JP2009090713A - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操舵手段(操舵ハンドル)の軸方向移動で変速可能な変速機構を備える車両の操舵装置にて、変速機構の変速によるドライビングポジションの悪化を抑制すること。
【解決手段】 伝達軸(ステアリングメインシャフト10を含む)は、操舵ハンドルSHと転舵輪とを連結して、操舵ハンドルSHを介して入力される操舵力を前記転舵輪に伝達する。前記伝達軸には、操舵ハンドルSHの操作に対して補助力付与手段から所定の補助力が付与される。また、前記伝達軸には、操舵ハンドルSHの軸方向移動に伴って変速可能な変速機構CMが設けられている。変速機構CMの変速に基づいて運転者のドライビングポジションを変更可能な位置調整装置(80,90)が設けられている。
【選択図】 図4
【解決手段】 伝達軸(ステアリングメインシャフト10を含む)は、操舵ハンドルSHと転舵輪とを連結して、操舵ハンドルSHを介して入力される操舵力を前記転舵輪に伝達する。前記伝達軸には、操舵ハンドルSHの操作に対して補助力付与手段から所定の補助力が付与される。また、前記伝達軸には、操舵ハンドルSHの軸方向移動に伴って変速可能な変速機構CMが設けられている。変速機構CMの変速に基づいて運転者のドライビングポジションを変更可能な位置調整装置(80,90)が設けられている。
【選択図】 図4
Description
本発明は、運転者によって操作される操舵手段と、同操舵手段と転舵輪とを連結して前記操舵手段を介して入力される操舵力を前記転舵輪に伝達する伝達軸と、同伝達軸に接続されて前記操舵手段の操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段とを備えた車両の操舵装置に関する。
従来から、運転者による操舵手段の操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段を備えた車両の操舵装置(パワーステアリング装置)において、操舵状態の異常検出に基づいて補助力付与手段の作動を停止させる場合に、操舵性の悪化を抑制する提案がなされている。例えば、下記特許文献1には、操舵状態を推定するための複数の検出手段からの検出情報を取り込み、電動モータ(補助力付与手段)の作動を停止させる場合に複数の検出手段のうち正常に作動している検出手段を選択し、選択した検出手段からの検出値を監視しながら電動モータによるアシストトルク(補助力)の付与を徐々に低下させる電動パワーステアリング制御装置が示されている。この電動パワーステアリング制御装置によれば、電動モータを停止させる場合に、操舵ハンドル(操舵手段)が徐々に重くなるため、操舵違和感による操舵性の悪化を抑制することができるようになっている。
特開2005−67262号公報
しかし、上記特許文献1に示された従来の電動パワーステアリング制御装置であっても、電動モータの作動が完全に停止した後には、アシストトルクが付与されることがない。このため、運転者が操舵ハンドルを回動操作するためには大きな操舵力(操舵トルク)が必要となり、運転者に対して肉体的な負担を強いることになる。したがって、何らかの異常が発生し補助力付与手段が所定の補助力を付与しない状態であっても、運転者が操舵手段を介して入力する操舵力のみで容易に転舵輪を転舵させることができて、良好な操舵性を確保することが望まれている。
上記した問題に対して、出願人は、操舵手段からの操舵力によって回転可能な第1軸の回転を、第1軸から伝達される操舵力によって回転可能な第2軸に、同速にてまたは減速して伝達可能な変速機構を備える車両の操舵装置を、先に提案した。この車両の操舵装置においては、操舵手段の操作に対して補助力付与手段が所定の補助力を付与する補助力付与通常状態であるとき、変速機構にて第1軸の回転が同速にて第2軸に伝達されるように変速可能である。一方、操舵手段の操作に対して補助力付与手段が所定の補助力を付与しない補助力付与停止状態であるとき、変速機構にて第1軸の回転が減速されて第2軸に伝達されるように変速可能である。このため、何らかの異常が発生し補助力付与手段が所定の補助力を付与しない状態であっても、運転者が操舵手段を介して入力する操舵力のみで容易に転舵輪を転舵させることができて、良好な操舵性を確保することできる。
ところで、前記変速機構が、操舵手段および第1軸の軸方向移動に伴って変速可能である場合には、前記変速機構の変速後における操舵手段に対する運転者の相対位置(運転者のドライビングポジション)が、前記変速機構の変速前における操舵手段に対する運転者の相対位置に対して変化するため、前記変速機構の変速後においては、運転者のドライビングポジションが悪化するおそれがある。
