JP2009081728A - 動画像符号化装置、動画像符号化装置の制御方法、および、コンピュータプログラム - Google Patents

動画像符号化装置、動画像符号化装置の制御方法、および、コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】エントロピー符号化結果における、優勢シンボルの発生確率と、マクロブロックごとのシンボル発生確率との比較に基づき、トレードオフを解決する。
【解決手段】処理対象の画像データをマクロブロック単位に直交変換と量子化とを行う変換手段と、量子化データをエントロピー符号化するエントロピー符号化手段と、変換手段に入力される画像データのスライス分割位置を設定する制御手段とを備える動画像符号化装置であって、第1の発生確率を算出する第1の算出手段と、第2の発生確率を算出する第2の算出手段と、第1の発生確率と第2の発生確率とにおける優勢シンボルが同一か否かを判定する判定手段と、判定手段の判定の結果、優勢シンボルが異なる場合に、制御手段はスライス分割位置の設定を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、動画像符号化装置、動画像符号化装置の制御方法、および、コンピュータプログラムに関する。
デジタルビデオカメラの符号化方式やDVDレコーダのデータ符号化方式には、符号化効率の高いMPEG2(Moving Picture Expert Group)が一般的に利用されている。これに対し近年、映像信号のハイビジョン化に伴い、更なる高圧縮・高能率符号化方式としてITU−TRec.H.264|ISO/IEC 14496−10 AVC(JVT、以下H.264と呼ぶ)と呼ばれる標準の規格化が行われている。H.264は、MPEG2やMPEG4といった従来の符号化方式に比べ、より高い符号化効率が実現されることが知られている。
ここで、H.264の動画像符号化装置の構成について図4を用いて説明する。図4に示すように、動画像符号化装置は、順番並べ替えを終えたカレントピクチャ401と、加算器402と、整数変換部403と、量子化部404と、エントロピー符号化部405と、逆量子化部406と、逆整数変換部407と、加算器408を含む。また、ループフィルタ409と、ローカルデコードピクチャ410と、動き予測に使用する参照ピクチャ411と、動き予測部412と、動き補償部413と、イントラ予測部414と、スイッチ415と、量子化制御部416とを含む。なお、カレントピクチャ(処理対象の現画像)401、ローカルデコードピクチャ410及び参照ピクチャ411は、それぞれ画像メモリに記憶された状態である。
図4を参照して、動画像符号化装置におけるイントラ符号化の処理を説明する。イントラ符号化の場合、画面並べ替えを終えたカレントピクチャ401から画像データをマクロブロック単位で読み出し、イントラ予測部414に供給する。イントラ予測部414では、後述する復号画像情報からイントラ予測画像を生成する。生成されたイントラ予測画像はスイッチ415を通過して加算器402に入力される。加算器402は、カレントピクチャとの差分画像を生成し、該差分画像を整数変換部403に供給する。整数変換部403は、差分画像に対して離散コサイン変換等の整数変換処理を施し、変換係数を量子化部404に供給する。量子化部404は、整数変換部403から供給された変換係数に対して量子化処理を施す。エントロピー符号化部405は、量子化部404で算出された量子化変換係数や量子化スケール等から符号化モードを決定し、この符号化モードに対してエントロピー符号化等の可逆符号化を施し、画像符号化単位のヘッダ情報を形成する。この符号化された符号化モードは、画像圧縮情報として出力される。
量子化部404は、量子化制御部416によって制御される。また、量子化部404は、量子化後の変換係数を逆量子化部406に供給し、逆量子化部406で、その変換係数を逆量子化する。逆整数変換部407は、逆量子化された変換係数に対して逆整数変換処理を施して差分画像を復号し、加算器408に供給する。加算器408は、スイッチ415から出力されたイントラ予測画像と復号された差分画像とを加算して復号画像情報を生成し、ループフィルタ409とイントラ予測部414へ供給する。ループフィルタ409では、復号画像情報からマクロブロック境界ならびに整数変換ブロック境界のブロック歪を除去した後、ローカルデコードピクチャ410として蓄積する。ローカルデコードピクチャ410は、後述するインター符号化時に使用する参照ピクチャ411として利用される。
