JP2009088363A - 樹脂モールド変成器 - Google Patents

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Naoyuki Oinuma
直之 老沼
Akitomo Yoshitani
彰倫 吉谷
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Abstract

【課題】安全性を確保しつつ変成器自体の寸法縮小化をはかることで、接続や設置固定の融通性を増大させ、その結果として閉鎖形受配電設備やC−GISの装置全体の小型化に対応可能な樹脂モールド変成器を提供する。
【解決手段】略コ字状である2組の半割り鉄心を固体絶縁部の貫通孔に挿通させつつ挟着して外側を締結バンド72で締め付け固定して略ロ字状鉄心71とし、この略ロ字状鉄心71を二個設けてなる断面が略8の字状の連結鉄心70は、その内周面と、少なくとも固体絶縁部10の固定用平滑面上の接地層17と、の間に略等距離のギャップを介在させる樹脂モールド変成器1とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、一次巻線及び二次巻線を絶縁樹脂により一体成形した樹脂モールド変成器に関する。
各種変成器のうち計器用変圧器、即ち、高圧充電部である高圧母線等と一次巻線を接続して一次回路を形成し、一次巻線電圧を低電圧に変成して、二次巻線に接続された電圧計や継電器を動作させる計器用変圧器(以下VTと称す)や接地形計器用変圧器(以下EVTと称す)が知られている。
これらVTやEVTは、電圧計測用として、または回路保護用異常電圧検出センサとして、受配電設備に不可欠な電気機器であり、配電盤等の閉鎖形受配電設備やキュービクル形絶縁開閉装置(以下C−GISと称す)の金属閉鎖箱内部に、他の電気機器や絶縁機器と共に一括収納されている。以下、特に、ことわりがない限り、変成器はEVTであるものとして説明する。
ところが、変成器自体の形状や大きさが、閉鎖形受配電設備やC−GISを小型化して据え付け面積を縮小しコスト低減をはかろうとする際に、とりわけ、高圧母線の相間距離縮小に対する障害となっていた。このような課題を知見した本出願人は、巻線形状や鉄心配置等固有の構成を備え、特に、相間寸法を縮小した変成器を発明して特許出願(特願2000−046763号)をした。そしてこの特許出願は、特許第3929222号として特許されるに至っている。
特許第3929222号公報
しかしながら、変成器は、それ自体の寸法縮小はもとより、金属閉鎖箱内部での一次巻線と高圧母線との水平方向或いは垂直方向等さまざまな方向での接続や設置固定、あるいは、他の電気機器や絶縁機器との配置距離縮小等、閉鎖形受配電設備やC−GISの装置全体として小型化にかかわる更なる要望がある。
また、小型化に伴い絶縁の確保を確実にして安全性を向上したいという要望がある。
加えて変成器は高圧母線等に接続することから、誤接続が生じにくいようにして、やはり安全性をより向上させたいという要望もある。
そこで、本発明の目的は、安全性を確保しつつ変成器自体の寸法縮小化をはかることで、接続や設置固定の融通性を増大させ、その結果として閉鎖形受配電設備やC−GISの装置全体の小型化に対応可能な樹脂モールド変成器を提供するものである。
本発明の請求項1に係る樹脂モールド変成器は、
多層円筒状で偶数層に巻回された二次巻線と、二次巻線の外周面に形成された絶縁部と、絶縁部の外周面に巻回された多層円筒状の一次巻線と、が同心円上に一体的に形成され、一次巻線の外半径から二次巻線の内半径を引いた寸法差をその中心軸方向の長さよりも大にして、半径方向に長く、かつ、中心軸方向に短く扁平させた偏平円筒状巻線と、
一次巻線の一次側巻始線と電気的に接続される一次側中性点端子と、
一次巻線の一次側巻終線と電気的に接続される一次側高圧端子と、
二次巻線の二次側巻始線と電気的に接続される二次側巻始端子と、
二次巻線の二次側巻終線と電気的に接続される二次側巻終端子と、
偏平円筒状巻線の全部、一次側中性点端子の一部、一次側高圧端子の一部、二次側巻始端子の一部、および、二次側巻終端子の一部を被覆し、偏平円筒状巻線の中心孔を貫通する貫通孔および外表面の一部に水平な固定用平滑面を形成し、一次側高圧端子が穴部内に配置された高圧連結部、一次側中性点端子が突出する一次側凸部、二次側巻始端子が突出する二次側凸部、および、二次側巻終端子が突出する二次側凸部がそれぞれ一体に形成される固体絶縁部と、
略コ字状である2組の半割り鉄心を固体絶縁部の貫通孔に挿通させつつ挟着して外側を締結バンドで締め付け固定して略ロ字状鉄心とし、この略ロ字状鉄心を二個設けてなる断面が略8の字状の連結鉄心と、
一次側高圧端子が配置された高圧連結部の穴部、一次側中性点端子が突出する一次側凸部、二次側巻始端子が突出する二次側凸部および二次側巻終端子が突出する二次側凸部をそれぞれ除いた固体絶縁部の外表面に形成され、電気的に接地された接地層と、
を備え、
前記連結鉄心は、その内周面と、少なくとも固体絶縁部の固定用平滑面上の接地層と、
の間に略等距離のギャップを介在させることを特徴する。
また、本発明の請求項2に係る樹脂モールド変成器は、
多層円筒状で偶数層に巻回された二次巻線と、二次巻線の外周面に形成された絶縁部と、絶縁部の外周面に巻回された多層円筒状の一次巻線と、が同心円上に一体的に形成され、一次巻線の外半径から二次巻線の内半径を引いた寸法差をその中心軸方向の長さよりも大にして、半径方向に長く、かつ、中心軸方向に短く扁平させた偏平円筒状巻線と、
一次巻線の一次側巻始線と電気的に接続される一次側中性点端子と、
一次巻線の一次側巻終線と電気的に接続される一次側高圧端子と、
二次巻線の二次側巻始線と電気的に接続される二次側巻始端子と、
二次巻線の二次側巻終線と電気的に接続される二次側巻終端子と、
