JP2009092166A - シート状物用の固定具 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート状物、例えばフェルト等の防音防振材または保温材等の、装着作業現場における作業性の向上、取り付けコストの削減、取り付け部の強度上昇および解体時における分別回収、再使用も容易となる固定具を提供する。
【解決手段】薄板状固定部材2の下面中心より前記固定部材から離間するように、かつ前記固定部材の外縁方向へ伸びる1対のL字型弾性帯状片3の基部を植設するとともに、前記弾性帯状片の両端を薄板状連結片4で連結し、更に前記連結片の中間に折り曲げ部を形成するように一体成型した。
【選択図】図1
【解決手段】薄板状固定部材2の下面中心より前記固定部材から離間するように、かつ前記固定部材の外縁方向へ伸びる1対のL字型弾性帯状片3の基部を植設するとともに、前記弾性帯状片の両端を薄板状連結片4で連結し、更に前記連結片の中間に折り曲げ部を形成するように一体成型した。
【選択図】図1
Description
本発明は柔軟なシート状物、例えばフェルト等の防音防振材をエアコンのコンプレッサ等の音を発生する装置に巻付ける、あるいは貼り付ける際、又は保温材を配管等に巻付ける際に強固に前記材料を固定する固定具に関する。
エアコン等に使用されるコンプレッサにフェルト等の防音防振材を巻付けることで、コンプレッサから発生する騒音を低減しているが、従来防音防振材の固定にはハトメ等を使用している。防音防振材を巻付けるには、まず防音防振材の接合部両端にハトメを装着するための穴を、ハトメ抜き等を使ってあける必要がある。シート状の防音防振材をコンプレッサから取り外し、打ち抜き台の上に広げ、表面より中空円筒状のハトメ抜き等で圧力を掛けることで、防音防振材に装着するハトメサイズに適した穴を開ける。次に図7に示すようにハトメを防音防振材の両端から挟み込むよう挿入し、ペンチ状の専用カシメ具を使用して図8のようにハトメの金属管部を拡開して防音防振材に固定する。
ハトメの固定位置が防音防振材の端辺より離れており、ペンチ状の専用カシメ具が使用できない場合は、打ち台と呼ばれる専用の台をハトメ裏面にひき、打棒と呼ばれる円柱状の専用工具でハトメ表面から圧力をかけることで、ハトメの金属管部を拡開して防音防振材に固定する。次にハトメを装着した防音防振材をコンプレッサの周面に巻き付け、図5のように防音防振材の接合部両端にそれぞれ設けられたハトメを糸掛けすることによりコンプレッサに防音防振材を固定する。
上記のような技術的な背景の下に、あらかじめ折り曲げ可能な爪を側面に設けたコンプレッサと、両端部に前述の折り曲げ可能な爪に対応するスリットを設けた防音防振材からなり、前記防音防振材を前記コンプレッサの外部に巻付け、その両端部に設けたスリットに前記コンプレッサ側面の爪を挿入し、この爪を折り曲げることによって前記防音防振材を前記コンプレッサに固定する構造が提案されている。(特許文献1参照)
実開平7−4892
ハトメ等を使用する際、ハトメのサイズによってハトメ抜き、カシメ具又は打ち台・打棒の道具サイズが異なるため、作業現場でのハトメサイズ変更に備え大量の道具や部品を運搬・管理しなければならず、道具管理が極めて煩雑となる。
防音防振材の固定状況からハトメの追加や取り付け位置変更が必要となったとき、防音防振材を巻付けた状態での作業は困難であるため、一度取り外してから穴あけ、ハトメ装着の手順を進めなくてはならず、極めて手間のかかる作業となっている。
ハトメは金属管を拡開して固定するため、分離・回収が非常に困難であり、防音防振材へのハトメの固定状態の変更も容易ではない。例えば、ハトメの装着が不安定であることを糸掛け時に発見した場合、防音防振材をコンプレッサから取り外し、ハトメの切断・除去及び再装着という作業を行わなくてはいけない。同時にハトメサイズの変更となった場合はさらに穴あけの工程からの作業となる。
特許文献1に記載された構造によって現場における作業性は向上したものの、コンプレッサ、防音防振材の事前加工が必要となり、新たなコストが発生するという問題がある。また、作業現場において発生する不測の事態、例えば防音防振の効果が低いため異なる厚さの防音防振材に変更するなどに対応することは困難である。
以上より本発明の目的はシート状物、例えばフェルト等の防音防振材または保温材等の、装着作業現場における作業性の向上、取り付けコストの削減、取り付け部の強度上昇および解体時における分別回収、再使用も容易となる固定具を提供することにある。