次にインター符号化の処理を説明する。インター符号化の場合、画像並べ替えを終えたカレントピクチャ401から画像データをマクロブロック単位で読み出し、動き予測部412と動き補償部413とに供給する。動き予測部412と動き補償部413とは、参照用の画像データを参照ピクチャ411から読み出し、動き予測処理と動き補償処理とを施してインター予測画像を生成する。
生成されたインター予測画像はスイッチ415を通過して、加算器402に入力される。加算器402は、カレントピクチャとの差分画像を生成し、該差分画像を整数変換部403に供給する。その後の整数変換、量子化、逆量子化、逆整数変換の流れはイントラ符号化の場合と同じなので省略する。なお、エントロピー符号化部405は、動き予測部412で算出された動きベクトル情報に対してエントロピー符号化等の可逆符号化処理を施し、画像符号化単位のヘッダ部に挿入される情報を形成する。
ここで、エントロピー符号化部405について詳細に説明する。H.264のエントロピー符号化部405では、量子化部404、動き補償部413或いはイントラ予測部414から入力された量子化係数情報、動き情報或いはモード情報等のシンボルに対し、以下のいずれかのエントロピー符号化が適用される。エントロピー符号化の1つは、CABAC(Context−based Adaptive Binary Arithmetic Coding)と呼ばれるエントロピー符号化(以下、CABAC)である。もう1つは、CAVLC(Context−based Adaptive Variable Length Coding)と呼ばれる可変長符号化(以下、CAVLC)である。このいずれかのエントロピー符号化により、符号化信号(ビットストリーム)が出力される。
どちらのエントロピー符号化方式が適用されるかは、CABAC/CAVLC選択情報により決定される。CABAC/CAVLC選択情報は、PPS(Picture Parameter Set)で決定され、スライス単位に切り替えて使用することが可能である。またCABAC/CAVLC選択情報を含んだPPSは、図7に示すようにビットストリームに埋め込まれて出力される。
上述の2つのエントロピー符号化のうち、CABACについて図5を参照して説明する。
量子化部404、動き予測部412、或いは、イントラ予測部414から入力された量子化変換係数情報、動き情報、或いは、モード情報が多値シンボルとして2値化部501に入力される。2値化部501では、入力された多値シンボルを、予め定められた一定規則にもとづき任意の長さの2値シンボル列に変換する。この2値シンボル列は2値算術符号化部502に入力され、2値算術符号化部502では、入力された2値シンボルに対して2値算術符号化を適用し、その結果をビットストリームとして出力する。
なお、コンテキスト計算部503では、2値化部501に入力されたシンボル情報と2値化部501からの出力である2値信号をもとに、2値信号発生確率を示すコンテキストの計算を行い、2値算術符号化部502に入力する。コンテキスト計算部503では、符号化処理中に随時更新されるコンテキストとリセット時などに用いられるコンテキストの初期状態が保存される。
CABACでは、0以上1未満の領域を、優勢シンボル(MPS)と劣勢シンボル(LPS)との発生確率に基づいて分割し、入力シンボルによって一方を選択する。さらに、選択された領域に対して、分割を繰り返し(正規化)、最終的に特定された領域内の値を出力としている。
エントロピー符号化にCABACを用いた場合、CABAC符号化アルゴリズムの性質上"0"、"1"のシンボル発生確率に応じて符号化効率が大きく変化することがある。CABACは、MPSが"1"で"1"のシンボル発生確率が50%以上の場合、2値シンボルを1ビット以下で表現できるためMPEG2で採用されているVLCよりも高い圧縮効率が得られると言われている。一方、同じ状況で"1"のシンボル発生確率が50%未満の場合、2値シンボルを表現するのに多くのビットを必要とする可能性がある。すなわち、MPSが"0"であり、その発生確率が100%に近い値に対して、"1"が続くような2値シンボル列が入力された場合、CABACを行っても符号化効率は低下してしまう。
図6は、上述した仕組みを簡単に説明するための図である。1枚の画像601において、上半分は"0"のシンボル発生確率が100%、下半分は"1"のシンボル発生確率が100%であるとする。画像全体で見れば、"0"、"1"のシンボル発生確率はそれぞれ50%ずつとなるために、MPSが"0"、"1"どちらのシンボルでも符号化効率は低下する。しかしながら、画面を上下に分けて考えると上半分は"0"のシンボル発生確率が100%となっているためにMPSが"0"であれば符号化効率は向上する。また同様に画面の下半分は"1"のシンボル発生確率が100%となっているためMPSが"1"であれば符号化効率は向上する。
