JP2009087499A - 熱アシスト磁気記録用素子とこれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録装置 - Google Patents

熱アシスト磁気記録用素子とこれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡易な製造プロセスによる製造が可能な熱アシスト磁気記録用素子を提供する。
【解決手段】スライダの後端面に薄膜製造プロセスにより、クラッド55の一部あるいは全てを導電体54とした光導波路60を形成する。導電体54に電流を流すことにより光導波路60の端部に磁界が発生されて、光導波路60に伝搬させる伝搬光と磁界の印加により、磁気記録媒体の微小領域に対する熱アシスト磁気記録が行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録領域に局部的な光照射を行って磁気記録を行う熱アシスト磁気記録用素子ヘッドとこれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録装置に関する。
近年、情報記録装置の分野のハード磁気記録装置(HDD)においては、微小な光のスポットを用いた熱アシスト磁気記録が次世代高密度磁気記録の有望な技術として注目を集めている。この技術は熱揺らぎに強い高保磁力を有する磁気記録媒体に対して磁気記録を行うものである。具体的には、磁気記録媒体の表面に光を集光し、局所的に磁気記録媒体の温度を上げて磁気記録を行うものである。温度が上がった部位では磁気記録媒体の保持力が減少するため、通常の磁気ヘッドによる磁気記録が可能になる。
高密度磁気記録を達成するためにはこのような熱アシストに加えて、集光スポットサイズをより小さくする必要もある。このようにより小さな集光スポットサイズを実現する一つの手法として、導電体による表面プラズモン共鳴を利用する方法が提案されている。表面プラズモン共鳴を利用して近接場光を発生することによって、従来の光学系では実現できなかった微小なスポットを記録媒体に照射することが可能となる。
このような近接場光を利用する磁気記録/再生ヘッドを構成する上での重要なポイントとして、近接場光発生部と記録用の磁界発生部と再生用の磁界検出部とが精度よく位置合わせされている必要がある。また、近接場光発生部と記録用磁界発生部の位置が離れていると、近接場光によって磁気ディスクの磁気記録層を加熱した後、移動時間分だけ遅れて磁界が印加されることになる。そしてこの移動時間の間の熱拡散により光の利用効率が低下してしまい、また記録部が広がってしまうという問題がある。このため、近接場光発生部と記録用磁界発生部との距離はできるだけ近くすることが望ましく、例えば100nm以下に近接して配置することが望ましい。
これらの条件を満たすための熱アシスト磁気ヘッドとして、例えば磁気ヘッドに光導波路を集積しその光導波路の出射光端面に薄膜磁気トランスデューサの磁気ギャップを設ける構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。
図25は特許文献1に記載の熱アシスト磁気ヘッドを示し、図25Aは磁気記録・再生ヘッドの平面図、図25Bはその要部拡大図である。この熱アシスト磁気ヘッド121は、図25A及びBに示すように、浮上スライダ122の上面に非球面ミラー128を設け、その入射面128cに半導体レーザ130を直結したものである。浮上スライダ122の非球面ミラー128の下部となる浮上スライダ122の一側面に光導波路125が形成され、光導波路125上に更に記録用磁界発生部である薄膜磁気トランスデューサ124と再生用磁気検出部である磁気抵抗センサ123が順次形成される。また、光導波路125の磁気記録媒体126と対向する出射端125cには、微小開口131aを形成した金属膜131を配置する。半導体レーザ130の活性層130aから出射されたレーザ光は、非球面ミラー128で反射され、光導波路125の入射端125aに導かれる。光導波路125を通過したレーザ光は、光導波路125のその出射面125cに配置された金属膜131の微小開口131aから発生する光Lmとして、磁気記録媒体126の基材126b上に形成された記録層126aに照射される。このように構成することで、出力されるレーザ光Lmのサイズを小さくすることができ、高密度で記録媒体に記録することが可能となる。
図26は特許文献1に記載された他の熱アシスト磁気ヘッドを示す。図26Aは熱アシスト磁気ヘッドの主要部を示す断面図、図26Bはレーザ光出力面側からみた平面図、図26Cは上部からみた平面図である。この熱アシスト磁気ヘッド201は、光導波路205と、光導波路205の表面に集積された薄膜磁気トランスデューサ204とを有する。
光導波路205は、図26Aに示すように、基板260上にクラッド280、コア281及びクラッド282が形成され、更に平坦化のための埋め込み層286及び絶縁層287が形成される。薄膜磁気トランスデューサ204は、その上に形成されるコイル225a、絶縁層223、パーマロイ等の軟磁性体からなるコア224、コイル225b、絶縁層226が形成されてコイル部221とされる。またこの薄膜磁気トランスデューサ204は図26B及びCに示すように、ヨーク227及び磁極部283から構成される。そして図26Bに示すように、光導波路205の出射端に磁気ギャップ243を有する磁気回路241が形成され、磁気回路241のコア224に図26Aで示すCu薄膜からなるコイル225a及び225bが巻回されてコイル部221が構成され、光導波路205の上部に配置される。ギャップ部285は磁気ギャップ243と一対の磁極先端部284とから構成され、光導波路205内に伝播した光Lmがこのギャップ部285に導出される。コイル225a及び225bからは図26Cに示すようにそれぞれ一対のリード線228が延在され、この一対のリード線228の先端にそれぞれパッド229が配置される。
このような構成とすることにより、近接場光発生箇所と同一の場所あるは直近に磁界発生箇所を配置することができる。
特開2007−52918号公報
しかしながら、特許文献1の中でも述べられているように、上述の図25及び図26に示す例では、磁極部や磁気ギャップ部の微細パターンを、導波路や薄膜トランスデューサの薄膜プロセスの積層方向とは異なる方向に積層する必要があるため、作成手順が複雑となるか、あるいは作成が困難であり、精度のよい位置合わせも困難である。光導波路や薄膜トランスデューサの薄膜プロセスの積層方向と同一方向の積層プロセスで磁極部や磁気ギャップ部の微細パターンを作成することも困難である。
