JP2009085823A - イオン化ポテンシャル測定装置及びイオン化ポテンシャル測定方法 - Google Patents

イオン化ポテンシャル測定装置及びイオン化ポテンシャル測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン化ポテンシャルの測定精度を向上させる。
【解決手段】試料に紫外光を照射することで得られる電流値からイオン化ポテンシャルを測定するためのイオン化ポテンシャル測定装置において、光源から放出される連続光から所定の波長の紫外光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光された前記紫外光からフィルタにより複数の波長範囲における紫外光を取得するフィルタ手段と、前記フィルタ手段により得られる波長範囲が同一でない紫外光を前記試料及び光強度検出器に照射し、前記試料から発生する電流及び前記光強度検出器から得られる光強度を測定する電流・光強度測定手段と、前記電流・光強度測定手段により得られる複数の測定結果に基づいて、前記フィルタ手段により得られるそれぞれの波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定するための制御手段とを有することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、イオン化ポテンシャル測定装置及びイオン化ポテンシャル測定方法に係り、特にイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させるためのイオン化ポテンシャル測定装置及びイオン化ポテンシャル測定方法に関する。
従来より、有機EL(Electro Luminesence)における電荷注入効率や明るさ、寿命、あるいは、コピー(OPC(Organic Photo Conductors)、トナー)における電荷注入効率や色抜け、色むら、又は、太陽電池における電荷注入効率や光電変換効率等を調べるため、試料のイオン化ポテンシャルを測定する手法が知られている。
ここで、イオン化ポテンシャルの測定では、試料に照射する光のフォトンエネルギーを掃引し、その際に試料に流れる電流値を測定する。また、予めもしくは同時に光強度を測定し、照射フォトン数に換算する。ここで、電流値を電子数に換算し、照射フォトン数で除した値が光電子収量であるが、その変化点のフォトンエネルギーがイオン化ポテンシャルとされる。なお、フォトンエネルギーEと波長λとの間には以下の関係が成り立っている。
E[ev]=h・c/λ≒1240/λ[nm]
ここで、光の照射においては、光の強度及び純度が測定精度に大きな影響を与える。つまり、フォトンエネルギーを掃引するには、光源から放出される連続光に対して回折分光器等を用いて分光させることが多いが、この方法では一般に所望する範囲外の光も多少混入してしまう。この主な原因としては、例えば回折格子による2次(多次)光や迷光の存在があり、これらは通常、光学フィルタ等の光学的手段により除去される。なお、光学フィルタを用いた迷光除去機能についての技術は幾つか開示されている(例えば、特許文献1,2,3等参照。)。
特許文献1に示されている技術では、2段式分光器の1段目の出力と2段目の入力との間に光変調器を配置し、1段目の出力光に強度変調をかけ、2段目の出力光を電気信号に変換した後に変調周波数と等しい周波数成分を取り出し、その強度を測定することにより、回折格子の散乱光成分や、凹面鏡の方向に回折する波長成分による迷光が除去され、光源の光スペクトル特性を正しく測定することができる。
また、特許文献2に示されている技術では、重水素ランプにおいて発生された光を分光し、所望の波長の光を通過させる。更に、特許文献3には、フィルタ機構として、照射側光ファイバの光出力端に、光ファイバグレーティングフィルタを設けているため、試料へはレーザ光等の単色光以外の光は殆ど照射されず、極めて高精度の分光分析を行うことができる。
特開平7−55562号公報 特開平10−267869号公報 特開2000−131145号公報
しかしながら、紫外光でかつ掃引可能な光とする場合には、このような方法だけでは充分に範囲外の光を除去しきれない場合がある。すなわち、目的とする波長付近のみを通過させ、それ以外の光を遮断する特性の光学フィルタが限定された波長範囲でしか存在しないため、完全には除去できない。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、イオン化ポテンシャルの測定精度を向上させるためのイオン化ポテンシャル測定装置及びイオン化ポテンシャル測定方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は、試料に紫外光を照射することで得られる電流値からイオン化ポテンシャルを測定するためのイオン化ポテンシャル測定装置において、光源から放出される連続光から所定の波長の紫外光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光された前記紫外光からフィルタにより複数の波長範囲における紫外光を取得するフィルタ手段と、前記フィルタ手段により得られる波長範囲が同一でない紫外光を前記試料及び光強度検出器に照射し、前記試料から発生する電流及び前記光強度検出器から得られる光強度を測定する電流・光強度測定手段と、前記電流・光強度測定手段により得られる複数の測定結果に基づいて、前記フィルタ手段により得られるそれぞれの波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定するための制御手段とを有することを特徴とする。これにより、所望する波長と異なる波長が紫外光に混在している場合でも、その不要な波長の光の影響を除去することができるため、試料のイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
