本発明の実施の一形態を図1ないし図14に基づいて説明する。
図1は、システム全体の構成を示すブロック図である。本実施の形態のシステムは、スーパーマーケット等の店舗での使用に適したPOSシステムである。本システムは、本部Hに設置されるホストコンピュータ11と個々の店舗Sに設置されるストアサーバ101及び商品販売データ処理装置としてのPOS端末151とが通信回線網51を介してデータ送受信自在に接続されて構築されている。そのために、本部Hには通信回線網51に接続してデータ通信を司る本部WEBサーバ12が設置され、この本部WEBサーバ12とホストコンピュータ11とが構内ネットワーク13を介して相互にデータ送受信自在に接続されている。また、店舗Sでは、通信回線網51に接続しているストアサーバ101とPOS端末151とが構内ネットワーク153を介して相互にデータ送受信自在に接続されている。
ここで、本部Hに設置されているホストコンピュータ11及び個々の店舗Sに設置されているストアサーバ101には、ある商品等(商品又は商品群)を基本として、この商品等と同時に売り上げられた商品等との併売関係を表示するようにした併売関係表示用のコンピュータプログラムがインストールされている。これにより、それらのホストコンピュータ11及びストアサーバ101は、商品等における併売関係を表示する併売関係表示装置として機能する。以下、ストアサーバ101を例に挙げて、併売関係表示装置について説明する。併売関係表示装置としての機能を考慮すると、ホストコンピュータ11もストアサーバ101も変わる点がないので、ホストコンピュータ11の説明は省略する。
図2は、ストアサーバ101の電気的接続のブロック図である。図2に示すように、ストアサーバ101には、情報処理を実行する情報処理部としてマイクロコンピュータ102が備えられており、このマイクロコンピュータ102が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ102は、各部を集中的に制御するCPU103に、バスライン104を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM105と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM106とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ102は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。なお、図2では、CPU103、ROM105及びRAM106を単一構成物として表示しているが、これらのCPU103、ROM105及びRAM106は、複数の固体に分割されて構成されていてもよい。特に、RAM106として表示している構成物は、少なくとも、ワークエリアとして用いられるチップと画像メモリを構成するチップとを含んでいる。
マイクロコンピュータ102には、バスライン104を介してI/OインターフェースIF1及び通信インターフェースIF2が接続されている。そして、I/OインターフェースIF1には、入力コントローラ107、ビデオコントローラ108及び記憶装置としてのHDD109が接続されている。通信インターフェースIF2は、マイクロコンピュータ102を構内ネットワーク153へ接続させ、POS端末151とストアサーバ101との間の相互のデータ通信を可能とする。この意味で、通信インターフェースIF2は、外部機器である本部Hに設置されているホストコンピュータ11、商品販売データ処理装置であるPOS端末151との間でデータを送受信するデータ送受信部としての機能を提供する。
入力コントローラ107には、入力部としてのキーボードやマウス等の入力デバイス110が接続されている。入力コントローラ107は、入力デバイス110からの入力信号をマイクロコンピュータ102に取り込む。
ビデオコントローラ108には、表示部としての液晶ディスプレイ111が接続されている。図2中では、「液晶ディスプレイ」を「LCD」と略称している。ビデオコントローラ108は、画像データに基づいて液晶ディスプレイ111を駆動制御し、画像データに応じた画像を液晶ディスプレイ111に表示させる。
HDD109には、プログラムエリアPAとデータ蓄積エリアDAとが設けられている。プログラムエリアPAには、OS(オペレーティングシステム)及びコンピュータプログラム等がインストールされている。コンピュータプログラムには、ある商品等(商品又は商品群)を基本として、この商品等と同時に売り上げられた商品等との併売関係を表示するようにした併売関係表示用のコンピュータプログラムが含まれている。また、データ蓄積エリアDAには、商品マスタデータ、店員マスタデータ、顧客マスタデータ、メタ画像データ等、POS端末151による商品販売データ処理を支援するための各種のデータや各種分析等に使用するための各種のデータ等が蓄積されている。このようなデータ蓄積エリアDAに蓄積されるデータの一部として、ストアサーバ101が併売関係表示装置として機能する場合に用いられる併売ファイル121(図3参照)及びイベントファイル122(図4参照)がデータ蓄積エリアDAに格納されている。プログラムエリアPAに記憶されているOS、コンピュータプログラム等は、ストアサーバ101の起動時やその後にその全部又は一部がRAM106にコピーされてCPU103にアクセスされる。また、必要に応じて、データ蓄積エリアDAに蓄積されている各種のデータの全部又は一部もRAM106にコピーされてCPU103にアクセスされる。CPU103は、こうしてコピーされたOS及びコンピュータプログラムに従った処理を実行する。
図3(a)は併売ファイル121の一例を示す模式図、図3(b)は併売ファイル121の別の一例を示す模式図である。併売ファイル121には、商品又は商品群である基礎対象物を特定する基礎コード121aに対応させて、当該基礎対象物の名称121bと、当該基礎対象物と同時に売り上げられた商品又は商品群である併売対象物を特定する併売コード121cと、併売対象物の名称121dと、序列付け可能な付加情報121eと、基礎対象物と併売対象物との間の相関の程度の高低を示す相関度121fとが記憶されている。
