JP2009087981A - 研磨液及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリア層を有する半導体集積回路の平坦化工程において、化学的機械的研磨に用いる固体砥粒を含む研磨液であって、ディッシング及びエロージョンの発生を抑える研磨液および研磨方法を提供する。
【解決手段】本発明の研磨液は、バリア層を有する半導体集積回路の平坦化工程において化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、(A)コロイダルシリカ粒子、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体、(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体、及び(D)酸化剤、を含有する。(B)親水性ベンゾトリアゾール誘導体は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、又はヒドロキシメチル基を有することが好ましく、前記(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体は、非置換のアルキル基、炭素数10以上のアルコキシ基、炭素数15以上のアルコキシカルボニル基、炭素数15以上のカルボニルアミド基、又は炭素数15以上のアミノカルボニル基を有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体集積回路の製造工程において用いられる研磨液及び研磨方法に関し、詳細には、半導体集積回路の配線工程での平坦化において化学的機械的研磨に用いられる研磨液及び研磨方法に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発において、小型化・高速化を実現すべく、高密度化・高集積化が推進されている。これにより近年、配線の微細化及び積層化に対する要求が高まっている。
LSIなどの半導体集積回路を製造する際には微細な配線が多層に形成され、その各層においてCuなどの金属配線を形成する際に、TaやTaN、Ti、TiNなどのバリアメタルが前もって形成されるのが一般的である。バリア層は、層間絶縁膜(以下「絶縁層」と称する場合がある)への配線材料の拡散を防止することや、配線材料の密着性を向上させることを目的として付与される。
この金属配線形成において、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下「CMP」と称する場合がある)等の種々の技術が用いられている。
このCMPは、絶縁層等の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術である。CMPによって、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去や、余分なバリア層の除去を行っている。
CMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えば、アルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば、過酸化水素、過硫酸)が含まれる。基本的なメカニズムは、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウエハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
各配線層を形成するために、一般的には大きく分けて二段階の研磨が行なわれている。
第一段階の研磨では、メッキ法などで盛付けられた余分な金属配線材をCMPによって除去する。余分な金属配線材の金属膜除去の工程を、以下「金属膜CMP」と称する。金属膜CMPは、1段または多段に亘って行う。
第二段階の研磨では、第一段階の研磨によって表面に露出した前記バリアメタルをCMPによって除去し、更には絶縁層等の表面平坦化を行なう。この研磨工程を、以下「バリアメタルCMP」と称する。バリアメタルCMPは、1段または多段に亘って行う。
つまり、当該バリアメタルCMPでは、主に、金属配線材とバリアメタルとを同時に研磨して表面を平坦化する。
このとき、固体砥粒を含む前記研磨液を用いてバリアメタルCMPを行うと、配線部が速く研磨されてディッシングやエロージョンを発生させることがある。
したがって、前記バリアメタルCMPでは、金属配線部の研磨速度とバリアメタル部の研磨速度とを調整して、最終的にディッシングやエロージョンなどの段差が少ない配線層を形成することが求められている。
即ち、ディッシングやエロージョンを発生させないよう、金属配線材の研磨速度と同程度にまで絶縁層の研磨速度を速めることが望ましい。
また、他の問題として、固体砥粒を含有する研磨液を用いることによって、研磨後に、半導体面に残留する研磨液を除去するために通常行なわれる洗浄工程が複雑となり、更に、その洗浄後の液(廃液)を処理するには、固体砥粒を沈降分離する必要があるなどコスト面での問題点が存在する。
このような固体砥粒を含有する研磨液については、以下のような種々の検討がなされている。
例えば、研磨傷をほとんど発生させずに高速研磨することを目的としたCMP研磨剤及び研磨方法(例えば、特許文献1参照。)、CMPにおける洗浄性を向上させた研磨組成物及び研磨方法(例えば、特許文献2参照。)、及び、研磨砥粒の凝集防止を図った研磨用組成物(例えば、特許文献3参照。)がそれぞれ提案されている。
しかしながら、上記のような研磨液においても、バリア層を研磨する際にディッシング及びエロージョンの発生を充分に抑える技術は、未だ得られていないのが現状である。
特開2003−17446号公報 特開2003−142435号公報 特開2000−84832号公報
本発明の目的は、バリア層を有する半導体集積回路の平坦化工程において、化学的機械的研磨に用いる固体砥粒を含む研磨液であって、ディッシング及びエロージョンの発生を抑える研磨液および研磨方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記研磨液を用いることによって上記課題を解決できることを見出して課題を達成するに至った。
本発明の研磨液は、バリア層を有する半導体集積回路の平坦化工程において化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、(A)コロイダルシリカ粒子、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体、(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体、及び(D)酸化剤、を含有することを特徴とする研磨液液である。
前記(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、又はスルホ基を有することが好ましい。
また、前記(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体は、非置換のアルキル基、炭素数10以上のアルコキシ基、炭素数15以上のアルコキシカルボニル基、炭素数15以上のカルボニルアミド基、又は炭素数15以上のアミノカルボニル基を有することが好適である。
本発明の研磨液は、更に、アミノ酸を含有することが好ましく、水溶性高分子を含有することも好適な態様の一つである。