更に、前記フィルタ手段は、予め設定された波長範囲の紫外光の通過を阻止するフィルタを少なくとも有し、前記分光手段により分光された紫外光を前記フィルタに通過させるか否かを切り換える切換手段を有することが好ましい。これにより、切換手段によりフィルタを通過させるか否かを容易且つ迅速に切り換えることができる。したがって、フィルタを通過させない場合と、通過させた場合とで得られる波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定することで、試料のイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
更に、前記フィルタ手段は、予め設定された第1の波長範囲の紫外光を通過させる第1のフィルタと、予め設定された第2の波長範囲の紫外光の通過を阻止する第2のフィルタとを少なくとも有し、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタを切り換えて前記分光手段により分光された紫外光を通過させる切換手段を有することが好ましい。これにより、切換手段により複数あるフィルタのうち一つを容易且つ迅速に切り換えることができる。また、第1の波長範囲の紫外光を通過させる第1のフィルタと、予め設定された第2の波長範囲の紫外光の通過を阻止する第2のフィルタとを用いて、波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定することで、試料のイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
更に、前記光源は、重水素ランプ及びキセノンランプのうち少なくとも1つからなることが好ましい。これにより、それぞれのランプが発生させる異なる波長帯の紫外光を用いて高精度にイオン化ポテンシャルを測定することができる。また、重水素ランプ及びキセノンランプを両方用いる場合には、重水素及びキセノンにおける重複する波長範囲に対して混在させることなく高精度にフィルタリングを行い、所望の紫外光による試料のイオン化ポテンシャルを測定することができる。
また本発明は、試料に紫外光を照射することで得られる電流値からイオン化ポテンシャルを測定するためのイオン化ポテンシャル測定方法において、光源から放出される連続光から所定の波長の紫外光を分光する分光ステップと、前記分光ステップにより分光された前記紫外光からフィルタにより複数の波長範囲における紫外光を取得するフィルタステップと、前記フィルタステップにより得られる波長範囲が同一でない紫外光を前記試料及び光強度検出器に照射し、前記試料から発生する電流及び前記光強度検出器から得られる光強度を測定する電流・光強度測定ステップと、前記電流・光強度測定ステップにより得られる複数の測定結果に基づいて、前記フィルタステップにより得られるそれぞれの波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定する測定ステップとを有することを特徴とする。これにより、所望する波長と異なる波長が紫外光に混在している場合でも、その不要な波長の光の影響を除去することができるため、試料のイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
更に、前記フィルタステップは、予め設定された波長範囲の紫外光の通過を阻止するフィルタを少なくとも有し、前記分光手段により分光された紫外光を前記フィルタに通過させるか否かを切り換える切換ステップを有することが好ましい。これにより、切換手段によりフィルタを通過させるか否かを容易且つ迅速に切り換えることができる。したがって、フィルタを通過させない場合と、通過させた場合とで得られる波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定することで、試料のイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