偏平円筒状巻線の全部、一次側中性点端子の一部、一次側高圧端子の一部、二次側巻始端子の一部、および、二次側巻終端子の一部を被覆し、偏平円筒状巻線の中心孔を貫通する貫通孔および外表面の一部に水平な固定用平滑面を形成し、一次側高圧端子が穴部内に配置された高圧連結部、一次側中性点端子が突出する一次側凸部、二次側巻始端子が突出する二次側凸部、および、二次側巻終端子が突出する二次側凸部がそれぞれ一体に形成される固体絶縁部と、
略コ字状である2組の半割り鉄心を固体絶縁部の貫通孔に挿通させつつ挟着して外側を締結バンドで締め付け固定して略ロ字状鉄心とし、この略ロ字状鉄心を二個設けてなる断面が略8の字状の連結鉄心と、
一次側高圧端子が配置された高圧連結部の穴部、一次側中性点端子が突出する一次側凸部、二次側巻始端子が突出する二次側凸部および二次側巻終端子が突出する二次側凸部をそれぞれ除いた固体絶縁部の外表面に形成され、電気的に接地された接地層と、
を備え、
前記連結鉄心は、その内周面と、少なくとも固体絶縁部の固定用平滑面上の接地層と、
を接するようにして、接地層と連結鉄心とを電気的に接続して同電位とすることを特徴する。
また、本発明の請求項3に係る樹脂モールド変成器は、
請求項1または請求項2に記載の樹脂モールド変成器において、
前記一次側凸部は、前記固体絶縁部の一方の面に配置され、
前記二次側凸部は、前記固体絶縁部の他方の面に配置されることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る樹脂モールド変成器は、
請求項1または請求項2に記載の樹脂モールド変成器において、
二次巻線の内周面に形成された絶縁部と、
この絶縁部の内周面に配置される偶数層に巻回された多層円筒状の三次巻線と、
三次巻線の三次側巻始線と電気的に接続される三次側巻始端子と、
三次巻線の三次側巻終線と電気的に接続される三次側巻終端子と、
を備え、
前記固体絶縁部は、さらに三次側巻始端子の一部、および、三次側巻終端子の一部を被覆するとともに、三次側巻始端子が突出する三次側凸部、および、三次側巻終端子が突出する三次側凸部がそれぞれ一体に形成され、また、
前記接地層は、三次側巻始端子が突出する三次側凸部および三次側巻終端子が突出する三次側凸部を除いて形成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る樹脂モールド変成器は、
請求項4に記載の樹脂モールド変成器において、
前記一次側凸部は、前記固体絶縁部の一方の面に配置され、
前記二次側凸部および前記三次側凸部は、前記固体絶縁部の他方の面に配置されることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る樹脂モールド変成器は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
前記接地層は、導電性粉末であるカーボンを含有するエポキシ樹脂系導電性塗料を塗布して形成された層であることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る樹脂モールド変成器は、
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
前記略コ字状鉄心は、
第1鋼板により形成された内側コ字状部材と、
この内側コ字状部材の外周側に配置され、第1鋼板より磁気特性の優れた第2鋼板により形成された外側コ字状部材と、
を備え、略ロ字状鉄心は、その内外周で磁束分布均一化を図ることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係る樹脂モールド変成器は、
請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
前記固体絶縁部は、エポキシ樹脂で成形されることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に係る樹脂モールド変成器は、
請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
前記高圧連結部は円筒体であり、この円筒体の中心軸は、偏平円筒状巻線の中心軸に対して略均等二分割点からの垂直軸と同軸にするとともに一次側高圧端子の中心軸と同軸にすることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に係る樹脂モールド変成器は、
請求項9に記載の樹脂モールド変成器において、
前記一次側高圧端子は、スリップオン嵌合により高圧充電部と接続されることを特徴とする。
また、本発明の請求項11に係る樹脂モールド変成器は、
請求項9または請求項10に記載の樹脂モールド変成器において、
前記高圧連結部は、
高圧充電部側のブッシング構成導体のフランジと連結固定されるフランジ部を備え、
両者を押圧固定することにより高圧連結部内部が密閉されることを特徴とする。
また、本発明の請求項12に係る樹脂モールド変成器は、
請求項1〜請求項11の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
二次巻線と主絶縁層の間、および、主絶縁層と一次巻線の間、に絶縁紙を1回以上巻き付けて形成した副絶縁層をそれぞれ備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項13に係る樹脂モールド変成器は、
請求項1〜請求項12の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
固体絶縁部に形成される上側台座部および下側台座部にそれぞれ固定される一対の取付座を備えることを特徴とする。
本発明によれば、安全性を確保しつつ変成器自体の寸法縮小化をはかることで、接続や設置固定の融通性を増大させ、その結果として閉鎖形受配電設備やC−GISの装置全体の小型化に対応可能な樹脂モールド変成器を提供することができる。