本発明では、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体と、(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体とを合計した濃度が、0.005質量%以上5質量%以下であることが好適である。
また、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体と、(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体との含有比率は、質量比で2:1〜1:5であることが好適である。
更に、本発明の研磨液のpHは、2〜5であることが好ましい。
また、本発明の研磨方法は、(A)コロイダルシリカ粒子、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体、(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体、及び(D)酸化剤を含有する研磨液を用いて、バリア層を備える半導体集積回路を化学的機械的に研磨する研磨方法である。
なお、本発明の研磨方法では、いかなるバリア層の研磨にも適用し得るが、より好ましくはMn、Ti、Ru又はそれらの誘導体で形成された前記バリア層を研磨する場合であり、このようなバリア層であっても本発明の効果を奏することができる。
本発明によれば、バリア層を有する半導体集積回路の平坦化工程において化学的機械的研磨に用いられる固体砥粒を用いた研磨液であって、ディッシング及びエロージョンの発生を抑える研磨液及び研磨方法を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
本発明の研磨液は、半導体集積回路のバリア層を化学的機械的に研磨するための研磨液であって、(A)コロイダルシリカ粒子、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体、(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体、及び(D)酸化剤を含有することを特徴とし、更に必要に応じて、任意の成分を含んでいてもよい。本発明の研磨液が含有する各成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
以下、(B)「親水性のベンゾトリアゾール誘導体」を「親水性ベンゾトリアゾール誘導体」または「親水性BTA誘導体」と称する場合がある。また、(C)「疎水性のベンゾトリアゾール誘導体」を「疎水性ベンゾトリアゾール誘導体」または「疎水性BTA誘導体」と称する場合がある。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。
濃縮液又は濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
以下、本発明の研磨液を構成する各成分について詳細に説明する。
(A)コロイダルシリカ粒子
本発明に使用する研磨液は、構成成分としてコロイダルシリカ粒子を含有する。コロイダルシリカ粒子は研磨粒子(砥粒)として含有される。
上記コロイダルシリカ粒子の作製法として、例えばSi(OC、Si(sec−OC、Si(OCH、Si(OCのようなシリコンアルコキシド化合物をゾルゲル法により加水分解することにより得ることができる。このような第1、第2のコロイダル粒子(例えば第1、第2のコロイダルシリカ粒子)は粒度分布が非常に急峻なものとなる。
含有されるコロイダルシリカ粒子の平均粒径は5〜60nmが好ましく、より好ましくは5〜30nmであり、特に好ましくは20〜50nmの範囲である。充分な研磨加工速度を達成する目的から5nm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的で粒子径は60nm以下が好ましい。
ここで、平均粒径とは、研磨液中にスラリー状に配合された状態であって、研磨に使用される前の粒子の平均粒径を指す。なお、コロイダルシリカ粒子の物性特性上、配合前のコロイダルシリカ粒子の平均粒径と研磨液中に存在する粒子の平均粒径はほぼ一致することから、配合前の状態の平均粒径を測定して研磨液中の粒子の平均粒径とすることができる。
このコロイダルシリカ粒子の粒子径は、SEM(走査電子顕微鏡)にて研磨粒子を観測し、1粒子を構成する最小構成粒子径を測定した値である。
用いられるコロイダルシリカ粒子は1種のみでもよく、2種以上を併用してもよい。併用する場合には、粒径叉は形状の異なる2種類以上のコロイダル粒子を併用することが、高研磨速度を達成する観点から好ましい。
例えば、粒径が異なる組合せとしては、平均粒径30〜100nmの大粒径シリカと、平均粒径20〜60nmの小粒径シリカとを、質量比1:10〜10:1の割合で併用することで、各膜種に対する研磨速度の向上が図れる。
また、形状の異なる粒子、例えば、真球にちかい球状のシリカと、長径と短径の比(長径/短径)が1.2〜5.0である非真球状粒子、繭型状のシリカ粒子などを、質量比1:10〜10:1の割合で併用することで、特に絶縁膜に対する研磨速度の向上が図れる。
具体的には、例えば、平均粒子径が10〜50nm程度の球状シリカ微粒子と、長径が50nmであって長径/単径比=1〜5の非真球状のシリカ微粒子との組み合わせなどを挙げることができる。
このような非真球コロイダルシリカ粒子については、特願2005−366712に詳細に記載され、当該記載は本願にも適用することができる。
コロイダルシリカ粒子を含む研磨粒子の濃度は、使用時の研磨液中に総量で0.5〜15質量%の割合で含まれていることが好ましい。より好ましくは1〜10質量%の範囲である。この範囲において、充分な研磨加工速度を達成し、且つ、研磨加工中における過剰な摩擦熱の発生を抑制しうるため好ましい。
研磨粒子(砥粒)としてコロイダルシリカ粒子以外を含んでいてもよく、例えば、ヒュームドシリカ、セリア、アルミナ、チタニア等を挙げることができる。しかし、その場合でも、全砥粒の中の(A)コロイダルシリカ粒子の含有割合は、50質量%以上であり、好ましくは80質量%以上である。含有される砥粒の全てが(A)コロイダルシリカ粒子であってもよい。
<ベンゾトリアゾール誘導体>
本発明における(B)親水性ベンゾトリアゾール誘導体と、(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体は、いわゆる腐食抑制剤であり、被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、金属表面の腐食を制御する。
特に本発明では、(B)親水性ベンゾトリアゾール誘導体と(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体とを併用するため、良好な段差特性を達成できている。この機構は定かではないが、段差が進行するに従ってそれぞれのベンゾトリアゾールがそれ以上に段差が拡大
しないように協奏的に働いていると考えられ、より具体的には親水性のベンゾトリアゾール、疎水性のベンゾトリアゾールで段差の凹凸部でそれぞれ吸着しやすさ、腐食抑制能力が異なると予想している。この機構によりディッシングとエロージョンの発生が抑えられているものと推測される。しかし、上記推測によって本発明が限定されることは無い。
(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体
本発明の(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体は、親水性を示すものであればその他は特に制限されないが、置換基として親水性基を1つ以上有することが好ましい。