更に、前記フィルタステップは、予め設定された第1の波長範囲の紫外光を通過させる第1のフィルタと、予め設定された第2の波長範囲の紫外光の通過を阻止する第2のフィルタとを少なくとも有し、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタを切り換えて前記分光ステップにより分光された紫外光を通過させる切換ステップを有することが好ましい。これにより、切換ステップにより複数あるフィルタのうち一つを容易且つ迅速に切り換えることができる。また、第1の波長範囲の紫外光を通過させる第1のフィルタと、予め設定された第2の波長範囲の紫外光の通過を阻止する第2のフィルタとを用いて、波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定することで、試料のイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
更に、前記光源は、重水素ランプ及びキセノンランプのうち少なくとも1つからなることが好ましい。これにより、それぞれのランプが発生させる異なる波長帯の紫外光を用いて高精度にイオン化ポテンシャルを測定することができる。また、重水素ランプ及びキセノンランプを両方用いる場合には、重水素及びキセノンにおける重複する波長範囲に対して混在させることなく高精度にフィルタリングを行い、所望の紫外光による試料のイオン化ポテンシャルを測定することができる。
本発明によれば、イオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
以下に、上述したような特徴を有する本発明におけるイオン化ポテンシャル測定装置及びイオン化ポテンシャル測定方法を好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<イオン化ポテンシャル測定装置>
本発明におけるイオン化ポテンシャル測定装置の機能構成例について、図を用いて説明する。図1は、イオン化ポテンシャル測定装置の機能構成の一例を示す図である。なお、図1では、特にイオン化ポテンシャル測定装置に用いられる分光照射装置を示している。
図1に示すイオン化ポテンシャル測定装置10は、光源11と、スリット部12−1,12−2と、分光器13と、光学系14と、半透過ミラー15と、光強度検出器16と、光学フィルタ17−1〜17−3と、電極18と、電流・光強度測定器19と、ステージユニット20を有するよう構成されている。なお、イオン化ポテンシャル測定装置10には、真空排気部21を有し、後述する分光器13、及び、半透過ミラー15、光強度検出器16、光学フィルタ17、電極18、電流・光強度測定器19、並びにステージユニット20を含む空間を真空状態にすることができ、これにより、光源の余分な劣化をなくすと共に試料の酸化や汚染がない状態で高精度なイオン化ポテンシャルの測定を実現することができる。
光源11は、連続光を放出するものであり、例えばキセノンランプや重水素ランプ等の1又は複数の紫外光を用いることができる。これにより、それぞれのランプが発生させる異なる波長帯の紫外光を用いて高精度にイオン化ポテンシャルを測定することができる。なお、光源11から得られる紫外光は、スリット部12−1で所定の形状に形成されて分光器13に入力される。
分光器13は、イオン化ポテンシャル測定装置10に設けられた真空排気部21により分光器13内が真空状態となる。また、分光器13は、内部に回折格子22を有し、入力される紫外線の入射角度に対して異なる方向に角度を替えることで分光器13から出力される紫外線の波長を変更して出力することができる。
また、回折格子22により所望する方向に出力された紫外光は、スリット12−2を介して所定形状に形成され、レンズ等の光学系14により試料23に対して所定の形状に集光された紫外光を照射する。
ここで、半透過ミラー15は、光学系14を通過した紫外光の一部(約1〜5%)を光強度検出器16ある方向に反射させ、残りの紫外光を光学フィルタ17のある方向へと導く(透過させる)。
光強度検出器16は、半透過ミラー15からの紫外光を受光し、その光の強度を検出する。また、光強度検出器16は、検出した光の強度を電流・光強度測定器19に出力する。なお、光強度検出器16としては、例えば光電子増倍管やフォトダイオード等を用いることができる。
光学フィルタ17は、複数のフィルタ(図1では、光学フィルタ17−1,17−2,17−3)が切り換え可能に形成されている切り換え式の光学フィルタである。つまり、分光器13から入力された光が光学フィルタ17を通過した際に光(波長)が選択されることになる。
なお、光学フィルタ17−1〜17−3における切換手段は、例えば図1に示すようにターレットのような回転部材にフィルタを取り付け、制御手段等の制御により所定のタイミングで軸回転させて切り換えを行うことにより、複数のフィルタを切り換えて迅速に測定を行うことができる。また、切換手段においては、紫外光に光学フィルタ17を通過させない場合と通過させる場合とを切り換えることもできる。
なお、切換手段のその他の例としては、例えばそれぞれのフィルタをスライドさせるスライド機構を設け、何れかのフィルタが入力される紫外光を通過するようにしたり、予め設けられた溝等に作業者等が手動でフィルタを差し換えて設置させてもよい。
また、光学フィルタ17は、予め設定された第1の波長範囲の紫外光を通過させる第1のフィルタと、予め設定された第2の波長範囲の紫外光の通過を阻止する第2のフィルタとを少なくとも有する。これにより、複数あるフィルタのうち一つを切換手段により容易且つ迅速に切り換え、また第1のフィルタと第2のフィルタとを用いて波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定することで、試料のイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
