JP2009086148A - プロジェクタ及びプロジェクタ用光学モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】光源からの熱を効率良く冷却することができ、かつ光源からの光に含まれる赤外領域の光成分を効率良く低減させることができ、小型化、軽量化、及び低コスト化を図る。
【解決手段】光源と、光源から出射された光を変調して映像を投写するための光学系と、光源及び光学系の間に設けられ、光源から光学系に伝達される熱及び赤外領域の光成分を低減させるための光学モジュール10とを含むプロジェクタであって、光学モジュール10が、光源側に設けられ、冷却液が収容された透光性を有する第1の槽と、光学系側に設けられ、冷却液が収容された透光性を有する第2の槽と、第1の槽で加熱され上昇してきた冷却液を冷却して第2の槽に送る冷却手段6と、上方の位置で第1の槽と第2の槽を連結する上方流路と、下方の位置で第1の槽と第2の槽を連結する下方流路とを備えることを特徴としている。
【選択図】図1
【解決手段】光源と、光源から出射された光を変調して映像を投写するための光学系と、光源及び光学系の間に設けられ、光源から光学系に伝達される熱及び赤外領域の光成分を低減させるための光学モジュール10とを含むプロジェクタであって、光学モジュール10が、光源側に設けられ、冷却液が収容された透光性を有する第1の槽と、光学系側に設けられ、冷却液が収容された透光性を有する第2の槽と、第1の槽で加熱され上昇してきた冷却液を冷却して第2の槽に送る冷却手段6と、上方の位置で第1の槽と第2の槽を連結する上方流路と、下方の位置で第1の槽と第2の槽を連結する下方流路とを備えることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶プロジェクタなどのプロジェクタ及びプロジェクタに用いられる光学モジュールに関するものである。
液晶プロジェクタにおいては、光源から出射された光を、液晶パネルで光変調して映像を投写している。このような液晶プロジェクタにおいては、光源から出射された光の光強度分布を均一化し、ムラの少ない映像とするため、光源と、光変調する光学系との間に、一対のフライアイレンズを組み合わせたインテグレータが一般的に設けられている(特許文献1及び2など)。このようなインテグレータは、その目的から、光源から最も近い位置に配置される。光源としては、高圧水銀ランプなどが通常用いられているが、このようなランプは非常に高温になるので、フライアイレンズには高い耐熱性が要求される。そのため、レンズ材料としては、ガラスが用いられている。
しかしながら、フライアイレンズは、形状が複雑で、面積も大きいため、ガラスでは成形が比較的難しく、高価な部品となっていた。このため、成形の容易なプラスチックを用いることが考えられるが、透過率の高いアクリル、ポリカーボネート、環状オレフィンなどの材料を用いると、熱による変形及び黄変などの劣化が生じるため、これらのプラスチック材料を使用することができなかった。
また、熱による影響を抑制するために、レンズを冷却することが考えられる。特許文献3においては、レンズ内部を中空とし、この中空部に液体を挿入した液体レンズを製造する方法が開示されており、液体レンズを製造する際、レンズの溶着部に加熱手段を配置するとともに、それ以外のレンズ要素部分に冷却機構を設けることが提案されている。しかしながら、レンズ使用時において冷却機構を設けることについては開示されていない。
さらに、従来の液晶プロジェクタにおいては、光源からの光に含まれる赤外領域の光の一部がインテグレータを透過し、その後段にある液晶パネル等耐熱性の低い部品を加熱することを防ぐために、赤外カットフィルタなどを設ける必要があった。
特開2006−17799号公報
特開2006−337940号公報
特開平6−51107号公報
本発明の目的は、光源からの熱を効率良く冷却することができ、かつ光源からの光に含まれる赤外領域の光成分を効率良く低減させることができ、小型化、軽量化、及び低コスト化を図ることができるプロジェクタ及びプロジェクタ用光学モジュールを提供することにある。
本発明のプロジェクタは、光源と、光源から出射された光を変調して映像を投写するための光学系と、光源及び光学系の間に設けられ、光源から光学系に伝達される熱及び赤外領域の光成分を低減させるための光学モジュールとを含むプロジェクタであって、光学モジュールが、光源側に設けられ、冷却液が収容された透光性を有する第1の槽と、光学系側に設けられ、冷却液が収容された透光性を有する第2の槽と、第1の槽で加熱され上昇してきた冷却液を冷却して第2の槽に送る冷却手段と、上方の位置で第1の槽と第2の槽を連結する上方流路と、下方の位置で第1の槽と第2の槽を連結する下方流路とを備えることを特徴としている。
