JP2009087633A - X線源およびx線源の製造方法 - Google Patents

X線源およびx線源の製造方法 Download PDF

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延忠 青木
Akiko Sumiya
晶子 角谷
Noriyasu Kobayashi
徳康 小林
Yoshika Mitsunaka
義加 満仲
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Abstract

【課題】絶縁性能を保ったままX線源を小型化する。
【解決手段】X線源は、真空容器7に収められた、所定の電界の中に位置すると電子を放出するエミッタ4と、所定の電圧で加速された電子が衝突するとX線を放出するターゲット6と、前記真空容器内で電圧が印加されるたとえばエミッタ4とターゲット6を所定の距離を保つように支持する絶縁体1を有している。絶縁体1には、絶縁体1および真空容器7の表面に沿ってエミッタ4からターゲット6に向かう線を横切る溝12を備えている。溝12は、レーザ加工や、エッチングなどによって形成することもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線源およびX線源の製造方法に関する。
一般にX線源は、高電圧で加速した電子をターゲット(陽極)に入射し制動X線を発生させるものである。このようなX線源として、ガラスまたはセラミックスを真空容器としたものが普及している。また、鉄鋼材のような高密度の対象の透過撮影を行うために300kV以上の高電圧を印加するものや、X線CT用のX線源のように500mAを越える大電流を要求するものもある。さらに、μmオーダの分解能の透過撮影を行うために微小焦点を持ったものなど、多岐にわたる用途に対応したタイプのものが利用されるようになっている。
電子を発生させるための電子エミッタとして、フィラメントの加熱によって生じる熱電子を利用する、いわゆる熱電子型エミッタ(電子放出源)に代わり、電界で電子を引き出す、いわゆる電界放出型エミッタが開発されている。この電界放出型エミッタを用いることによりX線源を非常に小型化することが可能であり、電子管製作技術の限界に近い直径10mm以下のX線源も開発されている。このような超小型のX線源は適用の幅を広げ、体内へ挿入しての直接的な検査に用いたり、X線照射治療用途に適用できるものが提供できる(たとえば特許文献1参照)。
特開2000−208294号公報
X線源を小型化する場合には、印加電圧に対する絶縁、特に、構成絶縁材の表面に関わる沿面絶縁距離を確保することが必要である。絶縁材に限らず固体内にはガス分子を含有しており、ベーキングによってガス分子を極力放出し、清浄に保たれた絶縁材を用いても、1mm沿面距離で絶縁できる限界電圧は約0.6kVである。そのため、12kVの印加電圧を必要とするX線源では、少なくとも10mm以上の沿面絶縁距離を確保する絶縁構造が必要となる。沿面絶縁距離を確保するための絶縁構造が、X線源の小型化を妨げる一因となっている。
そこで、本発明は、絶縁性能を保ったままX線源を小型化することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のX線源は、真空容器と、前記真空容器に収められ、所定の電界の中に位置すると電子を放出するエミッタと、前記真空容器に収められ、所定の電圧で加速された電子が衝突するとX線を放出するターゲットと、前記エミッタと前記ターゲットとが所定の距離を保つように支持する構造体の一部であって、その構造体の表面に沿って前記エミッタから前記ターゲットに向かう線を横切る溝を備えた絶縁体と、を有することを特徴とする。
また、本発明のX線源の製造方法は、容器を作成する工程と、所定の電界の中に位置すると電子を放出するエミッタを作成する工程と、所定の電圧で加速された電子が衝突するとX線を放出するターゲットを作成する工程と、前記エミッタおよび前記ターゲットを前記容器に収める工程と、絶縁物に溝を形成して絶縁体を作成する工程と、前記エミッタと前記ターゲットとが所定の距離を保つように支持する前記絶縁体を含む構造体の表面に沿って前記エミッタから前記ターゲットに向かう線を横切るように前記溝が位置するように、前記絶縁体を前記容器に取り付ける工程と、前記エミッタ、前記ターゲットおよび前記絶縁体が収められた前記容器の内部を真空にする工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、絶縁性能を保ったままX線源を小型化することができる。
