JP2009091516A - 低摩擦摺動部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】幅広い作動条件において、低い摩擦を実現させうる摺動部材を提供する。
【解決手段】潤滑材料を介して相対的に摺動する2つの摺動面を備える低摩擦摺動部材であって、前記2つの摺動面の少なくとも一方がダイヤモンドライクカーボン膜を有し、前記潤滑材料が、直鎖状高分子を高分子ゲル中または高分子ゲル表面に含むハイドロゲルであることを特徴とする、低摩擦摺動部材である。
【選択図】図2
【解決手段】潤滑材料を介して相対的に摺動する2つの摺動面を備える低摩擦摺動部材であって、前記2つの摺動面の少なくとも一方がダイヤモンドライクカーボン膜を有し、前記潤滑材料が、直鎖状高分子を高分子ゲル中または高分子ゲル表面に含むハイドロゲルであることを特徴とする、低摩擦摺動部材である。
【選択図】図2
Description
本発明は低摩擦摺動部材に関し、さらに詳細には、高分子ゲルおよび直鎖状高分子を含むハイドロゲルと、ダイヤモンドライクカーボン膜とを組み合わせた低摩擦摺動部材に関する。
地球全体の温暖化、オゾン層の破壊など地球規模での環境問題が大きくクローズアップされ、とりわけ地球全体の温暖化に大きな影響があるといわれているCO2削減については各国でその規制値の決め方をめぐって大きな関心を呼んでいる。
CO2削減については、自動車の燃費の削減を図ることが大きな課題の1つであり、摺動材料と潤滑剤が果たす役割は大きい。摺動材料の役割は、エンジンの摺動部位の中で摩擦摩耗環境が苛酷な部位に対して耐磨耗性に優れ且つ低い摩擦係数を発現することであり、最近では、種々の硬質薄膜材料の適用が進んできている。一般に、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon:DLC)材料は、空気中、潤滑油非存在下における摩擦係数が、TiNやCrNといった耐磨耗性の硬質被膜材料と比べて低いことから低摩擦摺動材料として期待されている。
また、潤滑油における省燃費対策としては、(1)低粘度化による、流体潤滑領域における粘性抵抗及びエンジン内の攪拌抵抗の低減、(2)最適な摩擦調整剤と各種添加剤の配合による混合および境界潤滑領域下での摩擦損失の低減、が提言されている。摩擦調整剤としては、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)やジアルキルジチオリン酸モリブデン(MoDTP)といった有機モリブデン化合物を中心に多くの研究がなされている。従来の鋼材料からなる摺動面においては、使用開始初期に優れた低摩擦係数を示す有機Mo化合物を配合した潤滑油が適用されてきた。
ところで、空気中において低摩擦性に優れる一般のDLC材料は、潤滑油存在下においては、その摩擦低減効果が小さいことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、この摺動材料に有機モリブデン化合物を含有する潤滑油組成物を適用したとしても摩擦低減効果が十分発揮されないことが言及されている(例えば、非特許文献2参照)。さらに、水素を含有しないDLCとの組み合わせにおいて初めて摩擦係数が0.07程度にまで減少されることが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
加納 他、「日本トライボロジー学会予稿集・東京 1999.5」,p11〜12 Kano et.al.,World Tribology Congress 2001.9,Vienna,Proceeding p342 Y.Yasuda,M.Kano et al.,"Research on Diamond−like Carbon Coatings for Low−Friction Value Lifters",SAE Paper 2003−01−1101(2003)
加納 他、「日本トライボロジー学会予稿集・東京 1999.5」,p11〜12 Kano et.al.,World Tribology Congress 2001.9,Vienna,Proceeding p342 Y.Yasuda,M.Kano et al.,"Research on Diamond−like Carbon Coatings for Low−Friction Value Lifters",SAE Paper 2003−01−1101(2003)
しかしながら、前記のような水素を含有しないDLCと潤滑油とを組み合わせた摺動材料を用いた場合でも、摩擦を低減できる作動条件には限界がある。
図1は、(速度×潤滑剤の粘度)/荷重と摩擦係数との関係を示すストライベック曲線を表すグラフである。グラフの横軸は(速度×潤滑剤の粘度)/荷重を示し、グラフの縦軸は摩擦係数を示す。
DLCにおいて摩擦を低減できるのは、速度が遅く油膜厚さが薄い境界潤滑であり、油膜が厚くなる混合潤滑領域または流体潤滑領域においては、これらの技術により、摩擦係数を低減することは難しい。特に混合潤滑領域または流体潤滑領域においては、油の粘度が大きく影響するが、油の粘度が低い場合、境界潤滑領域での摩擦特性を悪化させるため、これらを解決するのは一般には困難である。さらに、摩擦係数の絶対値も0.07程度であり、更に低い摩擦係数として、1/1000オーダーの摩擦係数が望まれている。