また、磁気トランスデューサの材料として好適なパーマロイなどの材質においては強い表面プラズモン共鳴を励起することが困難なため、図26に示す例のように、磁気トランスデューサの磁気ギャップ部285に光が照射されるような構造では、強い近接場光を形成することが困難である。また、磁極先端部284に光が照射されることで磁極先端部284が加熱され、磁気記録特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
以上の問題に鑑みて、本発明は、近接場光発生位置と磁界発生位置とを100nm以下に近接させることが可能であり、比較的簡易な製造プロセスによる製造が可能な熱アシスト磁気記録用素子とこれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による熱アシスト磁気記録用素子は、クラッドの少なくとも一部を導電体とした光導波路を備え、この光導波路の端部に、光導波路内の伝搬光を受けて近接場光を発生する近接場光発生用導電体が配置される。前記導電体と前記近接場光発生用導電体が積層構成であり、導電体に電流を流すことにより前記光導波路の端部に磁界が発生されて、前記近接場光と磁界の印加により熱アシスト磁気記録が行われることを特徴とする。
また、本発明による磁気ヘッドは、記録媒体との相対的走行によって浮上するスライダの表面に、前記記録媒体の記録信号を検出する磁気再生用素子と熱アシスト磁気記録用素子とが順次形成されて成り、前記熱アシスト磁気記録用素子は、クラッドの少なくとも一部を導電体とした光導波路を備え、この光導波路の端部に、光導波路内の伝搬光を受けて近接場光を発生する近接場光発生用導電体が配置される。導電体と前記近接場光発生用導電体が積層構成であり、導電体に電流を流すことにより前記光導波路の端部に磁界が発生されて、前記近接場光と前記磁界の印加により熱アシスト磁気記録が行われることを特徴とする。
更に、本発明による磁気記録装置は、光源部と、記録媒体配置部と、熱アシスト磁気記録用素子を備える磁気ヘッドと、記録信号制御部と、を具備する。そして、熱アシスト磁気記録用素子は、クラッドの少なくとも一部を導電体とした光導波路を備え、この光導波路の端部に、光導波路内の伝搬光を受けて近接場光を発生する近接場光発生用導電体が配置される。導電体と前記近接場光発生用導電体が積層構成であり、導電体に電流を流すことにより前記光導波路の端部に磁界が発生されて、前記近接場光と前記磁界の印加により熱アシスト磁気記録が行われることを特徴とする。
上述したように、本発明の熱アシスト磁気記録用素子、磁気ヘッド及び磁気記録装置においては、クラッドの少なくとも一部を導電体とした光導波路を備え、この光導波路の端部に、光導波路内の伝搬光を受けて近接場光を発生する近接場光発生用導電体が配置される。導電体と前記近接場光発生用導電体が積層構成であり、この導電体に電流を流すことにより磁界を発生させ、いわばクラッドの少なくとも一部により磁界発生手段を構成するものである。このような構成とすることによって、近接場光発生位置と磁界発生位置とを確実に近接して配置することができる。しかもこの場合、導電体と近接場光発生用導電体とを積層構成とするので、通常の薄膜プロセスによる作製が可能となる。すなわち、導電体上に光導波路及び近接場光発生用導電体を積層、あるいは光導波路及び近接場光発生用導電体を積層形成した上に導電体を積層することで本発明構成の熱アシスト磁気記録用素子を製造することができるので、製造の簡易化を図ることもできる。
本発明の熱アシスト磁気記録用素子、磁気ヘッド及び磁気記録装置によれば、近接場光発生位置と磁界発生位置とを100nm以下に近接させることができ、且つ比較的簡易な製造プロセスによる製造が可能となる。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(1)第1の実施の形態
図1は本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドを備える磁気記録装置の一例の概略構成図を示す。
この磁気記録装置110の磁気ヘッド70は、図1に示すように、ディスク状等の磁気記録媒体100との相対的走行によって浮上するスライダ1を備え、その例えば後端面1Rの磁気記録媒体100と対向する側に熱アシスト磁気記録用素子5が形成されて構成される。スライダ1の熱アシスト磁気記録用素子5が形成される面には、磁気記録媒体100の記録信号を検出する磁気再生用素子も積層形成することができる。またこの例では、熱アシスト磁気記録用素子5の後述する光導波路の入射端面に近接して、スライダ1の後端面1Rに半導体レーザ等の光源4が設けられる。光源4からの出射光が熱アシスト用磁気記録素子5の入射端面に照射されるように光源4及び熱アシスト磁気記録用素子5が精度よく配置される。
また、スライダ1はサスペンション3によって支持され、且つ一定の圧力で磁気記録媒体100の基板101上の磁気記録層102側に押さえつけられる構造とされる。磁気記録媒体100はディスク状の場合は回転駆動する駆動部105上の配置部104に配置される。駆動部105の矢印rで示す回転等により、磁気記録媒体100とスライダ1との相対的走行によってスライダ100が磁気記録媒体100の表面から一定の浮上量をもって浮上するようにサスペンション3の押圧力が調整される。サスペンション3上にはスライダ1の各素子に通電するため、また光源4を駆動するための配線用基板が配置されている。図1に示す例では、スライダ1が配線用基板2を介してサスペンション3に設けられるが、配線用基板2はこの配置に限定されるものではない。配線用基板2の配線を通じて、熱アシスト磁気記録用素子5には、記録信号に対応してこの熱アシスト磁気記録用素子に印加する電圧を制御する制御部106が接続される。