本発明は、上記した問題(ドライビングポジションの悪化)に対処すべくなされたものであり、運転者によって操作される操舵手段と、同操舵手段と転舵輪とを連結して前記操舵手段を介して入力される操舵力を前記転舵輪に伝達する伝達軸と、同伝達軸に接続されて前記操舵手段の操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段とを備えた車両の操舵装置において、前記伝達軸は、前記操舵手段側に配置され前記操舵手段からの操舵力によって回転可能な第1軸と、前記転舵輪側に配置され前記第1軸の回転を同速にてまたは減速して伝達可能な変速機構を介して前記第1軸から伝達される操舵力によって回転可能な第2軸を備えていて、前記変速機構が、前記操舵手段および前記第1軸の軸方向移動に伴って変速可能であり、前記変速機構の変速に基づいて運転者のドライビングポジションを変更可能な位置調整装置が設けられていることに特徴がある。この場合において、前記位置調整装置は、運転者のシート位置、前記操舵手段の上下方向位置および運転者によって操作されるペダル位置の少なくとも一つの位置を変更可能であってもよい。
本発明による車両の操舵装置においては、操舵手段の操作に対して補助力付与手段が所定の補助力(アシストトルク)を付与する補助力付与通常状態において、変速機構にて第1軸の回転が同速にて第2軸に伝達されるように設定すれば、運転者は、第1軸と第2軸が同速にて回転しかつ補助力付与手段が伝達軸に補助力を付与する状態で、転舵輪を転舵させることができる。一方、操舵手段の操作に対して補助力付与手段が所定の補助力を付与しない補助力付与停止状態において、変速機構にて第1軸の回転が減速して第2軸に伝達されるように設定すれば、運転者は、第1軸に対して第2軸が減速されて回転しかつ補助力付与手段が伝達軸に補助力を付与しない状態で、転舵輪を転舵させることができ、転舵輪を転舵させるために必要な操舵力を変速機構にて軽減することができる。したがって、補助力付与手段が所定の補助力を付与しない状態であっても、運転者は操舵手段を介して入力する操舵力のみで容易に転舵輪を転舵させることができて、良好な操舵性を確保することができる。
ところで、本発明による車両の操舵装置においては、前記変速機構の変速に基づいて運転者のドライビングポジションを変更可能な位置調整装置が設けられているため、例えば、前記操舵手段および前記第1軸の軸方向移動に伴って変速可能な前記変速機構にて、第1軸と第2軸が同速にて回転する同速状態から第1軸に対して第2軸が減速されて回転する減速状態に変速されるとき、位置調整装置が、運転者のドライビングポジション(操舵手段に対する運転者の相対位置)を変更する。このため、前記変速機構の変速後(減速状態)における操舵手段に対する運転者の相対位置を、前記変速機構の変速前(同速状態)における操舵手段に対する運転者の相対位置と近くすることができて、前記変速機構の変速後(減速状態)においては、運転者のドライビングポジションの悪化を抑制することが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記変速機構が、車体側に回転不能に固定されているリングギアと、前記第1軸に同軸的かつ一体的に設けられ前記第1軸の軸方向移動に伴って軸方向に移動可能なサンギアと、前記第2軸に同軸的かつ一体的に設けられているキャリアと、このキャリアに回転可能に組付けられて前記サンギアと前記リングギアに対して噛合・非噛合可能なプラネタリギアを有する遊星歯車機構と、前記第2軸に同軸的かつ一体的に設けられ前記サンギアの軸方向移動によって前記サンギアと噛合・非噛合可能なアウトプットギアを備えており、前記変速機構では、前記操舵手段および前記第1軸の軸方向の移動に伴って、前記サンギアが前記アウトプットギアと噛合し前記プラネタリギアと噛合しないで前記第1軸の回転を同速にて前記第2軸に伝達可能な同速状態から、前記プラネタリギアが前記リングギアに噛合かつ前記サンギアが前記プラネタリギアと噛合し前記アウトプットギアと噛合しないで前記第1軸の回転を減速して前記第2軸に伝達可能な減速状態に変速可能であってもよい。この場合には、ステアリングコラムにテレスコピック機構を備えた操舵装置において、テレスコピック機構の構成を有効に活用して前記変速機構を構成することが可能であり、前記変速機構をシンプルかつ安価に構成することが可能である。
以下に、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明に係る車両の操舵装置の第1実施形態を示していて、この第1実施形態の操舵装置は、図1に示したように、運転者によって回動操作される操舵手段としての操舵ハンドルSHと、同操舵ハンドルSHと転舵輪としての左右前輪(図示省略)とを連結している伝達軸(伝達機構)COを備えている。
操舵ハンドルSHは、図1に示したように、運転者によって入力される操舵力を伝達軸COに伝達するためのものであり、伝達軸COの運転者側端部に連結されている。伝達軸COは、操舵ハンドルSHを介して入力される操舵力を左右前輪に伝達するためのものであり、ステアリングコラムSCにおけるステアリングメインシャフト10と、このステアリングメインシャフト10にアッパーユニバーサルジョイント31を介して連結されているインターミディエイトシャフト32と、このインターミディエイトシャフト32にロアーユニバーサルジョイント33を介して連結されているピニオンシャフト34と、このピニオンシャフト34にピニオンギアおよびラックギア(共に図示省略)を介して接続されているラックバー(図示省略)と、このラックバーの左右動を左右前輪の左右転舵として伝えるステアリングリンク機構(図示省略)を備えている。