以下、本発明の樹脂モールド変成器を実施するための最良の形態について図に基づき説明する。本形態では樹脂モールド変成器は単相のEVTを表している。図1は本形態の樹脂モールド変成器の外観図であり、図1(a)は左側面図、図1(b)は正面図、図1(c)は右側面図である。図2は本形態の樹脂モールド変成器の内部構造図であり、図2(a)はA−A線断面図、図2(b)はB−B線断面図である。図3は偏平円筒状巻線の説明図であり、図3(a)は径の説明図、図3(b)は絶縁部の説明図である。図4は偏平円筒状巻線の説明図であり、図4(a)は偏平円筒状巻線の一方の側から見た外観図、図4(b)は偏平円筒状巻線の他方の側から見た外観図、図4(c)は巻線構造の説明図である。
樹脂モールド変成器1は、図1,図2で示すように、固体絶縁部10、偏平円筒状巻線20(図2参照)、一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、二次側巻終端子60、連結鉄心70、取付座80を備える。
固体絶縁部10は、エポキシ樹脂により形成されるものであり、偏平円筒状巻線20の全面を被覆する。この場合、図4(a),(b)で示すような一次側巻始線211、一次側巻終線212、二次側巻始線231、二次側巻終線232の先端は、それぞれ一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、二次側巻終端子60に電気的に接続されている。これら一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、二次側巻終端子60は、その一部が固体絶縁部10から外側に露出しつつ、残りが固体絶縁部10の内部に一体固定されている。
固体絶縁部10は、全体的には円環状の本体を有し、図1(a),(b)で示す外表面は、その一部が連結鉄心70の内周と面する水平な固定用平滑面として形成される。さらに固体絶縁部10は、本体の中心を貫通する貫通孔11、取付座80を固定するため本体上側に形成される楕円柱状形の上側台座部12、取付座80を固定するため本体下側に形成される楕円柱状形の下側台座部13、側面にある一次側高圧端子40の周囲に形成されて高圧端子が取り付けられるコネクタの一部をなす高圧連結部14、本体の一方の外側面に形成される一次側凸部15、本体の他方の外側面に形成される二次側凸部16、一部を除いて本体の外側の固定用平滑面を含む外表面上に被覆される接地層17を備える。
貫通孔11は、図2(a),(b)で示すように、偏平円筒状巻線20の中心孔24も貫通している。
上側台座部12は、図2(a),(b)で示すように、上側溝部121が形成されている。
下側台座部13は、図2(a),(b)で示すように、下側溝部131が形成されている。
これら上側台座部12および下側台座部13は、金型内部の形状、寸法および位置に従って決められ、エポキシ樹脂等絶縁樹脂により固体絶縁部10の本体に一体に形成されることとなる。
高圧連結部14は、フランジ部141(図1(b)参照)、穴部142(図2(b)参照)を備える。穴部142は、一次側高圧端子40が突出する底面142a、この底面142aに連接するテーパ部142bで略円錐台形状に形成された穴を有し、さらにこの穴の開口部周囲に連接する円溝による嵌め込み部142cを有する。フランジ部141、穴部142および一次側高圧端子40により雌形コネクタを形成し、図示しない雄形コネクタを先端に有する高圧母線と接続される。この高圧連結部14は円筒体であり、この円筒体の中心軸は、偏平円筒状巻線20の中心軸に対して略均等二分割点からの垂直軸と同軸であり、さらに一次側高圧端子40の中心軸と同軸としている。
このような高圧連結部14と高圧母線等との接続に際し、高圧母線のブッシング構成導体のフランジ(図示せず)を、高圧連結部14のフランジ部141に押圧する、或いは高圧母線等との接続後、絶縁カバー(図示せず)や絶縁ゴム(図示せず)を取り付ける等の適宜に絶縁保護を施すことにより、一次側高圧端子40は、高圧連結部14の内部に密閉されるため、高圧充電部が露出することはない。この高圧連結部14は、金型内部の形状、寸法および位置に従って決められ、エポキシ樹脂等絶縁樹脂により固体絶縁部10の本体に一体に形成されることとなる。
一次側凸部15は、固体絶縁部10の一方の面に形成されており、一次側中性点端子30が突出する端面と、この端面に連接するテーパ面による楕円柱状形の突起部である。
二次側凸部16は、固体絶縁部10の他方の面に形成されており、二次側巻始端子50および二次側巻終端子60が突出する端面と、この端面に連接するテーパ面による楕円柱状形の突起部である。
この二次側凸部16は、二個の端子を突出させており、構造の単純化に寄与している。なお、一個の端子に対して1個の二次側凸部16を突出させるようにして、2個の二次側凸部16を設けるようにしても良い。
これら一次側凸部15および二次側凸部16は、互いに平行面となる固定用平滑面(後述)とともに、金型内部の形状、寸法および位置に従って決められ、エポキシ樹脂等絶縁樹脂により固体絶縁部10の本体に一体に形成される。
更に、固体絶縁部10は、高圧母線等外部と接続する一次側高圧端子40が配置される穴部142、一次側中性点端子が突出する一次側凸部15と、二次側巻始端子50および二次側巻終端子60が突出する二次側凸部16と、を除く外表面に、導電性粉末にカーボンを含有したエポキシ樹脂系導電性塗料からなる接地層17を備えている。固体絶縁部10もエポキシ樹脂で形成されており、一体化して形成されることとなる。なお、上記の穴部142は、テーパ部142bにも接地層17を形成して底面142aのみ接地層17を非形成とするようにしても良い。
接地層17は、固体絶縁部10の外表面に薄膜状に形成されている。特に固定用平滑面では水平を保つように形成される。この接地層17は、電気的に接地されており、固体絶縁部10の外表面を確実に零電位とする。