図1において示すx軸、y軸及びz軸のうち、y軸はスライダ1の磁気記録媒体100との相対的走行方向に沿う方向すなわち記録トラック方向を示し、z軸は磁気記録媒体100の表面の法線方向を示し、x軸はこれらの方向と直交する方向すなわち記録トラックのトラック幅方向とする。この例では、熱アシスト磁気記録用素子5の光導波路がz軸方向に沿って形成され、光源4は熱アシスト磁気記録用素子5の磁気記録媒体100と対向する側と反対側の後端にz軸方向に沿って隣接配置され、更に、z軸に沿って光源4の後端側に、フォトダイオード等の受光素子6が例えばサスペンション3上に配置される。このように受光素子6を設ける場合は、半導体レーザ等より成る光源4の熱アシスト磁気記録用素子5側とは反対側からの出射光を検出し、検出された受光量を制御部106においてモニタし、フィードバックすることで光源4の出力を制御することができる。
図2においては、図1に示す本発明の実施の形態に係る磁気ヘッド5に適用可能な本発明の実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の概略斜視構成図を示す。図2において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例では、スライダ1の後端面1Rに、まず磁気シールド膜51に挟まれる形で磁気抵抗センサ等の磁気再生用素子52が配置される。この場合、磁気記録媒体100の磁気記録層102からの磁界を例えば抵抗値の変化として検出することで再生信号を得ることができる。磁気再生用素子52を磁気シールド膜51の上には例えばy軸方向の高さ調整用のバッファ層53が形成され、その上に本発明の実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子5が形成される。すなわち、クラッドの少なくとも一部が導電体54からなる光導波路60が形成されている。図示の例ではクラッドの代わりに導電体54でコアを挟み込む形状とする例を示す。クラッドは光導波路60を伝搬する光に対し比較的低い屈折率の材料より成り、コア56はこれより高い屈折率の材料より構成する。また光導波路60の入射端面60iに半導体レーザ等の光源4からの出射光が入射されるよう、光源4が光導波路60の後方にz軸に沿ってスライダ1の後端面1R上に配置される。バッファ層53の膜厚を調整することによって、光源4から出射される光の光路と光導波路60の入射端面60iとの位置合わせを精度よく行うことが可能である。光源4が半導体レーザの場合は、クラッド層42に挟まれた活性層41の出射端面であるフロント面4fと光導波路60の入射端面との位置を合わせて配置される。半導体レーザ等の光源4の出射端面と光導波路60の入射端面60iとの間には、図示しないレンズ作用や光路偏向作用をもつ光学素子を挿入してもよく、また屈折率整合剤等を充填してあってもよい。
光導波路60に入射された光は光導波路60のコア56に閉じ込められて光導波路60の出射端面60oまで効率よく導かれる。光導波路60の出射端面60oには近接場光発生用導電体57が設けられる。そしてこの近接場光発生用導電体57に光導波路60を伝搬してきた光を照射することでその表面に表面プラズモン共鳴による近接場光を発生させることができる。この結果、近接場光発生用導電体57を設けない場合に比べ、スポットサイズが非常に小さく且つ強度の強い光を磁気記録媒体100の表面に照射することが可能となる。更に本発明においては、クラッドの少なくとも一部を導電体54として構成するので、この導電体54に電流を流すことで、近接場光発生用導電体57の近傍に磁気記録媒体100の磁気記録層102の表面に対して垂直となる磁界を発生することができる。
磁気記録を行う際には、磁気記録層102上に近接場光を照射して微小領域を加熱し、加熱と同時又は加熱直後に導電体54に電流を流すことで磁界を印加し、微小領域を垂直磁化させて記録することができる。このようにすることで、高効率で高密度記録が可能な熱アシスト磁気記録用素子5とこれを用いた磁気ヘッド70を提供することができる。
なお、図2においては磁気抵抗センサ等の磁気再生用素子52や光源4用の電気配線パターンは省略しているが、これらの材料や配置構成は従来の磁気ヘッドと同様の材料、配置構成とし得る。
図3に受光素子6の受光面近傍の概略平面構成図を示す。図3において、図1及び図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この例においては、光源4として半導体レーザを用いて、熱アシスト磁気記録用素子5が設けられている側のフロント面とは反対側のリア面4rからも光Lrが出射する場合を示す。この出射光の一部が配線用基板2の開口部2wあるいは透明窓を通して、フォトダイオード等の受光素子6の受光面6rに入射される配置とする。配線用基板2が光透過性のあるものであれば開口部2wを設けるなどの加工が施されていなくてもよい。光源4が半導体レーザの場合、両出射端面からの出射光パワーはほぼ比例関係にあるため、受光素子6により検出する受光量が所定の値となうように制御することで、半導体レーザの出射光量の経時劣化や温度に対する変化を補償することができ、安定した熱アシストが可能な磁気ヘッド70を提供することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける光導波路の各例の構成を図4〜図8の各概略断面構成図に示す。図4〜図8において、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図4〜図8においてはy軸方向の下部が図2において説明したスライダ1の後端面1R側であり、すなわち下部にバッファ層(図示せず)が形成される。x軸方向は磁気記録媒体100との相対的走行方向と直交する方向であり、すなわち記録トラックのトラック幅方向となる。
図4A〜Dにおいては、光導波路60のコア56の上部と下部に磁界発生用の導電体54が形成され、且つ上部と下部の導電体54が電気的に接続されている場合を示す。光導波路60のコア56を中心にコイル状に取り囲むことによって、コア56の端面近傍に磁気記録媒体の磁気記録層の表面と垂直となる磁界を発生させることができる。図4A〜Dにおいては導電体54に通電する電流の向きを破線iで示し、これにより発生する磁界の向きを矢印m1及びm2で示す。発生させる磁界の向きは電流の向きによってコントロール可能であり、図示とは反対の方向に電流を流せば反対向きの磁界を発生させることができる。近接場光発生用導体57は、光導波路の端部の光強度がピークとなる位置、図示の例においては断面略矩形状のコア56の長辺及び短辺方向に関して中央部に配置される。このような配置とすることによって、効率よく近接場光を発生することができる。