このように画面を分割して確率の偏りを発生させる方がCABACの符号化効率が向上する。なお、これは一つの例であり実際にこのような状況は発生しにくいが説明のためのものとする。
ところで、画像データを符号化する場合、スライスと呼ばれる単位で符号化することが知られている。スライス境界におけるシンボルの発生確率が異なることで符号化効率が低下してしまうことに対する解決策を提案した先行技術として、特許文献1がある。
特開2005−347780号公報
画像をスライス単位に分割することで、スライス単位での復号が可能となるためエラー耐性を高めることが可能となる。しかしながら一方で、スライスを分割し過ぎるとスライスの先頭で、それ以前のスライスのシンボル発生確率をリセットする必要があり符号化効率が低下してしまうという問題が発生する。そのため、エラー耐性向上と符号化効率向上というトレードオフを解決するように符号化を行う必要がある。
特許文献1では、スライス開始時にシンボルの状態を表すレジスタ値をリセットするか否かを示すレジスタリセットフラグと、シンボルの状態(リセットを行わないことを示す場合のみ)とをスライスヘッダに多重化して、トレードオフを解決している。
本発明は、エラー耐性向上と符号化効率向上という上記トレードオフを解決するための他の手法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、
処理対象の画像データをマクロブロック単位に直交変換と量子化とを行う変換手段と、
前記量子化された画像データをエントロピー符号化するエントロピー符号化手段と、
前記変換手段に入力される画像データのスライス分割位置を設定する制御手段とを備える動画像符号化装置であって、
エントロピー符号化結果における優勢シンボルの発生確率を示す第1の発生確率を算出する第1の算出手段と、
マクロブロック毎のエントロピー符号化結果におけるシンボルの発生確率を示す第2の発生確率を算出する第2の算出手段と、
前記第1の発生確率と前記第2の発生確率とにおける優勢シンボルが同一か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定の結果、前記優勢シンボルが異なる場合に、前記制御手段は前記スライス分割位置の設定を行うことを特徴とする。
本発明によれば、エントロピー符号化結果における、優勢シンボルの発生確率と、マクロブロックごとのシンボル発生確率との比較に基づき、上記トレードオフを解決することができる。
以下、添付の図面を参照して、発明の実施形態を説明する。
本実施形態における動画像符号化装置は、図1に示すようにカレントピクチャ101と、加算器102と、整数変換部103と、量子化部104と、エントロピー符号化部(CABAC部)105を備える。さらに逆量子化部106と、逆整数変換部107と、加算器108と、ループフィルタ109と、ローカルデコードピクチャ110と、動き予測に使用する参照ピクチャ111と、動き予測部112と、動き補償部113と、イントラ予測部114とを備える。また、スイッチ115と、量子化制御部116、バッファ117、コントローラ118とを含んで構成される。なお、カレントピクチャ(処理対象の現画像)101、ローカルデコードピクチャ110及び参照ピクチャ111は、それぞれ画像メモリに記憶された状態で保持される。
次に、動画像符号化装置の動作を説明する。なお、基本的な構成は背景技術の欄で参照した図4と同様である。図1において、イントラ符号化の処理を説明する。
イントラ符号化の場合、画面並べ替えを終えたカレントピクチャ101から画像データをマクロブロック単位で読み出し、イントラ予測部114に供給する。イントラ予測部114で後述するローカルデコードピクチャから予測画像を生成する。イントラ予測画像はスイッチ115を通過し、加算器102に入力される。加算器102では、イントラ予測画像とカレントピクチャとの差分画像を生成し、整数変換部103に供給する。整数変換部103は、マクロブロック毎の差分画像に対して離散コサイン変換を施し、変換係数(直交変換データ)を量子化部104に供給する。量子化部104は、整数変換部103から供給された変換係数に対して量子化処理を施し、量子化データを生成する。エントロピー符号化部105は、量子化部104で算出された量子化変換係数や量子化スケール等から符号化モードを決定し、この符号化モードに対してエントロピー符号化等の可逆符号化を施し、画像符号化単位のヘッダ情報を形成する。この符号化された符号化モードは、画像圧縮情報として出力される。