そこで、本発明は、速度が遅く油膜が薄い境界潤滑から速度が速く油膜が比較的厚い流体潤滑における幅広い作動条件において、従来に比べてより低い摩擦を実現させうる摺動部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、高分子ゲルおよび直鎖状高分子を含むハイドロゲルと、ダイヤモンドライクカーボン膜とを組み合わせた摺動部材が、低摩擦を実現させうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、潤滑材料を介して相対的に摺動する2つの摺動面を備える低摩擦摺動部材であって、前記2つの摺動面の少なくとも一方がダイヤモンドライクカーボン膜を有し、前記潤滑材料が、直鎖状高分子を高分子ゲル中または高分子ゲル表面に含むハイドロゲルであることを特徴とする、低摩擦摺動部材である。
本発明によれば、速度が遅く油膜が薄い境界潤滑から速度が速く油膜が比較的厚い流体潤滑における幅広い作動条件において、低い摩擦を実現させうる摺動部材が提供されうる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、潤滑材料を介して相対的に摺動する2つの摺動面を備える低摩擦摺動部材であって、前記2つの摺動面の少なくとも一方がダイヤモンドライクカーボン膜(以下、「DLC膜」とも称する)を有し、前記潤滑材料が、直鎖状高分子を高分子ゲル中または高分子ゲル表面に含むハイドロゲルであることを特徴とする、低摩擦摺動部材である。
図2は、本発明の低摩擦摺動部材の設置例を示す概略図である。軸1の外周面にダイヤモンドライクカーボン膜4が成膜されており、軸受2の軸1と接する部分にはハイドロゲル3が塗布されている。前記DLC膜と前記ハイドロゲルとを組み合わせた摺動部材は、従来に比べて、より低い摩擦係数を実現することができる。
以下、本発明の低摩擦摺動部材を構成する要素について、さらに詳細に説明する。
[ハイドロゲル]
本発明で用いられるハイドロゲルは、高分子ゲルに対し直鎖状高分子が混合されるかまたはグラフト重合されることにより形成される。以下、前記高分子ゲルおよび前記直鎖状高分子について説明する。
本発明で用いられるハイドロゲルは、高分子ゲルに対し直鎖状高分子が混合されるかまたはグラフト重合されることにより形成される。以下、前記高分子ゲルおよび前記直鎖状高分子について説明する。
<高分子ゲル>
前記高分子ゲルを構成するモノマーは、3次元網目構造を有するハイドロゲルを形成しうるモノマーであれば特に限定されない。前記モノマーの具体的な例としては、アクリル酸およびメタクリル酸ならびにこれらの誘導体、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミドならびにこれらの誘導体、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルリン酸、ビニルピリジン、塩酸トリメチルビニルピリジニウム、3−アクリルロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩酸、または3−ジメチルメタクリロイロキシエチルアンモニウムプロパンスルホン酸などが挙げられる。これらモノマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。これらモノマーの中でも、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、またはスチレンスルホン酸が好ましい。これらのモノマーを架橋する架橋剤の例としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、またはジビニルベンゼンなどが挙げられる。
前記高分子ゲルを構成するモノマーは、3次元網目構造を有するハイドロゲルを形成しうるモノマーであれば特に限定されない。前記モノマーの具体的な例としては、アクリル酸およびメタクリル酸ならびにこれらの誘導体、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミドならびにこれらの誘導体、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルリン酸、ビニルピリジン、塩酸トリメチルビニルピリジニウム、3−アクリルロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩酸、または3−ジメチルメタクリロイロキシエチルアンモニウムプロパンスルホン酸などが挙げられる。これらモノマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。これらモノマーの中でも、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、またはスチレンスルホン酸が好ましい。これらのモノマーを架橋する架橋剤の例としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、またはジビニルベンゼンなどが挙げられる。
<直鎖状高分子>
