この発明の一の局面による撮像装置は、被写体を撮影するための撮像素子と、少なくとも第1の方向に移動可能に構成されるとともに、撮像素子を載置する撮像素子載置部と、撮像素子載置部を第1の方向の一方方向および他方方向に移動させる駆動源としての回転軸を含む第1モータと、第1モータの回転軸と係合するように設けられ、第1モータの回転駆動を直線駆動に変換して撮像素子載置部を第1の方向に直線移動させる第1直線移動部材と、撮像素子載置部に一方端部が接続され、撮像素子載置部を第1の方向の他方方向に付勢する第1付勢部材と、第1付勢部材の他方端部が接続され、第1の方向に沿って伸縮する第1アクチュエータと、第一モータの駆動に基づいて撮像素子載置部が第1の方向の一方方向に移動されることにより、第1付勢部材が伸張されて所定の付勢力に到達した場合に、第1アクチュエータを伸張させるように制御する制御部とを備える。
この一の局面による撮像装置では、上記のように、撮像素子載置部に一方端部が接続され、撮像素子載置部を第1の方向の他方方向に付勢する第1付勢部材と、第1付勢部材の他方端部が接続され、第1の方向に沿って伸縮する第1アクチュエータと、撮像素子載置部が第1の方向の一方方向に直線移動することにより付勢部材が伸張されて所定の付勢力に到達した場合に、第1アクチュエータを伸張させるように制御する制御部とを設けることによって、撮像素子載置部が第1モータの駆動により第1の方向の一方方向に移動することに起因して第1付勢部材の付勢力が増加する場合に、第1アクチュエータが伸張することにより、所定の付勢力を超えないように構成することができる。これにより、撮像素子載置部の第1の方向の他方方向への付勢力が増加するのを抑制することができるので、撮像素子載置部を第1の方向の一方方向に移動させる際の駆動源としての第1モータの駆動力が増大するの抑制することができる。その結果、撮像素子載置部を移動させる際の駆動源としての第1モータの消費電力が増大するのを抑制することができる。また、撮像素子載置部を第1の方向の他方方向に付勢する第1付勢部材の他方端部に、第1の方向に伸縮する第1アクチュエータを設けることによって、撮像素子載置部が移動することにより第1付勢部材による付勢力が小さくなった場合に、第1アクチュエータを収縮させれば、第1付勢部材の撮像素子載置部を第1の方向の他方方向に付勢する付勢力を一定の付勢力以下にならないように構成することができる。これにより、撮像素子載置部が第1の方向の一方方向および他方方向に移動する際に、第1付勢部材によって、撮像素子載置部に第1の方向の他方方向に十分に付勢することができる。その結果、撮像素子載置部が第1の方向の一方方向と他方方向とのいずれの方向に移動される際にも、第1付勢部材によって、撮像素子載置部には第1の方向の他方方向に付勢されながら移動されるので、撮像素子載置部の位置調整を正確に行うことができる。
上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、撮像素子を載置する撮像素子載置部を含む装置本体と、装置本体の手振れを検知する手振れ検知部をさらに備え、制御部は、手振れ検知部によって検知される装置本体の振れに基づいて、撮像素子の振れが小さくなる第1の方向の一方方向または他方方向に撮像素子載置部を移動させるように第1モータの駆動を制御するように構成されている。このように構成すれば、撮影する際の装置本体の手振れを補正することができるので、正確に被写体を撮影することができる。また、手振れ補正の移動機構に本発明を適用することによって、装置本体の手振れが手振れ検知部により検知され、検知された手振れを補正するために撮像素子載置部が第1の方向の一方方向に移動して第1付勢部材の付勢力が増加する場合に、第1アクチュエータを伸張させることにより、第1モータへの負荷が増大するのを抑制することができる。これにより、手振れ補正時の消費電力を低減することができる。
上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、制御部は、第1モータが所定の回転方向に、所定の回転量だけ回転することにより、第1直線移動部材によって第1の方向の一方方向および他方方向に直線移動される撮像素子載置部が所定の切替位置に到達したときに第1アクチュエータを伸張させるように構成されている。このように構成すれば、制御部は、第1モータの回転方向および回転量に基づいて、容易に、第1アクチュエータを伸張させる切替位置に撮像素子載置部が到達したか否かを判断することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、第1モータが所定の回転方向とは逆方向に回転することにより、第1直線部材によって、第1の方向の他方方向に直線移動される撮像素子載置部が所定の切替位置に到達したときに第1アクチュエータを収縮させるように構成されている。このように構成すれば、撮像素子載置部が第1の方向の他方方向に移動することより第1付勢部材による付勢力が小さくなる場合に、撮像素子載置部が所定の切替位置に到達したときに第1アクチュエータが収縮されるので、容易に、第1付勢部材の撮像素子載置部を第1の方向の他方方向に付勢する付勢力を一定の付勢力以下にならないように構成することができる。