量子化部104は、量子化制御部116によって制御される。また、量子化部104は、量子化後の変換係数を逆量子化部106に供給し、逆量子化部106で、その変換係数を逆量子化する。逆整数変換部107は、逆量子化された変換係数に対して逆直交変換処理を施して復号画像情報を生成する。その後、ループフィルタ109でマクロブロック境界ならびに整数変換ブロック境界のブロック歪を除去した後、ローカルデコードピクチャ110として蓄積して、後述するインター符号化時に使用する参照ピクチャ111として利用される。
次にインター符号化の処理を説明する。インター符号化の場合、画像並べ替えを終えたカレントピクチャ101から画像データをマクロブロック単位で読み出し、動き予測部112ならびに動き補償部113に供給する。動き予測部112ならびに動き補償部113は、参照される画像データを参照ピクチャ111から読み出し、動き予測ならびに補償処理を施して参照画像を生成する。スイッチ115はインター予測画像を通過させ、加算器102においてカレントピクチャとの差分を生成し、整数変換部103に供給される。その後の整数変換、量子化、整数逆変換、逆量子化の流れはイントラ符号化を同じなので省略する。
なお、エントロピー符号化部105は、動き予測部112で算出された動きベクトル情報に対してエントロピー符号化等の可逆符号化処理を施し、画像符号化単位のヘッダ部に挿入される情報を形成する。ここで、エントロピー符号化部105においてCABAC/CAVLC選択情報はPPS(Picture Parameter Set)で決められ、スライス単位に切り替えて使用することが可能である。またCABAC/CAVLC選択情報を含んだPPSは図7に示すようにビットストリームに埋め込まれて出力される。
次に、図2および図3を参照して、優勢シンボル(MPS)の発生確率とマクロブロック毎のシンボル発生確率に応じてスライスを分割する、本実施形態における処理を説明する。
図2において、画像202は、符号化対象の画像であり、エントロピー符号化結果において画像の上半分(A領域)では"0"のシンボル発生確率が高く(100%)なっている。また、画像の下半分(B領域)では"1"のシンボル発生確率が高く(100%)なっている。
グラフ201は、マクロブロックナンバーとエントロピー符号化効率との関係を示したグラフである。グラフ201は、横軸にマクロブロックナンバーを、縦軸にエントロピー符号化効率を示している。マクロブロックナンバーとは符号化の単位であるマクロブロックに対して左上から順番に符号化順序(例えば、ラスタスキャン順)に従ってつけられた番号である。
エントロピー符号化効率とは、マクロブロック単位のエントロピー符号化前後の符号量の比率を示す。より詳細に該比率は、量子化データのマクロブロック単位の積算値(エントロピー符号化前積算符号量)に対する、エントロピー符号化部105の出力データのマクロブロック単位の積算値(エントロピー符号化後積算符号量)の比率である。このエントロピー符号化効率の値が大きければ、符号化前後で符号量が十分に減少していないことを意味するので、エントロピー符号化の処理効率が悪いことになる。逆にこの値が小さければ、符号化前後で符号量が十分に減少していることを意味するので、処理効率が良いことになる。
MPS遷移確率203は、MPSの発生確率をマクロブロックナンバーに応じて示したものであり、棒グラフ204から207は、"0"、"1"シンボルのMPS発生確率を示す。棒グラフ204は画面の左上、即ちピクチャ符号化開始直後のMPS発生確率を示す。棒グラフ205および206は、画像202のA領域とB領域との境界付近のA領域側とB領域側の各MPS発生確率を示す。棒グラフ207は画面の右下、即ちピクチャ符号化終了直前のMPS発生確率を示す。このようにMPS遷移確率203は、マクロブロック番号を基準として、これらのMPS発生確率を時系列に並べたものを意味する。
画面の左上(ピクチャ符号化開始直後)では、エントロピー符号化部105はMPSをリセットする。すなわち、棒グラフ204のようにシンボル"0"、"1"のMPS遷移確率は50%として符号化を開始する。符号化が進むにつれて画面の上半分まではシンボル"0"の発生度合いが高くなるために、MPSは"0"となりMPS遷移確率203は棒グラフ205のように0が優勢となる。この間、MPSが"0"で、そのシンボル発生確率が高いため、エントロピー符号化効率は上昇(値が減少)していくことになる。
一方、符号化処理が画像202のB領域側に入っていくと、シンボル"1"の発生度合いが高くなるため、MPS遷移確率203は棒グラフ206のように"0"が優勢のままであるが、"0"の割合は棒グラフ205の時と比べて小さくなっていく。やがて、画面の右下(ピクチャ符号化終了直前)まで符号化が進むと、その間シンボル"1"の発生度合いが高くなっていたために、棒グラフ207に示すようにMPS発生確率はシンボル"0"、"1"の割合が50%ずつとほぼ同じ状態になる。この間はMPSが"0"であるにも関わらず、シンボル"1"の発生度合いが高いため、エントロピー符号化効率は悪いことになる。