本発明においては、光源と光学系の間に、光源から光学系に伝達される熱及び赤外領域の光成分を低減させるための光学モジュールが設けられている。このため、光源から光学系に伝達される熱を低減することができるので、光学系において、プラスチック材料などを用いることが可能になる。また、光学モジュールにより、光源に含まれる赤外領域の光成分を低減させることができるので、従来赤外領域の光成分を低減させるために用いていた赤外カットフィルタなどを用いる必要がなくなり、小型化、軽量化、及び低コスト化を図ることができる。
本発明における光学モジュールは、光源側に設けられる第1の槽と、光学系側に設けられる第2の槽とを有しており、第1の槽と第2の槽は、上方の位置で上方流路によって連結されており、下方の位置で下方流路によって連結されている。また、冷却手段が設けられており、この冷却手段によって、第1の槽で加熱され上昇してきた冷却液を、第2の槽に送ることができる。第1の槽は、光源側に設けられているので、第1の槽に収納された冷却液は光源からの熱を吸収し温度が上昇し、上方へ移動する。上方へ移動した冷却液は、冷却手段によって冷却され、下降して第2の槽に送られる。従って、冷却液は、第1の槽を上昇し、上方流路を通って第2の槽に送られ、第2の槽を下降し、下方流路を通って第1の槽に戻される。
従って、本発明における光学モジュールにおいては、大容量のポンプ等を使用しなくても、冷却液を、第1の槽、上方流路、第2の槽、下方流路の順に循環させながら冷却することができる。このため、効率良く光源からの熱を吸収することができる。
本発明においては、透光性を有する仕切板で1つの槽を仕切ることにより、第1の槽、第2の槽、上方流路、及び下方流路が形成されていることが好ましい。すなわち、1つの槽を、光源側と光学系側に分けるように仕切板で仕切り、光源側を第1の槽とし、光学系側を第2の槽とすることができる。また、仕切板の上方部分を上方流路とし、仕切板の下方部分を下方流路とすることができる。このような構成とすることにより、より簡易な構造で光学モジュールを構成することができる。
本発明においては、第2の槽の光学系側に、光学素子を第2の槽と一体的に形成してもよい。光学素子を、第2の槽と一体的に形成することにより、部材を省略することができ、小型化、軽量化、及び低コスト化を図ることができる。
光学素子は、第2の槽の光学系側の壁部に形成することが好ましい。第1の槽において光源からの熱を吸収しているので、第2の槽は、温度上昇が抑制されている。このため、プラスチック材料などの耐熱性が比較的低い材料を用いて光学素子を形成することができる。
従って、光学素子の少なくとも一部をプラスチックから形成させることができる。すなわち、光学素子の全部または一部を、プラスチックから形成することができる。光学素子の少なくとも一部をプラスチックから形成することにより、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
光学素子としては、単レンズ、及び複数のレンズからなるレンズアレイなどを挙げることができる。レンズアレイとしては、フライアイレンズなどが挙げられる。フライアイレンズは、一対のフライアイレンズからなるインテグレータ光学系における一方のフライアイレンズであってもよい。
光学モジュールの第1の槽及び第2の槽に収納する冷却液としては、水系の冷却液を用いることが好ましい。水系の冷却液を用いることにより、光源からの光に含まれる赤外領域の光成分を効率良く低減させることができる。
本発明におけるプロジェクタは、液晶パネルにより光を変調して映像を投写することができる液晶プロジェクタであることが好ましい。
本発明のプロジェクタ用光学モジュールは、上記本発明のプロジェクタにおいて用いられる光学モジュールである。
本発明のプロジェクタ用光学モジュールを用いることにより、光源からの熱を効率良く冷却することができる。また、光源からの光に含まれる赤外領域の光成分を効率良く低減させることができる。従って、本発明の光学モジュールを用いることにより、プロジェクタを小型化、軽量化、及び低コスト化することができる。
本発明によれば、光源からの熱を効率良く冷却することができ、かつ光源からの光に含まれる赤外領域の光成分を効率良く低減させることができ、小型化、軽量化、及び低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に従う一実施形態のプロジェクタを示す模式図である。
図1に示す本発明に従う一実施形態のプロジェクタにおいては、光源11と、集光レンズ30以降の映像を投写するための光学系との間に、光学モジュール10が設けられている。光学モジュール10と集光レンズ30との間には、インテグレータ光学系を構成する一対のフライアイレンズ20及び21が設けられている。