本発明の親水性ベンゾトリアゾールとは、室温(25℃)で水100gに対して2g以上溶解するものと定義する。
親水性のベンゾトリアゾール誘導体における親水性基としては、カルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基、スルファモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が好ましく、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基がより好ましく、水酸基、アミノ基、カルボキシル基が更に好ましい。
前記親水性基としてのアミノ基は、1級、2級、3級のいずれのアミノ基であってもよいが、十分な抑制能を達成する観点から、1級又は2級アミノ基が好ましく、1級がより好ましい。
親水性ベンゾトリアゾール誘導体が有する親水性基の数は、十分な抑制能を達成する観点から、1〜3個であることが好ましく、1〜2個であることがより好ましい。
親水性のベンゾトリアゾール誘導体において、親水性基で置換される位置は特に問わないが、親水性基の個数が3個のときには、1位、3位、4位が親水性基であることが好ましく、親水性基の個数が2個のときには、1位及び3位、又は3位及び4位が親水性基であることが好ましく、親水性基の個数が1個のときには、1位又は3位が親水性基であることが好ましい。
以下、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009087981

親水性のベンゾトリアゾール誘導体の添加量は、良好なディッシング、エロージョンを達成する観点から、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、0.0001質量%以上3質量%以下が好ましく、0.005質量%以上1質量%以下が更に好ましい。
(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体は、疎水性を示すものであればその他は特に制限されず、置換基を有さないベンゾトリアゾールを含むが、下記の置換基を有するベンゾトリアゾールであることが好ましい。
本発明の疎水性ベンゾトリアゾールとは、室温(25℃)で、水100mlに対して2gよりも溶解しないものと定義する。
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体における置換基としては、非置換のアルキル基、炭素数10以上のアルコキシ基、炭素数15以上のアルコキシカルボニル基、炭素数15以上のカルボニルアミド基、又は炭素数15以上のアミノカルボニル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基が好ましく、非置換のアルキル基、炭素数10以上のアルコキシ基、炭素数15以上のアルコキシカルボニル基、炭素数15以上のカルボニルアミド基、又は炭素数15以上のアミノカルボニル基、シクロアルキル基、アリール基がより好ましく、非置換のアルキル基、非置換のアルキル基、炭素数10以上のアルコキシ基、炭素数15以上のアルコキシカルボニル基、炭素数15以上のカルボニルアミド基、又は炭素数15以上のアミノカルボニル基が更に好ましい。
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体の非置換のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状アルキル基が好ましい。
また、非置換アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましい。
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体における炭素数10以上のアルコキシ基は、好ましくは、炭素数10〜30のアルコキシ基であり、炭素数10〜20のアルコキシ基がより好ましい。
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体における炭素数15以上のアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数15〜30のアルコキシカルボニル基であり、炭素数15〜20のアルコキシカルボニル基がより好ましい。
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体における炭素数15以上のカルボニルアミド基は、好ましくは炭素数15〜30のカルボニルアミド基であり、炭素数15〜20のカルボニルアミド基がより好ましい。
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体における炭素数1以上のアミノカルボニル基は、好ましくは炭素数1〜10のアミノカルボニル基であり、炭素数1〜5のアミノカルボニル基がより好ましい。
これら置換基の中でも非置換のアルキル基が好ましい。
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体が有する置換基の数は、良好なディッシング、エロージョンを達成する観点から、1〜3個であることが好ましく、1〜2個であることがより好ましい。
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体において、上記置換基で置換される位置は特に問わないが、置換基の個数が3個のときには、1位、3位、4位が置換基で置換されていることが好ましく、置換基の個数が2個のときには、1位及び3位、又は3位及び4位が置換基で置換されていあることが好ましく、置換基の個数が1個のときには、1位又は3位が置換基で置換されていることが好ましい。
以下、(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009087981
疎水性ベンゾトリアゾール誘導体の添加量は、良好なディッシング、エロージョンを達成する観点からの観点から、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、0.0001質量%以上3質量%以下が好ましく、0.005質量%以上1質量%以下が更に好ましい。
(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体と、(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体とを合計した濃度は、研磨に使用する際の研磨液において、0.005質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.03質量%以上1質量%以下であることが更に好ましい。
また、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体と、(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体との含有比率は、良好なディッシング、エロージョンを達成する観点からの観点から、質量比で2:1〜1:5であることが好ましく、3:2〜1:5であることがより好ましく、1:1〜1:5であることが更に好ましい。
本発明の研磨液には、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体及び(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体と併用して、他のアゾール化合物を含有してもよい。