このようなエントロピー符号化効率の悪化を解消する手法を、本実施形態では提案する。具体的に図3を参照して、本実施形態に対応する処理を説明する。
図3において、画像302は、画像202と同様の符号化対象画像であって、画像の上半分(A領域)では"0"のシンボル発生確率が高く、下半分(B領域)では"1"のシンボル発生確率が高くなっている。
グラフ301もグラフ201と同様に、横軸にマクロブロックナンバーを、縦軸にエントロピー符号化効率を示したグラフである。MPS遷移確率303もMPS遷移確率203と同様に、MPSの発生確率(第1の発生確率)をマクロブロックナンバーに応じて示したものであり、エントロピー符号化部105における第1の算出部において算出される。棒グラフ304から307も棒グラフ204から207と同様に、"0"、"1"シンボルの発生確率をそれぞれ示す。
瞬時発生確率308は、現在符号化を行っているマクロブロックのシンボル発生確率(第2の発生確率)を示し、エントロピー符号化部105における第2の算出部において算出される。すなわち、MPSとは関係なく、符号化処理対象のマクロブロックの"0"、"1"発生確率を示しており、これを瞬時発生確率と呼ぶ。画像302のA領域では、シンボル"0"の発生度合いが高いため、瞬時発生確率は棒グラフ309と310とに示すように"0"のシンボル発生確率が高くなる。一方、画像302のB領域では、シンボル"1"の発生度合いが高いため、瞬時発生確率は311ならびに312に示すように"1"のシンボル発生確率が高くなる。
次に、本実施形態に対応するエントロピー符号化部105およびコントローラ118の動作を説明する。
コントローラ118には、量子化部104から出力された量子化データ(エントロピー符号化前符号量)と、エントロピー符号化部105から出力された符号化データ(エントロピー符号化後符号量)とが入力される。また、エントロピー符号化部105から、該エントロピー符号化部105内部で利用するMPS発生確率がコントローラ118に入力される。
コントローラ118は、これらの入力されたデータのうち、エントロピー符号化後の符号化データにおける"0"、"1"シンボル発生確率である瞬時確率をマクロブロック毎に算出する。同様にMPS発生確率もマクロブロック毎に入力されるので、これらの発生確率の遷移を所定期間観測する。所定期間は、マクロブロック数により定義することができる。
観測の結果、MPS発生確率と瞬時発生確率との優勢シンボルが同一であれば、そのまま次のマクロブロックの符号化を続けていく。一方、MPS発生確率と瞬時発生確率の優勢シンボルが異なれば、コントローラ118は、次のマクロブロックでスライス分割を行うように、モジュール119に指示を行ってスライス分割位置と設定する。該モジュール119は、動き予測部112、動き補償部113、イントラ予測部114、ループフィルタ109を含む。またスライスを分割した場合、MPSの学習過程をリセットする必要があるためにエントロピー符号化部105に対してMPS発生確率のリセットを指示する。
具体的な動作について図3を用いて説明する。これから符号化する画像302に対して、画面の左上である符号化開始直後において、"0"、"1"のMPS遷移確率303は棒グラフ304に示すように50%ずつである。一方、瞬時発生確率308は棒グラフ309に示すように"0"の割合が高くなっている。この状態でエントロピー符号化を行うと、エントロピー符号化効率はさほど高くない。このまま符号化が進むに連れて、画面の上半分ではシンボル"0"の発生度合いが高いため、MPSはシンボル"0"に傾いていき、MPS発生確率は棒グラフ304から305のように変化していく。この時エントロピー符号化効率は高いものとなる。また、コントローラ118ではMPS発生確率と瞬時発生確率とが、同一シンボルが優勢の傾向を示すために、スライス分割を行わずにそのまま符号化処理を進めていく。
次に、符号化処理対象が画像302のB領域側のマクロブロックとなると、シンボル"1"の発生度合いが高くなるが、MPSとしては棒グラフ305と同様にシンボル"0"のMPS発生確率が高い状態となっている。