高圧水銀ランプなどからなる光源11から出射された光は、光学モジュール10を通り、フライアイレンズ20及び21に出射される。光学モジュール10は、冷却手段6を有しており、光学系に伝達される熱を低減させるとともに、後述するように冷却液によって光源から出射された光に含まれる赤外領域の光成分を低減させる。
光学モジュール10を出射した光は、インテグレータ光学系を構成するフライアイレンズ20及び21を通り、光強度分布から均一化され、集光レンズ30を通り、平行な光にされて第1のダイクロイックミラー31に入射する。第1のダイクロイックミラー31では、入射した光の一部を透過し、第1のコンデンサレンズ36を通してR(赤)用の液晶パネル40に導かれ、そこで光強度が変調された後、光合成プリズム43に送られる。
一方、上記第1のダイクロイックミラー31で反射された光は、第1の反射鏡32の表面で反射され、第2のダイクロイックミラー33に入射する。ここで反射された光は、第2のコンデンサレンズ37を通して、G(緑)用の液晶パネル41に導かれ、そこで光強度が変調された後、光合成プリズム43に送られる。
第2のダイクロイックミラー33を透過した光は、第2の反射鏡34で反射され、さらに第3の反射鏡35で反射され、第3のコンデンサレンズ38を通して、B(青)用の液晶パネル42に導かれ、そこで光強度が変調された後、光合成プリズム43に送られる。
上記三原色であるR、G、及びB用の液晶パネル40,41,42で光強度がそれぞれ変調された光は、上述のように光合成プリズム43に送られて合成される。光合成プリズム43で合成された光は、次に投写光学系44に送られ、図示されないスクリーン上に投写される。
本実施形態のプロジェクタにおいては、光源11と、光を変調して映像を投写するための光学系との間に、光学モジュール10が設けられており、この光学モジュール10により、光源11から伝達される熱を低減させることができる。このため、光学モジュール10以降の箇所において、プラスチック材料などを用いることが可能となる。例えば、フライアイレンズ20及び21をプラスチック材料などから形成することが可能となる。
従って、プロジェクタ装置全体の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
また、光学モジュール10においては、赤外領域の光成分を低減させることができる。このため、本実施形態のプロジェクタにおいては、赤外領域の光成分を低減させるための偏光光学素子などを設ける必要がない。このため、小型化、軽量化、及び低コスト化を図ることができる。
上述のように、光学モジュール10により、赤外領域の光成分をカットすることができるが、光学モジュール10内における冷却液に、紫外線吸収剤を添加することにより、紫外線カットフィルタも省略することが可能となる。
図2は、プロジェクタ内における光学モジュールの配置の一例を示す模式図である。
本実施形態においては、光学モジュール10の冷却手段6が、プロジェクタの筐体60の外に露出して配置されている。筐体60内には、光源11及び光を変調して映像を投写するための光学系50が設けられており、光源11と光学系50の間に光学モジュール10及びフライアイレンズ20,21及び集光レンズ30が設けられている。フライアイレンズ20とフライアイレンズ21からインテグレータ光学系が構成されている。
光源11の筐体60の両側の壁部には、スリット61及びスリット62が設けられており、スリット62には光源冷却用ファン51が取り付けられている。ファン51を回転させることにより、スリット61を通して外部から冷却のための風を筐体60内に導入し、スリット62から外部に送り出すことができる。
光学フィルタ10の冷却手段6は筐体60の外部に設けられているので、外部の空気により直接冷却手段6を冷却することができる。
図3は、本発明に従う一実施形態の光学モジュールを示す断面図である。
容器8内に仕切板5を設けることにより、第1の槽1及び第2の槽2が形成されている。仕切板5の上方は、上方流路3となっており、第1の槽1と第2の槽2を上方の位置で連結する。また、仕切板5の下方は、下方流路4となっており、第1の槽1と第2の槽2を下方の位置で連結している。
容器8は、透光性を有するポリカーボネートから形成されている。仕切板5もポリカーボネート板から形成されている。容器8の光源側壁部8aには、切欠部8gが形成され、この切欠部8gに、ガラス板7が接着剤により取り付けられている。光源側壁部8aのように光源からの熱と光に直接さらされる部分には、ガラス板のように耐熱性及び対光性を有する材料を用いることが好ましい。