研磨に使用する際の研磨液中の全ベンゾトリアゾールに対して、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体及び(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体の含有率は、50質量%〜100質量%であり、60質量%〜90質量%であることが好ましく、70質量%〜90質量%であることがより好ましい。
前記他のアゾール誘導体としては、トリルトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)トリルトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]トリルトリアゾール等のトリアゾール誘導体の他、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール等の母核が大きく異なる一般的に公知として知られる腐食抑制剤及びそれらの誘導体を用いても良く、その中でも1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾールがより好ましい。
(D)酸化剤
本発明の研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる酸化剤を含有する。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水及び銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。
鉄(III)塩としては、例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
鉄(III)の有機錯塩を用いる場合、鉄(III)錯塩を構成する錯形成化合物としては、例えば、酢酸、クエン酸、シュウ酸、サリチル酸、ジエチルジチオカルバミン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−エタンジチオール、マロン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシ酪酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、3−ヒドロキシサリチル酸、3,5−ジヒドロキシサリチル酸、没食子酸、安息香酸、マレイン酸などやこれらの塩の他、アミノポリカルボン酸及びその塩が挙げられる。
アミノポリカルボン酸及びその塩としては、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン1−N,N’−二酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸など及びその塩が挙げられる。対塩の種類は、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、特にはアンモニウム塩が好ましい。
これら酸化剤の中でも、過酸化水素、ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、塩素酸塩、過硫酸塩、鉄(III)の有機錯塩が好ましく、鉄(III)の有機錯塩を用いる場合の好ましい錯形成化合物は、クエン酸、酒石酸、アミノポリカルボン酸(具体的には、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸)を挙げることができる。
更に、酸化剤としては、過酸化水素、過硫酸塩、並びに鉄(III)のエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸及びエチレンジアミンジコハク酸(SS体)の錯体が最も好ましい。
酸化剤は、研磨液を使用して研磨を行う際に、酸化剤以外の他の成分を含む組成物に混合して使用することが好ましい。酸化剤を混合する時期としては、研磨液を使用する直前の1時間以内が好ましく、更に好ましくは5分以内、特に好ましくは、研磨装置にて研磨液を供給する直前に混合器を設け、被研磨面へ供給する直前5秒以内に混合することである。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1Lあたり、0.001質量%以上5質量%以下とすることが好ましく、0.003質量%以上3質量%以下とすることがより好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が充分で高いCMP速度を確保する点で0.001質量%以上であることが好ましく、研磨面の荒れ防止の点から85質量%以下であることが好ましい。
(E)有機酸
本発明における研磨液は更に有機酸を含有することができる。ここでいう有機酸は、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。本発明でいう有機酸とは、金属を酸化するための酸化剤とは構造が異なる化合物であり、前述の酸化剤として機能する酸を包含するものではない。
本発明における有機酸としては、以下の群から選ばれたものが好ましい。
即ち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、又はそれらの混合物等が挙げられる。
これらの中では、ギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が、銅、銅合金及び銅又は銅合金の酸化物から選ばれた少なくとも1種の金属層を含む積層膜に対して好適である。
本発明における有機酸として、アミノ酸等を好適なものとして挙げることができる。
このアミノ酸等としては、水溶性のものが好ましく、以下の群から選ばれたものがより適している。
即ち、例えば、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等のアミノ酸等から少なくとも1種を含むことが望ましい。
これらの中でも、特に、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリシン、グリコール酸については実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で好ましい。
有機酸の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0005mol〜0.5molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、有機酸の添加量は、エッチングの抑制の点から0.5mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0005mol以上が好ましい。
(F)水溶性高分子
本発明の研磨液は、好ましい併用成分として、水溶性高分子を含有することができる。
