JP2009099879A - 照明光学系、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

照明光学系、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有効光源形状を精度良く形成する照明光学系、露光装置、デバイス製造方法を提供する。
【解決手段】光源からの光束を用いて被照明面を照明する照明光学系において、被照明面とフーリエ変換の関係を有する位置に多重極形状の光強度分布を形成する第1の光学素子と、第1の光学素子に入射する光束の角度分布を規定する第2の光学素子と、第1の光学素子を経た光束を集光するコンデンサ光学系と、一方のプリズムが円錐形状の凹面と平面を有して他方のプリズムが円錐形状の凸面と平面を有し、各プリズムの半頂角が互いに等しく、各プリズムの間隔が可変である一対の円錐プリズムと、を有し、半頂角をs[°]、角度θを90−s[°]、一対の円錐プリズムに入射する光束の片側の開き角をb[°]とするとθ+b≦35[°]が満足され、一対の円錐プリズムに入射する光束の開口数が0.1以下で、一対の円錐プリズムに入射する光束の光束径は20mm以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、照明光学系、露光装置及びデバイス製造方法に関する。
近年の高解像度化の要請に鑑み、照明光学系で原版を照明して原版のパターンを投影光学系を介して基板に投影する露光装置に変形照明が使用されている。変形照明は、レーリーの式においてプロセス定数kを小さくすることによって解像度を小さくする技術であり、照明光学系において原版のパターンに適した有効光源を形成する技術である。従来、有効光源として輪帯形状が使用され、輪帯照明を円錐プリズムで形成していたが、最近では二重極形状や四重極形状などの多重極形状も提案されている(特許文献1を参照のこと)。ここで、有効光源は照明光学系の瞳面における光強度分布であり、被照射面における入射光の角度分布である。
図14は、照明領域である二重極形状をハッチングで示す概略平面図である。図14に示すように、有効光源を決定するパラメータには外σ、内σ、開口角がある。σはコヒーレンスファクターであり、照明光学系の光の射出側の開口数/投影光学系の光の入射側の開口数である。「外σ」は、有効光源の外径に対応する値であり、「内σ」とは有効光源の内径に対応する値である。「開口角」は、各極の照明部分の有効光源中心Oに対する開き角に関する値である。外σと内σの比(内σ/外σ)は輪帯比と呼ばれる場合もある。
高解像度を達成するためには有効光源を精度良く形成する必要があるが、従来は輪帯比を変えると開口角が変化するという問題があり、必ずしも有効光源を精度良く形成することができなかった。例えば、図13(a)に示す二重極形状の輪帯比を大きくすると、図13(b)に示すように、端部Eにおいて照
明領域が距離c1だけ円周方向Cに広がり、開口角が本来の角度Bから角度Bに変化してしまう。この広がりは円錐プリズムによる円周方向の回り込み(ボケ)によるものであり、輪帯照明では照明領域が一周に亘るために無視できたが、多重極照明では無視できなくなってきた。
開口角を維持するために、特許文献2に記載の発明は、円錐又はV字形状の屈折面を有する一対のプリズムからなるアキシコン系を使用している。その他の従来技術としては、特許文献3、4がある。
特開2007−036016号公報 特開2003−297727号公報(図10、図11) 特開平4−225359号公報(図1、図4−図6) 特開平5−217853号公報
しかし、特許文献2に記載の発明は、円錐プリズムによる光束の円周方向の回り込みを考慮しておらず、輪帯比を変更した場合の開口角の広がりを抑えることができない。特許文献3に記載の発明は、外σ、内σ、開口角のそれぞれの独立した調節は困難である。特許文献4に記載の発明は、外σ、内σを調節することができるが、開口角を調節することは困難である。このように、特許文献1乃至4に記載の発明では、外σ、輪帯比、開口角の全てを独立に、外σ及び輪帯比については連続的に制御することができない。このため、有効光源を精度良く形成することができなかった。
本発明は、有効光源を精度良く形成する照明光学系、露光装置、デバイス製造方法に関する。