図3(a)は、基礎コード121a及び併売コード121cに商品コードが記録されている場合の一例を示している。商品コードは、個々の商品を特定するコードである。したがって、基礎対象物の名称121b及び併売対象物の名称121dには、商品コードによって特定される商品の品名、例えば、「豆腐」や「ウィンナー」等のような品名が記録されている。この場合、基礎コード121aによって特定される商品に対応する併売商品が複数ある場合には、同一の基礎コード121a毎に個々の併売コード121cが設定されている。付加情報121eとしては、個々の商品の購入者数及び併売回数が記録されている。この場合の購入者数は、基礎コード121aによって特定される商品の購入者数と、併売コード121cによって特定される商品の購入者数との両者が付加情報121eとして記録されている。相関度121fとしては、支持度、信頼度及びリフト値(それぞれの内容については後述する)が記録されている。
図3(b)は、基礎コード121a及び併売コード121cとして、商品コードのみならずその商品の区分を示す商品クラスコードも記録されている一例を示している。商品クラスコードは、個々の商品が属する区分を特定するコードである。したがって、基礎対象物の名称121b及び併売対象物の名称121dには、商品コードによって特定される商品の品名、例えば、「えのき茸200g」や「キュウリ」等のような品名ばかりでなく、「えのき茸200g」が属するクラスの商品クラス名である「エノキ類」や「キュウリ」が属するクラスの商品クラス名である「きゅうり類」といったクラスが記録されている。この場合、基礎コード121aによって特定される商品又は商品群に対応する併売商品又は商品群が複数ある場合には、同一の基礎コード121a毎に個々の併売コード121cが設定されている。付加情報121eとしては、個々の商品の購入者数及び併売回数が記録されている。この場合の購入者数は、基礎コード121aに含まれている商品コードによって特定される商品の購入者数と、併売コード121cに含まれている商品コードによって特定される商品の購入者数との両者が付加情報121eとして記録されている。相関度121fとしては、支持度、信頼度及びリフト値(それぞれの内容については後述する)が記録されている。
ここで、前述した支持度、信頼度及びリフト値について説明する。支持度は、基礎コード121aで特定される商品等と併売コード121cで特定される商品等との併売回数を全買物客数で割った値である。信頼度は、基礎コード121aで特定される商品等と併売コード121cで特定される商品等との併売回数を基礎コード121aで特定される商品等の購入者数で割った値である。リフト値は、基礎コード121aで特定される商品等を購入した顧客の中で併売コード121cで特定される商品等を購入した顧客の割合を、全買物客の中で併売コード121cで特定される商品等を購入した顧客の割合で割った値である。このような支持度、信頼度、リフト値は、基礎コード121aで特定される商品等と併売コード121cで特定される商品等との間の相関を表す値であり、値が高いほど両者の併売関係が強いといえる。
以上説明した併売ファイル121は、商品又は商品群である基礎対象物を特定する基礎コード121aに対応させて、当該基礎対象物の名称121bと、当該基礎対象物と同時に売り上げられた商品又は商品群である併売対象物を特定する併売コード121cと、そのような併売対象物の名称121dと、基礎対象物と併売対象物との間の相関の程度の高低を示す相関度121fと、を定義する併売情報として機能する。このような併売情報としての併売ファイル121は、イベント毎に1ファイル構成とされている。ここでの「イベント」は、日付とイベント種類とによって特定される。イベント種類には、イベントなしも含まれている。図3(a)には、「2007年7月10日、大崎店、イベントなし」という併売ファイル121と、「2007年7月9日、大崎店、特売日」という併売ファイル121とが例示されている。また、図3(b)には、「2007年7月12日、大崎店、イベントなし」という併売ファイル121が例示されている。これらの個々の併売ファイル121は、ファイル名を識別コードとして管理されている。そこで、個々の併売ファイル121の集合は、ファイル名である識別コードで管理される併売データベースとしてHDD109のデータ蓄積エリアDAに記憶保存されている。
以上説明したように、併売ファイル121は日付を含むイベント毎に1ファイル構成とされている。このため、個々の併売ファイル121に記録されている付加情報121eと相関度121fとの値は、1店舗の1日分のデータを集計したものとなる。つまり、付加情報121e及び相関度121fの値は、イベントを定義付ける期間のデータを集計したものとなる。したがって、付加情報121e及び相関度121fの値は、イベントを定義付ける期間が、一例として1週間である場合には1週間分のデータを集計した値となり、別の一例として半日である場合には半日分のデータを集計した値となる。
図4は、イベントファイル122の一例を示す模式図である。イベントファイル122は、イベント122aに対応させて併売情報としての併売ファイル121の識別コードをレコードとするリンク情報122bを定義している。
イベント122aは、日付とイベント種類とによって特定される。「日付」は、Y(year)M(month)D(day)+曜日からなるデータである。「イベント種類」は、イベントの種類を特定するデータである。イベントの種類は、一例として、特売、キャンペーン等のような個々の店舗に固有のイベントの他、前述したようにイベントなしという種類も含まれている。更に、正月、節分、桃の節句、お彼岸、端午の節句、七夕、お盆、お中元、お月見等のような伝統的な祭事、神社仏閣での縁日、お祭り、花火大会等のような地域的な行事等をイベント種類として定義しても良い。
リンク情報122bは、個々の併売ファイル121の識別コード、つまりファイル名に対するパスをレコードとしている。したがって、イベント122aのレコードを特定することで、イベントファイル122を用いて個々の併売ファイル121を検索することができる。
