JP2009094049A - パターニング方法および表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示素子の性能に影響を与えることなく、高精度なパターニングの可能なパターニング方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも1つの有機領域と、少なくとも1つの無機領域とからなるガスバリア層を有する表示素子用基板のパターニング方法であって、ウェットエッチングを行い、かつ、該エッチングに、弱酸または弱塩基のエッチング液を用いることを特徴とする表示素子用基板のパターニング方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表示素子用基板のパターニング方法、該パターニング方法を用いてパターニングした表示素子用基板、前記パターニング方法を用いて基板をパターニングすることを含む表示素子の製造方法、該表示素子の製造方法により製造した表示素子に関する。
従来から、有機EL素子の作製にあたり、パターニングが行われている。例えば、特許文献1には、金属薄膜層を、リン酸、硝酸、酢酸の混酸によりエッチングし、さらに、シュウ酸によりエッチングして陽極薄膜層をパターニングすることが記載されている。しかしながら、有機無機積層型ガスバリアフィルムを基板に用いた有機EL素子においてのパターニングは、該ガスバリアフィルムが、有機領域と無機領域を含む複雑な層構成であるため、種々の検討が必要である。
一方、特許文献2には、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層と水溶性高分子を含むガスバリア性被膜層を積層したポリアミド系フィルムをエッチングすることが記載されている。しかしながら、該エッチングは、プラズマ処理によるエッチングであり、また、有機EL素子とは全く関係がない。
特開2004−146136号公報 特開2007−76036号公報
上記のとおり、有機無機積層型ガスバリアフィルムを基板に用いた表示素子用基板のパターニング方法については、何ら検討されていない。特に、従来から広くエッチング液として用いられている強酸・強塩基を、ガスバリアフィルムに採用すると、該ガスバリアフィルムにダメージを与え、最終的に得られる表示素子の性能劣化を生じる。本発明はかかる問題点を解決することを目的としたものであって、表示素子の性能に影響を与えることなく、高精度なパターニングの可能なパターニング方法を提供する。
上記課題のもと、本発明者らが鋭意検討を行った結果、下記手段により上記課題を解決しうることを見出した。
(1)少なくとも1つの有機領域と、少なくとも1つの無機領域とからなるガスバリア層を有する表示素子用基板のパターニング方法であって、ウェットエッチングを行い、かつ、該エッチングに、弱酸または弱塩基のエッチング液を用いることを特徴とする表示素子用基板のパターニング方法。
(2)前記エッチング液に含有される弱酸あるいは弱塩基のpKaが0.5〜10の範囲内であることを特徴とする(1)に記載のパターニング方法。
(3)前記エッチング液は、シュウ酸、酢酸、炭酸およびリン酸、ならびにこれらの2種以上の混合液から選択される、(1)または(2)に記載のパターニング方法。
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載のパターニング方法を用いてパターニングしたことを特徴とする、表示素子用基板。
(5)(1)〜(3)のいずれか1項に記載のパターニング方法を用いて基板をパターニングすることを含む、表示素子の製造方法。
(6)(5)に記載の方法により製造された表示素子。
本発明により、素子性能に影響を与えずに、表示素子用基板のパターニングを行うことが可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明の表示素子用基板のパターニング方法は、少なくとも1つの有機領域と、少なくとも1つの無機領域とからなるガスバリア層を有する表示素子用基板において、ウェットエッチングを行い、かつ、該エッチングに、弱酸または弱塩基のエッチング液を用いることを特徴とする。
(エッチング液)
本発明のパターニング方法において用いるエッチング液は、弱酸または弱塩基であり、好ましくはpKaが0.5〜10の範囲内にある場合であり、より好ましくはpKaが1.0〜9.5の範囲内にある場合である。このようなエッチング液を用いることにより、表示素子用基板にダメージを与えずにエッチングすることができ、かつ、精度高くパターニングすることができる。本発明におけるエッチング液は、シュウ酸、酢酸、炭酸およびリン酸、ならびにこれらの2種以上の混合液から選択されることが好ましく、シュウ酸、酢酸がより好ましい。
ウェットエッチングに関する他の詳細な条件や、パターニングの際の他の処理工程は、公知の技術を採用でき、例えば、特開平3−250583号公報、特開2006−59831号公報、城戸淳二監修「有機EL材料とディスプレイ」シーエムシー刊(2001年)等に記載の方法を採用できる。
(ガスバリア層)
本発明の表示素子用基板は、少なくとも1つの有機領域と、少なくとも1つの無機領域とからなるガスバリア層を有する。ガスバリア層は、大気中の酸素、水分を遮断する機能を有し、少なくとも1層の有機層と少なくとも1層の無機層が交互に積層した構成であってもよいし、各領域が膜厚方向に連続的に変化するいわゆる傾斜材料層であってもよい。ガスバリア層を構成する層数に関しては特に制限はないが、典型的には2層〜30層が好ましく、3層〜20層がさらに好ましい。なお、ガスバリア層は、通常、基材フィルムに設けられるが、該基材フィルムの片面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
前記傾斜材料層の例としては、キムらによる論文「Journal of Vacuum Science and Technology A Vol. 23 p971−977(2005 American Vacuum Society) ジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド テクノロジー A 第23巻 971頁〜977ページ(20005年刊、アメリカ真空学会)」に記載の材料や、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機層と無機層が界面を持たない連続的な層等が挙げられる。以下、有機層と無機層が積層したガスバリア層を例にとって説明するが、傾斜材料層の場合も同様に考えることができる。
