JP2009076286A - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】多雪地域に設置した場合でも、積雪により吸気口部等が塞がれてしまう虞が少なく、空気の取り込みが円滑に行え、積雪により運転が停止してしまう虞のない燃料電池発電システムを提供する。
【解決手段】パッケージ11内に、水素リッチガスと酸素とを反応させて電力を得る燃料電池本体12と、水素リッチガスを原燃料の改質によって得る燃料処理装置13と、酸素を外部から吸気する吸気機構21と、燃料電池本体12や燃料処理装置13等からの排出ガスを、排気流路27を通流させて外部に排気する排気機構22とを収納したもので、吸気機構21は、吸気口部23がパッケージ11の天井部に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に積雪地に好適する燃料電池発電システムに関する。
周知の通り、燃料電池発電システムは、燃料処理装置により改質、生成された水素と酸素の結合エネルギを、燃料電池本体において直接電気エネルギに変換するものである。また、化学反応による発電であるために発電効率が高く、汚染物質の排出及び騒音が少ない環境性に優れた発電装置として評価されている。
そして、燃料供給基盤が整備されている都市ガスやLPガス、灯油などの炭化水素系燃料を原燃料とし、水蒸気を用いた改質反応により水素を得て発電を行う燃料電池発電システムについては、家庭用あるいは小規模事業用のシステムとして比較的小型のものの開発が進められている。この家庭用あるいは小規模事業用の燃料電池発電システムでは、電力の供給と共に、発電に伴い生じ、排出される熱を供給、利用するようにしたコージェネレーションシステムとすることが行なわれている。
このコージェネレーションシステムとしての優位性をよりよく発揮させるためには、給湯や床暖房などによる排熱利用を多くすることが効果的である。そのため、特に冬季に多くの排熱利用が見込まれる寒冷地への燃料電池発電システムの設置は、高い総合効率での運転が期待でき、多くの需要が見込まれる。しかし、寒冷地の積雪量が多い地域への燃料電池発電システムの設置に当っては、積雪による影響を考慮する必要がある。
通常、燃料電池本体をパッケージ内に収納したものは、燃料電池の運転に必要な空気を取り込むための吸気口や排出ガスを排気する排気口をパッケージの正面パネルや側面パネルに設けて構成される(例えば、特許文献1参照。)。
そして、こうした構成のものは、例えば、図4に示すように、燃料電池発電システム1のパッケージ2の後面パネル3を家屋4に面した状態で設置することになる。このように、パッケージ2に直接雨が当らないよう家屋4の軒下等に設置した場合、設置位置によっては積雪量が多かった時に雪面5aが吸気口6等の位置より高くなり、パッケージ2の正面パネル7や側面パネル8に側方に向けて開口させた吸気口6等を塞いでしまう虞がある。
吸気口6等が積もった雪5により塞がれてしまうような状態になると、吸気口6の開口面積が減少して取り込む空気の量が低下してしまう。このように空気量が低下し、最悪の場合、空気の供給が停止される事態となると、燃料電池発電システム1の運転が行えなくなる。
特開2006−140165号公報
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは、排熱を多く利用することができる寒冷地で高い総合効率での運転が行えると共に、積雪量が多い地域に設置した場合においても、積もった雪によりパッケージに設けた吸気口部等が塞がれてしまう虞が少なく、運転に必要な空気の取り込みが円滑に行え、積雪によって運転が停止してしまう虞のない燃料電池発電システムを提供することにある。
本発明の燃料電池発電システムは、
パッケージ内に、水素リッチガスと酸素とを反応させて電力を得る燃料電池本体と、前記水素リッチガスを原燃料の改質によって得る燃料処理装置と、前記酸素を外部から吸気する吸気機構と、前記燃料電池本体や前記燃料処理装置等からの排出ガスを、排気流路を通流させて外部に排気する排気機構とを収納した燃料電池発電システムであって、
前記吸気機構は、吸気口部が前記パッケージの天井部に設けられていることを特徴とするものである。
さらに、前記排気機構は、前記排気流路の少なくとも一部が前記燃料処理装置からの排出ガスと前記燃料電池本体からの排出ガスの一部、または全部によって、前記パッケージの上面部を加熱するよう配置されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記吸気機構の吸気口部は、前記パッケージ上面部に設けられた前記排気機構の排気流路により加熱される部位に設けられていることを特徴とするものであり、
