JP2009077121A - リソース管理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モバイル端末がセル間(基地局間)を移動する際にも連続的に通信品質を保証できるようにする。
【解決手段】通信ネットワークに属する複数の基地局の位置関係を示す基地局情報を記憶するデータベース部13と、基地局情報を参照し、モバイル端末が現在収容される基地局に隣接する隣接基地局を特定する基地局特定部(経路特定部)122と、特定した隣接基地局とモバイル端末の通信相手との間の経路についてリソースの確保が可能か否かを判定し、リソースの確保が可能な経路についてリソースを確保するリソース管理部123とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、通信ネットワークにおけるリソースを管理するリソース管理及び方法に関し、特に、移動体通信に対するリソースを管理するリソース管理及び方法に関する。
通信ネットワーク、特にIP(Internet Protocol)ネットワークを利用して音声や映像等のコンテンツを固定端末に提供する場合には、通信路の容量を超える利用要求によって輻輳が発生すると、パケットの損失等にともない通信品質が劣化してしまう。このような通信品質の劣化を防ぐことを目的として、ネットワークレイヤにおけるリソース管理が研究されている。この種のリソース管理の1つに、通信ネットワークを構成するルータとは独立したリソース管理サーバを用いて、通信ネットワークを構成するノード間のリンクのリソース量とその利用状況を管理するとともに、ユーザ端末等からのリソース確保要求に対して適切なリソースを払い出す方式がある。その従来例を以下に説明する。
通信ネットワークの運用開始前に、まず、その通信ネットワーク内のルーティング情報を収集する。このルーティング情報には、通信ネットワーク中の各リンクのリソース量及び接続情報が含まれている。ついで、各リンクの接続情報を基に、固定端末を収容するエッジノード間でパケットが通過する経路を計算し、その計算結果を基に経路情報テーブルを作成する。また、各リンクのリソース容量から、リンク情報テーブルを作成する。このリンク情報テーブルによって、各リンクの総リソース量と、利用可能な残リソース量が管理される。
通信ネットワークの運用開始後にあっては、リソース管理サーバにおいて、固定端末より通信サービスの利用要求(リソース確保要求)を受け付けると、要求された通信の発着IPアドレスを基に、経路情報テーブルを参照して通信の経路及びそれを構成するリンクを特定する。そして、リンク情報テーブルを参照して、特定されたリンクのそれぞれについて当該通信に必要な容量が利用可能か否かをチェックする。
その結果、特定されたすべてのリンクについて十分な容量が利用可能である場合には、リソース確保が可能であると判定し、リソース確保要求に対して許諾応答するとともに、リソースを確保する処理を行う。具体的には、リンク情報テーブルにおいて、特定されたリンクの残リソース量から当該通信に割り当てられる容量を減算する。逆に、いずれかのリンクについて利用可能な容量が不足する場合には、リソース確保が不可能であると判定し、リソース確保要求に対して拒絶応答する(例えば、特許文献1及び非特許文献1を参照)。
リソース確保要求の許諾応答を受けて通信サービスを利用することによって、通信品質が保証される。
その後、通信サービスの利用終了時には、それまで確保していたリソースを速やかに解放する。
特開2003−258855号公報 矢口他、「大規模IP網における管理サーバを用いたリソース管理方式の一提案と具体例」、信学総合大会、B−6−31(2002)
しかし、従来の技術は、固定端末間の通信に対するリソース管理が前提であり、モバイル端末を用いた移動体通信については全く考慮されていない。すなわち、リソース確保されたユーザのモバイル端末が移動体通信のセル間を移動し基地局を切り替えて通信を継続する場合、移動後のセルの基地局から通信相手までの経路についてはリソースが確保されていないので、セル間を移動してからリソース確保処理が完了するまで、通信品質が保証されない期間が発生することになる。その結果、例えばトラフィックが集中する駅前などをユーザが通過したとたんに通信が途切れるといった障害が不意に発生することになる。この問題はユーザが高速で移動するほど顕著になる。
また、モバイル端末を用いた移動体通信においてはこれまでモバイル端末と基地局の間の無線区間でもチャネル確保が重要であった。均等なリソースを必要とする音声の帯域量を扱う場合にはチャネルの積み上げを単純に数をカウントするだけでよかったが、マルチチャネルを利用する場合や映像通信などを行う場合はチャネル毎に均一のリソースではなく、それぞれの映像コーディックや映像トラフィックの特性にマッチした帯域を確保する必要がある。加えて、モバイル端末と基地局間だけでなく、それよりもNW側でのリソースを確保することが重要である。
さらに、リソース管理サーバでは、要求されたリソース量の管理だけでなく、複数のリソース要求に対して、優先制御を行うことで有料ユーザの付加価値を高めるために、リソースの種類(発着IPアドレス、ポート番号、プロトコル)に対する選択的なピンホール制御を行うことが可能である。従来の技術では、リソースの種類を特定したトラフィックをユーザの契約状態など場合によって排除したり許可したりするということはできなかった。この制御によって、より厳密に消費リソースを管理し、また、不正なトラフィックを排除することでNW全体のトラフィックコントロールを実現してNWリソースの有効活用をする。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、モバイル端末がセル間(基地局間)を移動する際にも連続的に通信品質を保証できるようにすることにある。
このような目的を達成するために、本発明にかかるリソース管理装置は、通信ネットワークに属する複数の基地局の位置関係を示す基地局情報を記憶する基地局情報記憶手段と、基地局情報を参照し、モバイル端末が現在収容される基地局に隣接する隣接基地局を特定する基地局特定手段と、特定した少なくとも1つの隣接基地局とモバイル端末の通信相手との間の経路についてリソースの確保が可能か否かを判定し、リソースの確保が可能な経路についてリソースを確保するリソース確保手段とを備えることを特徴とする。ここで、ある基地局に隣接する隣接基地局とは、ある基地局のセルに隣接するセルの基地局のことをいう。
リソース確保手段は、隣接基地局と通信相手との間の経路のうち、リソースが既に確保されているモバイル端末が現在収容される基地局と通信相手との間の経路と異なる部分について、リソースの確保が可能か否かの判定及びリソースの確保を行うものであってもよい。
また、リソース確保手段は、特定したすべての隣接基地局と通信相手との間のすべての経路について、リソースの確保が可能か否かの判定及びリソースの確保を行うものであってもよい。
また、上述したリソース管理装置は、モバイル端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、取得された位置情報を時刻とともに記憶する位置情報記憶手段と、位置情報記憶手段から異なる時刻の2以上の位置情報を読み出し、読み出した位置情報に基づきモバイル端末の移動方向を予測し、モバイル端末が現在収容される基地局から移動する可能性が高い隣接基地局を選択する移動先予測手段とをさらに備え、リソース確保手段は、選択された隣接基地局と通信相手との間の経路について、リソースの確保が可能か否かの判定及びリソースの確保を行うものであってもよい。
また、上述したリソース管理装置は、リソースの確保が不可能な経路がある場合に、この経路につながる隣接基地局をモバイル端末に通知する通知手段をさらに備えていてもよい。
さらに、モバイル端末が基地局間を移動したとき、移動後の基地局に隣接しない基地局につながる経路についてリソースが確保されている場合に、このリソースを解放するリソース解放手段をさらに備えていてもよい。
また、本発明にかかるリソース管理方法は、通信ネットワークに属する複数の基地局の位置関係を示す基地局情報を参照し、モバイル端末が現在収容される基地局に隣接する隣接基地局を特定するステップと、特定した少なくとも1つの隣接基地局とモバイル端末の通信相手との間の経路についてリソースの確保が可能か否かを判定するステップと、リソースの確保が可能な経路についてリソースを確保するステップとを備えることを特徴とする。
ここで、判定するステップは、隣接基地局と通信相手との間の経路のうち、リソースが既に確保されているモバイル端末が現在収容される基地局と通信相手との間の経路と異なる部分について、リソースの確保が可能か否かを判定することもできる。