容器8内には、冷却液が入れられており、本実施形態においては冷却液として水が用いられている。
第2の槽の上方には、放熱フィンを有する冷却手段6が設けられている。冷却手段6は、冷却液と接し、放熱フィンから熱を外部に放熱することにより冷却液を冷却する。
また、本実施形態においては、第1の槽の厚みtを5mmとしている。なお、第1の槽の厚みtは、容器8の壁部8aの内側の表面と仕切板5の表面との間の距離である。
第1の槽1においては、光源から伝達される熱をその内部に収容された冷却液により吸収し、光源から伝達される熱を低減させることができる。第1の槽1内における冷却液は、熱を吸収することにより加熱され、温度が上昇する。このため、図3に矢印で示すように、冷却液は上方に移動する。上方に移動した冷却液は、上方流路3を通り、冷却手段6と接触する。冷却手段6と接触した冷却液は、冷却フィンを通じて外部にその熱が放出される。このため、冷却液は冷却されて温度が低下する。温度が低下した冷却液は、図3に矢印で示すように、第2の槽2に送られて下降する。第2の槽2を下降した冷却液は、下方流路を通って第1の槽1に戻される。
以上のように、第1の槽1で温度上昇した冷却液が上方流路3を通り、冷却手段6で冷却されて第2の槽2に送られ、第2の槽2から下方流路4を通って第1の槽1に戻るように冷却液を循環させることができる。従って、ポンプなどの動力を用いることなく、冷却液を効率良く循環させて、光源から光学系に伝達される熱を低減させることができる。
図4は、図3に示す実施形態の光学モジュールについて、伝達される熱の低減効果を評価する装置を示す模式図である。第1の槽1側に、光源11を設置し、第2の槽2側に照射面12を設置した。なお、第1の槽の厚みtは、5mmとしている。
光源11として、100V185Wの赤外線ランプを用い、ガラス板7の温度、第1の槽1内の冷却液の温度、第2の槽2内の冷却液の温度、光出射側の壁部8bの温度、及び照射面12の温度をそれぞれ測定した。測定結果は以下の通りである。
ガラス板7の表面温度:40℃
第1の槽1内の冷却液の温度:38℃
第2の槽2内の冷却液の温度:37℃
光出射側の壁部8bの表面温度:32℃
照射面12の温度:41℃
第1の槽1内の冷却液の温度:38℃
第2の槽2内の冷却液の温度:37℃
光出射側の壁部8bの表面温度:32℃
照射面12の温度:41℃
比較として、光学モジュール10を設けずに、照射面12を直接光源11で照射したときの温度を測定したところ、照射面12の温度は72℃であった。
以上の結果から、光学モジュール12より、光源から伝達される熱を効果的に低減できることが確認された。
また、第1の槽1及び第2の槽2に染料を流し込み、冷却水の動きを観測した結果、図3に矢印で示すように、第1の槽1内において冷却液が上方に上昇し、次に冷却手段6によって冷却され、第2の槽2内を下降し、下方流路4を通って再び第1の槽1に還流することが確認された。
図5は、水槽の厚みを5mmとした場合、及び1mmとした場合の、波長と透過率の関係を示すとともに、800℃の赤外線輻射スペクトルを示す図である。一般に、液晶プロジェクタなどのプロジェクタにおいては、光源として高圧水銀ランプが用いられている。高圧水銀ランプは、管壁の温度が800℃程度まで上昇することが知られている。従って、図5においては、800℃の赤外線輻射スペクトルを示している。
図5に示すように、水槽の厚みが1mmの場合、輻射スペクトルの強度が高い領域において、比較的透過率の高い波長域が2箇所存在している。これに対し、水槽の厚みが5mmの場合、輻射スペクトルの強度が高い領域において透過率がほぼ0になっている。従って、水槽の厚みを5mm以上とすることにより、光源から出射される光の赤外領域の光部分を効率良く低減できることがわかる。
図3に示す実施形態の光学モジュールにおいては、第1の槽1の厚みtを5mmとしているので、光源からの光に含まれる赤外領域の光成分を効率良く低減することができる。光源からの光に含まれる赤外領域の光成分を低減することにより、上記の図4に示す装置を用いた実験結果のように、光源から伝達される熱を効果的に低減することができるものと推察される。
図6は、本発明に従う他の実施形態の光学モジュールを示す断面図である。
本実施形態においては、光源側と反対側になる光学系側の容器8の壁部8bの上に、光学素子としてフライアイレンズ20が一体的に形成されている。本実施形態においては、容器8と同じ樹脂であるポリカーボネートをモールド成型することにより、フライアイレンズ20が形成されている。
図3及び図6に示す実施形態においては、容器8を形成するプラスチック材料としてポリカーボネートを用いたが、ポリカーボネート以外に、例えば、アクリル樹脂や、環状オレフィン樹脂などの透光性を有する樹脂を用いてもよい。また、容器8をガラスから形成してもよい。