本発明の一側面としての照明光学系は、光源からの光束を用いて被照明面を照明する照明光学系において、前記被照明面とフーリエ変換の関係を有する位置に多重極形状の光強度分布を形成する第1の光学素子と、前記第1の光学素子に入射する前記光束の角度分布を規定する第2の光学素子と、前記第1の光学素子を経た前記光束を集光するコンデンサ光学系と、一方のプリズムが円錐形状の凹面と平面を有して他方のプリズムが円錐形状の凸面と平面を有し、各プリズムの半頂角が互いに等しく、前記各プリズムの間隔が可変である一対の円錐プリズムと、を有し、前記半頂角をs[°]、角度θを90−s[°]、前記一対の円錐プリズムに入射する前記光束の片側の開き角をb[°]とするとθ+b≦35[°]が満足され、前記一対の円錐プリズムに入射する前記光束の開口数が0.1以下で、前記一対の円錐プリズムに入射する前記光束の光束径は20mm以上であることを特徴とする。
上述の照明光学系を有する露光装置と、それを使用するデバイス製造方法も本発明の一側面を構成する。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、有効光源を精度良く形成する照明光学系、露光装置、デバイス製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施例の露光装置について説明する。図1は、露光装置100のブロック図である。露光装置100は、光源1と、照明光学系と、投影光学系12とを有し、原版(レチクル又はマスク)10に形成されたパターンを基板(ウェハ、液晶基板)14に露光する投影露光装置である。本実施例では、露光方式はステップアンドスキャン方式であるが、本発明は、ステップアンドリピート方式の露光装置に適用可能である。
光源1は、紫外域や遠紫外域の光を発振する超高圧水銀ランプ、エキシマレーザ等である。本実施例では、微細加工の要請から波長250nm以下のエキシマレーザを使用する。このようなエキシマレーザには、波長248.25nmのKrFエキシマレーザや波長193.37nmのArFエキシマレーザがある。
照明光学系は、光源1からの光束を用いて被照明面を照明する。原版10は、被照明面又はこれと共役な位置に配置されている。照明光学系は、図1の光路上に配置された光学素子2から8bまでの光学部材を含み、制御部30により制御される駆動部21乃至24を用いて、いくつかの光学部材が駆動される。
2は減光部材であり、例えば、透過率の異なる複数の減光フィルタにより構成されている。基板面上で最適な露光量となるように1つまたは複数の減光フィルタが選択され、減光フィルタ駆動手段21により、選択された減光フィルタが光路内に挿入される。これによって、減光率の調整が可能となっている。
3はビーム整形光学系で、駆動部22により駆動され、後段のオプティカルインテグレータ4に入射する光束の強度分布及び角度分布を調節する。
オプティカルインテグレータ4は、複数の微小レンズを2次元的に配置したハエの目レンズからなり、その射出面近傍に2次光源を形成する。ハエの目レンズは入射面と射出面がフーリエ変換の関係にある。フーリエ変換とは、物体と瞳又は瞳と像の位置関係をいう。但し、オプティカルインテグレータ4は、ハエの目レンズには限定されず、光学ロッドや回折光学素子、シリンドリカルレンズアレイなどのレンズアレイも使用可能である。
オプティカルインテグレータ4の射出面近傍には、絞り5が配置され、絞り駆動機構23により開口の大きさ及び形状を可変としている。絞り5は、ビーム整形光学系3が構成する有効光源に対応する様々な形状を複数有してターレットに搭載し、絞り駆動機構23により切り替え可能に構成されてもよい。絞り5は原版10とフーリエ変換の関係に配置され、投影光学系12の瞳とは光学的に共役の関係にある。共役とは物体と像の位置関係をいう。なお、本出願では、物体と瞳又は瞳と像の位置関係から若干ずれている状態(実質的にフーリエ変換の関係)もフーリエ変換の関係と呼び、物体と像の位置関係から若干ずれている状態(実質的に共役の関係)も共役の関係と呼ぶ。
6は集光レンズでオプティカルインテグレータ4の射出面近傍で形成された複数の2次光源から射出された光束を集光し、被照射面である走行視野絞り7b 面に重畳照射してその面を均一に照明する。
18はビームスプリッター(ハーフミラー)で、オプティカルインテグレータ4から射出された光束の数%を反射し、積算露光量計測センサ17に導光する。17は、露光時の光量を常時検出するためのディテクタ(照度計、検出器)で、基板面、原版面と光学的に共役な位置に配置され、出力信号を制御部30に送信する。
走行視野絞り7bは複数の可動な遮光板から構成され、走行視野絞り駆動装置24により任意の開口形状を形成し、基板面上の露光範囲を規制する。走行視野絞り7bは、原版ステージ11、基板ステージ15と同期して図中矢印方向に走査移動する。走行視野絞り7b近傍には、走査露光後の露光面における照度を均一にする可変スリット7aが配置される。