また、フィルタについては、本発明においてはこれに限定されず、例えば上述したように、フィルタのない(フィルタを通過させない)場合と、所望の紫外光の通過を阻止するフィルタを通過させる場合とを組み合わせてもよい。これにより、フィルタを通過させない場合と、通過させた場合とで得られる波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定することで、試料のイオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
電極18は、例えば、有機EL素子等の材料開発において、透明電極であるITO(Indium Tin Oxide)、有機膜、金属電極(MgAg、MgIn、AlLi)の間の接合状態の解析等を行うために用いられる。すなわち、有機EL素子の効率向上のためには、電極から注入されるキャリアに対する障壁高さを低くし、また発光領域では、キャリアに対する障壁を高くしてキャリアを閉じこめ、分子を励起する確率を高くする必要がある。そこで、各接合を形成する材料(試料)のイオン化ポテンシャルを測定し、各接合の障壁高さを制御して、有機EL素子等の特性を制御する。
電流・光強度測定器19は、後述するステージユニット20に載置された試料23に紫外光を照射することで発生する試料23に流れる電流値を測定する。また、電流・光強度測定器19は、光強度検出器16から検出された光の強度を測定する。これらの測定結果から、制御手段等により電流値を電子数に換算し、光強度を照射フォトン数に換算して光電子収量を求め、更にその変化点のフォトンエネルギーであるイオン化ポテンシャルを測定する。
ステージユニット20は、試料23を平面な台上に試料23を載置し、制御手段等の制御により載置した試料23を保持したまま、光軸に対して垂直方向(X,Y軸方向)に移動させることができる。また、ステージユニット20は、光軸方向(Z軸方向)にも移動することができる。これにより、ステージユニット20の上に置かれた試料23を所定の位置に移動させることができる。
なお、図1に示すイオン化ポテンシャル測定装置10は、フィルタの切り換えに同期して光強度や電流値の測定を行うことができると共に、予め設けられている記憶手段等にその値を記録することができる。
なお、イオン化ポテンシャル測定装置10には、上述したように半透過ミラー15、光強度検出器16、光学フィルタ17−1〜17−3、電極18、電流・光強度測定器19、並びにステージユニット20を内部に設けた空間としてチャンバ24を有しており、真空排気部21により真空にすることができる。これにより、試料の酸化や汚染等の材料劣化を防止し、様々な環境で高精度なイオン化ポテンシャルの測定を実現することができる。
<測定方法>
次に、イオン化ポテンシャルの測定方法について、図及びフローチャートを用いて説明する。図2は、イオン化ポテンシャル測定装置のブロック構成の一例を示す図である。また、図3は、イオン化ポテンシャル測定手順の一例を示すフローチャートである。
図2に示すイオン化ポテンシャル装置10は、光源11と、分光器13と、光学系14と、光学フィルタ17と、光強度検出器16と、電流・光強度測定器19と、コントローラ31と、切換手段32と、記憶手段33と、制御手段34とを有するよう構成されている。
まず、作業者等によるコントローラ31からの入力指示に基づく制御手段34からの制御信号により、分光器13を通過する紫外光の波長が所望の波長光として出力されるように回折格子等を調節する(S01)。また、分光器13から出力された紫外光を光学系14により集光する(S02)。
次に、コントローラ31からの入力指示に基づく制御手段34からの制御信号により、切換手段32を操作し、光学フィルタ17を所定波長範囲の紫外光を透過するフィルタ(第1のフィルタ)に設定するか、もしくは、フィルタを通過させないように設定する(S03)。次に、設定した光学フィルタ17を通過もしくは通過させないで出力された紫外光が試料23に照射されたときの試料23に流れる電流値と、光学系14から出力された紫外光からの光強度とを電流・光強度測定手段19により測定し(S04)、測定された電流値及び光強度を記憶手段33に記録する(S05)。
次に、光学フィルタ17を所定波長範囲の紫外光を阻止し、それ以外の波長の紫外光を通過するフィルタ(第2のフィルタ)に切り換え(S06)、光学フィルタ17を通過して出力された紫外光が試料23に照射されたときの試料23に流れる電流値と、光学系14から出力された紫外光からの光強度とを電流・光強度測定手段19により測定し(S07)、測定された電流値及び光強度を記憶手段33に記録する(S08)。
ここで、全測定波長による測定が終了したか否かを判断し(S09)、全測定波長による測定が終了していない場合(S09において、NO)、分光器13を操作し、波長を変更する(S10)。また、S10の処理が終了後は、S03に戻り、S03以降の処理を行う。
