JP2009081457A - 基板処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】CVD装置はウエハ10を保持したボート11が搬入されるインナチューブ2と、インナチューブ2を取り囲むアウタチューブ3と、アウタチューブ3に垂直に開設されてインナチューブ2を排気する排気孔25と、インナチューブ2の排気孔25に対向する位置に径方向外向きに膨出するように形成された予備室21と、予備室21に互いに近接して垂直に敷設された一対のガス導入ノズル22、22と、両ガス導入ノズル22、22の同一の平面内に3個ずつ開設された複数組の噴出口24とを備えている。複数個の噴出口24の開口縁辺部にはR面取り部または近似曲面部が形成されている。
【選択図】図1
Description
例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、ICが作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)にポリシリコンやシリコン窒化膜等を堆積(デポジション)するのに利用して有効なものに関する。
従来のこの種のCVD装置としては、インナチューブおよびこのインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成され縦形に設置されたプロセスチューブと、複数枚のウエハを保持してインナチューブ内に搬入するボートと、インナチューブ内に原料ガスを導入するガス導入ノズルと、プロセスチューブ内を排気して減圧する排気口と、プロセスチューブ外に敷設されてプロセスチューブ内を加熱するヒータユニットとを備えており、ガス導入ノズルには複数個の噴出口がボートに保持された各ウエハに対応して開設され、インナチューブの側壁には排気孔が開設されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
この際、ガス導入ノズルの複数の噴出口から水平に噴出された原料ガスは、ボートに互いに水平に保持された上下のウエハの間を流れてウエハの表面に接触し、インナチューブに開設された排気孔からインナチューブの外部に排気口の排気力によって排気される。
例えば、ポリシリコン膜を成膜する場合において、高温領域におけるモノシラン(SiH4 )の通過時間が長くなると、気相中での分解反応が過度に進行してしまうことにより、ポリシリコンが粉状になって析出してウエハの表面に付着してしまうために、ポリシリコン膜の品質が低下するばかりでなく、パーティクルの発生原因になってしまう。
(1)基板が搬入されるインナチューブおよびこのインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成されたプロセスチューブと、前記インナチューブ内にガスを導入するガス導入ノズルと、前記プロセスチューブ内を排気する排気口とを備えている基板処理装置において、
前記ガス導入ノズルには複数個の噴出口が開設されており、該複数個の噴出口の開口縁辺部にはR面取り部または近似曲面部が形成されていることを特徴とする基板処理装置。
(2)複数枚の基板を保持したボートを処理室に搬入するステップと、
ガスを導入ノズルに導入するステップと、
この導入ノズルに開設された複数個の噴出口の開口縁辺部のR面取り部または近似曲面部を前記ガスが通過するステップと、
前記ガスが前記基板を処理するステップと、
前記ガスが前記処理室を排気する排気口を通過するステップと、
前記ガスの供給を停止するステップと、
前記処理室から前記ボートを搬出するステップと、
を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
図1に示されているCVD装置は中心線が垂直になるように縦に配されて固定的に支持された縦形のプロセスチューブ1を備えており、プロセスチューブ1はインナチューブ2とアウタチューブ3とから構成されている。インナチューブ2およびアウタチューブ3はいずれも、石英ガラスや炭化シリコン(SiC)等の耐熱性の高い材料が用いられて円筒形状にそれぞれ一体成形されている。
アウタチューブ3はインナチューブ2に対して大きめに相似し上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ2の外側を取り囲むように同心円に被せられている。
インナチューブ2とアウタチューブ3との間の下端部は円形リング形状に形成されたマニホールド6によって気密封止されており、マニホールド6はインナチューブ2およびアウタチューブ3についての保守点検作業や清掃作業のためにインナチューブ2およびアウタチューブ3に着脱自在に取り付けられている。
マニホールド6がCVD装置の筐体(図示せず)に支持されることにより、プロセスチューブ1は垂直に据え付けられた状態になっている。
ボート11は上下で一対の端板12、13と、両端板12、13間に架設されて垂直に配設された複数本の保持部材14とを備えており、各保持部材14には多数条の保持溝15が長手方向に等間隔に配されて互いに対向して開口するように没設されている。ウエハ10の円周縁が複数本の保持部材14の同一の段の保持溝15間に挿入されることにより、複数枚のウエハ10は水平かつ互いに中心を揃えた状態に整列されて保持される。
ボート11とシールキャップ9との間には上下で一対の補助端板16、17が複数本の補助保持部材18によって支持されて配設されており、各補助保持部材18には多数条の保持溝19が没設されている。