このような接地層17は、さらに貫通孔11内、上側溝部121内、下側溝部131内、上側台座部12と取付座80との接触面、下側台座部13と取付座80との接触面にも形成される。特に連結鉄心70の内周面と面する固定用平滑面には必ず接地層17が形成される。
接地層17を設ける理由であるが、一般に金属と合成樹脂を接触させると、合成樹脂が帯電する接触帯電という現象が起こり、多くの場合、金属は同電位(接地電位=0V)に保たれることが多いので合成樹脂だけが帯電したように見える。この場合、接地層17がないと固体絶縁部10の外表面も帯電する。また、金属と合成樹脂との不完全接触による局部的微細空隙による部分放電も生じ易い。そこで、接地層17を形成することにより、表面を確実に接地電位とする。
固体絶縁部10の外表面上の接地層17の形成とともに、金属閉鎖箱内部において、隔壁や他の電気機器や絶縁機器の接地電位部分と当接固定し、樹脂モールド変成器1と他の電気機器や絶縁機器との間隔も大幅に縮小出来る。
更に、一次巻線21と接地間は、円筒と平面とのモデル対向電極による緩やかな電界分布となり、しかも誘電率の大きいエポキシ樹脂のみを介在して電圧分担しているので、固体絶縁部10の中心軸方向の厚さを薄くしても絶縁耐力を十分確保するとともに、連結鉄心70が一次巻線21に対して固体絶縁部10の接地層17の外側に配置するので、連結鉄心70のエッジ部での電界集中緩和用の低圧側シールドを不要にしている。そして、円筒状電界緩和シールド(図示せず)を、一次側高圧端子40の中心軸と同軸上に高圧連結部14を構成する円筒内に埋設して、一次側高圧端子40と固体絶縁部10の接地層17との間の電界集中緩和により、更なる絶縁耐力の安定性も確保できる。
このような固体絶縁部10では、一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、および、二次側巻終端子60は、図1(a),(c)で示すように、一例として、規格(本実施例ではJISC1731)に準じてそれぞれの端子記号、U、V、1uおよび1vが、固体絶縁部10の表面の端子近傍に、浮出し文字として表記される。
偏平円筒状巻線20は、図3,図4に示すように、一次巻線21、絶縁部22、二次巻線23、中心孔24を備えるものであり、特に図3(a),(b)で示すように、多層円筒状で偶数層に巻回された多層円筒状の二次巻線23と、二次巻線23の外周面に形成された絶縁部22と、絶縁部22の外周面に巻回して形成された多層円筒状の一次巻線21と、が同心円上に一体的に形成され、一次巻線21の外半径R1から二次巻線23の内半径R2を引いた寸法差をその中心軸方向の長さLよりも大にして、半径方向に長く、かつ、中心軸方向に短く扁平させた巻線である。
一次巻線21は、図3,図4に示すように、多層円筒状で奇数層、偶数層を問わずに巻き回され、巻線の巻き始めである一次側巻始線211が内周から直線状に引き出され、巻き終わりである一次側巻終線212が巻線幅の略均等二分割点外周から半径方向直線状に引き出される。一次側巻始線211は一次側中性点端子30に電気的に接続され、また、一次側巻終線212は一次側高圧端子40に電気的に接続される。
絶縁部22は、一次巻線21と二次巻線23との間に介在させて混触を確実に防止し、絶縁を確保する機能を有している。なお、絶縁部22は、図示しない接地線に電気的に接続させてこの接地線により接地し、一次巻線21(高圧側)での事故やサージ電圧により絶縁破壊が生じた場合に、二次巻線23(低圧側)に波及する前に地絡させ、低圧側の機器を高電圧から守る機能を備えた構成としても良い。
また絶縁部22は、図3(b)でも明らかなように、一次巻線21や二次巻線23よりも軸方向に幅広に形成しており、この点でも確実な絶縁を図っている。
絶縁部22は、詳しくは図3(a),(b)に示すように、一次側副絶縁層221、主絶縁層222、二次側副絶縁層223を備える。主絶縁層222は、一般的な絶縁部材であるポリエステルフィルムである。また、一次側副絶縁層221および二次側副絶縁層223は、プリプレグ(絶縁基材テープに熱硬化性樹脂をコーティングした)した絶縁紙であり、詳しくはポリエステル繊維等からなる不織布または織布である。
二次巻線23は、図4に示すように、多層円筒状で偶数層に巻き回され、巻線の巻き始めである二次側巻始線231および巻線の巻き終りである二次側巻終線232は同じ側で内外周からそれぞれ直線状に引き出される。二次側巻始端子50は二次側巻始線231に電気的に接続され、また、二次側巻終線232は二次側巻終端子60に電気的に接続される。
一次側中性点端子30は、図1(a)に示すように、固体絶縁部10の一方の面に単独で形成される。一次側中性点端子30は、図4(c)からも明らかなように、V端子である。
一次側高圧端子40は、高圧充電部と電気的に接続される端子であり、図1(b),図2(b)に示すように、高圧連結部14内に設置される。一次側高圧端子40は、図4(c)からも明らかなように、U端子である。この一次側高圧端子40は、スリップオン嵌合を可能としているが、チューリップ型コンタクトその他スプリングを介在した接続等適宜構成を採用すればよい。
このように一次側では高圧側と接地側とは全く異なる箇所に異なる端子を配置しており、誤接続するおそれを低減させている。
二次側巻始端子50は、図1(c)に示すように、固体絶縁部10の他方の面に単独で形成される。この二次側巻始端子50は、図4(c)からも明らかなように、1v端子である。
二次側巻終端子60は、図1(c)に示すように、固体絶縁部10の他方の面に単独で形成される。この二次側巻終端子60は、図4(c)からも明らかなように、1u端子である。
二次側は並んで配置されるが、計測用の微弱信号であるため、低圧側の機器との接続を行い易くコンパクトな配置構成としている。また、一次側中性点端子30と誤接続するおそれも低減している。
