JP2009084923A - 耐力壁用材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 十分な強度を有して、反りや曲がりが無く断熱性にも優れ、しかも、木工工場などにおいて発生する廃材を資源として有効に利用できる耐力壁用材を提供すること。
【解決手段】 セルロース系ファイバーと合成樹脂系バインダーとを混練して成形された高密度の硬質の壁板材1であって、当該壁板材1の壁面部11の少なくとも一側辺には添え板部12が一体に形成されて成り、この壁板材1の添え板部12を建物の柱Pまたは間柱P’に添合して建込み固定可能に構成するという技術的手段を採用する。
【選択図】 図5
【解決手段】 セルロース系ファイバーと合成樹脂系バインダーとを混練して成形された高密度の硬質の壁板材1であって、当該壁板材1の壁面部11の少なくとも一側辺には添え板部12が一体に形成されて成り、この壁板材1の添え板部12を建物の柱Pまたは間柱P’に添合して建込み固定可能に構成するという技術的手段を採用する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、住宅資材の改良、更に詳しくは、十分な強度を有して、反りや曲がりが無く断熱性にも優れ、しかも、木工工場などにおいて発生する廃材を資源として有効に利用でき、簡素な工程で、製造コストを軽減せしめることもできる耐力壁用材に関するものである。
周知のとおり、住宅構造においては、建物の自重や屋根の積雪などで鉛直方向にかかる荷重と、地震や強風などによる水平方向にかかる荷重に抵抗して建物を支えるための耐力壁が用いられている。
従来、かかる耐力壁は、枠体の対角線に筋交いを入れたり、構造用合板を張って補強したものが知られており、最近では、柱同士または柱と間柱との間に出来合いの耐力壁を嵌め込むものも開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかる従来の耐力壁にあっては、補強のために張り付けた板の止着部分や、筋交いを固定する部分(所謂、筋交いプレート)の止着ボルトに、不可避的に応力が集中するため、この止着ボルト部材が曲がったり折れたり捻じ切れてしまうおそれがあった。
また、このような耐力壁では、建築現場で組み立てることによって耐力構造を構築するために、製造コストがかかってしまうという不満もあった。
特開2002−235391号公報(第2−3頁、図1−2)
登録実用新案第3068166号公報(第5−6頁、図1)
本発明は、従来の耐力壁に上記問題があったことに鑑みて為されたものであり、十分な強度を有して、反りや曲がりが無く断熱性にも優れ、しかも、木工工場などにおいて発生する廃材を資源として有効に利用できる耐力壁用材を提供することを技術的課題とする。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、セルロース系ファイバーと合成樹脂系バインダーとを混練して成形された高密度の硬質の壁板材1であって、当該壁板材1の壁面部11の少なくとも一側辺には添え板部12が一体に形成されて成り、この壁板材1の添え板部12を建物の柱Pまたは間柱P’に添合して建込み固定可能に構成するという技術的手段を採用することによって、耐力用壁板材を完成させた。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、壁板材1の壁面部11の各端部の表面両側に添え板部12を略垂直に立設して、壁板材1の断面形状を略H型に成形するという技術的手段を採用した。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、壁板材1の壁面部11の各端部から表面片側L字状に添え板部12を略垂直に立設して、壁板材1の断面形状を略コの字型に成形するという技術的手段を採用した。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、壁板材1の両添え板部12・12の間に断熱パネル2を挟持するという技術的手段を採用した。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、壁板材1の添え板部12に止着孔12aを開設し、この止着孔12aに止着部材3を挿通して、柱Pまたは間柱P’に止着可能にするという技術的手段を採用した。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、壁板材1の壁面部11の上部または下部にL字型に折曲せるアングル金具4を取付け可能にするという技術的手段を採用した。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、壁板材1に、セルロース系粉体を少なくとも50重量%以上含有させるという技術的手段を採用した。