(F)水溶性高分子としては、多糖類(例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、キサンタンガム、キトサン、メチルグリコールキトサン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロール、カルボキシエチルセルロース、プルラン)、ポリカルボン酸およびその誘導体(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリビニル硫酸、ポリアミノアクリルアミド、ポリアミド酸、ポリグリオキシル酸)、ポリエチレンイミン、ビニル系ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン)、ポリグリコール類(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール)などが挙げられ、より好ましくは、多糖類(例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、キサンタンガム、キトサン、メチルグリコールキトサン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロール、カルボキシエチルセルロース、プルラン)、ポリカルボン酸およびその誘導体(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリビニル硫酸、ポリアミノアクリルアミド、ポリアミド酸、ポリグリオキシル酸)、ポリエチレンイミン、ビニル系ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン)、が挙げられる。
但し、適用する被研磨体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、水溶性高分子が酸の場合は、酸のまま用いるか、もしくは、そのアンモニウム塩の状態で用いることが望ましい。
(F)水溶性高分子の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.001g〜10gとすることが好ましく、0.01g〜5gとすることがより好ましく0.1g〜3gとすることが特に好ましい。即ち、水溶性高分子の添加量は、充分な効果を得る上で、0.001g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から10g以下が好ましい。
(F)水溶性高分子の重量平均分子量としては、500〜100,000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
本発明に係る(F)水溶性高分子は、1種のみでもよいし、2種以上の異なる種類を併用することもできる。
また、(F)水溶性高分子と、(A)コロイダルシリカ粒子と、の含有比は、質量比で0.0001:1〜1:0.001であることが好ましく、0.001:1〜1:0.01であることがより好ましく、0.005:1〜1:0.1であることが特に好ましい。
〔その他の成分〕
本発明の研磨液には、上記必須成分である(A)成分〜(D)成分、及び、好ましい併用成分である前記(E)成分〜(F)成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲において、他の公知の成分を併用することができる。
(G)四級アンモニウムカチオン
本発明の研磨液は、好ましい併用成分として、(G)四級窒素原子を分子中に1つ以上有する四級アンモニウムカチオン(以下、単に、「特定カチオン」または「四級アンモニウムカチオン」と称する場合がある。)を含有することができる。
四級アンモニウムカチオンの作用は明確ではないが、以下のように推測される。
即ち、研磨液中の四級アンモニウムカチオンが研磨粒子表面に吸着することで、研磨粒子と被研磨面間での相互作用が強くなると考えられる。より具体的には、表面がマイナスに帯電した研磨粒子、表面がマイナスに帯電した被研磨面の間での斥力を四級アンモニウムカチオンが緩和すると考えられる。結果として、研磨粒子−被研磨面間での物理作用(物理的な引っ掻き除去作用)が強くなり、各膜種に対する研磨速度が向上すると考えられる。
本発明における四級アンモニウムカチオンは、分子構造中に1つ以上の四級窒素を含む構造であれば、特に限定されない。中でも、十分な研磨速度の向上を達成する観点から、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるカチオンであることが好ましい。
Figure 2009087981
前記一般式(1)、一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、R〜Rのうち2つが互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
〜Rとしての、炭素数1〜20のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
また、前記R〜Rとしての、アルケニル基としては、炭素数2〜10のものが好ま
しく、具体的には、具体的には、エチニル基、プロペニル基等が挙げられる。
前記R〜Rとしての、シクロアルキル基としては、具体的には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられ、中でも、シクロヘキシル基が好ましい。
前記R〜Rとしての、アリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でも、フェニル基が好ましい。
前記R〜Rとしての、アラルキル基としては、具体的には、ベンジル基、が挙げられ、中でも、ベンジル基が好ましい。
上記R〜Rで表される各基は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基、ピリジニウム基、アミノアルキル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
上記一般式(2)におけるXは、炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせた基を表す。
なお、Xで表される連結基は、上記の有機連結基の他に、その鎖中に、−S−、−S(=O)−、−O−、−C(=O)−を含んでいてもよい。
前記炭素数1〜10のアルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられ、中でも、エチレン基、ペンチレン基が好ましい。
前記アルケニレン基としては、具体的には、エチニレンル基、プロピニレン基等が挙げられ、中でも、プロピニレン基が好ましい。
前記シクロアルキレン基としては、具体的には、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基等が挙げられ、中でも、シクロヘキシレン基が好ましい。
前記アリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基が挙げられ、中でも、フェニレン基が好ましい。
上記の各連結基は更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、水酸基、アミノ基、スルフォニル基、カルボキシル基、ヘテロ環基、ピリジニウム基、アミノアルキル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基などが挙げられる。
以下、本発明における四級アンモニウムカチオン(特定カチオン)の具体例〔例示化合物(A1)〜(A46)〕を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009087981
Figure 2009087981
Figure 2009087981
Figure 2009087981
上述のような(G)四級アンモニウムカチオン(特定カチオン)の中でも、研磨液中の分散安定性の点から、A8、A10、A11、A12、A36、A37、A46が好ましい。
