように貼り合わせて積層体を作製した。その後、該積層体をオープンモールド(厚み2mm、縦810mm、横810mm)内に、錫シート側を上にして2枚並べて設置した。
イソシアネート末端プレポリマーであるアジプレンL−100(ユニロイヤル社製)100重量部、及び鎖延長剤である4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)11.9重量部を混合し、攪拌及び脱泡して熱硬化性ポリウレタン樹脂原料を調製した。該熱硬化性ポリウレタン樹脂原料を前記オープンモールド内に流し込み、真空含浸処理を行った後、100℃で12時間加熱し硬化させて、錫シートの片面に熱硬化性ポリウレタン樹脂層及び貫通孔B及びC内に熱硬化性ポリウレタン樹脂領域Z及びY(D硬度:40)を有する積層シートを作製した。その後、該積層シートから剥離性粘着シートを剥離した。
作製した積層シートの熱硬化性ポリウレタン樹脂層表面をバフ掛けした。そして、孔加工機を用いて、熱硬化性ポリウレタン樹脂領域Y内に貫通孔A(直径:5mm)を形成し、それにより該貫通孔Aと錫シートとの間に熱硬化性ポリウレタン樹脂領域Xを形成して研磨層を作製した(図5参照)。研磨層の厚さは約2mm、表面電気抵抗は3.0×10−2Ωであった。なお、電気抵抗は、DIGITAL MULTIMETER(YOKOGAWA製、7552)で測定した。
その後、研磨層の熱硬化性ポリウレタン樹脂層表面にポリウレタン系ホットメルト接着剤(旭硝子社製、ユーファインP)の溶融液を塗布しつつ、陰極層である銅メッシュ(メッシュ製、厚さ:0.14mm)をラミ機を用いて貼り合わせて陰極層付き研磨層を作製した。その後、陰極層付き研磨層を直径77cmの大きさで打ち抜いた。そして、ラミ機を使用して、両面テープを銅メッシュに貼り合わせた。そして、クッション層(Rogers Corporation製、PORON、厚さ:4mm)をラミ機を使用して前記両面テープに貼り合わせた。さらに、ラミ機を使用して、両面テープを該クッション層に貼り合わせて電解研磨パッドを作製した。
実施例2
実施例1と同様の方法で作製した積層体をオープンモールド(厚み2mm、縦810mm、横810mm)内に、錫シート側を上にして2枚並べて設置した。その後、熱可塑性ポリウレタン樹脂ペレット(大日精化工業社製、レザミンP−6165)をモールド内に充填し、熱プレス(180℃、1MPa)して該ペレットを溶融させた。さらに、10分間熱圧縮し、その後圧力を保ったまま冷却して熱可塑性ポリウレタン樹脂を固化させて、錫シートの片面に熱可塑性ポリウレタン樹脂層及び貫通孔B及びC内に熱可塑性ポリウレタン樹脂領域Z及びY(D硬度:40)を有する積層シートを作製した。その後、該積層シートから剥離性粘着シートを剥離した。
そして、孔加工機を用いて、積層シートの熱可塑性ポリウレタン樹脂領域Y内に貫通孔A(直径:5mm)を形成し、それにより該貫通孔Aと錫シートとの間に熱可塑性ポリウレタン樹脂領域Xを形成して研磨層を作製した(図5参照)。研磨層の厚さは約2mm、表面電気抵抗は3.0×10−2Ωであった。
その後、研磨層の熱可塑性ポリウレタン樹脂層表面に陰極層である銅メッシュ(メッシュ製、厚さ:0.14mm)を重ね合わせ、熱プレス(180℃、1MPa、60秒間)して熱可塑性ポリウレタン樹脂層に銅メッシュを熱溶着させて陰極層付き研磨層を作製した。その後、実施例1と同様の方法で電解研磨パッドを作製した。
比較例1
実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。作製した積層シートの熱硬化性ポリウレタン樹脂層表面をバフ掛けし、バフ掛けした面に両面テープ(積水化学工業社製)を貼り付けた。そして、孔加工機を用いて、熱硬化性ポリウレタン樹脂領域Y内に貫通孔A(直径:5mm)を形成し、それにより該貫通孔Aと錫シートとの間に熱硬化性ポリウレタン樹脂領域Xを形成して両面テープ付き研磨層を作製した。
その後、陰極層である銅メッシュ(メッシュ製、厚さ:0.14mm)をラミ機を用いて両面テープに貼り合わせて陰極層付き研磨層を作製した。その後、実施例1と同様の方法で電解研磨パッドを作製した。
Figure 2009101447
上記結果より、本発明の電解研磨パッドは、平坦化特性に優れ、研磨層と陰極層との間で剥離しにくいことがわかる。また、本発明の電解研磨パッドは、1)表面電気抵抗が極めて小さく、ウエハ表面の金属膜を電気化学的に溶解、除去しやすいため、また機械的研磨を併用できるため研磨速度が非常に大きい、2)スクラッチの発生を効果的に抑制できる、という特徴がある。
本発明の研磨層の製造方法の一例を示す概略工程図 本発明の研磨層の一例を示す概略表面図 本発明の研磨層の製造方法の一例を示す概略工程図 貫通孔C(18)及び貫通孔B(12)を有する錫シートの一例を示す概略表面図 本発明の研磨層の一例を示す概略表面図 本発明の電解研磨パッドの一例を示す概略断面図 本発明の電解研磨パッドの一例を示す概略断面図 ECMPで使用する研磨装置の一例を示す概略構成図 剥離強度の測定方法を示す概略構成図
符号の説明
1:電解研磨パッド
2(2a、2b):研磨層
3:陰極層(銅メッシュ)
4:絶縁層(クッション層)
5:接着剤層(両面テープ)
6:研磨定盤
7:被研磨材(半導体ウエハ)
8:支持台(ポリシングヘッド)
9:電圧印加部
10:電解液
11:錫シート
12:貫通孔B
13:樹脂層
14:積層シート
15:樹脂領域Z
16:研磨表面
17:貫通孔A
18:貫通孔C
19:樹脂領域Y
20:樹脂領域X
21:熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、又はホットメルト接着剤
22:剛性支え板
23:接着部分

Claims (4)

  1. 錫シートの片面に樹脂層が積層されており、かつ前記錫シート及び樹脂層を貫く多数の貫通孔Aを有する研磨層と、陰極層とを熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、又はホットメルト接着剤を用いて接着する工程を含む電解研磨パッドの製造方法。
  2. 錫シートの片面に熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーを含む樹脂層が積層されており、かつ前記錫シート及び樹脂層を貫く多数の貫通孔Aを有する研磨層と、陰極層とを前記樹脂層を溶融させて接着する工程を含む電解研磨パッドの製造方法。
  3. 貫通孔Aと錫シートとの間にポリウレタン樹脂を含む樹脂領域Xを形成する工程を含む請求項1又は2記載の電解研磨パッドの製造方法。
  4. 錫シートにポリウレタン樹脂を含む樹脂領域Zを形成する工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の電解研磨パッドの製造方法。
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