図5は、併売関係表示処理の流れを示すフローチャートである。マイクロコンピュータ102のCPU103は、HDD109のデータ蓄積エリアDAにインストールされている併売関係表示用のコンピュータプログラムに従い、図5に示す処理を実行する。CPU103は、併売関係表示用のコンピュータプログラムが起動すると、この併売関係表示用のコンピュータプログラムの全部又は一部と、図3に示す併売ファイル121の全部又は一部と、図4に示すイベントファイル122とをHDD109からRAM106にコピーする。この状態で、併売関係表示用のコンピュータプログラムの処理がCPU103に実行される。その結果、CPU103は、液晶ディスプレイ111の表示領域111aに併売表示画面Aの初期画面を表示する(ステップS11)。
図7(a)は、併売表示画面Aの一例として、初期画面表示例を示す模式図である。併売表示画面Aは、基礎対象物表示領域A1と併売対象物表示領域A2とを情報表示領域として有し、凡例表示領域A3のための領域を確保し、更に、第1のイベント入力欄A4と第2のイベント入力欄A5とを情報入力欄として有している(図8も参照のこと)。但し、併売表示画面Aの初期画面(図7(a)参照)及び後述する基礎画面(図7(b)参照)では、第2のイベント入力欄A5は表示されない。
基礎対象物表示領域A1は、液晶ディスプレイ111の表示領域111aの一部である左側領域に配置され、基礎対象物の名称を表示する。つまり、図3に示す併売ファイル121中に記録されている基礎対象物の名称121bのレコードを表示する。この場合、基礎対象物の名称121bのレコードは、カテゴリー分類されて表示される。
併売対象物表示領域A2は、液晶ディスプレイ111の表示領域111aの別の一部である中央領域に配置され、基礎対象物表示領域A1に表示されている基礎対象物のうち選択された基礎対象物に対して併売関係にある併売対象物の名称を表示する。つまり、図3に示す併売ファイル121中に記録されている併売対象物の名称121dのレコードを表示する。
凡例表示領域A3は、液晶ディスプレイ111の表示領域111aの別の一部である右側領域に配置されている。
第1のイベント入力欄A4は液晶ディスプレイ111の表示領域111a上方位置に配置され、第2のイベント入力欄A5はその直ぐ下方位置に配置されている(図8参照)。これらの第1のイベント入力欄A4及び第2のイベント入力欄A5は、共に、イベント種類と日付とをプルダウンメニューから別個独立に入力できるようにされたオブジェクトである。
図5に示すフローチャートの説明に戻る。併売表示画面Aの初期画面では、まず、第1のイベント入力欄A4のうち、イベント種類の入力欄のみが表示され、日付の入力欄は表示されない(ステップS11)。そこで、第1のイベント入力欄A4中のイベント種類の入力欄に対して、ユーザが入力デバイス110の操作によって所望のイベント種類をプルダウンメニューから選択入力すると、CPU103はその旨を判定し(ステップS12のY)、第1のイベント入力欄A4に日付の入力欄を出現させる(ステップS13)。そこで、第1のイベント入力欄A4中の日付の入力欄に対して、ユーザが入力デバイス110の操作によって所望の日付をプルダウンメニューから選択入力すると、CPU103はその旨を判定し(ステップS14のY)、第1の併売情報を取得するための処理を実行する(ステップS15)。つまり、第1のイベント入力欄A4に入力された日付及びイベント種類によってイベントが特定されることから、イベントファイル122を検索することで、特定されたイベントに対応付けられている併売ファイル121を取得することができる。より詳細には、CPU103は、イベントファイル122中のイベント122aのレコードを検索することで上記特定されたイベントと同一のイベントレコードを抽出することができ、この抽出されたイベントレコードに対応付けられているリンク情報122bのレコードから対応する併売ファイル121を取得することができる。
次いで、CPU103は、ステップS15で取得した併売ファイル121に記録されている基礎対象物を分類する(ステップS16)。分類は、一例として、基礎コード121aに記録されているレコードを700番台、800番台、900番台等に分けることによって実行される。この際、図3(a)に例示するような併売ファイル121が用いられる場合には、基礎コード121aである商品コードのレコードに応じて分類がなされる。これに対して、図3(b)に例示するような併売ファイル121が用いられる場合には、基礎コード121aである商品クラスコードのレコードに応じて分類がなされる。この意味で、併売ファイル121には、基礎コード121a毎に当該基礎コード121aに対応する基礎対象物の区分が記録されていることになる。
次いで、CPU103は、ステップS16で分類した基礎対象物にカテゴリー名をつける(ステップS17)。カテゴリー名は、一例として、600番台は「野菜」、700番台は「肉類」、800番台は「一般食品」というように付される。
その後、CPU103は、ステップS15で取得した併売ファイル121中の基礎対象物の名称121bのレコードとステップS17で付したカテゴリー名とを用いて、液晶ディスプレイ111に表示されている併売表示画面Aを基礎画面に遷移させる(ステップS18)。この際、CPU103は、基礎画面を液晶ディスプレイ111に表示するための処理のみならず、基礎画面に入力デバイス110によって選択指定可能なオブジェクトとして表示されている各種のオブジェクトが入力デバイス110によって選択指定された場合の処理をも実行する。
図7(b)は、併売表示画面Aの一例として、基礎画面表示例を示す模式図である。基礎画面では、基礎対象物表示領域A1に、併売ファイル121に記録されている基礎対象物が、ステップS16の処理によって分類された体系に従い、ステップS17の処理によって付されたカテゴリー名を親ノードとしてツリー形式で一覧表示されている。そして、親ノードに対する子ノードは、図3(a)に示す併売ファイル121が記憶する基礎対象物の名称121b中の商品名のレコード又は図3(b)に示す併売ファイル121が記憶する基礎対象物の名称121b中の商品クラス名のレコードである。併売ファイル121として図3(b)に示す併売ファイル121が参照される場合、基礎対象物の名称121b中の商品クラス名のレコードである子ノードの更に子ノードとして、基礎対象物の名称121b中の商品名のレコードも表示される。このような階層表示は、個々のノードの左側に隣接表示される+マーク又は−マークによってより一層効率的に表示される。つまり、基礎対象物表示領域A1中の+マークは対応するノードの子ノードの名称を一覧表示すべき指示を入力デバイス110に許容するオブジェクトであり、−マークは対応するノードの一覧表示済みである子ノードの名称表示を停止すべき指示を入力デバイス110に許容するオブジェクトである。