図7は、本発明に従うさらに他の実施形態の光学モジュールを示す断面図である。本実施形態においては、容器8をポリカーボネートから形成しており、容器8の光学系側の壁部8bに、光学素子としてのフライアイレンズ20を一体的に形成している。フライアイレンズ20は、容器8の壁部8bを形成する際にモールド成形することにより一体的に形成している。また、容器8の光源側壁部8aには切欠部が形成され、この切欠部にガラス板7が取り付けられている。
図8は、本発明に従うさらに他の実施形態の光学モジュールを示す断面図である。
本実施形態においては、複数のガラス板を溶接することにより容器8を作製している。また、光学系側の壁部8bとなるガラス板の上に、紫外線硬化樹脂を用いてフライアイレンズ20を壁部8bと一体的に形成している。紫外線硬化樹脂としては、例えば、ラジカル重合で硬化するアクリル系樹脂やカチオン重合で硬化するエポキシ系樹脂などを用いることができる。
図9は、本発明に従うさらに他の実施形態の光学モジュールを示す断面図である。
本実施形態においては、第1の槽1内の冷却液を吸引するためのパイプ13が設けられており、パイプ13にはポンプ15が設けられている。このパイプ13は、冷却手段6に接続されている。ポンプ15によりパイプ13から吸い上げられた第1の槽1内の冷却液は、冷却手段6によって冷却され、パイプ14によって第2の槽2に戻される。その他の構成については図7に示す実施形態と同様に形成されている。
上記実施形態の光学モジュールにおいては、ポンプ15を用いて冷却液を循環させている。ポンプを用いることにより、部品点数の増加及び騒音などのデメリットなどがあるが、冷却手段を光学モジュール本体から離して配置することが可能となり、装置全体のレイアウトの自由度が増す。
図10は、本発明の従うさらに他の実施形態の光学モジュールを示す断面図である。
図10に示す実施形態においては、第1の槽1と第2の槽2が、上方に設けられたパイプ16及び下方に設けられたパイプ17により連結されている。従って、パイプ16により上方流路3が形成されており、パイプ17により下方流路4が形成されている。このようなパイプ16及び17はそれぞれ1本であってもよいし、複数本並列に設けられたものであってもよい。
第1の槽1内の加熱された冷却液が、パイプ16からなる上方流路3を通り冷却手段6に供給され、冷却手段6で冷却された冷却液が、第2の槽2を下降し、下方のパイプ17からなる下方流路4を通り第1の槽1内に戻される。これらのこと以外は、図3に示す実施形態と同様である。
上記実施形態においては、冷却液として水を使用したが、沸騰や凍結を防止するため、水にエチレングリコールやグリセリンなどを混合して用いてもよい。また、水の代わりにシリコーンオイルなども使用可能である。さらに、赤外光や紫外光の吸収の効果を高くするため、ジイモニウム系、アゾ系、フタロシアニン系などの各種色素や、TiO2などの微粒子を添加することも可能である。
また、上記実施形態においては、光学素子として、フライアイレンズを形成したが、単レンズや、回折光学素子、プリズムなどを形成することも可能である。
図11は、図8に示す光学モジュールを製造する工程を説明するための断面図である。
図11(a)に示すように、ガラス板に、シランカップリング剤(例えば信越化学社製、商品名「KBM−503」)をイソプロピルアルコールで希釈して塗布した後、加熱して乾燥させる。
次に、図11(b)に示すように、所定の形状に切断したガラス板を組み立てて溶接し、容器8を作製する。また容器8に、ガラス板からなる仕切板5を溶接により接着する。
次に、図11(c)に示すように、液状の上記紫外線硬化樹脂組成物を金型19に適量流し込み、これを光学系側の壁部8bの表面上に押し付ける。
次に、この状態で、図11(d)に示すように、高圧水銀ランプ等の光源を用いて、紫外光18を照射し、金型19内の紫外線硬化樹脂組成物を硬化させ、フライアイレンズ20を形成する。
次に、金型19を取り外し、冷却手段である放熱フィンを取り付け、容器8内に冷却液を注入して図8に示す光学モジュールを完成する。
上記実施形態では、紫外線硬化樹脂を用いて光学素子を形成しているが、放射線硬化樹脂や熱硬化樹脂を用いて形成してもよい。また、熱可塑性樹脂をキャスト成形して形成してもよい。
図12は、容器8に対する仕切板の取り付け状態を説明するための側方(光源側)から見た断面図である。図12に示すように、仕切板5は、容器8の側壁部8e及び8fに溶接により取り付けられている。また、仕切板5の上には空間が設けられており、この部分が上方流路3となる。また、下方にも空間が設けられており、この部分が下方流路4となる。
図13は、仕切板5の他の取り付け方法を説明するための側方断面図(a)及び平面図(b)である。