上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、撮像素子載置部を第1の方向と直交する第2の方向の一方方向および他方方向に移動させるための可動テーブルと、可動テーブルを第2の方向に移動させる駆動源としての回転軸を有する第2モータと、第2モータの回転軸と係合するように設けられ、第2モータの回転駆動を直線駆動に変換して可動テーブルを第2の方向に直線移動させる第2直線移動部材と、可動テーブルに一方端部が接続され、可動テーブルを第2の方向の他方方向に付勢する第2付勢部材と、第2付勢部材の他方端部が接続され、第2の方向に沿って伸縮する第2アクチュエータとをさらに備え、制御部は、第2モータの駆動に基づいて可動テーブルが第2の方向の一方方向に直線移動されることにより、第2付勢部材が所定の付勢力に到達した場合に、第2アクチュエータを伸張させるように制御するように構成されている。このように構成すれば、第1モータおよび第2モータにより第1の方向のみならず第2の方向にも撮像素子載置部を直線移動させることができるので、撮像素子載置部の位置調整をより正確に行うことができる。また、制御部を、第2アクチュエータを第2付勢部材が所定の付勢力に到達した場合に伸張させるように構成することによって、可動テーブルが第2モータの駆動により第2の方向の一方方向に移動することに起因する第2付勢部材の付勢力が増加する場合に、第2アクチュエータが伸張することにより、所定の付勢力を超えないように構成することができる。これにより、可動テーブルの第2の方向への付勢力が増加するのを抑制することができるので、可動テーブルを第2の方向の一方方向に移動させる際の駆動源としての第2モータの駆動力が増大するのを抑制することができる。その結果、可動テーブルを第2の方向に移動させる際の駆動源としての第2モータの消費電力が増大するのを抑制することができる。
図1および図2は、本発明の一実施形態によるビデオカメラの全体構成を示す斜視図である。また、図3〜図7は、図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラの詳細な構成を説明するための図である。図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態によるビデオカメラ1の構成について説明する。なお、本実施形態では、撮像装置の一例であるビデオカメラ1に本発明を適用した場合について説明する。
本発明の一実施形態によるビデオカメラ1では、図1および図2に示すように、装置本体2に、複数の光学レンズからなるレンズ部3(図1参照)が内部に収納された鏡筒4と、ストロボ5(図1参照)と、内蔵マイク6(図1参照)と、ビデオテープ(図示せず)が着脱可能に装着されるビデオカセット部7と、メモリーカード挿入部8(図2参照)とが設けられている。また、ビデオカメラ1は、映像を録画する際に使用される録画/再生ボタン9と、静止画像を撮影する際に使用されるシャッタボタン10と、電源ボタン11(図2参照)と、ファインダ12(図2参照)と、録画時の映像を画面表示可能な液晶モニタ13(図2参照)とを備えている。また、図2に示すように、装置本体2の内部のレンズ部3の後方には、後述するCCD21(図3参照)を移動させるためのCCD移動機構部20が配置されている。
また、図1および図2に示すように、レンズ部3(図1参照)が収納された鏡筒4は、装置本体2の正面側から外部に水平に突出されるように構成されている。また、ストロボ5は、撮影時に補助光として発光する機能を有している。また、内蔵マイク6は、撮影時(録画時)に被写体周辺の音を収集する機能を有している。また、ビデオカセット部7およびメモリーカード挿入部8は、それぞれビデオテープ(図示せず)およびメモリカード(図示せず)に撮影された動画画像と静止画像とを記憶することが可能なように構成されている。また、録画/再生ボタン9は、ユーザが撮影時に押圧することによって、後述するCCD21(図3参照)が撮影した映像をビデオテープ(図示せず)に記憶する動作を開始するとともに、録画終了時には、ビデオテープ(図示せず)への記憶動作を停止する機能を有している。