(基材フィルム)
本発明における基材フィルムは、通常、プラスチックフィルムである。用いられるプラスチックフィルムは、有機層、無機層等の積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記プラスチックフィルムとしては、具体的には、金属支持体(アルミニウム、銅、ステンレス等)ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明の表示素子用基板を後述する有機EL素子等のデバイスの基板として使用する場合は、プラスチックフィルムは耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上および/または線熱膨張係数が40ppm/℃以下で耐熱性の高い透明な素材からなることが好ましい。Tgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば三菱ガス化学(株)ネオプリム:260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の化合物:300℃以上)が挙げられる(括弧内はTgを示す)。特に、透明性を求める場合には脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
本発明の表示素子用基板を偏光板と組み合わせて使用する場合、表示素子用基板のバリア性積層体がセルの内側に向くようにし、最も内側に(素子に隣接して)配置することが好ましい。このとき偏光板よりセルの内側に表示素子用基板が配置されることになるため、表示素子用基板のレターデーション値が重要になる。このような態様での表示素子用基板の使用形態は、レターデーション値が10nm以下の基材フィルムを用いた表示素子用基板と円偏光板(1/4波長板+(1/2波長板)+直線偏光板)を積層して使用するか、あるいは1/4波長板として使用可能な、レターデーション値が100nm〜180nmの基材フィルムを用いた表示素子用基板に直線偏光板を組み合わせて用いるのが好ましい。
レターデーションが10nm以下の基材フィルムとしてはセルローストリアセテート(富士フイルム(株):富士タック)、ポリカーボネート(帝人化成(株):ピュアエース、(株)カネカ:エルメック)、シクロオレフィンポリマー(JSR(株):アートン、日本ゼオン(株):ゼオノア)、シクロオレフィンコポリマー(三井化学(株):アペル(ペレット)、ポリプラスチック(株):トパス(ペレット))ポリアリレート(ユニチカ(株):U100(ペレット))、透明ポリイミド(三菱ガス化学(株):ネオプリム)等を挙げることができる。
また1/4波長板としては、上記のフィルムを適宜延伸することで所望のレターデーション値に調整したフィルムを用いることができる。
本発明の表示素子用基板は有機EL素子等のデバイスとして利用されることから、プラスチックフィルムは透明であること、すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
本発明の表示素子用基板をディスプレイ用途に用いる場合であっても、観察側に設置しない場合などは必ずしも透明性が要求されない。したがって、このような場合は、プラスチックフィルムとして不透明な材料を用いることもできる。不透明な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
本発明の表示素子用基板に用いられるプラスチックフィルムの厚みは、用途によって適宜選択されるので特に制限がないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜200μmである。これらのプラスチックフィルムは、透明導電層、プライマー層等の機能層を有していても良い。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、易接着層等が挙げられる。
(無機層)
無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、具体的には特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号各公報記載の形成方法を採用することができる。
前記無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTa等から選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物などを用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましく、特に、SiまたはAlの金属酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
前記無機層の厚みに関しては特に限定されないが、5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、10nm〜200nmである。また、2層以上の無機層を積層してもよい。この場合、各層が同じ組成であっても異なる組成であっても良い。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であっても良い。
(有機層)
有機層は、通常、ポリマーの層である。具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他有機珪素化合物の層である。有機層は単独の材料からなっていても混合物からなっていてもよい。2層以上の有機層を積層してもよい。この場合、各層が同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように無機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
有機層は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機層の平滑性は10μm角の平均粗さ(Ra値)として10nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。有機層の膜硬度は鉛筆硬度としてHB以上の硬さを有することが好ましく、H以上の硬さを有することがより好ましい。
有機層の膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難となるし、厚すぎると外力によりクラックを発生し、バリア性能が低下する。かかる観点から、有機層の厚みは、10nm〜2000nmが好ましく、100nm〜1000nmさらに好ましい。