ステアリングコラムSCは、操舵ハンドルSHと一体的に回転可能なステアリングメインシャフト10と、このステアリングメインシャフト10を内部に収容しかつ回転可能に支持するコラムチューブ20と、ステアリングコラムSCをチルト動作(上下方向での傾動動作)させる電動チルト機構40と、ステアリングコラムSCをテレスコピック動作(コラム軸方向での伸長・収縮動作)させる電動テレスコピック機構50と、操舵ハンドルSHの操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段としてのEPS(電動パワーステアリング)ユニット60を備えている。
ステアリングメインシャフト10は、図1〜図3に示したように、第1軸としてのアッパーシャフト11と、第2軸としてのロアーシャフト12を備えるとともに、ロアーシャフト12にトーションバー(図示省略)を介して連結されているアウトプットシャフト13(図1参照)を備えている。アッパーシャフト11は、中空状に形成されていて、上端側(運転者側)にて操舵ハンドルSHに接続されており、操舵ハンドルSHの回動操作によって操舵ハンドルSHと一体的に回転可能である。ロアーシャフト12は、中空状に形成されていて、アッパーシャフト11の下端部がコラム軸方向に摺動可能に挿通されている。
コラムチューブ20は、図1〜図3に示したように、ステアリングメインシャフト10を回転自在に支持するためのものであり、インストルメントパネルリインフォースメントIRに設けられるステアリングサポート部材SSに車両前方側が下方に位置するように傾斜した姿勢で支持されていて、アッパーチューブ21と、ロアーチューブ22を備えている。なお、インストルメントパネルリインフォースメントIRおよびステアリングサポート部材SSは、車体に組み付けられて固定される車体側部材である。
アッパーチューブ21は、図1〜図3に示したように、ロアーチューブ22の車両後方側端部外周にテレスコガイド23を介してコラム軸方向に摺動可能に組付けられていて、電動テレスコピック機構50によってコラム軸方向位置を調整可能とされている。また、アッパーチューブ21は、図2および図3に示したように、中空状に形成されていて、上端部の内周に一体的に設けられているベアリングBrを介してアッパーシャフト11を回転可能かつ一体的にコラム軸方向へ移動可能に支持している。テレスコガイド23は、アッパーチューブ21の下端部内周に固着されていて、ロアーチューブ22との摺動抵抗を低減可能である。
ロアーチューブ22は、図1に示したように、EPSユニット60のハウジング61と支持ピンP1を介して、ステアリングサポート部材SSの車両前方下部に設けたアームSSaに、上下方向にて回動可能(支持ピンP1の軸心(チルト中心)を中心としてチルト可能)に支持されていて、電動チルト機構40によって上下方向位置を調整可能とされている。また、ロアーチューブ22は、図2および図3に示したように、中空状に形成されていて、下端部の内周に一体的に設けられているベアリング(図示省略)を介してロアーシャフト12を回転可能かつコラム軸方向に変位不能に支持している。また、ロアーチューブ22は、上端部(車両後方部)にてアッパーチューブ21の下端部(車両前方部)に挿通されていて、アッパーチューブ21をコラム軸方向にて摺動可能に支持している。
インターミディエイトシャフト32は、図1に示したように、上端部(車両後方部)にてアッパーユニバーサルジョイント31に連結され、下端部(車両前方部)にてロアーユニバーサルジョイント33に連結されていて、アウトプットシャフト13にアッパーユニバーサルジョイント31を介して一体回転可能に接続されている。なお、インターミディエイトシャフト32は、車両衝突時にステアリングコラムSCおよび操舵ハンドルSHが運転者側に押し出されてくることを防止するために、コラム軸方向に収縮可能である。
ピニオンシャフト34は、図1に示したように、上端部(車両後方部)にてインターミディエイトシャフト32にロアーユニバーサルジョイント33を介して一体回転可能に接続されていて、下端部(車両前方部)にはピニオンギア(図示省略)が一体的に設けられている。なお、ラックバー(図示省略)から左右前輪に至るステアリングリンク機構(図示省略)の構成は公知であるため、その説明は省略する。
電動チルト機構40は、所定のチルト調整範囲にてチルト調整可能であり、図1に示したように、ステアリングサポート部材SSの車両後方下部に固着したブラケット41に組付けられたチルトアジャストナット42と、このチルトアジャストナット42に螺合して上下方向(コラム軸方向に直交する方向成分を含んでいる方向)に延びるチルトスクリュ43と、このチルトスクリュ43を回転駆動可能なチルト電気モータ44を備えている。
チルトアジャストナット42は、ブラケット41に設けたコラム軸方向に長い長孔41aに対して、チルトスクリュ43の軸周りに回転不能、チルトスクリュ43の軸方向に移動不能、チルトスクリュ43とともにコラム軸方向に移動可能かつ前後方向に傾動可能に組付けられている。チルトスクリュ43は、チルト電気モータ44を介してロアーチューブ22に組付けられていて、ロアーチューブ22に対して、チルトスクリュ43の軸周りに回転可能かつ上下方向(その軸方向)に移動不能に組付けられている。チルト電気モータ44は、減速機付の電気モータであり、ロアーチューブ22に組付けられていて、通電によって回転駆動してチルトスクリュ43を回転駆動可能である。