また、ファインダ12および液晶モニタ13は、ユーザがファインダ12および液晶モニタ13のいずれか、またはその両方を通して被写体を見ながら、撮影範囲を決定することが可能なように構成されている。また、液晶モニタ13は、ビデオカメラ1の画像設定および音声設定などの各種設定を行うための設定画面を表示することが可能なように構成されている。また、操作ボタン14は、液晶モニタ13に表示される設定画面から各項目を選択するなど、液晶モニタ13に表示される画面上の操作を行うことが可能なように構成されている。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、CCD移動機構部20は、動画画像および静止画像を撮影するためのCCD21(Charge Coupled Devices)21と、CCD21が取り付けられるとともに、CCD21を移動させるためのX−Yステージ22とを含んでいる。なお、CCD21は、本発明の「撮像素子」の一例であり、X−Yステージ22は、本発明の「撮像素子載置部」の一例である。また、X−Yステージ22の矢印Y1側端部近傍の矢印X1側には、X−Yステージ22をX方向に移動させるための駆動源となるX軸ステッピングモータ23が配置されている。なお、X軸ステッピングモータ23は、本発明の「第1モータ」の一例である。また、X軸ステッピングモータ23は、装置本体2(図2参照)に固定された固定ステージ24に固定されている。
また、図3および図4に示すように、X軸ステッピングモータ23(図3参照)は、ネジ軸状に構成され、X軸ステッピングモータ23によって回転駆動されるモータスクリュー23aを含んでいる。なお、モータスクリュー23aは、本発明の「回転軸」の一例である。このモータスクリュー23aには、ネジ穴25a(図4参照)を含むナット部材25が螺合されている。このナット部材25は、図4に示すように、X−Yステージ22の長孔部22aに入り込むカラー部25bと、X−Yステージ22に当接する当接部25cとを含んでいる。なお、ナット部材25は、本発明の「第1直線移動部材」の一例である。
また、本実施形態では、図3に示すように、X軸ステッピングモータ23の矢印Y2方向側近傍には、引張コイルバネ26が配置されている。また、長孔部22aの矢印Y2方向側近傍には、引張コイルバネ26の矢印X1方向側の端部26aが接続されるフック部22bが設けられている。また、引張コイルバネ26は、X−Yステージ22を矢印X2方向に付勢するために設けられており、X方向と実質的に平行に配置されている。これにより、X−Yステージ22は、引張コイルバネ26によって矢印X2方向に常に付勢されるので、X−Yステージ22が矢印X2方向に移動する際のモータスクリュー23aとナット部材25のネジ穴25aとの間に遊びが発生するのを抑制することが可能である。なお、引張コイルバネ26は、本発明の「第1付勢部材」の一例である。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、X軸ステッピングモータ23の矢印X2方向側には、引張コイルバネ26の矢印X2方向側の端部26bが接続される可動部27aと内部にコイル(図示せず)を有するケース部27bとを含むX軸ソレノイド27が設けられている。このX軸ソレノイド27は、電流が供給されることにより、可動部27aが直線的にケース部27bから突出し、伸張状態となる。また、電流が供給されないときには、可動部27aがケース部27bに収納されて、X軸ソレノイド27は、収縮状態にされるように構成されている。このX軸ソレノイド27が伸張状態および収縮状態に変化されることにより、引張コイルバネ26の付勢力を調節することが可能となる。なお、X軸ソレノイド27は、本発明の「第1アクチュエータ」の一例である。また、X軸ソレノイド27は、固定ステージ24に固定されている。
また、図3および図5に示すように、X−Yステージ22(図3参照)の矢印Y1方向側両端部近傍には、後述するYステージ28(図3参照)のY方向の移動に伴って、X−Yステージ22が固定ステージ24(図3参照)に固定されたX軸ステッピングモータ23(図3参照)に対して、Y方向に移動可能にするためにY方向に延びる長孔状に形成された長孔部22aが設けられている。また、長孔部22aは、X−Yステージ22がX方向に移動した際に、X軸ステッピングモータ23のモータスクリュー23aがX−Yステージ22に当たらないようにするための逃がし穴の機能も有している。
また、図3および図4に示すように、X−Yステージ22は、X軸ステッピングモータ23(図3参照)が回転駆動することにより、X方向に移動されるように構成されている。具体的には、X軸ステッピングモータ23(図3参照)の時計方向に回転駆動する際には、モータスクリュー23a(図4参照)が時計方向に回転することにより、モータスクリュー23aに螺合されたネジ穴25aを有するナット部材25が矢印X1方向に直線移動する。そして、X−Yステージ22は、ナット部材25の当接部25cによって押圧されて、引張コイルバネ26の付勢力に抗して矢印X1方向に移動するように構成されている。また、X軸ステッピングモータ23が逆時計方向に回転駆動する際には、モータスクリュー23aが逆時計方向に回転することにより、モータスクリュー23aに螺合されナット部材25は、矢印X2方向に直線移動する。そして、X−Yステージ22は、引張コイルバネ26の矢印X2方向への付勢力によって、ナット部材25の当接部25cに当接したままの状態で矢印X2方向に移動するように構成されている。