薄板状固定部材の上面中心より前記固定部材から離間するように、かつ前記固定部材の外縁方向へ伸びる1対のL字型弾性帯状片の基部を植接するとともに、前記弾性帯状片の両端を薄板状連結片で連結し、更に前記連結片の中間に折り曲げ部を形成し、合成樹脂による一体成型を特徴とするシート状物用固定具である。また、2枚のL字型弾性帯状片の両端部に一体成型され、シート状物に接合して前述の固定具の回転を止める爪を設けており、さらに薄板状固定部材は円形又は皿形であり、前述の1対のL字型弾性帯状片の脚部を紐の巻部としたシート状物用固定具である。
上述のように本発明の固定具は合成樹脂による一体成型(図1,2)となっており、前述固定具の取り付け時に道具は一切必要ない。本固定具は図1に示すX、Y、Zに手で力を加えると図3で示すよう連結片4が半分に折れ、L字型弾性帯状片が一直線となり、全体として略T字型に変形し、先端部がシート状物に開けられた穴を通過可能になる。本固定具は合成樹脂による一体成型のため、図4で示すよう特殊な道具や作業を必要とせず、本固定具を手で変形させ、シート状物の穴に通した後、樹脂の持つ弾性力により自動的にワンタッチでシート状物に固定される。また、シート状物側の加工は固定具を貫通させるための穴を開けるだけでよいため、高い作業性が実現されている。
本発明の固定具装着時に必要な作業はシート状物への穴あけのみであり、装着作業時の固定具先端が貫通できるだけの穴を開ければよいため、穴あけ作業も極めて簡単な作業となる。そのため、事前加工等が不必要となりシート状物の選択・変更の幅が広がる。また、特に厚みがあり硬度の低いウレタン等のシート状物に使用する際、ハトメ等と比べシート状物との接地面積が多くなるため固定具の装着が安定する効果がある。
原料にポリプロピレンをはじめとするプラスチックを用いるため極めて安価に量産することが可能であり、固定具のサイズや材料の変更が容易なため厚み等シート状物の状態に合わせた固定具供給が可能となり、最適形状の固定具を選択することでシート状物をより強固に固定することが可能となっている。
本発明は弾性力でシート状物に装着されているため、ハトメ等金属部品と比べシート状物から分離することが容易であり分別回収に優れている。さらに分離後、再使用することも可能となっているため、資源循環型社会形成の一助となる。
以下、本発明を図に示す実施形態を参照して具体的に説明する。
図1,2は本発明固定具の概観である。薄板状固定部材2の下面中央より前記固定部材から離間するように、かつ前記固定部材の外縁方向へ伸びる1対のL字型弾性帯状片3の基部を植設するとともに、前記弾性帯状片を薄板状連結片4で連結しており、L字型弾性帯状片の両端部に被固定部材に喰い込ませる爪5を設けた一体成型となっている。
薄板状固定部材2は外縁方向に向かって緩やかな曲面に成型されており、下部に植設されている1対のL字型弾性帯状片3は肉厚の概ね2倍程度の間隔を空けている。また、連結片4の中央折り曲げ部は薄肉に成型され肉厚は他の部分の3分の1以下となり、両端上部は肉厚と同等程度の間隔を設けており、L字型弾性帯状片3に接する方向の長さは薄板状固定部材より長くなっている。
薄板状固定部材2は、糸掛けの糸をL字型弾性帯状片3の脚部に巻いていく際の作業性を向上させるため、外縁方向へ行くにしたがって若干シート状物から浮くように皿形となっている。図4に示すようシート状物7に完全に固定されている状態であっても、薄板状固定部材2がゆるやかな曲面を形成しているため前記部材とシート状物7の間に隙間ができ、糸を掛けやすくなっている。
本固定具は上部に比べ下部のサイズを大きくすることで、シート状物への固定が確実となり不意に固定具が外れることがなくなっている。特にハトメ等が脱落してしまうようなウレタン等の伸縮性に富んだシート状物に対して、本固定具は装着が確実であり優位性を示している。また、本固定具は薄板状固定部材と連結片の間隔を変化させて成型することで、あらゆる厚さのシート状物に対して安定的装着が可能となり、原料を変更することでL字型弾性帯状片の弾性力を調節することも可能となっている。
ハトメ等と異なり本固定具のシート状物への装着時は図3に示すよう変形するため、その先端部が貫通できる状態の穴を開ければよい。そのため専用の穴あけ具等は一切必要なく、例えばコンプレッサにシート状物を巻付けた状態であっても、簡単な穴あけで本固定具の位置変更及び追加の作業が容易に行える。
連結片4は本固定具の変形時に図1で示すXの力を加えた際、連結片の中央折り曲げ部が薄肉に成型されているため、小さな力で変形することができる。同時に図1に示すY、Zの力を加えることで、L字型弾性帯状片3が伸び、図3に示す略T字型に変形する。連結片両端上部には肉厚と同等程度の間隔を確保することによって、本固定具変形時に必要な力Y、Zの力を小さく抑えている。また、薄板状固定部材直下では2枚のL字型弾性帯状片を肉厚の概ね2倍程度の間隔で植設することで、連結片の変形スペースを確保している。