電動テレスコピック機構50は、所定のテレスコ調整範囲にてテレスコ調整可能であり、アッパーチューブ21に組付けられてアッパーチューブ21と一体的に移動可能なテレスコアジャストナット51と、このテレスコアジャストナット51に螺合してコラム軸方向に沿って延びるテレスコスクリュ52と、このテレスコスクリュ52を回転駆動可能なテレスコ電気モータ53を備えている。テレスコスクリュ52は、テレスコ電気モータ53を介してロアーチューブ22に組付けられていて、ロアーチューブ22に対して、テレスコスクリュ52の軸周りに回転可能かつコラム軸方向に移動不能に組付けられている。テレスコ電気モータ53は、減速機付の電気モータであり、ロアーチューブ22に組付けられていて、通電によって回転駆動してテレスコスクリュ52を回転駆動可能である。
EPSユニット60は、運転者が操舵ハンドルSHを回動操作するときに入力する操舵トルクtを低減するために、アシストトルクTa(補助力)をステアリングメインシャフト10に付与するためのものであり、図1に示したように、ロアーチューブ22の下端(車両前方端)にボルトなどの締結手段によって連結されているハウジング61と、このハウジング61に組み付けられているアシスト電気モータ62と、このアシスト電気モータ62に組付けられている減速機(図示省略)を備えている。アシスト電気モータ62は、減速機を介してステアリングメインシャフト10のアウトプットシャフト13に連結されていて、通電によって回転駆動してステアリングメインシャフト10のアウトプットシャフト13にアシストトルクTaを付与可能である。
また、この第1実施形態においては、図2および図3に示したように、アッパーシャフト11の回転を同速にてまたは減速してロアーシャフト12に伝達可能な変速機構CMがステアリングコラムSCに設けられている。この変速機構CMは、アッパーシャフト11に設けたサンギア71を入力要素とし、ロアーシャフト12に設けたキャリア72を出力要素とし、ロアーチューブ22に設けたリングギア73を反力要素とする遊星歯車機構70と、ロアーシャフト12に設けられているアウトプットギア12aを備えている。
遊星歯車機構70は、上記したサンギア71、キャリア72およびリングギア73を備えるとともに、キャリア72に組付けたプラネタリギア74を備えている。この遊星歯車機構70において、プラネタリギア74は複数個(例えば、三個)であり、周方向において等間隔に配置されている。サンギア71は、アッパーシャフト11の車両前方端部(図示左端部)外周に同軸的かつ一体的に形成されていて、アッパーシャフト11のコラム軸方向移動に伴ってコラム軸方向に移動可能である。キャリア72は、ロアーシャフト12の車両後方端部に同軸的かつ一体的に設けられている。リングギア73は、ロアーチューブ22の車両後方端部内周に同軸的かつ一体的に形成されていて、車体側に回転不能に固定されている。
プラネタリギア74は、その軸心に設けた支持軸74aと一体回転可能であり、支持軸74aにてキャリア72に回転可能(キャリア72に対して自転可能)に組付けられていて、リングギア73に対して常時噛合している。このプラネタリギア74は、図2に示したように、サンギア71がテレスコピック調整ストロークLの範囲でテレスコピック動作するときには、サンギア71と噛合しない。また、プラネタリギア74は、図3に示したように、サンギア71がテレスコピック調整ストロークL外の減速位置にまでテレスコピック動作するときには、サンギア71と噛合する。
アウトプットギア12aは、ロアーシャフト12の後部(図示左方部)内周に同軸的かつ一体的に形成されていて、サンギア71のコラム軸方向への移動によってサンギア71と噛合・非噛合可能である。このため、この変速機構CMでは、テレスコピック調整ストロークLの範囲でテレスコピック作動するとき(例えば、図2に示した位置にあるとき)には、サンギア71がアウトプットギア12aと噛合しプラネタリギア74と噛合していない状態とされて、アッパーシャフト11(第1軸)の回転が同速にてロアーシャフト12(第2軸)に伝達される。また、サンギア71が、テレスコピック調整ストロークLの範囲外にテレスコピック作動されて減速位置にまで移動したとき(図3に示した位置まで移動したとき)には、サンギア71がプラネタリギア74と噛合しアウトプットギア12aと噛合していない状態とされて、アッパーシャフト11(第1軸)の回転が遊星歯車機構70にて減速されてロアーシャフト12(第2軸)に伝達される。
また、この第1実施形態においては、図4にて概略的に示したように、運転者のシート位置(詳細には、シートクッションSTCの前後方向位置とシートバックSTBの傾動位置)を変更可能(調整可能)なパワーシート装置80と、運転者によって操作されるペダル位置(詳細には、ブレーキペダル、アクセルペダル等の前後方向位置)を変更可能なパワーアジャスタブルペダル装置90が設けられている。