本発明における(G)四級アンモニウムカチオン(特定カチオン)は、例えば、アンモニアや各種アミンなどが求核剤としてはたらく置換反応により合成することができる。
また、一般販売試薬としての購入も可能である。
本発明における(G)四級アンモニウムカチオン(特定カチオン)の添加量は、研磨に使用する際の研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)に対して、0.0001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.001質量%以上0.3質量%以下が更に好ましい。即ち、このような特定カチオンの添加量は、研磨速度を十分に向上させる観点で、0.0001質量%以上が好ましく、十分なスラリーの安定性の観点で、1質量%以下が好ましい。
本発明に係る(G)四級アンモニウムカチオン(特定カチオン)は、1種のみでもよいし、2種以上の異なる種類を併用することもできる。
(H)界面活性剤
本発明の研磨液は、界面活性剤を併用することができる。併用可能な界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン界面活性剤が挙げられる。
陰イオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、テトラデシルナフタレンスルホン酸等の化合物が挙げられる。
陽イオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ラウリルトリエチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、パルチミルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、ドデシルピリジニウム、デシルピリジニウム、オクチルピリジニウム等の化合物が挙げられる。
本発明に使用しうる陰イオン系界面活性剤としては、前記スルホン酸塩以外にも、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が好ましく挙げられる。
より具体的には、カルボン酸塩としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;
硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;
リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を好ましく用いることができる。
界面活性剤の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.01〜1gとすることが特に好ましい。即ち、界面活性剤の添加量は、充分な効果を得る上で、0.01g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から1g以下が好ましい。
界面活性剤は1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
(I)pH調整剤
本発明の研磨液は、pH2〜5の範囲であることが好ましく、pH2〜4の範囲であることがより好ましく、pH2.5〜4の範囲であることが更に好ましい。研磨液のpHをこの範囲に制御することで、層間絶縁膜の研磨速度調整がより顕著に行うことが可能にある。
本発明の金属用研磨液は、所定のpHとすべく、アルカリ/酸又は緩衝剤を添加されることが好ましい。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ又は緩衝剤としては、アンモニア、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物を好ましく挙げることができる。
特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ又は緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
(J)キレート剤
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
〔研磨液の用途〕
本発明の研磨液は、一般に、銅金属及び/又は銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に存在する、銅の拡散を防ぐためのバリア層の研磨に適する。
なお、バリアCMPにおいて、バリア層の研磨および絶縁層の研磨を1段階で一括して行なう場合にも本発明の研磨液を好適に適用できるため、本発明の研磨液は絶縁層の研磨にも適用し得る。
〔バリア金属材料〕
バリア層を構成する材料としては、一般に低抵抗のメタル材料がよく、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WN、Ruなどが好適に用いられ、中でも、Ta、TaNが好適に用いられる。これらTa系のメタル材料のほか、Mn、Ti、Ru又はそれらの誘導体で形成されたバリア層であっても、本発明の研磨液を適用できる。
〔層間絶縁膜〕
層間絶縁膜(絶縁層)としては、TEOS等の通常用いられる層間絶縁膜の他、例えば、比誘電率が3.5〜2.0程度の低誘電率の材料(例えば、有機ポリマー系、SiOC系、SiOF系等が挙げられ、通常、Low−k膜と略称される)を含む層間絶縁膜が挙げられる。
具体的には、低誘電率の層間絶縁膜の形成に用いる材料として、SiOC系ではHSG-R7(日立化成工業)、BLACKDIAMOND(Applied Materials, Inc)などがある。
このようなLow−k膜は、通常、TEOS絶縁膜の下に位置し、TEOS絶縁膜上にバリア層及び金属配線が形成される。
〔配線金属原材料〕
本発明においては、研磨対象である被研磨体は、例えば、LSI等の半導体集積回路に適用されるような、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を有することが好ましい。特にこの配線の原材料としては、銅合金が好ましい。更に、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。
なお、銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、更には1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
〔配線の太さ〕
本発明においては、研磨対象である被研磨体が、例えば、DRAMデバイス系に適用される場合、ハーフピッチで0.15μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下である。
一方、被研磨体が、例えば、MPUデバイス系に適用される場合、0.12μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下である。
このような配線を有する被研磨体に対して、上述の本発明における研磨液は特に優れた効果を発揮する。
〔研磨方法〕
本発明の研磨液は、(1)濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、(2)各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、(3)使用液として調製されている場合がある。