図7(b)に示す一例では、「野菜」、「果物」、「肉類」、「お菓子」、「食品」、「魚介類」、「日配品」、「その他」という八種類の親ノードが表示され、「野菜」については、「エノキ類」、「シメジ類」、「キャベツ類」、…という複数の子ノードも表示されている状態が示されている。「野菜」という親ノードに対する子ノードの表示は、「野菜」という親ノードに対応付けられている+マークが入力デバイス110によって選択指定された結果である。そして、図7(b)に示す一例では、「野菜」という親ノードに対する「エノキ類」、「シメジ類」、「キャベツ類」、…という複数の子ノードに対応付けて+マークが表示されているので、子ノードである「エノキ類」、「シメジ類」、「キャベツ類」、…には、更に子ノードが設定されていることになる。このような+マーク及び−マークの選択指定に基づく作用があることも手伝って、基礎対象物表示領域A1には、図5のフローチャート中のステップS17の処理によって付されたカテゴリー名を親ノードとする子ノードとして、基礎対象物の名称を認識理解し易い形態で一覧表示することができる。
ここで、基礎対象物表示領域A1に子ノードとして表示される基礎対象物の名称121bは、これに対応する基礎コード121aに対応付けられている序列付け可能な情報である付加情報121e中の購入者数のレコードに従い、一例として、購入者数が多い順序で表示される。
更に、図7(b)に示す一例では、「キャベツ類」という基礎対象物には「特売対象商品」という付記表示がなされている。この付記表示は、斜体や赤色等の目立つ表示とすることが望ましい。このような付記表示は、図3中の併売ファイル121には図示されていないが、併売ファイル121中、基礎コード121aに対応するレコードとして記録しておくことで、容易に表示可能である。
併売対象物表示領域A2は、前述したように、基礎対象物表示領域A1に表示されている基礎対象物のうち、いずれか一つ以上の基礎対象物が選択指定された場合に、その併売対象物を表示するために確保されている領域である。基礎画面は、そのような基礎対象物表示領域A1に表示されている基礎対象物の選択指定が未だになされていない場合に表示される画面なので、基礎画面では、併売対象物表示領域A2はブランク表示状態となっている。
凡例表示領域A3は、併売対象物表示領域A2の区分された領域の表示色である背景色についての凡例をユーザに提供している。つまり、併売対象物表示領域A2は、ここに表示される併売対象物のカテゴリーに応じて異なる背景色で表示される(詳しくは後述する)。そこで、凡例表示領域A3には、そのような異なる背景色とカテゴリーとの関係を凡例として示し、ユーザの理解を助けるようにしている。
図5に示すフローチャートの説明に戻る。
CPU103は、ステップS18での基礎画面の表示として、ステップS16での分類に応じた体系で基礎画面を表示する。この意味で、CPU103は、併売ファイル121に記録されている基礎対象物の区分に応じて、基礎対象物の名称を分類表示していることになる。この場合の併売ファイル121に記録されている基礎対象物の区分というのは、図3(a)に示す併売ファイル121中の基礎コード121aに含まれている商品コードのレコードに含まれている区分情報、図3(b)に示す併売ファイル121中の基礎コード121aに含まれている商品クラスコードのレコードに含まれている区分情報である。
また、CPU103は、ステップS18での基礎画面の表示に際して、子ノードとして表示する商品名又は商品クラス名を序列付け表示、つまりソート表示するようにしても良い。一例として、CPU103は、併売ファイル121中の付加情報121eに含まれている購入者数や併売回数の多い順に子ノードとして表示する商品名又は商品クラス名をソート表示する。
更に、CPU103は、子ノードとして表示する基礎対象物としての商品名又は商品クラス名を、入力デバイス110によって選択指定可能なオブジェクトとして表示している。そこで、CPU103は、ステップS18に続く処理として、基礎対象物表示領域A1に表示されている基礎対象物が入力デバイス110によって選択指定されたかどうかを判定する(ステップS19)。この場合の基礎対象物は、入力デバイス110によって選択指定可能なオブジェクトとして子ノードとして表示されている商品クラス名又は商品名である。つまり、ステップS19の処理は、併売関係を表示したい基礎となる商品等の選択があったかどうかを判定する処理である。
CPU103は、基礎対象物表示領域A1に表示されている基礎対象物の選択を判定すると(ステップS19のY)、併売対象物の表示処理を実行する(ステップS20)。これに対して、CPU103は、基礎対象物の選択を判定しないまま終了指定を判定すると(ステップS19のN、ステップS21のY)、処理を終了する。
図6は、図5のステップS20における併売関係表示処理の流れをより詳細に示すフローチャートである。CPU103は、基礎対象物表示領域A1に表示されている基礎対象物の選択を判定すると(図5中のステップS19のY)、図5中のステップS20の併売対象物の表示処理として、まず、併売対象物を抽出して取得する(ステップS201)。つまり、CPU103は、図5のフローチャート中のステップS18で実行する基礎画面の表示処理として、基礎対象物の名称121bのレコードが反映される子ノードを入力デバイス110によって選択指定可能なオブジェクトとして表示している。この場合、CPU103のプロセス処理の内容を規定する併売関係表示用のプログラムは、子ノードに対応する基礎対象物の基礎コード121aをリンク付けている。したがって、CPU103は、入力デバイス110によって所望の子ノードが選択指定されると、これにリンクする基礎コード121aに対応付けられている併売対象物を特定する併売コード121c及び併売対象物の名称121dを抽出し取得することができる。これが、ステップS201での併売対象物を抽出して取得する処理である。