本発明に係るX線源の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態1]
図1は、本発明に係る実施形態1のX線源の縦断面図である。
本実施形態のX線源は、真空容器7の内部にウェネルト3、エミッタ4およびターゲット(陽極)6が収められた構造をしている。真空容器7は細長い円筒状であって、その底面部分に絶縁体1が取り付けられており、絶縁体1の頂部にウェネルト3が固定されている。
絶縁体1は円柱状で、その軸は真空容器7の軸と同じ位置にある。絶縁体1の側面には円柱軸を中心とした円周方向に複数の溝12が形成されている。絶縁体1の底部は真空容器7の貫通部20を貫通している。貫通部20では、真空容器7内の真空が損なわれないように、絶縁体1と真空容器7は密着している。絶縁体1の軸を通る導入線2によって、真空容器7の外部に位置する高圧電源15とウェネルト3が接続されている。
ウェネルト3も円柱状であって、その軸は真空容器7および絶縁体1と同じ位置にある。ウェネルト3の頂部には、円形の窪みがあり、その窪みにエミッタ4が取り付けられている。エミッタ4は円錐形である。
真空容器7の頂部には、ウェネルト3およびエミッタ4に対向するように平板状のターゲット6が取り付けられている。真空容器7のターゲット6が取り付けられた位置にはX線透過窓5が形成されている。真空容器7がX線を透過する材料でできている場合には、特別にX線透過窓5を形成しておかなくてもよい。
ターゲット6は、たとえば接地されていて、高圧電源15が負の高電圧を発生することにより、ターゲット6とウェネルト3の間には高電圧が印加され、この高電圧によって生じる電界によって、エミッタ4から電子が引き出される。引き出された電子は電子ビーム11を形成してターゲット6に衝突し、X線13が発生する。X線13は、X線透過窓5を通って、電子ビーム11がターゲット6に衝突した面の反対側の真空容器7の外部に取り出される。
このようなX線源では、高電圧が印加されるウェネルト3とターゲット6の間隔を保持するための構造体である真空容器7および絶縁体1に沿った、ウェネルト3からターゲット6に向かう曲線の長さが、絶縁体1の表面に溝を設けない場合に比べて長くなる。つまり、沿面絶縁距離を長くすることができる。したがって、必要な沿面絶縁距離を確保しつつ、X線源全体を小型化することができる。
真空容器7の形状は上述の通り細長い円柱状、たとえばカプセル薬のような形状のものであり、その直径が5mm以下のものにも適用できる。
なお、本実施形態では、ウェネルト3とエミッタ4を接触させ、両者を等電位としているが、両者の間に電圧を印加するようにしてもよい。この場合には、ウェネルト3とエミッタ4の間に絶縁物(図示せず)を挟んで両者を固定し、エミッタ4に導入線2と電気的に独立した導電体(図示せず)を接続する。この導電体を介してエミッタ4とウェネルト3に電圧を印加することによって、エミッタ4からの電子の放出量を制御することもできる。このような制御に必要な電圧は、ウェネルト3とターゲット6の間の電圧に比べて小さいため、ウェネルト3とエミッタ4の間の絶縁は、絶縁体1に比べて小さく単純な構造のものでもよい。
このようなX線源は、たとえば次のように製造することができる。まず、溝12を形成した絶縁体1を作成し、その絶縁体1を通る導電性の導入線2を挿入する。次に、エミッタ4を備えたウェネルト3を、導入線2に接続するように絶縁体1に取り付ける。また、X線透過窓5が形成された真空容器7を作成し、X線透過窓5の真空容器7の内側にターゲット6を取り付ける。その後、真空容器7の内部を真空に保ったまま、ウェネルト3などが取り付けられた絶縁体1を真空容器7に収める。このX線源を使用する際に、ターゲット6を接地し、導入線2を高圧電源15に接続する。
溝12の幅は、レーザ微細加工技術を利用すれば10μm程度のものが可能であり、さらに光エッチング、リソグラフィ技術を利用すれば1μm以下とすることも可能である。また、溝12はリング状でなく、らせん状であってもよい。
なお、エミッタ4などをベーキング処理して、その内部のガスを排出してから、真空容器7に収めるようにしてもよい。
[実施形態2]
