JP2009095431A - 指筋活動検出方法 - Google Patents

Abstract

【課題】より精度の高い指筋活動検出方法を提供すること。
【解決手段】上記課題を解決するため、前腕部の皮膚表面の振動を検知して行う指筋活動検出方法とする。なおこの場合において、加速度センサを用いて前記前腕部の皮膚表面の振動を検知することは好ましい一態様である。更に、加速度センサを、前腕の伸筋群側及び屈筋群側にそれぞれ一以上配置して行うことも好ましく、腕の表面に対して略垂直な方向における加速度を検知して行うことも好ましい。
【選択図】図１

Description

本発明は、指筋活動検出方法に関する。

事故、疾病等により手を切断されてしまった方々に対し、その切断された手の機能を代行するものとして義手が有用である。そして義手の中でも腕などの筋肉の動きを検知して把持等の動作を行うことができればより有用なものとなる。

従来の義手を制御する技術として、例えば表面筋電センサを用いて義手を制御しようとする技術が下記特許文献１に記載されている。

特開２００７−８９６７６号公報

しかしながら、指動作は信号が微小で情報量が少なく、上記の表面筋電センサでは、十分な精度を得るという点において課題が残る。

そこで、本発明は、より精度の高い指筋活動検出方法を提供し、それを用いた義手制御方法を可能とすることを目的とする。

本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行ったところ、前腕部において指の動作を制御する筋が動くと周りの筋、脂肪、皮膚も同時に動くことに着目し、これらの振動を検知することでより精度の高い指筋活動検出方法を提供できることに鑑み、本発明を完成させるに至った。

即ち、本発明の第一の手段に係る指筋活動検出方法は、前腕部の皮膚表面の振動を検知して行うこととする。

以上により、より精度の高い指筋活動検出方法及びそれを用いた義手制御方法を手供することができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態、実施例にのみ狭く限定されるものでないことは言うまでもない。

（実施形態１）
本実施形態に係る指筋活動検出方法は、前腕部における皮膚表面の振動を検知して行う。ここで皮膚表面の振動は、限定されるわけではないが、加速度センサを用いて検知することが好ましい。加速度センサの構成としては、加速度を検知できる限りにおいて限定されることなく周知のものを採用することができる。

また、本実施形態において加速度センサは、前腕の伸筋群及び屈筋群近傍の表面の少なくともいずれかに一つ以上配置されていることが好ましく、双方に一つ以上配置していることがより好ましい。この配置の例を図１に示しておく。腕の伸筋群側と屈筋群側はその側面側においてより振動が大きく、これらを検知することで、指筋の活動をより効率的に行うことができる。なお図中、腕表面において、腕の延びる方向に対して略垂直な方向をＺ軸、腕の延びる方向をＸ軸、Ｘ軸及びＺ軸に垂直な軸をＹ軸と定義している。

なお、加速度センサが検出する加速度の方向としては、腕表面に対して略垂直な方向（Ｚ軸方向）の加速度であることが好ましいが、他の軸方向の加速度との組み合わせであることは精度を上げる観点からより好ましい。

また、本実施形態に係る指筋活動検出方法が検出する指の動きとしては、限定されるわけではないが、中指の動きの検知が最も容易に検知でき、特に腕の表面に対して垂直な方向（Ｚ軸方向）のみでも十分な腕動作の検出を行なうことができる。

なお、本実施形態に係る指筋活動検出方法を実現する指筋活動検出装置は、加速度センサからの出力を受け付ける加速度検出部と、加速度検出部からの出力を受付け、加速度検出部が検出した出力が予め作成された指動作に対応するテンプレートと比較し、一致する場合には指の動作である旨の検出を行なう判断部と、を少なくとも有する。この装置は、いわゆるコンピュータのハードディスクなどの記録媒体にこれらを実行するためのプログラムを格納させ、実行することで実現可能である。なおテンプレートとしては、実際に測定される加速度との関係を判断できる限りにおいて限定されるわけではないが、この一例について図２に示しておく。図２の例では、横軸に時間を、縦軸に加速度を示す例である。

以上のとおり本実施形態に係る指筋活動検出方法は、指及び前腕を動かす筋肉が前腕の筋骨格皮膚構造において相互に拘束し合い、特定の筋肉の能動収縮と近傍筋肉の受動運動によって前腕皮膚表面の特定部位に特異振動パターンが発生するという特徴に着目し、振動パターンを捉えられる加速度センサを導入し、その振動情報を適切に処理することによって、いままで前腕表面筋電信号のみでは識別不可能となっている指動作の識別が可能となる。

（実験例）
また、上記実施形態に基づき、実際に指筋活動検出方法を実施し、その効果について確認を行った。以下に説明する。

まず、被験者として健常成人１０名（平均２３．９歳）の伸筋群及び屈筋群それぞれの近傍の腕表面に三軸加速度センサ（北陸電気工業、ＨＡＡＭ−３２５Ｂ）を図１で示す例のように配置し、中指、人差し指、薬指の各指に対しタッピング動作を各指５回ずつ行なわせ、それぞれに対し加算平均を行い、テンプレートを作成した。

次に、各指に対し１２回、合計３６回のタッピングを行なわせ、その動作に対する判定を行なわせた。この結果を図３に示す。この結果、伸筋群側に配置した加速度センサのＺ方向における識別力がいずれの被験者に対しても９割以上の識別力を有することを確認した。また、全軸の加速度を考慮すると、ほぼ１００％の識別力を有することを確認した。

以上、本実験結果により、指筋活動検出方法として有用であることを確認した。

本発明は、指筋活動検出を用いて義手を制御するなど義手の分野において少なくとも産業上の利用可能性を有する。

加速度センサの配置の例を示す図である。 指動作におけるテンプレートの一例を示す図である。 実験例における結果を示す図である。

Claims (4)

1. 前腕部の皮膚表面の振動を検知して行う指筋活動検出方法。
2. 加速度センサを用いて前記前腕部の皮膚表面の振動を検知する請求項１記載の指筋活動検出方法。
3. 前記加速度センサを、前腕の伸筋群側及び屈筋群側にそれぞれ一以上配置して行う請求項１又は２に記載の指筋活動検出方法。
4. 腕の表面に対して略垂直な方向における加速度を検知して行う請求項１記載の指筋活動検出方法。