さらに、前記排気機構の排気流路が配置された前記パッケージの上面部の温度を測定する温度検出手段が備えられていることを特徴とするものであり、
さらに、前記温度検出手段の検出温度に基づいて、前記パッケージ上面部の前記排気機構の排気流路を通流する前記排出ガスの温度を制御することを特徴とするものであり、
さらに、前記排気流路を通流する前記排出ガスの温度の制御が、前記パッケージ内の前記排気機構より前記排出ガス排気方向上流位置に前記排出ガス中の水分凝縮時の熱を貯湯タンクに供給する凝縮熱交換器を設け、前記温度検出手段の検出温度に基づいて、前記貯湯タンクへの前記凝縮熱交換器からの熱供給量を制御し、前記パッケージの上面部を所定温度とするものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、寒冷地での高い総合効率での運転が行えると共に、積雪量が多い地域においても、積もった雪によってパッケージに設けた吸気口部等が塞がれ、運転に必要な空気の取り込みが円滑に行えず運転が停止してしまうといった虞がない等の効果を有する。
以下本発明の一実施形態を、図1乃至図3を参照して説明する。図1は構成図であり、図2は要部の縦断面図であり、図3は要部の斜視図である。
図1乃至図3において、燃料電池発電システム10は、直方体状のパッケージ11内に、燃料電池本体12と、燃料処理装置13と、凝縮熱交換器14を備えて構成されている。燃料電池本体12は、アノード電極12aと、カソード電極12bとを備え、かつ両電極12a,12bの間に電解質膜12cを挟持しており、アノード電極12aに燃料処理装置13から供給された燃料である水素リッチガスの水素と、カソード電極12bに外部から取り込まれ供給された空気の酸素の結合エネルギを直接電気エネルギに変換する。
燃料処理装置13は、都市ガスやLPガス、灯油などの外部から供給された炭化水素系燃料の原燃料を、シフト器、選択酸化器、改質器を備え、水蒸気を用いた改質反応により水素リッチガスに改質する改質部13aと、吸熱反応である改質反応を行うために必要な燃焼熱を作るためのバーナ部13bを備えている。また、凝縮熱交換器14は、熱交換器本体15と水タンク16を備え、熱交換器本体15の内部に設けられた熱交換部15aによって凝縮された凝縮水17が水タンク16に蓄えられるようになっている。
さらに、熱交換部15aは、燃料電池発電システム10のパッケージ11外に設けられ、水道等から所要とする量の水が供給され貯水できる貯湯タンク18内と、循環パイプ19を介して接続されている。これにより、熱交換部15aと貯湯タンク18との間を、ポンプ(図示せず)を用い、あるいは熱交換部15aと貯湯タンク18間の温度差による自然対流を使って水が循環し、貯湯タンク18内に温水が貯溜できるようになっている。なお、循環パイプ19には、流量制御弁19aを挿入し、流量制御弁19aの開度を調節することで、又はポンプ出力を変化させることで、貯湯タンク18から熱交換部15aへの通水量が変えられるようになっている。
また、パッケージ11には、その内部に吸排気装置20が設けられていて、吸排気装置20は、吸気機構21と排気機構22を備えて構成されている。吸気機構21は、パッケージ11の天井部に設けられた吸気口部23を形成する吸気流路24の端部である吸気口25を介して吸気したパッケージ11外の空気Aを、吸気流路24を通じて燃料電池本体12のカソード電極12bと、燃料処理装置13の改質部13a、バーナ部13bに供給するようになっている。
また排気機構22は、同じくパッケージ11の天井部に排気口部26を備えていて、燃料電池本体12のカソード電極12bから排出されたカソード排ガスと、燃料処理装置13のバーナ部13bから排出された燃焼排ガスの排出ガスBを、排気流路27の途中に挿入された凝縮熱交換器14に送出するようになっている。
さらに、排気機構22の排気口部26は、パッケージ11の天井と一体構造となるように形成し、パッケージ11の天井面11aに沿った流路を有するようにした断面形状が方形のダクト29を備えている。このダクト29は、排出ガスBの排気流路27の一部を構成していて、一端が閉塞されていると共に一端側に熱交換器本体15からの排出ガスBが流入口29aから流入するようになっており、また他端が排気口28となっていて、パッケージ11の正面パネル11bの上部において外方に向け開口している。