パワーシート装置80は、それ自体公知のものであり、シートクッションSTCの前後方向位置を通電による回転駆動によって変更可能なシートスライド電気モータ81と、シートクッションSTCに対するシートバックSTBの傾動位置(傾斜角度)を回転駆動によって変更可能なシートリクライニング電気モータ82を備えている。パワーアジャスタブルペダル装置90は、それ自体公知のものであり、ブレーキペダル、アクセルペダル等の前後方向位置を通電による回転駆動によって変更可能なペダル電気モータ91を備えている。
次に、上記した電動チルト機構40(チルト電気モータ44)、電動テレスコピック機構50(テレスコ電気モータ53)およびEPSユニット60(アシスト電気モータ62)の作動を制御するとともに、上記したパワーシート装置80(シートスライド電気モータ81、シートリクライニング電気モータ82)とパワーアジャスタブルペダル装置90(ペダル電気モータ91)の作動を制御する電気制御装置110およびこの電気制御装置110に接続されている警報装置120について説明する。
電気制御装置110は、図5に示したように、車速センサ111、操舵トルクセンサ112、操舵角センサ113、転舵角センサ114、加速度センサ115、モータ回転角センサ116、減速位置検出センサ117を備えていると共に、これら各センサ111〜117に接続されているとともに、上記した各電気モータ44,53,62,81,82,91と警報装置120に接続されている電子制御ユニット118を備えている。
車速センサ111は、車両の車速Vを検出して出力する。操舵トルクセンサ112は、EPSユニット60のハウジング61内に組付けられていて、操舵ハンドルSHからステアリングメインシャフト10のアッパーシャフト11とロアーシャフト12を介してEPSユニット60の入力部に入力される操舵トルクtを検出して出力する。操舵角センサ113は、アッパーシャフト11に対応してアッパーチューブ21に組付けられていて、操舵ハンドルSHの回転角を検出して操舵角θとして出力する。転舵角センサ114は、ラックバーに対応してラックバーを収容するラックハウジング内に組み付けられていて、ラックバーの軸方向への変位量を検出し、同検出した変位量に対応する左右前輪の転舵角δを出力する。
加速度センサ115は、例えば、車両の重心位置に組み付けられていて、車両に発生した左右方向の加速度Gを検出して出力する。モータ回転角センサ116は、例えば、アシスト電気モータ62のモータハウジング内に組み付けられていて、モータ回転軸の回転角を検出してモータ回転角θmとして出力する。減速位置検出センサ117は、図2および図3に示したように、アッパーチューブ21の外周に組付けられていて、サンギア71が、テレスコピック調整ストロークLの範囲外にテレスコピック作動されて減速位置にまで移動したとき(図3に示した位置まで移動したとき)に、テレスコスクリュ52の後端部外周に組付けた永久磁石MGに近接してON作動するように設定されている。
電子制御ユニット118は、CPU、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものであり、入力される各センサ111〜116の各検出値間の相関性に基づき各センサ111〜116の作動状態が正常または異常であるかを判定して、各センサ111〜116の作動状態が正常であると判定した場合には正常プログラムPr1を実行し、各センサ111〜116の作動状態が異常であると判定した場合には異常プログラムPr2を実行するように構成されている。
電子制御ユニット118は、正常プログラムPr1を実行する場合、車速センサ111によって検出されたVと操舵トルクセンサ112によって検出された操舵トルクtに基づいてアシストトルクTaを決定し、この決定したアシストトルクTaに対応してアシスト電気モータ62を駆動させるための駆動電流をアシスト電気モータ62に供給する。これにより、アシスト電気モータ62が供給される駆動電流に応じて回転駆動されて、ステアリングメインシャフト10のアウトプットシャフト13に適切なアシストトルクTaを付与する状態(以下、アシスト通常状態という)となる。
また、電子制御ユニット118は、正常プログラムPr1を実行する場合、運転者によるチルト調整操作、テレスコピック調整操作、シート位置調整操作およびペダル位置調整操作、すなわち、上記した各電気モータ44,53,81,82,91の作動を許容する。したがって、アシスト通常状態では、運転者は、操舵ハンドルSHの上下方向位置およびコラム軸方向位置を調整することが可能であるとともに、シート位置およびペダル位置を調整することが可能である。また、電子制御ユニット118は、正常プログラムPr1を実行する場合、警報装置120に正常信号を出力する。
一方、電子制御ユニット118は、異常プログラムPr2を実行する場合、アシスト電気モータ62の駆動を停止させるため、駆動電流をアシスト電気モータ62に供給しない。これにより、アシスト電気モータ62が駆動電流を供給されなくて、ステアリングメインシャフト10のアウトプットシャフト13にアシストトルクTaを付与しない状態(以下、アシスト停止状態という)となる。また、電子制御ユニット118は、異常プログラムPr2を実行する場合、警報装置120に異常信号を出力する。