8a、8bは結像レンズで、走行視野絞り7bの開口形状を被照射面としての原版上に転写し、原版面の必要な領域を均一に照明する。
原版10は原版ステージ11に図示しないチャックを介して保持及び駆動され、原版ステージ11は原版ステージ駆動装置25によって制御される。
投影光学系12は、原版のパターンの像を基板に投影する。投影光学系12は、屈折系、反射屈折系、反射系のいずれも使用できる。また、ドライ系や液浸系にも適用することができる。投影光学系12は、図1の光路上に配置された光学素子を含み、制御部30により制御される駆動部26を用いて、各光学素子が駆動される。13は投影光学系の瞳領域を制限する開口数(NA)絞りで、NA絞り駆動装置26にてその開口寸法を変化させ、投影光学系12のNAを可変としている。
基板14は、原版のパターンが転写される被露光体で、その上にはレジストが塗付され、露光面に位置している。基板ステージ15は基板14を保持及び駆動し、光軸方向及び光軸と直交する平面に沿って2次元的に移動可能に構成されている。基板ステージ15は基板ステージ駆動装置27によって制御される。露光時には、原版ステージ11と基板ステージ15が同期しながら、図中矢印の方向に走査露光を行う。
16は基板上に入射する露光光の光量を検出するためのディテクタ(照度計、検出器)であり、基板面に受光部を一致させ照射領域内の照明光を基板ステージ15の駆動と共に移動して受光し、出力信号を制御部30に送っている。制御部30は各装置21〜27、29を制御する。更には、有効光源及びパターンを通過した光の総光量の各々に対応する情報を記憶する。
図2は、実施例1のビーム整形光学系3のブロック図である。図2において、紙面の光軸OAの方向をZ方向、紙面内で光軸OAと垂直な方向をY方向、紙面に垂直な方向をX方向と規定する。
ビーム整形光学系3は、射出角規定光学素子(第2の光学素子)301、多重極光源形成素子(第1の光学素子)302、コンデンサ光学系303、インプット光学系305、ズーム光学系308を有する。多重極光源形成素子302と面304とはフーリエ変換の関係にある。面304は、被照明面とフーリエ変換の関係を有する位置にある。面304とオプティカルインテグレータ4の入射面は共役の関係を有する。
また、ビーム整形光学系3は、有効光源の輪帯比を連続的に調節する輪帯比調節部と、多重極形状の有効光源の開口角を調節する開口角調節部と、を更に有する。ビーム整形光学系3は、輪帯比調節部、開口角調節部を上述の構成要素301乃至308を利用して構成している。
射出角規定光学素子301は、多重極光源形成素子302へ入射する光束の角度分布又はNAを規定すると共に光束を均一にする。射出角規定光学素子301は、マイクロレンズアレイやオプティカルインテグレータから構成される。
多重極光源形成素子302は、コンデンサ光学系303を介して面304に多重極形状の光強度分布を形成する。多重極光源形成素子302は、計算機ホログラム(Computer Generated Hologram:CGH)などの特殊な回折光学素子やマイクロレンズアレイから構成される。マイクロレンズアレイは各素子の射出角度が異なり、面304で多重極形状を形成する。
本実施例の開口角調節部は、それぞれが異なる多重極形状の光強度分布を形成する複数の多重極光源形成素子302と、複数の多重極光源形成素子302の一つを光路で切り替える切替部310と、を有する。これにより、本実施例の開口角調節部は、多重極形状の開口角を独立して離散的に調節することができる。
異なる多重極形状の光強度分布は、二重極照明や四重極照明など異なる種類の多重極照明を与えてもよいし、同一種類の多重極照明(例えば、二重極照明)において異なる外σ、内σ、開口角を与えるものであってもよい。切替部310は、複数の多重極光源形成素子302を搭載し、いずれか一つを光路上に配置するターレットと、ターレットを回転駆動する駆動部とを有する。駆動部は、駆動部22の一部であり、制御部30によって制御される。この結果、多重極光源形成素子302は光路上で交換可能に構成されている。
面304の後段には、インプット光学系305が配置されている。インプット光学系305は、平行平板305aと一対の円錐プリズム305bと、切替部315と、間隔調節部320と、を有する。
平行平板305aと一対の円錐プリズム305bは、光路に交換可能に配置される。平行平板305aと一対の円錐プリズム305bは、Z方向に同一の厚さを有する。両者のいずれが光路に挿入されても光路長差を等しくすることができる。