図2は、本発明に係る実施形態2のX線源に用いる絶縁体の一部の平面図である。
本実施形態は、実施形態1のX線源に用いる絶縁体1に形成された円周方向の溝12の代わりに、絶縁体1にジグザグの溝12を形成したものである。このような溝12であっても、沿面絶縁距離を長くすることができる。なお、絶縁体1の表面に溝12を彫る代わりに、突起物を表面に取り付けて溝12を形成するようにしてもよい。
[実施形態3]
図3は、本発明に係る実施形態3のX線源に用いる絶縁体の一部の平面図である。
本実施形態は、実施形態1のX線源に用いる絶縁体1に形成された円周方向の溝の代わりに、絶縁体1に細かな細長い窪みを複数形成し、溝12としたものである。溝12は一定の間隔をおいて配列しており、隣り合う列における溝12の切れ目は重ならないように配置している。このような溝12であっても、沿面絶縁距離を長くすることができる。
[実施形態4]
図4は、本発明に係る実施形態4のX線源の縦断面図である。
本実施形態のX線源は、反射型のターゲット6を用いたものである。実施形態1のX線源とターゲット6の形状およびX線透過窓5の位置が異なる。
ターゲット6は、真空容器7と軸を同じくする円柱状のものであって、エミッタ4に対向して真空容器7の頂部に取り付けられている。ターゲット6の電子ビーム11が衝突する面は、電子ビーム11の進行方向に対して垂直ではなく、傾きを有している。X線透過窓5は、軸方向の位置がほぼ電子ビーム11がターゲット6に衝突する位置であって、電子ビーム11がターゲット6に衝突する面が見える位置に、真空容器7の側面に形成されている。
本実施形態では、反射型のターゲット6を用いることにより、ターゲット6を大きくすることができるため、ターゲットの熱負荷を低減することができる。
[実施形態5]
図5は、本発明に係る実施形態5のX線源の縦断面図である。
本実施形態は、実施形態2のX線源と絶縁体1を取り付けている位置が異なる。本実施形態では、真空容器7の頂部に絶縁体1を取り付けて、そこにターゲット6を取り付けている。ターゲット6は、導入線2を介して高圧電源15に接続されている。
ウェネルト3を接地し、高圧電源7で正の高電圧を発生させることにより、エミッタ4から電子が発生し、電子ビーム11がターゲット6に衝突することによりX線13が発生する。
このように、ターゲット6を反射型とすれば、ターゲット6側に絶縁体1を取り付けることが可能である。
[実施形態6]
図6は、本発明に係る実施形態6のX線源の縦断面図である。
本実施形態のX線源は、円板状の絶縁体1を用いている。円板状の絶縁体1の中心にウェネルト3が取り付けられている。絶縁体1のウェネルト3が取り付けられている面上には、ウェネルト3を中心とした同心円に沿って、複数のリング状の溝12が形成されている。
このような絶縁体1を収納するため、真空容器7は軸方向に短く、たとえばボタン電池のような円筒状をしている。真空容器7の軸方向の厚さとして、たとえば5mm以下のものにも適用することができる。なお、X線の発生点とX線の照射対象を近接させるという観点からは、反射型ではなく透過型のターゲットを用いることが有効である。
[実施形態7]
図7は、本発明に係る実施形態7のX線源の縦断面図である。
本実施形態のX線源は、実施形態6のX線源に用いている絶縁体1に、溝12を追加したものである。本実施形態の絶縁体1は、ウェネルト3が取り付けられている面と反対面上にも、ウェネルト3を中心とした同心円に沿って、複数のリング状の溝12が形成されている。
このように、絶縁体1に溝12を追加することによって、沿面絶縁距離をより長くすることができ、X線源の小型化に寄与する。
[実施形態8]
図8は、本発明に係る実施形態8のX線源の縦断面図である。
本実施形態のX線源は、高電圧発生器28を真空容器7と一体としたものである。外部に絶縁処理を施された高電圧発生器28は、絶縁体1に密着するように取り付けられている。導入線2は、外部に露出することなく、高電圧発生器28からウェネルト3に接続されている。高電圧発生器28は、低圧入力ケーブル21で低圧電源26に接続されている。
この高電圧発生器28は、たとえば高電圧発生回路(図示せず)および高電圧発生回路を取り囲む絶縁物を型枠に入れて成型することにより作成することができる。
電子を加速する最終電圧まで昇圧してからX線源に電力を供給する場合には、太い高圧ケーブルを用いる必要がある。一方、本実施形態のように、低電圧でX線源に電力を供給する場合には、細く、柔軟な低圧入力ケーブル21を用いることができるため、X線源の位置制御が容易であり、X線源の位置の自由度が向上する。