また、判定するステップは、特定したすべての隣接基地局と通信相手との間のすべての経路について、リソースの確保が可能か否かを判定するようにしてもよい。
また、上述したリソース管理方法は、モバイル端末の位置情報を取得するステップと、取得された位置情報を時刻とともに記憶するステップと、異なる時刻の2以上の位置情報を読み出し、読み出した位置情報に基づきモバイル端末の移動方向を予測し、モバイル端末が現在収容される基地局から移動する可能性が高い隣接基地局を選択するステップとをさらに備え、判定するステップは、選択された隣接基地局と通信相手との間の経路について、リソースの確保が可能か否かを判定するようにしてもよい。
また、上述したリソース管理方法は、リソースの確保が不可能な経路がある場合に、この経路につながる隣接基地局をモバイル端末に通知するステップをさらに備えていてもよい。
さらに、モバイル端末が基地局間を移動したとき、移動後の基地局に隣接しない基地局につながる経路についてリソースが確保されている場合に、このリソースを解放するステップをさらに備えていてもよい。
上述したように、本発明では、モバイル端末が現在収容される基地局と通信相手との間の経路だけでなく、現在収容される基地局に隣接する隣接基地局と通信相手との間の経路についても、予めリソースを確保しておく。これにより、モバイル端末が隣接基地局に移動したときには既にリソース確保が完了した状態になっているので、連続的に通信品質の保証ができるようになる。
また、隣接基地局につながる経路のうち、既にリソースが確保されている経路と異なる部分についてのみ新たにリソースを確保することにより、リソースの重複確保を防止し、リソースの有効活用が可能になる。
ここで、モバイル端末が現在収容される基地局に隣接するすべての隣接基地局について予めリソースを確保しておくことにより、今後モバイル端末がどの方向に移動した場合でも、連続的に通信品質を保証することができる。
一方、モバイル端末の移動方向を予測し、モバイル端末が移動する可能性が高い隣接基地局について予めリソースを確保しておくことにより、モバイル端末が移動する可能性が低い隣接基地局についてのリソース確保が不要となり、リソースの有効活用が可能となる。
また、リソースの確保が不可能な経路がある場合に、この経路につながる隣接基地局をモバイル端末に通知することにより、ユーザはこのまま移動を続けると通信が途切れる可能性があることを知ることができ、通信の担保のための移動停止や移動方向の変更が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
1.第1の実施の形態
1−1.概要
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるリソース管理サーバが適用されるシステムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すリソース管理サーバ(RMS)1は、通信ネットワークNWのリソースを管理するリソース管理装置である。
管理対象となる通信ネットワークNWは、インターネットプロトコル(IP)に基づく通信ネットワークであり、複数のノードと、ノード間を接続する通信回線とから構成されている。図1には、ノードとして、ルータR(R1〜R4)、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等のモバイル端末Mの接続を制御する基地局BS(BS1〜BS4)、複数の基地局BSを収容してルータRに接続するスイッチングハブSW(SW1,SW2)が示されている。ルータR間の通信回線をリンクL(L1〜L3)、基地局BSとスイッチングハブSWとの間及び固定端末T(T1〜T3)とルータRとの間の通信回線をアクセスラインAL(AL1〜AL4,AL11〜AL13)、スイッチングハブSWとルータRとの間の通信回線をアクセス集線ラインALC(ALC1〜ALC3)という。
モバイル端末Mで通信可能なエリアは、複数のセルC(C11〜C13,C21〜C23,C31〜C33,C41〜C43)に分割され、離れたセルで同じ周波数の電波を繰り返し使えるようになっている。ここでは、各基地局BSがそれぞれ3つのセルを担当するものとする。具体的には、基地局BS1がセルC11〜C13を、基地局BS2がセルC21〜C23を、基地局BS3がセルC31〜C33を、基地局BS4がセルC41〜C43を担当するものとする。
通信ネットワークNWのリソースとは、通信を行う2つの端末間の経路を構成するリンク、アクセスライン、アクセス集線ラインにおいて、課金によって所定時間払い出される容量のことをいう。連続課金によって容量の払い出しを継続することができる。
リソース管理サーバ1は、モバイル端末M及びこのモバイル端末Mを収容する基地局BSからの各種メッセージを、アプリケーションサーバ(AS)2を介して受け付ける。これらのメッセージには、モバイル端末Mと他の端末との間で行う通信に必要なリソースの確保を要求するリソース確保要求メッセージ、モバイル端末Mがあるセルから他のセルに移動したことを通知する端末移動通知メッセージ、確保されたリソースの解放を要求するリソース解放要求メッセージ等がある。
リソース確保要求メッセージには、メッセージの種類を示すメッセージ番号、通信を行う2つの端末の識別子(例えばIPアドレス)、モバイル端末Mを収容する基地局BSの識別子(例えば基地局ID)、通信に必要な容量、モバイル端末Mが現在属するセルを表すプレーブ情報等の情報が付加される。
端末移動通知メッセージには、メッセージの種類を示すメッセージ番号、モバイル端末Mが移動後に属するセルを表すプレーブ情報、リソース確保要求に応じて確保されたリソースを特定する識別子(例えばリソースID、ユーザID)等の情報が付加される。
リソース解放要求メッセージには、メッセージの種類を示すメッセージ番号、リソース確保要求に応じて確保されたリソースを特定する識別子(例えばリソースID、ユーザID)等の情報が付加される。
1−2.リソース管理サーバ1の構成
リソース管理サーバ1は、通信機能を有するコンピュータからなる。以下に説明するリソース管理サーバ1の諸機能は、演算装置(MPU)や記憶装置(ROM及びRAM等の内部メモリの他、HDD等の外部記憶装置を含む)等のコンピュータのハードウェア資源とこのコンピュータにインストールされたコンピュータ・プログラム(ソフトウェア)とが協働することによって実現される。
図2は、リソース管理サーバ1の機能ブロック図である。
図2に示すように、リソース管理サーバ1は、送受信部11と、制御部12と、データベース部13とを有する。
ここで、送受信部11は、通信インターフェースを備え、アプリケーションサーバ2との間で各種メッセージを送信及び受信する。具体的には、アプリケーションサーバ2から送られてくるリソース確保要求、端末移動通知、リソース解放要求等のメッセージを受信し、その応答のメッセージをアプリケーションサーバ3に送信する。
制御部12は、受信されたメッセージに応じて、通信ネットワークNWのリソース管理を行う。
データベース部13は、制御部12によるリソース管理に必要な各種情報を記憶する。
1−2−1.制御部12
制御部12は、メッセージ解析部121と、経路特定部122と、リソース管理部123と、応答処理部124とを有する。
ここで、メッセージ解析部121は、送受信部11で受信したメッセージから各種情報を抽出して解析する。
経路特定部122は、メッセージ解析部121による解析結果に基づき、リソース確保が要求された経路を特定する。リソース確保を要求した端末がモバイル端末Mである場合には、まずこのモバイル端末Mが現在属するセル(例えばセルC42)の基地局BS(例えば基地局BS4)を特定し、特定した基地局BSから通信相手(例えば端末T1)までの経路を特定する。さらに、上記モバイル端末Mが現在属するセルに隣接するすべての隣接セル(例えばセルC13,C21,C23,C31,C43,C41)の基地局BS(例えば基地局BS1,BS2,BS3,BS4)を特定し、これらの基地局BSから通信相手(例えば端末T1)までの経路を特定する。
リソース管理部123は、経路特定部122によって特定された経路についてリソース確保が可能か否かを判定し、リソース確保が可能な経路についてリソースを確保する。リソース確保を要求した端末がモバイル端末Mである場合には、上述したモバイル端末Mが現在属するセルの基地局BSにつながる経路と、隣接セルの基地局BSにつながるすべての経路の両方についてリソースを確保する。また、メッセージ解析部121による解析結果に基づき、要求された経路に確保されているリソースを解放する。
応答処理部124は、リソース管理部123によるリソース確保可否の判定に応じて、リソース確保要求を許諾する旨の応答又は拒絶する旨の応答を行う。さらに、リソース確保を要求した端末がモバイル端末Mである場合に、隣接セルの基地局BSにつながる経路の中にリソースの確保が不可能な経路があれば、この経路に対応する隣接セルをモバイル端末Mに通知する。