CPU103は、ステップS201で併売対象物を抽出して取得した後、その取得した併売対象物の名称を併売対象物表示領域A2に表示する(ステップS206)。この際、CPU103は、取得した併売対象物を単に網羅的かつ羅列的に表示するわけではなく、工夫を凝らした態様で表示を行なう。ステップS201での併売対象物の取得処理とステップS206での取得した併売対象物の表示処理との間で実行されるステップS202〜ステップS205の処理は、そのような工夫を凝らした表示のために必要な処理である。以下、図8に基づいて併売対象物表示領域A2の表示内容に凝られている工夫の内容を説明した後、そのような工夫を凝らすためにCPU103が実行するステップS202〜ステップS205の処理について説明する。
図8は、併売表示画面Aの一例として、併売対象物が表示されている状態を示す模式図である。併売表示画面Aでは、基礎画面ではブランク表示であった併売対象物表示領域A2に、併売対象物が表示されている。図8に示す例では、基礎対象物表示領域A1に表示されている基礎対象物として「キャベツ類」が選択指定された結果として、「人参類」、「玉葱類」、「レタス類」及び「焼そば」が併売対象物として抽出され、併売対象物表示領域A2に表示されている一例を示している。
ここで着目すべきは、併売対象物表示領域A2の背景が二分割され、それぞれの領域の背景色が異なる色にされ、背景にはリフト値が表示されており、その上で、基礎対象物から抽出された個々の併売対象物がそれぞれ意味付けされた位置に配置されていることである。
つまり、併売対象物表示領域A2の背景の分割は、そこに表示される併売対象物が属するカテゴリーを意味している。分割された個々の領域の背景色が何を意味するのかについては、凡例表示領域A3に示されている背景色と併売対象物が属するカテゴリーとの対応関係によって一目瞭然である。例えば、「野菜」のカテゴリーは青、「肉類」のカテゴリーは茶色、「一般食品」のカテゴリーは赤等のように色別分類表示される。このようなカテゴリーと表示色との関係は、HDD109にインストールされている併売関係表示用のコンピュータプログラムに含まれているカテゴリーと表示色との対応関係を定義する色定義に応じて決定される。なお、併売対象物表示領域A2に表示すべき併売対象物が属する全てのカテゴリーが単一である場合には、背景の領域分割表示はなされない。
このような併売対象物表示領域A2の背景上に表示される併売対象物は、それぞれ対応する位置に配置される。つまり、「人参類」、「玉葱類」及び「レタス類」という併売対象物は「野菜」に属するので、「野菜」のカテゴリーを示す領域(左側領域)に表示される。「焼そば」という併売対象物は「一般食品」に属するので、「一般食品」のカテゴリーを示す領域(右側領域)に表示される。この場合に重要なことは、個々の併売対象物が配置される上下方向(Y座標方向)の位置である。併売対象物表示領域A2において、Y座標はリフト値を示している。この場合のリフト値は、図3に示す併売ファイル121の相関度121fの一つとして記録されているリフト値である。このようなリフト値は、基礎対象物表示領域A1に表示されている基礎対象物に対する関連性の高さを示す値として採用されている。図8には、5.0というリフト値と10.0というリフト値とが予め線表現で示されており、「人参類」は10.0に程近い位置に、「玉葱類」は5.0と10.0との中間程度の位置に、「レタス類」は5.0よりも僅かに低い位置に、「焼そば」は10.0に程近い位置にそれぞれ表示されている。そこで、図8に示す一例では、基礎対象物表示領域A1に表示されている「キャベツ類」という基礎対象物に対する個々の併売対象物の関連性の高さとして、「人参類」及び「焼そば」が最も高く、次いで「玉葱類」、「レタス類」という順であることが分かる。このように、併売対象物表示領域A2の背景上に表示される併売対象物については、その配置位置をみるだけで、どのカテゴリーに属しているのか、リフト値という指標で表現されている基礎対象物との間の関連性の高さはどの程度なのか、ということが、一目瞭然である。
ここで、本実施の形態では、基礎対象物に対する併売対象物の関連性の高さとして、図3に示す併売ファイル121中の相関度121fに含まれているリフト値を用いている。つまり、併売対象物のY軸方向の表示位置は、そのリフト値に応じた位置に設定される。これに対して、相関度121fに含まれている信頼度又は支持度を用いて併売対象物のY軸方向の表示位置を決定するようにしても良い。
あるいは、実施に当たっては、相関度121fに含まれている信頼度、支持度、リフト値の大きさに応じて、併売対象物表示領域A2に表示する併売対象物の表示フォントを変更するようにしても良い。この場合の変更は、表示フォントの大きさ、線の太さ、種類等である。
図6に示すフローチャートの説明に戻る。ステップS202〜ステップS205の処理について説明する。
CPU103は、ステップS201で抽出した併売対象物をその区分に応じてカテゴリー分類する(ステップS202)。カテゴリー分類は、一例として、併売コード121cに記録されているレコードを700番台、800番台、900番台等に分けることによって実行される。一例として、700番台は「野菜」というカテゴリー、800番台は「肉類」というカテゴリー、900番台は「一般食品」というカテゴリーに分けられる。この際、図3(a)に例示するような併売ファイル121が用いられる場合には、併売コード121cである商品コードのレコードに応じて分類がなされる。これに対して、図3(b)に例示するような併売ファイル121が用いられる場合には、併売コード121cである商品クラスコードのレコードに応じて分類がなされる。この意味で、併売ファイル121には、併売コード121c毎に当該併売コード121cに対応する併売対象物の区分が記録されていることになる。
図9は、併売表示画面Aに併売商品をカテゴリー別に表示する手法について説明するための模式図である。図9に示すのは、液晶ディスプレイ111の表示領域に表示される併売表示画面A中の併売対象物表示領域A2の表示座標である。一例として、併売表示画面Aは、横幅(X軸方向の長さ)が1200である。そこで、一例として、併売対象物表示領域A2にカテゴリー分類が700番台の「野菜」と800番台の「肉類」と900番の「一般食品」とにそれぞれ属する複数の併売対象物が表示される場合には、併売対象物表示領域A2の表示座標を横幅(X軸方向の長さ)が400である三つの領域に分割する。
図6に示すフローチャートの説明に戻る。
CPU103は、ステップS202での併売対象物のカテゴリー分類処理に続き、図9に基づいて説明した手法を用いて併売対象物表示領域A2の表示座標を横幅方向に分割する(ステップS203)。