また、S09の処理において、全測定波長による測定が終了した場合(S09において、YES)、制御手段34により記憶手段33に記録された測定結果から、第1のフィルタを通過させた状態、もしくは、フィルタを通過させていない状態から得られる測定結果と第2のフィルタから得られる測定結果の差分を取ることで、イオン化ポテンシャルを決定する(S11)。
このように、光学フィルタを切り換える切換手段を有し、複数の光学フィルタ(所望する波長を透過させる光学フィルタと透過させない光学フィルタ等)を通過させる場合やフィルタを通過させない場合による電流値及び光強度の測定結果を記録し、記録した複数の測定結果を使用することにより、イオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
<イオン化ポテンシャルの測定例>
ここで、イオン化ポテンシャルの測定例について図を用いて説明する。図4は、フィルタの透過率の一例を示す図である。また、図5は、フィルタの使用条件の一例を示す図である。なお、図4の例では、紫外光を照射する光源(ランプ)の一例として、重水素ランプ及びキセノンランプの例を示している。
ここで、重水素ランプの場合には、使用できる波長範囲は130〜300nmであり、キセノンランプの場合には、使用できる波長範囲は200〜400nmである。そのため、図4の例では、上述の光学フィルタ17の例として、例えばL42フィルタ(420nm以下の波長の紫外光をカット)とUVフィルタ(200nm以下の波長の紫外光をカット)との2種類を有する。
この時の使用条件は、例えば、図5に示すように、キセノンランプの場合、波長200〜400nmの範囲で、シグナルからバックグランドの測定値を減算した値を新たなスペクトル強度とする。なお、図5において、シグナルとは、通常なら測定値そのものとして扱う量を示し、バックグランドとは、正確な測定結果を得るためにシグナルから差し引くべき量(=所望の紫外光以外の影響で測定値に現れた電流)を示している。
これにより、フィルタの効果として、L42フィルタがある場合には、所望の波長以外が透過(例えば、420nm以上の波長が透過)し、L42フィルタがない場合には、所望の波長もそれ以外の波長も透過するため、その差分を取ることで、所望の波長の信号を取得することができる。
また、重水素ランプの場合、例えば、波長130〜200nmの範囲で、シグナルからバックグランドの測定値を減算した値を新たなスペクトル強度とする。これにより、フィルタの効果として、UVフィルタがある場合とない場合とで差分を取ることで、所望の波長の信号を取得することができる。
なお、光学フィルタの切換手段は、例えば上述した回転部材やスライド機構、作業者による手動等により切り換えることができる。
上述したような処理により、イオン化ポテンシャル測定において、いわゆる「紫外光によって発生する光電子」と、「紫外光以外によって発生する光電子」とを分離することができ、測定精度を向上させることができる。また、キセノンランプ及び重水素ランプを有しているため、それぞれのランプが発生させる異なる波長帯の紫外光を用いて高精度にイオン化ポテンシャルを測定することができる。また、重水素ランプ及びキセノンランプを両方用いる場合には、重水素及びキセノンにおける重複する波長範囲に対して混在させることなく高精度にフィルタリングを行い、所望の紫外光による試料のイオン化ポテンシャルを測定することができる。
上述したように、本発明によれば、イオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。具体的には、イオン化ポテンシャルの測定において、「所望しない波長の光の照射」による悪影響を低減させ、測定精度の向上を図ることができる。つまり、所望する波長を透過させる光学フィルタと、透過させない光学フィルタとを少なくとも設け、その光学フィルタを切り換えて得られる波長を試料に照射し、得られた電流値に基づいて所望する波長におけるイオン化ポテンシャルを演算により測定することができる。したがって、所望する波長と異なる波長が紫外光に混在している場合でも、その不要な波長の紫外光を除去することができるため、イオン化ポテンシャルの測定精度を向上させることができる。
また、このイオン化ポテンシャルの測定方法により、例えば有機ELにおけるAlq,TPD等のEL材料のイオン化ポテンシャルや、コピー(OPC,トナー)におけるフタロシアニン等OPCのイオン化ポテンシャル、太陽電池等におけるアモルファスシリコン材料のイオン化ポテンシャル等の様々な測定を高精度に行うことができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
イオン化ポテンシャル測定装置の機能構成の一例を示す図である。 イオン化ポテンシャル測定装置のブロック構成の一例を示す図である。 イオン化ポテンシャル測定手順の一例を示すフローチャートである。 フィルタの透過率の一例を示す図である。 フィルタの使用条件の一例を示す図である。
符号の説明
10 イオン化ポテンシャル測定装置
11 光源
12 スリット部
13 分光器
14 光学系
15 半透過ミラー
16 光強度検出器
17 光学フィルタ
18 電極
19 電流・光強度測定器
20 ステージユニット