本発明にあっては、セルロース系ファイバーと合成樹脂系バインダーとを混練して成形された高密度の硬質の壁板材であって、当該壁板材の壁面部の少なくとも一側辺には添え板部を一体に形成することによって、この壁板材の添え板部を建物の柱または間柱に添合して建込み固定することができる。
したがって、本発明の耐力壁用材によれば、十分な強度を有して断熱性にも優れ、しかも、原料となるセルロース系粉体は建築現場や製材工場、木工工場などにおいて発生する廃棄木材を資源として有効に利用でき、簡素な工程で、製造コストを軽減せしめることもできる。
また、本発明品は押出成形により作製されるので、大量生産に優れ、しかも、適宜必要な大きさ(高さ)のものを成形することができるので、現場におけるカットロスを減少させることができる。
また、本発明の壁板材は硬質であるので、反りや曲がりが発生し難く、腐り難く、シロアリも発生し難い。更にまた、断熱性が良く、カットロスも少ないことから、実用的利用価値は頗る高いと云える。
本発明を実施するための最良の形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると、次のとおりである。
本発明の実施形態を図1から図9に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものは壁板材1であり、この壁板材1は、セルロース系ファイバーと合成樹脂系バインダーとを混練して成形された高密度の硬質の壁板材1であって、壁面部11の少なくとも一側辺には添え板部12を一体に形成するものであり、本実施形態では、壁面部11の各端部の表面両側に添え板部12を略垂直に立設し、壁板材1の断面形状を略H型に成形することができる(図1参照)。
しかして、本発明の耐力壁用材は、建物の土台基礎上に立設された柱Pまたはこれらの柱Pの間に配設される間柱P’に、添え板部12を添合して建込み固定可能に構成した建築用部材であって、この壁板材1の構成および製造工程を以下に具体的に説明する。
まず、セルロース系粉体と合成樹脂系バインダーとを混練する。本実施形態では、セルロース系粉体として、木粉を用いるとともに、セルロース系粉体を少なくとも50重量%以上(更に好ましくは80重量%程度)含有させて成形することができ、バインダー樹脂の硬化に、より十分な形態性および強度を備えることができる。
また、本実施形態では、合成樹脂系バインダー樹脂として、熱可塑性樹脂を採用し、具体的には、ポリオレフィン系樹脂を用いることができ、更に、このポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレンを用いることができる。
次いで、この混練物を平板状に押し出して硬質ファイバー材(押出直後は帯熱柔軟状態)を成形する。この押出成形については常法に従うものであるが、具体的に説明するならば、例えば、目的とする樹脂成形品の断面形状(本実施形態では、壁面部11の両端に添え板部12を設けたH型断面)に対応したダイス穴を有するダイスが先端部に取り付けられ、中心部にはマンドレルが内装された加熱筒内に、軸心方向に沿って押出スクリュが回転可能に挿入配置されてなる押出成形機Mを使用する。
そして、加熱筒内に供給された樹脂材料を、加熱筒による外部加熱とスクリュの回転とにより、混練し、可塑化溶融せしめた状態で、ダイス穴から押し出すことによって、目的とする硬質ファイバー材を連続的に成形することができる。然る後、適宜必要な大きさ(高さ)にカットすることができる。
そして、更に、本実施形態では、図3に示すように、壁板材1の両添え板部12・12の間に断熱パネル2を挟持する。この断熱パネル2としては、ポリスチレンフォーム、押出し発泡ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレンフォーム、フェノールフォームなどの発泡プラスチック系のボード状のものや、発泡ガラス、発泡炭化カルシウム断熱材などの発泡無機質系のボード状のもの、軽量軟質木質繊維ボード、セルロースファイバーマット、炭化発泡コルクボードなどを採用することができる。
然る後、図4に示すように、壁板材1の添え板部12に止着孔12aを開設して、この止着孔12aに止着部材3(本実施形態では、ビス)を挿通することにより、柱Pまたは間柱P’に止着することができる。
そして、上記のように構成した壁板材は、図5に示すように、柱Pと間柱P’との間に次々と建て込むことができ、本発明の耐力壁用材を用いた耐力壁構造を完成することができる。なお、図示しないが、間柱P’を設けない場合には、壁板材1を柱P同士の間に建て込むことができる。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、図6に示すように、壁板材1の壁面部11の上部または下部にL字型に折曲せるアングル金具4を取付け可能にすることができ、上下の基礎部材や天井にも壁体1を確実に固定することができる。