そして、CPU103は、分割した表示領域の背景を色分けする(ステップS204)。この場合の背景色は、ステップS202で分類したカテゴリーに応じた色であり、凡例表示領域A3に示されている定義に適合させた色である。例えば、「野菜」のカテゴリーは青、「肉類」のカテゴリーは茶色、「一般食品」のカテゴリーは赤等である。
次いで、CPU103は、ステップS201で抽出し取得した併売対象物の表示座標を決定する(ステップS205)。この決定は、個々の併売対象物について、X座標とY座標とを決定することによって実行される。X座標は、個々の併売対象物が属するカテゴリーを意味している。Y座標は、個々の併売対象物についてのリフト値を意味している。
その後、CPU103は、ステップS205で決定した表示座標の位置に合わせて、ステップS201で抽出し取得した併売対象物を併売対象物表示領域A2に表示する(ステップS206)。その結果、図8に例示するような表示がなされる。
そして、CPU103は、図5のフローチャート中のステップS15で取得した併売ファイル121に記録されている基礎対象物の表示色を変更する(ステップS207)。つまり、CPU103は、その基礎対象物が属すべきカテゴリーを図3に示す併売ファイル121を検索して取得し、そのカテゴリーの色として併売関係表示用のコンピュータプログラムに定義されている表示色に基礎対象物の表示色を変更する。
更に、図8に示すように、併売対象物の表示処理(図5中のステップS20の処理、図6に示す処理)が実行されたならば、併売表示画面A中には第2のイベント入力欄A5も表示される。この際、第2のイベント入力欄A5が全て表示されるわけではなく、当初は、イベント種類の入力欄のみが表示される。
図10は、第2のイベントが入力された場合の処理の流れを示すフローチャートである。CPU103は、併売対象物の表示処理(図5のフローチャート中のステップS20の処理、図6のフローチャートに示す処理)の実行後、図10に示す処理を実行する。図10に示す処理では、まず、併売表示画面A中の第2のイベント入力欄A5に対して、ユーザが入力デバイス110の操作によって所望のイベント種類をプルダウンメニューから選択入力すると、CPU103はその旨を判定し(ステップS301のY)、第2のイベント入力欄A5に日付の入力欄を出現させる(ステップS302)。そこで、第2のイベント入力欄A5中の日付の入力欄に対して、ユーザが入力デバイス110の操作によって所望の日付をプルダウンメニューから選択入力すると、CPU103はその旨を判定し(ステップS303のY)、第2の併売情報を取得するための処理を実行する(ステップS304)。つまり、第2のイベント入力欄A5に入力された日付及びイベント種類によってイベントが特定されることから、イベントファイル122を検索することで、特定されたイベントに対応付けられている併売ファイル121を取得することができる。より詳細には、CPU103は、イベントファイル122中のイベント122aのレコードを検索することで上記特定されたイベントと同一のイベントレコードを抽出することができ、この抽出されたイベントレコードに対応付けられているリンク情報122bのレコードから対応する併売ファイル121を取得することができる。
次いで、CPU103は、ステップS304で取得した併売ファイル121に併売対象物が記録されているかどうかを判定する(ステップS305)。つまり、図5中のステップS15で第1の併売情報として取得した併売ファイル121から図5中のステップS19で選択された基礎対象物を基準として、ステップS304で第2の併売情報として取得した異なる併売ファイル121中にその基準となる基礎対象物と同一の基礎対象物に対する併売対象物が記録されているかが判定される。より具体的には、図8に示す併売表示画面Aでは、基礎対象物表示領域A1から「キャベツ類」が選択され、その併売対象物である「人参類」、「玉葱類」、「レタス類」及び「焼そば」が併売対象物表示領域A2に表示されている。そこで、この状態で第2のイベントが入力されて第2の併売情報として新たな併売ファイル121が取得されたならば(図10中のステップS301〜ステップS304)、その新たな併売ファイル121中の「キャベツ類」という基礎対象物の名称121bにリンクしている基礎コード121aに対応付けられている併売コード121cが検索される。その結果、第2の併売情報として取得された新たな併売ファイル121でも「キャベツ類」という基礎対象物に対応する併売コード121cにレコードが記録されていたならば、換言すると併売対象物が記録されていたならば、図10中のステップS305では、ステップS304で取得した併売ファイル121に併売対象物が記録されていると判定する(ステップS305のY)。
次いで、CPU103は、ステップS304で取得した新たな併売ファイル121に併売対象物が記録されていると判定したこと(ステップS305のY)を条件に、その併売ファイル121に記録されている併売対象物を分類する(ステップS306)。分類は、一例として、併売コード121cに記録されているレコードを700番台、800番台、900番台等に分けることによって実行される。この際、図3(a)に例示するような併売ファイル121が用いられる場合には、併売コード121cである商品コードのレコードに応じて分類がなされる。これに対して、図3(b)に例示するような併売ファイル121が用いられる場合には、併売コード121cである商品クラスコードのレコードに応じて分類がなされる。この意味で、併売ファイル121には、併売コード121c毎に当該併売コード121cに対応する併売対象物の区分が記録されていることになる。
次いで、CPU103は、図6中のステップS202で実行した第1の併売情報として取得した併売ファイル121中の併売対象物(第1の併売対象物と略称する)の分類と、図10中のステップS306で実行した併売対象物(第2の併売対象物と略称する)の分類とを比較する処理を実行する(ステップS307)。CPU103は、その場合の比較の結果を、第1の併売対象物と第2の併売対象物とが同じか第2の併売対象物の方が少ない場合と、第1の併売対象物と第2の併売対象物とが異なるか第2の併売対象物の方が多い場合と、の二種類に分ける。