21 真空排気部
22 回折格子
23 試料
24 チャンバ
31 コントローラ
32 切換手段
33 記憶手段
34 制御手段

Claims (8)

  1. 試料に紫外光を照射することで得られる電流値からイオン化ポテンシャルを測定するためのイオン化ポテンシャル測定装置において、
    光源から放出される連続光から所定の波長の紫外光を分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された前記紫外光からフィルタにより複数の波長範囲における紫外光を取得するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段により得られる波長範囲が同一でない紫外光を前記試料及び光強度検出器に照射し、前記試料から発生する電流及び前記光強度検出器から得られる光強度を測定する電流・光強度測定手段と、
    前記電流・光強度測定手段により得られる複数の測定結果に基づいて、前記フィルタ手段により得られるそれぞれの波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定するための制御手段とを有することを特徴とするイオン化ポテンシャル測定装置。
  2. 前記フィルタ手段は、
    予め設定された波長範囲の紫外光の通過を阻止するフィルタを少なくとも有し、前記分光手段により分光された紫外光を前記フィルタに通過させるか否かを切り換える切換手段を有することを特徴とする請求項1に記載のイオン化ポテンシャル測定装置。
  3. 前記フィルタ手段は、
    予め設定された第1の波長範囲の紫外光を通過させる第1のフィルタと、予め設定された第2の波長範囲の紫外光の通過を阻止する第2のフィルタとを少なくとも有し、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタを切り換えて前記分光手段により分光された紫外光を通過させる切換手段を有することを特徴とする請求項1に記載のイオン化ポテンシャル測定装置。
  4. 前記光源は、重水素ランプ及びキセノンランプのうち少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のイオン化ポテンシャル測定装置。
  5. 試料に紫外光を照射することで得られる電流値からイオン化ポテンシャルを測定するためのイオン化ポテンシャル測定方法において、
    光源から放出される連続光から所定の波長の紫外光を分光する分光ステップと、
    前記分光ステップにより分光された前記紫外光からフィルタにより複数の波長範囲における紫外光を取得するフィルタステップと、
    前記フィルタステップにより得られる波長範囲が同一でない紫外光を前記試料及び光強度検出器に照射し、前記試料から発生する電流及び前記光強度検出器から得られる光強度を測定する電流・光強度測定ステップと、
    前記電流・光強度測定ステップにより得られる複数の測定結果に基づいて、前記フィルタステップにより得られるそれぞれの波長範囲の差分の紫外光におけるイオン化ポテンシャルを測定する測定ステップとを有することを特徴とするイオン化ポテンシャル測定方法。
  6. 前記フィルタステップは、
    予め設定された波長範囲の紫外光の通過を阻止するフィルタを少なくとも有し、前記分光手段により分光された紫外光を前記フィルタに通過させるか否かを切り換える切換ステップを有することを特徴とする請求項5に記載のイオン化ポテンシャル測定方法。
  7. 前記フィルタステップは、
    予め設定された第1の波長範囲の紫外光を通過させる第1のフィルタと、予め設定された第2の波長範囲の紫外光の通過を阻止する第2のフィルタとを少なくとも有し、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタを切り換えて前記分光ステップにより分光された紫外光を通過させる切換ステップを有することを特徴とする請求項5に記載のイオン化ポテンシャル測定方法。
  8. 前記光源は、重水素ランプ及びキセノンランプのうち少なくとも1つからなることを特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載のイオン化ポテンシャル測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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RU2649243C1 (ru) * 2017-01-10 2018-03-30 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Башкирский государственный университет" Способ определения потенциала ионизации и сродства к электрону органических молекул кислород- и азотсодержащих соединений

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