[実施形態9]
図9は、本発明に係る実施形態9のX線源の縦断面図である。
本実施形態は、実施形態7のX線源に電界レンズを導入したものである。
電子ビーム11の行路に開口が貫通した円板状の2枚の電子レンズ用電極8が絶縁体1に取り付けられている。絶縁体1は、電子ビーム11の行路方向のエミッタ4とターゲット6の適切な位置に電子レンズ用電極8を配置できるように、実施形態7の絶縁体1に比べて、半径方向に大きくなっており、また、外側部分は真空容器7の軸方向に延びている。
電子レンズ用電極8は、電子レンズ用導入線導入部14を通る電子レンズ用導入線16を介してレンズ用電源17にそれぞれ接続されている。電子レンズ用導入線導入部14は、真空容器7を貫通するように取り付けられていて、真空容器7内の真空を損なわないように真空容器7と密着している。レンズ用電源17は電子レンズ制御器18に接続されていて、電子レンズ制御器18によって制御された電圧が、レンズ用電源17から電子レンズ用電極8に印加される。
絶縁体1の、ウェネルト3が取り付けられている位置と電子レンズ用電極8が取り付けられている位置の間、および、2枚の電子レンズ電極8が取り付けられている位置の間には、沿面絶縁距離が長くなるように溝12が形成されている。
電界レンズがなくても、エミッタ4から放出される電子は、ウェネルト3による集束作用をうけるため、電子ビーム11はある程度集束してターゲット6に衝突する。本実施形態は、電子レンズ用電極8によって形成される電界が電界レンズとなるため、より小さな領域に電子ビーム11を集束させてターゲット6に衝突させることができる。電子ビーム11がターゲット6に衝突する領域が小さくなるため、X線焦点が小さなX線13を得ることができる。
なお、電子レンズ用電極8は、2枚に限定されるものではない。
[実施形態10]
図10は、本発明に係る実施形態10のX線源の、(a)は縦断面図、(b)はマルチエミッタ近傍の上面図である。
本実施形態のX線源は、実施形態9のX線源のエミッタ4をマルチエミッタ9に取り替えたものである。マルチエミッタ9とは、エミッタ4の集合体である。ウェネルト3上に、複数のエミッタ4が正方格子状に全体としてはほぼ円形状に配列されて、マルチエミッタ9を形成している。マルチエミッタ9に含まれるエミッタ4は、それぞれ独立して制御信号ケーブル10によってマルチエミッタ制御器19に接続している。なお、制御信号ケーブル10は、複数のエミッタ4に独立して接続するため、電気的に独立した複数の導線の束からなっている。
マルチエミッタ制御器19によってエミッタ4とウェネルト3の間には電圧が印加でき、この電圧によってエミッタ4からの電子の放出を制御することができる。なお、ウェネルト3とターゲット6の間に印加する電圧に比べて小さい電圧を、エミッタ4とウェネルト3の間に印加することにより電子の放出を制御することができる。また、それぞれのエミッタ4は独立して制御することができるため、エミッタ4の1つずつから順次電子を放出させたり、複数のエミッタ4から同時に電子を放出させるようにすることもできる。このように、X線焦点の形状および大きさを変化させることができる。
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されず、図の上下左右の方向に限定されるものでもなく、様々な形態で実施することができる。
本発明に係る実施形態1のX線源の縦断面図である。 本発明に係る実施形態2のX線源に用いる絶縁体の一部の平面図である。 本発明に係る実施形態3のX線源に用いる絶縁体の一部の平面図である。 本発明に係る実施形態4のX線源の縦断面図である。 本発明に係る実施形態5のX線源の縦断面図である。 本発明に係る実施形態6のX線源の縦断面図である。 本発明に係る実施形態7のX線源の縦断面図である。 本発明に係る実施形態8のX線源の縦断面図である。 本発明に係る実施形態9のX線源の縦断面図である。 本発明に係る実施形態10のX線源の、(a)は縦断面図、(b)はマルチエミッタ近傍の上面図である。
符号の説明