CPU103は、ステップS307の比較処理の結果、第1の併売対象物と第2の併売対象物とが同じか第2の併売対象物の方が少ないと判定した場合、第2の併売対象物の表示位置を決定する(ステップS308)。つまり、CPU103は、ステップS306で実行した分類と併売ファイル121中の相関度121fとして記録されているリフト値の値とに基づいて第2の併売対象物の表示座標を決定する。そして、CPU103は、その表示座標位置に第2の併売対象物を表示する(ステップS309)。この際、第1の併売対象物と色を変えて第2の併売対象物を表示する。
図11は、併売表示画面Aの一例として、二種類のイベントに対応する併売対象物が表示されている状態の一例を示す模式図である。図11に示す併売対象物表示領域A2では、図8に示す併売対象物表示領域A2の表示と比較することで明らかなように、第1の併売対象物として元々表示されていた「人参類」、「玉葱類」、「レタス類」及び「焼そば」の他に、新たに「人参類」、「玉葱類」及び「焼そば」という第2の併売対象物が表示されている。図11に示す併売表示画面Aからは、第2の併売対象物には「レタス類」が含まれていなかったことが分かる。図11中、第1の併売対象物は右肩上がりのハッチングで、第2の併売対象物は右肩下がりのハッチングで、それぞれ示している。
これに対して、CPU103は、ステップS307の比較処理の結果、第1の併売対象物と第2の併売対象物とが異なるか第2の併売対象物の方が多いと判定した場合、併売対象物表示領域A2の背景でなされている分割状態を変更すべき場合が生ずる。そこで、CPU103は、ステップS308の処理を実行するに先立ち、ステップS310〜ステップS313の処理を実行する。つまり、第1の併売対象物と第2の併売対象物との双方の分類に合わせて表示領域を分割する処理を実行し(ステップS310)、分割した表示領域を色分けする(ステップS311)。そして、図5のステップS16で実行した分類と併売ファイル121中の相関度121fとして記録されているリフト値の値とに基づいて第1の併売対象物の表示座標を決定する(ステップS312)。そして、CPU103は、その表示座標位置に第1の併売対象物を表示する(ステップS313)。その後、CPU103は、ステップS308〜ステップS309の処理を実行する。
図12は、併売表示画面Aの一例として、二種類のイベントに対応する併売対象物が表示されている状態の別の一例を示す模式図である。図12に示す併売対象物表示領域A2では、背景が「野菜類」、「肉類」及び「一般食品」に三分割されている。これは、第2の併売対象物に「肉類」が含まれていた結果である。そして、図8に示す併売対象物表示領域A2の表示と比較することで明らかなように、第1の併売対象物として元々表示されていた「人参類」、「玉葱類」、「レタス類」及び「焼そば」の他に、新たに「人参類」、「玉葱類」、「レタス類」及び「焼そば」という第2の併売対象物が表示されている。これに加えて、「肉類」の分類領域には、「国産豚肉」が表示されている。図12中、第1の併売対象物は右肩上がりのハッチングで、第2の併売対象物は右肩下がりのハッチングで、それぞれ示している。
図10に示すフローチャートの説明に戻る。CPU103は、併売対象物表示領域A2に第2の併売対象物を表示する処理を実行した後(ステップS309)、処理の終了指定を判定するまで(ステップS314)、ステップS301にリターンし、ステップS301〜ステップS313の処理を繰り返す。したがって、第3以降のイベント入力欄を提供し、第3以降のイベント入力を実行できるようにすれば、第1の併売対象物と第2の併売対象物とに限らず、第3以降のイベントに対応するより多くの併売対象物を併売対象物表示領域A2に表示させることができる。
ここで、「イベント」に着目して、図11に示す併売表示画面Aと図12に示す併売表示画面Aとについて検討する。
図11に示す併売表示画面Aでは、第1のイベントのイベント種類として「特売日」が選択されており、第2のイベントのイベント種類は「イベントなし」が選択されている。第2のイベントは第1のイベントの二日後である。第1のイベントに対応する第1の併売対象物と第2のイベントに対応する第2の併売対象物とを比較すると、「キャベツ類」の併売対象物として、「人参類」、「玉葱類」及び「焼そば」が共通していることが分かる。この場合に重要なことは、第1の併売対象物と第2の併売対象物とで共通している「人参類」、「玉葱類」及び「焼そば」についてのリフト値を見ると、第2の併売対象物の方が下がっていることが一目瞭然であるという点である。この結果は、第1のイベントとしてキャベツ類の特売を行なった結果、「人参類」、「玉葱類」及び「焼そば」についての売れ行きが特売を行なわなかった第2のイベントよりも良好であった、ということを示している。
これに対して、図12に示す併売表示画面Aでは、第1のイベントのイベント種類として「特売日」が選択されており、第2のイベントのイベント種類としても「特売日」が選択されている。第2のイベントは第1のイベントの二日前である。第1のイベントに対応する第1の併売対象物と第2のイベントに対応する第2の併売対象物とを比較すると、「キャベツ類」の併売対象物として、「人参類」、「玉葱類」、「レタス類」及び「焼そば」が共通していることが分かる。この場合に重要なことは、第1の併売対象物と第2の併売対象物とで共通している「人参類」、「玉葱類」、「レタス類」及び「焼そば」についてのリフト値を見ると、「レタス類」を除いて第1の併売対象物と第2の併売対象物とがほぼ一致していることが一目瞭然であるという点である。この結果は、第1のイベントでも第2のイベントでもキャベツ類の特売を行なった結果、「人参類」、「玉葱類」及び「焼そば」についてはその売れ行きが共に良好であった、ということを示している。
図13は、表示されている併売対象物が選択指定された場合の処理の流れを示すフローチャートである。CPU103は、併売対象物の表示処理(図5のフローチャート中のステップS20の処理、図6のフローチャートに示す処理)の実行後、図10に示す処理に加えて、図13に示す処理も実行する。CPU103は、併売対象物表示領域A2中の併売対象物を、入力デバイス110によって選択指定可能なオブジェクトとして表示している。そこで、CPU103は、併売対象物表示領域A2に表示されている併売対象物が入力デバイス110によって選択指定されたかどうかを判定する(ステップS401)。