このため、ダクト29に流入した排出ガスBは、パッケージ11の天井面11aに沿って流れた後に排気口28からパッケージ11外に排気される。なお、排気口28の上辺部分には、正面パネル11b面から突出するように庇29bが設けられている。
一方、吸気機構21のパッケージ11の天井部に設けられた吸気口部23は、排気口部26のダクト29の中間部を上下方向に片端部が貫通し、パッケージ11の天井面11aから延出した円形管30を備えている。この円形管30は、吸気流路24の一部を構成していて、天井面11aから延出したが上方に向けて開口する吸気口25となっている。さらに、円形管30の片端の上方には、吸気口25を所定間隙を設けて覆うように角形の天蓋31が設けられており、これにより、パッケージ11外の空気Aは天蓋31の下向き開口から吸入され吸気口25へと導かれる。
また、吸気口部23の円形管30が貫通する排気口部26のダクト29の中間部近傍、例えばパッケージ11の天井面11aの円形管30貫通部位近傍には、温度検出手段として熱電対等の温度検出器32が取り付けられており、ダクト29部分の天井面11aの温度が検出できるようになっている。そして、温度検出器32で検出された温度は、制御部33に伝達されるようになっている。
次に、上記のように構成された燃料電池発電システム10の動作を説明する。先ず、燃料処理装置13において、バーナ部13bでの燃焼熱で加熱しながら、外部から供給された炭化水素系燃料の原燃料と水蒸気を混合し、改質部13aでの吸熱反応である水蒸気改質反応によって水素を主成分とした水素リッチガスとする。そして、水素リッチガスを、燃料電池本体12のアノード電極12aに供給し、また吸気機構21の吸気口部23を介して取り込み吸気流路24を通流させた空気Aを、カソード電極12bに供給して、水素リッチガス中の水素と空気中の酸素との間で電気化学反応を発生させ、直流起電力を発生させる。
この際、原燃料は、一部が燃料処理装置13のバーナ部13bに燃料として供給され、燃料電池本体12のアノード電極12aで生じた反応後のアノード排ガスもバーナ部13bに燃料として供給されて混合燃焼される。また吸気口部23を介して取り込んだ空気Aについては、バーナ部13bに燃焼用として供給されると共に、一部は改質部13aの選択酸化器に、水素リッチガスを生成時のCO(一酸化炭素)濃度を適正濃度とするため、COの選択酸化用として供給される。
また、燃料電池本体12のカソード電極12bから排出された反応後のカソード排ガスと、燃料処理装置13のバーナ部13bから排出された燃焼排ガスの排出ガスBは、排気流路27を介して凝縮熱交換器14の熱交換器本体15内に流入する。そして、凝縮熱交換器14に流入した排出ガスBは、熱交換器本体15内を通流する間に、熱交換部15aで循環パイプ19により貯湯タンク18内との間を循環する水と熱交換を行う。この熱交換で生じた凝縮水17は熱交換器本体15に接続された水タンク16に流下して貯溜される。
一方、熱交換で温度の低下した排出ガスBは、さらに排気流路27を通流し、排気機構22の排気口部26を形成するダクト29内に流入口29aから流入する。ダクト29内に流入した排出ガスBは、パッケージ11の天井面11aに沿って通流し、その間にパッケージ11の天井面11aは暖め、その後に排気口28からパッケージ11外に排気される。
また、天井面11aの温度は温度検出器32により検出されており、その検出結果は制御部33に伝達される。そして制御部33では、検出温度が所要とする温度より低い場合には、天井面11aを暖める排出ガスBの温度を上昇させるべく、凝縮熱交換器14の熱交換部15aでの貯湯タンク18と水との熱交換量を減らす制御を行う。熱交換量を減らす制御は、循環パイプ19に挿入された流量制御弁19aの開度を調節又はポンプの出力を調節し、熱交換部15aでの通水量を減ずるように行うもので、これにより、熱交換部15aでの熱交換量が、天井面11aの温度が適正温度となる排出ガスBの温度が得られる熱交換量となる。なお、天井面11aの温度を下げる場合には、熱交換量が増すように通水量の制御を行う。これに伴って貯湯タンク18内の水の温度も上昇し、比較的短時間での貯湯を行うことができる。
以上のように構成することで、燃料電池発電システム10を寒冷地に設置した場合、例えばパッケージ11の全高まで周囲に積雪があるような状況でも、吸気口部23の吸気口25は雪面よりも上方に位置するため、天蓋31の下向き開口や吸気口25を介しての吸気を円滑に行うことができる。