連結鉄心70は、略コ字状である2組の半割り鉄心を固体絶縁部10の貫通孔11や上側溝部121・下側溝部131に挿通させつつ偏平円筒状巻線20の中心軸方向に対して外側面が垂直となるように配置した二個連結してなる略ロ字状鉄心71とし、この鉄心71を上側および下側に二個形成することで断面を略8の字状とした鉄心である。略ロ字状鉄心71は、締結バンド72により、略ロ字状に挟着した一組の鉄心の外側を締め付け固定する。このような連結鉄心70には、鉄心アース(図示せず)により接地されており、連結鉄心70の保護塗装膜等で形成される絶縁が劣化した場合に、連結鉄心70の帯電除去により露出部分に発生した異常電圧による感電を防止する。
取付座80は、例えば図1(a),(c)でも明らかなように断面ハット状の折り曲げ板材であり、固体絶縁部10の上側台座部12及び下側台座部13で上下2個固定されている。なお、モールド成型時に一部を埋設して一体に成形したり、ねじなどにより後付で固定しても良い。本形態では後付構成であるとして説明する。
樹脂モールド変成器1の構成はこのようなものである。
続いて、樹脂モールド変成器1の製造方法について概略説明する。まず、偏平円筒状巻線20を予め形成する。このような偏平円筒状巻線20の形成方法であるが、図3,図4に示すように、内側に多重巻回されて円筒状に形成された二次巻線23の外周面に、絶縁紙が巻き付けられて二次側副絶縁層223が形成される。絶縁紙の巻き付け回数は、絶縁紙の厚さが薄いほど多くする。二次側副絶縁層223の外周面にはポリエステルフィルムが適当な厚みに巻き付けられて主絶縁層222が形成される。
さらに、この主絶縁層222の外周面に再び絶縁紙が巻き付けられて一次側副絶縁層221が形成される。この場合の絶縁紙の巻き付け回数も、絶縁紙の厚さが薄いほど多くする。そして一次側副絶縁層221の外側に、電線が所定回数巻回されて円筒状の一次巻線21が形成される。
このような絶縁部22では、主絶縁層222であるポリエステルフィルムは表面が滑らかであるため、仮に主絶縁層222に一次巻線21や二次巻線23を直接に接するようにすると、二次巻線23の外側に主絶縁層222を巻き回したり、主絶縁層222の外側に一次巻線21を巻き回すときに滑って型崩を起こすおそれがある。
しかしながら、本形態では、主絶縁層222の内外側に1回以上適宜回数巻き付けて形成する一次側副絶縁層221や二次側副絶縁層223を介在させている。これにより、絶縁紙たる繊維材テープ層の表面粗さにより、二次側副絶縁層223に主絶縁層222を巻き回すときや、一次側副絶縁層221の外側に一次巻線21を巻き回すときに、主絶縁層222や一次巻線21が滑りにくくなるとともに、主絶縁層222のテープや一次巻線21の電線に加えられている張力により、一次側副絶縁層221や二次側副絶縁層223に若干くいこみながら巻回されるため、主絶縁層222や一次巻線21の保持が安定し、滑って型崩を起こすおそれが低減する。
このようにして製造された偏平円筒状巻線20のそれぞれの引出線に対し、一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、二次側巻終端子60をハンダや銀ローにて接続処理を施す。そして、偏平円筒状巻線20、一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、二次側巻終端子60に加え、その他のインサートも金型内にセットし、エポキシ樹脂等絶縁樹脂により注型硬化させて固体絶縁部10が成形される。これにより偏平円筒状巻線20は全部が、また、一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、二次側巻終端子60はその一部が固体絶縁部10に一体にモールドされて形成される。
この際、偏平円筒状巻線20では二次巻線23、主絶縁層222、一次巻線21とは、互いに膨張率が異なる絶縁紙による一次側副絶縁層221、二次側副絶縁層223は熱膨張・熱収縮によらず変形に柔軟に追随して一次巻線21、主絶縁層222、二次巻線23の剥離が防止される。
固体絶縁部10の硬化形成の後、外装表面を清掃後、上記した外部と接続する箇所にマスキングを施した後、固体絶縁部10に珪砂、鉄粉などを高気圧で吹き付けるサンドブラスト処理を行い、表面に微小な凸凹面を設ける。
次いで、マスキングを取り除いて、サンドブラスト処理時の珪砂、鉄粉などをアセトンで洗浄して取り除いた後、エポキシ樹脂系カーボン塗料を、例えば刷毛塗りやスプレー塗装で塗布し、乾燥炉に入炉して加熱硬化させる。エポキシ樹脂系カーボン塗料は硬化後には接地層17となる。
これにより、固体絶縁部10の外装表面の離型剤が除去されるとともに、接地層17が外表面との密着性を向上して形成される。なお、マスキング、サンドブラスト処理、エポキシ樹脂系カーボン塗料の塗布等作業は、上記のように一部をマスキングするだけで良く、容易な作業としている。
次に、図2(a)に示すように、略コ字状である2組の半割り鉄心を固体絶縁部10の貫通孔11や上側溝部121・下側溝部131に挿通させつつ、外側より結束する締結バンド72を用いて偏平円筒状巻線20の中心軸方向に対して外側面が垂直となるように配置した二個連結してなる略ロ字状鉄心71を形成し、この略ロ字状鉄心71を上側および下側に二個形成することで断面を略8の字状の連結鉄心70を形成する。
このような連結鉄心70ではバンド締めによる形成するため、組み立てが極めて容易になる。さらに、上側の略ロ字状鉄心71を上側の取付座80に2点支えで固定し、また、下側の略ロ字状鉄心71を下側の取付座80に2点支えで固定することにより、その内周面は、固体絶縁部10の固定用平滑面上の接地層17に対して略等距離のギャップを介在させつつ固定されるようにしたため、絶縁の確保が容易になっている。この場合、内周面と接地層17とは、互いに平行面となっており、場所によって絶縁が破壊されるおそれを低減している。また、連結鉄心70と接地層17はお互いに接地されており、ギャップを短距離にすることが可能である。このような樹脂モールド変成器1は、金属閉鎖箱内部において水平方向或いは垂直方向等さまざまな方向での接続や設置を可能にしながら、振動等機械力に十分耐え得る構成としている。