図4Aにおいては、コア56の周囲を誘電体材料等より成るクラッド55で囲み、そのクラッド55の周りを導電体で囲う例を示す。特に上側の導電体54をコア56の側面に近接するようにコア56上部でクランク状に折れ曲がることによって、コア56の上半分を取り囲む配置とする場合である。このような構造とすることで、伝搬損失の比較的少ない光導波路構造とすることができる。図4Bはコア56の周りを直接クラッドの役割を兼ねた導電体54で囲む構造である。この例でもコア56の上半分を上側の導体54が取り囲む配置とする。図4Aと比較すると伝搬損失が大きくなる可能性があるが、導波路長が短い場合は十分使用可能であり、構造が単純なため作成が容易である。図4C及びDに示す例では、それぞれx軸方向のみ、又はy軸方向のみにコア56をクラッド55で挟み込む形状とし、その周囲に導電体54を設ける構成とする例である。図4Dに示す例では、図4A及びBと同様に、コア56の上半分を上側の導電体54が取り囲む配置とする場合を示す。図4C及びDに示す例は、図4Aに示す例と図4Bに示す例との中間の特性が得られる。
各例共に、上側の導体54の上層に光導波路60内を伝搬させる光を遮光する、すなわち光を透過しにくく遮光もしくは吸収する材料より成る遮光層58を設けることによって、また図示しないが下側の導体54の下層に設けるバッファ層も同様に光を透過しない材料により構成することによって、不要な光が磁気記録媒体に照射されることを回避もしくは抑制することができる。
この遮光層58の材料としては、金、銀、銅、アルミ、カーボンなどの金属、Siなどの半導体、光透過性の低いセラミックなどの誘電体等が挙げられる。
同様に、バッファ層の材料としても、上記の材料を用いることが可能である。
図5A〜Dはそれぞれコア56の上部にのみ、図6A〜Dはコア56の下部にのみ磁界発生用の導電体54を形成する場合を示す。図5及び図6において、図4と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図5Aにおいては、コア56の周囲にクラッド55を設ける場合、図5Bにおいては、コア56の下側のみにクラッド55を設ける場合、図5Cにおいては、クラッド55の上部にコア56が埋め込まれて上面が平坦化される場合、図5Dにおいては、コア56の上下にクラッド44が配置される場合を示し、図5A、B及びDにおいてはコア56の上半分を導電体54が囲む配置とする例である。
また、図6Aは、コア56の周囲にクラッド55を設ける例で、図6Bはクラッドを設けない例、図6Cはコア56の横方向のみにクラッド55を設ける例、図6Dはコア56の上下にのみクラッド55を設ける例で、各例共に下側に導電体54を平坦な形状として設ける場合を示す。
図5及び図6に示す各例において、図4に示す例と同様に、上側の導体54の上層や下層のバッファ層に、光導波路60内を伝搬させる光を透過しない材料より成る遮光層58を設けることによって、磁気記録媒体の不要な部分への光の照射を回避ないしは抑制することができる。
これらの図5及び図6において示す各例においても、光導波路のコア56の端面近傍に磁気記録媒体の磁気記録層の表面と垂直となる磁界を発生させることができる。同じ電流量で比較した場合、図4A〜Dにおいて示す例と比べて発生磁界は弱くなるものの、構造が単純なため製造が容易となる利点がある。
図7A〜Dにおいては、図4A〜Dに示す各例と同様のコア56又はクラッド55の構造として、コア56の上部と下部に磁界発生用の導電体54を設けるが、上部と下部の導電体54a及び54bが電気的に独立している場合を示す。図7において、図4と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。光導波路60のコア56の端面近傍の発生磁界の向きが同じとなるよう、上部と下部の導電体54a及び54bに逆向きに同時に電流i1、i2を流すことで、図4に示す各例と同等の磁界強度を得ることができる。この場合においては、上部と下部の導電体54a、54bを接続するための薄膜製造工程を省略することができるため、図4に示す各例よりも製造工程が簡易化され、作製が容易となるという利点を有する。
図8A及びBに示す例では、コア56の上下にクラッド55を配置し、コア56の側面にのみ接して導電体54を形成する例を示す。図8Aに示す例においてはコア56の左右両側面、図8Bに示す例では片側のみに導電体54を設ける場合である。上層から下層の導電体54、又はその逆向きに電流i1、i2又はiを流すことにより、前述の各例と同様の効果を得ることができる。導電体54の内側はクラッド材料と同じにしても良いが、光を透過しない遮光層58とすると不要な光の伝搬を抑制することができるためより好適である。
また図8Cは導電体54を複数積層する場合であり、このような構造をとることでより強い磁界を得ることができる。図示の例ではコア56の下部にクラッド55aを介して2層の導電体54a及び54b、コア56の上部にクラッド55b、55cを介して導電体54c及び54dの各2層合計4層の導電体を設ける例であるが、導電体の積層数はコアの上下で一致させる必要はない。導電体54の膜厚や通電する電流i1〜i4を調整することによって、発生する磁界の分布等の偏りを抑制することが可能である。
なお図4〜図8に示す各例については上下が逆転していても問題なく、これらの形状に限定するものでもない。
また、図4〜図8に示す例は導波路内の伝搬光を図示の断面において上下及び左右の2次元的に閉じ込めて伝搬する構造となっているが、例えば図4C、図6C、図7Cに示す例において、誘電体等より成るクラッド55の部分をコア56の材料と同一にして光の閉じ込め方向を上下のみとする光導波路構造とすることも可能である。このような構造とすることで、2次元的に閉じ込めている場合と比較すると近接場光発生用導電体に到達する光量は減るものの、導波路長が短ければ必要十分な光量を近接場光発生用導電体に伝搬することができ、構造が単純なため製造工程が簡素化され、製造が容易となるという利点がある。