切替部315と間隔調節部320は、駆動部22の一部であり、制御部30によって制御されるアクチュエータ等で構成される。切替部315は、平行平板305aと一対の円錐プリズム305bとを切り替えて、平行平板305aと一対の円錐プリズム305bの一方を光路に配置する。間隔調節部320は、一対の円錐プリズム305bの各プリズム306、307のZ方向の間隔を調節する。
図3(a)は、光路に挿入された一対の円錐プリズム305bの拡大断面図である。同図に示すように、一対の円錐プリズム305bは、入射側に配置される第1プリズム306と、射出側に配置される第2プリズム307とを有する。
第1プリズム306は、入射面として平面306aを有し、射出面として凹面306bを有する。第2のプリズム307は、入射面として凸面307aを有し、射出面として平面307bを有する。このように、一対の円錐プリズム305bは、一方が円錐形状の凹面306bと平面306aを有して他方が円錐形状の凸面307aと平面307bを有する。平面306a及び307bは平行でZ方向に垂直である。
第1プリズム306の凹面306bの円錐の半頂角と第2のプリズム307の凸面307aの円錐の半頂角は共にsで等しい。従って、図3において角度θ(=90−s)も等しい。この結果、第1プリズム306の頂点306cと第2プリズム307の頂点307cを一致させると、母線306dと307dは重なる。間隔調節部320が両者を分離すると図3に示すYZ平面において下側の母線306dと下側の母線307dは平行となる。図3は、各円錐プリズム306、307を頂点306c、307cを通る中心線(光軸OA又はZ軸)を含むYZ平面で切断した場合の図である。このため、角度θは、YZ平面においてZ軸に直交する線であるY軸と母線306d、307dとがなす角度である。
一対の円錐プリズム305bと間隔調節部320は輪帯比調節部の一部を構成し、これらは輪帯比を調整する機能を有する。間隔調節部320が一対の円錐プリズム305bのプリズム306と307との間隔を小さくすると、輪帯比が小さく(輪帯の幅が大きく)なる。間隔調節部320が一対の円錐プリズム305bのプリズム306と307との間隔を大きくすると、輪帯比が大きく(輪帯の幅が小さく)なる。このように、一対の円錐プリズム305bの間隔を変化させることで輪帯比を調節することができる。
面304における光分布が多重極形状の場合、一対の円錐プリズム305bの間隔を変化させて輪帯比を変更すると円錐プリズムによる光束の円周方向の回り込みにより開口角も変化してしまう。即ち、図3(b)に示すように、面304に形成された二重極形状が、図3(c)に示すように、円錐面で円周方向に変形する。このため、輪帯比を独立かつ連続的に調節するためには輪帯比を変更する際の開口角の変化を防止する必要がある。以下、多重極形状の開口角を維持するための手段について説明する。
本発明者の検討によれば、開口角の変化には、一対の円錐プリズム305bに入射する光束の広がり、その光束の大きさ、一対の円錐プリズム305bの円錐面の頂角、一対の円錐プリズム305bの間隔が関係している。光束の広がりは図3のNAに対応し、光束の大きさは図3の光束径φに対応し、円錐面の頂角は図3の角度θに対応する。
光束の広がりについて、射出角規定光学素子301からの光がほぼNA零の場合、面304で形成される分布は図4(a)に示すような細い幅の分布となる。NAを大きくすると、面304で形成される分布は、図4(b)のような幅広の面積を持った分布となる。従って、図4(b)は、端部において開口角の変化が発生する。なお、輪帯幅AWは、NAとコンデンサ光学系303の焦点距離が変化すると変化し、図4(a)の分布を畳み込み積分することで図4(b)の分布が形成される。
図5(a)及び図5(b)は、上記要因の関係を計算した結果を示すグラフである。図5(a)は、角度θが30度の場合にNAと光束径φとの関係を示したグラフである。図5(b)は、角度θが20度の場合にNAと光束径φとの関係を示したグラフである。
横軸は一対の円錐プリズム305bへ入射する光束のNA、縦軸は一対の円錐プリズム305bの間隔を変化させた場合の開口角の変化量(度)である。一対の円錐プリズム305bへ入射する光束の径φ(mm)は、φ13mm、φ20mm、φ30mmで変化させている。一般にプリズム間隔を大きくとれば、輪帯比も大きくすることができる。輪帯比調整の観点から一対の円錐プリズム305bの間隔変化を1〜41mmとしている。図5(a)及び図5(b)から、一対の円錐プリズム305bの間隔が変化しても開口角の変化を小さく抑えるためには、図3に示すNA及び角度θを小さくして、光束径φを大きくする必要がある。