また、CCD移動機構部20は、図3に示すように、X−Yステージ22をY方向に移動させるためのYステージ28を含んでいる。このYステージ28の矢印X2側端部近傍の矢印Y1側には、Yステージ28をY方向に移動させるための駆動源となるY軸ステッピングモータ29が配置されている。なお、Yステージ28は、本発明の「可動テーブル」の一例であり、Y軸ステッピングモータ29は、本発明の「第2モータ」の一例である。また、Y軸ステッピングモータ29は、固定ステージ24に固定されている。なお、Y軸ステッピングモータ29は、X軸ステッピングモータ23と同様に、モータスクリュー29aを含み、モータスクリュー29aは、ナット部材25と同一のネジ穴30a、カラー部30bおよび当接部30cを有するナット部材30(図6参照)のネジ穴30aに螺合されている。
また、Yステージ28は、Y軸ステッピングモータ29により回転されるモータスクリュー29aによってY方向に移動するナット部材30に当接された状態で、Y方向に移動するように構成されている。また、Yステージ28の矢印X2方向側の端部には、Yステージ28がY方向に移動した際に、Y軸ステッピングモータ29のモータスクリュー29aがYステージ28に当たらないようにするための逃がし穴28aが設けられている。なお、モータスクリュー29aは、本発明の「回転軸」の一例であり、ナット部材30は、本発明の「第2直線移動部材」の一例である。
また、本実施形態では、図3に示すように、Y軸ステッピングモータ29の矢印X1方向側近傍には、引張コイルバネ31が配置されている。また、逃がし穴28aの矢印X1方向側近傍には、引張コイルバネ31の矢印Y1方向側の端部31aが接続されるフック部28bが設けられている。また、引張コイルバネ31は、Yステージ28を矢印Y2方向に付勢するために設けられており、Y方向と実質的に平行になるように配置されている。これにより、Yステージ28は、引張コイルバネ31によって矢印Y2方向に常に付勢されているので、Yステージ28が矢印Y2方向に移動する際のモータスクリュー29aとナット部材30のネジ穴30aとの間に遊びが発生するのを抑制することが可能である。なお、引張コイルバネ31は、本発明の「第2付勢部材」の一例である。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、Y軸ステッピングモータ29の矢印Y2方向側には、引張コイルバネ31の矢印Y2方向側の端部31bが接続される可動部32aと内部にコイル(図示せず)を有するケース部32bとを含むY軸ソレノイド32が設けられている。このY軸ソレノイド32は、電流が供給されることにより、可動部32aが直線的にケース部32bから突出し、伸張状態となる。また、電流が供給されないときには、可動部32aがケース部32bに収納されて、Y軸ソレノイド32は、収縮状態にされるように構成されている。このY軸ソレノイド32が伸張状態および収縮状態になることにより、引張コイルバネ31の付勢力を調節することが可能となる。なお、Y軸ソレノイド32は、本発明の「第2アクチュエータ」の一例である。また、Y軸ソレノイド32は、固定ステージ24に固定されている。
また、図3および図6に示すように、Yステージ28は、Y軸ステッピングモータ29(図3参照)の時計方向に回転駆動する際には、モータスクリュー29a(図6参照)が時計方向に回転することにより、モータスクリュー29aに螺合されたネジ穴30aを有するナット部材30が矢印Y1方向に直線移動する。そして、Yステージ28は、ナット部材30の当接部30cによって押圧されて、引張コイルバネ31の付勢力に抗して矢印Y1方向に移動するように構成されている。また、Y軸ステッピングモータ29が逆時計方向に回転駆動する際には、モータスクリュー29aが逆時計方向に回転することにより、モータスクリュー29aに螺合されナット部材30は、矢印Y2方向に直線移動する。そして、Yステージ28は、引張コイルバネ31の矢印Y2方向への付勢力によって、ナット部材30の当接部30cに当接したままの状態で矢印Y2方向に移動するように構成されている。
また、図3に示すように、固定ステージ24の矢印X2方向側には、Y方向と平行に配置され、Yステージ28に設けられたシャフト孔28cに貫通するY軸スライドシャフト33が取り付けられている。このY軸スライドシャフト33の直径は、Yステージ28がY軸スライドシャフト33を摺動可能なように、シャフト孔28cの直径よりも若干小さくなるように設計されている。これにより、Yステージ28は安定してY方向に移動することが可能となる。