図13(a)及び(b)に示すように、仕切板5の四隅には、光源側及び光学系側に向かってそれぞれ延びる合計8本のスペーサ5aが設けられている。このようなスペーサ5aを取り付けた仕切板5を、上方から容器8内に挿入することにより、仕切板5を容器8内で位置決めした状態で設置することができる。容器8内では、スペーサ5aにより、仕切板5の位置が固定されている。
図13(a)に示すように、仕切板5の上方には空間が形成され、この空間により上方流路3が形成されている。また、図13(a)に示すように、仕切板5の下方には切欠部5bが形成されており、この切欠部5bにより下方流路4が形成されている。
図14は、仕切板5を取り付けるさらに他の方法を示す側方断面図(a)及び平面図(b)である。
図14(a)及び(b)に示すように、容器8の側壁部8e及び8fには、それぞれ凸部8cが設けられており、この凸部8cに溝8dが形成されている。仕切板5は、その両端部を、溝8dに嵌められることにより容器8内に位置決めされて設置されている。
仕切板5の上方には空間が形成されており、この空間により上方流路3が形成されている。また、仕切板5の下方には切欠部5bが形成され、この切欠部5bにより下方流路4が形成されている。
図15は、プロジェクタ内における光学モジュールの配置の他の例を示す模式図である。
本実施形態においては、光学モジュール10の冷却手段6が、筐体60内に配置されている。スリット61及びスリット62は、光学モジュール10の近傍まで設けられており、光源11を冷却するためのファン51と、光学モジュール10を冷却するためのファン52とが、スリット62に設けられている。冷却ファン51及び52を回転させることにより、スリット61から外部の空気を筐体60内に導入し、光源11及び光学モジュール10の冷却手段6を冷却し、スリット62から外部に送り出すことができる。
なお、本発明において、光学モジュール10の配置は、上記の実施形態に限定されるものではない。
1…第1の槽
2…第2の槽
3…上方流路
4…下方流路
5…仕切板
5a…スペーサ
5b…切欠部
6…冷却手段
7…ガラス板
8…容器
8a…光源側壁部
8b…光学系側壁部
8c…凸部
8d…凸部に形成された溝
8e,8f…側壁部
8g…切欠部
10…光学モジュール
11…光源
12…照射面
13,14…パイプ
15…ポンプ
16,17…パイプ
18…紫外光
19…金型
20,21…フライアイレンズ
30…集光レンズ
31…第1のダイクロイックミラー
32…第1の反射鏡
33…第2のダイクロイックミラー
34…第2の反射鏡
35…第3の反射鏡
36…第1のコンデンサレンズ
37…第2のコンデンサレンズ
38…第3のコンデンサレンズ
40…R用液晶パネル
41…G用液晶パネル
42…B用液晶パネル
43…光合成プリズム
44…投写光学系
50…光学系
51,52…冷却ファン
60…筐体
61,62…スリット
2…第2の槽
3…上方流路
4…下方流路
5…仕切板
5a…スペーサ
5b…切欠部
6…冷却手段
7…ガラス板
8…容器
8a…光源側壁部
8b…光学系側壁部
8c…凸部
8d…凸部に形成された溝
8e,8f…側壁部
8g…切欠部
10…光学モジュール
11…光源
12…照射面
13,14…パイプ
15…ポンプ
16,17…パイプ
18…紫外光
19…金型
20,21…フライアイレンズ
30…集光レンズ
31…第1のダイクロイックミラー
32…第1の反射鏡
33…第2のダイクロイックミラー
34…第2の反射鏡
35…第3の反射鏡
36…第1のコンデンサレンズ
37…第2のコンデンサレンズ
38…第3のコンデンサレンズ
40…R用液晶パネル
41…G用液晶パネル
42…B用液晶パネル
43…光合成プリズム
44…投写光学系
50…光学系
51,52…冷却ファン
60…筐体
61,62…スリット
Claims (10)
- 光源と、前記光源から出射された光を変調して映像を投写するための光学系と、前記光源及び前記光学系の間に設けられ、前記光源から前記光学系に伝達される熱及び赤外領域の光成分を低減させるための光学モジュールとを含むプロジェクタであって、
前記光学モジュールが、
前記光源側に設けられ、冷却液が収容された透光性を有する第1の槽と、
前記光学系側に設けられ、前記冷却液が収容された透光性を有する第2の槽と、
前記第1の槽で加熱され上昇してきた前記冷却液を冷却して前記第2の槽に送る冷却手段と、
上方の位置で前記第1の槽と前記第2の槽を連結する上方流路と、