1−2−2.データベース部13
データベース部13は、アドレスリストと、経路情報テーブルと、通信回線情報テーブルと、セル情報テーブルと、リソース管理テーブルとを記憶する。
ここで、アドレスリストは、通信ネットワークNW内の固定端末T1〜T3のIPアドレスのリストである。例えば図3に示すアドレスリスト131のように、固定端末T1〜T3のIPアドレス「端末IPアドレス」、各固定端末を収容するエッジノードの識別子「端末収容エッジノードID」(例えば、固定端末T1を収容するルータR3のID)からなる。
経路情報テーブルは、ネットワークNW内のあるエッジノードから他のエッジノードに至る経路を示すテーブルである。固定端末T1〜T3を収容するエッジルータの他、モバイル端末Mを収容する基地局BSもエッジノードとなり得る。例えば図4に示す経路情報テーブル132のように、通信ネットワークNW内の全経路の識別子「経路ID」、経路の起点となるエッジノードの識別子「発側エッジノードID」、経路の終点となるエッジノードの識別子「着側エッジノードID」、経路を構成する各通信回線(リンクL、アクセスラインAL、アクセス集線ラインALC)の識別子「通信回線IDのリスト」からなる。
通信回線情報テーブルは、通信ネットワークNW内の通信回線の情報を示すテーブルである。例えば図5に示す通信回線情報テーブル133のように、通信ネットワークNW内の全通信回線(リンクL、アクセスラインAL、アクセス集線ラインALC)の識別子「通信回線ID」、通信回線の総リソース量「総リソース量」、通信回線の使用可能な残リソース量「残リソース量」からなる。
セル情報テーブルは、通信ネットワークNW内の基地局BSのセルの情報を示すテーブルである。例えば図6に示すセル情報テーブル134のように、セルの識別子「セルID」、セルの範囲を経度緯度で示す情報「位置情報」、セルの基地局の識別子「基地局ID」、当該セルに隣接する隣接セルの識別子「隣接セルIDのリスト」からなる。
リソース管理テーブルは、リソースの確保状況を示すテーブルである。例えば図7に示すリソース管理テーブル135のように、リソース確保要求に応じて確保されたリソースを特定する識別子「リソースID」、確保要求されたリソース量「要求リソース量」、「セルID」、「経路ID」、「隣接セルの帯域予約情報」からなる。
ここで、「セルID」は、確保要求した端末がモバイル端末Mである場合に書き込まれる情報であり、そのモバイル端末Mが現在属するセルのIDである。
「経路ID」は、確保要求された経路のIDである。確保要求した端末がモバイル端末Mである場合には、このモバイル端末Mを収容する基地局BSと通信相手との間の経路の識別子となる。
「隣接セルの帯域予約情報」は、確保要求した端末がモバイル端末Mである場合に書き込まれる情報であり、そのモバイル端末Mが現在属するセルに隣接する隣接セルの帯域予約状況を示す。ここで、隣接セルの帯域予約とは、隣接セルの基地局BSと通信相手との間の経路についてリソースを確保することをいう。例えば、帯域予約に成功した隣接セルのIDと、この隣接セルの基地局BSにつながる経路のIDが書き込まれる。
1−3.リソース管理サーバ1の動作
1−3−1.最初にリソースを確保するときの動作
まず、図8及び図9を参照し、モバイル端末Mが固定端末(以下「配信サーバ」という)T1による映像配信サービスを利用する際に、リソース管理サーバ1が通信ネットワークNWにおいて必要な容量のリソースを確保する動作について説明する。
図1に示したように、ユーザがセルC42内にいるとき(すなわちユーザのモバイル端末MがセルC42に属するとき)、モバイル端末Mから配信サーバT1による映像配信サービスの利用要求を送信すると、この利用要求はセルC42の基地局BS4を介してアプリケーションサーバ2に届けられる。
この利用要求を受けたアプリケーションサーバ2は、リソース確保要求メッセージを作成し、リソース管理サーバ1に送信する。このリソース確保要求メッセージには、このメッセージがリソース確保要求であることを示すメッセージ番号、映像配信を行う発端末としての配信サーバT1のIPアドレス、映像配信を受ける着端末としてのモバイル端末MのIPアドレス、モバイル端末Mを収容する基地局BS4の基地局ID、映像配信に必要な容量(要求リソース量)、モバイル端末Mが現在セルC42に属することを表すプレーブ情報が付加されている。
リソース確保要求メッセージを送受信部11で受信したリソース管理サーバ1では、制御部12の各部121〜124が次のように動作する(ステップS1,YES)。
まず、メッセージ解析部121が、受信したメッセージに付加されているメッセージ番号から、このメッセージが「リソース確保要求」であると判断する(ステップS2,YES)。さらに、メッセージに付加されているその他の情報を抽出する(ステップS3)。
ついで、経路特定部122が、図3に示したアドレスリスト131を参照し、メッセージから抽出された配信サーバT1のIPアドレスをキーにして、配信サーバT1を収容するエッジノードを検索し、発側エッジノードがルータR3であることを知る。モバイル端末Mは基地局BS4に収容されているから、着側エッジノードは基地局BS4であることがわかる。そこで、図4に示した経路情報テーブル132を参照し、ルータR3と基地局BS4との間の通信ネットワークNWにおける経路を検索し、この経路がリンクL2、リンクL1、アクセス集線ラインALC1、アクセスラインAL4からなることを知る(ステップS4)。
ついで、リソース管理部123が、図5に示した通信回線情報テーブル133から通信回線L2,L1,ALC1,AL4のそれぞれの現在の残リソース量を読み出し、要求リソース量との大小を比較する。その結果、通信回線L2,L1,ALC1,AL4のすべての残リソース量が要求リソース量よりも大きい場合には、リソース確保が可能であると判定する(ステップS5,YES)。
この場合には、リソース管理部123が、ルータR3と基地局BS4との間の経路について、リソースを確保する処理を行う(以下「ルータR3と基地局BSとの間の経路」を「基地局BSにつながる経路」と略記する場合がある)。具体的には、まず、リンクL2の現在の残リソース量から要求リソース量を減算し、その減算結果をリンクL2の新たな残リソース量として通信回線情報テーブル133に書き込む。リンクL1、アクセス集線ラインALC1、アクセスラインAL4についても同様の処理を行う。これにより、映像配信に必要な容量のリソースが確保される(ステップS6)。
このとき、リソース管理部123が、確保したリソースに対してリソースIDを付与し、このリソースIDととも要求リソース量、セルC42のID、及び、セルC42の基地局BS4とルータR3との間の経路のIDを図7に示したリソース管理テーブル135に書き込む。
その後、応答処理部124が、リソース確保を許諾する旨の応答メッセージを作成し、送受信部11からアプリケーションサーバ2に送信する(ステップS7)。この応答メッセージには、リソースIDが付加される。
許諾応答を受けたアプリケーションサーバ2は、応答メッセージに付加されたリソースIDをモバイル端末Mに通知するとともに、配信サーバT1による映像配信サービスの利用を許可し、その通信品質を保証する。これにより、配信サーバT1からモバイル端末Mへの高品質な映像配信が開始される。
このようにリソース管理サーバ1において、ユーザが現在いるセルC42の基地局BS4につながる経路についてリソース確保に成功した場合には、ユーザがセルC42からその隣接セルへの移動時に連続的な通信品質の保証を受けられるように、隣接セルの帯域予約を行う。
まず、経路特定部122が、図6に示したセル情報テーブル134を参照し、ユーザのモバイル端末Mが現在属するセルC42をキーにして、セルC42に隣接する隣接セル及びその基地局BSを検索する。これにより、セルC42にはセルC13,C21,C23,C31,C43,C41が隣接し、セルC13の基地局がBS1、セルC21,C23の基地局がBS2、セルC31の基地局がBS3、セルC43,C41の基地局がBS4であることを知る(ステップS8)。
これらの基地局BSのうち、基地局BS4はモバイル端末Mが現在属するセルC42の基地局であり、基地局BS4につながる経路については既にリソースが確保されている。従って、その他の基地局BS1〜BS3につながる経路についてリソース確保を試みる(ステップS9〜S14)。なお、ここでリソース確保を試みる経路は3つあるから、ステップS13のnは「3」となる。
第1に、基地局BS1につながる経路についてリソース確保を試みる(ステップS9)。