また、Yステージ28のY1方向側およびY2方向側には、X方向と平行に配置されたX軸スライドシャフト34およびX軸スライドシャフト35が取り付けられている。このX軸スライドシャフト34は、X−Yステージ22のY方向の中央部に設けられたシャフト孔22cに貫通するように配置されている。また、X軸スライドシャフト35は、X−Yステージ22の矢印Y2側端部の凸部22dに設けられたシャフト孔22eに貫通するように配置されている。このX軸スライドシャフト34および35の直径は、X−Yステージ22がX軸スライドシャフト34および35を摺動するために、シャフト孔22cおよび22dの直径よりも若干小さくなるように設計されている。これにより、X−Yステージ22は、X方向に安定して移動可能になるとともに、Yステージ28のY方向の移動に伴って、Y方向にも移動可能となる。
また、X−Yステージ22の矢印X2方向の側方およびYステージ28の矢印Y2方向の下方には、フォトインタラプタからなる基準位置検出センサ36および基準位置検出センサ37が固定ステージ24にそれぞれ取り付けられている。この基準位置検出センサ36および37は、電源ボタン11(図2参照)が押下された際に、基準位置に移動するX−Yステージ22およびYステージ28を検知するために設けられている。なお、この基準位置検出センサ36および37にX−Yステージ22およびYステージ28が差し掛かる位置(図9参照)が基準位置である。この点については、後に説明する。
また、本実施形態では、図7に示すように、装置本体2の内部には、X軸ステッピングモータ23と、Y軸ステッピングモータ29とをモータドライバ41を介して制御するCPUからなる制御部42が配置されている。この制御部42は、電源ボタン11が押下されると、X軸ステッピングモータ23とY軸ステッピングモータ29とをモータドライバ41を介して駆動させ、X−Yステージ22およびYステージ28を基準位置に移動させるように制御するように構成されている。また、装置本体2の内部には、装置本体2の手振れを検知するためのジャイロセンサ43が設けられている。このジャイロセンサ43で検知された装置本体の振れ量の情報は、制御部42に伝達されるように構成されている。なお、ジャイロセンサ43は、本発明の「手振れ検知部」の一例である。
また、制御部42は、シャッタボタン10が押下されると、装置本体2の振れ量の検出を開始するようにジャイロセンサ43を制御するとともに、ジャイロセンサ43によって検出された振れ量に基づいて、CCD21の振れ量が小さくなる方向にX−Yステージ22およびYステージ28を移動させるようにX軸ステッピングモータ23と、Y軸ステッピングモータ29とをモータドライバ41を介して駆動させるように構成されている。
ここで、本実施形態では、図7に示すように、制御部42は、X軸ソレノイド27およびY軸ソレノイド32の伸張状態および収縮状態の状態変化を、引張コイルバネ26および31の付勢力に応じて、制御するように構成されている。具体的には、X−Yステージ22には、可動範囲の中心より若干矢印X1方向側にX軸ソレノイド27の切替位置が設定されている。この切替位置に、X−Yステージ22が矢印X2方向側から矢印X1方向に移動して到達したときは、X軸ソレノイド27は、伸張状態となる。そして、X−Yステージ22が矢印X1方向側から矢印X2方向に移動して切替位置に到達したときには、X軸ソレノイド27は、収縮状態になるように構成されている。また、Yステージ28には、可動範囲の中心よりも若干矢印Y1方向側にY軸ソレノイド32の切替位置が設定されている。この切替位置に、X−Yステージ22が矢印X2方向側から矢印X1方向に移動して到達したときは、X軸ソレノイド27は、伸張状態となる。そして、Yステージ28が矢印Y1方向側から矢印Y2方向に移動して切替位置に到達したときには、Y軸ソレノイド32は、収縮状態になるように構成されている。なお、X−Yステージ22およびYステージ28が切替位置に到達したか否かは、制御部42によって、X軸ステッピングモータ23およびY軸ステッピングモータ29の原点位置からのステップ数により判断されるように構成されている。
図8は、図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラのステッピングモータの駆動およびソレノイドの制御を説明するためのフローチャートである。また、図9および図10は、図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラのソレノイドの動作を説明するための図である。次に、図8〜図10を参照して、ビデオカメラ1のX軸ステッピングモータ23およびY軸ステッピングモータ29と、X軸ソレノイド27およびY軸ソレノイド32との動作について説明する。