CPU103は、併売対象物表示領域A2に表示されている併売対象物が入力デバイス110によって選択指定されたと判定した場合(ステップS401のY)、リフト値の変化を表示するかどうかの選択を求める画面(図示せず)を併売表示画面Aに表示し、その選択入力の判定処理に待機する(ステップS402)。ここでいうリフト値の変化の表示というのは、図5中のステップS19で選択指定が判定された基礎対象物(併売対象物表示領域A2)に対する、ステップS401で選択指定された併売対象物の前後数日間のリフト値の変化をグラフ表示することを意味する(図14参照)。
そこで、CPU103は、リフト値の変化を表示するとの意思確認が取れたならば(ステップS402のY)、併売情報としての別の併売ファイル121からリフト値情報を取得する(ステップS403)。つまり、CPU103は、併売ファイル121を検索し、ステップS401で選択指定された併売対象物の名称121dのレコードにリンクする併売コード121cを取得する。そして、現在の併売ファイル121のファイル名に含まれている日付データからその併売ファイル121のレコードの日付を取得する。一例として、現在の併売ファイル121には、11月4日(土)のレコードが記録されているものとする(図14参照)。そこで、CPU103は、「予め決められた規則」の一例として、その前後3日間のレコードを記録する併売ファイル121をHDD109のデータ蓄積エリアDAから取得する。そして、同一の基礎コード121aに対応付けられた同一の併売コード121cを有する併売対象物のリフト値を上記取得した前後3日間の併売ファイル121に記録されている相関度121fから検索する。これが、ステップS403でのリフト値を取得する処理である。
CPU103は、既に取得済みである併売ファイル121とその前後3日間の併売ファイル121とからステップS401で選択指定ありを判定した併売対象物のリフト値を取得したならば(ステップS403)、X軸に日付をとりY軸にリフト値をとったグラフの生成処理を実行する(ステップS404)。つまり、そのようなグラフの画像データをRAM106に含まれている画像メモリに展開する。そして、CPU103は、こうして生成したグラフをポップアップ画面B(図14参照)として併売表示画面Aの上にポップアップ表示する(ステップS405)。
CPU103は、処理の終了が選択指定されるまで(ステップS406のY)、ステップS401〜405の処理を繰り返す。
図14は、表示されている併売対象物が選択指定された場合にポップアップ表示されるグラフの一例を示す模式図である。図14に示すポップアップ画面Bには、選択指定された併売対象物について、既に取得済みである併売ファイル121とその前後3日間の併売ファイル121とから取得したリフト値の変化が示されている。図14に示す一例では、11月3日(金)が特売日であることが示されている。これは、併売ファイル121中、個々の併売コード121cに対応させて特売日であるかどうか等の付記データを記録させておくことで、ポップアップ画面B中に容易に表示させることが可能である。そして、図14に示す一例では、特売日である11月3日(金)のリフト値が最も高く、特売効果が発生していることを確認することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、入力されたイベントに応じた併売情報を取得し、当該併売情報に定義されている基礎対象物の名称を基礎対象物表示領域A1に一覧表示するようにしたので、併売対象物に対する基本となる基礎対象物を、イベントという切口で容易に見つけ出すことができ、したがって、イベントをキーとする併売状況分析の容易化等を図ることができる。
また、併売対象物表示領域A2には、併売ファイル121に記録されている相関度121fに応じて、基礎対象物に対する併売対象物の相関の程度の高低を視覚的に表現する態様で併売対象物の名称を表示するようにしたので、基礎対象物に対する併売対象物の相関度をユーザに一見して把握させることができる。この場合、二以上のイベントに対応した併売対象物を併売対象物表示領域A2に同時に表示できるようにしたので、個々のイベントの効果の確認等をより一層容易に行なうことができる。しかも、基礎対象物表示領域A1に名称が表示されている基礎対象物の基礎コード121aに対応付けられている併売対象物の名称及びその区分を併売ファイル121から検索して取得し、取得した併売対象物の名称をその区分に応じて領域分けして併売対象物表示領域A2に表示するようにしたので、表示される併売対象物の数が増した場合であっても、より一層見やすく、例えば併売傾向を観念し易い表示を提供することができる。このような表示内容の見易さには、併売対象物表示領域A2において、併売対象物の名称を表示する表示領域をそれぞれ異なる表示色で表示するようにしたことも一役買っている。つまり、表示領域をそれぞれ異なる表示色で表示することで、併売対象物の分類をユーザに直感的に知らしめることができる。
本実施の形態では、装置内部に本発明を実施するための機能が予め記録されている場合を例に挙げて説明したが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記録する記録媒体から当該コンピュータプログラムを装置にインストールしても良い。記録媒体としては、CD−ROM等、コンピュータプログラムを記録でき、かつ、装置が読み取り可能な媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。また、このようにインストールやダウンロードにより得られる機能は、装置内部のOS(オペレーティングシステム)等と協働してその機能を実現させるものであっても良い。
また、本発明については、上記記載に照らして、数々の修正及び変更が可能である。したがって、本発明は、特許請求の範囲内において、発明を実施するための最良の形態中に例示したものとは別の態様で実施することもできる。
102…マイクロコンピュータ(情報処理部)、109…HDD(記憶装置)、110…入力デバイス(入力部)、111…液晶ディスプレイ(表示部)、121…併売ファイル(併売情報)、121a…基礎コード、121b…基礎対象物の名称、121c…併売コード、121d…併売対象物の名称、121f…相関度(相関の程度)、122…イベントファイル、A1…基礎対象物表示領域(表示領域の一部)、A2…併売対象物表示領域(表示領域の別の一部)