また、パッケージ11の天井面11a上に積雪があるような状況であっても、温度検出器32により吸気口部23の円形管30貫通部位近傍の天井面11a温度を随時検知しながら天井面11aの融雪状況をチェックし、天井面11aの温度が常に融雪可能な温度となるように、制御部33で流量制御弁19aの開度又はポンプ出力を調節制御し、排出ガスBの温度を適正温度に維持することができる。これにより、吸気口部23が設けられたパッケージ11の天井面11aには積雪がなく、天蓋31の下向き開口、吸気口25を介しての吸気を円滑に行うことができる。
その結果、運転に伴い排気される排出ガスBの熱を、熱交換によって貯湯等の手段によって活用しながら、積雪があっても、排出ガスBの熱を使って融雪することによって燃料電池本体12での発電に要する空気を十分に確保することができ、運転停止の事態を引き起こすことなく、安定した運転を行うことができる。
また、排気機構22の排気口部26をパッケージ11の天井部に設け、排気口28をパッケージ11の正面パネル11bの上部に側方に向け開口させているので、排気口28の位置まで積雪面がくるような場合でも、排気口28から排気される比較的高い温度の排出ガスBによって排気口28前方の雪を溶かすことができる。これにより、排気口28からの排出ガスBの排気についても円滑に行うことができる。
さらに、融雪のために別途の熱源や装置を付加する必要がなく、低コストで積雪地でも安定した運転を行うことができる燃料電池発電システム10を実現することができる。
なお、上記の実施形態においては、カソード排ガスと燃焼排ガスの排出ガスBが、全て凝縮熱交換器14の熱交換器本体15内に流入するように構成したが、排出ガスBの一部を熱交換器本体15内に流入させるようにしてもよい。
本発明の一実施形態を示す構成図である。 本発明の一実施形態における要部の縦断面図である。 本発明の一実施形態における要部の斜視図である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
11…パッケージ
12…燃料電池本体
13…燃料処理装置
14…凝縮熱交換器
21…吸気機構
22…排気機構
23…吸気口部
25…吸気口
27…排気流路

Claims (6)

  1. パッケージ内に、水素リッチガスと酸素とを反応させて電力を得る燃料電池本体と、前記水素リッチガスを原燃料の改質によって得る燃料処理装置と、前記酸素を外部から吸気する吸気機構と、前記燃料電池本体や前記燃料処理装置等からの排出ガスを、排気流路を通流させて外部に排気する排気機構とを収納した燃料電池発電システムであって、
    前記吸気機構は、吸気口部が前記パッケージの天井部に設けられていることを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 前記排気機構は、前記排気流路の少なくとも一部が前記燃料処理装置からの排出ガスと前記燃料電池本体からの排出ガスの一部、または全部によって、前記パッケージの上面部を加熱するよう配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記吸気機構の吸気口部は、前記パッケージ上面部に設けられた前記排気機構の排気流路により加熱される部位に設けられていることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記排気機構の排気流路が配置された前記パッケージの上面部の温度を測定する温度検出手段が備えられていることを特徴とする請求項2記載の燃料電池発電システム。
  5. 前記温度検出手段の検出温度に基づいて、前記パッケージ上面部の前記排気機構の排気流路を通流する前記排出ガスの温度を制御することを特徴とする請求項2及び請求項4記載の燃料電池発電システム。
  6. 前記排気流路を通流する前記排出ガスの温度の制御が、前記パッケージ内の前記排気機構より前記排出ガス排気方向上流位置に前記排出ガス中の水分凝縮時の熱を貯湯タンクに供給する凝縮熱交換器を設け、前記温度検出手段の検出温度に基づいて、前記貯湯タンクへの前記凝縮熱交換器からの熱供給量を制御し、前記パッケージの上面部を所定温度とするものであることを特徴とする請求項2、請求項4、請求項5記載の燃料電池発電システム。
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