具体的には、まず、経路特定部122が、図4に示した経路情報テーブル132を参照し、配信サーバT1を収容するルータR3と基地局BS1との間の通信ネットワークNWにおける経路を検索し、この経路がリンクL2、リンクL1、アクセス集線ラインALC1、アクセスラインAL1からなることを知る(ステップS10)。
ここで、リンクL2、リンクL1、アクセス集線ラインALC1については既にリソースが確保されているので、まだリソースが確保されていないアクセスラインAL1についてのみリソース確保を試みる。すなわち、リソース管理部123が、図5に示した通信回線情報テーブル133からアクセスラインAL1の現在の残リソース量を読み出し、要求リソース量との大小を比較する。その結果、アクセスラインAL1の残リソース量が要求リソース量よりも大きい場合には、リソース確保が可能であると判定する(ステップS11,YES)。この場合には、アクセスラインAL1の残リソース量から要求リソース量を減算し、その減算結果で通信回線情報テーブル133のアクセスラインAL1の残リソース量を更新する。これにより、基地局BS1につながる経路についてのリソースを確保でき、基地局BS1のセルC13の帯域予約が完了する(ステップS12)。
このように、隣接セルの帯域予約に成功した場合には、帯域予約に成功したセルC13のIDと、そのセルC13の基地局BS1につながる経路のIDを、図7に示したリソース管理テーブル135のリソースIDに対応する「隣接セルの帯域予約情報」に書き込む。
第2に、基地局BS2につながる経路についてリソース確保を試みる(ステップS13,NO、ステップS14)。この経路については、既にリソースが確保されている基地局BS4につながる経路とはアクセス集線ラインALC2、アクセスラインAL2が異なるので、この部分のみについてリソース確保を試みることになる。リソースを確保できた場合には、基地局BS2のセルC21,C23の帯域予約が完了する(ステップS10〜S12)。
第3に、基地局BS3につながる経路についてリソース確保を試みる(ステップS13,NO、ステップS14)。基地局BS2につながる経路についてリソースが確保されなかった場合には、アクセス集線ラインALC2、アクセスラインAL3について、また基地局BS3につながる経路についてリソースが確保された場合には、アクセスラインAL3のみについてリソース確保を試みることになる。これらのリソースを確保できた場合には、基地局BS3のセルC31の帯域予約が完了する(ステップS10〜S12)。
このようにして3つの経路についてリソース確保を試みた結果(ステップS13,YES)、リソースを確保できず帯域予約に失敗した隣接セルがある場合には(ステップS15,YES)、帯域予約に失敗した隣接セルのIDを付加した帯域予約失敗メッセージを応答処理部124が作成し、送受信部11からアプリケーションサーバ2に送信する(ステップS16)。例えば、セルC31の帯域予約に失敗した場合には、セルC31のIDを付加したメッセージを作成して送信する。
アプリケーションサーバ2は、受信した帯域予約失敗メッセージを、モバイル端末Mに転送する。
なお、ステップS5において通信回線L2,L1,ALC1,AL4の残リソース量と要求リソース量との大小を比較した結果、いずれかの通信回線の残リソース量が要求リソース量よりも小さいときには、リソース管理部123はリソース確保が不可能であると判定する(ステップS5,NO)。
この場合には、応答処理部124が、リソース確保を拒絶する旨の応答メッセージを作成し、送受信部11からアプリケーションサーバ2に送信する(ステップS17)。拒絶応答を受けたアプリケーションサーバ2は、モバイル端末Mに対し、通信品質を保証した映像配信サービスの利用を拒絶する。
以上により、最初にリソース確保するとき一連の処理が終了する。
以上のように、モバイル端末Mが現在属するセルC42の隣接セルの帯域を予約しておくことにより、その隣接セルにユーザが移動したときには、隣接セルの基地局BSにつながる経路について既にリソース確保が完了した状態になっているので、ユーザは連続的な通信品質の保証を受けることができる。
特に、すべての隣接セルC13,C21,C23,C31,C43,C41の帯域を予約しておくことにより、今後ユーザがどの方向に移動した場合でも、連続的な通信品質の保証を受けることが可能となる。
また、隣接セルの帯域予約の際に、隣接セルC13,C21,C23,C31,C43,C41の基地局BS1〜BS4につながる経路のうち、既にリソースが確保されている基地局BS4につながる経路と異なる部分についてのみ新たにリソースを確保することにより、リソースの重複確保を防止し、リソースの有効活用が可能になる。
さらに、帯域予約に失敗した隣接セルがある場合に、この隣接セルをモバイル端末Mに通知することにより、ユーザはこのまま移動を続けると通信が途切れる可能性があることを知ることができ、通信の担保のための移動停止や移動方向の変更が可能となる。
ユーザのモバイル端末Mが携帯電話や無線LANやセンサを併用するマルチプルシステムの場合には、セル間移動の際の通信手段の切り替え(例えば、携帯電話から無線LANへの切り替え)の可能性も示唆することができる。
1−3−2.ユーザがセル間を移動したときの動作
次に、図8〜図10を参照し、ユーザがセル間を移動したときのリソース管理サーバ1の動作について説明する。
ユーザがセルC42からセルC23に移動したとすると、ユーザのモバイル端末MからセルC23の基地局BS2にリソースIDが送付される。なお、ユーザと基地局の間では定期的にポーリングを行っているので、そのポーリングの際に、リソース確保中は定期的にリソースIDを送信してもよい。このリソースIDは、図8のステップS7でリソース管理サーバ1から送信された応答メッセージに付加されたものである。
リソースIDを付加したメッセージを送信された基地局BS2は、送付されたリソースIDを付加した端末移動通知メッセージを作成し、アプリケーションサーバ2を介してリソース管理サーバ1に送信する。端末移動通知メッセージには、リソースIDの他に、このメッセージが端末移動通知であることを示すメッセージ番号、移動後にモバイル端末Mを収容する基地局BS2の基地局ID、モバイル端末Mが移動後にセルC23に属することを表すプレーブ情報が付加されている。
端末移動通知メッセージを送受信部11で受信したリソース管理サーバ1では、制御部12の各部121〜124が次のように動作する(ステップS1,YES)。
まず、メッセージ解析部121が、受信したメッセージに付加されているメッセージ番号から、このメッセージが「端末移動通知」であると判断する(ステップS2,NO、ステップS21,YES)。さらに、メッセージに付加されているその他の情報を抽出する(ステップS22)。
ついで、リソース管理部123が、図7に示したリソース管理テーブル135を参照し、メッセージから抽出されたリソースIDをキーにして、モバイル端末Mからのリソース確保要求によって帯域予約された隣接セルを検索し、移動後のセルC23の帯域が予約済みであるか否かをチェックする。
その結果、セルC23の帯域が予約済みである場合には(ステップS23,YES)、移動前のセルC42と移動後のセルC23との間で、モバイル端末Mが現在属するセルとその隣接セルという立場が入れ替わったので、これが反映されるようにリソース管理テーブル135の内容を更新する。具体的には、まず、当該リソースIDに対応する「セルID」をセルC23のIDに書き換え、「経路ID」をセルC23の基地局BS2につながる経路のIDに書き換える。また、「隣接セルの帯域予約情報」に書き込まれているセルC23のID及び対応する経路のIDを、セルC42のID及び対応する経路のIDに書き換える。後は、セルC23に隣接する隣接セルについての帯域予約処理を行えばよい。
まず、経路特定部122が、図6に示したセル情報テーブル134を参照し、セルC23のIDをキーにして、セルC23に隣接する隣接セル及びその基地局BSを検索する。その結果、セルC23にはセルC21,C22,C32,C31,C42等が隣接し、セルC21,C22の基地局がBS2、セルC32,C31の基地局がBS3、セルC42の基地局がBS4であることを知る(ステップS24)。これにより、移動前に隣接セルであったセルC13が隣接セルではなくなり、セルC13の帯域予約が不要になったことがわかる。
そこで、リソース管理部123が、図7に示したリソース管理テーブル135を参照し、帯域予約が不要となったセルC13の帯域が予約済みであるか否かをチェックする。具体的には、当該リソースIDに対応する「隣接セルの帯域予約情報」に、セルC13のIDが書き込まれているか否かによって、判断することができる。