また、電子制御ユニット118は、異常プログラムPr2を実行する場合、車両の走行挙動が安定しているとき(例えば、車速がゼロで停車しているとき)に、サンギア71を減速位置に移動させるべくテレスコ電気モータ53に駆動電流を供給する。なお、テレスコ電気モータ53への駆動電流の供給は、減速位置検出センサ117のON作動に基づいて、停止される。また、電子制御ユニット118は、異常プログラムPr2を実行する場合、サンギア71の減速位置への移動に伴う操舵ハンドルSHの上方への移動を補正すべく、チルト電気モータ44に駆動電流を供給する。なお、チルト電気モータ44への駆動電流の供給量は、下方へのチルト角がα(下記式(1)によって求められる)となるようにして決定される。
(L+ΔL)sin(θ−α)=H 式(1)
(L+ΔL)sin(θ−α)=H 式(1)
また、電子制御ユニット118は、異常プログラムPr2を実行する場合、車両の走行挙動が安定しているとき(例えば、車速がゼロで停車しているとき)に、サンギア71の減速位置への移動に伴う操舵ハンドルSHの後方への移動に応じて運転者のシート位置とペダル位置を後方に移動すべく、シートスライド電気モータ81とペダル電気モータ91に駆動電流をそれぞれ供給する。なお、シートスライド電気モータ81とペダル電気モータ91への駆動電流の供給量は、後方への移動量がS(下記式(2)によって求められる)となるようにして決定される。
(L+ΔL)cos(θ−α)−L・cosθ=S 式(2)
(L+ΔL)cos(θ−α)−L・cosθ=S 式(2)
上記した式(1)および(2)において、Lは操舵ハンドルSHがチルト調整範囲およびテレスコ調整範囲のニュートラル位置にある場合の操舵ハンドルSH回転中心からチルト中心までの長さであり、ΔLはテレスコ調整範囲のニュートラル位置でのサンギア71の位置からサンギア71の減速位置までの長さであり、θはチルト調整範囲のニュートラル位置での傾斜角度であり、Hは操舵ハンドルSHがチルト調整範囲およびテレスコ調整範囲のニュートラル位置にある場合のチルト中心に対する操舵ハンドルSH回転中心の高さである(図4の(A)および(B)参照)。
また、電子制御ユニット118は、異常プログラムPr2を実行する場合、車両の走行挙動が安定しているとき(例えば、車速がゼロで停車しているとき)に、操舵ハンドルSHの傾斜角度が図4の(A)にて実線で示した角度から図4の(B)にて実線で示した角度に変化するのに合わせて、シートバックSTBを変速前の傾斜角βより後方に傾斜して運転者の手と操舵ハンドルSHの関係を維持すべく、シートリクライニング電気モータ82に駆動電流を供給する。なお、シートリクライニング電気モータ82への駆動電流の供給量は、シートバックSTBの後方への傾斜角がαとなるようにして決定される。
警報装置120は、アシスト通常状態またはアシスト停止状態であることを運転者に報知するためのものであり、電子制御ユニット118に接続されており、運転者によって視認可能な位置(例えば、メータクラスタ内など)に組み付けられている表示部121と、音声を出力する音声出力部122を備えている。表示部121は、例えば、ランプや表示パネルなどから構成されるものであり、ランプの点灯や表示パネルの表示切替により、運転者に対してアシスト通常状態またはアシスト停止状態を報知する。音声出力部122は、例えば、スピーカなどから構成されるものであり、音声の出力により、運転者に対してアシスト停止状態を報知する。この警報装置120では、電子制御ユニット118からの正常信号を入力すると、表示部121が運転者に対してアシスト通常状態を報知する。また、電子制御ユニット118からの異常信号を入力すると、表示部121が運転者に対してアシスト停止状態を報知するとともに、音声出力部122が運転者に対してアシスト停止状態を報知する。
上記のように構成した第1実施形態の操舵装置においては、アシスト通常状態にあるとき、図2および図4(A)に示したように、サンギア71がアウトプットギア12aと噛合しプラネタリギア74と噛合していない状態とされて、アッパーシャフト11の回転が同速にてロアーシャフト12に伝達される。このため、運転者は、変速機構CMがアッパーシャフト11の回転を同速にてロアーシャフト12に伝達し、EPSユニット60がステアリングメインシャフト10のアウトプットシャフト13にアシストトルクTaを付与する状態で、左右前輪(転舵輪)を転舵させることができる。
一方、アシスト停止状態においては、図3および図4(B)に示したように、サンギア71がプラネタリギア74と噛合しアウトプットギア12aと噛合していない状態となる。これにより、サンギア入力―キャリア出力の遊星歯車機構70にてアッパーシャフト11の回転が減速してロアーシャフト12に伝達されて、運転者は、左右前輪(転舵輪)を転舵させるために必要な操舵力(操舵トルクt)を軽減することができる。したがって、アシスト停止状態であっても、運転者は操舵ハンドルSHを介して入力する操舵力のみで容易に左右前輪(転舵輪)を転舵させることができて、良好な操舵性を確保することが可能である。