下方の位置で前記第1の槽と前記第2の槽を連結する下方流路とを備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 透光性を有する仕切板で1つの槽を仕切ることにより、前記第1の槽、前記第2の槽、前記上方流路、及び前記下方流路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 前記第2の槽の光学系側に、光学素子が、前記第2の槽と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクタ。
- 前記光学素子の少なくとも一部がプラスチックから形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。
- 前記光学素子が、単レンズ、または複数のレンズからなるレンズアレイであることを特徴とする請求項3または4に記載のプロジェクタ。
- 前記レンズアレイが、フライアイレンズであることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ。
- 前記フライアイレンズが、一対のフライアイレンズからなるインテグレータ光学系における一方のフライアイレンズであることを特徴とする請求項6に記載のプロジェクタ。
- 前記冷却液が水系の冷却液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
- 前記光学系が液晶パネルを用いて光変調することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学モジュールであることを特徴とするプロジェクタ用光学モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007253847A JP2009086148A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | プロジェクタ及びプロジェクタ用光学モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007253847A JP2009086148A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | プロジェクタ及びプロジェクタ用光学モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009086148A true JP2009086148A (ja) | 2009-04-23 |
Family
ID=40659685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007253847A Pending JP2009086148A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | プロジェクタ及びプロジェクタ用光学モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009086148A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014501948A (ja) * | 2010-12-09 | 2014-01-23 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 光を発生させる照明装置 |
US9033514B2 (en) | 2012-03-19 | 2015-05-19 | Ricoh Company, Ltd. | Image projection apparatus |
WO2015146621A1 (ja) * | 2014-03-24 | 2015-10-01 | 日本電気硝子株式会社 | 発光デバイス |
-
2007
- 2007-09-28 JP JP2007253847A patent/JP2009086148A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014501948A (ja) * | 2010-12-09 | 2014-01-23 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 光を発生させる照明装置 |
US9033514B2 (en) | 2012-03-19 | 2015-05-19 | Ricoh Company, Ltd. | Image projection apparatus |
WO2015146621A1 (ja) * | 2014-03-24 | 2015-10-01 | 日本電気硝子株式会社 | 発光デバイス |
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