有機層の形成方法としては、通常の溶液塗布法、あるいは真空成膜法等を挙げることができる。溶液塗布法としては、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法により塗布することができる。真空成膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましい。本発明においてはポリマーを溶液塗布しても良いし、特開2000−323273号公報、特開2004−25732号公報に開示されているような無機物を含有するハイブリッドコーティング法を用いてもよい。また、ポリマーの前駆体(例えば、モノマー)を成膜後、重合することによりポリマー層を形成させても良い。本発明に用いることができる好ましいモノマーとしては、アクリレートおよびメタクリレートが挙げられる。アクリレートおよびメタクリレートの好ましい例としては、例えば、米国特許6083628号明細書、米国特許6214422号明細書に記載の化合物が挙げられる。これらの一部を以下に例示する。
本発明において、好ましくはラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物から構成された有機層である。
(重合性化合物)
本発明で用いる重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物である。これらのうち、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物(アクリレートとメタクリレートをあわせて(メタ)アクリレートと表記する)、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられる。
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
以下に、(メタ)アクリレート系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009094049
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モノマー重合法としては特に限定は無いが、加熱重合、光(紫外線、可視光線)重合、電子ビーム重合、プラズマ重合、あるいはこれらの組み合わせが好ましく用いられる。加熱重合を行う場合、基材となる基材フィルムは相応の耐熱性を有する必要がある。この場合、少なくとも、加熱温度よりも基材フィルムのガラス転移温度(Tg)が高いことが必要である。
光重合を行う場合は、光重合開始剤を併用する。光重合開始剤の例としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、サートマー(Sartomer)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZTなど)等が挙げられる。
照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.5J/cm2以上が好ましく、2J/cm2以上がより好ましい。アクリレート、メタクリレートは、空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で2J/cm2以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
このとき、モノマーの重合率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。
(表示素子)
本発明における表示素子とは、円偏光板・液晶表示素子、タッチパネル、有機EL素子などを意味する。
円偏光板
本発明における表示素子用基板を基板としλ/4板と偏光板とを積層し、円偏光板を作製することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
液晶表示素子
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明における表示素子用基板は、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明の基板は、前記上透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型またはHAN(Hybrid Aligned Nematic)型、VA(Vertically Alignment)型、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)、IPS型(In Plane Switching)であることが好ましい。
タッチパネル
タッチパネルは、特開平5-127822号公報、特開2002-48913号公報等に記載されたものに応用することができる。
有機EL素子
有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。本発明における表示素子用基板は、有機EL素子の基板として用いることができる。有機EL素子は、基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に発光層を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極および陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明である。
本発明における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。さらに、正孔輸送層と発光層との間、または、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。また、発光層としては一層だけでもよく、また、第一発光層、第二発光層、第三発光層等に発光層を分割してもよい。さらに、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
本発明で用いる基板の厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
陽極