前記直鎖状高分子を形成するモノマーとしては、上記記載のモノマーの2成分または3成分を用いることができ、前記高分子ゲルを構成するモノマーと同種のモノマーを用いることもできる。また、上記の高分子ゲル以外では、ジェランゲル、κ−カラギーナンゲル、アガロースゲル、カルボキシメチルセルロースゲルなどの多糖類ゲル、ゼラチン、コラーゲンなどのタンパク質ゲル、DNA、RNA等の核酸ゲル、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、ポリエチレンイミン、凍結解凍ゲルなどの高分子ゲルを用いることができる。
前記直鎖状高分子を形成するモノマーとしては、上記記載のモノマーの2成分または3成分を用いることができ、前記高分子ゲルを構成するモノマーと同種のモノマーを用いることもできる。また、上記の高分子ゲル以外では、ジェランゲル、κ−カラギーナンゲル、アガロースゲル、カルボキシメチルセルロースゲルなどの多糖類ゲル、ゼラチン、コラーゲンなどのタンパク質ゲル、DNA、RNA等の核酸ゲル、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、ポリエチレンイミン、凍結解凍ゲルなどの高分子ゲルを用いることができる。
ハイドロゲル全質量に対する直鎖状高分子の含有量は、摩擦力の低減効果の観点から、好ましくは2〜300質量%であり、より好ましくは5〜100質量%である。本発明に用いられるハイドロゲルには、(1)高分子ゲルに対し直鎖状高分子が混合されたハイドロゲル、または(2)高分子ゲルに対し直鎖状高分子がグラフト重合されたハイドロゲルがある。
前記(1)のハイドロゲルの製造方法、すなわち、高分子ゲルに対し直鎖状高分子が混合されたハイドロゲルを製造する方法としては、高分子ゲルに直鎖状高分子を混合できる方法であれば、どのような方法を用いてもよいが、典型的には次のような方法が挙げられる。
(1−a)高分子ゲルに直鎖状高分子を物理的に混合させる。
(1−b)高分子ゲルを形成した後、高分子ゲルを、直鎖状高分子を形成するモノマー溶液に十分浸漬させ、高分子ゲル中にモノマーを拡散させた後モノマーを重合する。
(1−c)高分子ゲルを形成する際、モノマー等の材料とともに直鎖状高分子を混合し、重合してゲルを形成する。
一方、前記(2)のハイドロゲルの製造方法、すなわち、高分子ゲルに対し直鎖状高分子がグラフト重合されたハイドロゲルを製造する方法としては、高分子ゲルに直鎖状高分子をグラフト重合する方法であれば、どのような方法を用いてもよいが、典型的には次のような方法が挙げられる。
(2−a)形成した高分子ゲルに直鎖状高分子を混合し、後重合する。
(2−b)高分子ゲルを形成するモノマーの1種または2種以上と、直鎖状高分子を形成するモノマーの1種または2種以上とを混合し重合することにより、高分子ゲルに直鎖状高分子をグラフトさせる。
(2−c)高分子ゲルを形成するモノマーを含む溶液を疎水性基板で挟み、重合する。
従来、ガラス基板等の親水性の基板上においてゲルの重合を行っていたが、前記ガラス基板の代わりに、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリスチレンなどから形成される疎水性基板を用いることが好ましい。これにより、重合の際、前記疎水性基板付近で親水性のモノマー溶液の濃度勾配が生じ、ゲルの架橋密度が疎になり、結果的に表面にグラフト鎖を有するゲルが形成される。この方法は、一段階で他の試薬等を用いることなく、疎水性の基板のみで所望のゲルを簡便に形成することができることから、特に好適である。
以上のような方法により得られる直鎖状高分子を有する高分子ゲルは、親水性の高分子鎖をゲル中または表面に含むことから、ゲルの含水率がさらに高まる。したがって、含水したゲルまたは表面で含水した高分子鎖が固体との界面で潤滑層として働き、低摩擦の特性を有する高分子ハイドロゲルを得ることができる。さらに、ハイドロゲルがイオン性ゲルであって、イオン性の直鎖状高分子鎖を用いた場合のハイドロゲルを固体表面に適用すると、固体との間に静電的な反発力が生じ、中性のゲルと比較して摩擦界面にさらに厚い水層が形成されるため、最も優れた摩擦効果が得られる。
本発明に用いられるハイドロゲルは、十分な摩擦低減効果を得るために、多量の水分を含んでいることが好ましく、その含水率は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは100質量%以上である。また、得られるハイドロゲルの摩擦係数は、好ましくは0.01以下であり、より好ましくは0.005以下である。
本発明に用いられるハイドロゲルの形態としては、直鎖状高分子を高分子ゲル中または高分子ゲル表面に含む形態であれば特に制限されない。しかし、低摩擦力をより効果的に実現させる観点から、ゲルの表面に直鎖状高分子を有するものが好ましく、高分子鎖が表面でグラフト重合されているものがより好ましい。
[ヒドロキシ基含有化合物]
本発明で用いられるハイドロゲルは、ヒドロキシ基含有化合物をさらに含むことが好ましい。前記ヒドロキシ基含有化合物を含むことにより、本発明の摺動部材の摩擦係数は、より低減されうる。
本発明で用いられるハイドロゲルは、ヒドロキシ基含有化合物をさらに含むことが好ましい。前記ヒドロキシ基含有化合物を含むことにより、本発明の摺動部材の摩擦係数は、より低減されうる。
前記ヒドロキシ基含有化合物は、アルコール化合物、フェノール化合物、カルボン酸化合物、および糖化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