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。この形態でも樹脂モールド変成器は単相のEVTを表している。この形態では、開放三角結線を形成して零相電圧を検出する零相三次巻線、あるいは二次巻線同様に計測用とする便宜上の三次巻線が、多層円筒状で偶数層に巻き回され、巻線の巻き始め、巻き終りである三次側巻始端子および三次側巻終端子への引出線が同じ側で内外周からそれぞれ直線状に引き出される構成である。図5は他の形態の樹脂モールド変成器の外観図であり、図5(a)は左側面図、図5(b)は正面図、図5(c)は右側面図である。図6は偏平円筒状巻線の説明図であり、図6(a)は偏平円筒状巻線の外観図、図6(b)は巻線構造の説明図である。
樹脂モールド変成器1’は、図5,図6で示すように、固体絶縁部10、偏平円筒状巻線20’、一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、二次側巻終端子60、連結鉄心70、取付座80、三次側巻始端子90、三次側巻終端子100を備える。
この樹脂モールド変成器1’は、先に説明した樹脂モールド変成器1と比較すると、偏平円筒状巻線20に代えて偏平円筒状巻線20’を採用し、三次側巻始端子90、三次側巻終端子100を追加した以外は同じ構成であり、樹脂モールド変成器1で説明した固体絶縁部10、一次側中性点端子30、一次側高圧端子40、二次側巻始端子50、二次側巻終端子60、連結鉄心70、取付座80については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
偏平円筒状巻線20’は、図6(a)に示すように、一次巻線21、絶縁部22、二次巻線23、中心孔24、絶縁部25、三次巻線26を備える。これら一次巻線21、絶縁部22、二次巻線23、絶縁部25、三次巻線26は中心軸側から三次巻線26、絶縁部25、二次巻線23、絶縁部22、一次巻線21と同心円上に配設されている。
偏平円筒状巻線20’も、一次巻線21の円筒面外半径R1と三次巻線26の円筒面内半径R2の寸法差が、その最大円筒長Lより大である円筒形状、即ち偏平円筒状巻線を構成している。
一次巻線21は、図6に示すように、多層円筒状で奇数層、偶数層を問わずに巻き回され、巻線の巻き始めである一次側巻始線211が内周から直線状に引き出され、巻き終わりである一次側巻終線212が巻線幅の略均等二分割点外周から半径方向直線状に引き出される。一次側巻始線211は一次側中性点端子30に電気的に接続され、また、一次側巻終線212は一次側高圧端子40に電気的に接続される。
絶縁部22は、一次巻線21と二次巻線23との間に介在させて混触を確実に防止し、絶縁を確保する機能を有している。絶縁部22は、図示しない接地線に電気的に接続されており、この接地線により接地される。絶縁部22は一次巻線21(高圧側)での事故やサージ電圧により絶縁破壊が生じた場合に、二次巻線23(低圧側)に波及する前に地絡させ、低圧側の機器を高電圧から守る機能を有している。
このような絶縁部22は先に図3(b)を用いて説明した構造、つまり一次側副絶縁層221、主絶縁層222、二次側副絶縁層223を備える構造と同じであり、重複する説明を省略する。
二次巻線23は、図6に示すように、多層円筒状で偶数層に巻き回され、巻線の巻き始めである二次側巻始線231および巻線の巻き終りである二次側巻終線232は同じ側で内外周からそれぞれ直線状に引き出される。二次側巻始端子50は二次側巻始線231に電気的に接続され、また、二次側巻終線232は二次側巻終端子60に電気的に接続される。
絶縁部25は、二次巻線23と三次巻線26との間に介在させて混触を確実に防止し、絶縁を確保する機能を有している。なお、二次巻線23と三次巻線26とは信号検出用の微弱信号であるため、絶縁部22と比較して簡単な絶縁構造としても良く、または、絶縁部22と同じ構造として絶縁を確実にして他の巻線への普及を防ぐ構成としても良い。
三次巻線26は、図6に示すように、多層円筒状で偶数層に巻き回され、巻線の巻き始めである三次側巻始線261および巻線の巻き終りである三次側巻終線262は同じ側で内外周からそれぞれ直線状に引き出される。三次側巻始端子90は三次側巻始線261に電気的に接続され、また、三次側巻終端子100は、三次側巻終線262に電気的に接続される。
三次側巻始端子90は、図5(c)に示すように、固体絶縁部10の他方の面に単独で形成される。この三次側巻始端子90は、図6(c)からも明らかなように、2v端子である。
三次側巻終端子100は、図5(c)に示すように、固体絶縁部10の他方の面に単独で形成される。この三次側巻終端子100は、図6(c)からも明らかなように、2u端子である。
二次側同様に三次側も端子が並んで配置されるが、連結鉄心70の側面を挟んで二次側、三次側それぞれ対称的に分離配置しており、誤接続するおそれも低減している。
このような樹脂モールド変成器1’としても本発明の効果を奏しうる。
以上、本発明の樹脂モールド変成器1,1’について説明した。なお、これら樹脂モールド変成器1,1’では各種の変形形態が可能である。固体絶縁部10の表面に形成された接地層17の存在により、例えば、接地される連結鉄心70とも同電位となるため、図2(a)では連結鉄心70と接地層17はギャップを設けて離間させているが、この構成に代えて、図示しないが連結鉄心70の内周側と固体絶縁部10の固定用平滑面をほぼ同一形状にして連結鉄心70の内周側と接地層17を接触させる構造を採用することでギャップが0となり、換言すれば、樹脂モールド変成器1,1’のさらなる小型化を可能としている。
また、上記した略ロ字状鉄心71を構成する略コ字状部材は、さらに内周側と外周側とで磁気特性の異なる2種類の電磁鋼板から製造した磁束分布均一化した略コ字状部材とする。略コ字状部材の内周側には第1鋼板による内側コ字状部材とし、この内側コ字状部材の外周側には第1鋼板より磁気特性の優れた第2鋼板による外側コ字状部材を配置した部材である。