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。上述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述がある。基板として耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITOまたはIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
陰極
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としては2属金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属または2属金属との合金(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属または2属金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、さらにITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
発光層
有機EL素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
−有機発光層−
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、または正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、または電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料とを混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
前記蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
前記燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子またはランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
前記遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、および白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、および白金である。
前記ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、およびガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
また、発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するものおよびアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極または陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極または陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。また、電子輸送層・電子注入層が正孔ブロック層の機能を兼ねていてもよい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
また、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層を、発光層と陽極側で隣接する位置に設けることもできる。正孔輸送層・正孔注入層がこの機能を兼ねていてもよい。
TFT表示素子
本発明における表示素子用基板は、薄膜トランジスタ(TFT)画像表示素子用基板として用いることができる。TFTアレイの作製方法としては、特表平10−512104号公報に記載されている方法等が挙げられる。さらにこの基板はカラー表示のためのカラーフィルターを有していてもよい。カラーフィルターはいかなる方法を用いて作製されてもよいが、好ましくはフォトリソグラフィー手法を用いることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガスバリアフィルムの作製
基材フィルム上に無機層と有機層を設けたガスバリアフィルム(試料No.101〜103)を下記の手順にしたがって作製した。各ガスバリアフィルムの構造の詳細は表1に記載されるとおりである。基材フィルムには、ポリエチレンナフタレート(PEN、厚み100μm、帝人デュポン(株)製、Q65A)フィルムを用いた。
[1]無機層(X)の形成
リアクティブスパッタリング装置を用いて、酸化アルミニウムの無機層を形成した。以下に具体的な成膜条件を示す。
リアクティブスパッタリング装置の真空チャンバーを、油回転ポンプとターボ分子ポンプとで到達圧力5×10-4Paまで減圧した。次にプラズマガスとしてアルゴンを導入し、プラズマ電源から電力2000Wを印加した。チャンバー内に高純度の酸素ガスを導入し、成膜圧力を0.3Paになるように調整して一定時間成膜し、酸化アルミニウムの無機層を形成した。得られた酸化アルミニウム膜は、膜厚が40nmで、膜密度が3.01g/cm3であった。
[2]有機層(Y、Z)の形成
有機層は、常圧下での溶剤塗布による成膜方法(有機層Y)と、減圧下でフラッシュ蒸着法による成膜方法(有機層Z)の2通りを用いて行った。以下に具体的な成膜内容を示す。
有機層(Y)の成膜
光重合性アクリレートとしてトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA、ダイセル・サイテック製)9g、および光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、イルガキュア907)0.1gを、メチルエチルケトン190gに溶解させて塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバーを用いて基材フィルム上に塗布し、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度350mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射して有機層Yを形成した。膜厚は、約500nmであった。
有機層(Z)の成膜