本発明の研磨液を用いた研磨方法にはいずれの場合の研磨液も適用可能である。
この研磨方法は、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨体の被研磨面と接触させて、被研磨面と研磨パッドを相対運動させる方法である。
研磨に用いられる装置としては、被研磨面を有する被研磨体(例えば、導電性材料膜が形成されたウエハ等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。
また、研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は被研磨体が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する被研磨体の研磨パッドへの押しつけ圧力は、0.68〜34.5KPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨体の面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、3.40〜20.7KPaであることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには、研磨液をポンプ等で連続的に供給する。
研磨終了後の被研磨体は、流水中でよく洗浄された後、スピンドライヤ等を用いて被研磨体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
本発明において、前記(1)の方法のように、濃縮液を希釈する際には、下記に示す水溶液を用いることができる。水溶液は、予め(A)コロイダルシリカ粒子、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体、(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体、及び(D)酸化剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水であり、この水溶液中に含有している成分と、希釈される濃縮液中に含有している成分と、を合計した成分が、研磨する際に使用する研磨液(使用液)の成分となるようにする。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
また、濃縮液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液の使用液を研磨パッドに供給する方法がある。濃縮液と水又は水溶液との混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
更に、濃縮液を水又は水溶液などにより希釈しつつ、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法がある。また、1つの容器に、所定量の濃縮液と水又は水溶液とを入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法を用いることもできる。
また、別の研磨方法としては、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法がある。
例えば、酸化剤を構成成分(A)とし、酸、その他の添加剤及び水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液で、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用することができる。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、それらを使用する際に水又は水溶液を加え、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用する。
上記のような例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。具体的には、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に、水又は水溶液の配管を結合する方法である。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法がある。
上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、1つの構成成分と他の構成成分とを混合する際、又は、水若しくは水溶液を加え希釈する際に、液温を40℃以下とするようにすることができる。この方法は、温度が高いと溶解度が高くなる現象を利用し、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
上記の他の構成成分を室温から100℃の範囲で加温することで溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、低温状態の他の構成成分を用いる場合は、予め加温して析出した原料を溶解させる必要がある。これには、加温し、原料が溶解した他の構成成分を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し、配管を加温して溶解させる手段と、を採用することができる。加温した他の構成成分が、酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解する恐れがあるので、この加温した他の構成成分と酸化剤を含む1つの構成成分とを混合した場合、40℃以下となるようにすることが好ましい。
このように、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と有機酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして被研磨面に供給してもよい。
本発明において、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給する方法を適用する場合、その供給量は、各配管からの供給量の合計を表すものである。
〔パッド〕
本発明の研磨方法に適用しうる研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に、一般的に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては、不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、被研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
〔ウエハ〕
本発明における研磨液でCMPを行なう対象の被研磨体としてのウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
〔研磨装置〕
本発明の研磨液を用いて研磨を実施できる装置は、特に限定されないが、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ)、FREX200、FREX300(荏原製作所)、NPS3301、NPS2301(ニコン)、A-FP-310A、A-FP-210A(東京精密)、2300 TERES(ラムリサーチ)、Momentum(Speedfam IPEC)などを挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
[実施例1]