図9及び図10は、光導波路60のコア56の上下に磁界発生用の板状の導電体54a、54bが形成されている場合の概略斜視構成図を示す。図9及び図10において、図4〜8と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図9に示すように、導電体54a、54bを板状に形成する場合は、電流を流す導電体の断面積が比較的大きくとれるため、コイルとして見たときの損失要因である抵抗値を小さく抑えることができる。しかしながら、光導波路56のy軸方向の厚みが非常に小さくなってくると、図9中破線aで囲んで模式的に示すように、上下の導電体54a、54bが厚さ方向にコンデンサとして働き、高周波に対する損失が大きくなってしまう可能性がある。コンデンサとしての容量を下げるためには、上下のパターンで近接した平行平板を作らないようにすればよい。
その対策の一例としては、図10に示すように、上下の導電体54a、54bのパターンを櫛状、すなわちこの場合電流通電方向に沿うストライプ状に形成し、上下でそのストライプ状の櫛歯部の重なりが少なくなるように配置するとよい。このような構成とする場合において、コア56に接するクラッドの一部として導電体54a、54bを用いる際には、目的の導波モードに悪影響を及ぼさないように導電体のパターンを調整するか、導波モードに影響を及ぼさないようにコア56から離れた部分にのみこのような櫛歯状のパターンとして配置すればよい。
このような構成とすることにより、上下の導電体54a、54bの間に生じる静電容量を最小限に抑え、高周波駆動が可能となる。
図11A〜Cに、本発明の実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子に適用可能な光導波路のクラッド55及びコア56の形状の各例を示す。図11において、図4と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図11Aは直線状のコア56をクラッド55の間に設ける直線導波の例である。図11Bにおいては三角形状、図11Cにおいては楕円の一部等の曲線状のコア56とし、クラッド55との境界面を反射面として利用して、入射端面で多くの光を取り込み、出射端面にてその光を集光する構造とする例である。このような集光構造とすることで図11Aに示す例と比較してより高効率化を図ることができる。
図12A〜Dに、本発明の実施の形態に係る熱アシスト用磁気記録素子に適用可能な近接場光発生用導電体57の形状の各例を示す。図12において、図4と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図12Aは光導波路のコア56の出射端面に沿って平面長方形の近接場光発生用導電体57を配置した例である。コア56内の光がx軸方向に偏光していて、それによって表面プラズモン共鳴が励起されると、近接場光Leが近接場光発生用導電体57のx軸方向の両端に発生する。
図12B及びCにおいては、近接場光発生用導電体57のx軸方向の端、すなわち近接場光が発生する両端のうち片端だけを磁気記録媒体の磁気記録層に近づける構成とする例を示す。図12Bにおいては近接場光発生用導電体57の一端が段差状に磁気記録媒体側に露出する構造とする例で、図12Cにおいては近接場光発生用導電体57が導波方向に斜めに延長して形成され、幅狭とされた先端部のみが磁気記録媒体側に露出する構造とされる例を示す。このような構造とすることで、より小さなスポットサイズの近接場光を磁気記録媒体に照射することが可能となる。
図12Dに示す例では、二つの近接場光発生用導電体57を使用する場合を示し、近接場光発生用導電体57間の微小ギャップにて非常に強い近接場光を発生することができる。
このような近接場光発生用導電体57を光導波路のコア56の出射端面に配置することで、この近接場光発生用導電体57を設けない場合に比べ非常に小さなスポットサイズの光を磁気記録媒体の磁気記録層に照射することができ、記録マークの微小化、すなわち高記録密度化が可能となる。
また図13に近接場光発生用導電体57と強磁性体材料層59とを積層する例を示す。図13において、図12と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。近接場光発生用導電体57上での表面プラズモンの励起を阻害しないよう強磁性体材料層59の材料を選択することで、磁界発生用の導電体に電流を流した際に、強磁性体材料層59が磁極の役割を果たす。したがって、近接場光を効率よく発生すると共にその発生位置の至近箇所に強い垂直磁界を発生することができ、磁界発生の高効率化が可能となる。
図14A〜Iは、図4Aに示す光導波路60を作製する製造工程の一例を示す。まず図14Aに示すように、図示しないスライダの後端面上に図2において説明した磁気シールド膜、磁気再生用素子等を形成し、更にバッファ層53を形成する。バッファ層53の厚さは、前述したように、この上に形成する光導波路のコアの入射位置に半導体レーザ等の光源からの出射光が入射可能となるように適宜選定する。バッファ層53は電気配線パターン等適宜必要な機能を含んでよい。
次にこのバッファ層53上に、図14Bに示すように磁界発生用の導電体54となる材料層54aを形成する。次に図14Cに示すように光導波路のクラッドとなる材料層55aを積層し、その上に図14Dに示すようにコアとなる材料層56a積層する。このときコアとなる材料層56aの厚さは、最終的に形成するコアの厚さの半分程度の厚さとして積層する。
次に図14Eに示すように近接場光発生用導電体57を所望のパターンにフォトリソグラフィ等の適用により形成し、更に図14Fに示すようにコアとなる材料層56bを目的とするコア厚となるよう積層形成する。
この後図14Gに示すようにエッチングにより近接場光発生用導電体57を囲むコア56を目的の形状に加工し、図14Hに示すようにその上にクラッドとなる材料層55bを積層する。次に、図14Iに示すようにクラッド55a、55bの一部をエッチングして下部の導電体54aを露出させた後、図14Jに示すようにこの上に導電体54bを形成する。これにより、コア56の上部と下部の導電体54a及び54bが電気的に接続された図4Aに示す光導波路構造を形成することができる。
なお、図4〜図8に示す他の例の光導波路についても、同様の手順で作成することができる。
図15A〜Fは、上述の製造工程を利用してスライダ上に本発明構成の熱アシスト磁気記録用素子を製造する工程を模式的に示す図である。
図15Aに示すように、ウエハ状の基板81を用意し、この上に、図15Bに示すように磁気シールド膜、磁気再生素子や本発明構成の熱アシスト磁気記録用素子等をパターン形成する。次に図15C及びDに示すようにパターニングされた各素子を一点鎖線C1〜C4で示すように切り出す。図15Eに示すようにチップ状に加工された基板81を研磨してスライダ状に形成し、図15Fに示すように、サスペンション3の一端に配線用基板2等を介して接着固定して、本発明構成の磁気ヘッドが形成される。