まず、ステップS1において、電源ボタン11が押下されたか否かが制御部42によって判断され、電源ボタン11が押下されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。電源ボタン11が押下されたと判断されると、ステップS2に移行して、X軸ステッピングモータ23を回転させて、X−Yステージ22を基準位置に移動させる。
そして、ステップS3に移行して、移動するX−Yステージ22が基準位置検出センサ36によって検知されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。すなわち、X−Yステージ22が図9に示すような基準位置に到達するまでステップS3における判断が繰り返される。そして、基準位置検出センサ36によってX−Yステージ22が検知されたと判断されると、ステップS4に移行して、X軸ステッピングモータ23の回転を停止させる。そして、ステップS5に移行して、制御部42は、X軸ステッピングモータ23を第1の回転数だけ回転させて、X−Yステージ22を原点位置に向かって移動させる。なお、原点位置とは、CCD21の中心線とレンズ部3の光学レンズの光軸とが一致する位置にCCD21が位置される、X−Yステージ22の位置である。
そして、ステップS6に移行して、Y軸ステッピングモータ29を回転させて、Yステージ28を基準位置に移動させて、ステップS7に移行する。そして、ステップS7において、移動するYステージ28が基準位置検出センサ37によって検知されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。すなわち、Yステージ28が図9に示すような基準位置に到達するまでステップS7における判断が繰り返される。そして、基準位置検出センサ37によってYステージ28が検知されたと判断されると、ステップS8に移行して、Y軸ステッピングモータ29の回転を停止させる。そして、ステップS9に移行して、制御部42は、Y軸ステッピングモータ29を第2の回転数だけ回転させて、Yステージ28を原点位置に向かって移動させてステップS10に移行する。
そして、ステップS10において、シャッタボタン10が押下されたか否かが判断され、シャッタボタン10が押下されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。そして、シャッタボタン10が押下されたと判断されると、ステップS11に移行して、ジャイロセンサ43によって装置本体2の手振れ量が検知される。そして、ステップS12に移行して、ジャイロセンサ43によって、使用者がシャッタボタン10を押下した際にX方向の振れが検知されたか否かが判断され、検知されなかったと判断されると、ステップS16に移行する。そして、X方向の振れが検知されたと判断されると、ステップS13に移行する。
そして、ステップS13において、ジャイロセンサ43によって検出されたX方向の振れに基づいたステップ数だけX軸ステッピングモータ23を回転させてX−Yステージ22を矢印X1方向または矢印X2方向に移動させてステップS14に移行する。
ここで、本実施形態では、図8に示すように、ステップS14において、X−Yステージ22が切替位置に到達したか否かが判断される。この判断は、X軸ステッピングモータ23がX−Yステージ22を原点位置から手振れを補正する目的位置まで移動させる際に、切替位置に到達するステップ数回転したか否かによってなされる。X−Yステージ22が切替位置に到達していないと判断された場合は、ステップS16に移行する。そして、X−Yステージ22が切替位置に到達したと判断された場合は、ステップS15に移行してX軸ソレノイド27が伸張状態にされる。このとき、図10に示すように、引張コイルバネ26は、矢印X1方向に突出したX軸ソレノイド27の可動部27aによって、可動部27aが突出した分の長さだけ収縮するので、X−Yステージ22を矢印X2方向に付勢する力が小さくなる。
そして、ステップS16に移行して、ジャイロセンサ43によって、使用者がシャッタボタン10を押下した際にY方向の振れが検知されたか否かが判断され、検知されなかったと判断されると、ステップS20に移行する。そして、Y方向の振れが検知されたと判断されると、ステップS17に移行する。
そして、ステップS17において、ジャイロセンサ43によって検出されたY方向の振れに基づいたステップ数だけ、Y軸ステッピングモータ29を回転させてYステージ28を矢印Y1方向または矢印Y2方向に移動させてステップS18に移行する。