下記に示す組成の研磨液を調製し、研磨実験を行った。
<組成(1)>
(A)研磨粒子:コロイダルシリカ粒子A−1 紛体換算で100g/L
(B)親水性BTA誘導体:具体例化合物B1 0.2g/L
(C)疎水性BTA誘導体:具体例化合物C1 0.8g/L
(D)酸化剤:過酸化水素 5g/L
(F)水溶性高分子:重量分子量15000のポリビニルアルコール 1.0g/L
・純水を加えて全量 1000mL
・pH(アンモニア水と硝酸で調整) 3.0
<評価方法>
研磨装置としてムサシノ電子社製装置「MA-300D」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながら、下記に示すウエハを研磨した。
・テ−ブル回転数: 112rpm
・ヘッド回転数: 113rpm
・研磨圧力: 9.19kPa
・研磨パッド: ロデール・ニッタ株式会社製 IC1400 XY-K-Pad
・研磨液供給速度: 50ml/min
<研磨対象>
ディッシング及びエロージョン評価のウエハは、以下のようにして準備した。
まず、フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程によりSi基盤上のシリコン酸化膜をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成した。次に、スッパタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成し、続いてスッパタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成した。その後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した。このウエハ(通称854PTNウエハ)を6×6cmに切って使用した。
<ディッシング及びエロージョン評価>
研磨対象物を同一のCu-CMPスラリーを用いて、OP+30%に相当する時間だけ研磨したウエハを段差特性に用いた。上記ウエハを45秒間研磨し、処理後のウエハを触針式の段差測定計DektakV320Si(Veeco社製)を用いて、9μm/1μmのライン/スペース部の段差をエロージョンとして測定した。それぞれ得られた結果を表1に示す。
〔実施例2〜7、及び比較例1〜4〕
実施例1における組成を、下記表1に記載の組成に変更して調製した研磨液を用い、実施例1と同様の研磨条件で、研磨実験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009087981
上記表1に記載された(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体B1,2,4,5,,7、及び(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体C1〜C4は、前述の例示化合物を指す。また、併用したベンゾトリアゾールBB1,BB2は以下の化合物である。
Figure 2009087981
上記表1中において略記された化合物の詳細を下記に示す。
TBAN:硝酸テトラブチルアンモニウム〔カチオン性四級アンモニウム塩化合物〕
TMAN:硝酸テトラメチルアンモニウム〔カチオン性四級アンモニウム塩化合物〕
DBSA:ドデシルベンゼンスルホン酸〔界面活性剤〕
BTA:1,2,3−ベンゾトリアゾール〔腐食抑制剤〕
上記表1中における「−」は、その項目に該当する化合物を添加していないことを意味する。
上記表1に記載した研磨粒子の詳細を、下記表2に示す。なお、研磨粒子の平均粒径は、SEM(走査電子顕微鏡)にて研磨粒子を観測し、1粒子を構成する最小構成粒子径を測定した値である。
Figure 2009087981
表2中のA−1〜A5のコロイダルシリカは、扶桑化学社製のコロイダルシリカである。また、A4の酸化アルミナは、日本アエロジル社製、A−5のヒュームドシリカは、日本アエロジル社製である。
表1によれば、実施例1〜7の研磨液を用いた場合は、比較例1〜4と比較して、ディッシング及びエロージョンの発生を抑える効果が高いことが分かる。
一方、比較例1〜4の研磨液は、ディッシング及びエロージョンの抑制効果のいずれも、実施例の研磨液と比較して劣っていることが分かる。
以上のことから、本発明の研磨液は、ディッシング及びエロージョンの発生が抑えられ良好な平坦性を達成できることが分かる。

Claims (10)

  1. バリア層を有する半導体集積回路の平坦化工程において化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、
    (A)コロイダルシリカ粒子、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体、(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体、及び(D)酸化剤、を含有することを特徴とする研磨液。
  2. 前記(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、又はスルホ基を有することを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
  3. 前記(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体が、非置換のアルキル基、炭素数10以上のアルコキシ基、炭素数15以上のアルコキシカルボニル基、炭素数15以上のカルボニルアミド基、又は炭素数15以上のアミノカルボニル基を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨液。
  4. 更に、アミノ酸を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の研磨液。
  5. 更に、水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の研磨液。
  6. 前記(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体と、前記(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体とを合計した濃度が、0.005質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の研磨液。
  7. 前記(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体と、前記(C)疎水性ベンゾトリアゾール誘導体との含有比率が、質量比で2:1〜1:5であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の研磨液。
  8. pHが2〜5であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の研磨液。
  9. (A)コロイダルシリカ粒子、(B)親水性のベンゾトリアゾール誘導体、(C)疎水性のベンゾトリアゾール誘導体、及び(D)酸化剤、を含有する研磨液を用いて、バリア層を備える半導体集積回路を化学的機械的に研磨する研磨方法。
  10. Mn、Ti、Ru又はそれらの誘導体で形成された前記バリア層を研磨することを特徴とする請求項9に記載の研磨方法。
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