セルC13の帯域が予約済みである場合には(ステップS25,YES)、帯域予約を解除する。すなわち、セルC13の基地局BS1につながる経路について確保されているリソースを解放する。このとき、基地局BS1につながる経路のうち、移動後のセルC23又はその隣接セルの基地局につながる経路のいずれとも異なる部分、すなわちアクセスラインAL1に確保されたリソースのみを解放する。具体的には、図5に示した通信回線情報テーブル133から読み出したアクセスラインAL1の現在の残リソース量に、リソース管理テーブル135の当該リソースIDの欄から読み出した要求リソース量を加算し、その加算結果で通信回線情報テーブル133を更新する(ステップS26)。
ついで、ユーザの移動によって新たに隣接セルとなったセル(例えば、セルC22,C32)や、前回の帯域予約処理(図9のステップS8〜S14)で帯域予約に失敗した隣接セルなど、未予約の隣接セルがある場合には、これらの隣接セルの帯域予約を行う。具体的な処理は上述した図9のステップS9〜S16と同様であるから、その説明は省略する。
一方、ステップS23においてモバイル端末Mが移動したセル23の帯域が予約済みでない場合には(ステップS23,NO)、セル23の基地局BS2と配信サーバT1を収容するルータR3との間の経路について、リソースを確保する処理を行う(ステップS28〜S32)。具体的な処理は上述した図8のステップS4〜S7,S17と同様である。ただし、リソースの重複確保を避けるため、既にリソースが確保されている経路と異なる部分についてのみリソースを確保すればよい。
また、移動前のセルC42は移動後のセルC23の隣接セルとなるので、当該リソースIDに対応する「隣接セルの帯域予約情報」にセルC42のID及び対応する経路のIDを書き込む。その後、上述したセルC23に隣接する隣接セルについての帯域予約処理を行う(ステップS24〜S27)。
以上により、モバイル端末Mのユーザがセル間を移動したときの一連の処理が終了する。
1−3−3.確保されたリソースを解放するときの動作
次に、図8〜図11を参照し、配信サービスT1からモバイル端末Mへの映像配信が終了した後に、リソース管理サーバ1が映像配信のために確保されていたリソースを解放する動作について説明する。
ユーザがセルC23内にいるとき、ユーザのモバイル端末Mから配信サーバT1による映像配信の終了通知を送信すると、この終了通知はセルC23の基地局BS2を介してアプリケーションサーバ2に届けられる。
この終了通知を受けたアプリケーションサーバ2は、リソース解放要求メッセージを作成し、リソース管理サーバ1に送信する。このリソース解放要求メッセージには、このメッセージがリソース解放要求であることを示すメッセージ番号、及びリソースIDが付加されている。このリソースIDは、図8のステップS7でリソース管理サーバ1から送信された応答メッセージに付加されたものである。
このリソース解放要求メッセージを送受信部11で受信したリソース管理サーバ1では、制御部12の各部が次のように動作する(ステップS1,YES)。
まず、メッセージ解析部121が、受信したメッセージに付加されているメッセージ番号から、このメッセージが「リソース解放要求」であると判断する(ステップS2,NO、ステップS21,NO、ステップS41,YES)。さらに、メッセージに付加されているリソースIDを抽出する。
ついで、リソース管理部123が、現在確保されているすべてのリソースを解放する処理を行う。
具体的には、まず、図7に示したリソース管理テーブル135を参照し、リソース解放要求メッセージから抽出したリソースIDに対応する「経路ID」、すなわちモバイル端末Mが現在属するセルC23の基地局BS2につながる経路のIDを取得する。また、当該リソースIDに対応する「隣接セルの帯域予約情報」から、セルC23に隣接する隣接セルのうち、帯域予約済みのセルの基地局BSにつながる経路のIDを取得する。
そして、図4に示した経路情報テーブル132を参照し、取得したすべての経路IDをキーにして、これらの経路を構成する通信回線を検索する。
さらに、検索したすべての通信回線について、図5に示した通信回線情報テーブル133から現在の残リソース量を読み出し、これらの残リソース量にリソース管理テーブル135から読み出した要求リソース量を加算し、その加算結果をそれぞれの通信回線の新たな残リソース量として通信回線情報テーブル133に書き込む。例えば、モバイル端末Mが現在属するセルC23に隣接するセルC21,C22,C32,C31,C42のすべてが帯域予約済みの場合には、リンクL1,L2、アクセス集線ラインALC1,ALC2、アクセスラインAL2〜AL4のそれぞれの残リソース量に要求リソース量を加算し、その加算結果で通信回線情報テーブル133の内容を更新する。
その後、リソース管理テーブル135から、当該リソースID及びこのリソースIDに対応する各情報を削除する。
これにより、モバイル端末Mが現在属するセルC23の基地局BS2と配信サーバT1を収容するルータR3との間の経路に確保されていたリソースを解放する処理と、セルC23に隣接する隣接セルへの帯域予約を解除する処理が完了し(ステップS42)、一連の解放処理が終了する。
なお、ユーザが一定期間以上移動しない場合、一定期間利用しない場合、又は、一時的に電波状態が悪くなった場合を考慮して、リソース予約時間は、コンフィグレーションで定められた一定期間としてもよい。その場合、一定期間満了した予約リソースは、タイムアウトする。タイムアウトした場合には、これらのリソースを開放する。タイムアウト後のリソースの継続確保は新規要求と同一とする。タイムアウト前や、再度リソース要求をする場合は、重複リソースの判定を行い予約済みであるか否か、又は、確保済みか否かをチェックする。また、前回の帯域予約処理で失敗した隣接セルなど、未予約の隣接セルがある場合には、これらの隣接セルの帯域予約を行う。2本目のリソース要求に対しては、リソースの種類(発着IPアドレス、ポート番号、プロトコル)が異なる場合は異なるリソースIDとして扱う。
1−4.変形例
1−4−1.経路の残リソースフラグ
図8のステップS5(及び図9のステップS11)のリソース確保が可能か否かの判定に、経路の残リソースフラグを用いることができる。この残リソースフラグは、経路の残リソース量と予め設定された閾値との大小を表す。閾値は、残リソース量に十分余裕があるとされる最小の値であり、リソース管理サーバ1の保守者によって適宜設定される。各経路の残リソースフラグは経路情報テーブル132に設定され、例えば残リソース量が閾値よりも小さい通信回線を含む経路には残リソースフラグがセットされ、残リソース量が閾値以上の通信回線しか含まない場合には残リソースフラグがリセットされる。
経路特定部122が、図8のステップS4(及び図9のステップS10)で経路を特定したとき、その経路の残リソースフラグがリセットされている場合には、残リソース量に十分余裕があるから、要求リソース量にかかわらず、リソース確保可能であると判定することができる。従って、経路を構成するすべての通信回線について残リソース量をチェックせずに、短時間でリソース確保が可能と判定し、直ちにリソース確保を許諾する旨の応答メッセージを送信できる。これにより、配信サーバT1からモバイル端末Mへの映像配信開始時間を早くできる。このため、例えばザッピングを行って映像コンテンツを選択する場合にも、ユーザに不快感を与えなくて済むようになる。
ただし、経路の残リソースフラグを用いる場合には、図8のステップS6及び図9のステップS12のリソース確保処理を行ったときに、必要に応じて残リソースフラグを更新しなければならない。すなわち、リソース確保処理の結果、経路を構成するいずれかの通信回線の残リソース量が閾値を下回ったときには、その経路に残リソースフラグをセットする。
また、残リソースフラグのセットされている経路について図11のステップS42及び図10のステップS26のリソース解放処理を行ったときにも、必要に応じて残リソースフラグを更新しなければならない。すなわち、リソース解放処理の結果、経路を構成するすべての通信回線の残リソース量が閾値以上となったときには、その経路に残リソースフラグをリセットする。
なお、図8のステップS4(及び図9のステップS10)で経路を特定したとき、その経路に残リソースフラグがセットされている場合には、通常どおりリソース確保の可否判定を行う。
1−4−2.経路の輻輳状態フラグ
図8のステップS5(及び図9のステップS11)のリソース確保が可能か否かの判定に、経路の輻輳状態フラグを用いることができる。この輻輳状態フラグは、輻輳状態を数値化した指数(輻輳指数)と予め設定された閾値との大小を表す。輻輳指数のデータは、通信ネットワークNWの各ノードからリソース管理サーバ1に送られてくる。閾値は、輻輳状態ではないとされる最大の値であり、リソース管理サーバ1の保守者によって適宜設定される。各経路の輻輳状態フラグは経路情報テーブル132に設定され、例えば輻輳指数が閾値よりも大きい通信回線を含む経路には輻輳状態フラグがセットされ、輻輳指数が閾値以下の通信回線しか含まない場合には輻輳状態フラグがリセットされる。