このような製造工程を経ることで、熱アシスト磁気記録用素子を磁気再生素子、更に近接場光発生用導電体と共に、全て同一の積層方向で作製することができる。この結果、磁気再生用素子と熱アシスト磁気記録用素子と更に近接場光発生用導電対との相対位置も精度よくあわせることができ、また生産性もよい。
(2)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの概略平面構成図を図16に示す。図16において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第1の実施の形態と異なる点は、スライダ1の上部に半導体レーザ等の光源4を設け、この光源4の出射光に沿う方向がスライダ1の浮上面1Fと略平行となるよう配置される点である。熱アシスト記録用素子5は第1の実施の形態と同様にスライダ1の後端面に形成される。そして光源4からの出射光を熱アシスト磁気記録用素子5に導く部材7がスライダ1の後端面に熱アシスト記録用素子5を覆うように配置され、その光源4側に光路偏向用の光学素子としてミラー面7Mが形成される。
図17にこの熱アシスト磁気記録素子5の光出射端面付近の拡大斜視構成図を示す。図17において、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図17に示すように、光源4から出射されるレーザ光の進行方向、すなわち出射光の中心方向(光軸方向)と熱アシスト磁気記録用素子5の光導波路60の光の伝搬方向が略90°ずれているため、レーザ光の進行方向を変換すべく、ミラー面7Mを形成した部材7が熱アシスト記録用素子5及び光源4の出射端面を覆うように配置される。
なおこの例においては、図1に示すように、半導体レーザ等より成る光源4の熱アシスト磁気記録用素子5側の出射端面であるフロント面4fの反対側のリア面4rから出射される光を、配線用基板2上のフォトダイオード等より成る受光素子6で検知し、パワー制御を行う構成としている。このため、光源4のリア面4r側の出射光路上に、光を受光素子6の受光面に導く光路偏向用のミラー1Mがスライダ1の上部に形成される。ミラー1Mにおいて、スライダ1の材質の反射率が低い場合は、反射率の高い材料より成る反射膜を表面に成膜してもよい。また図16及び17においては、光の進行方向を偏向する素子として平面ミラーを用いる例を示すが、非球面ミラーや回折格子、散乱体等、進行方向を変換する他の素子で置き換えてもよい。
また、この例においては、半導体レーザより成る光源4のフロント面4f側のミラー7Mを形成した部材7を、スライダ1の後端面上に磁気再生素子や及び近接場光発生用導電体を含む熱アシスト磁気記録用素子、また光源が配置された後に取り付けることが可能な構成である。このような構成とすることで、光源4の光出射位置と熱アシスト磁気記録用素子の光導波路入射端との相対位置がずれた場合でも、ミラー面7Mを形成した素子7の配置を調整することで、高効率に光を光導波路に導くことができる。つまり、光学調整の簡易化を図ることができる。また、図示しないがミラー面7Mを形成した素子7の一部に直接フォトダイオード等の受光素子を作りこむことで部品点数を削減することも可能である。
更に、本実施の形態においては、半導体レーザ等の光源4の長手方向の長さがスライダ1の厚さと同等以上に長い場合においても、スライダ1上に安定して光源4を配置することが可能となるという利点も有する。
(3)第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドの概略平面構成図を図18に示す。また、この磁気ヘッドの熱アシスト磁気記録用素子の光導波路入射端面付近の拡大斜視構成図を図19に示す。図18及び図19において、図1及び図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においては、半導体レーザ等の光源4の出射光の光軸方向を調整する角度調整用部材8をスライダ1と光源4との間に配置する例を示す。角度調整用部材8を介在させることによって、光源4からの出射光の光軸方向が、光導波路の伝搬方向に対して一定の角度となるように、且つこの出射光が光導波路の入射端面に入射するように調整される。
このような配置とすることで、スライダ1の後端面1Rの基準となる面からの光導波路のコア56の中心までの距離と、上記基準となる面から光源4の出射端面の中心までの距離が異なる場合においても、効率よく光導波路内に光源4からの光を結合することができる。これにより、上述の第1及び第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
(4)第4の実施の形態
本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドの概略平面構成図を図20に示す。また、この磁気ヘッドの熱アシスト磁気記録用素子の光導波路入射端面付近の拡大斜視構成図を図21に示す。図20及び図21において、図1及び図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においては、第3の実施の形態と同様に角度調整部材を光源4とスライダ1との間に介在させて、光源4からの光の光軸方向が光導波路の伝搬方向に対して一定の角度となるように構成すると共に、光導波路への結合効率を高めるために、グレーティングカプラ61を設ける例を示す。図示の例においては、光導波路のコア56を一部露出させて、その表面にグレーティングカプラ61が形成される。このグレーティングカプラ61に光源4からの出射光が矢印aで示すように照射されるように、角度調整用部材8の形状や配置が選定されてスライダ1に取り付けられる。
このような配置とすることで、矢印bで示す伝搬方向に対して略垂直な端面の入射端面をもたない光導波路に対しても効率よく光を入射させることが可能となり、光導波路や導電体の構造の選定の自由度を高めることができる。グレーティングカプラ61において効率よく光を結合させて光導波路に導入することによって、第1〜第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(5)第5の実施の形態