多重極照明の開口角の変化が像性能に与える影響は、各種条件(解像線幅、ピッチ)で異なるが、殆どの条件を満足するためには、開口角の変化は全角に亘って3度以内に抑えるのが経験上望ましい。図5(a)において開口角の変化を全角に亘って3度以内に抑えるためには、φ30mmの場合はNA0.1でも満足するが、φ20mmの場合はNA0.08程度以下、φ13mmの場合NAを0.05程度以下まで小さくする必要がある。図5(b)において開口角の変化を全角に亘って3度以内に抑えるためには、φ30mmとφ20mmの場合NA0.1でも満足するが、φ13mmの場合NAを0.06程度以下まで小さくする必要がある。
波長250nm以下の光に使用される光学透過部品に施す反射防止膜は、その波長で使用可能な材料物質が限られるため、簡便な膜構成で高い反射防止性能を得るためには、光の入射角を35度以下に抑える必要がある。そのため、数式1に示すように、角度θ(度)と一対の円錐プリズムに入射する光束の片側の開き角b(度)の和は35度以下にすることが望ましい。図6にこの様子を示す。なお、光束の片側の開き角bは数式2で定義される。
図5(a)のθ=30度、NA0.08(約5度)の条件に注目すると、開口角の変化量を全角に亘って3度以下とするにはφ20mm以上の光束径が必要である。一方、図5(b)のθ=20度では、35度の入射角制限の観点から、NA0.26程度(15度相当)まで許容できることになるが、開口角の変化量を全角に亘って3度以下とするにはNA0.1の場合、φ20mm以上の光束径が必要である。以上から、円錐プリズムの間隔を1〜41mmと変化させた場合に、多重極照明の開口角の変化量を全角に亘って3度以下とするには、数式1を満足し、入射光束のNAが0.1以下で、且つ、入射光束の光束径がφ20mm以上を満足する必要がある。そのため、一対の円錐プリズム305b及びコンデンサ光学系303を用いて、角度θを決定して入射光束のNAを調節し、多重極光源形成素子302およびコンデンサ光学系303を用いて光束φを調節する。多重極光源形成素子302は射出角(回折素子ならば回折角)が素子毎に設計されているため、コンデンサ光学系303との組み合わせにより光束径φが決定される。
ズーム光学系308は、面304の分布を、多光束発生手段であるオプティカルインテグレータ4の入射面近傍に所定の倍率で結像させる。倍率可変とすることで、オプティカルインテグレータ4へ入射する光束領域を調整することが可能となっており、有効光源の大きさを可変としている。ズーム光学系308が倍率を大きくすると輪帯比が一定のまま外σ及び内σが大きくなり、ズーム光学系308が倍率を小さくすると輪帯比が一定のまま外σ及び内σが小さくなる。
図3に示す一対の円錐プリズム305bの変形例として、図7に示す一対の円錐プリズム305cが考えられる。一対の円錐プリズム305cは、第1プリズム306の向きを反転させた第3プリズム306Aと、第2プリズム307の向きを反転させた第4プリズム307Aと、を有する。第3プリズム306Aは、入射側に凹面306bを配置し、射出側に平面306aを配置する。第4プリズム307Aは、入射側に平面307bを配置し、射出側に凸面307aを配置する。
一対の円錐プリズム305cにおいては、第3プリズム306Aの凹面306bで円周方向に屈折された光が平面306aで更に円周方向に屈折(変形)される。従って、一対の円錐プリズム305cは、開口角の変化量が大きくなる傾向にある。一方、一対の円錐プリズム305bは、第1プリズム306の入射面が平面306aなので開口角の変化は無い。凹面306bで円周方向に屈折されるが、後段の第2プリズム307の入射側の凸面307aで円周方向の屈折がキャンセルされる方向に作用する。従って、一対の円錐プリズム305bは、開口角の変化量が小さいために好ましい。
実施例1の開口角調節部は、多重極光源形成素子302を切替部310(駆動部22)を介して交換することによって、開口角を独立かつ離散的に変更する。本実施例の開口角調節部は、開口角を独立かつ連続的に変更する点で実施例1の開口角調節部とは相違する。
図8は、本実施例の開口角調節部の一例を説明するための、図2に対応する概略図である。実施例1のコンデンサ光学系303は焦点距離固定であるが、本実施例では、多重極光源形成素子302の後段に配置されるコンデンサ光学系303Aをズーム光学素子を含む光学系として構成し、これを開口角調節部として使用する。また、コンデンサ光学系303Aのズーム機能を用いることによって、一対の円錐プリズムに入射する光束のNAを調節することができる。
図9は、本実施例の開口角調節部の別の例を説明するための、図2に対応する概略図である。本実施例は、図2に示す実施例1の構成に加えて、開口が可変の絞り309を多重極光源形成素子302の射出面近傍に有する点で相違する。絞り309が開口角調節部として機能する。また、可変絞り309を用いることによって、一対の円錐プリズムに入射する光束のNAを調節することができる。