経路特定部122が、図8のステップS4(及び図9のステップS10)で経路を特定したとき、その経路の輻輳状態フラグがリセットされている場合には、輻輳状態ではないから、要求リソース量にかかわらず、リソース確保可能であると判定することができる。従って、経路を構成するすべての通信回線について残リソース量をチェックせずに、短時間でリソース確保が可能と判定し、直ちにリソース確保を許諾する旨の応答メッセージを送信できる。図8のステップS6のリソース確保処理は、応答メッセージを送信した後に行えばよい。
なお、図8のステップS4(及び図9のステップS11)で経路を特定したとき、その経路に輻輳状態フラグがセットされている場合には、通常どおりリソース確保の可否判定を行う。
上述した残リソースフラグ及び輻輳状態フラグをリソース管理サーバ1の保守端末にGUI表示できるようにしてもよいし、またユーザのモバイル端末Mに通知できるようにしてもよい。
2.第2の実施の形態
上述した本発明の第1の実施の形態では、すべての隣接セルについて帯域予約処理を行っているが、第2の実施の形態では、リソース管理サーバでモバイル端末Mの移動方向を予測し、モバイル端末Mが現在属するセルから移動する可能性が高い隣接セルを選択して帯域予約処理を行うものである。
リソース管理サーバでモバイル端末Mの移動方向を予測するには、モバイル端末Mの時系列的な位置情報が必要となる。よって、本実施の形態では、モバイル端末Mがその時々の位置及び時刻の情報を定期的にリソース管理サーバに送信する機能を有するものとする。例えば、モバイル端末MがGPS(Global Positioning Systems)による位置測定機能を有する場合には、この機能によって得られた経度緯度情報をモバイル端末Mの位置情報として用いることができる。
図12は、本実施の形態にかかるリソース管理サーバの機能ブロック図である。この図では、図2に示した構成要素と同一部分を、図2と同一符号で示している。図12に示すリソース管理サーバ1Aは、送受信部11と、制御部12Aと、データベース部13Aとを有する。制御部12Aはさらに、メッセージ解析部121Aと、経路特定部122と、リソース管理部123と、応答処理部124と、移動先予測部125とを有する。
ここで、メッセージ解析部121Aは、第1の実施の形態におけるメッセージ解析部121の機能に加えて、モバイル端末Mから定期的に送られてくる位置及び時刻の情報を取得し、データベース13Aの位置情報テーブルに書き込む機能を有する。位置情報テーブル13Aは、それぞれのモバイル端末に対して個別に作成される。例えば図13に示す位置情報テーブル136のように、モバイル端末Mの位置情報「位置情報」、位置情報がモバイル端末Mで生成された時刻「時刻」からなる。モバイル端末から位置及び時刻の情報が送られてくる度に、これらの情報が位置情報テーブル136に順次追加されていく。
移動先予測部125は、位置情報テーブル136から異なる時刻の2以上の位置情報を読み出し、読み出した位置情報に基づきモバイル端末Mの移動方向を予測し、モバイル端末Mが現在属するセルから移動する可能性が高い隣接セルを選択し、移動先セルと予測する。
移動先予測部125は、隣接セルの帯域予約処理を行うときに動作する。具体的には、モバイル端末Mからの映像配信サービスの利用要求に基づくリソース確保要求メッセージを受けたときと、モバイル端末Mのセル間移動に基づく端末移動通知メッセージを受けたときである。
リソース確保要求メッセージを受けたときには、移動先予測部125は、位置情報テーブル136に2以上の位置情報が書き込まれるのを待ち、2以上の位置情報が書き込まれたときにこれらの位置情報を読み出し、読み出した位置情報からモバイル端末Mの過去の移動方向を計算し、その結果からモバイル端末Mの今後の移動方向を予測する。
ついで、図9のステップS8と同様に、図6に示したセル情報テーブル134を参照し、モバイル端末Mが現在属するセルC42のIDをキーにして、セルC42に隣接する隣接セル及びその基地局BSを検索する。さらに、セルC42の位置情報とすべての隣接セルの位置情報を読み出し、セルC42を中心にしたそれぞれの隣接セルの位置関係を計算する。そして、モバイル端末Mの移動方向の予測結果に基づき、モバイル端末MがセルC42から移動する可能性の高い隣接セルを選択し、移動先セルと予測する。例えば図1において、モバイル端末Mが白抜き矢印方向(右方向)に移動すると予測した場合には、セルC42から見てその方向にあたるセルC23を移動先セルと予測する。白抜き矢印を基準に上下それぞれ60°の角度範囲に移動すると予測した場合には、セルC21,C23,C31を移動先セルと予測する。
本実施の形態では、このようにして移動先セルと予測されたセルについて、図9のステップS9〜S14に相当する帯域予約処理が行われる。
一方、端末移動通知メッセージを受けたときには、移動先予測部125は、位置情報テーブル136から2以上の位置情報を時刻が若い方から順に読み出す。後はリソース確保要求メッセージと受けたときと同様に、読み出した位置情報に基づきモバイル端末Mの今後の移動方向を予測し、モバイル端末Mが移動する可能性が高い隣接セルを選択し、移動先セルと予測する。
このような移動先セルの予測結果に基づいて、図10のステップS25,S26に相当する帯域予約解除処理、図10のステップS27ないし図9のステップS9〜S14に相当する帯域予約処理が行われる。
例えばユーザがセルC42からC23に移動したとすると、移動後に移動前のセルC42の基地局BS4のすべてのセルが移動先セルと予測されなかった場合には、この基地局BS4につながる経路について確保されていたリソースを解放する処理を行う。ただし、基地局BS4につながる経路のうち、移動後のセルC23又は移動先セルと予測された隣接セルの基地局につながる経路のいずれとも異なる部分のみ解放すればよい。
その他の部分については、第1の実施の形態とほぼ同じであるから、説明を省略する。
以上のように、モバイル端末Mが移動する可能性が高い隣接セルのみ帯域を予約しておくことにより、モバイル端末が移動する可能性が低い隣接セルの基地局につながる経路についてのリソース確保が不要となり、リソースの有効活用が可能となる。また、モバイル端末Mが移動する可能性が高い隣接セルについては帯域予約されるので、ユーザは高い確率で連続的な通信品質の保証を受けることができる。なお、本実施の形態ではモバイル端末Mの位置情報としてGPSによる位置測定機能によって得られた経度緯度情報を用いる例を示したが、上述したプレーブ情報をモバイル端末Mの位置情報として用いることも可能である。
ここで、モバイル端末Mが移動する可能性が高い隣接セルの算出に用いられる分布関数P(θ)を求める方法について説明する。
図1に示すように進行方向として6通り(図中の矢印)ある。太い白矢印で示された最も確率の高い進行方向に対して基地局ノードはBS2とBS3が存在する。モバイル端末MがC23にすすむ場合は、BS2のノードに収容され、C31にすすむ場合はBS3のノードに収容される必要があり、それぞれAL2及びAL3のリリースを確保する必要がある。現在収容されるSWが異なるため、いずれの方向にすすむにしろ、ALC2のリソースを確保する必要がある。
まず、最も確率の高い進行方向を決定する方法の例を示す。
1つは、ユーザ情報とGPSの移動履歴を点と線で保存したもの(GPSによる位置情報はNational Marine Electronics Association)NMEA0183standardに従ってって出力される情報を用いることができる。)地下鉄の入出履歴を記録したものなどをユーザ情報に結びつけた行動履歴に基づく、行動モデルを用いて決定する方法がある。
その行動モデルに基づく方法の例としては、隠れマルコフモデルに基づく推定方法がある。
以下に、隠れマルコフモデルを適用するための構成要素を示す。
(1)入力記号列
行動モデルの属性は、実際にユーザが収容されることで有限のリソースが消費される基地局ノードが変わることで表現される。ユーザの移動にともない、属性遷移を属性A→属性Bという遷移とする。
(2)遷移確率
あるノードから、次に遷移するノードへの確率を示す。ユーザの行動に基づいてノードからノードへ遷移する確率が変化する。例えば、ノードAからノードBへの遷移する確率PA(B|A)の計算式を次に示す。
A(B|A)=(AからBへ遷移した回数)/(Aから遷移した回数)
(3)内部状態
基地局ノードがカバーするセルの番号と回数を正規化して保存する。ノードAからノードB内のセルb1へ遷移する確率P1の計算式を次に示す。
1(b1|B)=PA(B|A)×(b1に収容された回数)/Bへ収容された回数)