巻鉄心内の磁束は、全積厚に対し磁路が短く磁気抵抗が小さい内周側に偏ることが一般的に知られているが、この鉄心では外周側は磁気特性の優れたすなわち透磁率が高い外側コ字状部材を配置することにより、鉄心の断面積内の磁束分布が均一化され鉄損が改善されている。
断面略8の字状に組付けられた連結鉄心70は、中央脚部分の鉄心断面積を上下に二分して磁路を形成することによりヨーク部の鉄心厚を半減して、全体を薄型に形成することができる。
このような連結鉄心70では磁気特性が同一な部材のみによる通常の鉄心よりも小さくすることができるため、先に説明した樹脂モールド変成器1,1’において連結鉄心70に代えてこのような磁束分布均一化した連結鉄心を採用することで、さらに小型化を実現することができる。
そして、より好ましくは先に説明した樹脂モールド変成器1,1’において、磁束分布均一化した略コ字状部材鉄心70を採用し、さらにこの略コ字状部材鉄心70の内周面と接地層17を接触させた樹脂モールド変成器とすることで、樹脂モールド変成器の幅方向の更なる縮小を実現することができる。
さらに、上記した各形態の樹脂モールド変成器1,1’の固体絶縁部10に改良を加えるものであり、樹脂表面が接地電位層を形成しているので、すり鉢状一次側高圧端子部インサートのR形状、高圧シールドによる電界緩和処置を施し、樹脂厚を低減し、巾寸法(巻線軸方向)を含め全体の寸法縮小することができる。
そして、より好ましくは先に説明した樹脂モールド変成器1,1’において、磁束分布均一化した略コ字状部材鉄心70を採用し、さらにこの略コ字状部材鉄心70の内周面と接地層17を接触させるとともに、すり鉢状一次側高圧端子部インサートのR形状、高圧シールドによる電界緩和処置を施し、樹脂厚を低減し、巾寸法(巻線軸方向)を含め全体の寸法縮小した樹脂モールド変成器1,1’とすることで、樹脂モールド変成器の幅方向の更なる縮小を実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態の樹脂モールド変成器の外観図であり、図1(a)は左側面図、図1(b)は正面図、図1(c)は右側面図である。 本発明を実施するための最良の形態の樹脂モールド変成器の内部構造図であり、図2(a)はA−A線断面図、図2(b)はB−B線断面図である。 偏平円筒状巻線の説明図であり、図3(a)は径の説明図、図3(b)は絶縁部の説明図である。 偏平円筒状巻線の説明図であり、図4(a)は偏平円筒状巻線の一方の側から見た外観図、図4(b)は偏平円筒状巻線の他方の側から見た外観図、図4(c)は巻線構造の説明図である。 他の形態の樹脂モールド変成器の外観図であり、図5(a)は左側面図、図5(b)は正面図、図5(c)は右側面図である。 偏平円筒状巻線の説明図であり、図6(a)は偏平円筒状巻線の外観図、図6(b)は巻線構造の説明図である。
符号の説明
1,1’:樹脂モールド変成器
10:固体絶縁部
11:貫通孔
12:上側台座部
13:下側台座部
14:高圧連結部
141:フランジ部
142:穴部
142a:底面
142b:テーパ部
142c:嵌め込み部
15:一次側凸部
16:二次側凸部
17:接地層
18:三次側凸部
20,20’:偏平円筒状巻線
21:一次巻線
211:一次側巻始線
212:一次側巻終線
22:絶縁部
221:一次側副絶縁層
222:主絶縁層
223:二次側副絶縁層
23:二次巻線
231:二次側巻始線
232:二次側巻終線
24:中心孔
25:絶縁部
26:三次巻線
261:三次側巻始線
262:三次側巻終線
30:一次側中性点端子
40:一次側高圧端子
50:二次側巻始端子
60:二次側巻終端子
70:連結鉄心
71:略ロ字状鉄心
72:締結バンド
80:取付座
90:三次側巻始端子
100:三次側巻終端子

Claims (13)

  1. 多層円筒状で偶数層に巻回された二次巻線と、二次巻線の外周面に形成された絶縁部と、絶縁部の外周面に巻回された多層円筒状の一次巻線と、が同心円上に一体的に形成され、一次巻線の外半径から二次巻線の内半径を引いた寸法差をその中心軸方向の長さよりも大にして、半径方向に長く、かつ、中心軸方向に短く扁平させた偏平円筒状巻線と、
    一次巻線の一次側巻始線と電気的に接続される一次側中性点端子と、
    一次巻線の一次側巻終線と電気的に接続される一次側高圧端子と、
    二次巻線の二次側巻始線と電気的に接続される二次側巻始端子と、
    二次巻線の二次側巻終線と電気的に接続される二次側巻終端子と、
    偏平円筒状巻線の全部、一次側中性点端子の一部、一次側高圧端子の一部、二次側巻始端子の一部、および、二次側巻終端子の一部を被覆し、偏平円筒状巻線の中心孔を貫通する貫通孔および外表面の一部に水平な固定用平滑面を形成し、一次側高圧端子が穴部内に配置された高圧連結部、一次側中性点端子が突出する一次側凸部、二次側巻始端子が突出する二次側凸部、および、二次側巻終端子が突出する二次側凸部がそれぞれ一体に形成される固体絶縁部と、
    略コ字状である2組の半割り鉄心を固体絶縁部の貫通孔に挿通させつつ挟着して外側を締結バンドで締め付け固定して略ロ字状鉄心とし、この略ロ字状鉄心を二個設けてなる断面が略8の字状の連結鉄心と、
    一次側高圧端子が配置された高圧連結部の穴部、一次側中性点端子が突出する一次側凸部、二次側巻始端子が突出する二次側凸部および二次側巻終端子が突出する二次側凸部をそれぞれ除いた固体絶縁部の外表面に形成され、電気的に接地された接地層と、
    を備え、
    前記連結鉄心は、その内周面と、少なくとも固体絶縁部の固定用平滑面上の接地層と、
    の間に略等距離のギャップを介在させることを特徴する樹脂モールド変成器。
  2. 多層円筒状で偶数層に巻回された二次巻線と、二次巻線の外周面に形成された絶縁部と、絶縁部の外周面に巻回された多層円筒状の一次巻線と、が同心円上に一体的に形成され、一次巻線の外半径から二次巻線の内半径を引いた寸法差をその中心軸方向の長さよりも大にして、半径方向に長く、かつ、中心軸方向に短く扁平させた偏平円筒状巻線と、