また、壁板材1は、上記形状に限らず、図7に示すように、壁面部11の各端部から表面片側L字状に添え板部12を略垂直に立設し、壁板材1の断面形状を略コの字型に成形することもできる。
更にまた、図8に示すように、壁板材1において、添え板部12の両端外側面にそれぞれ外枠突起12b・12bを成形することができ、柱Pまたは間柱P’の外周縁部に適合させることにより、簡単に位置決めすることができる。
また、壁板材1の材料に使用するセルロース系粉体としては、木粉に限らず、パルプや木質繊維、おがくず、竹粉、籾殻、破砕チップ材、ケナフ、果実殻粉、古紙などを用いることができる。
更にまた、壁板材1の材料に混合する熱可塑性バインダー樹脂には、ポリプロピレン(ポリオレフィン系樹脂)に限らず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、塩化ビニール(PVC)、ABSなどを採用することもでき、また、ホウ酸などの防蟻性材料や、不燃性、難燃性材料、発泡材として、澱粉などを適宜混練することもでき、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
1 壁板材
11 壁面部
12 添え板部
12a 止着孔
12b 外枠突起
2 断熱パネル
3 止着部材
4 アングル金具
P 柱
P’ 間柱
M 押出成形機
11 壁面部
12 添え板部
12a 止着孔
12b 外枠突起
2 断熱パネル
3 止着部材
4 アングル金具
P 柱
P’ 間柱
M 押出成形機
Claims (7)
- セルロース系ファイバーと合成樹脂系バインダーとを混練して成形された高密度の硬質の壁板材1であって、当該壁板材1の壁面部11の少なくとも一側辺には添え板部12が一体に形成されて成り、
この壁板材1の添え板部12を建物の柱Pまたは間柱P’に添合して建込み固定可能に構成したことを特徴とする耐力壁用材。 - 壁板材1の壁面部11の各端部の表面両側に添え板部12が略垂直に立設され、壁板材1の断面形状が略H型に成形されていることを特徴とする請求項1記載の耐力壁用材。
- 壁板材1の壁面部11の各端部から表面片側L字状に添え板部12が略垂直に立設され、壁板材1の断面形状が略コの字型に成形されていることを特徴とする請求項1記載の耐力壁用材。
- 壁板材1の両添え板部12・12の間に断熱パネル2が挟持されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の耐力壁用材。
- 壁板材1の添え板部12に止着孔12aが開設されており、この止着孔12aに止着部材3を挿通して、柱Pまたは間柱P’に止着可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の耐力壁用材。
- 壁板材1の壁面部11の上部または下部にL字型に折曲せるアングル金具4を取付け可能にしたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の耐力壁用材。
- 壁板材1に、セルロース系粉体を少なくとも50重量%以上含有させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の耐力壁用材。
Priority Applications (1)
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JP2007257963A JP2009084923A (ja) | 2007-10-01 | 2007-10-01 | 耐力壁用材 |
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JP2007257963A Pending JP2009084923A (ja) | 2007-10-01 | 2007-10-01 | 耐力壁用材 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06167063A (ja) * | 1992-11-27 | 1994-06-14 | Tostem Sera Kk | 鉄骨建物の腰壁 |
JP3000627U (ja) * | 1994-01-31 | 1994-08-09 | 株式会社久門工務店 | 竹製パネルおよびそれを使用した竹製ユニットハウス |
JP3025069U (ja) * | 1995-11-21 | 1996-06-07 | 有限会社ダイワホームズ | 建築用パネル |
JP3126573U (ja) * | 2006-08-21 | 2006-11-02 | 日本プロファイル工業株式会社 | 実矧ぎ可能な木質プラスチック製床板材 |
-
2007
- 2007-10-01 JP JP2007257963A patent/JP2009084923A/ja active Pending
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