(4)出力確率
ある属性の場所から、次に収容される属性又は次に収容されるセルへ到着する確率を示す。次にノードAからノードBのセルbへ遷移する確率P2の計算式を次に示す。
2=PA(B|A)×P1(b1|B)
このようにしてセルb1への侵入角度θの分布関数P(θ)を得る。図14及び図15にモデル図を示す。
次に、合成ベクトルによる進行方向推測の方法について説明する。
記録されている移動履歴の最初の点(0,0)から点(x1、y1)への移動ベクトル、もしくは基準となる方向からの角度θより、x1=r1cosθ、y1=r1sinθでもよい。
次の移動点への移動ベクトルと速度の比率aを加味して、(ax2、ay2)として、2点(x1、y1)と(ax2、ay2)の合成ベクトルを求めて、その結果を進行方向とする。この進行方向の角度θを中心とする、分布関数P(θ)を得る。
この分布関数P(θ)は、これら2つのモデルを組み合わせた関数や、進行する方向の連続率を加味した関数や、道路や線路などのパス情報を加味するモデルでもよい。
次に、これらの分布関数P(θ)から隣接セルの予約をするか否かを決定する方法を説明する。
ここで、地点(x1、y1)からの進行方向の分布は、ある分布関数P(θ)に従うとする。この分布関数P(θ)は、正規分布、二項分布、ポアソン分布などに従うものとしてよい。その場合、P(θ)は、進行方向の角度θの確率密度関数であり、θ1<θ<θ2の確率P(θ)が、図16のP(θ)テーブルのどの範囲にあるか、又は、確率密度関数P(θ)の精度が図17のどの信頼区間にあるかで、θ1が0〜π/3、π/3〜2π/3、2π/3〜πでの確率を求めて比較し、予め設定した確率を上回っている場合に予約を行うとしてもよい。θ1が0〜π/3、π/3〜2π/3、2π/3〜πとしているが、3はCnで与えられ、あるセルを中心として考えたとき、周囲にあるセル数の1/2で、今回は図1のようにセル数6でCn=3を想定している。これにより、θ1とその確率によってセルが決定できる。
このように求めた確率密度関数P(θ)の確率や精度、信頼性によって、予約確保を行うかどうかを選択することができるが、さらにNW構成の分岐ツリーを考慮して予約をするか否かを決定する例を示す。
リソース管理サーバでは、NW構成ツリーの分岐情報(リンク及び回線の収束状態)を持つ。アクセスラインとして管理する部分に関して分岐の段数を持つ。この分岐情報を元に、予め確保するリソースを段数によって、シェアできる数の少ない、より枝に近い方のリソースを優先的に確保することができる。
実際のNW構成ツリーを考慮した下記の数式(4)を用いて決定する。図1では2段である。
Kp(θ)≧zを予約確保するものとして、zをコンフィグレーションで設定変更可能とする。Kは収束状態によって決定する数である。
「a)5段目まで収束しているうちの1段目まで確保が必要な場合
→P(θ)=0.9ならばz=5×0.9=4.5
b)5段目まで収束しているうちの2段目まで確保が必要な場合
→P(θ)=0.8ならばz=5/2×0.8=2
c)3段目まで収束しているうちの1段目まで確保が必要な場合
→P(θ)=0.9ならばz=3×0.9=2.7
d)3段目まで収束しているうちの2段目まで確保が必要な場合
→P(θ)=0.8ならばz=3/2×0.8=1.2」…数式(4)
なお、コンフィグレーションでz=1.5とすることで、数式(4)のa)、b)、c)は、予約確保を行うとしてもよい。
3.第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態で説明したすべての隣接セルの帯域を予約するサービスAと、第2の実施の形態で説明したモバイル端末Mが移動する可能性の高い隣接セルの帯域を予約するサービスBと、隣接セルの帯域予約を行わないサービスCとを、ユーザが選択的に受けられるようにするものである。
図18は、本実施の形態にかかるリソース管理サーバの機能ブロック図である。この図では、図2及び図12に示した構成要素と同一部分を、図2及び図12と同一符号で示している。
図18に示すリソース管理サーバ1Bは、送受信部11と、制御部12Bと、データベース部13Bと、契約サービス判別部14とを有する。
制御部12Bはさらに、メッセージ解析部121Bと、経路特定部122と、リソース管理部123と、応答処理部124と、移動先予測部125とを有する。
データベース部13Bは、上述したアドレスリスト131、経路情報テーブル132、通信回線情報テーブル133、セル情報テーブル134、リソース管理テーブル135及び位置情報テーブル136に加えて、さらにサービス契約テーブルを記憶する。このサービス契約テーブルには、ユーザが契約したサービスが登録されており、ユーザのIDと、ユーザが契約したサービスの種別(A,B,C)とが対応付けて記憶されている。
次に、図19を参照し、リソース管理サーバ1Bの動作について説明する。本実施の形態では、ユーザが契約したサービスの種別を判別するため、リソース確保要求メッセージにユーザIDが付加されているものとする。
送受信部11でリソース確保要求メッセージを受信すると(ステップS51,YES)、メッセージ解析部121Bは、リソース確保要求メッセージからユーザIDを抽出し、契約サービス判別部14に出力する。契約サービス判別部14は、入力されたユーザIDに基づき、ユーザが契約したサービスの種別を判別する。具体的には、サービス契約テーブルを参照し、ユーザIDをキーにして、ユーザが契約したサービスの種別を検索する(ステップS52)。
その結果、ユーザがサービスAを契約している場合には(ステップS53,YES)、リソース管理サーバ1Bは第1の実施の形態で説明したように動作する。すなわち、ユーザのモバイル端末Mが現在属するセルの基地局BSと配信サーバT1を収容するルータR3との間の経路についてリソースを確保する処理と、モバイル端末Mが現在属するセルに隣接するすべての隣接セルの帯域を予約する処理を行う(ステップS54)。
また、ユーザがサービスBを契約している場合には(ステップS53,NO、ステップS55,YES)、リソース管理サーバ1Bは第2の実施の形態で説明したように動作する。すなわち、ユーザのモバイル端末Mが現在属するセルの基地局BSと配信サーバT1を収容するルータR3との間の経路についてリソースを確保する処理と、モバイル端末Mが今後移動する可能性の高い隣接セルのみの帯域を予約する処理を行う(ステップS56)。
また、ユーザがサービスCを契約している場合には(ステップS53,NO、ステップS55,NO、ステップS57,YES)、リソース管理サーバ1Bは、ユーザのモバイル端末Mが現在属するセルの基地局BSと配信サーバT1を収容するルータR3との間の経路についてリソースを確保する処理のみを行い、隣接セルの帯域を予約する処理を行わない(ステップS58)。
このようなサービスの選択機能を設けることにより、ユーザは隣接セルの帯域予約について希望のサービスを受けることが可能となる。なお、予めユーザが契約したサービスを登録しておかなくても、リソース確保要求メッセージにサービス種別の情報を付加し、この情報に基づいてサービス種別を判別することによって、同様の機能を実現できる。
4.その他
上述した実施の形態においては、モバイル端末Mからリソース確保要求によってこのモバイル端末Mが属するセルに隣接する隣接セルの帯域を予約する場合について説明したが、当該モバイル端末Mの通信相手が別のモバイル端末である場合に、この通信相手のモバイル端末Mが属するセルに隣接する隣接セルの帯域予約を行うことも可能である。同様に、リソース確保要求を行った固定端末の通信相手がモバイル端末である場合に、このモバイル端末Mが属するセルに隣接する隣接セルの帯域予約を行うことも可能である。
また、上述したように、隣接セルの帯域予約は、その隣接セルの基地局BSとモバイル端末Mの通信相手との間の経路のリソース確保に他ならない。従って、ある基地局のセルに隣接するセルの基地局をその基地局の隣接基地局と定義すれば、隣接セルの帯域予約は、隣接基地局の帯域予約と捉えることができる。隣接基地局の帯域予約には、基地局同士の位置関係を表すテーブルが必要となる。図6に示したセル同士の位置関係を示すセル情報テーブル134から基地局同士の位置関係を知ることができることは言うまでもないが、必ずしもセル単位の情報までは必要ない。例えば、基地局のIDと、その基地局とセル同士が隣接する隣接基地局のIDとが対応付けられたテーブルを用いることができる。
本発明は、例えばモバイル端末にコンテンツを配信するサービス等に利用可能である。