前記アルコール化合物の具体的な例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、またはジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの1価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,9−ノナンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、アダマンタンジオール、アダマンタントリオール、アダマンタンテトラオール、1,3−ジメチルアダマンタン−5,7−ジオール、キシリトール、ソルビトール、グルコース、スクロール、ポリエチレングリコール、またはポリビニルアルコールなどの多価アルコールが好ましく挙げられる。
前記フェノール化合物の具体的な例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ジ−tert−ブチルハイドロキノン、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、カテコール、メチルカテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシメチルナフタレン、またはジヒドロキシジメチルナフタレンなどが好ましく挙げられる。
前記カルボン酸化合物の具体的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、ピバリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、酒石酸等の脂肪族オキシカルボン酸、シクロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘキセンモノカルボン酸、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−4−メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などの脂環式カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、アニス酸、p−(tert−ブチル)安息香酸、ナフトエ酸、ケイ皮酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、メリット酸などの芳香族多価カルボン酸などが挙げられる。
前記糖化合物は、単糖類、多糖類のいずれであってもよく、その具体的な例としては、例えば、糖蜜、廃糖蜜、グルコース、ガラクトース、キシロース、乳糖、マンノース、タロース、ラムノース、アラビノース、グルコシルマンノース、リキソース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リボース、エリトロース、トレオース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、ペンツロース、テトロース、スクロース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、トレハロース、コウジビオース、ソホロース、ニゲロース、ラミナリビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース、メリビオース、ブランテオビオース、ツラノース、ビシアノース、アガロビオース、シラビオース、ルチノース、プリメプロース、キシロビオース、ロジメナビオース、エリトリトール、メソエリトリトール、マルチトール、ラクチトール、D−トレイトール、D−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、ガラクチトール、D−マンニトール、アリトール、高級アルジトール、アルドン酸、グルシトース、マルトトリオース、アルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類、デンプン、デキストラン、マンナン、ペクチン、ペクチン酸、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、またはケラタン硫酸などが挙げられる
これらヒドロキシ基含有化合物の中でも、より好ましいものは、ヒアルロン酸である。
これらヒドロキシ基含有化合物の中でも、より好ましいものは、ヒアルロン酸である。
本発明において、前記ヒドロキシ基含有化合物は、例えば、前記ハイドロゲルと混合することにより用いられうる。
[ダイヤモンドライクカーボン膜]
本発明で用いられるダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)の成膜方法としては、例えば、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)法、プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、DCスパッタ法、高周波スパッタ法、バランスドマグネトロンスパッタ法、またはアンバランスドマグネトロンスパッタ法などの各種スパッタ法、イオン化蒸着法、イオンビーム法、アークイオンプレーティング法、またはエキシマレーザーアプレーション法などの物理気相成長(Physical Vapor Deposition:PVD)法などを用いることができる。これらの成膜方法の中でも、前記DLC膜中の水素含有量をできるだけ少なくするという観点から、アークイオンプレーティング法がより好ましい。