この状態では、MPS発生確率と瞬時発生確率における優勢シンボルは異なっている。コントローラ118は、このような優勢シンボルの逆転状態が所定マクロブロック数継続しているかどうかを判定する。もし、係る逆転状態が継続する場合には、後続マクロブロックの符号化効率が悪くなるので、モジュール119に対してスライス分割指示を行ってスライス分割位置を設定し、エントロピー符号化部105に対してもMPSリセットを指示する。これにより棒グラフ306のように"0"、"1"のシンボル発生確率が50%ずつとなる。
スライス分割された後のマクロブロックに対するエントロピー符号化は、開始直後では"0"、"1"のMPS発生確率が50%ずつなのでさほど効率が良いとは言えない。しかし、符号化が進むに連れてMPS発生確率における"1"の割合が棒グラフ307のように高くなるため、グラフ301に示すようにスライス分割を行わない場合よりも符号化効率が向上されていく。
図3bは、本実施形態に対応する上述の処理の一例を示すフローチャートである。当該処理は、コントローラ118において実現される。該コントローラ118は、対応する処理プログラムを実行することにより、フローチャートに対応する処理を実現することができる。
まず、ステップS301において、コントローラ118は、エントロピー符号化部105から、処理対象のマクロブロックにおけるMPS発生確率と瞬時発生確率とを取得する。続くステップS302では、MPS発生確率と瞬時発生確率との優勢シンボルが同一であるか否かを判定する。もし、同一である場合には(ステップS302において「YES」)、ステップS301に戻って処理を継続する。一方、優勢シンボルが異なる場合には(ステップS302において「NO」)、ステップS303に移行する。
ステップS303では、優勢シンボルが異なる状態が複数(所定数)のマクロブロックについて継続したか否かを判定する。もし、複数(所定数)継続していない場合には(ステップS303において「NO」)、ステップS301に戻って処理を継続する。一方、所定マクロブロック数継続した場合には(ステップS303において「YES」)、ステップS304に移行する。
ステップS304では、モジュール119にスライス分割を行うように指示する。続くステップS305では、エントロピー符号化部105に対してMPS発生確率のリセットを行うように指示する。その後、処理を終了する。
以上に説明した処理を行うことで、スライス分割によるエラー耐性の向上とエントロピー符号化の符号化効率向上のトレードオフを解決することが可能である。本実施形態では、簡単のためにスライスを画面の上下2分割にする例を示したが、分割形状を問わず、MPS発生確率と瞬時発生確率における優勢シンボルの状態に応じてN分割することができる。
またコントローラ118において、観測するマクロブロック期間を短くすれば、エントロピー符号化効率は多少下降するものの積極的にスライス分割を行ってエラー耐性を高めることができる。一方、さほどエラー耐性を高めなくても良い状況では、観測するマクロブロック期間を長くすることで、あまりスライス分割を行わないようにすることも可能である。
この観測期間は、図3bのステップS301における情報の取得タイミングを調整することにより、調整可能である。
[その他の実施形態]
本発明の目的は、前述した機能を実現するコンピュータプログラムのコードを記録した記憶媒体を、システムに供給し、そのシステムがコンピュータプログラムのコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたコンピュータプログラムのコード自体が前述した実施形態の機能を実現し、そのコンピュータプログラムのコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成する。また、そのプログラムのコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した機能が実現される場合も含まれる。
さらに、以下の形態で実現しても構わない。すなわち、記憶媒体から読み出されたコンピュータプログラムコードを、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。そして、そのコンピュータプログラムのコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行って、前述した機能が実現される場合も含まれる。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するコンピュータプログラムのコードが格納されることになる。