本発明の第1の実施の形態にかかるリソース管理サーバが適用されるシステムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるリソース管理サーバの機能ブロック図である。 図2に示すデータベース部に記録されるアドレスリストのデータ構造の一例を示す図である。 図2に示すデータベース部に記録される経路情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図2に示すデータベース部に記録される通信回線情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図2に示すデータベース部に記録されるセル情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図2に示すデータベース部に記録されるリソース管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 モバイル端末が属するセルの基地局につながる経路についてリソースを確保する処理の流れを示すフローチャートである。 モバイル端末が属するセルに隣接するすべての隣接セルの帯域を予約する処理の流れを示すフローチャートである。 モバイル端末がセル間を移動する際の処理の流れを示すフローチャートである。 確保されていたリソースを解放する処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかるリソース管理サーバの機能ブロック図である。 図12に示すデータベース部に記録される位置情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 隠れマルコフモデルにおける遷移確率を示す図である。 隠れマルコフモデルにおける移動確率を示す図である。 確率密度関数P(θ)の分布を示す図である。 確率密度関数P(θ)の精度を示す図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるリソース管理サーバの機能ブロック図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるリソース管理サーバの動作の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1,1A,1B…リソース管理サーバ、2…アプリケーションサーバ、11…送受信部、12,12A,12B…制御部、121,121A,121B…メッセージ解析部、122…経路特定部、123…リソース管理部、124…応答処理部、125…移動先予測部、13,13A,13B…データベース部、131…アドレスリスト、132…経路情報テーブル、133…通信回線情報テーブル、134…セル情報テーブル、135…リソース管理テーブル、136…位置情報テーブル、14…契約サービス判別部、AL1〜AL4,AL11〜AL13…アクセスライン、ALC1,ALC2…アクセス集線ライン、BS1〜BS4…基地局、C11〜C13,C21〜C23,C31〜C33,C41〜C43…セル、L1〜L3…リンク、M…モバイル端末、NW…通信ネットワーク、SW1,SW2…スイッチングハブ、R1〜R4…ルータ、T1〜T3…端末(T1…配信サーバ)。

Claims (12)

  1. モバイル端末とその通信相手との通信に必要な容量のリソースを通信ネットワーク上で確保するリソース管理装置であって、
    前記通信ネットワークに属する複数の基地局の位置関係を示す基地局情報を記憶する基地局情報記憶手段と、
    前記基地局情報を参照し、前記モバイル端末が現在収容される基地局に隣接する隣接基地局を特定する基地局特定手段と、
    特定した少なくとも1つの隣接基地局と前記通信相手との間の経路についてリソースの確保が可能か否かを判定し、リソースの確保が可能な経路についてリソースを確保するリソース確保手段と
    を備えることを特徴とするリソース管理装置。
  2. 請求項1に記載のリソース管理装置において、
    前記リソース確保手段は、前記隣接基地局と前記通信相手との間の経路のうち、リソースが既に確保されている前記モバイル端末が現在収容される前記基地局と前記通信相手との間の経路と異なる部分について、リソースの確保が可能か否かの判定及びリソースの確保を行うことを特徴とするリソース管理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のリソース管理装置において、
    前記リソース確保手段は、特定したすべての隣接基地局と前記通信相手との間のすべての経路について、リソースの確保が可能か否かの判定及びリソースの確保を行うことを特徴とするリソース管理装置。
  4. 請求項1又は2に記載のリソース管理装置において、
    前記モバイル端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    取得された前記位置情報を時刻とともに記憶する位置情報記憶手段と、
    前記位置情報記憶手段から異なる時刻の2以上の位置情報を読み出し、読み出した前記位置情報に基づき前記モバイル端末の移動方向を予測し、前記モバイル端末が現在収容される前記基地局から移動する可能性が高い隣接基地局を選択する移動先予測手段とをさらに備え、
    前記リソース確保手段は、選択された前記隣接基地局と前記通信相手との間の経路について、リソースの確保が可能か否かの判定及びリソースの確保を行うことを特徴とするリソース管理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリソース管理装置において、
    リソースの確保が不可能な経路がある場合に、この経路につながる隣接基地局を前記モバイル端末に通知する通知手段をさらに備えることを特徴とするリソース管理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリソース管理装置において、
    前記モバイル端末が基地局間を移動したとき、移動後の基地局に隣接しない基地局につながる経路についてリソースが確保されている場合に、このリソースを解放するリソース解放手段をさらに備えることを特徴とするリソース管理装置。
  7. モバイル端末とその通信相手との通信に必要な容量のリソースを通信ネットワーク上で確保するリソース管理方法であって、
    前記通信ネットワークに属する複数の基地局の位置関係を示す基地局情報を参照し、前記モバイル端末が現在収容される基地局に隣接する隣接基地局を特定するステップと、
    特定した少なくとも1つの隣接基地局と前記通信相手との間の経路についてリソースの確保が可能か否かを判定するステップと、
    リソースの確保が可能な経路についてリソースを確保するステップと
    を備えることを特徴とするリソース管理方法。
  8. 請求項7に記載のリソース管理方法において、
    前記判定するステップは、前記隣接基地局と前記通信相手との間の経路のうち、リソースが既に確保されている前記モバイル端末が現在収容される前記基地局と前記通信相手との間の経路と異なる部分について、リソースの確保が可能か否かを判定することを特徴とするリソース管理方法。
  9. 請求項7又は8に記載のリソース管理方法において、
    前記判定するステップは、特定したすべての隣接基地局と前記通信相手との間のすべての経路について、リソースの確保が可能か否かを判定することを特徴とするリソース管理方法。
  10. 請求項7又は8に記載のリソース管理方法において、
    前記モバイル端末の位置情報を取得するステップと、
    取得された前記位置情報を時刻とともに記憶するステップと、
    異なる時刻の2以上の位置情報を読み出し、読み出した前記位置情報に基づき前記モバイル端末の移動方向を予測し、前記モバイル端末が現在収容される前記基地局から移動する可能性が高い隣接基地局を選択するステップとをさらに備え、
    前記判定するステップは、選択された前記隣接基地局と前記通信相手との間の経路について、リソースの確保が可能か否かを判定することを特徴とするリソース管理方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載のリソース管理方法において、
    リソースの確保が不可能な経路がある場合に、この経路につながる隣接基地局を前記モバイル端末に通知するステップをさらに備えることを特徴とするリソース管理方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載のリソース管理方法において、
    前記モバイル端末が基地局間を移動したとき、移動後の基地局に隣接しない基地局につながる経路についてリソースが確保されている場合に、このリソースを解放するステップをさらに備えることを特徴とするリソース管理方法。
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