本発明で用いられるダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)の成膜方法としては、例えば、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)法、プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、DCスパッタ法、高周波スパッタ法、バランスドマグネトロンスパッタ法、またはアンバランスドマグネトロンスパッタ法などの各種スパッタ法、イオン化蒸着法、イオンビーム法、アークイオンプレーティング法、またはエキシマレーザーアプレーション法などの物理気相成長(Physical Vapor Deposition:PVD)法などを用いることができる。これらの成膜方法の中でも、前記DLC膜中の水素含有量をできるだけ少なくするという観点から、アークイオンプレーティング法がより好ましい。
前記DLC膜の水素含有量は、特に制限されないが、好ましくは1原子%以下、より好ましくは0.3原子%以下である。水素含有量が前記範囲内にあれば、本発明の摺動部材の摩擦係数をより低減することができる。なお、本発明において、前記水素含有量は、2次イオン質量分析計(Secondary Ion Mass Spectrometer:SIMS)を用い、試料表面から5nmの位置まで掘り取りながら測定し、深さ3nmの位置において測定された水素含有量の値を採用するものとする。
また、DLC膜の膜厚は、特に制限されないが、密着強度の観点から、0.3〜2μmが好ましい。
前記DLC膜のビッカース硬度は、密着強度、耐摩耗性や相手攻撃性の観点から、1500Hv以上であることが好ましい。なお、本発明において、前記ビッカース硬度は、超微小硬度計(株式会社島津製作所製)を用い、測定荷重を49×10−3Nとした押し込み法により測定した値を採用するものとする。
本発明による低摩擦摺動部材は、例えば、図2に示される軸1の外周面に対して、アークイオンプレーティング法によりDLC膜4を成膜し、別途軸受部2にハイドロゲル3を塗布することにより得ることができる。しかし、本発明の低摩擦摺動部材は、このような実施形態に限定されず、潤滑材料を介して相対的に摺動する2つの摺動面を備えていて、前記2つの摺動面の少なくとも一方がDLC膜を有していればよい。
このようにして得られる本発明の低摩擦摺動部材は、摩擦係数が好ましくは0.02以下、より好ましくは0.01以下、さらに好ましくは0.005以下である。なお、本発明において、前記摩擦係数は、後述の実施例に記載した方法により測定した値を採用するものとする。
本発明の低摩擦摺動部材は、燃料電池車用ウォーターポンプ摺動部材、燃料電池車用スタック用積層部材、自動車用内燃機関用摺動部材、自動車用変速機10の摺動部材(図3の丸印部分)、または自動車用サスペンション20の摺動部材(図4の丸印部分)などに用いられうる。また、本発明の低摩擦摺動部材は、例えば人工関節などの医療用器材にも用いられうる。
本発明を、以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が、下記の実施例のみに制限されるわけではない。なお、摩擦係数の測定には、ball on disk試験機(スイス、CSM社製)を用いた。
(実施例1)
<ハイドロゲルを含む試験片>
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)を20g含む水溶液100mlに、架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミドを8質量%の濃度で、光増感剤としてα−ケトグルタル酸を0.1質量%の濃度で、あらかじめ合成した分子量25万のポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)4gをそれぞれ含有させ、400W紫外線照射を行い、直鎖状高分子を含有するポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)ゲルをガラス板上で作製した。
<ハイドロゲルを含む試験片>
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)を20g含む水溶液100mlに、架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミドを8質量%の濃度で、光増感剤としてα−ケトグルタル酸を0.1質量%の濃度で、あらかじめ合成した分子量25万のポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)4gをそれぞれ含有させ、400W紫外線照射を行い、直鎖状高分子を含有するポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)ゲルをガラス板上で作製した。