1…絶縁体、2…導入線、3…ウェネルト、4…エミッタ、5…X線透過窓、6…ターゲット、7…真空容器、8…電子レンズ用電極、9…マルチエミッタ、10…制御信号ケーブル、11,11a,11b…電子ビーム、12…溝、13,13a,13b…X線、14…電子レンズ用導入線導入部、15…高圧電源、16…電子レンズ用導入線、17…レンズ用電源、18…電子レンズ制御器、19…マルチエミッタ制御器、20…貫通部、21…低圧入力ケーブル、26…低圧電源、28…高電圧発生器

Claims (13)

  1. 真空容器と、
    前記真空容器に収められ、所定の電界の中に位置すると電子を放出するエミッタと、
    前記真空容器に収められ、所定の電圧で加速された電子が衝突するとX線を放出するターゲットと、
    前記エミッタと前記ターゲットとが所定の距離を保つように支持する構造体の一部であって、その構造体の表面に沿って前記エミッタから前記ターゲットに向かう線を横切る溝を備えた絶縁体と、
    を有することを特徴とするX線源。
  2. 前記絶縁体は、前記真空容器に取り付けられたものであって、前記エミッタおよび前記ターゲットの一方を支持するものであることを特徴とする請求項1記載のX線源。
  3. 前記絶縁体の内部を通り、前記エミッタおよび前記ターゲットの一方に接続された導電体を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のX線源。
  4. 前記絶縁体は、円筒の側面に溝が形成されたものであって、その円筒の1つの底面は前記真空容器の外部に位置し、もう1つの底面に前記エミッタおよび前記ターゲットの一方が配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載のX線源。
  5. 前記絶縁体は、平板の少なくとも一方の面に溝が形成されたものであって、その平板の1つの面は前記真空容器に固定され、もう1つの面に前記エミッタおよび前記ターゲットの一方が配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載のX線源。
  6. 前記絶縁体によって支持され、前記エミッタから前記ターゲットに向かう電子の行路の周りを囲むように配設された電界レンズ用電極を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか記載のX線源。
  7. 前記絶縁体には、前記電界レンズと前記エミッタとが所定の距離を保つように支持する構造体の表面に沿って前記電界レンズから前記エミッタに向かう線を横切る溝、および、前記電界レンズと前記ターゲットとが所定の距離を保つように支持する構造体の表面に沿って前記電界レンズから前記ターゲットに向かう線を横切る溝、をさらに備えていることを特徴とする請求項6記載のX線源。
  8. 前記エミッタを保持するウェネルトを有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか記載のX線源。
  9. 前記エミッタは複数であって、それぞれの前記エミッタおよび前記ウェネルトは電気的に独立であって、それぞれの前記エミッタに独立して前記ウェネルトに対する電圧を印加する手段をさらに有することを特徴とする請求項8記載のX線源。
  10. 容器を作成する工程と、
    所定の電界の中に位置すると電子を放出するエミッタを作成する工程と、
    所定の電圧で加速された電子が衝突するとX線を放出するターゲットを作成する工程と、
    前記エミッタおよび前記ターゲットを前記容器に収める工程と、
    絶縁物に溝を形成して絶縁体を作成する工程と、
    前記エミッタと前記ターゲットとが所定の距離を保つように支持する前記絶縁体を含む構造体の表面に沿って前記エミッタから前記ターゲットに向かう線を横切るように前記溝が位置するように、前記絶縁体を前記容器に取り付ける工程と、
    前記エミッタ、前記ターゲットおよび前記絶縁体が収められた前記容器の内部を真空にする工程と、
    を有することを特徴とするX線源の製造方法。
  11. 前記溝はレーザを照射することによって形成されるものであることを特徴とする請求項10記載のX線源の製造方法。
  12. 前記溝はエッチングによって形成されるものであることを特徴とする請求項10記載のX線源の製造方法。
  13. 前記溝はリソグラフィによって形成されるものであることを特徴とする請求項10記載のX線源の製造方法。
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