ところで、この第1実施形態においては、アシスト通常状態からアシスト停止状態となる際に、変速機構CMにてアッパーシャフト11とロアーシャフト12が同速にて回転する同速状態からアッパーシャフト11に対してロアーシャフト12が減速されて回転する減速状態に変速されるとき、電動チルト機構40、パワーシート装置80、パワーアジャスタブルペダル装置90等の位置調整装置が、運転者のドライビングポジション(操舵ハンドルSHに対する運転者の相対位置)を変更する。このため、変速機構CMの変速後(減速状態)における操舵ハンドルSHに対する運転者の相対位置を、変速機構CMの変速前(同速状態)における操舵ハンドルSHに対する運転者の相対位置と近くすることができて、変速機構CMの変速後(減速状態)においては、運転者のドライビングポジションの悪化を抑制することが可能である。
また、この第1実施形態においては、変速機構CMが、サンギア71、キャリア72、リングギア73、プラネタリギア74を有する遊星歯車機構70と、サンギア71と噛合・非噛合可能なアウトプットギア12aを備えていて、ステアリングコラムSCに組み込まれている。また、変速機構CMでは、操舵ハンドルSHおよびアッパーシャフト11のコラム軸方向の移動に伴って、サンギア71がアウトプットギア12aと噛合しプラネタリギア74と噛合しないでアッパーシャフト11とロアーシャフト12を同速にて伝達可能な同速状態から、サンギア71がプラネタリギア74と噛合しアウトプットギア12aと噛合しないでアッパーシャフト11の回転を減速してロアーシャフト12に伝達可能な減速状態に変速可能である。このため、この第1実施形態においては、ステアリングコラムSCにテレスコピック機構を備えた操舵装置において、テレスコピック機構の構成を有効に活用して変速機構CMを構成することが可能であり、変速機構CMをシンプルかつ安価に構成することが可能である。
上記した第1実施形態においては、チルト機構が胴振りタイプである場合(テレスコピック機構が配設されている部位より車両前方にチルト中心が設けられている場合)について説明したが、図6にて概略的に示した第2実施形態のように、チルト機構が首振りタイプである場合(テレスコピック機構が配設されている部位より車両後方にチルト中心が設けられている場合)にも、本発明は上記第1実施形態と同様に、または適宜変更して実施することが可能である。なお、図6の(A)は、変速機構CMの変速前(同速状態)における状態が示されており、また、図6の(B)は、変速機構CMの変速後(減速状態)における状態が示されている。また、この第2実施形態では、ステアリングコラムの取付角度がθであり、この取付角度θに対する操舵ハンドルSHの傾斜角度がφである。
また、上記した第1実施形態においては、電子制御ユニット118が異常プログラムPr2を実行する場合に、電動チルト機構40、パワーシート装置80、パワーアジャスタブルペダル装置90等の各電気モータ44,81,82,91への駆動電流の供給量が簡易的に求められるように構成して実施(変速機構CMの変速前では操舵ハンドルSHがチルト調整範囲およびテレスコ調整範囲のニュートラル位置にあると想定して実施)したが、変速機構CMの変速前における操舵ハンドルSHの位置を正確に検出可能に構成して実施することも可能である。この場合には、上記した第1実施形態に比して、変速機構CMの変速後(減速状態)における運転者のドライビングポジションを、変速機構CMの変速前(同速状態)における運転者のドライビングポジションに近似させることが可能である。
また、上記した第1実施形態では、変速機構CMが減速状態に変速されるときに、操舵ハンドルSHの上下方向位置が変更(チルト調整)されるとともに、運転者のシート位置と運転者によって操作されるペダル位置が共に変更(調整)されるように構成して実施したが、本発明の実施に際しては、操舵ハンドルSHの上下方向位置、運転者のシート位置および運転者によって操作されるペダル位置の少なくとも一つが変更されるように構成して実施することも可能である。
また、上記した第1実施形態では、電動チルト機構40と電動テレスコピック機構50を備えた車両の操舵装置に本発明を実施したが、手動式のチルト・テレスコピック機構を備えた車両の操舵装置にも本発明は実施することが可能である。この場合には、変速機構の変速に基づいて(具体的には、変速機構が同速状態から減速状態に変速されたときに)、運転者のドライビングポジションを変更可能な位置調整装置により、例えば、運転者のシート位置および運転者によって操作されるペダル位置の少なくとも一つが変更されるように構成する必要がある。
また、上記した第1実施形態においては、操舵ハンドルSHが車両後方側に移動する(ロアーシャフト12に対してアッパーシャフト11が図示右方向へ移動する)ことによってサンギア71がアウトプットギア12aと噛合している状態からプラネタリギア74と噛合している状態に切り替わるように構成して実施したが、操舵ハンドルが車両前方側に移動する(ロアーシャフト12に対してアッパーシャフト11が図示左方向へ移動する)ことによってサンギア(71)がアウトプットギア(12a)と噛合している状態からプラネタリギア(74)と噛合している状態に切り替わるように構成して実施することも可能である。この場合には、アウトプットギア(12a)、プラネタリギア(74)の順に運転者側となるようにしたレイアウトをプラネタリギア(74)、アウトプットギア(12a)の順に運転者側となるようにレイアウトする必要がある。