得られたハイドロゲルを、5mm×5mm×2mm厚の直方体状に切り、試験片とした。
<円板試験片>
基材として浸炭鋼(日本工業規格 SCM415)からなる直径30mm、厚さ3mmの円板を準備し、その表面を表面粗さ(Ra)が0.020μmに超仕上げ加工し、この基材表面にダイヤモンドライクカーボン膜をコーティングした。コーティングは以下の通り行った。
基材として浸炭鋼(日本工業規格 SCM415)からなる直径30mm、厚さ3mmの円板を準備し、その表面を表面粗さ(Ra)が0.020μmに超仕上げ加工し、この基材表面にダイヤモンドライクカーボン膜をコーティングした。コーティングは以下の通り行った。
真空容器に、上記によって得られた基材を収納し、真空ポンプへの排気口を通じて10−4Paまで排気した。その後、雰囲気ガスとしてアルゴンをガス系統配管から導入し、内圧が1Paになるよう流量を調整した。続いて、直流電源の電圧を50〜100Vに設定し、50Aの定電流が流れるように制御を行い、炭素電極との間でアーク放電が生じるようにした。これにより生じた炭素プラズマを直流電源によるバイアスによって基材に引き寄せ、基材上にダイヤモンドライクカーボン膜が形成されるようにした。基材のバイアス電圧は、−200ボルトとした。形成したダイヤモンドライクカーボン膜のビッカース硬度は2500Hv、水素量は0.1原子%以下と求められた。
<摩擦特性評価>
上記によって得られたハイドロゲルの試験片と円板試験片を組み合わせ、ボールオンディスク試験法により水中で摩擦特性を評価した。
上記によって得られたハイドロゲルの試験片と円板試験片を組み合わせ、ボールオンディスク試験法により水中で摩擦特性を評価した。
すなわち、円板試験片を水中で回転させた状態で5mm×5mm×2mm厚の大きさのハイドロゲル試験片を押し当て、ハイドロゲル試験片を保持しているアームにかかるトルクを測定し、摩擦係数を計算した。
試験条件として、ハイドロゲル試験片にかけた垂直荷重は10N、摺動速度は毎秒20cmとし、初期のなじみ効果を考慮して、試験開始から5分経過した時点の測定値をもって摩擦係数とみなした。その結果、得られた摩擦係数は0.008であった。
(実施例2)
基材として浸炭鋼(日本工業規格 SCM415)からなる直径30mm、厚さ3mmの円板を準備し、その表面を表面粗さ(Ra)が0.020μmとなるように超仕上げ加工し、続いてその表面にプラズマCVD法を用いてDLC膜を成膜した。基材を真空容器にセットし、雰囲気にメタンを加えつつ、バイアス電圧など他の条件は実施例1と同様にして成膜を行った。この際の真空容器の内圧は1.3Paであり、雰囲気ガスは、アルゴンとメタンとの体積比が2:1になるように制御した。
基材として浸炭鋼(日本工業規格 SCM415)からなる直径30mm、厚さ3mmの円板を準備し、その表面を表面粗さ(Ra)が0.020μmとなるように超仕上げ加工し、続いてその表面にプラズマCVD法を用いてDLC膜を成膜した。基材を真空容器にセットし、雰囲気にメタンを加えつつ、バイアス電圧など他の条件は実施例1と同様にして成膜を行った。この際の真空容器の内圧は1.3Paであり、雰囲気ガスは、アルゴンとメタンとの体積比が2:1になるように制御した。
この場合、30分の成膜によって1.5μm厚さのダイヤモンドライクカーボン膜ができたので、成膜レートは毎分50nmと算出された。形成したダイヤモンドライクカーボン膜のビッカース硬度は1500Hv、ダイヤモンドライクカーボン膜中の水素量は29原子%であった。
その後、実施例1と同様にして摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.014であった。
(比較例1)
ハイドロゲルの代わりに、軸受鋼SUJ2からなる直径6mmのボール状試験片を用い、エンジン油5W30(出光興産株式会社製)中で摩擦係数を測定したこと以外は、実施例1と同様にして摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.07であった。
(比較例1)
ハイドロゲルの代わりに、軸受鋼SUJ2からなる直径6mmのボール状試験片を用い、エンジン油5W30(出光興産株式会社製)中で摩擦係数を測定したこと以外は、実施例1と同様にして摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.07であった。
(比較例2)
円板試験片として、DLC膜がコートされたSCM鋼の代わりに、SCM鋼を用いたこと以外は、比較例1と同様にして摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.11であった。
円板試験片として、DLC膜がコートされたSCM鋼の代わりに、SCM鋼を用いたこと以外は、比較例1と同様にして摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.11であった。
(比較例3)
円板試験片として、DLC膜がコートされたSCM鋼の代わりに、ガラスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.022であった。
円板試験片として、DLC膜がコートされたSCM鋼の代わりに、ガラスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.022であった。
