JP2009090788A - ラックストロークエンドの衝撃緩和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボールジョイントを介してタイロッドが連結されるラックエンド4がラック軸2の端部に設けられてラックハウジング3の端部から突出され、互いに当接されるラック軸2の端部及びラックハウジング3の端部に、それぞれ弾性材料からなるラック緩衝部材11及びハウジング緩衝部材13を設ける。ラックハウジング3から突出されるラックエンド4が突出方向の所定位置に到達した際に、ラック緩衝部材11がラックハウジング3の内周面に摺動可能に密着するとともにハウジング緩衝部材13がラックエンド4の外周面に摺動可能に密着する。
【選択図】図1
Description
このラック・アンド・ピニオン式ステアリシグ装置には、ラック軸の端部に固定されたボールジョイントと、このボールジョイントが当接されるラックハウジングとの間に、弾性体を介在させることにより、ラック軸のストロークエンドにおける衝撃を吸収する衝撃緩和装置が設けられている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、近年では、コラムに電動パワーステアリング装置を搭載したアシスト装置が多く採用されているが、このアシスト装置にあっては、タイヤ切れ角が最大となった状態にて、その出力が最大となり、コラムとラック・アンド・ピニオン部分とを連結しているシャフトの連結部分に大きな負荷がかかり続け、早期に劣化や破損等を生じる恐れもあり、衝撃吸収能力のさらなる向上が望まれている。
その後、ラック緩衝部材とハウジング緩衝部材とが当接することにより、弾性材料からなるこれらラック緩衝部材及びハウジング緩衝部材によってラック軸からの衝撃力を吸収することができる。
このように、優れた衝撃吸収能力を得ることができるので、例えば、タイヤ切れ角が最大となった状態にて出力が最大となるコラム式の電動パワーステアリング装置を搭載したとしても、コラムとラック・アンド・ピニオン部分とを連結しているシャフトの連結部分への負荷を軽減し、長寿命化を図ることができる。
図1は本発明の実施の形態に係るラックストロークエンドの衝撃緩和装置の断面図である。図1(B)は、図1(A)のB−B断面に、図1(C)は、図1(A)のC−C断面に対応する。
図1(A)に示すように、ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置において、ラック1が形成されたラック軸2は、そのラック1が図示しないピニオンに噛合され、円筒状のラックハウジング3内にて、矢印イ、ロ方向に往復移動可能に支持されており、このように構成されたラック機構の両端(図1(A)では一端のみ図示)のラックストロークエンドに衝撃緩和装置が構成されている。
また、ラックハウジング3は、その中央側の大内径部3aと、端部近傍の小内径部3bと、これら大内径部3aと小内径部3bとの間のテーパ内径部3cとを有する。小内径部3bは、大内径部3aよりも小径であり、テーパ内径部3cは、大内径部3aから小内径部3bへ向かって次第に窄まっている。これらの直径をそれぞれ、D3a、D3b、D3cとすると、D3a>D3c>D3bと表せる。
図示しないステアリングホイールが回転され、その回転運動がラック・アンド・ピニオン機構によって、ラック軸2の軸方向運動に変換され、このラック軸2が一方へ移動されると、その移動側のラックストロークエンドでは、図2(A)に示すように、ラックエンド4がラックハウジング3の端面5の挿通孔5aから突出される。
これにより、ラックストロークエンドには、ラック緩衝部材11、ハウジング緩衝部材13、ラックハウジング3の小内径部3b及びラックエンド4の大外径部4aによって囲われた圧縮空間Sが形成される。
その後、図2(C)に示すように、圧縮空間S内の空気(圧縮空気)は、ラック緩衝部材11の外周とラックハウジング3の小内径部3bの内周面との間及びハウジング緩衝部材13の内周とラックエンド4の大外径部4aとの間に形成された隙間G内に収容されるとともに、弾性材料からなるラック緩衝部材11及びハウジング緩衝部材13同士が当接して弾性変形することにより、ラック軸2からの衝撃力が吸収される。
また、ラック緩衝部材11、ハウジング緩衝部材13、ラックハウジング3及びラックエンド4によって囲われた圧縮空間S内の空気が、ラック緩衝部材11とラックハウジング3との間及びハウジング緩衝部材13とラックエンド4との間の隙間Gからなる収容空間内に収容されるので、ラック軸2の円滑な移動を妨げることなく、良好な衝撃吸収能力を発揮させることができる。
また、図5に示すように、ラック緩衝部材11自体に、軸方向に連通する連通孔(流路)22を形成し、圧縮空間S内にて圧縮される空気(もしくはその一部)を、これら連通溝21あるいは連通孔22を介してラック軸2側へ逃がすようにしても良い。
特に、上述のラックストロークエンドの衝撃緩和装置をラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置に用いることで、コラムとラック・アンド・ピニオン部分とを連結しているシャフトの連結部分への負荷を軽減し、長寿命化を図ることができる。
例えば、空間Sの縮小動作(ステアリングホイールの左右いずれかのストロークエンド方向への操舵)時には、内径が小さくなり、ラックストロークエンドにおける過剰な反発を抑制する程度に排気し、空間Sの拡大動作(ステアリングホイールのセンター方向への操舵)時には、内径が大きくなり、吸気をスムーズに行うことにより操舵抵抗を低減させるような制御弁を、連通孔22に設けてもよい。かかる構成によれば、空間Sの拡大動作時(吸気時)においても円滑なストローク動作を行うことができる。
なお、上記吸気時の対策を、図1、図3又は図4に示す装置に施しても良い。例えば、図1、図3又は図4に示す装置のラック緩衝部材11に、連通孔(流路)22を設け、さらに、この連通孔22に吸気は行うが排気は行わない単純弁を設けることにより、吸気をスムーズに行うようにしてもよい。
このように、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
Claims (3)
- ラックハウジング内にてラック軸が往復移動可能に支持され、前記ラックハウジングの端部と前記ラック軸の端部とが互いに当接されて前記ラック軸の移動が規制されるラック機構におけるラックストロークエンドの衝撃緩和装置であって、
ボールジョイントを介してタイロッドが連結されるラックエンドが前記ラック軸の端部に設けられて前記ラックハウジングの端部から突出され、
互いに当接される前記ラック軸の端部及びラックハウジングの端部に、それぞれ弾性材料からなるラック緩衝部材及びハウジング緩衝部材が設けられ、
前記ラックハウジングから突出される前記ラックエンドが突出方向の所定位置に到達した際に、前記ラック緩衝部材が前記ラックハウジングの内周面に摺動可能に密着するとともに前記ハウジング緩衝部材が前記ラックエンドの外周面に摺動可能に密着することを特徴とするラックストロークエンドの衝撃緩和装置。 - 前記ラック緩衝部材と前記ハウジング緩衝部材とが近接することにより圧縮されるラック緩衝部材とハウジング緩衝部材との間の空気を収容する収容空間を有することを特徴とする請求項1に記載のラックストロークエンドの衝撃緩和装置。
- 前記ラック緩衝部材と前記ハウジング緩衝部材とが近接することにより圧縮されるラック緩衝部材とハウジング緩衝部材との間の空気を外部に導く流路を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラックストロークエンドの衝撃緩和装置。
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