また、上記した第1実施形態においては、伝達軸COに接続されて操舵ハンドルSHの操作に対して所定のアシストトルクTa(補助力)を付与するEPSユニット(補助力付与手段)として、ステアリングメインシャフト10のアウトプットシャフト13に対してアシストトルクTaを付与するコラムアシスト方式の電動パワーステアリング装置を用いて実施したが、例えば、ピニオンシャフト34に対してアシストトルクTaを付与するピニオンアシスト方式の電動パワーステアリング装置を用いて実施することや、ラックバーに対してアシストトルクTaを付与するラックアシスト方式の電動パワーステアリング装置を用いて実施することも可能である。
また、上記した第1実施形態においては、操舵ハンドルSHの操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段として、電動式パワーステアリング装置を採用して実施したが、油圧式パワーステアリング装置を採用して実施することも可能である。また、上記した各実施形態においては、伝達軸COにおけるステアリングギアとして、ラックアンドピニオン式のステアリングギアを採用して実施したが、例えば、ボール・スクリュー式のステアリングギアを採用して実施することも可能である。
SH…操舵ハンドル、CO…伝達軸、SC…ステアリングコラム、10…ステアリングメインシャフト、11…アッパーシャフト、12…ロアーシャフト、12a…アウトプットギア、20…コラムチューブ、21…アッパーチューブ、22…ロアーチューブ、40…電動チルト機構、50…電動テレスコピック機構、60…EPSユニット、CM…変速機構、70…遊星歯車機構、71…サンギア、72…キャリア、73…リングギア、74…プラネタリギア、80…パワーシート装置、90…パワーアジャスタブルペダル装置、110…電気制御装置
Claims (3)
- 運転者によって操作される操舵手段と、同操舵手段と転舵輪とを連結して前記操舵手段を介して入力される操舵力を前記転舵輪に伝達する伝達軸と、同伝達軸に接続されて前記操舵手段の操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段とを備えた車両の操舵装置において、
前記伝達軸は、前記操舵手段側に配置され前記操舵手段からの操舵力によって回転可能な第1軸と、前記転舵輪側に配置され前記第1軸の回転を同速にてまたは減速して伝達可能な変速機構を介して前記第1軸から伝達される操舵力によって回転可能な第2軸を備えていて、
前記変速機構が、前記操舵手段および前記第1軸の軸方向移動に伴って変速可能であり、前記変速機構の変速に基づいて運転者のドライビングポジションを変更可能な位置調整装置が設けられていることを特徴とする車両の操舵装置。 - 請求項1に記載の車両の操舵装置において、前記位置調整装置は、運転者のシート位置、前記操舵手段の上下方向位置および運転者によって操作されるペダル位置の少なくとも一つの位置を変更可能であることを特徴とする車両の操舵装置。
- 請求項1または2に記載の車両の操舵装置において、
前記変速機構が、車体側に回転不能に固定されているリングギアと、前記第1軸に同軸的かつ一体的に設けられ前記第1軸の軸方向移動に伴って軸方向に移動可能なサンギアと、前記第2軸に同軸的かつ一体的に設けられているキャリアと、このキャリアに回転可能に組付けられて前記サンギアと前記リングギアに対して噛合・非噛合可能なプラネタリギアを有する遊星歯車機構と、前記第2軸に同軸的かつ一体的に設けられ前記サンギアの軸方向移動によって前記サンギアと噛合・非噛合可能なアウトプットギアを備えており、
前記変速機構では、前記操舵手段および前記第1軸の軸方向の移動に伴って、前記サンギアが前記アウトプットギアと噛合し前記プラネタリギアと噛合しないで前記第1軸の回転を同速にて前記第2軸に伝達可能な同速状態から、前記プラネタリギアが前記リングギアに噛合かつ前記サンギアが前記プラネタリギアと噛合し前記アウトプットギアと噛合しないで前記第1軸の回転を減速して前記第2軸に伝達可能な減速状態に変速可能であることを特徴とする車両の操舵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007260777A JP2009090713A (ja) | 2007-10-04 | 2007-10-04 | 車両の操舵装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013132987A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Jtekt Corp | ステアリング制御装置 |
-
2007
- 2007-10-04 JP JP2007260777A patent/JP2009090713A/ja active Pending
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