発明の実施形態に対応する動画像符号化装置の構成の一例を示す図である。 MPS遷移確率と符号化効率との関係を説明する図である。 発明の実施形態に対応する、MPS遷移確率と符号化効率との関係を説明する図である。 発明の実施形態に対応する処理の一例を示すフローチャートである。 従来の動画像符号化装置の構成を示す図である。 エントロピー符号化器であるCABACの構成を示す図である。 従来の処理を説明するための画像のシンボル発生確率を示す図である。 符号化ストリームを説明するための図である。
符号の説明
101 カレントピクチャ
102 加算器
103 整数変換部
104 量子化部
105 エントロピー符号化部
106 逆量子化部
107 逆整数変換部
108 加算器
109 ループフィルタ
110 ローカルデコードピクチャ
111 参照ピクチャ
112 動き予測部
113 動き補償部
114 イントラ予測部
115 スイッチ
116 量子化制御部
117 バッファ
118 コントローラ
119 モジュール

Claims (9)

  1. 処理対象の画像データをマクロブロック単位に直交変換と量子化とを行う変換手段と、
    前記量子化された画像データをエントロピー符号化するエントロピー符号化手段と、
    前記変換手段に入力される画像データのスライス分割位置を設定する制御手段とを備える動画像符号化装置であって、
    エントロピー符号化結果における優勢シンボルの発生確率を示す第1の発生確率を算出する第1の算出手段と、
    マクロブロック毎のエントロピー符号化結果におけるシンボルの発生確率を示す第2の発生確率を算出する第2の算出手段と、
    前記第1の発生確率と前記第2の発生確率とにおける優勢シンボルが同一か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定の結果、前記優勢シンボルが異なる場合に、前記制御手段は前記スライス分割位置の設定を行うことを特徴とする動画像符号化装置。
  2. 前記制御手段は、前記優勢シンボルが、複数のマクロブロックについて継続して異なる場合に、前記スライス分割位置の設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。
  3. 前記第1の算出手段は、前記スライス分割位置の設定が行われた場合に、前記第1の発生確率をリセットすることを特徴とする請求項1又は2に記載の動画像符号化装置。
  4. 前記エントロピー符号化手段は、CABAC符号化を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動画像符号化装置。
  5. 処理対象の画像データをマクロブロック単位に直交変換と量子化とを行う変換手段と、
    前記量子化された画像データをエントロピー符号化するエントロピー符号化手段と、
    前記変換手段に入力される画像データのスライス分割位置を設定する制御手段とを備える動画像符号化装置の制御方法であって、
    第1の算出手段が、エントロピー符号化結果における優勢シンボルの発生確率を示す第1の発生確率を算出する第1の算出工程と、
    第2の算出手段が、マクロブロック毎のエントロピー符号化結果におけるシンボルの発生確率を示す第2の発生確率を算出する第2の算出工程と、
    判定手段が、前記第1の発生確率と前記第2の発生確率とにおける優勢シンボルが同一か否かを判定する判定工程と、
    前記制御手段が、前記判定工程における判定の結果、前記優勢シンボルが異なる場合に、前記スライス分割位置の設定を行う設定工程と
    を備えることを特徴とする動画像符号化装置の制御方法。
  6. 前記設定工程では、前記優勢シンボルが、複数のマクロブロックについて継続して異なる場合に、前記スライス分割位置の設定を行うことを特徴とする請求項5に記載の動画像符号化装置の制御方法。
  7. 前記第1の算出工程では、前記スライス分割位置の設定が行われた場合に、前記第1の発生確率がリセットされることを特徴とする請求項5又は6に記載の動画像符号化装置の制御方法。
  8. 前記エントロピー符号化手段は、CABAC符号化を行うことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の動画像符号化装置の制御方法。
  9. コンピュータを、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の動画像符号化装置として動作させるためのコンピュータプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011125314A1 (ja) * 2010-04-09 2011-10-13 三菱電機株式会社 動画像符号化装置および動画像復号装置

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