    一次巻線の一次側巻始線と電気的に接続される一次側中性点端子と、
    一次巻線の一次側巻終線と電気的に接続される一次側高圧端子と、
    二次巻線の二次側巻始線と電気的に接続される二次側巻始端子と、
    二次巻線の二次側巻終線と電気的に接続される二次側巻終端子と、
    偏平円筒状巻線の全部、一次側中性点端子の一部、一次側高圧端子の一部、二次側巻始端子の一部、および、二次側巻終端子の一部を被覆し、偏平円筒状巻線の中心孔を貫通する貫通孔および外表面の一部に水平な固定用平滑面を形成し、一次側高圧端子が穴部内に配置された高圧連結部、一次側中性点端子が突出する一次側凸部、二次側巻始端子が突出する二次側凸部、および、二次側巻終端子が突出する二次側凸部がそれぞれ一体に形成される固体絶縁部と、
    略コ字状である2組の半割り鉄心を固体絶縁部の貫通孔に挿通させつつ挟着して外側を締結バンドで締め付け固定して略ロ字状鉄心とし、この略ロ字状鉄心を二個設けてなる断面が略8の字状の連結鉄心と、
    一次側高圧端子が配置された高圧連結部の穴部、一次側中性点端子が突出する一次側凸部、二次側巻始端子が突出する二次側凸部および二次側巻終端子が突出する二次側凸部をそれぞれ除いた固体絶縁部の外表面に形成され、電気的に接地された接地層と、
    を備え、
    前記連結鉄心は、その内周面と、少なくとも固体絶縁部の固定用平滑面上の接地層と、
    を接するようにして、接地層と連結鉄心とを電気的に接続して同電位とすることを特徴する樹脂モールド変成器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の樹脂モールド変成器において、
    前記一次側凸部は、前記固体絶縁部の一方の面に配置され、
    前記二次側凸部は、前記固体絶縁部の他方の面に配置されることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  4. 請求項1または請求項2に記載の樹脂モールド変成器において、
    二次巻線の内周面に形成された絶縁部と、
    この絶縁部の内周面に配置される偶数層に巻回された多層円筒状の三次巻線と、
    三次巻線の三次側巻始線と電気的に接続される三次側巻始端子と、
    三次巻線の三次側巻終線と電気的に接続される三次側巻終端子と、
    を備え、
    前記固体絶縁部は、さらに三次側巻始端子の一部、および、三次側巻終端子の一部を被覆するとともに、三次側巻始端子が突出する三次側凸部、および、三次側巻終端子が突出する三次側凸部がそれぞれ一体に形成され、また、
    前記接地層は、三次側巻始端子が突出する三次側凸部および三次側巻終端子が突出する三次側凸部を除いて形成されることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  5. 請求項4に記載の樹脂モールド変成器において、
    前記一次側凸部は、前記固体絶縁部の一方の面に配置され、
    前記二次側凸部および前記三次側凸部は、前記固体絶縁部の他方の面に配置されることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
    前記接地層は、導電性粉末であるカーボンを含有するエポキシ樹脂系導電性塗料を塗布して形成された層であることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
    前記略コ字状鉄心は、
    第1鋼板により形成された内側コ字状部材と、
    この内側コ字状部材の外周側に配置され、第1鋼板より磁気特性の優れた第2鋼板により形成された外側コ字状部材と、
    を備え、略ロ字状鉄心は、その内外周で磁束分布均一化を図ることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
    前記固体絶縁部は、エポキシ樹脂で成形されることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
    前記高圧連結部は円筒体であり、この円筒体の中心軸は、偏平円筒状巻線の中心軸に対して略均等二分割点からの垂直軸と同軸にするとともに一次側高圧端子の中心軸と同軸にすることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  10. 請求項9に記載の樹脂モールド変成器において、
    前記一次側高圧端子は、スリップオン嵌合により高圧充電部と接続されることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  11. 請求項9または請求項10に記載の樹脂モールド変成器において、
    前記高圧連結部は、
    高圧充電部側のブッシング構成導体のフランジと連結固定されるフランジ部を備え、
    両者を押圧固定することにより高圧連結部内部が密閉されることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  12. 請求項1〜請求項11の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
    二次巻線と主絶縁層の間、および、主絶縁層と一次巻線の間、に絶縁紙を1回以上巻き付けて形成した副絶縁層をそれぞれ備えることを特徴とする樹脂モールド変成器。
  13. 請求項1〜請求項12の何れか一項に記載の樹脂モールド変成器において、
    固体絶縁部に形成される上側台座部および下側台座部にそれぞれ固定される一対の取付座を備えることを特徴とする樹脂モールド変成器。
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