また、本実施形態では、図8に示すように、ステップS18において、Yステージ28が切替位置に到達したか否かが判断される。この判断は、X−Yステージ22が切替位置に到達したか否かの判断と同様に、Y軸ステッピングモータ29がYステージ28を原点位置から手振れを補正する目的位置まで移動させるのに、切替位置に到達するステップ数回転したか否かによってなされる。そして、Yステージ28が切替位置に到達していないと判断された場合は、ステップS20に移行する。そして、Yステージ28が切替位置に到達したと判断された場合は、ステップS19に移行して、Y軸ソレノイド32が伸張状態にされる。このとき、図11に示すように、引張コイルバネ31は、矢印Y1方向に突出したY軸ソレノイド32の可動部32aによって、可動部32aが突出した分の長さだけ収縮するので、Yステージ28を矢印Y2方向に付勢する力が小さくなる。
そして、ステップS20に移行して、X軸ステッピングモータ23およびY軸ステッピングモータ29を回転させて、X−Yステージ22およびYステージ28を原点位置に移動させてステップS21に移行する。そして、ステップS21において、X−Yステージ22が切替位置に到達したか否かが判断される。すなわち、ステップS21では、X軸ステッピングモータ23がX−Yステージ22を切替位置に到達させるステップ数回転したか否かが判断される。そして、X−Yステージ22が切替位置に到達していないと判断されると、ステップS23に移行する。そして、X−Yステージ22が切替位置に到達したと判断されるとステップS22に移行して、可動部27aをケース部27bに収納し、X軸ソレノイド27を収縮状態にさせてステップS23に移行する。
そして、ステップS23において、Yステージ29が切替位置に到達したか否かが判断される。すなわち、ステップS23では、Y軸ステッピングモータ29がYステージ28を切替位置に到達させるステップ数回転したか否かが判断される。そして、Yステージ28が切替位置に到達していないと判断されると、処理を終了する。そして、Yステージ29が切替位置に到達したと判断されるとステップS24に移行して、可動部32aをケース部32bに収納し、Y軸ソレノイド32を収縮状態にさせて処理を終了する。
本実施形態では、上記のように、X−Yステージ22を矢印X2方向に付勢する引張コイルバネ26と、引張コイルバネ26の矢印X2方向側端部が接続され、X方向に沿って伸縮するX軸ソレノイド27と、X軸ステッピングモータ23の駆動に基づいてX−Yステージ22が矢印X2方向に移動することにより付勢部材が伸張されて所定の付勢力に到達した場合に、X軸ソレノイド27を伸張させるように制御する制御部42とを設けることによって、X−Yステージ22がX軸ステッピングモータ23の駆動により矢印X1方向に移動することに起因して引張コイルバネ26の付勢力が、X軸ソレノイド27の伸張により、所定の付勢力を超えないように構成することができる。これにより、X−Yステージ22の矢印X2方向への付勢力が軽減されるので、X−Yステージ22を矢印X1方向に移動させる際の駆動源としてのX軸ステッピングモータ23の駆動力が増大するのを
抑制することができる。その結果、X−Yステージ22を移動させる際の、X軸ステッピングモータ23の消費電力が増大するのを抑制することができる。また、X−Yステージ22を矢印X2方向に付勢する引張コイルバネ26の矢印X2方向側端部に、X方向に伸縮するX軸ソレノイド27を設けることによって、X−Yステージ22が移動することにより引張コイルバネ26による付勢力が小さくなった場合に、X軸ソレノイド27を収縮させれば、引張コイルバネ26のX−Yステージ22を矢印X2方向に付勢する付勢力を一定の付勢力以下にならないように構成することができる。これにより、X−Yステージ22が矢印X1方向および矢印X2方向に移動する際に、引張コイルバネ26により、X−Yステージ22に矢印X2方向に十分な付勢力をかけることができる。その結果、X−Yステージ22がX方向のいずれの方向に移動される際にも、引張コイルバネ26によって、X−Yステージ22には矢印X2方向に付勢されながら移動されるので、X−Yステージ22の位置調整を正確に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、CCD21が固定されるX−Yステージ22を含む装置本体2と、装置本体2の手振れを検知するジャイロセンサ43をさらに設け、制御部42を、ジャイロセンサ43によって検知される装置本体2の振れに基づいて、CCD21の振れが小さくなるX方向の矢印X1方向または矢印X2方向にX−Yステージ22を移動させるようにX軸ステッピングモータ23の駆動を制御するように構成する。これによって、撮影する際の装置本体2の手振れを補正することができるので、正確に被写体を撮影することができる。また、手振れ補正の移動機構に本実施形態を適用することによって、装置本体2の手振れがジャイロセンサ43によって検知され、検知された手振れを補正するためにX−Yステージ22がX方向に移動して引張コイルバネ26の付勢力が増加する場合に、X軸ソレノイド27を伸張状態にさせることにより、X−Yステージ22が矢印X1方向に移動させる際のX軸ステッピングモータ23への負荷が増大するのを抑制することができる。