本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドの概略平面構成図を図22に示す。また、この磁気ヘッドの熱アシスト磁気記録用素子の光導波路入射端面付近の拡大斜視構成図を図23に示す。図22及び図23において、図1及び図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においては、熱アシスト磁気記録用素子5の光導波路の入射端面に断面が例えば二等辺三角形状のミラー素子62が設けられ、半導体レーザ等より成る光源4から出射される光が、このミラー素子62により2方向に分割されて、光導波路側と、受光素子6側に矢印L1及びL2で示すように出射される例を示す。またこの場合、受光素子6側に向かう光は、熱アシスト磁気記録用素子内に設ける光導波路と同様の光導波路によって受光素子6の受光面付近まで伝搬する構成としてもよい。
このような構成とする場合は、光源4の光出射面をミラー素子62に対向させて配置すればよいので位置合わせが簡易化される。また、光源4をスライダ1上に設ける必要がなく、サスペンション3上又は配線用基板2上に配置することが可能となる。この例においても、ミラー素子62により効率よく光源4からの光を光導波路に結合することで、第1〜第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
以上説明した各実施の形態の熱アシスト磁気記録用素子において、図25に示すように、近接場光発生用導電体57を磁気記録媒体側に突出する構成とすることが望ましい。すなわちこの場合、近接場光発生用導電体57とこれを取り巻くコア56を磁気記録媒体側に突出する構成として、導電体54を磁気記録媒体側から距離dだけ凹む構成とし、導電体54と磁気記録媒体との間隔を、近接場光発生用導体57と磁気記録媒体との間隔と比較して大とする。
このような構成とすることにより、導電体54の磁気記録媒体と対向する端面の特にエッジにおいて、不要な散乱光が発生して磁気記録媒体の時期記録層への影響を及ぼすことを回避することができる。光導波路のコア56を金属より成る導電体54で囲む構成とすることは特にこのような構成とすることが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、クラッドの少なくとも一部を導電体より構成し、導電体に電流を流して磁界を発生する構成とすることから、磁界発生箇所の内部に近接場光発生箇所を位置させることができる。これにより、近接場光によって磁気記録層が加熱されると同時に略加熱箇所に磁界を印加して磁気記録することが可能となる。すなわち、熱拡散の影響が無視できることとなり、光の利用効率を高めることができる。また、加熱部が熱拡散によって広がらないため、記録部分を狭めることができ、高記録密度化が可能となる。
また、磁気再生素子の例えば磁気抵抗センサや、レーザからの光を伝搬する光導波路、光導波路のクラッド部に設ける導電体、及び近接場光発生用導電体を全て同一の積層方向で製造することが可能な構造であるため、生産性よく製造することができる。また、それぞれの相対位置も精度よく合わせることが可能となる。
更に、本発明においては、透磁率の高い材料からなる磁極パターンが必須ではないため、構造が単純で生産性がよい。
磁界を発生するための光導波路のクラッドに設ける導電体のパターンは、十分な磁界の発生が可能な巻き数が小さいコイルに相当するため、インピーダンスを小さく抑えることができ、効率のよい高速磁気記録が可能となる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの要部の概略斜視構成図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの概略平面構成図である。 A〜Dは本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略断面構成図である。 A〜Dは本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略断面構成図である。 A〜Dは本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略断面構成図である。 A〜Dは本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略断面構成図である。 A〜Cは本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略断面構成図である。 本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略斜視構成図である。 本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略斜視構成図である。 A〜Cは本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略平面構成図である。 A〜Dは本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略平面構成図である。 本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の概略平面構成図である。 A〜Jは本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の製造方法の一例を示す工程図である。 A〜Fは本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法の一例の工程図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の概略斜視構成図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の概略斜視構成図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の概略斜視構成図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の概略斜視構成図である。 本発明の一実施の形態に係る熱アシスト磁気記録用素子の要部の概略断面構成図である。 A及びBは従来の熱アシスト磁気ヘッド装置の一例の概略断面構成図である。 A及びBは従来の熱アシスト磁気ヘッド装置の一例の概略断面構成図である。