光重合性アクリレートとしてブチルエチルプロパンジオールジアクリレート(BEPGA、共栄社化学製)9.7g、および光重合開始剤(Lamberti spa製、EZACURE−TZT)0.3gを混合し蒸着液とした。この蒸着液を、真空チャンバーの内圧が3Paの条件でフラッシュ蒸着法により基板に蒸着した。続いて同じ真空度の条件で、照射量2J/cm2の紫外線を照射して有機層Zを形成した。膜厚は、約1200nmであった。有機層Zの形成には、有機無機積層成膜装置Guardian200(ヴァイテックス・システムズ社製)を用いて実施した。
[3]ガスバリアフィルムの作製
ガスバリアフィルムは、基材フィルムに上記の無機層と有機層を表1に記載された各試料の構成に従って順次形成することで作製した。また作製の方法は、次の2通りで行った。
[3−1]溶剤塗布による有機層形成と減圧下での無機層形成を繰り返す方法(積層A)
基板上に有機層と無機層を交互に積層した。有機層の上に無機層を積層する時は、溶剤塗布で有機層を成膜した後に真空チャンバーに入れて減圧し、真空度が10-3Pa以下の状態で一定時間保持してから無機層を成膜した。また無機層の上に有機層を積層する時は、無機層を成膜後直ちに、溶剤塗布で有機層を成膜した。
[3−2]減圧下で有機層と無機層を一貫成膜する方法(積層B)
上述の有機無機積層成膜装置Guardian200を用い、有機層と無機層を積層した。この装置は、有機層および無機層とも減圧環境下で成膜を行い、且つ有機層と無機層の成膜チャンバーが連結しているので、減圧環境下で連続成膜することが可能である。そのため、バリア層が完成するまで大気に開放されることがない。
Figure 2009094049
[3]有機EL素子の作製
上記で作製したガスバリアフィルムを真空チャンバー内に導入し、ITOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚み0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成した。この基板をシュウ酸水溶液(pKa=1.04)でエッチングを行い、ITO膜を有するガスバリアフィルムを洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。得られた基板(陽極)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
(第2正孔輸送層)
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
(発光層兼電子輸送層)
トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
最後にフッ化リチウムを1nm、金属アルミニウムを100nm順次蒸着して陰極とし、その上に厚さ3μm窒化珪素膜を平行平板CVD法によって付け、有機EL素子を作製した。
[4]封止用ガスバリアフィルムの前処理
上記で作製したガスバリアフィルム(電極を設けていないもの)を以下の工程により前処理した。
[4−1]洗浄工程
ガスバリアフィルムを、中粘着力シート(EC−315、スミロン製、粘着力1.3N/20mm対ガラス板)或いは弱粘着シート(EC−310、スミロン製、粘着力0.8N/20mm対ガラス板)と貼り合わせ剥離した。続いて、ガスバリアフィルムを真空チャンバーに入れ、酸素ガスを導入して真空度を約6Paに調整し、RF電力20WのRFプラズマ装置(RFX−500、アドバンスドエナジー製)で2分間処理した。
[4−2]乾燥工程
洗浄されたガスバリアフィルムを80℃1時間乾燥したのち、10-2Pa以下の条件で10時間保持した。
[5]有機EL素子上へのガスバリア層の設置
熱硬化型の接着剤(エポテック310、ダイゾーニチモリ(株))を用いて、上記の洗浄と乾燥処理を施したガスバリアフィルムと有機EL素子基板を、該ガスバリアフィルムのガスバリア層が有機EL素子の側となるように貼り合せ、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させた。このようにして封止された有機EL素子(試料No.201〜203)を各20素子ずつ作製した。この素子は基板と封止フィルムの双方とも樹脂を主体としているため、フレキシブルであった。
[6]有機EL素子発光面状の評価
作製直後の有機EL素子(試料No.201〜203)をソースメジャーユニット(SMU2400型、Keithley社製)を用いて7Vの電圧を印加して発光させた。顕微鏡を用いて発光面状を観察したところ、いずれの素子もダークスポットの無い均一な発光を与えることが確認された。
次に各素子を60℃・相対湿度90%の暗い室内に24時間静置した後、発光面状を観察した。直径300μmよりも大きいダークスポットが観察された素子の比率を故障率と定義し、各素子の故障率を表2に示した。
(比較例1)
実施例1においてエッチング液をシュウ酸水溶液の代わりに塩酸水溶液(pKa=−6)を用いる以外は実施例1と同様にして有機EL素子(試料No.301〜303)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果、ダークスポットの発生に関し、発光面全体にダークスポットが見多数見られる状態であった。また、故障率については、表2に示した。
Figure 2009094049
上記結果より、本発明のパターニング方法を用いて作製した基板を用いた有機EL素子は、高い性能を有することが確認された。

Claims (6)

  1. 少なくとも1つの有機領域と、少なくとも1つの無機領域とからなるガスバリア層を有する表示素子用基板のパターニング方法であって、ウェットエッチングを行い、かつ、該エッチングに、弱酸または弱塩基のエッチング液を用いることを特徴とする表示素子用基板のパターニング方法。
  2. 前記エッチング液に含有される弱酸あるいは弱塩基のpKaが0.5〜10の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のパターニング方法。
  3. 前記エッチング液は、シュウ酸、酢酸、炭酸およびリン酸、ならびにこれらの2種以上の混合液から選択される、請求項1または2に記載のパターニング方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターニング方法を用いてパターニングしたことを特徴とする、表示素子用基板。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターニング方法を用いて基板をパターニングすることを含む、表示素子の製造方法。
  6. 請求項5に記載の方法により製造された表示素子。
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