L字型弾性帯状片3は、シート状物7への装着時にはL字型弾性帯状片を伸ばすことで図3のように固定具は略T字型に変形し、シート状物へ挿入、貫通後はL字型弾性帯状片の弾性力により自動的に図4に示すようシート状物を挟み込む形で固定される。爪5は鋭い突起状になっておりシート状物へ装着した際、爪がシート状物に食い込むことで本固定具のがたつき、回転を抑える効果を発揮し固定具の装着をより強固にしている。
図5は従来ハトメ等が使用されていたものを、本発明の固定具に置き換えたものの斜視図である。本発明の固定具をハトメ等と同様、シート状物の両端に装着し糸掛けをすることによりシート状物をコンプレッサに固定している。ハトメ等を使用する際、ハトメのサイズによってハトメ抜き、カシメ具及び打ち台・打棒の道具サイズが異なるため、作業現場でのハトメ変更に備え大量の道具を移動・管理しなければならず、道具管理が極めて煩雑となり、さらには手間のかかる作業が必要であったが、本発明固定具では穴あけ及び素手による装着で前述固定具は自動的にシート状物に固定され作業完了となる。
本発明の固定具を使用することでシート状物の固定されている状況は変えずに、前述の通り作業性の向上、コスト削減、取り付け部の強度上昇を実現し、さらに解体時における分別回収、再使用が容易となり環境負荷の低減を実現している。
図6は糸掛けを行わずにシート状物の固定を行う方法を示した斜視図である。シート状物を現場で巻付け、簡単な穴あけと本発明の固定具を貫通させるのみで前述固定具は自動的にシート状物に固定され作業完了となる。糸掛け作業の必要がなくなるので更なる作業性向上が可能である。
1 本発明の固定具
2 薄板状固定部材
3 L字型弾性帯状片
4 連結片
5 爪
6 ハトメ
7 シート状物
8 糸
9 コンプレッサ
2 薄板状固定部材
3 L字型弾性帯状片
4 連結片
5 爪
6 ハトメ
7 シート状物
8 糸
9 コンプレッサ
Claims (3)
- 薄板状固定部材の下面中心より前記固定部材から離間するように、かつ前記固定部材の外縁方向へ伸びる1対のL字型弾性帯状片の基部を植設するとともに、前記弾性帯状片の両端を薄板状連結片で連結し、更に前記連結片の中間に折り曲げ部を形成するように一体成型したことを特徴とするシート状物用固定具。
- 2枚のL字型弾性帯状片の両端部に被固定部材に喰い込ませる爪を設けた請求項1に記載のシート状物用固定具。
- 薄板状固定部材は中心が膨出した円形又は皿形であり、前述の1対のL字型弾性帯状片の脚部を紐の巻部とした請求項1又は2に記載のシート状物用固定具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007264620A JP2009092166A (ja) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | シート状物用の固定具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007264620A JP2009092166A (ja) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | シート状物用の固定具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009092166A true JP2009092166A (ja) | 2009-04-30 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2007264620A Pending JP2009092166A (ja) | 2007-10-10 | 2007-10-10 | シート状物用の固定具 |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104696321A (zh) * | 2015-03-12 | 2015-06-10 | 安徽江淮汽车股份有限公司 | 一种用于固定汽车的防火墙和隔音垫的卡扣 |
WO2023195213A1 (ja) * | 2022-04-04 | 2023-10-12 | 株式会社アイシン | 電動ポンプ |
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2007
- 2007-10-10 JP JP2007264620A patent/JP2009092166A/ja active Pending
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