さらに、絞り309を使用する場合、光利用効率を維持するために、射出角規定光学素子301からの光が絞り309の開口内へ効率良く導光する必要がある。そのために光源1から射出角規定光学素子301の間に図不指示の変倍系を配置して、射出角規定光学素子301以降の光束径を調整している。
実施例1のコンデンサ光学系303は焦点距離がXZ平面とYZ平面で同一であるが、本実施例では、図2に示すコンデンサ光学系303はアナモフィック光学系を含み、XZ平面とYZ平面で異なる焦点距離を有する。アナモフィック光学系の例としてはシリンドリカルレンズやトーリックレンズがある。図10は、コンデンサ光学系303のアナモフィック光学系に含まれるシリンドリカルレンズ303aを示す斜視図である。図10において、縦方向の光束に対してはレンズ作用がないためにNAは変化せず、横方向の光束に対してはレンズ作用があるためにNAが変化する。シリンドリカルレンズを複数組み合わせることによって縦横の一方のみのNAを変化させることができる。一対の円錐プリズム305bに入射されるNAがX方向とY方向で異なるため、多重極照明分布において、円周方向と円周方向と直交する半径方向で、独立した光分布調整が可能となる。これにより、開口角の変化を防止することができる。
図1に示す露光装置の動作において、制御部30は、原版パターンに最適な有効光源の形状をビーム整形光学系3に設定する。照明光学系は光源1からの光束を利用して原版を照明する。本実施例によれば、多重極照明における開口角、外σ、輪帯比をそれぞれ独立に調整することが可能となるため、ビーム整形光学系3は有効光源形状を精度良く形成する。また、本実施例の構成で有効光源を形成すれば、オプティカルインテグレータ4の射出面近傍に配置される絞り5で必要以上に光を切り出す必要がなく、高い照明効率で多重極形状の有効光源の形成が可能である。
本実施例の照明光学系は原版パターンに適した有効光源を高精度に作成することができ、また、斜入射照明により解像度を向上することができる。
次に、図11及び図12を参照して、図1に示す露光装置を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図11は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル製作)では、設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は、前工程と呼ばれ、レチクルとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図12は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステッ
プ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、前述の露光装置100を用いてレチクルパターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、有効光源を高精度に形成して従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。また、絞り5でケラれる量も減少するので露光装置の経済性にも優れている。このように、露光装置を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の一実施例の露光装置のブロック図である。 図1に示す露光装置に適用可能な実施例1のビーム整形光学系の概略図である。 図3(a)は図2に示すビーム整形光学系の一対の円錐プリズム近傍の拡大断面図である。図3(b)及び図3(c)は304面における光強度分布である。 図4(a)及び図4(b)は、異なるNAの光束と開口角の変化を示す平面図である。 図5(a)及び図5(b)は、開口角の変化に影響を与える要因の関係を示すグラフである。 開口角の変化を抑えるための条件を説明するための断面図である。 図3に示す一対の円錐プリズムの変形例の断面図である。 図1に示す露光装置に適用可能な実施例2のビーム整形光学系の概略図である。 図1に示す露光装置に適用可能な実施例2のビーム整形光学系の変形例の概略図である。 実施例3のビーム整形光学系のコンデンサ光学系に適用可能なシリンドリカルレンズの斜視図である。 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。 図11に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。 図13(a)及び図13(b)は、従来の問題を説明する平面図である。 照明領域である二重極形状をハッチングで示す概略平面図である。