符号の説明
1.スライダ、2.配線基板、3.サスペンション、4.光源、5.光アシスト磁気記録用素子、6.受光素子、7.部材、8.角度調整用部材、51.磁気シールド膜、52.磁気再生用素子、53.バッファ層、54.導電体、55.クラッド、56.コア、57.近接場光発生用導電体、58.遮光層、59.磁性層、60.光導波路、61.グレーティングかプラ、70.磁気ヘッド、100.磁気記録媒体、104.配置部、105.駆動部、106.制御部、110.磁気記録装置

Claims (18)

  1. クラッドの少なくとも一部を導電体とした光導波路を備え、
    前記光導波路の端部に、前記光導波路内の伝搬光を受けて近接場光を発生する近接場光発生用導電体が配置され、
    前記導電体と前記近接場光発生用導電体が積層構成であり、
    前記導電体に電流を流すことにより前記光導波路の端部に磁界が発生されて、
    前記近接場光と前記磁界の印加により熱アシスト磁気記録が行われる
    ことを特徴とする熱アシスト磁気記録用素子。
  2. 前記導電体が、前記光導波路のコア部又はクラッド部を挟み込む形状とされ、
    一方の導電体の側から前記クラッド部又はコア部が、他方の導電体側に向かって積層されて成ることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  3. 前記導電体の形状が櫛状になっていることを特徴とする請求項2記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  4. 前記挟み込む形状とされる導電体の一方の側と他方の側の導電体が重ならないように配置されていることを特徴とする請求項2記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  5. 前記近接場光発生用導電体は、前記光導波路の端部の光強度がピークとなる位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  6. 前記導電体の磁気記録媒体と対向する端面よりも、前記近接場光発生用導体の前記記録媒体と対向する端面が前記磁気記録媒体側に近接して設けられることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  7. 前記導電体により構成される前記光導波路の外側の少なくとも一部が、前記光導波路を伝搬する光を遮光する材料より成ることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  8. 前記近接場光発生用導電体に、強磁性体材料層が積層されて成ることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  9. 光源から出射されるレーザ光の光路上に、前記光導波路の入射面が配置されることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  10. 光源の発光面から前記光導波路の入射面までの光路上に、光路変換用の光学素子が配置されることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  11. 光源が半導体レーザより成り、
    前記半導体レーザの前記光導波路へ入射される光を出射する面をフロント面、反対側の面をリア面としたとき、前記リア面からの出射光の光路上に受光素子が配置されることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  12. 前記リア面から前記受光素子までの光路上に、光路変換用の光学素子が配置されることを特徴とする請求項11記載の熱アシスト磁気記録用素子。
  13. 記録媒体との相対的走行によって浮上するスライダの表面に、前記記録媒体の記録信号を検出する磁気再生用素子と熱アシスト磁気記録用素子とが順次形成されて成り、
    前記熱アシスト磁気記録用素子は、
    クラッドの少なくとも一部を導電体とした光導波路を備え、
    前記光導波路の端部に、前記光導波路内の伝搬光を受けて近接場光を発生する近接場光発生用導電体が配置され、
    前記導電体と前記近接場光発生用導電体が積層構成であり、
    前記導電体に電流を流すことにより前記光導波路の端部に磁界が発生されて、
    前記近接場光と前記磁界の印加により熱アシスト磁気記録を行う
    ことを特徴とする磁気ヘッド。
  14. 光源となる半導体レーザが前記スライダに取り付けられたことを特徴とする請求項13に記載の磁気ヘッド。
  15. 前記半導体レーザが、その出射光方向が前記スライダの浮上面と略平行となるように配置され、且つ前記出射光が前記スライダの面の一部に形成された前記光導波路の入射面に照射されることを特徴とする請求項13記載の磁気ヘッド。
  16. 前記スライダ、又は前記スライダを支持するサスペンション、又は前記スライダへ電気配線を行う配線基板のいずれかに受光素子が取り付けられたことを特徴とする請求項13記載の磁気ヘッド。
  17. 前記受光素子で検出する光量が所定の値となるよう半導体レーザの駆動条件が制御されることを特徴とする請求項16記載の磁気ヘッド。
  18. 光源部と、
    磁気記録媒体の配置部と、
    熱アシスト磁気記録用素子を備える磁気ヘッドと、
    記録信号に対応して前記熱アシスト磁気記録用素子に印加する電圧を制御する制御部と、を具備し、
    前記熱アシスト磁気記録用素子は、
    クラッドの少なくとも一部を導電体とした光導波路を備え、
    前記光導波路の端部に、前記光導波路内の伝搬光を受けて近接場光を発生する近接場光発生用導電体が配置され、
    前記導電体と前記近接場光発生用導電体が積層構成であり、
    前記導電体に電流を流すことにより前記光導波路の端部に磁界が発生されて、
    前記近接場光と前記磁界の印加により熱アシスト磁気記録が行われる
    ことを特徴とする磁気記録装置。
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