図2に示されているように、予備室21には一対のガス導入ノズル22、22が互いに近接して垂直方向に延在するように配管されている。図1に示されているように、各ガス導入ノズル22のガス導入口部23はマニホールド6の側壁を径方向外向きに貫通してプロセスチューブ1の外部に突き出されており、ガス導入口部23には原料ガス供給装置や窒素ガス供給装置等(図示せず)が接続されている。
一対のガス導入ノズル22、22には3個で一組の噴出口24が複数組、垂直方向に並べられて開設されている。噴出口24群の組数はボート11に保持されたウエハ10の枚数に一致されており、各組の高さ位置はボート11に保持された上下で隣合うウエハ10と10との間の空間に対向するようにそれぞれ設定されている。すなわち、ガス導入ノズル22の3個の噴出口24a、24b、24cはウエハ10の主面に対して平行な平面内に開設されている。
一対のガス導入ノズル22、22において3個の噴出口24のうちの中心の噴出口24aのガスの噴出方向は、ウエハ10の中心と排気孔25とを結んだ線分と平行になるように設定されており、その両脇の噴出口24b、24cのガスの噴出方向は、ガス導入ノズル22の中心を起点として中心の噴出口24aの噴出方向を基準線とした仰角Θが30度ずつの線対称形になるように設定されている。
処理室4に導入された原料ガス30はインナチューブ2の側壁に垂直方向に細長く開設された排気孔25からインナチューブ2とアウタチューブ3との隙間によって形成された排気路8に流出してアウタチューブ3の下端に位置するマニホールド6に開設された排気口7から排気される。
ウエハ10の表面に接触しながら上下で隣合うウエハ10と10との間の空間を平行に流れて行く原料ガス30のCVD反応によって、ウエハ10の表面にはCVD膜が堆積する。例えば、モノシランとホスフィンとが導入された場合には、ドープドポリシリコン膜がウエハ10に堆積する。
この際、原料ガス30は各ウエハ10内の全面にわたってそれぞれ均一に接触するため、CVD膜の堆積状態は各ウエハ10内において全体にわたって膜厚および膜質共に均一になる。
図示は省略するが、図3の流線に対応した噴出口近傍の流速コンタ図を観測したところ、噴出口から音速に近い高速度で噴出したガスはウエハ面上に達してから30mm程度の辺りで大きく減衰し、そこでは既に数m/秒のオーダーになっているのが観察された。
減圧場であることにより、噴射されたガスは噴出口の直後から広く拡散するため、噴射ガスの貫徹力は著しく減衰し流速は極端に遅くなるものと考えられる。この大きな速度勾配および渦の影響を成膜時には強く受けるものと推定することができるため、これらを改善する必要がある。
図4の流線を見ると、ウエハ面上では大きな乱れが発生することなくガスが排気孔まで流れているのを観察することができる。これは次のような理由によると、考察される。
一対のガス導入ノズル22、22の流量およびガス導入ノズル22のノズル面積は図3の場合と同一であるので、一本のガス導入ノズル22からの流量は半分になるため、一本のガス導入ノズル当たりのガスの運動量は半分になる。しかも、ガスは一対のガス導入ノズル22、22の3個で一組の噴出口24a、24b、24cからインナチューブ2内に分散されて噴出されることによって勢いを減衰されるために、ガス導入ノズル22の近傍において大きな渦が発生するのを防止される。さらに、3個で一組の噴出口24a、24b、24cからウエハの主面に対して平行な平面の上に広角に噴出されることによって、ガスの排気口への貫徹力はウエハの主面に対し平行な平面上に広角になるので、ガス導入ノズル22の近傍において大きな渦が発生するのを防止される。
これらにより、ガスの流れの乱れがより一層発生し難くなる。さらに、角部26では付着した膜が剥がれ易く、パーティクルの発生の原因となるが、R面取り部27もしくは近似曲面部28を形成することにより、この剥離現象の発生を防止することができる。
つまり、パーティクルの発生原因をより一層防止することができるので、良質のポリシリコン膜を形成することができるとともに、成膜工程の歩留りの低下を防止することができる。
さらに、本発明に係る半導体装置の製造方法は酸化膜形成方法や拡散方法等の半導体装置の製造方法全般に適用することができる。
Claims (2)
- 基板が搬入されるインナチューブおよびこのインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成されたプロセスチューブと、前記インナチューブ内にガスを導入するガス導入ノズルと、前記プロセスチューブ内を排気する排気口とを備えている基板処理装置において、
前記ガス導入ノズルには複数個の噴出口が開設されており、該複数個の噴出口の開口縁辺部にはR面取り部または近似曲面部が形成されていることを特徴とする基板処理装置。 - 複数枚の基板を保持したボートを処理室に搬入するステップと、
ガスを導入ノズルに導入するステップと、
この導入ノズルに開設された複数個の噴出口の開口縁辺部のR面取り部または近似曲面部を前記ガスが通過するステップと、
前記ガスが前記基板を処理するステップと、
前記ガスが前記処理室を排気する排気口を通過するステップと、
前記ガスの供給を停止するステップと、
前記処理室から前記ボートを搬出するステップと、
を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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