符号の説明
1 光源
3 ビーム整形光学系
10 原版
12 投影光学系
14 基板
22 駆動部
100 露光装置
301 射出角規定光学素子(第2の光学素子)
302 多重極光源形成素子(第1の光学素子)
303、303A コンデンサ光学系
304 面
305b、305c 一対の円錐プリズム
306 第1プリズム
306a 平面
306b 凹面
307 第2プリズム
307a 凸面
307b 平面
306A 第3プリズム
307A 第4プリズム
308 ズーム光学系
309 絞り
310 切替部
320 間隔調節部

Claims (10)

  1. 光源からの光束を用いて被照明面を照明する照明光学系において、
    前記被照明面とフーリエ変換の関係を有する位置に多重極形状の光強度分布を形成する第1の光学素子と、
    前記第1の光学素子に入射する前記光束の角度分布を規定する第2の光学素子と、
    前記第1の光学素子を経た前記光束を集光するコンデンサ光学系と、
    一方のプリズムが円錐形状の凹面と平面を有して他方のプリズムが円錐形状の凸面と平面を有し、各プリズムの半頂角が互いに等しく、前記各プリズムの間隔が可変である一対の円錐プリズムと、
    を有し、
    前記半頂角をs[°]、角度θを90−s[°]、前記一対の円錐プリズムに入射する前記光束の片側の開き角をb[°]とするとθ+b≦35[°]が満足され、
    前記一対の円錐プリズムに入射する前記光束の開口数が0.1以下で、
    前記一対の円錐プリズムに入射する前記光束の光束径は20mm以上であることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記コンデンサ光学系がアナモフィック光学系
    を有することを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  3. 前記第1の光学素子は、計算機ホログラムまたはマイクロレンズアレイであることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明光学系。
  4. 複数の前記第1の光学素子を有し、
    前記複数の第1の光学素子を切り替えて光路内に配置する切替部
    を有することを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  5. 前記コンデンサ光学系は、ズーム光学系を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  6. 前記第2の光学素子は、マイクロレンズアレイまたはオプティカルインテグレータであることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の照明光学系。
  7. 前記一対の円錐プリズムは、入射側に配置された第1プリズムと射出側に配置された第2プリズムとを有し、前記第1プリズムの入射面は平面、射出面が凹面、前記第2プリズムの入射面が凸面、射出面が平面であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の照明光学系。
  8. 前記第1の光学素子の射出面近傍に、開口の面積が可変である絞りが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  9. 前記被照明面と共役な面に配置された原版を照明する請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の照明光学系と、
    前記原版のパターンの像を基板に投影する投影光学系と、
    を有することを特徴とする露光装置。
  10. 請求項9に記載の露光装置を使用して原版パターンを基板に露光するステップと、
    露光された前記基板を現像するステップと、
    を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013051147A1 (ja) * 2011-10-07 2013-04-11 キヤノン株式会社 画像取得装置の調整方法、画像取得装置および画像取得装置の製造方法

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