これにより、手振れ補正時の消費電力を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部42を、X軸ステッピングモータ23が所定の回転方向に、所定の回転量だけ回転することにより、ナット部材25によってX方向の矢印X1方向および矢印X2方向に直線移動されるX−Yステージ22が切替位置に到達したときにX軸ソレノイド27を伸張させるように構成する。これによって、制御部42は、X軸ステッピングモータ23の回転方向および回転量に基づいて、容易に、X軸ソレノイド27を伸張させる切替位置にX−Yステージ22が到達したか否かを判断することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部42を、X軸ソレノイド27を伸張させた状態で、X軸ステッピングモータ23が所定の回転方向とは逆方向に回転することにより、引張コイルバネ26によって、矢印X2方向に直線移動されるX−Yステージ22が切替位置に到達したときにX軸ソレノイド27を収縮させるように構成する。これによって、X−Yステージ22が矢印X2方向に移動することにより引張コイルバネ26による付勢力が小さくなる場合に、X−Yステージ22が所定の切替位置に到達したときにX軸ソレノイド27が収縮されるので、容易に、引張コイルバネ26のX−Yステージ22を矢印X2方向に付勢する付勢力を一定の付勢力以下にならないように構成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、X−Yステージ22を矢印Y1方向および矢印Y2方向に移動させるためのYステージ28と、Y方向に移動させるためのモータスクリュー29aを有するY軸ステッピングモータ29と、Y軸ステッピングモータ29のモータスクリュー29aと係合するように設けられ、Y軸ステッピングモータ29の回転駆動を直線駆動に変換してYステージ28をY方向に直線移動させるナット部材30と、Yステージ28に矢印Y1方向側端部が接続され、Yステージ28を矢印Y2方向に付勢する引張コイルバネ31と、引張コイルバネ31の矢印Y2方向側端部が接続され、Y方向に沿って伸縮するY軸ソレノイド32とをさらに設け、制御部42を、Y軸ステッピングモータ29の駆動に基づいてYステージ28がY方向に移動することにより、引張コイルバネ31が所定の付勢力に到達した場合に、Y軸ソレノイド32を伸張させるように制御するように構成する。これによって、X軸ステッピングモータ23およびY軸ステッピングモータ29によりX方向のみならずY方向にもX−Yステージ22を直線移動させることができるので、X−Yステージ22の位置調整をより正確に行うことができる。また、制御部42を、Y軸ソレノイド32を引張コイルバネ31が所定の付勢力に到達した場合に伸張させるように構成することによって、Yステージ28がY軸ステッピングモータ29の駆動により矢印Y1方向に移動すること起因する引張コイルバネ31の付勢力が増加する場合に、Y軸ソレノイド32が伸張することにより、所定の付勢力を超えないように構成することができる。これにより、Yステージ28の第2の方向矢印Y2方向への付勢力が増加するのを抑制することができるので、Yステージ28をYステージ28に移動させる際の駆動源としてのY軸ステッピングモータ29の駆動力が増大するのを抑制することができる。その結果、Yステージ28をY方向に移動させる際の駆動源としてのY軸ステッピングモータ29の消費電力が増大するのを抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、撮像装置の一例としてビデオカメラを示したが、本発明はこれに限らず、CCDとCCDを載置し移動させるための撮像素子載置部とを備える撮像装置であれば、ビデオカメラ以外の他の撮像装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、撮像素子の一例としてCCDを示したが、本発明はこれに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの他の撮像素子を用いてもよい。
また、上記実施形態では、手振れ検知部の一例としてジャイロセンサを示したが、本発明はこれに限らず、振れ量を検出することができる手振れ検知部であれば、ジャイロセンサ以外の手振れ検知部を用いてもよい。
また、上記実施形態では、付勢部材の一例として引張コイルバネを示したが、本発明はこれに限らず、付勢力を有する部材であれば、ゴムや板バネ、圧縮コイルバネなどの引張コイルバネ以外の付勢部材を用いてもよい。
また、上記実施形態では、アクチュエータの一例としてソレノイドを示したが、本発明はこれに限らず、直線的に伸縮するアクチュエータであれば、ソレノイド以外のアクチュエータを用いてもよい。