上記実施例1〜2および比較例1〜3の結果をまとめて、下記表1に示す。
上記表1からわかるように、DLCとハイドロゲルとの組み合わせにおいて、摩擦係数が低くなることが分かった。特に、水素を含まないDLC膜を用いた場合、摩擦係数が一層低くなることが分かった。
(実施例3)
摩擦特性を、ヒアルロン酸を10質量%の濃度で含む水中で測定したこと以外は、実施例1と同様の方法で摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.007であった。
摩擦特性を、ヒアルロン酸を10質量%の濃度で含む水中で測定したこと以外は、実施例1と同様の方法で摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.007であった。
(実施例4)
摩擦特性を、ヒアルロン酸を30質量%の濃度で含む水中で測定したこと以外は、実施例1と同様の方法で摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.006であった。
摩擦特性を、ヒアルロン酸を30質量%の濃度で含む水中で測定したこと以外は、実施例1と同様の方法で摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.006であった。
(実施例5)
摩擦特性を、ヒアルロン酸を60質量%の濃度で含む水中で測定したこと以外は、実施例1と同様の方法で摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.005であった。
摩擦特性を、ヒアルロン酸を60質量%の濃度で含む水中で測定したこと以外は、実施例1と同様の方法で摩擦係数を測定した。得られた摩擦係数は、0.005であった。
実施例3〜5からわかるように、ハイドロゲルに対しヒアルロン酸が含まれることにより、より低い摩擦係数が得られることが分かった。
1 軸、
2 軸受、
3 ハイドロゲル、
4 ダイヤモンドライクカーボン膜
10 自動車用変速機、
20 自動車用サスペンション。
2 軸受、
3 ハイドロゲル、
4 ダイヤモンドライクカーボン膜
10 自動車用変速機、
20 自動車用サスペンション。
Claims (6)
- 潤滑材料を介して相対的に摺動する2つの摺動面を備える低摩擦摺動部材であって、
前記2つの摺動面の少なくとも一方がダイヤモンドライクカーボン膜を有し、
前記潤滑材料が、直鎖状高分子を高分子ゲル中または高分子ゲル表面に含むハイドロゲルであることを特徴とする、低摩擦摺動部材。 - 前記潤滑材料は、高分子ゲルと直鎖状高分子とがグラフト重合されたハイドロゲルであることを特徴とする、請求項1に記載の低摩擦摺動部材。
- 前記ハイドロゲルがヒドロキシ基含有化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の低摩擦摺動部材。
- 前記ヒドロキシ基含有化合物が、アルコール化合物、フェノール化合物、カルボン酸化合物、および糖化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3に記載の低摩擦摺動部材。
- 前記ヒドロキシ基含有化合物がヒアルロン酸であることを特徴とする、請求項4に記載の低摩擦摺動部材。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン膜の水素含有量が1原子%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の低摩擦摺動部材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007265745A JP2009091516A (ja) | 2007-10-11 | 2007-10-11 | 低摩擦摺動部材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2012156256A1 (de) * | 2011-05-17 | 2012-11-22 | Evonik Rohmax Additives Gmbh | Reibungsverbessernde polymere für dlc-beschichtete oberflächen |
JP2015150933A (ja) * | 2014-02-12 | 2015-08-24 | 株式会社ジェイテクト | 制御装置およびこの装置を備える操作装置 |
CN114874832A (zh) * | 2022-06-13 | 2022-08-09 | 中国科学院兰州化学物理研究所 | 一种凝胶-类金刚石碳膜复合润滑材料及其制备方法和在机械部件润滑中的应用 |
CN115403814A (zh) * | 2022-09-02 | 2022-11-29 | 中山大学附属第八医院(深圳福田) | 一种具有长效润滑仿关节软骨涂层的超高分子量聚乙烯及其制备方法和应用 |
-
2007
- 2007-10-11 JP JP2007265745A patent/JP2009091516A/ja active Pending
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